JP2009190964A - ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

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雅文 国枝
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Abstract

【課題】 接着材ペーストを充填する際に接着材ペーストの流動性が低くなることを防止して、作業効率よく接着材ペースト層を形成することのできるハニカム構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】 原料組成物を成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する成形工程と、上記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、保水剤を含む保水性接着材ペーストを調製する保水性接着材ペースト調製工程と、複数の上記ハニカム焼成体を上記保水性接着材ペーストを用いて接着してハニカム集合体を作製する接着工程とを含むことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハニカム構造体の製造方法に関する。
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガスを浄化するために、ハニカム触媒が用いられており、従来、ハニカム触媒としては、例えば、一体構造で低熱膨張性のコージェライト質ハニカム構造体の表面に、活性アルミナ等の高比表面積材料と白金等の触媒金属を担持したものが提案されている。また、リーンバーンエンジンおよびディーゼルエンジンのような酸素過剰雰囲気下におけるNOx処理のために、NOx吸蔵剤としてBa等のアルカリ土類金属を担持したものも提案されている。
また、活性アルミナ等の高比表面積材料からなる主原料と、補強材としての無機繊維と、無機バインダとをハニカム形状に成形し、焼成することにより製造されるハニカム焼成体からなるハニカム構造体が知られており、接着材層を介して、ハニカム焼成体を複数個接着させてなる集合型ハニカム構造体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
集合型ハニカム構造体の製造工程中、ハニカム焼成体を接着させる方法としていくつかの方法が開示されている。特に、ハニカム焼成体の側面間に無機粒子、無機繊維等を含んだ接着材ペースト層を形成し、接着材ペースト層を乾燥させることによって接着材層を形成して、ハニカム焼成体同士を接着する方法が開示されている。
また、特許文献2には、ハニカム焼成体間に接着材ペースト層を形成する方法として、複数のハニカム焼成体(多孔質セラミック部材)を空隙保持材を介して組み上げて所定の形状を有するハニカム焼成体の並列体(セラミック部材集合体)を作製し、組み上げたハニカム焼成体の並列体を筒状治具の中に配置し、ハニカム焼成体の並列体の側面からハニカム焼成体間の空隙に接着材ペーストを流して加圧することによって、ハニカム焼成体間の空隙に接着材ペーストを充填する方法が開示されている。
図8(a)は、従来の接着材ペーストの充填装置及び充填装置の内部に設置されたハニカム焼成体の並列体の長手方向に垂直な断面の一例を模式的に示した断面図であり、図8(b)は、図8(a)に示した接着材ペーストの充填装置及び充填装置の内部に設置されたハニカム焼成体の並列体の長手方向に平行な断面の一例を模式的に示した断面図である。
充填装置500は、筒状体501とペースト供給器503を備えている。筒状体501は、内部にハニカム焼成体の並列体180を設置し得る内部空間502を備えている。ペースト供給機503は、接着材ペースト120を収容するためのペースト室520と接着材ペースト120をペースト室外に押し出す押出機構525を備えている。
筒状体501には、このペースト室520と内部空間502を連通する開口510が形成されており、この開口510を経由して接着材ペースト120が供給される。
また、内部空間502内において、ハニカム焼成体110は、空隙保持材(スペーサ)410を介して縦横に複数個並列して配置されており、ハニカム焼成体110の間にはスペーサの厚さ分の空隙420が形成されている。
図8(a)及び図8(b)には、この充填装置を用いてハニカム焼成体間の空隙420に接着材ペーストを充填する際の接着材ペーストの流れを実線の矢印A、B、及び、Cで示している。
すなわち、押出機構525を用いて接着材ペースト120に圧力を加えることに伴って、接着材ペースト120がペースト室520から開口510を経由して空隙420内に充填されてゆき、図8(a)においては空隙420は上から下に向かって、図8(b)においては空隙420は中央から左右に向かって充填されてゆく。
このような充填装置を用いることによって、ハニカム焼成体の間の空隙に接着材ペーストが充填され、最後には接着材ペーストはハニカム焼成体の両端面付近にまで達することとなる。
特開2005−349378号公報 国際公開05/047210号パンフレット
特許文献1に開示されているような、触媒担体として用いられるハニカム焼成体は、高比表面積の無機粒子、及び、無機繊維等を焼成させることによって製造されており、吸水性が高い。
また、充填に用いられる接着材ペーストは無機粒子、無機繊維等を含み、さらに、接着材ペーストの粘度を低下させて流動性を高くするために多くの水分を含んでいる。
そのため、このようなハニカム焼成体と接着材ペーストが接触すると、接着材ペーストに含まれている水分の一部がハニカム焼成体に吸収されることがある。
そして、接着材ペーストに含まれている水分がハニカム焼成体に吸収されて、接着材ペーストに含まれている水分の量が減少すると、接着材ペーストの粘度が上昇し、接着材ペーストの流動性が低下する。
図9は、従来のハニカム構造体の製造方法において、接着材ペーストを充填する際のハニカム焼成体の側面近傍(図8(b)においてDで示す領域)を模式的に示す断面図である。
図9中、接着材ペーストは、左側から右側に向かって充填されていく。
また、図9においては、接着材ペースト120に含まれる水分10を模式的に黒色の丸で示しており、この黒色の丸が多い部分は水分量が多く、少ない部分は水分量が少ないことを示している。
接着材ペースト120は、図9中で左側に示すように水分10を多く含むペーストである。そして、接着材ペースト120は図9中の左側から右側に向かって、ハニカム焼成体の間の空隙420に充填されていく。ところが、接着材ペースト120はハニカム焼成体110に接触しているため、接着材ペースト120に含まれる水分10は、図9中で下向きの矢印で示すように、接着材ペースト120からハニカム焼成体110に吸収されていく。
接着材ペースト120に含まれる水分10がハニカム焼成体110に吸収されていくと、接着材ペースト120に含まれる水分10は徐々に減少する。すなわち、接着材ペースト120が図9中の右側に向かって充填されていくのに従って、接着材ペースト120に含まれる水分10が減少することとなる。
従って、図9において右側には水分10を示す点が少なくなっている。
そして、接着材ペーストに含まれる水分が減少すると、接着材ペーストの粘度が上昇し、接着材ペーストの流動性が低下する。そのため、接着材ペーストをハニカム焼成体の端面近傍にまで充填することが困難になることがある。
また、接着材ペーストの先端部分で接着材ペーストが乾燥してしまい、接着材ペーストにひび割れが生じるおそれもある。
そして、流動性の低い接着材ペーストをハニカム焼成体の端面近傍にまで充填するためには、例えば、通常用いるよりも高い圧力を接着材ペーストに加える方法、又は、別途ハニカム焼成体の端面側からも接着材ペーストを充填する方法等を用いる必要があるが、いずれの方法においても接着材ペースト層を形成する作業効率が低くなってしまうという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、接着材ペーストを充填する際に接着材ペーストの流動性が低くなることを防止して、作業効率よく接着材ペースト層を形成することのできるハニカム構造体の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法は、原料組成物を成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する成形工程と、
上記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、
保水剤を含む保水性接着材ペーストを調製する保水性接着材ペースト調製工程と、
複数の上記ハニカム焼成体を上記保水性接着材ペーストを用いて接着してハニカム集合体を作製する接着工程とを含むことを特徴とする。
請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法においては、保水剤を含む接着材ペーストを調製して、保水剤を含む接着材ペーストを用いて接着工程を行う。
以下、保水剤を含む接着材ペーストを用いた場合の作用効果について、図面を用いて説明する。
なお、本発明において、保水剤とは、水分と接触した際に水分を吸収して、水分を他の部位に移動させない性質を有する物質である。
図1は、保水剤を含む保水性接着材ペーストを充填する際のハニカム焼成体の側面近傍を模式的に示す断面図である。
図1においては、保水剤を含む接着材ペーストである、保水性接着材ペースト20を斜線で示しており、保水性接着材ペースト20には、水分10が含まれている。
保水剤と接触した水分10は、他の部分に移動しにくいため、保水性接着材ペースト20に含まれる水分10は、保水性接着材ペースト20から他の部分に移動しにくい。そのため、保水性接着材ペースト20とハニカム焼成体110とが接触した場合であっても、保水性接着材ペースト20に含まれる水分10はハニカム焼成体110に吸収されにくい。従って、保水性接着材ペースト20が図1の右側に向かってハニカム焼成体間の空隙420に充填されていった場合であっても、保水性接着材ペースト20に含まれる水分量が減少しにくい。
従って、図1においては接着材ペースト20の左側から右側に渡って水分10を示す点がほぼ均等に分布している。
そのため、保水性接着材ペーストの粘度が低く、流動性が高い状態を維持したままで保水性接着材ペーストをハニカム焼成体の端面近傍にまで充填することができる。
従って、保水性接着材ペーストを充填させる際に保水性接着材ペーストに加える圧力を低くすることができ、また、ハニカム焼成体の端面側から保水性接着材ペーストを別途充填する必要もないため、作業効率よく接着材ペースト層を形成することができる。
請求項2に記載のハニカム構造体の製造方法において、上記保水剤は、吸水性ポリマー、高気孔率接着材、モンモリロナイト、バーミキュライト、サポナイトのいずれかからなる。
これらの物質は、保水性を有するため、保水性接着材ペースト中にこれらの物質のいずれかが含まれることによって、保水性接着材ペースト中の水分がハニカム焼成体に吸収されることを防止することができる。
請求項3に記載のハニカム構造体の製造方法は、原料組成物を成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する成形工程と、
上記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、
撥水層を上記ハニカム焼成体の側面に形成する撥水層形成工程と、
複数の上記ハニカム焼成体を接着材ペーストを用いて接着してハニカム集合体を作製する接着工程とを含むことを特徴とする。
請求項3に記載のハニカム構造体の製造方法においては、撥水層をハニカム焼成体の側面に形成した後に接着工程を行う。
以下、撥水層をハニカム焼成体の側面に形成した場合の作用効果について、図面を用いて説明する。
図2は、ハニカム焼成体の側面に撥水層を形成した後に接着材ペーストを充填する際のハニカム焼成体の側面近傍を模式的に示す断面図である。
図2においては、撥水層30を斜線で示しており、また、撥水層30によって水分がはじかれる様子を矢印で示している。
撥水層30は、水と接触した際に水をはじく性質を有する層である。そのため、接着材ペースト120に含まれる水分10が撥水層30と接触すると、水分10は撥水層30の表面ではじかれ、撥水層30の先(図2中下方向)に存在するハニカム焼成体110にまで移動することがない。
また、撥水層30と接触した水分10が撥水層30の内部に移動することもない。
そのため、ハニカム焼成体110の側面に撥水層30が形成されていると、接着材ペースト120に含まれている水分10がハニカム焼成体110に移動しにくくなる。
そして、撥水層30をハニカム焼成体110の側面に形成した後に接着材ペースト120の充填を行うと、接着材ペースト120が図2の右側に向かってハニカム焼成体間の空隙420に充填されていった場合であっても、接着材ペースト120に含まれる水分量が減少しにくい。
従って、図2においては接着材ペースト120の左側から右側に渡って水分10を示す点がほぼ均等に分布している。
そのため、接着材ペーストの粘度が低く、流動性が高い状態を維持したままで接着材ペーストをハニカム焼成体の端面近傍にまで充填することができる。
従って、接着材ペーストを充填させる際に接着材ペーストに加える圧力を低くすることができ、また、ハニカム焼成体の端面側から接着材ペーストを別途充填する必要もないため、作業効率よく接着材ペースト層を形成することができる。
請求項4に記載のハニカム構造体の製造方法においては、撥水剤を上記ハニカム焼成体の側面に塗布することによって上記撥水層を形成する。
撥水剤をハニカム焼成体の側面に塗布することによって、ハニカム焼成体の側面に撥水層を簡便に形成することができる。
また、請求項5に記載のハニカム構造体の製造方法において、上記撥水剤は、シリコンオイル、ロウ、ガラスのいずれかからなる。
これらの物質は、撥水性を有するため、これらの物質のいずれかを用いることによってハニカム焼成体の側面に撥水層を形成することができ、接着材ペースト中の水分がハニカム焼成体に吸収されることを防止することができる。
請求項6に記載のハニカム構造体の製造方法は、原料組成物を成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する成形工程と、
上記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、
水分含有量の大きい下地接着材ペースト層を上記ハニカム焼成体の側面に形成する、下地接着材ペースト層形成工程と、
複数の上記ハニカム焼成体を接着材ペーストを用いて接着してハニカム集合体を作製する接着工程とを含むことを特徴とする。
請求項6に記載のハニカム構造体の製造方法においては、上記接着工程よりも前に、水分含有量の大きい下地接着材ペースト層を上記ハニカム焼成体の側面に形成する、下地接着材ペースト層形成工程を行う。
なお、「水分含有量の大きい下地接着材ペースト層」とは、「接着工程で用いる接着材ペーストよりも水分含有量(重量%)の大きい接着材ペースト層」という意味である。
以下、下地接着材ペースト層をハニカム焼成体の側面に形成した場合の作用効果について、図面を用いて説明する。
図3は、ハニカム焼成体の側面に下地接着材ペースト層を形成した後に接着材ペーストを充填する際のハニカム焼成体の側面近傍を模式的に示す断面図である。
図3においては、下地接着材ペースト層40を斜線で示している。
また、下地接着材ペースト層40からハニカム焼成体110及び接着材ペースト120に移動する水分10の移動方向を矢印で示している。
また、下地接着材ペースト層40には接着材ペースト120よりも多くの水分10が含まれている。
この場合、接着材ペースト120がハニカム焼成体110と直接接触していないため、接着材ペースト120に含まれる水分10がハニカム焼成体110に直接吸収されることはない。
また、下地接着材ペースト層40は、接着材ペースト120よりも多くの水分10を含む層である。そのため、接着材ペースト120と下地接着材ペースト層40が接触した場合に、下地接着材ペースト層40から接着材ペースト120に向かって移動する水分10の量は多いが、接着材ペースト120から下地接着材ペースト層40に向かって移動する水分10の量は少ない。
また、下地接着材ペースト層40からハニカム焼成体110にも水分が移動する。
従って、下地接着材ペースト層40をハニカム焼成体110の側面に形成した後に接着材ペースト120の充填を行うと、接着材ペースト120が図3の右側に向かってハニカム焼成体間の空隙420に充填されていった場合であっても、接着材ペースト120に含まれる水分量が減少しにくい。
従って、図3においては接着材ペースト120の左側から右側に渡って水分10を示す点がほぼ均等に分布している。
そのため、接着材ペーストの粘度が低く、流動性が高い状態を維持したままで接着材ペーストをハニカム焼成体の端面近傍にまで充填することができる。
従って、接着材ペーストを充填させる際に接着材ペーストに加える圧力を低くすることができ、また、ハニカム焼成体の端面側から接着材ペーストを別途充填する必要もないため、作業効率よく接着材ペースト層を形成することができる。
請求項7に記載のハニカム構造体の製造方法においては、上記接着工程で用いる接着材ペーストに水分を加えることによって、上記下地接着材ペースト層の原料である下地接着材ペーストを調製する。
接着工程で用いる接着材ペーストと下地接着材ペーストは、その水分含有量のみが異なるため、これら2種類の接着材ペーストを乾燥することによって同一組成の接着材層を形成することができる。形成される接着材層の組成が同一であると、実質的に境界がなく、このようなハニカム構造体を触媒担体として使用した際に接着材層間に剥がれ等が発生することのない接着材層とすることができる。
また、請求項8に記載のハニカム構造体の製造方法においては、上記ハニカム焼成体の側面に上記下地接着材ペーストを塗布することによって上記下地接着材ペースト層を形成する。
下地接着材ペーストをハニカム焼成体の側面に塗布することによって、ハニカム焼成体の側面に下地接着材ペースト層を簡便に形成することができる。
請求項9に記載のハニカム構造体の製造方法において、上記原料組成物は、無機粒子と、無機繊維及び/又はウィスカと、無機バインダとを含んでなる。
また、請求項10に記載のハニカム構造体の製造方法において、上記無機粒子は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト、ゼオライトからなる群から選択された少なくとも一種である。
また、請求項11に記載のハニカム構造体の製造方法において、上記無機繊維及び/又はウィスカは、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカ−アルミナ、ガラス、チタン酸カリウム及びホウ酸アルミニウムからなる群から選択された少なくとも一種である。
また、請求項12に記載のハニカム構造体の製造方法において、上記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト及びアタパルジャイトからなる群から選択された少なくとも一種を含む。
請求項9〜12に記載されたこれらの物質を含む原料組成物を用いることによって、比表面積が高く、かつ、強度が高いハニカム構造体を製造することができる。
そして、比表面積が高く強度の高いハニカム構造体は、触媒担体として好適に用いることができる。
(第一実施形態)
以下、本発明のハニカム構造体の製造方法の一実施形態である第一実施形態について説明する。
はじめに、本発明のハニカム構造体の製造方法において製造するハニカム構造体について、図面を参照しながら説明する。
図4(a)は、本発明のハニカム構造体の製造方法で製造するハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図4(b)は、ハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図である。
図4(a)に示すハニカム構造体100においては、多孔質セラミックからなる、図4(b)に示すような四角柱形状のハニカム焼成体110が、接着材層101を介して複数個結束されてセラミックブロック103を構成し、このセラミックブロック103の周囲にコート層102が形成されている。
図4(b)に示すハニカム焼成体110は、多数のセル111がセル壁113を隔てて長手方向(図4(b)中、矢印Eの方向)に並設されてなる。
そして、ハニカム焼成体110の最外周には外壁114が存在している。
セル111には排ガス等の流体を流通させることができ、セル壁113及び外壁114には排ガスを浄化するための触媒を担持させることができる。そのため、セル壁113及び外壁114に触媒を担持させて、セル111に排ガスを流すと、セル111内を流れる排ガス中に含まれる有害成分は、担持させた触媒の働きによって浄化される。
以下、保水剤を含む保水性接着材ペーストを用いてこのようなハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法について説明する。
図5は、保水剤を含む保水性接着材ペーストを用いてハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法のうち、主要な工程について説明するためのフローチャートである。
まず、原料組成物50を成形してハニカム成形体300を作製する成形工程S1を行う。
成形工程S1では、アルミナ等の無機粒子を含む原料組成物50を押出成形機を用いてダイスから押し出して、作製するハニカム焼成体とほぼ同形状のハニカム成形体を作製する。
原料組成物50は、無機粒子と、無機繊維及び/又はウィスカと、無機バインダとを含み、さらに、有機バインダ、分散媒、成形助剤を成形性にあわせて適宜加えた混合物である。
また、作製したハニカム成形体300には、必要に応じて切断、乾燥、脱脂等の処理を行う。
ハニカム成形体の乾燥処理には、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機及び凍結乾燥機等を用いることができる。
また、脱脂処理における脱脂条件は特に限定されず、成形体に含まれる有機物の種類や量によって適宜選択するが、おおよそ400℃、2時間程度が望ましい。
続いて、焼成工程S2を行う。焼成工程S2では、ハニカム成形体300を焼成炉内で焼成してハニカム焼成体110を作製する。焼成条件は、特に限定されるものではないが、500〜1200℃が望ましく、600〜1000℃がより望ましい。
このような工程を経ることにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体を製造することができる。
なお、本明細書において、「柱状」には、円柱状や楕円柱状、多角柱状等の任意の柱の形状を含む。
続いて、組上工程S3を行う。組上工程S3は、複数個のハニカム焼成体110をスペーサを介して組み上げて、所定の形状を有するハニカム焼成体の並列体180を作製する工程である。
この組上工程においては、形成する接着材層の厚さと同様の厚さを有するスペーサを用いて、各ハニカム焼成体110の側面間にスペーサの厚さと同じ幅の空隙を形成する。
なお、スペーサの材質は、特に限定されるものではないが、ボール紙、繊維紙又は無機充填紙等からなることが望ましい。
続いて、充填工程S5を行うが、その前に、充填工程S5で用いる保水性接着材ペースト20を調製する、保水性接着材ペースト調製工程S4を行う。
保水性接着材ペースト調製工程S4では、保水剤、水、無機粒子、無機繊維及び/又はウィスカ、無機バインダ、及び、その他の材料を混合、混練することによって保水性接着材ペースト20を調製する。
保水剤としては、接着材ペースト中の水分がハニカム焼成体に吸収されることを防止することができるものであれば、特に限定されるものでないが、吸水性ポリマー、高気孔率接着材、モンモリロナイト、バーミキュライト、サポナイト等が挙げられる。
吸水性ポリマーとしては、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。
そして、調製した保水性接着材ペースト20を用いて、充填工程S5を行う。
充填工程S5においては、組上工程S3において作製したハニカム焼成体の並列体180を、図8(a)、及び、図8(b)に示すような充填装置内に設置し、充填装置のペースト室内に保水性接着材ペースト20を投入する。
そして、充填装置の押出機構を用いて保水性接着材ペースト20をハニカム焼成体の並列体180に形成された空隙に充填していく。
この際、保水性接着材ペーストに含まれる水分はハニカム焼成体に吸収されにくいため、保水性接着材ペーストはその粘度が低く、流動性が高い状態を維持したままでハニカム焼成体の端面近傍にまで充填される。
続いて、保水性接着材ペーストを充填したハニカム焼成体の並列体を乾燥する乾燥工程S6を行う。乾燥工程S6においては、保水性接着材ペーストを乾燥固化させて接着材層とすることによって、ハニカム焼成体同士を接着材層を介して接着させる。
乾燥条件としては、特に限定されるものではないが、50〜150℃、1時間の条件で加熱することが望ましい。
なお、このようにしてハニカム焼成体同士を接着させる一連の工程である、組上工程、充填工程、乾燥工程をまとめて接着工程とする。
そして、このような接着工程を行うことによって、複数のハニカム焼成体が接着材層を介して接着されたハニカム集合体280を作製することができる。
以下、作製したハニカム集合体280の外周を研削加工して円柱形状等の所定の形状とする研削工程S7を行い、セラミックブロック103を作製する。
さらに、セラミックブロック103の外周面にシール材ペーストを塗布して乾燥し、固定化させることにより、セラミックブロック103の周囲にコート層を形成する塗布工程S8を行い、ハニカム構造体100を製造する。
なお、研削工程S7及び塗布工程S8は、必ずしも行う必要はなく、必要に応じて行えばよい。
以下、本実施形態のハニカム構造体の製造方法の作用効果について列挙する。
(1)本実施形態のハニカム構造体の製造方法では、保水剤を含む接着材ペーストを調製して、保水剤を含む接着材ペーストを用いて接着工程を行う。
保水性接着材ペースト中には、多くの水分が含まれており、保水剤と接触した水分は、他の部分に移動しにくいため、保水性接着材ペーストに含まれる水分は、保水性接着材ペーストから他の部分に移動しにくい。そのため、保水性接着材ペーストとハニカム焼成体とが接触した場合であっても、保水性接着材ペーストに含まれる水分はハニカム焼成体に吸収されにくい。従って、保水性接着材ペーストをハニカム焼成体間の空隙に充填する過程において、保水性接着材ペースト中の水分量が減少しにくい。そのため、保水性接着材ペーストの粘度が低く、流動性が高い状態を維持したままで保水性接着材ペーストをハニカム焼成体の端面近傍にまで充填することができる。
従って、保水性接着材ペーストを充填させる際に保水性接着材ペーストに加える圧力を低くすることができ、また、ハニカム焼成体の端面側から保水性接着材ペーストを別途充填する必要もないため、作業効率よく接着材ペースト層を形成することができる。
(2)本実施形態のハニカム構造体の製造方法では、保水剤は、吸水性ポリマー、高気孔率接着材、モンモリロナイト、バーミキュライト、サポナイトのいずれかからなる。
これらの物質は、保水性を有するため、保水性接着材ペースト中にこれらの物質が含まれることによって、保水性接着材ペースト中の水分がハニカム焼成体に吸収されることを防止することができる。
(3)本実施形態のハニカム構造体において、原料組成物は、無機粒子と、無機繊維及び/又はウィスカと、無機バインダとを含んでなる。このような物質からなる原料組成物を用いることによって、比表面積が高く、かつ強度が高いハニカム構造体を製造することができる。
そして、比表面積が高く強度の高いハニカム構造体は、触媒担体として好適に用いることができる。
以下、本発明の第一実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、本実施例及び比較例では、ハニカム焼成体を製造し、接着材ペースト層をハニカム焼成体の側面に塗布してハニカム焼成体に吸収される水分量(吸水率)を測定した。また、接着工程において接着材ペーストに所定の荷重を加えて接着材ペーストの充填を行い、接着材ペーストが充填される程度を観察した。
(実施例1)
(ハニカム焼成体の製造工程)
γ−アルミナ粒子(平均粒径2μm)2250g、ホウ酸アルミニウムウィスカ(平均繊維径0.5〜1μm、平均繊維長10〜30μm)680g、シリカゾル(固体濃度30重量%)2600gを混合し、得られた混合物に対して有機バインダとしてメチルセルロース320g、潤滑剤(日本油脂社製、ユニルーブ)290g及び可塑剤(グリセリン)225gを加えて更に混合・混練して原料組成物を得た。次に、この原料組成物を押出成形機により押出成形して、生のハニカム成形体を得た。
次に、マイクロ波乾燥機及び熱風乾燥機を用いて、上記生のハニカム成形体を十分乾燥させ、さらに、400℃で2時間保持して脱脂してハニカム脱脂体とした。
その後、ハニカム脱脂体を800℃で2時間保持して焼成を行い、角柱状(37mm×37mm×150mm)、セル密度が93個/cm(600cpsi)、セル壁の厚さが0.2mm、セルの断面形状が四角形(正方形)のハニカム焼成体を得た。
(保水性接着材ペースト調製工程)
γ−アルミナ粒子(平均粒径2μm)29重量%、ホウ酸アルミニウムウィスカ(平均繊維径0.5〜1μm、平均繊維長10〜30μm)7重量%、シリカゾル(固体濃度30重量%)34重量%、カルボキシメチルセルロース(CMC)5重量%及び水25重量%を混合して、接着材ペーストを調製し、さらにこの接着材ペースト100重量部に対して保水剤としてのポリアクリル酸ナトリウムを0.2重量部加えて、保水性接着材ペーストを調製した。
(吸水によるハニカム焼成体の重量増加率の測定)
作製したハニカム焼成体の重量を測定した後、ハニカム焼成体の一の側面(上面)に、調製した保水性接着材ペーストを、その厚さが1mmとなるように塗布して、30秒間放置した。
その後、塗布した保水性接着材ペーストをハニカム焼成体の側面からスクレーパーを用いてこそげ落として、再度ハニカム焼成体の重量を測定した。
そして、接着材ペーストの塗布前後でのハニカム焼成体の重量変化を測定した。そして、増加したハニカム焼成体の重量は接着材ペーストから吸収した水分であるとして、吸水によるハニカム焼成体の重量増加率(%)を以下の式によって算出した。
吸水によるハニカム焼成体の重量増加率(%)=[(接着材ペースト塗布後のハニカム焼成体の重量−接着材ペースト塗布前のハニカム焼成体の重量)/接着材ペースト塗布前のハニカム焼成体の重量]×100
その結果を表1に示した。
(充填性の観察)
重量増加率を測定したハニカム焼成体とは別のハニカム焼成体16個を、縦に4個、横に4個、スペーサを介して組み上げてハニカム焼成体の並列体を作製した。
そして、ハニカム焼成体の並列体を充填装置内に設置するとともに、充填装置のペースト室内に保水性接着材ペーストを投入した。
そして、押出機構を用いて保水性接着材ペーストに1.3kgf/cm(0.13MPa)の圧力を加え、保水性接着材ペーストをハニカム焼成体の並列体に形成された空隙に充填することを試みた。
すると、保水性接着材ペーストは滑らかに上記空隙内に充填され、ハニカム焼成体の端面にまで達した。
すなわち、本実施例においては、保水性接着材ペーストを作業効率よく充填することができ、接着材ペーストの充填性は良好であった。
(実施例2〜4)
保水性接着材ペースト調製工程において、接着材ペースト100重量部に対し、保水剤として表1に示す各物質を0.2重量部加えて保水性接着材ペーストを調製した他は、実施例1と同様にして、重量増加率の測定と充填性の観察を行った。その結果を表1に示した。
(比較例1)
接着材ペーストに保水剤を加えなかった他は実施例1と同様にして、重量増加率の測定と充填性の観察を行った。その結果を表1に示した。
Figure 2009190964
表1に示す各実施例及び比較例の結果を比較すると、各実施例においては、比較例1と比べて吸水によるハニカム焼成体の重量増加率が低く、接着材ペースト中の水分がハニカム焼成体に吸収されにくくなっていた。
また、各実施例においては充填性が良好であったのに対し、比較例1では充填工程の途中で接着材ペーストの流動性が低下し、接着材ペーストをハニカム焼成体の端面にまで充填させることができなかった。すなわち、比較例1においては充填性が不良であった。
以上の結果から、保水剤を含む保水性接着材ペーストを用いることによって、接着材ペースト中の水分がハニカム焼成体に吸収されることを防止することができ、作業効率よく接着材ペーストを充填することができることが明らかとなった。
(第二実施形態)
以下、本発明のハニカム構造体の製造方法の一実施形態である第二実施形態について説明する。
本実施形態においては、撥水層をハニカム焼成体の側面に形成して、接着工程を行う。
なお、接着材ペーストとしては、保水剤を含まない接着材ペーストを用いる。
また、本実施形態で製造するハニカム構造体は、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法で製造するハニカム構造体と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
以下、撥水層をハニカム焼成体の側面に形成してハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法について説明する。
図6は、撥水層をハニカム焼成体の側面に形成してハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法のうち、主要な工程について説明するためのフローチャートである。
まず、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして、成形工程S10、焼成工程S11を行い、ハニカム焼成体110を作製する。
続いて、ハニカム焼成体110の側面に撥水層を形成する撥水層形成工程S12を行う。
撥水層形成工程S12においては、撥水剤をハニカム焼成体110の側面に塗布することによってハニカム焼成体の側面に撥水層を形成する。撥水剤としては、水と接触した際に水をはじく性質を有するものであれば特に限定されるものではないが、シリコンオイル、ロウ、ガラス等が挙げられる。
液体であるシリコンオイルを用いる場合は、シリコンオイルをそのままハニカム焼成体の側面に塗布することによって撥水層を形成すればよい。
ロウを用いる場合は、ハニカム焼成体の側面に刷り込むか、加熱して液状としたうえで塗布することによって撥水層を形成すればよい。
ガラスを用いる場合は、SiO成分を含むガラスコート剤を塗布し、乾燥させることによって撥水層を形成すればよい。
次に、側面に撥水層を形成したハニカム焼成体を用いて、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして組上工程S13を行い、ハニカム焼成体の並列体180を作製する。
続いて、充填工程S15を行うが、その前に接着材ペースト調製工程S14を行う。
接着材ペースト調製工程S14で調製する接着材ペースト120としては、保水剤を含まない他は第一実施形態のハニカム構造体の製造方法で用いたものと同様の接着材ペーストを用いることができる。
以下、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして充填工程S15、乾燥工程S16を行ってハニカム集合体280を作製する。さらに、必要に応じて研削工程S17を行ってセラミックブロック103を作製し、塗布工程S18を行ってハニカム構造体100を製造する。
以下、本実施形態のハニカム構造体の製造方法の作用効果について列挙する。
本実施形態では第一実施形態において説明した効果(3)を発揮することができるとともに、以下の効果を発揮することができる。
(4)本実施形態のハニカム構造体の製造方法では、ハニカム焼成体の側面に撥水層を形成した後に接着工程を行う。
撥水層は、水と接触した際に水をはじく性質を有する層である。そのため、接着材ペーストに含まれる水分が撥水層と接触すると、その水分は撥水層の表面ではじかれ、撥水層の先に存在するハニカム焼成体にまで移動することがない。
また、撥水層と接触した水分が撥水層の内部に移動することもない。
そのため、ハニカム焼成体の側面に撥水層が形成されていると、接着材ペーストに含まれている水分がハニカム焼成体に移動しにくくなる。
そして、撥水層をハニカム焼成体の側面に形成した後に接着材ペーストの充填を行うと、接着材ペーストをハニカム焼成体間の空隙に充填する過程において、接着材ペーストに含まれる水分量が減少しにくい。そのため、接着材ペーストの粘度が低く、流動性が高い状態を維持したままで接着材ペーストをハニカム焼成体の端面近傍にまで充填することができる。
従って、接着材ペーストを充填させる際に接着材ペーストに加える圧力を低くすることができ、また、ハニカム焼成体の端面側から接着材ペーストを別途充填する必要もないため、作業効率よく接着材ペースト層を形成することができる。
(5)本実施形態のハニカム構造体の製造方法では、撥水剤は、シリコンオイル、ロウ、ガラスのいずれかからなる。
これらの物質は、撥水性を有するため、これらの物質のいずれかを用いることによってハニカム焼成体の側面に撥水層を形成することができ、接着材ペースト中の水分がハニカム焼成体に吸収されることを防止することができる。
以下、本発明の第二実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
本実施例では、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法の実施例と同様に、吸水率の測定を行い、接着材ペーストの充填性を観察した。
(実施例5)
実施例1と同様にしてハニカム焼成体を作製した。
そして、ハニカム焼成体の側面に、撥水剤としてのシリコンオイルを塗布することによってハニカム焼成体の側面に撥水層を形成する撥水層形成工程を行った。
また、接着材ペーストとして、実施例1において調製した、保水剤を添加する前の接着材ペースト(比較例1で使用したものと同様の接着材ペースト)を調製した。
そして、撥水層を形成したハニカム焼成体、及び、上記接着材ペーストを用いて、実施例1と同様にして重量増加率の測定と充填性の観察を行った。
その結果を表2に示した。
(実施例6)
撥水剤としてロウを用いた他は実施例5と同様にして、重量増加率の測定と充填性の観察を行った。その結果を表2に示した。
なお、撥水層の形成は、ロウを加熱して液状としたうえでハニカム焼成体の側面に塗布することによって行った。
(実施例7)
撥水剤としてガラスを用いた他は実施例5と同様にして、重量増加率の測定と充填性の観察を行った。その結果を表2に示した。
なお、撥水層の形成は、SiOを含むガラスコート剤をハニカム焼成体の側面に塗布し、乾燥させることによって行った。
Figure 2009190964
表2に示す各実施例及び比較例の結果を比較すると、各実施例においては、比較例1と比べて吸水によるハニカム焼成体の重量増加率が低く、接着材ペースト中の水分がハニカム焼成体に吸収されにくくなっていた。
また、各実施例においては充填性が良好であったのに対し、比較例1では充填工程の途中で接着材ペーストの流動性が低下し、接着材ペーストをハニカム焼成体の端面にまで充填させることができなかった。すなわち、比較例1においては充填性が不良であった。
以上の結果から、ハニカム焼成体の側面に撥水層を形成することによって、接着材ペースト中の水分がハニカム焼成体に吸収されることを防止することができ、作業効率よく接着材ペーストを充填することができることが明らかとなった。
(第三実施形態)
以下、本発明のハニカム構造体の製造方法の一実施形態である第三実施形態について説明する。
本実施形態においては、下地接着材ペースト層をハニカム焼成体の側面に形成して、接着工程を行う。
なお、下地接着材ペーストとしては、保水剤を含まない接着材ペーストであって、ハニカム焼成体間の空隙に充填する接着材ペーストよりも水分含有量が多い接着材ペーストを用いる。
また、本実施形態で製造するハニカム構造体は、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法で製造するハニカム構造体と同様の構成であるためその詳細な説明は省略する。
以下、下地接着材ペースト層をハニカム焼成体の側面に形成してハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法について説明する。
図7は、下地接着材ペースト層をハニカム焼成体の側面に形成してハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法のうち、主要な工程について説明するためのフローチャートである。
まず、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして、成形工程S20、焼成工程S21を行い、ハニカム焼成体110を作製する。
続いて、ハニカム焼成体110の側面に撥水層を形成する下地接着材ペースト層形成工程S24を行うが、その前に接着材ペースト調製工程S22、及び、下地接着材ペースト調製工程S23を行う。
接着材ペースト調製工程S22では、第二実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして接着材ペースト120を調製する。
そして、下地接着材ペースト調製工程S23では、接着材ペースト120にさらに水を加えて混練することによって接着材ペースト120よりも水分含有量の多い下地接着材ペースト220を調製する。
そして、下地接着材ペースト層形成工程S24において、下地接着材ペースト220をハニカム焼成体110の側面に塗布することによってハニカム焼成体の側面に下地接着材ペースト層を形成する。
但し、ハニカム焼成体の側面のうち、ハニカム焼成体の並列体を作製する際に外周面となる側面には、下地接着材ペースト層を形成しない。
次に、側面に下地接着材ペースト層を形成したハニカム焼成体を用いて、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして組上工程S25を行い、ハニカム焼成体の並列体180を作製する。
続いて、接着材ペースト調製工程S22で調製した接着材ペースト120を用いて、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして充填工程S26を行い、接着材ペーストをハニカム焼成体間の空隙に充填する。
以下、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして乾燥工程S27を行ってハニカム集合体280を作製する。さらに、必要に応じて研削工程S28を行ってセラミックブロック103を作製し、塗布工程S29を行ってハニカム構造体100を製造する。
以下、本実施形態のハニカム構造体の製造方法の作用効果について列挙する。
本実施形態では第一実施形態において説明した効果(3)を発揮することができるとともに、以下の効果を発揮することができる。
(6)本実施形態のハニカム構造体の製造方法では、ハニカム焼成体の側面に下地接着材ペースト層を形成した後に接着工程を行う。
下地接着材ペースト層が形成されていると、接着材ペーストがハニカム焼成体と直接接触していないため、接着材ペーストに含まれる水分がハニカム焼成体に直接吸収されることはない。
また、下地接着材ペースト層は、接着材ペーストよりも多くの水分を含む層である。そのため、接着材ペーストと下地接着材ペースト層が接触した場合に、下地接着材ペースト層から接着材ペーストに向かって移動する水分の量は多いが、接着材ペーストから下地接着材ペースト層に向かって移動する水分の量は少ない。
従って、下地接着材ペースト層をハニカム焼成体の側面に形成した後に接着材ペーストの充填を行うと、接着材ペーストをハニカム焼成体間の空隙に充填する過程において、接着材ペーストに含まれる水分量が減少しにくい。そのため、接着材ペーストの粘度が低く、流動性が高い状態を維持したままで接着材ペーストをハニカム焼成体の端面近傍にまで充填することができる。
従って、接着材ペーストを充填させる際に接着材ペーストに加える圧力を低くすることができ、また、ハニカム焼成体の端面側から接着材ペーストを別途充填する必要もないため、作業効率よく接着材ペースト層を形成することができる。
(7)本実施形態のハニカム構造体の製造方法では、接着工程で用いる接着材ペーストに水分を加えることによって、下地接着材ペースト層の原料である下地接着材ペーストを調製する。
接着工程で用いる接着材ペーストと下地接着材ペーストは、その水分含有量のみが異なるため、これら2種類の接着材ペーストを乾燥することによって同一組成の接着材層を形成することができる。形成される接着材層の組成が同一であると、実質的に境界がなく、このようなハニカム構造体を触媒担体として使用した際に接着材層間に剥がれ等が発生することのない接着材層とすることができる。
以下、本発明の第三実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
本実施例では、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法の実施例と同様にして、接着材ペーストの充填性を観察した。
(実施例8)
実施例1と同様にしてハニカム焼成体を作製した。
そして、接着材ペーストとして、実施例1において調製した、保水剤を添加する前の接着材ペースト(比較例1で使用したものと同様の接着材ペースト)を調製した。
さらに、この接着材ペースト100重量部に対して水を100重量部加え、下地接着材ペーストを調製した。
続いて、ハニカム焼成体の側面に下地接着材ペーストを塗布して、下地接着材ペースト層を形成した。
なお、形成した下地接着材ペースト層の厚さは200μmであった。
そして、下地接着材ペースト層を形成したハニカム焼成体、及び、接着材ペーストを用いて、実施例1と同様にして充填性の観察を行った。
その結果、充填性は良好であった。
以上の結果から、ハニカム焼成体の側面に下地接着材ペースト層を形成することによって、作業効率よく接着材ペーストを充填することができることが明らかとなった。
(その他の実施形態)
これまで説明した各実施形態においては、保水性接着材ペーストの使用、撥水層の形成、下地接着材ペースト層の形成をそれぞれ行うことによって、接着材ペーストの充填性を向上させているが、これらの方法のうちのいくつかを組み合わせても良い。
例えば、ハニカム焼成体の側面に撥水層を形成しておき、さらに接着材ペーストとして保水性接着材ペーストを用いても良い。
接着材ペースト100重量部に対する保水剤の添加量は、特に限定されるものではないが、0.05〜2重量部であることが望ましい。
0.05重量部未満であると、保水性接着材ペーストからハニカム焼成体に移動してしまう水分量がやや多くなってしまい、2重量部を超えると保水性接着材ペーストの流動性がそれ以上向上しないためである。
また、ハニカム焼成体の側面に形成する撥水層の厚さは、特に限定されるものではないが、200μm以下であることが望ましい。
撥水層の厚さが200μmを超えると接着材層とハニカム焼成体との間の接着強度が低くなるおそれがあるためである。
下地接着材層の厚さは、特に限定されるものではないが、100〜300μmであることが望ましい。
下地接着材層の厚さが100μm未満であると、接着材ペーストに含まれる水分の一部が下地接着材ペースト層を透過してハニカム焼成体に吸収されてしまうおそれがあり、また、下地接着材層の厚さが300μmを超えると空隙の幅が狭くなり接着材ペーストを充填しにくくなることがあるためである。
また、撥水層又は下地接着材ペースト層を形成する方法は塗布に限定されず、一般的なコート方法を用いることができる。例えば、コーターやスプレーを用いた塗布方法が挙げられる。
本発明のハニカム構造体の製造方法で製造するハニカム構造体の形状は、円柱状に限定されるものではなく、楕円柱状、多角柱状等の任意の柱の形状であればよい。
また、本発明のハニカム構造体の製造方法において形成される接着剤層の厚さは、0.5〜5mmが望ましい。
接着剤層の厚さが0.5mm未満では十分な接合強度が得られないおそれがあり、また、接着剤層は触媒担体として機能しない部分であるため、接着剤層の厚さが5mmを超えると、ハニカム構造体の単位体積あたりの比表面積が低下するため、ハニカム構造体を排ガスを浄化するための触媒担体として用いた際に触媒を十分に高分散させることができなくなることがある。
また、接着剤層の厚さが5mmを超えると、圧力損失が大きくなることがある。
原料組成物中に含まれる無機粒子としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト、ゼオライト等からなる粒子が望ましい。これらの粒子は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、これらの中では、アルミナ粒子、セリア粒子が特に望ましい。
また、原料組成物中に含まれる無機繊維及び/又はウィスカとしては、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカ−アルミナ、ガラス、チタン酸カリウム等からなることが望ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機繊維及び/又はウィスカのなかでは、ホウ酸アルミニウムウィスカがより望ましい。
なお、本明細書中において、無機繊維やウィスカとは、平均アスペクト比(長さ/径)が5を超えるものをいう。また、上記無機繊維やウィスカの望ましい平均アスペクト比は、10〜1000である。
また、原料組成物中に含まれる無機バインダとしては、無機ゾルや粘土系バインダ等を用いることができ、上記無機ゾルの具体例としては、例えば、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス等が挙げられる。また、粘土系バインダとしては、例えば、白土、カオリン、モンモリロナイト、セピオライト、アタパルジャイト等の複鎖構造型粘土等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
これらのなかでは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト及びアタパルジャイトからなる群から選択された少なくとも1種が望ましい。
上記無機ゾルや粘度系バインダ等は水分を含んでおり、これらを加熱等して水分を除去して残存した無機成分が無機バインダとなる。
上記原料組成物に含まれる上記無機粒子の量について、望ましい下限は30重量%であり、より望ましい下限は40重量%であり、さらに望ましい下限は50重量%である。
一方、望ましい上限は97重量%であり、より望ましい上限は90重量%であり、さらに望ましい上限は80重量%であり、特に望ましい上限は75重量%である。
無機粒子の含有量が30重量%未満では、比表面積の向上に寄与する無機粒子の量が相対的に少なくなるため、ハニカム構造体(ハニカム焼成体)としての比表面積が小さく、触媒成分を担持する際に触媒成分を高分散させることができなくなる場合がある。一方、97重量%を超えると強度向上に寄与する無機繊維及び/又はウィスカの量が相対的に少なくなるため、ハニカム焼成体の強度が低下することとなる。
上記原料組成物に含まれる上記無機繊維及び/又は上記ウィスカの合計量について、望ましい下限は3重量%であり、より望ましい下限は5重量%であり、さらに望ましい下限は8重量%である。一方、望ましい上限は70重量%であり、より望ましい上限は50重量%であり、さらに望ましい上限は40重量%であり、特に望ましい上限は30重量%である。
無機繊維及び/又はウィスカの含有量が3重量%未満ではハニカム焼成体の強度が低下することとなり、50重量%を超えると比表面積向上に寄与する無機粒子の量が相対的に少なくなるため、ハニカム構造体(ハニカム焼成体)としての比表面積が小さく触媒成分を担持する際に触媒成分を高分散させることができなくなる場合がある。
上記原料組成物中に含まれる無機バインダの量は、原料組成物に含まれる上記無機粒子と上記無機繊維及び/又はウィスカと上記無機バインダとの固形分の総量に対して、固形分として、その望ましい下限は、5重量%であり、より望ましい下限は、10重量%であり、さらに望ましい下限は15重量%である。一方、望ましい上限は、50重量%であり、より望ましい上限は、40重量%であり、さらに望ましい上限は、35重量%である。
上記無機バインダの量が固形分として5重量%未満では、製造したハニカム焼成体の強度が低くなることがあり、一方、上記無機バインダの量が固形分として50重量%を超えると上記原料組成物の成型性が悪くなる傾向にある。
また、原料組成物中に含まれる可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、グリセリン等が挙げられる。また、潤滑剤は特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物等が挙げられる。
潤滑剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等が挙げられる。
なお、可塑剤、潤滑剤は、場合によっては、原料組成物中に含まれていなくてもよい。
また、原料組成物中に含まれる分散媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(ベンゼンなど)、アルコール(メタノールなど)等が挙げられる。
成形助剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられる。
接着材ペーストに含まれる無機粒子、無機繊維及び/又はウィスカ、無機バインダとしては、原料組成物として用いられる各無機粒子、無機繊維及び/又はウィスカ、無機バインダを好適に用いることができる。
また、接着材ペースト中には有機バインダが含まれていてもよい。有機バインダとしては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
また、製造したハニカム構造体に対して、触媒を担持させる触媒担持工程を行ってもよい。
ハニカム構造体に担持させる触媒(触媒金属)は、特に限定されるものではないが、例えば、貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記貴金属としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等が挙げられ、上記アルカリ金属としては、例えば、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、上記アルカリ土類金属としては、例えば、バリウム等が挙げられる。
なお、触媒を担持させる時期は、特に限定されるものではなく、ハニカム構造体を作製した後に担持させてもよいし、ハニカム焼成体の原料である無機粒子の段階で担持させてもよい。また、触媒の担持方法は、特に限定されるものではなく、例えば、含浸法等によって行うことができる。
保水剤を含む保水性接着材ペーストを充填する際のハニカム焼成体の側面近傍を模式的に示す断面図である。 ハニカム焼成体の側面に撥水層を形成した後に接着材ペーストを充填する際のハニカム焼成体の側面近傍を模式的に示す断面図である。 ハニカム焼成体の側面に下地接着材ペースト層を形成した後に接着材ペーストを充填する際のハニカム焼成体の側面近傍を模式的に示す断面図である。 図4(a)は、本発明のハニカム構造体の製造方法で製造するハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図4(b)は、ハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図である。 保水剤を含む保水性接着材ペーストを用いてハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法のうち、主要な工程について説明するためのフローチャートである。 撥水層をハニカム焼成体の側面に形成してハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法のうち、主要な工程について説明するためのフローチャートである。 下地接着材ペースト層をハニカム焼成体の側面に形成してハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法のうち、主要な工程について説明するためのフローチャートである。 図8(a)は、従来の接着材ペーストの充填装置及び充填装置の内部に設置されたハニカム焼成体の並列体の長手方向に垂直な断面の一例を模式的に示した断面図であり、図8(b)は、図8(a)に示した接着材ペーストの充填装置及び充填装置の内部に設置されたハニカム焼成体の並列体の長手方向に平行な断面の一例を模式的に示した断面図である。 従来のハニカム構造体の製造方法において、接着材ペーストを充填する際のハニカム焼成体の側面近傍(図8(b)においてDで示す領域)を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10 水分
20 保水性接着材ペースト
30 撥水層
40 下地接着材ペースト層
50 原料組成物
100 ハニカム構造体
101 接着材層
110 ハニカム焼成体
111 セル
113 セル壁
120 接着材ペースト
220 下地接着材ペースト
280 ハニカム集合体
300 ハニカム成形体

Claims (12)

  1. 原料組成物を成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する成形工程と、
    前記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、
    保水剤を含む保水性接着材ペーストを調製する保水性接着材ペースト調製工程と、
    複数の前記ハニカム焼成体を前記保水性接着材ペーストを用いて接着してハニカム集合体を作製する接着工程とを含むことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  2. 前記保水剤は、吸水性ポリマー、高気孔率接着材、モンモリロナイト、バーミキュライト、サポナイトのいずれかからなる請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
  3. 原料組成物を成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する成形工程と、
    前記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、
    撥水層を前記ハニカム焼成体の側面に形成する撥水層形成工程と、
    複数の前記ハニカム焼成体を接着材ペーストを用いて接着してハニカム集合体を作製する接着工程とを含むことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  4. 前記ハニカム焼成体の側面に撥水剤を塗布することによって前記撥水層を形成する請求項3に記載のハニカム構造体の製造方法。
  5. 前記撥水剤は、シリコンオイル、ロウ、ガラスのいずれかからなる請求項4に記載のハニカム構造体の製造方法。
  6. 原料組成物を成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する成形工程と、
    前記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、
    水分含有量の大きい下地接着材ペースト層を前記ハニカム焼成体の側面に形成する、下地接着材ペースト層形成工程と、
    複数の前記ハニカム焼成体を接着材ペーストを用いて接着してハニカム集合体を作製する接着工程とを含むことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  7. 前記接着工程で用いる接着材ペーストに水分を加えることによって、前記下地接着材ペースト層の原料である下地接着材ペーストを調製する請求項6に記載のハニカム構造体の製造方法。
  8. 前記ハニカム焼成体の側面に前記下地接着材ペーストを塗布することによって前記下地接着材ペースト層を形成する請求項7に記載のハニカム構造体の製造方法。
  9. 前記原料組成物は、無機粒子と、無機繊維及び/又はウィスカと、無機バインダとを含んでなる請求項1〜8のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  10. 前記無機粒子は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト、ゼオライトからなる群から選択された少なくとも一種である請求項9に記載のハニカム構造体の製造方法。
  11. 前記無機繊維及び/又はウィスカは、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカ−アルミナ、ガラス、チタン酸カリウム及びホウ酸アルミニウムからなる群から選択された少なくとも一種である請求項9又は10に記載のハニカム構造体の製造方法。
  12. 前記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト及びアタパルジャイトからなる群から選択された少なくとも一種を含む請求項9〜11のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
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