JP2009188621A - 集積回路装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気結合を用いて高速応答性を向上しながら耐ノイズ性能を向上できるようにする。
【解決手段】入力信号となるデジタル信号が「L」→「H」または「H」→「L」となるタイミングから所定期間tb以外にコイル8の誘起電圧のデジタル信号の検出出力変化がある場合(15)には、異常信号として診断信号電圧を入力信号補正回路に出力し、この場合には、入力信号補正回路は補正用のパルス信号Yを入力信号に重畳してコイル6に印加する。すると、出力端子OUTに出力されるデジタル信号が補正されるようになり、正常なデジタル信号を出力端子OUTから出力できる。
【選択図】図4
【解決手段】入力信号となるデジタル信号が「L」→「H」または「H」→「L」となるタイミングから所定期間tb以外にコイル8の誘起電圧のデジタル信号の検出出力変化がある場合(15)には、異常信号として診断信号電圧を入力信号補正回路に出力し、この場合には、入力信号補正回路は補正用のパルス信号Yを入力信号に重畳してコイル6に印加する。すると、出力端子OUTに出力されるデジタル信号が補正されるようになり、正常なデジタル信号を出力端子OUTから出力できる。
【選択図】図4
Description
本発明は、入出力の電気的絶縁を保持しつつ信号を伝送するための集積回路装置およびその製造方法に関する。
この種の集積回路装置としてフォトカプラが一般に知られている。このフォトカプラは、発光素子と受光素子が対向配置して構成され、入力信号が発光素子に通電されると発光素子が発光し、当該発光を受光素子が受光し当該受光信号を増幅するように構成され、一次側の入力信号が二次側に伝達されるように構成されている。尚、フォトカプラ以外では、一次側と二次側とにコイルを磁気結合するように設け、電気的に絶縁した状態で信号を伝達する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特表2001−513276号公報
最近の情報社会においては情報処理能力の向上が期待されており、より高速応答性能が要求されている。しかしながら、フォトカプラを用いて伝送処理を行うと高速応答性に乏しく、この欠点を補うため、上記特許文献1の技術思想を適用しても、当該技術思想では磁気結合を用いて伝送しており耐ノイズ性に乏しい。
本発明は、磁気結合を用いて高速応答性を向上しながら耐ノイズ性能を向上できるようにした集積回路装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の集積回路装置は、入力信号を通電する一次側の送信用コイルと、入力信号が送信用コイルに通電され当該送信用コイルに生じる磁界に応じて電圧を誘起する二次側の送受信用コイルと、前記送受信用コイルの誘起電圧を検出する二次側信号検出手段と、前記二次側信号検出手段により検出された誘起電圧に応じて確認信号を前記送受信用コイルを通じて送信する二次側確認信号送信手段と、前記二次側確認信号送信手段により前記送受信用コイルを通じて送信された確認信号に応じて一次側に与えられる電圧を誘起する一次側の検出用コイルと、前記検出用コイルの誘起電圧を検出する一次側誘起電圧検出手段と、前記一次側誘起電圧検出手段により検出された誘起電圧と前記入力信号の電圧変化との比較に応じて前記送信用コイルに入力する入力信号を補正する入力信号補正手段とを備えていることを特徴としている。
本発明の集積回路装置の製造方法の一態様は、一のパッケージ内に互いに対向配置された第1〜第3コイルを、それぞれ、入力信号を通電する一次側の送信用コイル、前記一次側の送信用コイルに生じる磁界に応じて電圧を誘起し当該電圧誘起状態に応じて確認信号を送信する二次側の送受信用コイル、前記二次側の送受信用コイルから送信された確認信号に応じて一次側に与えられる電圧を誘起する一次側の検出用コイル、のうち何れかに適用して前記一次側の検出用コイルの誘起電圧と入力信号の電圧変化との比較に応じて一次側の送信用コイルに入力する入力信号を補正し一次側の入力信号を電気的に絶縁した状態で二次側にデジタル信号を伝送するように構成された集積回路装置の製造方法であって、支持基板上に第1軟磁性体を形成する第1工程と、前記第1軟磁性体上に前記第1コイルを形成する第2工程と、前記第1コイル上に第1絶縁体を形成する第3工程と、前記第1絶縁体上に前記第2コイルを形成する第4工程と、前記第2コイル上に第2絶縁体を形成する第5工程と、前記第2絶縁体上に前記第3コイルを形成する第6工程と、前記第3コイル上に第2軟磁性体を形成する第7工程とを備えたことを特徴としている。
本発明によれば、磁気結合を用いて高速応答性を向上しながら耐ノイズ性能を向上できる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図3を参照しながら説明する。
図1(a)は、MEMSコイルを用いて磁気結合回路を構成した集積回路装置内の配置構造を概略的な断面図によって示しており、図1(b)は、磁気結合回路の平面図を概略的に示している。図1(a)は、図1(b)のA−A線に沿って示す縦断面図である。尚、以下に示す参照図面は模式的に示すもので、各図面における構成要素の厚み、幅、長さ寸法などは実際の構造とは異なることに留意する必要がある。
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図3を参照しながら説明する。
図1(a)は、MEMSコイルを用いて磁気結合回路を構成した集積回路装置内の配置構造を概略的な断面図によって示しており、図1(b)は、磁気結合回路の平面図を概略的に示している。図1(a)は、図1(b)のA−A線に沿って示す縦断面図である。尚、以下に示す参照図面は模式的に示すもので、各図面における構成要素の厚み、幅、長さ寸法などは実際の構造とは異なることに留意する必要がある。
図1(a)に示すように、集積回路装置Cは、エポキシ樹脂などの外装材(図示せず)により樹脂封止されることによってパッケージ化され、当該外装材の内側に空洞が設けられており、当該空洞内に磁気結合を用いて絶縁型デジタル入出力処理を行う入出力回路C1が構成されている。
入出力回路C1は、シリコン基板等による支持基板1と、この支持基板1の上面上にシリコン酸化膜などの絶縁体2を介して形成された軟磁性体3と、この軟磁性体3の上面上に接触したコイル4と、このコイル4の上に配置された絶縁体5(非磁性体)を介して形成された一次側送信用のコイル6と、このコイル6の上に配置された絶縁体7を介して形成された一次側受信用のコイル8と、コイル8の上に配置された軟磁性体9と、二次側信号伝達用の引出線10と、受信回路11と、一次側信号伝達用の引出線12と、送信回路13とを電気的または磁気的に結合して構成されている。
このうち、磁気結合回路Zは、軟磁性体3、9、絶縁体5、7、コイル4、6、8によって構成されており、これらの構成要素3〜9はそれぞれ別部材によって構成されている。絶縁体5、7は、例えば酸化シリコン、窒化シリコン等をCVD(Chemical Vapor Deposition)法またはスパッタ法により成膜したり、あるいはポリイミド等の有機膜をスピンコート法や蒸着法を用いて成膜されているものであり、コイル4、6の機械的な保護を行うと共に、絶縁耐圧を向上するために設けられている。
コイル4、6、8は、それぞれ平面渦巻き状に数ターンないし数10ターン形成されており、平面的に同一配置で互いに対向配置され段重ね状態に重構造で構成されている。これにより平面的な実装領域を縮小化して薄く構成している。これらのコイル4、6、8は、例えば銅、アルミ、金などの導電性材料を用いてスパッタ法、蒸着法、或いはメッキ法により構成される。
なお、コイル8は、コイル4、6に比較して短く形成されていてもよい。コイル6、8は一次側に形成されており互いに絶縁する必要がないため、互いに導通接続されていても良い。この場合、一次側のコイル6に通電された場合には磁束が図1(a)の上下方向に生じ、コイル4は当該磁束が交鎖すると起電力を発生する。
コイル4は、引出線10を通じて受信回路11に電気的に接続されている。コイル6は引出線12a(12)を通じて送信回路13に電気的に接続されている。コイル8は、引出線12b(12)を通じて送信回路13に接続されている。受信回路11は支持基板1の片脇に構成されており、送信回路13はその反対側脇に構成されている。すなわち、送信回路13および受信回路11は平面的には磁気結合回路Zを挟んで構成されている。この場合、支持基板1としてシリコン基板を適用した場合には、送信回路13、受信回路11の電気的構成要素を所望の半導体プロセスによって内部に実装できるため小型化できる。
軟磁性体3は、コイル4の下面を覆うように構成されており、軟磁性体9はコイル8の上面およびコイル4、6、8の外側面を覆うように構成されている。したがって、軟磁性体3、9は、コイル4、6、8の全外周を覆うように構成されている。軟磁性体3、9は、それぞれ、例えばフェライトによって構成されている。この軟磁性体3、9は、磁束通過の際に磁気飽和現象を生じない程度の膜厚で平面的には円盤型またはドーナツ円板型に構成されている。
以下、図6(a)〜図6(g)を参照して製造方法を説明する。
図6(a)に示すように、厚さ数100μm程度のシリコン基板等の支持基板1の表層に所望の半導体プロセスによって受信回路11、送信回路13を形成する。この支持基板1としては、単結晶のシリコン基板、ガラスやセラミックなどの無機基板、エポキシ等を基材とする有機基板を適用できる。次に、支持基板1としてシリコン基板を適用した場合には、シリコン基板1の上面上に絶縁膜2を形成する。支持基板1として無機基板、有機基板を適用した場合には絶縁膜2は形成する必要はない。尚、受信回路11、送信回路13の製造方法は、本実施形態の特徴には特に関係しないためその詳細説明を省略する。
図6(a)に示すように、厚さ数100μm程度のシリコン基板等の支持基板1の表層に所望の半導体プロセスによって受信回路11、送信回路13を形成する。この支持基板1としては、単結晶のシリコン基板、ガラスやセラミックなどの無機基板、エポキシ等を基材とする有機基板を適用できる。次に、支持基板1としてシリコン基板を適用した場合には、シリコン基板1の上面上に絶縁膜2を形成する。支持基板1として無機基板、有機基板を適用した場合には絶縁膜2は形成する必要はない。尚、受信回路11、送信回路13の製造方法は、本実施形態の特徴には特に関係しないためその詳細説明を省略する。
次に、図6(b)に示すように、支持基板1の上面上に絶縁膜2を介して軟磁性体3を形成する。尚、この軟磁性体3を形成する前後に引出線10を形成するための領域に開口や配線パターンなどを形成する。尚、図示しないが、引出線10の周囲に当該引出線10と軟磁性体3との間で構造的な非接触状態を保持するように絶縁膜(図示せず)を形成すると良い。
軟磁性体3は、電磁的な結合を向上するために形成されるもので、その材質としては、例えばフェライト、鉄・シリコン、鉄・シリコン・アルミニウム合金(センダスト)、ニッケル・鉄合金(パーマロイ)、または鉄(Fe)基やコバルト(Co)基のアモルファス合金が用いられる。このような軟磁性体3は、スパッタ、蒸着あるいはメッキ法などで形成される。軟磁性体3の膜厚は、磁束が通過する際に磁気飽和を生じない膜厚を設定すれば良く、例えば数10〜数100μm程度に設定されている。
次に、図6(c)に示すように、軟磁性体3の上面上に渦巻き状のコイル4を形成する。このコイル4は、銅或いはアルミ或いは金などの導電性材料を用いてスパッタ、蒸着、或いはメッキ法により形成される。コイル4は、例えば、厚さ数10nmから数ミクロン程度で、数ターンから数10ターン形成される。コイル4は、対向するコイル6との間を磁束が通過でき、受信側のコイル4に数V程度の必要な誘起電圧が発生すれば良いので、渦巻状でも矩形状でもまたその組合せ形状等でも構わない。
次に、図6(d)に示すように、コイル4の上面上にスパッタ法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法によりシリコン酸化膜(SiO)またはシリコン窒化膜(SiN)を絶縁体5として形成する。また、この絶縁体5としては、スピンコート法、蒸着法を用いて成膜したポリイミドなどの有機膜を適用しても良い。絶縁体5の膜厚を増加すると絶縁耐圧が向上するため、数μm〜数10μm程度形成すると良い。
次に、図7(e)に示すように、絶縁体5の上面上に銅或いはアルミニウムまたは金などの導電性材料を用いてスパッタ法、蒸着法、あるいはメッキ法により渦巻状のコイル6を形成する。このコイル6は、その膜厚がコイル4とほぼ同一の膜厚に構成される。このコイル6はコイル4と同等の形状に形成される。
次に、図7(f)に示すように、コイル6の上面上にスパッタ法、メッキ法などによりシリコン酸化膜(SiO2)またはシリコン窒化膜(SiN)を絶縁体7として形成する。また、この絶縁体7としては、スピンコート法、蒸着法を用いて成膜したポリイミドなどの有機膜を適用しても良い。
次に、図7(g)に示すように、絶縁体7の上面上に銅或いはアルミニウムまたは金などの導電性材料を用いてスパッタ法、蒸着法、あるいはメッキ法により渦巻状のコイル8を形成する。
次に、図7(h)に示すように、コイル8の上面を覆うように軟磁性体9を形成する。軟磁性体9の形成方法は軟磁性体3と同様の形成方法で形成すると良い。この軟磁性体9を形成するときには、この図7(h)に示すように、コイル4、6、8の外側周を囲むように形成すると良好な磁気結合を得ることができる。尚、コイル4、6、8の内側周を囲むように形成しても良い。このようにして磁気結合回路Zを形成する。
このようにして受信回路11、送信回路13、磁気結合回路Zを支持基板1に実装した後、貫通電極や金線やアルミ線などによるワイヤボンディング法などを用いて引出線12を形成することで、磁気結合回路Zを送信回路13に電気的に接続し、また、金線やアルミ線などによるワイヤボンディングなどを用いて引出線10を受信回路11に結合することによって磁気結合回路Zのコイル4を受信回路11に対し電気的に接続する。その後、エポキシ樹脂などの外装材により射出成型して全体を覆うようにユニットパッケージ化して集積回路装置Cを構成することができる。
図2は、集積回路装置内の電気的構成ブロックを概略的に示している。この図2に示すように、入力端子INには入力信号補正回路14が接続されている。入力信号補正回路14の出力は、一次側の送信用のコイル6、二次側信号診断回路15に接続されている。また、一次側の検出用のコイル8には抵抗R1が並列接続されており、この検出端子はコンパレータ16に接続されている。このコンパレータ16は、一次側誘起電圧検出手段、二次側確認信号検出手段として機能し、コンパレータ16の出力は二次側信号診断回路15に接続されている。二次側信号診断回路15の出力は、入力信号補正回路14に入力されている。このようにして送信回路(入力回路)13が構成されている。
他方、受信出力側においては、受信用のコイル4と並列に抵抗R2が接続されており、この出力が切替回路17に接続されている。切替回路17は、例えばトランジスタTr1、Tr2等の制御入力型のスイッチング素子により構成され、二次側の送信機能および受信機能を切り替えるために設けられており、その受信出力は、二次側信号検出手段としてのコンパレータ18、19に接続されている。
トランジスタTr1は、コイル4とコンパレータ18との間の通電経路に接続されており、後述するエッジ検出回路21からの送信/受信切替信号に応じてオンオフする。トランジスタTr2は、コイル4と二次側確認信号送信回路22との間に介在して構成されており、エッジ検出回路21からの送信/受信切替信号に応じてオンオフする。トランジスタTr1がオン、トランジスタTr2がオフに切り替えられている場合には、一次側からの信号を受信可能に構成され、トランジスタTr1がオフ、トランジスタTr2がオンに切り替えられている場合には、二次側から一次側に信号を送信可能になる。
信号受信時において、コンパレータ18、19は、それぞれ、受信信号電圧を所定のしきい値電圧Vref1、Vref2と比較し、その比較結果をデジタル信号として保持手段としてのラッチ回路20に保持させるように構成されている。ラッチ回路20の出力は、出力端子OUTに接続されており、保持されたデジタル信号を出力端子OUTを介して出力するように構成されている。ラッチ回路20の出力は、エッジ検出回路21および二次側確認信号送信回路22に接続されている。
エッジ検出回路21は、出力端子OUTのデジタル出力信号電圧の変化を検出し、NOTゲート23および抵抗R3、R4を通じて切替回路17に送信/受信切替信号を出力する。
二次側確認信号送信回路22は、出力端子OUTに接続されており、出力端子OUTの出力電圧変化に基づいてエッジ検出回路21が送信/受信切替信号を切替回路17に送信し、当該切替回路17が送受信機能を切替えて送信可能となっているときに、確認信号を切替回路17を通じてコイル4に送信するように構成されている。このようにして受信回路(出力回路)11が構成されている。
図3は、上述説明した電気的構成を機能的手段として示している。この図3に示すように、入力信号補正回路14は入力信号補正手段として機能し、二次側信号診断回路15は二次側信号診断手段として機能し、コンパレータ16は二次側確認信号検出手段として機能し、コンパレータ18、19は二次側信号検出手段として機能し、ラッチ回路20は保持手段として機能し、切替回路17は送信受信切替手段として機能し、二次側確認信号送信回路22は二次側確認信号送信手段として機能する。
上記構成の作用について説明する。本実施形態においては、デジタル信号を伝送する場合の補正処理に特徴を備えているため、ノイズが混入した場合の各端子の信号変化について説明する。受信回路(出力回路)11は送受信機能を備えているが、この実施形態では最初に受信機能に切り替えられていることを前提として説明を行う。尚、図4に示すタイミングチャートのタイミングは、説明を理解しやすくするため幅を誇張して示しており、実際の時間とは異なるころに留意する必要がある。
送信回路13が入力端子INから入力信号としてデジタル信号(ロウ「L」、ハイ「H」)を入力した場合を考慮する。送信回路13が「L」→「H」の矩形波信号電圧の立上り電圧をコイル6に通電する(図4の(1)のタイミング)。この入力信号は電磁誘導作用によって一次側のコイル6から二次側のコイル4に伝達される。
コイル4の両端電圧は原理的には入力信号の立上り電圧を微分するように急峻に立ち上がり、その後、徐々に元の電圧(グランドレベル)に戻る。このコイル4の両端電圧の上昇時の時定数はコイル4および6に生じる浮遊容量を主として決定され、下降時の時定数はコイル4および6に生じるインダクタンス成分および抵抗成分を主として決定される。
コンパレータ18、19は、コイル4の出力電圧をそれぞれしきい値電圧Vref1、Vref2と比較し、ラッチ回路20は、コンパレータ18の出力が「H」となるタイミングから「H」を出力し、コンパレータ19の出力が「L」となるタイミング直前まで「H」を保持する。また、ラッチ回路20は、コンパレータ19の出力が「L」となるタイミングから「L」を出力し、コンパレータ18の出力が「H」となるタイミング直前まで「L」を保持する。
したがって、コイル4の出力電圧がしきい値電圧Vref1以上となるタイミングにおいてラッチ回路20は「H」レベルを保持し、出力端子OUTのレベルを「H」にする(図4の(2)のタイミング)。
出力端子OUTのレベルが「L」から「H」になるため、エッジ検出回路21はこの信号変化状態を検出し、NOTゲート23、抵抗R3およびR4を介して送信受信切替信号を送信する。エッジ検出回路21は、トランジスタTr1をオフ、トランジスタTr2をオンとするように制御する送信切替信号を制御信号として送信する。
他方、二次側確認信号送信回路22は、出力端子OUTのレベルが「L」から「H」になると、この信号変化状態を検出した時点から送信切替が行われるのに十分な所定時間を経過したことを計測し当該確実に送信可能となった後にパルス状の確認信号を送信する(図4の(3)のタイミング)。
尚、エッジ検出回路21は、トランジスタTr1をオフ、トランジスタTr2をオンとするように制御する送信(TX)用の切替制御信号を送信したタイミングから所定時間tcが経過した後、トランジスタTr1をオン、トランジスタTr2をオフとするように制御する受信(RX)用の切替制御信号を送信する。
すなわち、二次側確認信号送信回路22が確認信号を送信する間は、コイル4が送信用のコイルとして機能し、コイル8が検出用のコイルとして機能する。逆に、それ以外の受信時においては、コイル4は受信用のコイルとして機能する。
二次側確認信号送信回路22が確認信号を送信するときには、トランジスタTr2はオンしトランジスタTr1はオフしているため、コイル4に確認信号電圧が通電される。すると、コイル4に対向配置されたコイル8には、確認信号電圧に応じた電圧が誘起される。
コンパレータ16は、コイル8の誘起電圧と所定のしきい値電圧Vref3とを比較し、当該誘起電圧がしきい値電圧Vref3以下となったときに確認信号として検出する(図4の(4)のタイミング)。本実施形態では立ち下がりを検出する実施形態を示すが、誘起電圧が所定のしきい値電圧Vref3以上となった場合をトリガとして立ち上がりを検出するようにしても良い。
二次側信号診断回路15は、コイル8によって受信した信号と入力信号とを比較し、入力信号が二次側に正常に送信されたか否かを診断する。入力信号補正回路14は、二次側信号診断回路15の診断結果に基づいて入力信号を必要に応じて補正する。
具体的には、二次側信号診断回路15は、コンパレータ16の出力信号電圧と入力端子INに入力される入力信号とを比較し、入力端子INの入力信号が「H」→「L」または「L」→「H」に移行したタイミングから所定時間tb内にコンパレータ16の出力電圧がパルス状に検出された場合に入力信号が二次側に確実に伝達されたことを確認する。このように確認された場合には、二次側信号診断回路15は、「H」となる異常信号を入力信号補正回路14に与えることがない(図4の(1)から(5)に示す期間)。
したがって、入力信号補正回路14は何も補正することなく入力端子INの入力信号をそのままコイル6に印加し続ける。このとき、出力端子OUTの電圧レベルは正常に「H」状態に保持される(図4の(6)に示す期間)。
その後、送信回路13が入力信号として「H」→「L」の矩形波信号電圧の立下り電圧をコイル6に通電する(図4の(7)のタイミング)。すると、コイル4の両端電圧は原理的には入力信号の立下り電圧を微分するように急峻に立下がり、その後、除々に元の電圧(グランドレベル)に戻る。このコイル4の両端電圧の下降時の時定数はコイル4および6に生じる浮遊容量を主として決定され、上昇回復時の時定数はコイル4および6に生じるインダクタンス成分および抵抗成分を主として決定される。この入力信号は電磁誘導作用によって一次側から二次側に絶縁状態を保持しながら伝達される。
この時点では、ラッチ回路20は、コンパレータ18の出力が「H」となったときに「H」を保持出力している(図4の(2)参照)ため、コンパレータ19がコイル4の出力電圧をしきい値電圧Vref2と比較した結果「L」を出力すると、ラッチ回路20はコンパレータ19の出力が「L」となるタイミングから「L」を出力する(図4の(8)のタイミング)。
すると、出力端子OUTのレベルが「H」から「L」になるため、エッジ検出回路21はこの信号変化状態を検出し、NOTゲート23、抵抗R3およびR4を介して送信受信切替信号を送信する。エッジ検出回路21は、トランジスタTr1をオフ、トランジスタTr2をオンとするように制御する送信切替信号を制御信号として送信する。
他方、二次側確認信号送信回路22は、出力端子OUTのレベルが「H」から「L」になると、この信号変化状態を検出した時点から送信切替が行われるのに十分な所定時間を経過したことを計測し当該確実に送信可能となった後にパルス状の確認信号を所定期間tc内に送信する(図4の(9)のタイミング)。尚、所定期間tcが経過すると、エッジ検出回路20はトランジスタTr1をオン、トランジスタTr2をオフとするように制御する受信切替信号を制御信号として送信する。
前述と同様に、二次側確認信号送信回路22が確認信号を送信するときには、トランジスタTr2はオンしトランジスタTr1はオフしているため、確認信号の電圧がコイル4に通電される。すると、コイル4に対向配置されたコイル8には確認信号の電圧に応じた電圧が入出力絶縁状態で誘起される。コンパレータ16は、確認信号を検出する(図4の(10)のタイミング)。
二次側信号診断回路15は、「H」→「L」に移行したタイミングから所定期間tb内にコンパレータ16の出力電圧がパルス状に検出された場合に入力信号が二次側に確実に伝達されたことを確認するため、二次側信号診断回路15は、「H」となる異常信号を入力信号補正回路14に与えることがない(図4の(11)のタイミング)。したがって、入力信号補正回路14は何も補正することなく入力端子INの入力信号をそのままコイル6に印加し続け、出力端子OUTの電圧レベルは正常に「L」状態に保持される(図4の(12)に示す期間)。
その後、何らかの外的要因によってコイル4の出力にパルス状のノイズNが混入した場合を考慮する(図4の(13)に示すタイミング)。この場合、コイル4の出力電圧が大幅に変化するとコイル4の出力電圧が例えばしきい値電圧Vref1以上となってしまう。すると、一次側の入力信号が変化していないにも関わらず、出力端子OUTの電圧レベルが「L」から「H」に移行する。これは、一旦しきい値電圧Vref1以上の電圧を検出してしまうと、ラッチ回路20が「H」を出力するためである。
このとき、エッジ検出回路21が出力端子OUTの「L」→「H」の変化を検出し送信イネーブル状態にして二次側確認信号送信回路22が確認信号を送信する(図4の(14)に示すタイミング)。
その後、二次側信号診断回路15は、コンパレータ16の検出結果(図4の(15)参照)と入力端子INの入力信号とを比較するが、入力端子OUTの入力信号が「H」→「L」に変化したタイミングから所定期間tbを超える時間が経過してしまっているため、このコンパレータ16の出力電圧をノイズNが混入したことに起因した検出電圧であると判断し、「H」のパルス診断信号電圧を異常信号として入力信号補正回路14に印加する(図4の(16)参照)。
入力信号補正回路14は、二次側信号診断回路15の診断信号電圧を受けて補正用のパルス信号(立上り入力信号+立下り入力信号:補正信号)Yをコイル6に印加する(図4の(17)参照)。すると、コイル4の出力電圧がしきい値電圧Vref1以上となるときに、ラッチ回路20は「H」状態を保持し続けるが、しきい値電圧Vref2以下となるとラッチ回路20の出力は「H」→「L」に移行し、出力端子OUTのレベルが「L」に移行する(図4の(18)のタイミング)。このようにして、出力端子OUTのデジタル信号レベルを正常な「L」状態に補正して保つことができる。
図5は、本実施形態の比較対象となるタイミングチャートを示しており、ノイズNが混入した場合にこの影響を補正しない場合について各端子の電圧やデジタル信号を図4に対応して概略的に示している。この図5に示すように、補正信号入力がない場合には、ノイズNが発生すると、入力信号のデジタル信号レベルが変化するまで誤出力状態が続いてしまう。例えば、デジタル伝送周波数が低い場合、もしくは信号変化の少ない直流成分に近い周波数を伝送する場合には、ノイズNの影響が無視できなくなってしまう。また、例えばフォトカプラなどの構成が考慮されるもののフォトカプラは一般にDC〜数十MHz程度の周波数範囲において電気的に絶縁した状態で信号伝達が可能な素子であり、今後要求される高速応答性能の向上には不向きと考えられる。
本実施形態では、出力端子OUTの電圧レベルを補正して正常な「L」状態に補正して保つことができる。尚、このようなデジタル伝送処理においては、本来のデジタル伝送周波数の数百分の1、数千分の1程度のパルス性のデジタルノイズが許容されており、ノイズNに起因した誘起電圧が発生しこの影響が出力端子OUTのデジタル信号に生じたとしても、直ぐに補正処理が行われるためデジタル信号の伝送処理を信頼性良く正常に通信を継続して行うことができる。この場合であっても低周波数における特性を向上することができる。
このような実施形態によれば、一次側のコイル6に入力信号が通電されると、コイル6に生じる磁界に応じて二次側のコイル4に電圧が誘起される。コンパレータ18、19は当該誘起電圧を検出し、この誘起電圧を所定のしきい値電圧Vref1,Vref2と比較する。ラッチ回路20はこの比較結果を出力端子OUTから出力するが、この出力結果に応じて送受信機能が切替えられ、二次側確認信号送信回路22は確認信号をコイル4からフィードバックして送信する。コイル4から送信された確認信号に応じてコイル8には電圧が誘起されるが、コンパレータ16はこのコイル8の誘起電圧の変化を検出する。
二次側信号診断回路15は、補正後の入力信号のデジタル信号が「L」→「H」または「H」→「L」となるタイミングから所定期間tb以内にコイル8の誘起電圧のデジタル信号出力変化がある場合には異常信号を出力することなく入力信号補正回路14は入力端子INの入力信号をそのままコイル6に出力する。
他方、二次側信号診断回路15は、補正後の入力信号となるデジタル信号が「L」→「H」または「H」→「L」となるタイミングから所定期間tb以外にコイル8の誘起電圧に応じたコンパレータ16のデジタル信号の出力変化がある場合には、異常信号として診断信号電圧を入力信号補正回路14に出力し、この場合には入力信号補正回路14はパルス状の補正信号を入力信号に重畳してコイル6に印加する。この場合、入力信号補正回路14はコイル8の誘起電圧と入力信号の電圧変化との比較に応じて入力信号を補正することになる。するとデジタル信号が補正されて出力端子OUTに出力されるようになり、正常なデジタル信号を出力端子OUTから出力できる。これにより元の信号を再現することができるようになり、デジタル信号の耐ノイズ性能を向上できる。しかも磁気結合を用いているため、高速応答性を向上できる。
切替回路17を設けてコイル4の送受信機能を切り替えているため、送信用、受信用のコイルを別体に設けることなく構成することができる。
コイル4、6および8が重構造に構成されているため、集積回路装置Cの配設領域をコンパクト化することができる。具体的には、支持基板1上に絶縁体2を介して軟磁性体3、コイル4、絶縁体5、コイル6、絶縁体7、コイル8、軟磁性体9を順に形成しているため、平面的に同一配置に構成することができ実装スペースを縮小化できる。
コイル4、6および8が重構造に構成されているため、集積回路装置Cの配設領域をコンパクト化することができる。具体的には、支持基板1上に絶縁体2を介して軟磁性体3、コイル4、絶縁体5、コイル6、絶縁体7、コイル8、軟磁性体9を順に形成しているため、平面的に同一配置に構成することができ実装スペースを縮小化できる。
コイル8の上面、およびコイル4、6、8の外側面を覆うように軟磁性体7を形成しているため、磁気結合率を向上できる。
二次側確認信号送信回路22は、コンパレータ18、19により誘起電圧が検出されてから予め定められた所定期間の間に確認信号を送信しているため、一次側から二次側に送信されたか否かを一次側で直ぐに確認することができデジタル伝送の信頼性を向上できる。
二次側確認信号送信回路22は、コンパレータ18、19により誘起電圧が検出されてから予め定められた所定期間の間に確認信号を送信しているため、一次側から二次側に送信されたか否かを一次側で直ぐに確認することができデジタル伝送の信頼性を向上できる。
(第2の実施形態)
図8および図9は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、前述実施形態における出力端子の出力電圧をさらに整形してデジタルノイズを生じさせないように構成したところにある。前述実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。
図8および図9は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、前述実施形態における出力端子の出力電圧をさらに整形してデジタルノイズを生じさせないように構成したところにある。前述実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。
図8は、本実施形態に係る機能ブロックの変更部分を図3に対応して示しており、図9は、タイミングチャートを図4に対応して示している。
図8に示すように、ラッチ回路(保持手段)20の出力が出力診断判断回路(出力診断判断手段)24に接続されており、この出力診断判断回路24の出力が出力端子OUTに与えられている。出力診断判断回路24は、ラッチ回路20の立上り/立下り信号を検出し、このタイミングから所定期間taを計測し、この所定期間ta中に再度ラッチ回路20の出力変化を検出した場合にはデジタル出力を変化させず、所定期間ta中にラッチ回路20の出力変化を検出しない場合にはデジタル出力を変化させるように構成されている。すなわち、ラッチ回路20のデジタル出力をプレ出力信号として所定条件が満たされたときにデジタル信号の状態を変化させるように構成されている。
図8に示すように、ラッチ回路(保持手段)20の出力が出力診断判断回路(出力診断判断手段)24に接続されており、この出力診断判断回路24の出力が出力端子OUTに与えられている。出力診断判断回路24は、ラッチ回路20の立上り/立下り信号を検出し、このタイミングから所定期間taを計測し、この所定期間ta中に再度ラッチ回路20の出力変化を検出した場合にはデジタル出力を変化させず、所定期間ta中にラッチ回路20の出力変化を検出しない場合にはデジタル出力を変化させるように構成されている。すなわち、ラッチ回路20のデジタル出力をプレ出力信号として所定条件が満たされたときにデジタル信号の状態を変化させるように構成されている。
図9のタイミングチャートに示すように、出力診断判断回路24は、ラッチ回路20の立上り/立下り信号を検出すると、このタイミングから所定期間taが経過するまで当該出力信号を変化させずに待機する(図8の(19)(21)(23)参照)。所定期間taは、一次側で補正用のパルス信号Yが出力された後当該パルス信号Yを二次側で十分に受信可能な期間として予め定められている。
出力診断判断回路24は、所定期間taが経過すると当該経過前にラッチ回路20の出力変化が生じていないことを条件として出力信号を変化させる(図8の(20)(22)のタイミング)。しかし、出力診断判断回路24は、ノイズNが発生したことに起因して二次側信号診断回路15が異常信号として診断信号電圧「H」を発生し(図8の(18)参照)、パルス信号Yが入力されたことに応じてラッチ回路20の出力変化が所定期間taの経過前に生じる(図8の(25)のタイミング)と、所定期間taが経過したとしても出力を変化させない(図8の(24)のタイミング)。すると、出力信号が入力信号と合致するようになり、正常な出力を得ることができる。
本実施形態によれば、出力診断判断回路24は、ラッチ回路20が出力するデジタル信号レベルが変化したとしても、補正用のパルス信号Yを二次側で受信可能な期間として予め定められた所定期間taだけ待機し、当該所定期間ta中にパルス信号Yを受信しなければラッチ回路20のデジタル信号レベル出力変化を反映して出力端子OUTにデジタル出力し、逆にパルス信号Yを受信すればラッチ回路20のデジタル信号レベル変化を反映させずに前回ラッチ回路20が保持していたデジタル信号レベルを出力端子OUTに出力しているため、正常なデジタル信号を出力端子OUTから確実に出力できるようになる。これにより、信号伝送の正確性を向上できる。
(第3の実施形態)
図10は、本発明の第3の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、送信用コイルと検出用コイルとの間に絶縁体を設けたところにある。前述実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分について説明する。
図10は、本発明の第3の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、送信用コイルと検出用コイルとの間に絶縁体を設けたところにある。前述実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分について説明する。
図10は、集積回路装置Cに代わる集積回路装置Dの構造断面を示している。集積回路装置Dは、入出力回路C1に代わる入出力回路D1を具備している。入出力回路D1は磁気結合回路Zに代わる磁気結合回路Z1を具備している。図10に磁気結合回路Z1の構造断面を示すように、絶縁体7がコイル6の上面および外側周(外側面)を覆うように構成されている。また、コイル8と軟磁性体9との間には絶縁体25が介在して設けられている。この絶縁体25は、渦巻状のコイル8間に軟磁性体9が形成されないようにするために設けられている。絶縁体25は、コイル8の上面および側面を覆うように構成されているため、より磁気結合率を向上できる。
この絶縁体25は、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によってシリコン酸化膜(SiO2)、シリコン窒化膜(SiN)を成膜したり、或いはスピンコート法や蒸着法を用いてポリイミドなどの有機膜を成膜すると良い。絶縁体25の形成方法は絶縁体5、7の形成方法と同様の方法を適用すると良い。本実施形態では、絶縁体25がコイル8の外側周(外側面)を覆うように形成されている。このような実施形態においてもほぼ同様の作用効果が得られると共に、磁気結合率をさらに向上できる。
(第4の実施形態)
図11(a)および図11(b)は、本発明の第4の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、送信用コイルと検出用コイルとを一体に同一層(同一平面)内に構成されており、一体構成されたコイルの途中位置に引出線が接続されており、当該コイルの途中位置が入力信号の通電端子、誘起電圧の検出端子として構成されているところにある。また、送信用コイルと検出用コイルとを同一層内に同時に形成したところにある。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分について説明する。
図11(a)および図11(b)は、本発明の第4の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、送信用コイルと検出用コイルとを一体に同一層(同一平面)内に構成されており、一体構成されたコイルの途中位置に引出線が接続されており、当該コイルの途中位置が入力信号の通電端子、誘起電圧の検出端子として構成されているところにある。また、送信用コイルと検出用コイルとを同一層内に同時に形成したところにある。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分について説明する。
図11(a)は、図1(a)に対応して集積回路装置Cに代わる集積回路装置Eの断面を示しており、図11(b)は、図1(b)に対応した断面を示している。集積回路装置Eは、入出力回路C1に代わる入出力回路E1を具備しており、入出力回路E1は磁気結合回路Zに代わる磁気結合回路Z2を具備している。
これらの図11(a)および図11(b)に示すように、コイル6、8は同一平面内に一体構成されると共にコイル4の上方に位置して構成されている。軟磁性体9は、コイル6、8の上面および外側面を覆うように構成されている。コイル6、8には、入力信号を入力するための入力端子INの入力線とコイル8の誘起電圧の検出線として引出線12が形成されており、送信回路13と電気的に接続されている。
このような実施形態によれば、前述実施形態と同様の作用効果が得られると共に、コイル6、8を一体化して構成できるため、部品構成数を削減できる。また、コイル6、8を同時に形成できるため、製造工程数を削減できる。軟磁性体9がコイル6、8の上面および外側面を覆うように形成されるため、磁気結合率を向上できる。
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形または拡張が可能である。
軟磁性体7が、渦巻状コイル8の上面、および渦巻状コイル4、6、8の外側面を覆うように形成された実施形態を示したが、これに代えて、または、これに加えて、渦巻状コイル4、6、8の内側周(内側面)を覆うように形成されていても良い。尚、コイル4、6、8の内側面とは、それぞれ渦巻状コイル4、6、8の渦巻中心側の当該コイルの側面を示している。このような構造を適用しても前述実施形態と同様に磁気結合率を向上できる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形または拡張が可能である。
軟磁性体7が、渦巻状コイル8の上面、および渦巻状コイル4、6、8の外側面を覆うように形成された実施形態を示したが、これに代えて、または、これに加えて、渦巻状コイル4、6、8の内側周(内側面)を覆うように形成されていても良い。尚、コイル4、6、8の内側面とは、それぞれ渦巻状コイル4、6、8の渦巻中心側の当該コイルの側面を示している。このような構造を適用しても前述実施形態と同様に磁気結合率を向上できる。
支持基板1として、シリコン基板、ガラスやセラミックの無機基板、エポキシ等を基材とする有機基板を必要に応じて選択的に適用できる。
上述実施形態では軟磁性体3、9としてフェライトを設けたが必要に応じて設ければ良い。また、軟磁性体3、9はフェライトに限らず、鉄シリコン(FeSi)、鉄シリコンアルミ(FeSiAl)合金(センダスト)、ニッケル鉄(NiFe)合金(パーマロイ)、鉄(Fe)基やコバルト(Co)基のアモルファス合金を適用しても良い。
上述実施形態では軟磁性体3、9としてフェライトを設けたが必要に応じて設ければ良い。また、軟磁性体3、9はフェライトに限らず、鉄シリコン(FeSi)、鉄シリコンアルミ(FeSiAl)合金(センダスト)、ニッケル鉄(NiFe)合金(パーマロイ)、鉄(Fe)基やコバルト(Co)基のアモルファス合金を適用しても良い。
コイル4、6、8がそれぞれ渦巻き状に構成された実施形態を示したが、これらのコイル4、6、8は矩形状でも渦巻きと矩形の組み合わせ形状に成型されていても良い。
コイル4、6、8を、それぞれ二次側の送受信用コイル、一次側の送信用コイル、一次側の検出用コイルとして構成したが、必要に応じて、互いに入れ替えて機能させるようにしても良い。
コイル4、6、8を、それぞれ二次側の送受信用コイル、一次側の送信用コイル、一次側の検出用コイルとして構成したが、必要に応じて、互いに入れ替えて機能させるようにしても良い。
コイル4、6、8の基端部と末端部の送信回路13、受信回路11との接続方法としては、フェライト3または/および9に貫通電極(図示せず)を形成してコイル4、6、8の外部配線に接続するように構成しても良いし、絶縁体5内に接続配線層(図示せず)を形成することで磁気送受信部Zの外部に電極を取り出して電気的に接続するようにしても良い。
コイル6、8の巻始めと終わりに相当する基端部と末端部とから配線を取り出す手段として貫通電極を用いたり、軟磁性体9の外周部などから金やアルミ等のワイヤボンディング法で引出線12を接続すればよい。
図面中、4はコイル(二次側の送受信用コイル)、5は絶縁体、6はコイル(一次側の送信用コイル)、7は軟磁性体、8はコイル(一次側の検出用コイル)、11は受信回路、13は送信回路、14は入力信号補正回路(入力信号補正手段)、15は二次側信号診断回路(二次側信号診断手段)、16はコンパレータ(一次側誘起電圧検出手段、二次側確認信号検出手段)、18、19はコンパレータ(二次側信号検出手段)、22は二次側確認信号送信回路(二次側確認信号送信手段)、Cは集積回路装置、C1は入出力回路、Zは磁気結合回路を示す。
Claims (17)
- 入力信号を通電する一次側の送信用コイルと、
入力信号が送信用コイルに通電され当該送信用コイルに生じる磁界に応じて電圧を誘起する二次側の送受信用コイルと、
前記送受信用コイルの誘起電圧を検出する二次側信号検出手段と、
前記二次側信号検出手段により検出された誘起電圧に応じて確認信号を前記送受信用コイルを通じて送信する二次側確認信号送信手段と、
前記二次側確認信号送信手段により前記送受信用コイルを通じて送信された確認信号に応じて一次側に与えられる電圧を誘起する一次側の検出用コイルと、
前記検出用コイルの誘起電圧を検出する一次側誘起電圧検出手段と、
前記一次側誘起電圧検出手段により検出された誘起電圧と前記入力信号の電圧変化との比較に応じて前記送信用コイルに入力する入力信号を補正する入力信号補正手段とを備えていることを特徴とする集積回路装置。 - 一のパッケージ内に、一次側の前記送信用コイルおよび前記検出用コイルと、二次側の前記送受信用コイルとがそれぞれ互いに対向配置され一次側の入力信号を電気的に絶縁した状態で二次側にデジタル信号を伝送することを特徴とする請求項1記載の集積回路装置。
- 前記送受信用コイルの送受信機能を切り替える送信受信切替手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の集積回路装置。
- 入力信号のデジタル信号変化が生じたタイミングから予め定められた第1所定期間以外に前記一次側誘起電圧検出手段のデジタル信号の出力変化がある場合には異常信号を入力信号補正手段に出力する二次側信号診断手段を備え、
前記入力信号補正手段は、前記二次側信号診断手段から異常信号が出力されたときにはパルス状の補正信号を入力信号に重畳することで当該入力信号を補正することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の集積回路装置。 - 前記一次側の送信用コイルおよび検出用コイルが別体で重構造に構成されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の集積回路装置。
- 前記一次側の送信用コイルと検出用コイルとは一体に同一平面内に構成され、
前記一体構成されたコイルの途中位置に引出線が接続されることにより、当該途中位置が前記入力信号の通電端子、前記一次側誘起電圧検出手段による誘起電圧の検出端子として構成されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の集積回路装置。 - 前記二次側確認信号送信手段は、前記二次側電圧検出手段により誘起電圧が検出されてから予め定められた第2所定期間の間に確認信号を送信することを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の集積回路装置。
- 前記二次側誘起電圧検出手段により検出された誘起電圧に応じて変化するデジタル信号レベルを保持する保持手段と、
変化した前記デジタル信号レベルを前記保持手段が保持したタイミングから前記入力信号補正手段が補正した入力信号を二次側で受信可能に予め定められた第3所定期間だけ待機し、当該待機中に前記デジタル信号レベルが再度変化しないときには前記保持手段の前記デジタル信号レベルを出力し、当該待機中に前記デジタル信号レベルが再度変化したときには待機後に出力を変化させず前記保持手段が前回保持していたデジタル信号レベルを出力する出力診断判断手段とを備えたことを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の集積回路装置。 - 前記一次側の送信用コイル、前記二次側の送受信用コイル、前記一次側の検出用コイルは共に平面状に形成された状態で積層して構成され、
前記一次側の送信用コイル、前記二次側の送受信用コイル、前記一次側の検出用コイルの外側面を覆うように形成された軟磁性体を備えたことを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の集積回路装置。 - 前記一次側の送信用コイル、前記二次側の送受信用コイル、前記一次側の検出用コイルは共に平面状に形成された状態で積層して構成され、
前記一次側の送信用コイル、前記二次側の送受信用コイル、前記一次側の検出用コイルの内側面を覆うように形成された軟磁性体を備えたことを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の集積回路装置。 - 一のパッケージ内に互いに対向配置された第1〜第3コイルを、それぞれ、
入力信号を通電する一次側の送信用コイル、
前記一次側の送信用コイルに生じる磁界に応じて電圧を誘起し当該電圧誘起状態に応じて確認信号を送信する二次側の送受信用コイル、
前記二次側の送受信用コイルから送信された確認信号に応じて一次側に与えられる電圧を誘起する一次側の検出用コイル、
のうち何れかに適用して、前記一次側の検出用コイルの誘起電圧と入力信号の電圧との比較に応じて一次側の送信用コイルに入力する入力信号を補正し一次側の入力信号を電気的に絶縁した状態で二次側にデジタル信号を伝送するように構成された集積回路装置の製造方法であって、
支持基板上に第1軟磁性体を形成する第1工程と、
前記第1軟磁性体上に前記第1コイルを形成する第2工程と、
前記第1コイル上に第1絶縁体を形成する第3工程と、
前記第1絶縁体上に前記第2コイルを形成する第4工程と、
前記第2コイル上に第2絶縁体を形成する第5工程と、
前記第2絶縁体上に前記第3コイルを形成する第6工程と、
前記第3コイル上に第2軟磁性体を形成する第7工程とを備えたことを特徴とする集積回路装置の製造方法。 - 前記第2絶縁体上に第3コイルを形成する第6工程と前記第3コイル上に第2軟磁性体を形成する第7工程との間に、前記第3コイル上に第3絶縁体を形成する第8工程を備えたことを特徴とする請求項11記載の集積回路装置の製造方法。
- 前記第3コイル上に第2軟磁性体を形成する第7工程では、前記第3コイルの上面および前記第1ないし第3コイルの外側面を覆うように第2軟磁性体を形成することを特徴とする請求項11または12記載の集積回路装置の製造方法。
- 前記第3コイル上に第2軟磁性体を形成する第7工程では、前記第3コイルの上面および前記第1ないし第3コイルの内側面を覆うように第2軟磁性体を形成することを特徴とする請求項11ないし13の何れかに記載の集積回路装置の製造方法。
- 前記第2、第3コイルをそれぞれ一次側の送信用コイル、検出用コイルとして適用した場合、
前記第4ないし第7工程に代えて、前記第1絶縁体上に前記第2および第3コイルを一体に同一平面内に同時に形成する第9工程と、当該第2および第3コイル上に第2軟磁性体を形成する第10工程とを備えたことを特徴とする請求項11または12記載の集積回路装置の製造方法。 - 前記第2および第3コイル上に第2軟磁性体を形成する第10工程では、前記第2および第3コイルの上面および前記第1ないし第3コイルの外側面を覆うように第2軟磁性体を形成することを特徴とする請求項15記載の集積回路装置の製造方法。
- 前記第2および第3コイル上に第2軟磁性体を形成する第10工程では、前記第2および第3コイルの上面および前記第1ないし第3コイルの内側面を覆うように第2軟磁性体を形成することを特徴とする請求項15または16記載の集積回路装置の製造方法。
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