JP2009188349A - 絶縁膜の形成方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体および処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来のCVD法と同等の厚い膜厚で、膜質が良質な絶縁膜を低温で形成できる絶縁膜の形成方法を提供する。
【解決手段】 シリコン層上に、CVD法により絶縁膜としての酸化珪素膜を成膜するCVD工程(ステップS2)と、希ガスと酸素を含む処理ガスを用い6.7Pa以上267Pa以下の範囲内の圧力条件で発生させたプラズマにより、酸化珪素膜を改質処理するプラズマ改質処理工程(ステップS4)とを、酸化珪素膜が所望の膜厚に達するまで繰り返し実施する。
【選択図】図6

Description

本発明は、CVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相堆積)法により絶縁膜を形成する絶縁膜の形成方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体および処理システムに関する。
CVD法は、各種半導体装置の製造過程において酸化珪素膜や高誘電率絶縁膜などの絶縁膜を形成する目的で広く利用されている。CVD法では、熱などのエネルギーを用いて成膜原料物質に気相反応を生じさせ、被処理体上に絶縁膜を形成する。
CVD法により絶縁膜を形成する場合の問題点として、成膜された絶縁膜(例えば酸化珪素膜)には多くのダングリングボンドが存在するとともに、成膜原料に由来する水分や不純物が残留しており、膜質があまり良くないという点が挙げられる。このため、CVD法により成膜された絶縁膜を例えば700℃以上の高温でアニール処理して膜質を改善することが必要であった。しかし、熱によるエネルギー供給では、Si−O結合の組み換えが不可能であるため、成膜後のアニール処理によって基礎的な膜質の改善を行うことは困難である。また、アニール処理による改質効果を高めようとすると、高温での処理が必要になるが、高温でのアニール処理は、サーマルバジェットの増大につながる。サーマルバジェットが増大すると、シリコン層に拡散された不純物分布の制御が困難になり、半導体装置の品質に好ましくない影響を与えてしまうことが懸念される。
また、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイのようにガラス基板や合成樹脂製基板を用いる場合には、絶縁膜の改質処理に高温でのアニール処理を行うこと自体が不可能である。
このため、酸化珪素膜をプラズマ処理することによって比較的低温で膜質を改質する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
WO2002/059956号 WO2001/69665号
上記特許文献1および特許文献2に記載されたプラズマ処理による酸化珪素膜の改質処理は、サーマルバジェットを低減しつつ良質な酸化珪素膜を製造できる点で優れた技術である。しかし、RLSAプラズマ処理装置で生成したプラズマ中の酸素ラジカルが酸化珪素膜中へ拡散する深さには限界がある。このため、特許文献1および特許文献2に記載の方法で改質できる酸化珪素膜の膜厚には限界があり、例えば10nm以下の膜厚の酸化珪素膜しか改質処理ができない。このような理由から、上記膜厚を超える比較的厚い絶縁膜についてはプラズマ改質処理による膜質改善は困難であった。
また、前記のとおり、従来の熱CVD法やプラズマCVD法では、絶縁膜の膜厚を厚く形成できるが、膜質が悪いという欠点があった。
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来のCVD法と同等の厚い膜厚で、膜質が良質な絶縁膜を低温で形成できる絶縁膜の形成方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の絶縁膜の形成方法は、被処理体の表面に露出したシリコンの上にCVD法によって、2nm以上10nm以下の範囲内の膜厚で絶縁膜を形成するCVD工程と、
前記絶縁膜に対し、複数の孔を有する平面アンテナにより処理室内にマイクロ波を導入するプラズマ処理装置において、酸素を含む処理ガスのプラズマを用いて改質処理を行うプラズマ改質処理工程と、
を備え、前記CVD工程と前記プラズマ改質処理工程とを繰り返し行い絶縁膜を形成するものである。
本発明の絶縁膜の形成方法において、前記プラズマ改質処理工程は、処理圧力が6.7Pa以上267Pa以下の範囲内であり、かつ前記処理ガスの全流量に対する酸素の流量比率が0.1%以上30%以下の範囲内で行われるものであることが好ましい。
また、本発明の絶縁膜の形成方法において、前記プラズマ改質処理工程における前記処理圧力が、6.7Pa以上67Pa以下の範囲内であることが好ましい。
また、本発明の絶縁膜の形成方法において、1回のプラズマ改質処理工程における処理時間が、5秒以上600秒以下の範囲内であることが好ましい。
また、本発明の絶縁膜の形成方法は、前記絶縁膜の合計膜厚が4nm以上1000nm以下の範囲内になるまで前記CVD工程と前記プラズマ改質処理工程とを繰り返すことが好ましい。
また、本発明の絶縁膜の形成方法において、前記CVD工程と前記プラズマ改質処理工程とを真空状態で繰り返すことが好ましい。
また、本発明の絶縁膜の形成方法において、前記プラズマ改質処理工程における処理温度が、200℃以上600℃以下の範囲内であることが好ましい。
また、本発明の絶縁膜の形成方法において、前記絶縁膜を、プラズマCVD法または熱CVD法によって形成することが好ましい。
また、本発明の絶縁膜の形成方法において、前記絶縁膜は、原料ガスとしてジクロルシランとNOを用いるCVD法によって堆積させられた酸化珪素膜であることが好ましい。
本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータ上で動作する制御プログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記制御プログラムは、実行時に、被処理体に対して所定の処理を行うための複数の処理チャンバを有する処理システムにおいて、被処理体の表面に露出したシリコンの上にCVD法によって2nm以上10nm以下の範囲内の膜厚で絶縁膜を形成するCVD工程と、前記絶縁膜に対し、複数の孔を有する平面アンテナにより処理室内にマイクロ波を導入するプラズマ処理装置において、酸素を含む処理ガスのプラズマを用いて改質処理を行うプラズマ改質処理工程と、を繰り返し行う絶縁膜の形成方法が行なわれるように、コンピュータに前記処理システムを制御させるものである。
本発明の処理システムは、被処理体に対して異なる処理を行う複数の処理チャンバを有する処理システムであって、
第1の処理チャンバ内で被処理体の表面に露出したシリコンの上にCVD法によって2nm以上10nm以下の範囲内の膜厚で絶縁膜を形成するCVD工程と、前記第1の処理チャンバとは異なる第2の処理チャンバにおいて前記絶縁膜に対し、複数の孔を有する平面アンテナにより前記第2の処理チャンバ内にマイクロ波を導入することにより酸素を含む処理ガスのプラズマを形成し、該プラズマを用いてプラズマ改質処理を行うプラズマ改質処理工程と、を繰り返し行うように前記第1の処理チャンバおよび前記第2の処理チャンバを制御する制御部を備えている。
本発明の絶縁膜の形成方法によれば、CVDによる絶縁膜の堆積とプラズマ改質処理による膜質の改善とを繰り返し行うことによって、膜質が緻密で、不純物やダングリングボンドが少ない良質な絶縁膜を所望の厚みで形成できる。したがって、本発明の絶縁膜の形成方法を、比較的厚い膜厚で膜質に優れた絶縁膜が必要とされるアプリケーション例えば薄膜トランジスタ(TFT)素子のゲート絶縁膜、フラッシュメモリ素子のトンネル酸化膜、各種半導体装置の相間絶縁膜等に適用することによって、電気的特性に優れた信頼性の高いデバイスを製造できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照しながら本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法が行われる基板処理システムについて説明を行う。図1は、例えば基板としての半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と記す)Wに対し、例えば成膜処理、改質処理等の各種の処理を行なうように構成された基板処理システム200を示す概略構成図である。この基板処理システム200は、マルチチャンバ構造のクラスタツールとして構成されている。
基板処理システム200は、主要な構成として、ウエハWに対して各種の処理を行う4つのプロセスモジュール101a,101b,101c,101dと、これらのプロセスモジュール101a〜101dに対してゲートバルブG1を介して接続された真空側搬送室103と、この真空側搬送室103にゲートバルブG2を介して接続された2つのロードロック室105a,105bと、これら2つのロードロック室105a,105bに対してゲートバルブG3を介して接続されたローダーユニット107とを備えている。
4つのプロセスモジュール101a〜101dは、ウエハWに対して例えばCVD処理、プラズマ改質処理などの処理を行う処理装置である。本実施の形態では、少なくとも、プロセスモジュール101a,101cにおいて、ウエハWに対してCVD法による成膜処理を行い、該成膜処理によって形成された酸化珪素膜に対して、プロセスモジュール101b,101dにおいてプラズマを作用させて改質を行うプラズマ改質処理と、を行うことができるように構成されている。なお、プロセスモジュール101a〜101dにおける処理内容の組み合わせは、スループットを考慮して適宜調整可能である。
真空引き可能に構成された真空側搬送室103には、プロセスモジュール101a〜101dやロードロック室105a,105bに対してウエハWの受け渡しを行う第1の基板搬送装置としての搬送装置109が設けられている。この搬送装置109は、互いに対向するように配置された一対の搬送アーム部111a,111bを有している。各搬送アーム部111a,111bは同一の回転軸を中心として、屈伸及び旋回可能に構成されている。また、各搬送アーム部111a,111bの先端には、それぞれウエハWを載置して保持するためのフォーク113a,113bが設けられている。搬送装置109は、これらのフォーク113a,113b上にウエハWを載置した状態で、プロセスモジュール101a〜101d間、あるいはプロセスモジュール101a〜101dとロードロック室105a,105bとの間でウエハWの搬送を行う。
ロードロック室105a,105b内には、それぞれウエハWを載置する載置台106a,106bが設けられている。ロードロック室105a,105bは、真空状態と大気開放状態を切り替えられるように構成されている。このロードロック室105a,105bの載置台106a,106bを介して、真空側搬送室103と大気側搬送室119(後述)との間でウエハWの受け渡しが行われる。
ローダーユニット107は、ウエハWの搬送を行う第2の基板搬送装置としての搬送装置117が設けられた大気側搬送室119と、この大気側搬送室119に隣接配備された3つのロードポートLPと、大気側搬送室119の他の側面に隣接配備され、ウエハWの位置測定を行なう位置測定装置としてのオリエンタ121とを有している。
大気側搬送室119は、例えば窒素ガスや清浄空気がダウンフローしてクリーンな環境を形成する循環設備(図示省略)を備え、クリーンな環境が維持されている。大気側搬送室119は、平面視矩形形状をなしており、その長手方向に沿ってガイドレール123が設けられている。このガイドレール123に搬送装置117がスライド移動可能に支持されている。つまり、搬送装置117は図示しない駆動機構により、ガイドレール123に沿ってX方向へ移動可能に構成されている。この搬送装置117は、上下2段に配置された一対の搬送アーム部125a,125bを有している。各搬送アーム部125a,125bは屈伸及び旋回可能に構成されている。各搬送アーム部125a,125bの先端には、それぞれウエハWを載置して保持する保持部材としてのフォーク127a,127bが設けられている。搬送装置117は、これらのフォーク127a,127b上にウエハWを載置した状態で、ロードポートLPのウエハカセットCRと、ロードロック室105a,105bと、オリエンタ121との間でウエハWの搬送を行う。
ロードポートLPは、ウエハカセットCRを載置できるようになっている。ウエハカセットCRは、複数枚のウエハWを同じ間隔で多段に載置して収容できるように構成されている。
オリエンタ121は、図示しない駆動モータによって回転される回転板133と、この回転板133の外周位置に設けられ、ウエハWの周縁部を検出するための光学センサ135とを備えている。
以上のような構成を有する基板処理システム200においては、以下の手順でウエハWに対するCVD処理およびプラズマ改質処理が行われる。まず、大気側搬送室119の搬送装置117のフォーク127を用い、ロードポートLPのウエハカセットCRより1枚のウエハWが取り出され、オリエンタ121で位置合わせされた後、ロードロック室105a(または105b)に搬入される。ウエハWが載置台106a(または106b)に載置された状態でゲートバルブG3が閉じられ、ロードロック室105a(または105b)の内部が真空状態に減圧排気される。その後、ゲートバルブG2が開放され、真空側搬送室103内の搬送装置109のフォーク113によってウエハWがロードロック室105a(または105b)から運び出され、プロセスモジュール101a〜101dのいずれかに搬入される。
本実施の形態では、例えばプロセスモジュール101a,101cでは、ウエハW上に絶縁膜例えば酸化珪素膜などを形成するCVD処理を行なうことができるように構成されている。また、プロセスモジュール101b,101dでは、前記絶縁膜を形成した後にその絶縁膜を改質するプラズマ改質処理を行なうことができるように構成されている。従って、搬送装置109によりロードロック室105a(または105b)から運び出されたウエハWは、まず、プロセスモジュール101a,101cのいずれかに搬入される。そして、ゲートバルブG1を閉じた後でウエハWに対してCVD処理が行われる。CVD処理によって、ウエハWのシリコンの上に絶縁膜が堆積形成される。
次いで、前記ゲートバルブG1が開放され、CVD法による絶縁膜が形成されたウエハWが搬送装置109によりプロセスモジュール101a(または101c)から真空状態のままプロセスモジュール101b(または101d)に搬入される。そして、ゲートバルブG1が閉じられた後で前記絶縁膜に対してプラズマ改質処理が行われる。次に、プロセスモジュール101b(または101d)のゲートバルブG1が開放され、プラズマ改質処理されたウエハWが、搬送装置109により取り出され、ロードロック室105a(または105b)に搬入される。そして、前記とは逆の手順でロードポートLPのウエハカセットCRに処理済みのウエハWが収納され、基板処理システム200における1枚のウエハWに対する処理が完了する。なお、基板処理システム200における各処理装置の配置は、効率的に処理を行うことができる配置であれば、いかなる配置構成でもよい。さらに、基板処理システム200におけるプロセスモジュールの数は4つに限らず、5つ以上であってもよい。
図2は、基板処理システム200において行われるプラズマ改質処理に利用可能なプラズマ処理装置100の概略構成を模式的に示す断面図である。また、図3は、図2のプラズマ処理装置100の平面アンテナを示す平面図である。
プロセスモジュール101b,101dを構成するプラズマ処理装置100は、複数のスロット状の孔を有する平面アンテナ、特にRLSA(Radial Line Slot Antenna;ラジアルラインスロットアンテナ)にて処理室内にマイクロ波を導入することにより、高密度かつ低電子温度のマイクロ波励起プラズマを発生させ得るRLSAマイクロ波プラズマ処理装置として構成されている。プラズマ処理装置100では、1×1010〜5×1012/cmのプラズマ密度で、かつ0.7〜2eVの低電子温度を有するプラズマによる処理が可能である。従って、プラズマ処理装置100は、各種半導体装置の製造過程において、CVD法によって形成された酸化珪素膜(例えばSiO膜)を改質する目的で好適に利用できる。
プラズマ処理装置100は、主要な構成として、気密に構成されたチャンバ(処理室)1と、チャンバ1内にガスを供給するガス供給機構18と、チャンバ1内を減圧排気するための排気機構としての排気装置24と、チャンバ1の上部に設けられ、チャンバ1内にマイクロ波を導入するマイクロ波導入機構27と、これらプラズマ処理装置100の各構成部を制御する制御部50と、を備えている。
チャンバ1は、接地された略円筒状の容器により形成されている。なお、チャンバ1は角筒形状の容器により形成してもよい。チャンバ1は、アルミニウム等の材質からなる底壁1aと側壁1bとを有している。
チャンバ1の内部には、被処理体であるウエハWを水平に支持するための載置台2が設けられている。載置台2は、熱伝導性の高い材質例えばAlN等のセラミックスにより構成されている。この載置台2は、排気室11の底部中央から上方に延びる円筒状の支持部材3により支持されている。支持部材3は、例えばAlN等のセラミックスにより構成されている。
また、載置台2には、その外縁部をカバーし、ウエハWをガイドするためのカバーリング4が設けられている。このカバーリング4は、例えば石英、AlN、Al、SiN等の材質で構成された環状部材である。
また、載置台2には、温度調節機構としての抵抗加熱型のヒータ5が埋め込まれている。このヒータ5は、ヒータ電源5aから給電されることにより載置台2を加熱して、その熱で被処理基板であるウエハWを均一に加熱する。
また、載置台2には、熱電対(TC)6が配備されている。この熱電対6によって温度計測を行うことにより、ウエハWの加熱温度を例えば室温から900℃までの範囲で制御可能となっている。
また、載置台2には、ウエハWを支持して昇降させるためのウエハ支持ピン(図示せず)が設けられている。各ウエハ支持ピンは、載置台2の表面に対して突没可能に設けられている。
チャンバ1の内周には、石英からなる円筒状のライナー7が設けられている。また、載置台2の外周側には、チャンバ1内を均一排気するため、多数の排気孔8aを有する石英製のバッフルプレート8が環状に設けられている。このバッフルプレート8は、複数の支柱9により支持されている。
チャンバ1の底壁1aの略中央部には、円形の開口部10が形成されている。底壁1aにはこの開口部10と連通し、下方に向けて突出する排気室11が設けられている。この排気室11には、排気管12が接続されており、この排気管12を介して排気装置24に接続されている。
チャンバ1の上部には、環状のアッパープレート13が接合されている。アッパープレート13の内周は、内側(チャンバ内空間)へ向けて突出し、環状の支持部13aを形成している。
チャンバ1の側壁1bには、環状をなすガス導入部15が設けられている。このガス導入部15は、酸素含有ガスやプラズマ励起用ガスを供給するガス供給機構18に接続されている。なお、ガス導入部15はノズル状またはシャワー状に設けてもよい。
また、チャンバ1の側壁1bには、プラズマ処理装置100と、これに隣接する搬送室103(図1参照)との間で、ウエハWの搬入出を行うための搬入出口16と、この搬入出口16を開閉するゲートバルブG1とが設けられている。
ガス供給機構18は、例えば不活性ガス供給源19a、酸素含有ガス供給源19bおよび水素ガス供給源19cを有している。なお、ガス供給機構18は、上記以外の図示しないガス供給源として、例えばチャンバ1内雰囲気を置換する際に用いるパージガス供給源、チャンバ1内をクリーニングする際に用いるクリーニングガス供給源等を有していてもよい。
不活性ガスとしては、例えばNガスや希ガスなどを用いることができる。希ガスとしては、例えばArガス、Krガス、Xeガス、Heガスなどを用いることができる。これらの中でも、経済性に優れている点でArガスを用いることが特に好ましい。また、酸素含有ガスとしては、例えば酸素ガス(O)、水蒸気(HO)、一酸化窒素(NO)、一酸化二窒素(NO)などを用いることができる。
不活性ガス、酸素含有ガスおよび水素ガスは、ガス供給機構18の不活性ガス供給源19a、酸素含有ガス供給源19bおよび水素ガス供給源19cから、ガスライン20を介してガス導入部15に至り、ガス導入部15からチャンバ1内に導入される。各ガス供給源に接続する各々のガスライン20には、マスフローコントローラ21およびその前後の開閉バルブ22が設けられている。このようなガス供給機構18の構成により、供給されるガスの切替えや流量等の制御が出来るようになっている。
排気機構としての排気装置24は、例えばターボ分子ポンプなどの高速真空ポンプを備えている。前記のように、排気装置24は、排気管12を介してチャンバ1の排気室11に接続されている。チャンバ1内のガスは、排気室11の空間11a内へ均一に流れ、さらに空間11aから排気装置24を作動させることにより、排気管12を介して外部へ排気される。これにより、チャンバ1内を所定の真空度、例えば0.133Paまで高速に減圧することが可能となっている。
次に、マイクロ波導入機構27の構成について説明する。マイクロ波導入機構27は、主要な構成として、透過板28、平面アンテナ31、遅波材33、カバー34、導波管37、マッチング回路38およびマイクロ波発生装置39を備えている。
マイクロ波を透過させる透過板28は、アッパープレート13において内周側に張り出した支持部13a上に配備されている。透過板28は、誘電体、例えば石英やAl、AlN等のセラミックスから構成されている。この透過板28と支持部13aとの間は、シール部材29を介して気密にシールされている。したがって、チャンバ1内は気密に保持される。
平面アンテナ31は、透過板28の上方において、載置台2と対向するように設けられている。平面アンテナ31は、円板状をなしている。なお、平面アンテナ31の形状は、円板状に限らず、例えば四角板状でもよい。この平面アンテナ31は、アッパープレート13の上端に係止されている。
平面アンテナ31は、例えば表面が金または銀メッキされた銅板またはアルミニウム板から構成されている。平面アンテナ31は、マイクロ波を放射する多数のスロット状のマイクロ波放射孔32を有している。マイクロ波放射孔32は、所定のパターンで平面アンテナ31を貫通して形成されている。
個々のマイクロ波放射孔32は、例えば図3に示すように、細長い長方形状(スロット状)をなしている。そして、典型的には隣接するマイクロ波放射孔32が「T」字状に配置されている。また、このように所定の形状(例えばT字状)に組み合わせて配置されたマイクロ波放射孔32は、さらに全体として同心円状に配置されている。
マイクロ波放射孔32の長さや配列間隔は、マイクロ波の波長(λg)に応じて決定される。例えば、マイクロ波放射孔32の間隔は、λg/4、λg/2またはλgとなるように配置される。なお、図3においては、同心円状に形成された隣接するマイクロ波放射孔32どうしの間隔をΔrで示している。なお、マイクロ波放射孔32の形状は、円形状、円弧状等の他の形状であってもよい。さらに、マイクロ波放射孔32の配置形態は特に限定されず、同心円状のほか、例えば、螺旋状、放射状等に配置することもできる。
平面アンテナ31の上面には、真空よりも大きい誘電率を有する遅波材33が設けられている。この遅波材33は、真空中ではマイクロ波の波長が長くなることから、マイクロ波の波長を短くしてプラズマを調整する機能を有している。遅波材33の材質としては、例えば石英、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができる。
なお、平面アンテナ31と透過板28との間、また、遅波材33と平面アンテナ31との間は、それぞれ接触させても離間させてもよいが、接触させることが好ましい。
チャンバ1の上部には、これら平面アンテナ31および遅波材33を覆うように、カバー34が設けられている。カバー34は、例えばアルミニウムやステンレス鋼等の金属材料によって形成されている。アッパープレート13の上端とカバー34とは、シール部材35によりシールされている。また、カバー34の内部には、冷却水流路34aが形成されている。この冷却水流路34aに冷却水を通流させることにより、カバー34、遅波材33、平面アンテナ31および透過板28を冷却できるようになっている。なお、カバー34は接地されている。
カバー34の上壁(天井部)の中央には、開口部36が形成されており、この開口部36には導波管37が接続されている。導波管37の他端側には、マッチング回路38を介してマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置39が接続されている。
導波管37は、上記カバー34の開口部36から上方へ延出する断面円形状の同軸導波管37aと、この同軸導波管37aの上端部にモード変換器40を介して接続された水平方向に延びる矩形導波管37bとを有している。モード変換器40は、矩形導波管37b内をTEモードで伝播するマイクロ波をTEMモードに変換する機能を有している。
同軸導波管37aの中心には内導体41が延在している。この内導体41は、その下端部において平面アンテナ31の中心に接続固定されている。このような構造により、マイクロ波は、同軸導波管37aの内導体41を介して平面アンテナ31へ放射状に効率よく均一に伝播される。
以上のような構成のマイクロ波導入機構27により、マイクロ波発生装置39で発生したマイクロ波が導波管37を介して平面アンテナ31へ伝搬され、さらに透過板28を介してチャンバ1内に導入されるようになっている。なお、マイクロ波の周波数としては、例えば2.45GHzが好ましく用いられ、他に8.35GHz、1.98GHz等を用いることもできる。
プラズマ処理装置100の各構成部は、制御部50に接続されて制御される構成となっている。制御部50は、コンピュータを有しており、例えば図4に示したように、CPUを備えたプロセスコントローラ51と、このプロセスコントローラ51に接続されたユーザーインターフェース52および記憶部53を備えている。プロセスコントローラ51は、プラズマ処理装置100において、例えば温度、圧力、ガス流量、マイクロ波出力などのプロセス条件に関係する各構成部(例えば、ヒータ電源5a、ガス供給機構18、排気装置24、マイクロ波発生装置39など)を統括して制御する制御手段である。
ユーザーインターフェース52は、工程管理者がプラズマ処理装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、プラズマ処理装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等を有している。また、記憶部53には、プラズマ処理装置100で実行される各種処理をプロセスコントローラ51の制御にて実現するための制御プログラム(ソフトウエア)や処理条件データ等が記録されたレシピが保存されている。
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース52からの指示等にて任意のレシピを記憶部53から呼び出してプロセスコントローラ51に実行させることで、プロセスコントローラ51の制御下、プラズマ処理装置100のチャンバ1内で所望の処理が行われる。また、前記制御プログラムや処理条件データ等のレシピは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えばCD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリ、DVD、ブルーレイディスクなどに格納された状態のものを利用したり、あるいは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。
このように構成されたプラズマ処理装置100では、800℃以下の低温で下地膜等へのダメージフリーなプラズマ処理を行うことができる。また、プラズマ処理装置100は、プラズマの均一性に優れていることから、ウエハWの面内で処理の均一性を実現できる。
図5に、プロセスモジュール101a,101cとして適用可能な枚葉CVD成膜装置300の概略の構成例を示した。この枚葉CVD成膜装置300は、気密に構成された略円筒状の処理容器301を有している。処理容器301の中には被処理体であるウエハWを水平に支持するためのサセプタ303が配備されている。サセプタ303は、円筒状の支持部材305により支持されている。また、サセプタ303には,ヒータ307が埋め込まれている。このヒータ307はヒータ電源309から給電されることにより、ウエハWを所定の温度に加熱する。
処理容器301の開閉天壁301aには、シャワーヘッド311が設けられている。このシャワーヘッド311は、内部にガス拡散空間311aを有している。また、シャワーヘッド311の下面には、ガス拡散空間311aに連通する多数のガス吐出孔313が形成されている。また、シャワーヘッド311の中央部には、ガス拡散空間311aに連通するガス供給配管315が接続されている。このガス供給配管315は、マスフローコントローラ(MFC)317と、その前後に配備されたバルブ318a,318bを介して、例えばジクロルシラン、一酸化二窒素(NO)などの成膜原料ガスや処理容器301内の雰囲気置換をするためのパージガスなどを供給するガス供給源319に接続されている。そして、ガス供給源319から、ガス供給配管315、マスフローコントローラ317を介して、前記成膜原料ガスなどがシャワーヘッド311へ供給される。
処理容器301の底壁301bには、排気孔331が形成されており、この排気孔331には排気管333を介して排気装置335が接続されている。そしてこの排気装置335を作動させることにより処理容器301内を所定の真空度まで減圧できるように構成されている。なお、シャワーヘッド311に、図示しない高周波電源から高周波電力を供給することにより、シャワーヘッド311を介して処理容器301内に供給された原料ガスをプラズマ化して成膜することもできる。
また、処理容器301の側壁301cには、ウエハWを搬入、搬出するための搬入出口337が設けられており、この搬入出口337を介してウエハWの搬入出が行われる。搬入出口337は、ゲートバルブG1によって開閉される。
以上のような構成の枚葉CVD成膜装置300では、サセプタ303にウエハWを載置した状態で、ヒータ307によりウエハWを加熱しつつ、シャワーヘッド311からウエハWへ向けて原料ガスを供給することにより、ウエハWの表面に例えばSiO膜の薄膜をCVD法により成膜することができる。
以上の構成を有する枚葉CVD成膜装置300も、制御部50(図4参照)によって制御される。なお、CVD成膜装置としては、枚葉式に限らず、バッチ式の成膜装置を使用することも可能である。
次に、基板処理システム200において行われる、プラズマ改質処理を含む絶縁膜の形成方法について図6および図7を参照しながら説明する。図6は、絶縁膜としての酸化珪素膜の成膜工程とその改質処理工程を含む酸化珪素膜の形成方法の流れを示すフロー図であり、図7は、その主要な工程を説明する図面である。
本実施の形態の酸化珪素膜の形成方法は、例えば図6に示したステップS1からステップS5の手順により実施される。まず、図6のステップS1では、真空側搬送室103内の搬送装置109により、処理対象のウエハWをCVD成膜装置(プロセスモジュール101aまたは101c)に搬入する。
次に、ステップS2では、図7(a)に示したように、ウエハWの表面に露出したシリコン層201の上に、CVD法による成膜処理を行う。これにより、図7(b)に示したように、シリコン層201の上に絶縁膜としての酸化珪素膜202が形成される。このCVD法として、基板処理システム200を使用する本実施の形態では熱CVD法を用いるが、例えばプラズマCVD法、減圧CVD法、常圧CVD法などの方法で成膜を行うことが可能である。
CVD法による成膜処理によってウエハWのシリコン層201上に形成される酸化珪素膜202の膜厚Tは、後に行われるプラズマ改質処理工程で十分な改質効果を得る観点から、2nm以上10nm以下の範囲内が好ましく、4nm以上8nm以下の範囲内がより好ましい。改質処理の対象となる酸化珪素膜202の膜厚Tが、2nm未満では、所望の膜厚まで厚膜化するまでの繰り返し回数が多くなり、非効率である。一方、酸化珪素膜202の膜厚Tが、10nm超の場合には、後述するように厚み方向の全体を十分に改質することが困難になる。
次に、ステップS3では、酸化珪素膜202が形成されたウエハWをプラズマ改質処理装置としてのプラズマ処理装置100(プロセスモジュール101bまたは101d)に移送する。この移送は、真空側搬送室103内の搬送装置109によって真空状態のまま実施される。次に、ステップS4では、図7(c)に示したように、酸化珪素膜202に対してプラズマ改質処理を実施する。プラズマ処理装置100を用いて行われるプラズマ改質処理の手順および条件は、以下のとおりである。
[プラズマ改質処理の手順]
まず、プラズマ処理装置100のチャンバ1内を減圧排気しながら、ガス供給機構18の不活性ガス供給源19aおよび酸素含有ガス供給源19bから、不活性ガスおよび酸素含有ガスを所定の流量でそれぞれガス導入部15を介してチャンバ1内に導入する。このようにして、チャンバ1内を所定の圧力に調節する。
次に、マイクロ波発生装置39で発生させた所定周波数例えば2.45GHzのマイクロ波を、マッチング回路38を介して導波管37に導く。導波管37に導かれたマイクロ波は、矩形導波管37bおよび同軸導波管37aを順次通過し、内導体41を介して平面アンテナ31に供給される。つまり、マイクロ波は、矩形導波管37b内ではTEモードで伝搬し、このTEモードのマイクロ波はモード変換器40でTEMモードに変換されて、同軸導波管37a内を平面アンテナ31に向けて伝搬されていく。そして、マイクロ波は、平面アンテナ31に貫通形成されたスロット状のマイクロ波放射孔32から透過板28を介してチャンバ1内におけるウエハWの上方空間に放射される。この際のマイクロ波出力は、例えば200mm径以上のウエハWを処理する場合には、2000W以上4000W以下の範囲内から目的に応じて選択することができる。
平面アンテナ31から透過板28を経てチャンバ1に放射されたマイクロ波により、チャンバ1内で電磁界が形成され、不活性ガスおよび酸素含有ガスがそれぞれプラズマ化する。このマイクロ波励起プラズマは、マイクロ波が平面アンテナ31の多数のマイクロ波放射孔32から放射されることにより、略1×1010〜5×1012/cmの高密度で、かつウエハW近傍では、略1.2eV以下の低電子温度プラズマとなる。このようにして形成されるプラズマは、下地膜へのイオン等によるプラズマダメージが少ないものである。そして、プラズマ中で活性種の主体となるO イオンやO()ラジカルの作用によりプラズマ改質処理が行われ、ダングリングボンドやウィークボンドが終端し、Si−O結合を形成して緻密で欠陥のない酸化珪素膜が形成される。
[プラズマ改質処理条件]
プラズマ改質処理の処理ガスとしては、希ガスと酸素含有ガスとを含むガスを用いることが好ましい。希ガスとしてはArガスを、酸素含有ガスとしてはOガスを、それぞれ使用することが好ましい。このとき、全処理ガスに対するOガスの体積流量比率(Oガス流量/全処理ガス流量の百分率)は、プラズマ中の活性種としてO イオンやO()ラジカルを優勢にする観点から、0.1%以上30%以下の範囲内とすることが好ましく、0.1%以上5%以下の範囲内とすることがより好ましい。例えばArガスの流量は500mL/min(sccm)以上5000mL/min(sccm)以下の範囲内、Oガスの流量は0.5mL/min(sccm)以上1000mL/min(sccm)以下の範囲内から、上記流量比になるように設定することができる。
また、処理圧力は、プラズマ中の活性種としてO イオンおよびO()ラジカルを優勢にする観点から、6.7Pa以上267Pa以下の範囲内が好ましく、6.7Pa以上67Pa以下の範囲内がより好ましい。
また、マイクロ波のパワー密度は、プラズマ中で活性種のO イオンやO()ラジカルを効率よく生成させる観点から、0.51W/cm以上2.56W/cm以下の範囲内とすることが好ましい。なお、マイクロ波のパワー密度は、透過板28の面積1cmあたりに供給されるマイクロ波パワーを意味する(以下、同様である)。例えば200mm径以上のウエハWを処理する場合には、マイクロ波パワーを1000W以上5000W以下の範囲内とすることが好ましい。
また、ウエハWの加熱温度は、載置台2の温度として、例えば200℃以上600℃以下の範囲内とすることが好ましく、400℃以上600℃以下の範囲内に設定することがより好ましい。
CVD法によって形成された酸化珪素膜202に対して、プラズマ処理装置100を用い、上記条件でプラズマ改質処理を行うことにより、酸化珪素膜202の表面から2nm以上10nm以下の範囲内の深さまで実用上良好な膜質に改善することができる。したがって、1回のCVD工程で形成する酸化珪素膜202の膜厚Tは、前記のとおり2nm以上10nm以下の範囲内とすることが好ましく、この場合のプラズマ改質処理時間は、5秒以上600秒以下の範囲内とすることが好ましい。上記膜厚の酸化珪素膜202に対して、上記条件で5秒未満の時間でプラズマ改質処理を行っても、改質が不十分になる場合があり、一方、600秒を超えてプラズマ改質処理を行っても改質効果の向上は期待できず、効率的でない。
以上の条件は、制御部50の記憶部53にレシピとして保存されている。そして、プロセスコントローラ51がそのレシピを読み出してプラズマ処理装置100の各構成部例えばガス供給機構18、排気装置24、マイクロ波発生装置39、ヒータ電源5aなどへ制御信号を送出することにより、所望の条件でプラズマ改質処理が行われる。
ステップS4のプラズマ改質処理が終了した後、本実施の形態では、上記ステップS2およびステップS4の処理を、必要に応じて複数回繰り返し実施する。すなわち、ステップS4の処理が終了した後、ウエハWをCVD成膜装置(プロセスモジュール101aまたは101c)に移送する(ステップS1参照)。そして、図7(d)に示したように、改質された酸化珪素膜202aの上に、CVD法によって再び絶縁膜を堆積(ステップS2参照)する。これにより、図7(e)に示したように、改質済みの酸化珪素膜202aの上に、膜厚Tで酸化珪素膜203が積層される。
次いで、ウエハWをプラズマ処理装置100(プロセスモジュール101bまたは101d)に移送し(ステップS3参照)、図7(f)に示したように、最上層の酸化珪素膜203にプラズマ改質処理を施す(ステップS4参照)。ステップS2およびステップS4の処理は、図7(g)に示したように、積層絶縁膜210(改質済みの酸化珪素膜202a,203a,204a,205a,206a…)の合計膜厚T(=膜厚T×成膜回数)が所定の厚みになるまで繰り返し実施される。このときの合計膜厚Tは、4nm以上1000nm以下とすることが好ましく、4nm以上100nm以下とすることがより好ましい。
以上のように、ステップS2およびステップS4の処理を繰り返して所定の厚みの積層絶縁膜210を形成した後、ステップS5で真空搬送室103内の搬送装置109により処理済のウエハWをプラズマ処理装置100(プロセスモジュール101bまたは101d)から搬出し、前記手順でロードポートLPのウエハカセットCRに収納する。
本実施の形態の絶縁膜の形成方法では、ステップS2およびステップS4の処理の繰り返しにより、緻密で欠陥のない良質な絶縁膜(酸化珪素膜202,203…)を所望の膜厚Tで形成することができる。なお、仮に1回のCVD法によって、10nm〜1000nmの厚い膜厚で酸化珪素膜を形成できたとしても、その全体をプラズマ改質処理によって緻密で良質な膜質に改質することは困難である。後述するように、プラズマ改質処理において重要な活性種であるO イオンやO()ラジカルは、改質処理の対象である酸化珪素膜を透過する能力が低いため、プラズマによる改質が可能な酸化珪素膜の膜厚(表面からの深さ)には限界があるためである。本実施の形態の絶縁膜の形成方法では、絶縁膜としてのCVD法による酸化珪素膜の堆積と、プラズマ改質処理を繰り返し実施することによって、改質限界膜厚に制約されることなく、任意の膜厚Tで、従来のCVD膜に比べて緻密で良質な膜質の絶縁膜を、従来のCVD膜と同等の膜厚で形成できる。
また、基板処理システム200では、CVD法による酸化珪素膜の成膜処理と、その改質処理を真空下で連続的に繰り返し実施できるので、実用上必要なスループット(例えば時間あたり30枚〜60枚処理)を得ながら、従来のCVD法と同等の厚い膜厚で、従来のCVD膜に比べて良質な絶縁膜を形成することができる。
[作用]
次に、基板処理システム200において実施される酸化珪素膜の形成方法の作用機構について、図8を参照しながら説明する。プラズマ処理装置100を用いて酸素を含む処理ガスのプラズマを生成する場合、処理圧力によってプラズマ中の酸化活性種が変化する。具体的には、プラズマ中のO イオンやO()ラジカルは、低い圧力条件(267Pa以下、好ましくは6.7Pa以上267Pa以下、より好ましくは6.7Pa以上67Pa以下)で増加する。
図8は、プラズマ改質処理によって酸化珪素膜内で生じる化学的な変化を模式的に示したものである。O イオンやO()ラジカルは、改質処理の対象である酸化珪素膜を透過する能力が低い。このため、これらの活性種がプラズマ中で支配的となるプラズマ生成条件でプラズマ改質処理を行うと、図8に示したように、O イオンやO()ラジカルが酸化珪素膜203中に入り込んでSiとの結合を形成する。この際、酸化珪素膜203中に不安定な形で含まれていたCVD法における成膜原料由来のCl、H、OHなどの不純物は、O イオンやO()ラジカルと置換されて膜外へ排出される。このような機構によって、267Pa以下の低い圧力条件でプラズマ改質処理を行うことにより、従来のCVD法で形成された膜厚と同等の厚い膜厚で従来のCVD膜に比べて酸化珪素膜の膜質が緻密になり、不純物やダングリングボンドなどの欠陥が少ない良質な膜に改質される。
一方、高い圧力条件(例えば333Pa以上)ではプラズマ中の活性種としてO イオンやO()ラジカルは減少し、替わりにO()ラジカルが主体となる。このO()ラジカルは、酸化珪素膜を透過する性質を有しているため、O()ラジカルが支配的となるプラズマ生成条件では、O イオンやO()ラジカルのような優れた改質効果は得られない。
本実施の形態の絶縁膜の形成方法では、上記のような処理圧力によるプラズマ中の活性種の変化に着目し、O イオンやO()ラジカルが支配的となる低い圧力条件(267Pa以下)を選択して酸化珪素膜に対してプラズマ改質処理を行うことによって、酸化珪素膜に対して高い改質効果を得ることができた。そして、プラズマ中でO イオンやO()ラジカルが支配的となる低い圧力条件(267Pa以下)での改質処理において課題となる改質限界膜厚の問題を、CVD成膜とプラズマ改質処理を繰返すことによって解決している。しかも、基板処理システム200では、CVD法による酸化珪素膜の成膜処理と、酸化珪素膜の改質処理の繰り返しを真空下で連続実施できるため、実用上必要なスループットが得られる。
このようにして形成された絶縁膜(酸化珪素膜202,203…)は、低温でのプラズマ改質処理によって不純物やダングリングボンドが少ない緻密で良質な絶縁膜に改質されているため、各種半導体装置の絶縁膜として有利に使用できる。特に、本実施の形態の絶縁膜の形成方法では、所望の厚みで良質な絶縁膜を形成できることから、例えば4nm以上1000nm以下の範囲内、好ましくは4nm以上100nm以下の範囲内の比較的厚い膜厚で使用される薄膜トランジスタ(TFT)素子のゲート絶縁膜、CCD(Charge Coupled Device)素子のゲート絶縁膜、ハイパワートランジスタのゲート絶縁膜等としての用途に最適である。
図9は、本実施の形態にかかる絶縁膜の形成方法を適用可能なTFT素子400の概略構成を示す断面図である。ガラス基板401上には、部分的に例えばMo、Alなどの金属材料からなるゲート電極402が形成されている。ゲート電極402およびガラス基板401の表面を覆うように二酸化珪素(SiO)からなるゲート絶縁膜403が形成されている。このゲート絶縁膜403は、下から順に第1の酸化珪素膜403a、第2の酸化珪素膜403bおよび第3の酸化珪素膜403cが積層されて一体に形成されている。ゲート絶縁膜403上にはトランジスタを形成するためのSi系膜としてa−Si(アモルファスシリコン)膜404が形成されており、かつゲート電極402の上部にはチャネル部405が形成されている。a−Si膜404の上には、高融点金属材料例えばモリブデン、タングステンなどを含むソース電極406およびドレイン電極407が形成されている。ソース電極406およびドレイン電極407の上には、窒化ケイ素(Si)からなるパッシベーション膜408が形成され、TFT素子400の表面保護がなされている。
図9に示したような構成のTFT素子400に本実施形態の絶縁膜の形成方法を適用する場合には、ガラス基板401上にゲート電極402となる金属材料を成膜し、パターン形成する。次に、ゲート電極402およびガラス基板401の表面を覆うように、CVD法によりゲート絶縁膜403を形成する。このゲート絶縁膜403の形成にあたっては、前記のとおりCVD工程とプラズマ改質処理工程とを所定回数繰返す。すなわち、まず第1の酸化珪素膜403aをCVD法により成膜し、引き続きこの第1の酸化珪素膜403aを、プラズマ処理装置100を用いてプラズマ改質処理する。次に、第1の酸化珪素膜403a上に第2の酸化珪素膜403bをCVD法により成膜し、次に、プラズマ処理装置100を用いてこの第2の酸化珪素膜403bをプラズマ改質処理する。さらに、第2の酸化珪素膜403b上に第3の酸化珪素膜403cをCVD法により成膜し、次に、プラズマ処理装置100を用いてこの第3の酸化珪素膜403cをプラズマ改質処理する。このようにして、低温処理で、不純物やダングリングボンドなどの欠陥が少ない緻密なゲート絶縁膜403を形成することができる。なお、ゲート絶縁膜403を構成する酸化珪素膜は3層に限らず、ゲート絶縁膜403の膜厚に応じて2層あるいは4層以上でもよい。以上の処理は、図6のステップS1〜ステップS5の手順に従って実施することができる。
その後、常法に従い、成膜とエッチングを繰り返し、a−Si膜404の成膜とパターン形成、ソース電極406およびドレイン電極407の成膜とパターン形成、パッシベーション膜408の成膜ならびにITO電極(図示省略)の形成を行うことにより、TFT素子400を形成することができる。
図9に例示したTFT素子400では、CVD処理とプラズマ改質処理とを繰り返すことにより、ゲート絶縁膜403を所望の厚みで形成することが可能となる。しかも、プラズマ改質処理によって、低温処理で、ゲート絶縁膜403全体の膜質を、不純物や、ダングリングボンドなどの欠陥が少ない緻密で良質な膜質にすることが可能となるので、TFT素子400の電気的性能を改善することができる。
次に、本発明の基礎となった実験データについて説明する。熱CVD法により成膜された酸化珪素膜に対して、図2に示したプラズマ処理装置100を用い、以下の条件1〜条件4でプラズマ改質処理を行った。改質後の酸化珪素膜について、膜厚の増加量、屈折率の増加量、0.125%の希フッ酸処理(30秒間)によるウエットエッチングレートを調べた。また、改質後の酸化珪素膜をゲート絶縁膜として用いてMOSキャパシタを製造し、その電気的な特性としてリーク電流密度(Jg;−10MV/cm)、絶縁膜経時破壊(TDDB;63%)、電子トラップの変化量(Δvge;11秒)について調べた。なお、比較のため、改質を行わない場合、アニールによって改質を行った場合、および熱酸化膜についても上記と同様の測定を行った。その結果を表1に示した。
[改質条件1]
Arガス流量;1000mL/min(sccm)
ガス流量;300mL/min(sccm)
流量比(O/Ar+O);0.23
処理圧力;6.7Pa
載置台2の温度;500℃
マイクロ波パワー;4000W
マイクロ波パワー密度;2.05W/cm(透過板の面積1cmあたり)
[改質条件2]
Arガス流量;1980mL/min(sccm)
ガス流量;20mL/min(sccm)
流量比(O/Ar+O);0.01
処理圧力;200Pa
載置台2の温度;500℃
マイクロ波パワー;4000W
マイクロ波パワー密度;2.05W/cm(透過板の面積1cmあたり)
[改質条件3]
Arガス流量;1200mL/min(sccm)
ガス流量;400mL/min(sccm)
流量比(O/Ar+O);0.25
処理圧力;667Pa
載置台2の温度;500℃
マイクロ波パワー;4000W
マイクロ波パワー密度;2.05W/cm(透過板の面積1cmあたり)
[改質条件4]
Arガス流量;1200mL/min(sccm)
ガス流量;370mL/min(sccm)
ガス流量;30mL/min(sccm)
流量比(O/Ar+O+H);0.23
流量比(H/Ar+O+H);0.019
処理圧力;667Pa
載置台2の温度;500℃
マイクロ波パワー;4000W
マイクロ波パワー密度;2.05W/cm(透過板の面積1cmあたり)
[アニール改質処理条件]
雰囲気;N/O=10/0.1L/min
温度;900℃
圧力;133Pa
[熱酸化膜形成条件]
雰囲気;H/O=450/900mL/min(sccm)
温度;950℃
圧力;15000Pa
[熱CVD成膜条件]
SiHClガス流量;75mL/min(sccm)
Oガス流量;150mL/min(sccm)
処理圧力;48Pa
処理温度;780℃
Figure 2009188349
表1に示した物理分析の結果から、200Pa以下の低い圧力の条件1および条件2でプラズマ改質処理を行った場合には、屈折率が増加し、ウエットエッチングレートが減少している。これらのデータは、プラズマ改質処理によって酸化珪素膜の膜質が改善され、膜密度が上昇したことを示している。また、条件1、条件2のウエットエッチングレートをアニールによる改質処理と比較すると、条件1と条件2の方が熱アニール改質に比べてエッチングレートが少なく、改質効果がより高いことが示された。
また、条件4でプラズマ改質処理を行った場合には、屈折率の変化は見られず、ウエットエッチングレートもアニールによる改質処理とほぼ同等であった。つまり、膜質の改善効果については、条件4のプラズマ改質処理は、アニールによる改質処理と同様の結果であった。しかし、条件4でプラズマ改質処理を行った場合には、酸化珪素膜の膜厚の増加が顕著に見られた。これは、CVD法により成膜された酸化珪素膜と下地のシリコンとの界面がプラズマ中のO()ラジカルによって酸化され、増膜したものと考えられた。
以上の結果から、処理圧力が267Pa以下例えば6.7Pa以上267Pa以下のプラズマ改質処理では、CVD法により成膜された酸化珪素膜の膜質の改善効果がアニールによる改質処理よりも高いことが示された。一方、処理圧力が667Paの高い圧力条件でのプラズマ改質処理の場合には、CVD法により成膜された酸化珪素膜の膜質の改善効果はアニールによる改質処理と同等であるが、増膜作用があることが判明した。
Figure 2009188349
表2に示した電気的特性評価の結果では、処理圧力が200Pa以下と低い条件1および条件2でプラズマ改質処理を行った場合には、リーク電流密度(Jg)が処理圧力が667Paと高い条件3や、アニールによる改質処理に比べて大きく改善した。
図10に、条件1〜条件3のプラズマ改質処理の処理圧力とリーク電流との関係を示した。ここでは、アニール改質処理と熱酸化膜のリーク電流についても併せて掲載した。この図10から、処理圧力が267Pa以下例えば6.7Pa以上267Paであれば、リーク電流を2.1×10−4[A/cm]以下に抑えることが可能であることが読み取れる。従って、リーク電流特性の改善を目的とする場合には、プラズマ改質処理の処理圧力を267Pa以下にすることが好ましい。
絶縁膜経時破壊(TDDB)は、条件1〜条件3でプラズマ改質処理を行った場合の方が、アニールによる改質処理に比べて大幅に改善されていた。特に、条件2によるプラズマ改質処理の場合には、熱酸化膜を超える非常に優れた信頼性を示した。
図11に、条件1〜条件3のプラズマ改質処理の処理圧力とTDDBとの関係を示した。ここでは、アニール改質処理と熱酸化膜のリーク電流についても併せて掲載した。この図11から、処理圧力が533Pa以下であれば、TDDBを33[C/cm]以上にできることがわかる。従って、TDDB特性の改善を目的とする場合には、プラズマ改質処理の処理圧力を533Pa以下例えば6.7Pa以上533Pa以下にすることが好ましく、400Pa以下例えば6.7Pa以上400Pa以下がより好ましく、267Pa以下例えば6.7Pa以上267Pa以下が望ましい。
また、図12に、条件1〜条件3におけるO/(Ar+O)比とTDDBとの関係を示した。プラズマ改質処理では、図12に示したように、O/(Ar+O)比を0.23以下とすることにより、TDDB特性を効果的に改善でき、特にO/(Ar+O)比を0.1以下とすることで、熱酸化膜を超える高いTDDB特性が得られることが判明した。
電子トラップの変化量(Δvge)については、条件1および条件2でプラズマ改質処理を行った場合には、アニールによる改質処理に比べてほぼ半減しており、大きく改善した。条件3でプラズマ改質処理を行った場合にも、アニールによる改質処理に比べて若干電子トラップの変化量が減少しており改善された。また、プラズマ改質処理では、表2に示したように、O/(Ar+O)比を0.23以下とすることにより、Δvge特性を効果的に改善できることが判明した。
以上の結果から、267Pa以下の低い処理圧力で、かつ、O/Ar+O比が0.23以下の条件でプラズマ改質処理を行うことにより、酸化珪素膜を熱酸化膜と同等のレベルまで、欠陥が少なく、緻密で良質な膜質に改善できることが示された。また、このようにして改質された酸化珪素膜を用いることにより、デバイスの電気的特性を改善できることも確認された。
次に、プラズマ改質処理によって、CVD法により成膜された酸化珪素膜中に残留する塩素(原料のSiHCl由来)の量がどのように変化するか検討を行った。酸化珪素膜中の残留塩素量は、TXRF(全反射蛍光X線;Total reflection X−ray Fluorescence)分析によって測定した。その結果を表3に示した。
Figure 2009188349
表3から、プラズマ改質処理を実施した場合には、改質処理を行なわない場合に比べて残留塩素量が少なく、酸化珪素膜中の不純物を除去できることが示された。なお、プラズマ改質処理の後に、熱アニール処理を行うことも可能である。プラズマ改質処理に熱アニール処理を組み合わせることにより、残留塩素量を9.60×1011[atoms/cm]まで低下させることができた。
以上のように、本実施の形態の絶縁膜の形成方法では、酸化珪素膜の堆積と改質を繰り返すので、従来のCVD法で形成される膜厚と同等の膜厚で、不純物やダングリングボンド等の欠陥が少なく、緻密かつ良質な絶縁膜を必要とするアプリケーション(例えばTFT素子のゲート絶縁膜、CCD素子のゲート絶縁膜、ハイパワートランジスタのゲート絶縁膜の形成)に好ましく利用できる。
以上、本発明の実施の形態を述べたが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、プラズマ改質処理の対象となる絶縁膜として熱CVD法により形成された酸化珪素膜(SiO膜)を挙げたが、熱CVD法による酸化珪素膜に限らず、他のCVD法例えばプラズマCVD法により形成された酸化珪素膜を対象とすることが可能である。この場合、膜質があまり良好でない(例えば膜質が疎な)酸化珪素膜ほど高い改質効果が得られる。
また、プラズマ改質処理の対象となる絶縁膜としては、酸化珪素膜に限らず、例えばジルコニウム、タンタル、チタン、バリウム、ストロンチウム、アルミニウム、ハフニウム等の金属の酸化物を含む高誘電率金属酸化膜(Hi−k膜)に対してもプラズマ改質処理を適用可能である。
基板処理システムの概略構成を示す平面図である。 本発明の絶縁膜の形成方法の実施に適したプラズマ処理装置の一例を示す概略断面図である。 平面アンテナの構造を示す図面である。 制御部の構成を示す説明図である。 本発明の絶縁膜の形成方法の実施に適した枚葉CVD成膜処理装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法の手順の概略を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法の主要な工程を説明する説明図である。 プラズマ改質処理における改質機構を模式的に説明する説明図である。 本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法を適用可能なTFT素子の概略構成を示す断面図である。 プラズマ改質処理の圧力と、MOSキャパシタのリーク電流特性との関係を示すグラフ図面である。 プラズマ改質処理の圧力と、MOSキャパシタのTDDB特性との関係を示すグラフ図面である。 プラズマ改質処理におけるO/(Ar+O)比とTDDBとの関係を示すグラフ図面である。
符号の説明
1…チャンバ(処理室)、2…載置台、3…支持部材、5…ヒータ、12…排気管、15…ガス導入部、16…搬入出口、18…ガス供給機構、19a…不活性ガス供給源、19b…酸素含有ガス供給源、19c…水素ガス供給源、24…排気装置、28…透過板、29…シール部材、31…平面アンテナ、32…マイクロ波放射孔、37…導波管、37a…同軸導波管、37b…矩形導波管、39…マイクロ波発生装置、50…制御部、51…プロセスコントローラ、52…ユーザーインターフェース、53…記憶部、100…プラズマ処理装置、200…基板処理システム、300…枚葉CVD成膜装置、W…半導体ウエハ(基板)

Claims (11)

  1. 被処理体の表面に露出したシリコンの上にCVD法によって、2nm以上10nm以下の範囲内の膜厚で絶縁膜を形成するCVD工程と、
    前記絶縁膜に対し、複数の孔を有する平面アンテナにより処理室内にマイクロ波を導入するプラズマ処理装置において、酸素を含む処理ガスのプラズマを用いて改質処理を行うプラズマ改質処理工程と、
    を備え、前記CVD工程と前記プラズマ改質処理工程とを繰り返し行い絶縁膜を形成することを特徴とする絶縁膜の形成方法。
  2. 前記プラズマ改質処理工程は、処理圧力が6.7Pa以上267Pa以下の範囲内であり、かつ前記処理ガスの全流量に対する酸素の流量比率が0.1%以上30%以下の範囲内で行われることを特徴とする請求項1に記載の絶縁膜の形成方法。
  3. 前記プラズマ改質処理工程における前記処理圧力が、6.7Pa以上67Pa以下の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の絶縁膜の形成方法。
  4. 1回のプラズマ改質処理工程における処理時間が、5秒以上600秒以下の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の絶縁膜の形成方法。
  5. 前記絶縁膜の合計膜厚が4nm以上1000nm以下の範囲内になるまで前記CVD工程と前記プラズマ改質処理工程とを繰り返すことを特徴とする請求項4に記載の絶縁膜の形成方法。
  6. 前記CVD工程と前記プラズマ改質処理工程とを真空状態で繰り返すことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の絶縁膜の形成法方法。
  7. 前記プラズマ改質処理工程における処理温度が、200℃以上600℃以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の絶縁膜の形成方法。
  8. 前記絶縁膜を、プラズマCVD法または熱CVD法によって形成することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の絶縁膜の形成方法。
  9. 前記絶縁膜が、原料ガスとしてジクロルシランとNOを用いるCVD法によって堆積させられた酸化珪素膜であることを特徴とする請求項8に記載の絶縁膜の形成方法。
  10. コンピュータ上で動作する制御プログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
    前記制御プログラムは、実行時に、被処理体に対して所定の処理を行うための複数の処理チャンバを有する処理システムにおいて、被処理体の表面に露出したシリコンの上にCVD法によって2nm以上10nm以下の範囲内の膜厚で絶縁膜を形成するCVD工程と、前記絶縁膜に対し、複数の孔を有する平面アンテナにより処理室内にマイクロ波を導入するプラズマ処理装置において、酸素を含む処理ガスのプラズマを用いて改質処理を行うプラズマ改質処理工程と、を繰り返し行う絶縁膜の形成方法が行なわれるように、コンピュータに前記処理システムを制御させるものであることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  11. 被処理体に対して異なる処理を行う複数の処理チャンバを有する処理システムであって、
    第1の処理チャンバ内で被処理体の表面に露出したシリコンの上にCVD法によって2nm以上10nm以下の範囲内の膜厚で絶縁膜を形成するCVD工程と、前記第1の処理チャンバとは異なる第2の処理チャンバにおいて前記絶縁膜に対し、複数の孔を有する平面アンテナにより前記第2の処理チャンバ内にマイクロ波を導入することにより酸素を含む処理ガスのプラズマを形成し、該プラズマを用いてプラズマ改質処理を行うプラズマ改質処理工程と、を繰り返し行うように前記第1の処理チャンバおよび前記第2の処理チャンバを制御する制御部を備えたことを特徴とする処理システム。
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