JP2009186965A - 付着力分布判断方法、粉体除去特性判断方法、像担持体、ブレード、クリーニング装置及び画像形成装置 - Google Patents

付着力分布判断方法、粉体除去特性判断方法、像担持体、ブレード、クリーニング装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】所定の部材上における粉体と上記所定の部材との間で生じる付着力の分布を判断する付着力分布判断方法、粉体除去特性判断方法、画像形成装置に設けられる像担持体、被清掃体から粉体を除去するブレード、クリーニング装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー回収ローラや感光体などの所定の部材と粉体1個体であるトナー1個体との間で生じる付着力を上記所定の部材の複数箇所にて測定し、その測定した付着力の度数分布の分布状態から上記所定の部材上における上記付着力の分布を判断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定の部材上における粉体と上記所定の部材との間で生じる付着力の分布を判断する付着力分布判断方法、粉体除去特性判断方法、画像形成装置に設けられる像担持体、被清掃体から粉体を除去するブレード、クリーニング装置及び画像形成装置に関するものである。
従来より、感光体上のトナーをクリーニング装置に設けられたクリーニングブレードやクリーニングブラシによってクリーニングする画像形成装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の画像形成装置では、感光体表面に接触摺擦するようにクリーニングブラシを配し、クリーニングブラシによって感光体上のトナーを掻き取るブラシクリーニング方式を採用している。
また、クリーニングブレードやクリーニングブラシなどのクリーニング部材によって感光体表面からトナーを良好に除去できるように、クリーニング部材と感光体表面との間の摩擦係数を小さくしたものが提案されている(特許文献2など)。
ところが、本願発明者らが実際に摩擦係数に対する回収ローラのクリーニング性の検証を行ってみると回収ローラ表面の摩擦係数が小さいにも関わらず、回収ローラ表面からトナーを良好に除去することができないという結果がしばしば生じた。このことから、摩擦係数によって回収ローラ表面からのトナーの除去性能を評価する方法は今ひとつ信頼性に乏しかった。
一方、従来より粉体と部材との付着力を測定する方法が提案されており、例えば特許文献3に記載の方法では、組成、粒径及び形状がトナーと近いPMMA(ポリメチルメタクリレート)球1つと部材との付着力を原子間力顕微鏡を用いて測定している。
特開2005−031396号公報 特開2007−171470号公報 特開2003−330264号公報
特許文献3に記載の方法などにより測定された1つの粉体と部材との付着力は1つの粉体と部材との接触状態を表す特性値である。よって、1つの粉体と部材との付着力を測定し、その測定した付着力を基にして部材から粉体を良好に除去可能か否かの判断を行うことが可能となる。しかしながら、このようにして測定した付着力を基にして部材から粉体を良好に除去可能か否かを判断するときには、次のような問題が生じる場合がある。
図30及び図31は異なる2つの部材に対して、部材表面と1つの粉体との間に生じる付着力を部材表面上の複数箇所で測定し、その測定した付着力の度数分布をグラフで表したものである。各図の横軸は個々の粉体と部材との付着力であり、縦軸は特定の付着力ごとの粉体の度数である。
図30の部材Aと部材Bとはともに、上記複数箇所で測定した付着力の平均値の近傍に度数が集中し、上記グラフが山形状になっている。すなわち大半のトナーの付着力は平均値に近く、平均値で付着力を代用した場合の相関が高いということが言える。ここで、部材A及び部材Bそれぞれの平均値(部材Aは一点鎖線で示される値x、部材Bは一点鎖線で示される値y)は異なっており値yの方が値xより大きく、平均的な付着力は部材Bの方が部材Aよりも強いことがわかる。この場合、部材Bからのトナーの除去性は部材Bの方が部材Aよりも悪くトナーが除去しにくいことは容易に予想がつく。例えば、図30に示した付着力zを境にそれ以下が部材からのトナー除去が可能、それより大きい値が部材からのトナー除去が不可能とすると、部材A上の全てのトナーは除去可能であり、部材B上の全てのトナーは除去不可能であると言える。
一方、図31は、上記部材Bの代わりに部材Cを用いて部材Aとの付着力を比較した図である。図31に示すように、部材Cにおける付着力の度数分布を示すグラフが部材Aよりもなだらかな山形状になっており、度数の平均値は部材Aと同じxを取る。部材Cの付着力の平均値は部材Aと同じ程度であるが、部材表面の箇所によっては部材Aよりも付着力が強かったり弱かったりするところがある。例えば、部材Cにおけるトナーの付着力の平均値が上記境界値z以下であったとしても、境界値zを越える付着力で部材Cにトナーが強く付着する箇所がある。そのため、大半のトナーは部材Cから除去することができたとしても、部材Cから除去できないトナーが部材C上に一部存在することになる。
よって、部材Cのような付着の傾向を示す部材に対し付着力の平均値でトナーの付着特性を評価しトナー除去性が良好な部材であると判別したとしても、実際には除去できないトナーが存在するため、部材からトナーを良好に除去できないことになる。
そのため、予め付着力の強さが部材上のトナーが付着する何れの箇所においても同じようになるのか否かを、言い換えれば、部材上における上記付着力の分布を判断しておくことが重要となる。
また、このようなことは回収ローラに限るものではなく感光体などのトナーなどの粉体が付着し得る画像形成装置内の各部材においても同様である。つまり、粉体が付着した部材から他の部材に粉体を移動させる箇所では上述したような同様の問題が生じ得る。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、目的とするところは、所定の部材上における粉体と上記所定の部材との間で生じる付着力の分布を判断する付着力分布判断方法、粉体除去特性判断方法、画像形成装置に設けられる像担持体、被清掃体から粉体を除去するブレード、クリーニング装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、所定の部材と粉体1個体との間で生じる付着力を該所定の部材の複数箇所にて測定し、その測定した付着力の度数分布の分布状態から該所定の部材上における該付着力の分布を判断することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の付着力分布判断方法において、上記分布状態は、上記測定した付着力の分散または標準偏差で表されるものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の付着力分布判断方法において、上記分布状態は、所定の付着力における上記測定した付着力の累積度数または累積相対度数で表されるものであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2の付着力分布判断方法において、上記所定の部材上における該付着力の分布の判断に上記測定した付着力の平均値も用いることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の付着力分布判断方法において、上記所定の部材は画像形成装置に用いられる像担持体であり、上記平均値をX及び上記標準偏差または上記分散の平方根をYとしたとき、X/2Y>1.3を満たすことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4の付着力分布判断方法において、上記所定の部材は被清掃部材から粉体を除去するブレードであり、上記平均値をX、上記標準偏差または上記分散の平方根をY、及び、上記粉体とシリコン基板との付着力をZとしたとき、X<5Z[nN]、Y<5Z[nN]を満たすことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の付着力分布判断方法において、上記シリコン基板の表面粗さが1[nm]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項3の付着力分布判断方法において、上記所定の付着力は、上記測定した付着力の平均値の1.5倍の付着力であり、上記累積相対度数または該測定した付着力の全度数に対する上記累積度数の割合が95[%]以上であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の付着力分布判断方法において、上記付着力は、原子間力顕微鏡において深針先に取り付けた上記粉体1個体と上記所定の部材との付着力を測定したものであることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の付着力分布判断方法において、上記所定の部材は、少なくとも像担持体、帯電手段、現像手段及び転写手段を備える画像形成装置に用いられるものであることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の付着力分布判断方法において、上記粉体はトナーであることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の付着力分布判断方法において、上記トナーの粒径が、1[μm]以上20[μm]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、画像形成装置に設けられる、像を担持する像担持体において、像担持体表面上と粉体1個体との間で生じる付着力を該像担持体表面上の複数箇所にて測定し、その測定した付着力の平均値をX、及び、該測定した付着力の標準偏差または分散の平方根をYとしたとき、X/2Y>1.3を満たすことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、画像形成装置に設けられる、像を担持する像担持体において、像担持体表面上と粉体1個体との間で生じる付着力を該像担持体表面上の複数箇所にて測定し、その測定した付着力の平均値の1.5倍の付着力における該測定した付着力の累積相対度数または該測定した付着力の全度数に対する累積度数の割合が95[%]以上であることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、像を担持する像担持体と、該像を形成する像形成手段とを備えた画像形成装置において、該像担持体として請求項13または14の像担持体を用いることを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、被清掃部材から粉体を除去する機能を有するブレードにおいて、係るブレードは、ブレード表面上と粉体1個体との間で生じる付着力を該ブレード表面上の複数箇所にて測定して得られた粉体除去特性値である付着力の平均値、付着力の標準偏差又は分散の平方根、及び、該粉体とシリコン基板との付着力で特定され、該平均値をX、該平方根をY、及び、該粉体とシリコン基板との付着力をZとしたとき、X<5Z[nN]、Y<5Z[nN]を満たすことを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項16のブレードにおいて、上記シリコン基板の表面粗さが1[nm]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、被清掃部材をクリーニングするクリーニング装置において、請求項16または17のブレードを有することを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、被清掃部材と、該被清掃部材をクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、該クリーニング手段として請求項18のクリーニング装置を有することを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、所定の部材の単一材質からなる表面に付着した粉体を粉体除去手段によって除去した際の該表面の粉体除去特性を、該表面の粗さ分布から判断することを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、請求項20の粉体除去特性判断方法において、上記表面の平均面粗さを100[nm]以下の測定範囲で測定することを特徴とするものである。
また、請求項22の発明は、画像形成装置に設けられる、像を担持する像担持体において、像担持体表面上における1[μm]角の領域5箇所以上それぞれで平均面粗さを測定し、その測定結果がいずれも30[nm]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項23の発明は、請求項22の像担持体において、上記像担持体表面上における1[μm]角の領域5箇所以上それぞれで平均面粗さを測定し、その測定結果がいずれも1[nm]以上であることを特徴とするものである。
また、請求項24の発明は、像を担持する像担持体と、該像を形成する像形成手段とを備えた画像形成装置において、該像担持体として請求項22または23の像担持体を用いることを特徴とするものである。
請求項1の発明においては、所定の部材上の複数箇所で粉体1個体が所定の部材に接触する箇所における付着力の測定を行い、その複数箇所で測定した付着力の度数分布の分布状態から上記所定の部材上における上記付着力の分布を判断する。例えば、上記度数分布のばらつき度合いが小さければ、上記所定の部材上における上記付着力は所定の部材上の何れの箇所においても同じような強さで分布していると判断する。逆に、上記度数分布のばらつき度合いが大きければ、所定の部材上における上記付着力は所定の部材上の箇所ごとに強さが大きく異なって分布していると判断する。
このように所定の部材上における上記付着力の分布を判断することができることで、例えば次のような予測が可能となる。上記付着力が所定の部材上の何れの箇所においても同じような強さで分布していると判断することで、上記付着力が所定の部材上から粉体を除去可能な強さで分布していれば、所定の部材上の何れの箇所からも粉体が除去可能であると予測することが可能となる。また、上記付着力が所定の部材上の箇所ごとに強さが大きく異なって分布していると判断することで、所定の部材上に上記付着力が強すぎて所定の部材上から粉体を除去することができない箇所が存在する恐れがあると予測することが可能となる。
請求項20の発明においては、後述する実験で明らかのように、所定の部材の単一材質からなる表面の粗さ分布のばらつきが小さければ粉体除去手段によって所定の部材上の何れの箇所からも粉体を良好に除去することができる。また、所定の部材の単一材質からなる表面の粗さ分布のばらつきが大きければ粉体除去手段によって粉体を除去できない箇所が所定の部材上に存在し、所定の部材上から粉体を良好に除去することができない。よって、所定の部材の単一材質からなる表面の粗さ分布から粉体除去手段による粉体除去特性を判断することができる。
ここで、本願発明者らは、後述する実験から所定の部材上の複数箇所で粉体1個体が所定の部材に接触する箇所における付着力の測定を行い、その複数箇所で測定した付着力の度数分布と、所定の部材上の粗さ分布とに相関があるのを見出した。すなわち、上記粗さ分布のばらつき度合いが小さければ上記付着力の度数分布のばらつき度合いも小さく、上記粗さ分布のばらつき度合いが大きければ上記付着力の度数分布のばらつき度合いも大きくなる。これにより、上記粗さ分布のばらつき度合いが小さければ上記付着力が所定の部材上の何れの箇所においても同じような強さで分布しており、粉体除去手段によって所定の部材上の何れの箇所からも粉体が除去できる考えられる。上記粗さ分布のばらつき度合いが大きければ上記付着力が所定の部材上の箇所ごとに強さが大きくことなって分布しており、粉体除去手段によって所定の部材上から粉体を除去することができない箇所があるため良好に粉体を除去できないと考えられる。
また、例えば、所定の部材と粉体との付着力を原子間力顕微鏡を用いて測定する際には粉体1個体を先端に取り付けたカンチレバーを用いる必要がある。そのため、カンチレバーの先端に粉体1個体を取り付ける作業を行う手間や作業時間がかかる。これに対し、原子間力顕微鏡を用いて感光体表面の粗さを測定する際には粉体1個体を先端に取り付けたカンチレバーを用いなくても所定の部材の粗さを測定することができるので、上述した手間や作業時間がかからない。
よって、所定の部材の粗さ分布から粉体除去手段による所定の部材上の粉体除去特性を判断するほうが、上記付着力から上記粉体除去特性を判断するよりも、手間や作業時間をかけることなく簡便に上記粉体除去特性を判断することができる。
以上、請求項1乃至請求項19の発明によれば、所定の部材上における粉体と上記所定の部材との間で生じる付着力の分布を判断できるという優れた効果がある。
請求項20乃至請求項24の発明によれば、所定の部材の単一材質からなる表面から粉体を粉体除去手段によって良好に除去できるか否かを簡便に判断できるという優れた効果がある。
[実施形態1]
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の第1の実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図2は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図のプリンタは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の4つの作像プロセス部1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。Yトナー像を生成するためのY用の作像プロセス部1Yを例にすると、これは図3に示すような構成になっている。そして、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動せしめられる感光体2Yの周囲に、クリーニング装置50Y、除電手段3Y、帯電ローラ4Y、光書込装置5Y、現像装置6Yなどを有している。
感光体2Yに接触あるいは所定の間隙を介して対向するように配設された帯電ローラ4Yには、不図示の帯電バイアス電源から帯電バイアスが印加される。そして、帯電ローラ4Yは、図中反時計回り方向に回転しながら感光体2Yとの間に放電を生じせしめることで、感光体2Yの表面を一様帯電せしめる。帯電ローラ4Yの代わりに、帯電ブラシを当接させてもよい。また、感光体2Yを一様帯電せしめる帯電手段として、スコロトロンチャージャーのように、チャージャー方式によって感光体2Yを一様帯電せしめるものを用いてもよい。
帯電ローラ4Yとしては、硬質の導電性材料でローラ部が形成されたものを、微小ギャップを介して感光体2Yに対向させたものであって、次に説明する構成を有するものであることが望ましい。即ち、その軸線方向の寸法がプリンタの出力可能な最大画像幅(A4横通紙の機械ならば約290[mm])よりも少し長く設定され、軸線方向の両端部に、それぞれ中央部よりも大きな径で且つ絶縁性のスペーサとしてのギャップコロ部を有するものである。かかる構成では、両端のギャップコロ部を感光体2Yの軸線方向の両端部に存在する非画像形成領域に当接させることで、自らの中央部と感光体2Yとの間に5〜100[μm]程度(より望ましくは20〜65[μm])の微小ギャップを容易に形成することができる。なお、本実施形態では、55[μm]となるように設定した。
帯電ローラ4Yによって一様帯電せしめられた感光体2Yの表面は、光書込装置5Yから発せられる走査光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。この光書込装置5Yは、外部のパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報に基づいて変調したレーザー光あるいはLED光を照射するものである。
現像手段たる現像装置6Yは、周知の技術により、感光体2Y表面に担持された静電潜像にYトナーを付着させることで、静電潜像を現像してYトナー像を得る。このYトナー像は、後述する中間転写ベルトに一次転写される。
クリーニング装置50Yは、一次転写工程を経た後の感光体2Y表面に付着している転写残トナーを除去する。なお、本実施形態のクリーニング装置では、クリーニングブレードよりも感光体回転方向下流側の感光体表面に接触摺擦するようにクリーニングブラシを配し、さらにクリーニングブラシに接触してトナー回収ローラ54を配し、トナー回収ローラ54からトナー回収ローラ用クリーニングブレード57によってトナーを除去する構成を適用している。クリーニング装置50Yによって、クリーニング処理が施された感光体2Y表面は、図示しない除電ランプ等の除電手段3Yによって除電されて、次の画像形成に備えられる。
先に示した図2において、他色用の作像プロセス部1C,M,Kにおいても、同様にして感光体2C,M,K上にC,M,Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト21上に中間転写される。
作像プロセス部1Y,C,M,Kの図中下方には、中間転写ベルト21を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写ユニット20が配設されている。転写手段たる転写ユニット20は、中間転写ベルト21の他、駆動ローラ22、従動ローラ23、4つの一次転写ローラ24Y,C,M,K、二次転写ローラ25、図示しないベルトクリーニング装置などを備えている。
中間転写ベルト21は、そのループ内側に配設された駆動ローラ22と従動ローラ23とによって張架されながら、駆動ローラ22の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。
4つの一次転写ローラ24Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト21を感光体2Y,C,M,Kとの間に挟み込んでY,C,M,K用の一次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト21の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト21は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体2Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト21上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト21のループ外側には、図示しない電源から出力される二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ25が配設されており、これはベルトループ内側の駆動ローラ22との間に中間転写ベルト21を挟み込んで二次転写ニップを形成している。
転写ユニット20の下方には、図示しない給紙カセットが配設されている。この給紙カセット内には、転写体たる記録紙Pが複数枚重ねられた記録紙束の状態で収容されており、一番上の記録紙Pを所定のタイミングで図示しない給紙路に送り出す。この給紙路の末端には、レジストローラ対31が配設されている。レジストローラ対31は、記録紙Pを互いに当接しながら回転するローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを中間転写ベルト21上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで二次転写ニップに向けて送り出す。
中間転写ベルト21上に形成された4色トナー像は、二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ25と接地された駆動ローラ22との間に形成される二次転写電界や、ニップ圧の影響により、二次転写ニップ内で記録紙Pに一括二次転写される。そして、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト21には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、従動ローラ23との間に中間転写ベルト21を挟み込んでいる図示しないベルトクリーニング装置によって除去される。
二次転写ニップの上方には、図示しない定着装置が配設されている。この定着装置は、電子写真方式の画像形成装置で周知になっているように、加圧や加熱によってトナー像を記録紙に定着せしめるものである。
なお、感光体2Y,C,M,K上のY,M,C,Kトナーは、Y,C,M,K用の一次転写ニップにおいて、自らと逆極性の一次転写バイアスが印加されることで、逆極性の電荷注入を受けてしまう場合がある。このため、感光体2Y,C,M,K上の転写残トナーの中には、正規極性トナー粒子と逆帯電トナー粒子とが混在している。
以上の基本的な構成を備える本プリンタにおいては、4つの作像プロセス部1Y,C,M,Kが、像担持体たる感光体2Y,C,M,Kの無端移動する表面にトナー像を形成するトナー像形成手段として機能している。また、4つの作像プロセス部1Y,C,M,Kと転写ユニット20との組合せが、像担持体たる中間転写ベルト21の無端移動する表面にトナー像を形成するトナー像形成手段として機能している。
次に、クリーニング装置に設けられたトナー回収ローラ54上のトナーをトナー回収ローラ用クリーニングブレード57で剥離するときのトナーの付着度合の影響について記す。
従来より、トナー回収ローラ54などの部材へのトナーの付着特性を付着力の平均値である摩擦力や摩擦係数のみ評価する評価方法が散見された。ここで、摩擦力はトナーを部材上からずらすのに必要な力であり、例えば、回転駆動する部材上に多量に存在するトナーをブレードで同時に殺ぎ落とす際に生じる部材の駆動トルクの変化等を測定し、それから換算した平均的な負荷を摩擦力とみなす方法が従来技術として知られている。
ところが、本願出願人が実際に摩擦係数に対する剥離現象の検証を行ってみると図4に示すように摩擦係数が小さいにも関わらず、トナー回収ローラ54からトナー剥離が良好に行われない場合があった。
ここで図4は、ローラ表面に部材1乃至部材4を用いたトナー回収ローラ54の摩擦係数とクリーニング性能との関係を示したものである。なお、部材1はPVDFチューブ+UVコート、部材2はセラミックハードタイプC1、部材3はステンレス鋼、及び、部材4はPVDFチューブである。
図中横軸のトナー回収ローラ54の摩擦係数は、一般に知られているオイラーベルト法によって測定したものであり、トナー回収ローラ54まわりに紙を巻きつけ、一端に錘を付けて一定速度で紙を巻き上げ、紙が始動し始める荷重を読み取り、換算式によって算出したものである。また、図中縦軸はクリーニングブレードによってクリーニングが行われた後のトナー回収ローラ54上にどれだけトナーが残留したのかを表した残IDであり、この残IDが大きいほどトナー回収ローラ54にトナーが多く残留することを示す。
図4から、部材1と部材2とにおいて、部材1よりも摩擦係数が大きい部材2のほうが残IDが大きいことがわかる。そのため、従来より摩擦係数の大きさによってクリーニング性能の評価が行なわれていた。ところが、部材3及び部材4に着目してみると、これら両方の摩擦係数は部材1の摩擦係数と同じような値であるが、部材3及び部材4の残IDは、部材2の残IDよりも大きいことがわかる。すなわち、部材3及び部材4は摩擦力が部材2より小さいにも関わらずトナー回収ローラ54からトナー剥離が良好に行われていない。つまり、摩擦係数とクリーニング性との間には相関性が認められないことがわかる。
これについて考察してみると、一般に摩擦係数を測定するときには、上述したオイラーベルト法などのように、1個のトナーが接触する部材の箇所の面積よりも遥かに広い面積の部材の箇所の平均化された表面状態における摩擦係数が測定される。ところが、上記接触する箇所、例えば数[μm]の範囲における表面状態と上記広い面積の部材の箇所、例えば数mmの範囲における表面状態とは必ずしも同じではない。例えば、上記広い面積の部材の箇所全体では表面状態が凸凹した状態であったとしても、上記接触する箇所全体では表面がうねった状態となる。そのため、その測定した摩擦係数は厳密に言うと1個のトナーにとって上記接触する箇所における摩擦係数とは異なったものとなる。よって、上記広い面積の部材の箇所における摩擦係数が小さくても、実際にトナーが接触している上記接触する箇所における摩擦係数ではないので、その結果、適切なクリーニング条件を設定できず部材からのトナー剥離不良が生じる場合があると考えられる。したがって、摩擦係数によってトナー回収ローラ54のクリーニング性を的確に判断するのは困難であると考えられる。そのため、付着現象を説明する手法として今ひとつ信頼の置くことが出来なかった。
また、上述した表面状態において、上述した理由から特開平9−15979号公報などのように単に部材表面の表面粗さを規定しただけでは、部材からのトナー剥離不良を改善するのが困難な場合が生じ得ると考えられる。
そこで、本願発明者らは、トナー回収ローラ54に対する1個のトナーの付着特性を評価することが、トナー回収ローラ54のクリーニング性を的確に判断するのに重要であると考えた。そのため、トナー回収ローラ54に対する1個のトナーの付着力を測定し、その測定した付着力からトナー回収ローラ54のクリーニング性を的確に判断できるか否かの検証を行った。
ここで、トナー回収ローラ表面内の付着力の特性値分布の取得を、トナー1個体との付着力測定により行うことが重要であることについて説明する。従来より知られているトナーなどの粉体の付着力測定方法の多くは、集団としての粉体と部材との付着力を測定しているが、集団としての粉体は粒子径や形状などの分布を持つので、部材表面の特性値の分布を繰り返し精度を維持して評価することができない。例えば、「M.Takeuchi,A. Onose,M.Anzai,R.Kojima and K.Kawai:Proc. IS&T 7th Int.Congress Adv. Non−Impact Printing Technology,21991,vol.1,pp.200−208」で用いられている遠心力を用いて付着力を測定する方法は、粉体を付着させた試料基板を用意して、その試料基板から粉体が離れる遠心力を評価している。ところが、この方法では上述した理由から部材表面の特性値の分布を評価することはできない。そのため、本実施形態では常に同じ粒子(トナー1個体)で付着力を測定することで、部材表面上の付着力の面内分布を繰り返し精度を維持して評価を行う。
図1は、図4で示した部材1乃至部材4において、トナー回収ローラ54に対するトナー1個体の付着力をトナー回収ローラ表面の複数箇所、詳しくは図5に示すような2[μm]角のエリア内で7×7=49の点数の位置、で測定したものである。
なお、この付着力測定には、例えば、原子間力顕微鏡を用いておこなえる。以下に、原子間力顕微鏡とそれを用いた付着力測定方法の概要を述べる。ただし、トナー等の粉体1個体とトナー回収ローラ54などの部材との付着力測定方法は、部材上の複数の位置で付着力測定が可能であればよく、原子間力顕微鏡を用いた方法には限らない。特開2001−183289号公報に記載されている方法を応用しても可能である。
原子間力顕微鏡(AFM)の動作原理については多くの公知の文献(例えばAppl.Phys. Lett.56号1758頁(1990年))がある。窒化ケイ素や2酸化ケイ素などの物質表面を有する針(プローブチップ、以下、チップともいう。)を先端に有するカンチレバーを用いて、チップを測定試料表面に近付けて、試料表面間とプローブチップの間にはたらく力(表面間力)を、フォトダイオードの反射を用いてカンチレバーの反りあるいは撓みとして測定し、シグナルとしてフィードバック制御に結び付け、チップと試料表面との間の距離をピエゾ素子によって制御するというのが代表的な非接触型AFMの動作原理である。
原子間力顕微鏡を用いて付着力を測定する際は、カンチレバーを装飾しなければならない。具体的には、エポキシ樹脂等の接着剤で、カンチレバー先端に対象の粉体を取り付ける。取り付ける作業は、特開2002−62253号公報に記載されているような専用機器を用いるか、もしくは、AFMによっても、取り付けることができる。
また、原子間力顕微鏡で付着力を測定する方法は、主に二通りの方法がある。
一つは、フォースカーブ法、もしくは、フォースディスタンスカーブ法という方法である。具体的な測定行為としては、カンチレバー先端と試料表面の離間、接触、離間を連続しておこなう。カンチレバー先端と試料表面の離間の瞬間のカンチレバーのたわみ量から、カンチレバーと試料表面の付着力を測定する方法である(例えば、特開2002―62253号公報)。
もう一つは、パルスフォースモード法という方法で、フォースカーブ法を応用したものである(例えばAppl.Phys. Lett.18号2632頁(1997年))。概念としては、フォースカーブ法がある一点でおこなう測定であるのに対して、パルスフォースモード法は、二次元領域内でフォースカーブ法を連続的におこなう測定である。具体的には、試料表面上を0.1[Hz]から10[Hz]程度でスキャンしながら、垂直方向に試料台を100[Hz]から1000[Hz]程度で振動させることで、カンチレバー先端と試料表面の接触、離間を連続的におこなう。
試料の測定領域条件は500[nm]から10000[nm]の領域設定で評価をおこなうのが好適である。付着力分布評価時に、領域が小さすぎる場合、付着力の局所的な偏りの影響が大きくなり、付着力分布から判別を行うのに適した標準偏差が得られないため適正な判別が行えない。評価対象にも依存するが、具体的には500[nm]以上の領域に設定するのが良い。
また、付着力測定装置として、原子間力顕微鏡を用いる場合、あまりに大きな領域設定は、設定できない。機種にもよるが、例えば、パルスフォースモード法での最大の設定領域は、数千[nm]から10000[nm]である。また、原子間力顕微鏡は、試料台の移動速度(もしくは、カンチレバーの移動速度)が最大で高々、数千[nm/s]である。故に、あまりに大きな領域設定になると、測定時間が長くなり過ぎるため、あまり好ましくない。
また、付着力分布を構成する、データ数は5×5=25点以上とするのが好ましい。データ数が少なすぎるとデータに偏りが生じやすくなってしまう可能性が高くなる。
また、このようにして測定した付着力の平均と分散とを各部材ごとに表1に示した。
表1と図4から部材2よりも付着力の平均が小さい部材1は残IDも部材2より小さいことがわかる。ところが、部材2よりも付着力の平均が小さい部材3及び部材4の残IDは部材2よりも大きいことがわかる。つまり、摩擦係数とクリーニング性との関係と同じように、付着力の平均と残IDとの間、すなわち付着力の平均とクリーニング性との間には相関関係が認められない。
そこで、本件発明者らは付着力のバラツキ(度数分布の分布状態)に着目して検討を行った。つまり、トナー回収ローラ54上における何れの箇所においても付着力の強さが同じようになるのか否かに着目した。なお、ここでは付着力のバラツキ(度数分布の分布状態)として表1に示すように分散を用いて行ったが、標準偏差を用いても行っても良い。
表1と図4とから、残IDが小さい部材1及び部材2においては分散も小さく、残IDが大きい部材3及び部材4においては分散が大きいことがわかる。つまり、上記複数箇所で測定した付着力の値が付着力の平均近傍に集まっているものではトナー回収ローラ54上における何れの箇所においても同じような強さの付着力となる。そのため、トナー回収ローラ用クリーニングブレード57によるクリーニングがトナー回収ローラ54上の何れの箇所でも安定に行なわれるのでクリーニング性が良好となり、その結果、残IDが小さくなったと考えられる。また、付着力の平均から大きく離れているものでは、トナー回収ローラ54上の箇所によって付着力が大きく異なる。そのため、トナー回収ローラ用クリーニングブレード57によるクリーニングがトナー回収ローラ54上の一部の箇所で安定して行われなくなりクリーニング性が低下して、その結果、残IDが大きくなったと考えられる。このことから、上記複数箇所で測定した付着力の分散(標準偏差)、すなわち付着力のバラツキ度合い(度数分布の分布状態)からトナー回収ローラ54のクリーニング性を的確に判断することが可能である。
なお、本発明を適用できる部材は、ほぼ一様な表面状態を備えていればトナー回収ローラ54に限らず、どのような部材においても構わないが、例えば、図2に示す像担持体、帯電手段、現像手段と転写手段のいずれかを少なくとも備える画像形成装置に搭載される部材を適用できる。特に機構上トナーとの接触が行われる像担持体、現像部、中間転写体、クリーニング部やトナーの付着が望まれない帯電部に本発明を用いることによりトナーが付着しにくい部材の開発を効率的に行うことができるようになる。以下に、本実施形態に係る画像形成装置に用いた各部材について詳細を記載する。
<電子写真感光体>
本発明に用いられる画像形成装置に搭載される部材のひとつとして像担持体の説明を行う。
本発明に用いられる像担持体には電子写真感光体を用いることができる。電子写真感光体はトナー画像を記録紙または中間転写体に転写するため、トナーに対して大きな付着力を持つことは好ましくない。ゆえに本発明を好適に用いることができる。
電子写真感光体としては、導電性支持体上に少なくとも中間層、感光層を有していれば、上記以外のその他の層が形成されていてもよい。例えば、図6に示す感光層が電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)より構成される機能分離型タイプの電子写真感光体について説明する。
導電性支持体としては、体積抵抗1010[Ω・cm]以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記導電性支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性支持体として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂があげられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
次に中間層について説明する。
中間層は接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。
中間層は、一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂は、その上に感光層を、溶剤を用いて塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。特に、アルキド−メラミン樹脂が中間層として求められる機能の多くを満たすことができ好ましい。また、無機顔料として酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。特に酸化チタンは可視光および近赤外光にほとんど吸収がなく白色であり、電子写真感光体の高感度化に好ましい。これらの中間層は、適当な溶媒を用いて、慣用される塗工法によって形成することができるが、電子写真感光体の帯電性能向上のために中間層の塗工液中に少なくともエチレングリコールモノイソプロピルエーテルが好ましくは0.1[wt%]以上3[wt%]以下含有されていることが望まれる。
更に、かかる中間層としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
この他に、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法にて設けてもよい。
中間層の膜厚は約0.1[μm]から10[μm]好ましくは1[μm]から5[μm]とするのが適当である。
次に電荷発生層について説明する。
電荷発生層は電荷発生材料としては公知のものが用いることができ、例えば、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、フルオレノン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。 本発明で用いられるフタロシアニン顔料としては、無金属フタロシアニンまたは金属フタロシアニンが挙げられ、モーザーおよびトーマスの「フタロシアニン化合物」(ラインホールド社、1963)等に記載されている合成法、及び他の適当な方法によって得られるものを使用する。
金属フタロシアニンの一例としては、銅、銀、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、インジウム、ナトリウム、リチウム、チタン、錫、鉛、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルトなどを中心金属にもつものが挙げられる。また、フタロシアニンの中心核には前記金属原子の代わりに、三価以上の原子価を有するハロゲン化金属が存在していても良い。なお、フタロシアニンは各種結晶形が知られているが、α型、β型、Y型、ε型、τ型、X型などの結晶形、及び非晶形など公知のものが使用できる。
中でも、中心金属にチタンを有するチタニルフタロシアニン(以下TiOPc)が特に感度が高く優れた特性を示しており、より望ましい。
次に電荷輸送層について説明する。
前述のように、電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20から300重量部、好ましくは40から150重量部が適当である。また、上述のように耐久性の点で電荷輸送層の膜厚は30[μm]以上が必要である。また電荷輸送層の膜厚を極端に厚くした場合、解像度が低下する不具合があるため、30[μm]から50[μm]とすることが好ましい。ここで用いられる溶剤としては、環境への負荷低減等の意図から、非ハロゲン系溶媒の使用が望ましく、具体的には、テトラヒドロフランやジオキソラン、ジオキサン等の環状エーテルやトルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、及びそれらの誘導体が良好に用いられる。
本発明の感光体においては、感光層保護、及び低表面摩擦係数維持の目的で、保護層を最表層に設けてもよい。保護層に使用される結着樹脂としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
また、感光体の保護層には、耐摩耗性を向上する目的でフィラ−材料を添加してもよい。フィラーとしては有機性フィラーと無機性フィラーがあるが、フィラーの硬度の点から無機性フィラーを用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。このような無機性フィラ−材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをド−プした酸化錫、錫をド−プした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。
これらのフィラーは少なくとも1種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤すべてを使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al、TiO、ZrO、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3[wt%]から30[wt%]が適しており、5[wt%]から20[wt%]がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。
用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなど、電荷輸送層23で使用されるすべての溶剤を使用することができる。
また、保護層に電荷輸送層で挙げた電荷輸送物質を添加することは残留電位の低減及び画質向上に対して有効かつ有用である。
保護層の形成法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来方法を用いることができるが、特に塗膜の均一性の面からスプレーコートがより好ましい。
保護層の厚さは自由に設定可能であるが、保護層膜厚が著しく増加すると、画質が若干劣化する傾向が認められるため、必要最小限度の膜厚に設定することが好ましい。0.1〜10[μm]程度が適当である。
<トナーの説明>
トナーとしては、粒子に添加剤が含有せしめられたものを用いている。この添加剤としては、従来から公知のものを使用することができる。具体的には、Si、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr等の酸化物や複合酸化物等である。特に、Si、Ti、Alの酸化物であるシリカ、チタニア、アルミナなどが好適である。添加剤の添加量は、母体粒子100重量部に対して0.5から1.8重量部であることが好ましく、特に好ましくは、0.7から1.5重量部である。
また、トナーとしては、処理剤を用いた表面処理を施したものを用いることが望ましい。かかる表面処理に用いる処理剤としては、有機系シラン化合物などが好ましい。例えば、メチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のアルキルクロロシラン類、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のアルキルメトキシシラン類である。また、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等でもよい。表面処理方法としては、有機シラン化合物を含有する溶液中に添加剤を漬積し乾燥させる方法、添加剤に有機シラン化合物を含有する溶液を噴霧し乾燥させる方法等が挙げられる。
また、トナーとしては、体積平均粒径の範囲が3[μm]から7[μm]であるものを用いることが望ましい。
<トナーの形状について>
数1はトナーの形状係数SF1の計算式を示している。形状係数SF1とは、図7に示すように、球状物質の形状における丸さの割合を示す数値であり、球状物質を二次元平面上に投影してできる楕円状図形の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで割って、100π/4を乗じた値で表される。
つまり数1によって定義されるものである。
本実施形態においては形状係数SF1が100から150となる球形トナーであることが好ましい。
<キャリアの説明>
磁性キャリアCとしては、粒子径20[μm]から200[μm]程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど、従来から公知のものを使用することができる。本プリンタでは、金属又は樹脂からなるコア中にフェライト等の磁性材料を含有し、且つ表層にシリコーン樹脂等による被覆が施された平均粒径55[μm]のものを用いている。表層の被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。また、ポリビニル樹脂、ポリビニリデン系樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂等でもよい。また、スチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂などでもよい。また、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体などでもよい。また、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などでもよい。なお、必要に応じて導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。かかる導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛などを用いることができる。これらの導電粉としては、平均粒子径1[μm]以下のものが好ましい。平均粒子径が1[μm]よりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になるからである。
<トナー回収ローラ>
クリーニング部に用いるクリーニング方式のひとつに、像担持体(主に感光体)の表面膜削れを軽減しこれら小粒径トナー/球形トナークリーニング時にも確実なクリーニング性を備えたブラシクリーニング方式がある。これには、感光体表面に接触摺擦するようにクリーニングブラシを配し、さらにクリーニングブラシに接触してトナー回収ローラを配し、トナー回収ローラからトナー回収ローラ用クリーニングブレードなどの手段でトナーを除去する構成がある。トナー回収ローラ、あるいはトナー回収ローラとブラシ両方に電圧を印加し、静電気力でクリーニングするため、球形トナー使用時に有利である。
トナーが付着しにくい回収ローラはトナー除去時に有利であるため回収ローラは本発明を好適に適用できる部材である。
ローラの材質は体積抵抗1010[Ω・cm]以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属や、導電性の軸の表面に抵抗層を有する構造とされる。抵抗層の材質としてはポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
<帯電部>
帯電部材の一種としてローラ方式を用いた帯電ローラがある。帯電ローラにより像担持体を一様に帯電させるがこのとき帯電ローラに汚れが付着していると像担持体の帯電にムラが生じ画像形成装置より出力される画像の乱れの原因となる。帯電ローラのに付着する汚れはトナーであることが大多数であるため帯電ローラはトナーが付着しにくいことが好ましい。ゆえに本発明を好適に用いることができる。
帯電部材は、芯金のステンレス上に、イオン導電性のゴム層を形成している。ゴム層の抵抗は、抵抗値で10[Ω]から10[Ω]程度である。ローラのゴム硬度はJIS−Aで40[°]以上が良く、望ましくは70[°]以上が良い。また、ゴム以外の導電性を持つものでもよく、エラストマー、樹脂等があげられる。これらも、ゴム硬度に相当する程度の硬さであることが望ましい。樹脂を用いた場合、材料に弾性を持たないため、空隙を正確に維持しやすい、つまり、軸方向で感光体との間に空隙の違い等が生じにくいメリットがある。表層には、抵抗値が1010[Ω]程度の抵抗値を持つ表面層を形成している。これは、感光体にピンホール等抵抗値の低い部分が存在した場合に、集中して電流が流れる現象を防止するためで、この表面層を設けたことでピンホールへの電流の集中を防いでいる。表層の抵抗値は、1010[Ω]以上であれば良い。
<現像部>
感光体に形成された静電潜像を現像する現像部には一般的に感光体にトナーを供給する部材として現像ローラを有する。現像ローラはトナーを像担持体へ受け渡す機能を有するため、トナーに対して大きな付着力を持つことは好ましくない。ゆえに本発明を好適に用いることができる。
<1成分現像の場合の現像ローラ>
現像ローラは、一成分トナーを摩擦により帯電させるために外周部がゴム等の摩擦係数の低い弾性材により形成されたローラ部と、このローラ部の中心を貫通する金属製の軸部とからなる。
弾性材に用いられる材料としては、弾性材ゴム、エラストマー等の弾性部材が挙げられ、具体的には、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
<2成分現像の場合の現像ローラ>
1成分と同様に外周部がゴム等の摩擦係数の低い弾性材により形成されたローラ部と、このローラ部の中心を貫通する金属製の軸部とからなるローラ、また表面が金属からなるローラ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属も用いられる。上記現像ローラの表面には、経時品質を安定化させるために適宜コ−ト材料を被覆されることがある。表層コート材料は、帯電がトナーと逆極性でも良いし、トナーを所望の極性に摩擦帯電する機能を持たせない場合は同極性でも良い。前者の表層コート材料としては、シリコン、アクリル、ポリウレタン等の樹脂、ゴムを含有する材料を挙げることができる。また後者の表層コート材料としては、フッ素を含有する材料を挙げることができる。フッ素を含んだいわゆるテフロン(登録商標)系材料は表面エネルギーが低く、離型性が優れるため、経時におけるトナーフィルミングが極めて発生しにくい。また、上記表層コート材料に用いることができる一般的な樹脂材料として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニールエーテル(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)等を挙げることができる。これに導電性を得るために適宜カ−ボンブラック等の導電性材料を含有させることが多い。更に均一に現像ローラにコートできるように、他の樹脂を混ぜ合わせることもある。
<中間転写体>
中間転写体はトナー画像を記録紙に転写するため、トナーに対して大きな付着力を持つことは好ましくない。ゆえに本発明を好適に用いることができる。
図8は、本発明を適用できる画像形成装置に用いる中間転写体10の一例の縦断面図である。画像形成装置に用いる中間転写体は、少なくとも基層13、弾性層12、表面のコート層11から構成される。中間転写体は、硬度の低い弾性層を設け、転写ニップ部でトナー層や平滑性の悪い用紙に対して変形できるようにしている。中間転写体表面が局部的な凸凹に追従して変形できるために、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ、文字の転写中抜けがなく、また、平滑性の悪い用紙等に対してもソリッド部等における転写ムラのない、均一性に優れた転写画像を得ることができるものである。弾性層に用いられる材料としては、弾性材ゴム、エラストマー等の弾性部材が挙げられ、具体的には、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
弾性層の厚さは、硬度及び層構成にもよるが、0.07[mm]から0.3[mm]の範囲が好ましい。0.3[mm]以上と厚いと、クリーニングブレードの押圧力により撓んだり、また、クリーニングブレードが中間転写体の中に押し込まれ、中間転写体の滑らかな移動を妨げる。又、0.07[mm]以下と薄いと、二次転写ニップ部で中間転写体上のトナーに対する圧力が高くなり、転写中抜けが発生しやすくなり、さらに、トナーの転写率が低下する。
また、弾性層の硬度は、10≦HS≦65(JIS−A)であることが好ましい。中間転写体の層厚によって最適な硬度は異なるものの、硬度が10[°]JIS−Aより低いと転写中抜けが生じやすい。これに対して硬度が65[°]JIS−Aより高いものは、ローラヘの張架が困難となり、また、長期の張架によって延伸するために耐久性が無く早期の交換が必要になる。
また、中間転写体の基層は、伸びの少ない樹脂で構成している。具体的に、基層に用いられる材料としては、ポリカーボネート、フツ素樹脂(ETFE、PVDF等)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ピニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
また、基層に伸びの大きなゴム材料に帆布などの伸びを防止する材料で構成された芯体層をつくりその上に弾性層を形成する方法等を用いることができる。このときの、芯体層に用いられる伸びを防止する材料としては、例えば、綿、絹、などの天然繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フエノール繊維などの合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維、鉄繊維、銅繊維等の金属繊維からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を用い、糸状あるいは織布状のものを使用することができる。もちろん、上記材料に限定されるものではない。上記の糸は1本または複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。一方織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり、導電処理を施すことも可能である。
さらに、中間転写体表面のコート層は、弾性層の表面を例えばフッ素樹脂等をコーティングするためのものであり、平滑性のよい層からなるものである。コート層に用いられる材料としては、特に制限はないが、一般的に、中間転写体表面へのトナーの付着カを小さくして二次転写性を高める材料が用いられる。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上、又は、表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、たとえばフッ素材脂、フッ素化合物、フッ化炭素、酸化チタン、シリコンカーバイド等の粒子を1種類あるいは2種類以上、又は必要に応じて粒径を変えたものを分散させて使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素層を形成させ、表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
また、必要に応じて、基層11、弾性層12又はコート層13は、抵抗を調整する目的で、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物等を用いることができる。ここで、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。ただし、上記材料に限定されるものではない。
<クリーニングブレード>
クリーニングブレードはトナーを感光体、トナー回収ローラ及び中間転写ベルトなどからトナーを掻き取り、それらをクリーニングする機能を有する。ブレードがトナーに対して大きな付着力を持つとブレードと感光体などとの接触面においては、大量のトナーがクリーニングされるので、クリーニングされたトナーが接触面付近に留まり易くなりクリーニング機能の阻害要因となるため好ましくない。ゆえに本発明を好適に用いることができる。
クリーニングブレードは、金属、樹脂、ゴム等の材質からなるが、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム等のゴムが好ましく用いられ、この中でも特にウレタンゴムが好ましい。ブレードには原料の混練時に添加物として導電性物質を加えることにより導電性機能を保有させても良い。またブレードの付着力などの表面性改質及び摩耗からの保護を目的として保護層を形成しても良い。保護層の物質としてはポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
[変形例]
次に、実施形態に係るプリンタにおける一部構成を他の構成に変更した変形例のプリンタについて説明する。
図9は、変形例に係るプリンタを示す概略構成図であり、所謂リボルバタイプのフルカラープリンタである。同図において、このプリンタは、像担持体たる感光体を1つだけ備えている。この感光体2の回りには、クリーニング装置50、除電手段3、帯電ローラ4、光書込装置5、4つの現像装置6Y,C,M,Kが配設されている。
4つの現像装置6Y,C,M,Kはぞれぞれ、図示しない移動機構によって個別に往復移動せしめられる。具体的には、自らの現像スリーブを感光体2に接触又は近接させる現像位置と、これよりも感光体2から遠ざかる待避位置との間を往復移動せしめられる。そして、現像位置にあるものだけが、感光体2上の静電潜像を現像する。
除電手段3、帯電ローラ4、光書込装置5の構成は、上述した実施形態に係る作像プロセス部1Yのものと同様である。
感光体2表面には、まず、Y用の静電潜像が形成され、これはY用の現像装置6YによってYトナー像に現像される。そして、中間転写ベルト21に一次転写される。以降、中間転写ベルト21が3周分無端移動する間に、感光体2表面にC,M,Kトナー像が順次形成され、中間転写ベルト21上のYトナー像に順次重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト21上に4色トナー像が形成される。
中間転写ベルト21の下方に配設された二次転写ローラ25は、図示しない接離機構によってベルトに対して接離するようになっている。そして、中間転写ベルト21上が複数周回に渡って無端移動してベルト表面にY,C,M,Kトナー像が順次重ね合わせられる工程においては、二次転写ローラ25はベルト表面から離間している。その後、重ね合わせ転写によってベルト表面に4色トナー像が形成されると、二次転写ローラ25がベルトに当接して二次転写ニップを形成する。そして、この二次転写ニップにおいて、ベルト表面上の4色トナー像が記録紙Pに一括二次転写される。
クリーニング装置50Yは、一次転写工程を経た後の感光体2Y表面に付着している転写残トナーを除去する。なお、本実施形態のクリーニング装置では、クリーニングブレードよりも感光体回転方向下流側の感光体表面に接触摺擦するようにクリーニングブラシを配し、さらにクリーニングブラシに接触してトナー回収ローラ54を配し、トナー回収ローラ54からトナー回収ローラ用クリーニングブレード57によってトナーを除去する構成を適用している。
このような画像形成装置においても言うまでもなく本発明を用いることで、上述した同様の効果を得ることができる。
[実施形態2]
以下、本発明を画像形成装置である電子写真複写機(以下、単に複写機100という。)に適用した第2の実施形態について説明する。
図10は、本実施形態に係る複写機の要部を示す概略構成図である。複写機100は、単一色の複写を行うものであり、図示しない画像読み取り部で読み取った画像データに基づいてモノクロ画像形成を行う。
まず、複写機100全体の構成について説明する。
図10に示すように、複写機100は、像担持体としてのドラム状の感光体101を備えている。感光体101の周囲には帯電手段としての帯電ローラ103、潜像をトナー像化するトナー像形成手段である現像手段としての現像装置106が配置されている。また、現像装置106により形成されたトナー像を記録媒体としての転写紙に転写する転写手段としての転写ローラ115、転写後の感光体101表面に残留するトナーをクリーニングするクリーニング装置であるクリーニング装置120、感光体101表面を除電する除電ランプ102等が配置されている。また、除電ランプ102と帯電ローラ103との間には、除電ランプの光を遮光する遮光板140が設けられている。
帯電ローラ103は、感光体101表面に所定の距離で非接触で配置され、感光体101の表面を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。複写機100では、感光体101の表面をマイナス極性に一様に帯電させる。
帯電ローラ103によって一様帯電された感光体101の表面は、図示しない露光装置から画像データに基づいてレーザー光104が照射され静電潜像が形成される。
現像装置106は、磁界発生手段としてのマグネットを内包した現像剤担持体としての現像ローラ108を有している。この現像ローラ108には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置106のケーシング107内には、ケーシング107内に収容されたトナーとキャリアとからなる二成分現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ109及び攪拌スクリュ110が設けられている。また、現像ローラ108に担持された現像剤を規制するためのドクタ105も設けられている。本実施形態で用いるトナーは粉砕(不定形)トナーである。
供給スクリュ109及び攪拌スクリュ110の2本スクリュによって撹拌・搬送された現像剤中のトナーは、負極性に帯電される。そして、現像剤は現像ローラ108に内包されたマグネットの作用により、現像ローラ108に汲み上げられる。汲み上げられた現像剤は、ドクタ105により規制され、感光体101と対向する現像領域でマグネットの磁力により穂立ち状態となって磁気ブラシを形成する。
また、転写ローラ115には、図示しない電源から転写バイアスが印加されるようになっている。
次に、複写機100における画像形成動作を説明する。
複写機100では、図示しない操作部のコピースタートボタンが押されると、図示しない画像読み取り部で原稿の読み取りが開始される。帯電ローラ103、現像ローラ108、転写ローラ115及び詳細は後述するクリーニングブラシ123に、それぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体101が図中矢印A方向に回転駆動される。感光体101の回転駆動と同時に、現像ローラ108、転写ローラ115、供給スクリュ109、攪拌スクリュ110、及び詳細は後述するトナー排出スクリュ119、クリーニングブラシ123、トナー回収ローラ124も所定の方向に回転駆動される。
感光体101が図中矢印A方向に回転すると、まず感光体表面が、帯電装置の帯電ローラ103によって例えば−700[V]の電位に帯電される。そして、図示しない露光装置から画像信号に対応したレーザー光4が感光体1上に照射され、レーザー光104が照射された部分の感光体1上の電位が例えば−120[V]に低下され、静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された感光体101は、現像装置106との対向部で現像ローラ108上に形成された現像剤の磁気ブラシで感光体101表面を摺擦される。このとき、現像ローラ108上の負帯電トナーは、現像ローラ108に印加された例えば−450[V]の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。このように、本実施形態では、感光体101上に形成された静電潜像は、現像装置106によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
感光体101上に形成されたトナー像は、図示しない給紙部から下レジストローラ111と上レジストローラ112との対向部を経て、ガイド板113、114にガイドされて感光体101と転写ローラ115との間に形成される転写領域に給紙される転写紙に転写される。このとき、転写紙は下レジストローラ111と上レジストローラ112との対向部で画像先端と同期を取り供給される。また、転写紙への転写時には、転写ローラ115に、例えば+10[μA]に定電流制御された転写バイアスが印加される。トナー像が転写された転写紙は、分離手段としての分離爪116によって感光体101から分離され、搬送ガイド板141にガイドされて図示しない定着手段としての定着装置へ搬送される。そして、定着装置を通過する事により、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙上に定着されて、転写紙は機外に排出される。一方、転写後の感光体101の表面は、クリーニング装置120で転写後の残留トナーが除去され、さらに除電ランプ102で除電される。
次に、感光体101の表面上のトナーを除去するクリーニング装置120について説明する。
図10に示すように、クリーニング装置120は、ブラシ電源130からプラス電圧が印加されるクリーニングブラシ123を備えている。また、クリーニングブラシ123が感光体101上のトナーを除去する位置に対して感光体101表面移動方向上流側の感光体101表面と対向する位置には、ブレード電源129からマイナス電圧が印加された導電性のクリーニングブレード122備えている。
クリーニングブラシ123は、ブラシ回転軸123aを中心に回転駆動するブラシローラであり、ブラシ電源130はブラシ回転軸123aに電圧を印加する構成である。
ここで、転写残トナーとして、感光体101表面に付着し、クリーニング装置120との対向部に到達するトナーの帯電量について説明する。図11は、感光体101上に担持されたトナーの転写直前における帯電電位分布と、転写後に感光体101上に残留した転写残トナーの帯電電位分布を示すグラフである。図11に示すように、転写直前の感光体101表面上のトナーは、そのほとんどがマイナス極性に帯電している。転写時には、転写前からプラス極性に帯電していたトナーのほとんどはそのまま感光体101に付着する。さらに、転写前にマイナス極性に帯電していたトナーでも転写ローラ115に印加されたプラス極性の電荷注入を受けるなどして、帯電極性がプラス極性に反転することがある。よって、転写後の感光体101表面上の転写残トナーは図11に示すように、プラス極性のトナーとマイナス極性のトナーとが混在した分布となる。
転写ローラ115との対向部を通過した感光体101表面上に付着する転写残トナーは、感光体101の表面移動によりクリーニングブレード122との対向位置まで到達する。
図12は、感光体101表面移動時のクリーニングブレード122の説明図である。クリーニングブレード122との対向位置まで到達した転写残トナーのほとんどはクリーニングブレード122によって機械的に掻き落とされる。しかし、図12に示すように、クリーニングブレード122は感光体101の表面清掃時に所謂スティックスリップが発生し、転写残トナーの一部がクリーニングブレード122との対向部をすり抜けていく。
クリーニングブレード122にはトナーの帯電極性と同じ極性のマイナス極性の電圧が印加されており、転写残トナーがクリーニングブレード122と感光体101との対向部をすり抜けていくときに、トナーは電荷が注入される。すなわち、トナーがクリーニングブレード122と感光体101との対抗部をすり抜けるときに、クリーニングブレード122が、トナーを正規の帯電極性(マイナス極性)に帯電する。
クリーニングブレード122によって正規の帯電極性に帯電されたトナーは、感光体101の表面移動により、クリーニングブラシ123が感光体101上のトナーを除去する位置に移送される。図11に示すように、クリーニングブラシ123へはトナーの帯電極性とは逆の極性(プラス極性)の電圧が印加されており、クリーニングブレード122と感光体1との当接部をすり抜けたトナーを静電的に吸着する。
クリーニングブラシ123上に移動したトナーは、クリーニングブラシ123よりも更に高いプラス極性の電圧が回収電源128によって印加されたトナー回収ローラ124へ電位勾配によって移動する。トナー回収ローラ124上に移動したトナーはトナー回収ローラ用クリーニングブレード127により掻き落とされ、トナー排出スクリュ119でクリーニング装置120の外に排出又は現像装置106の内部に戻される。
次に、トナーと同極性(マイナス極性)の電圧が印加された導電性のクリーニングブレード122をすり抜けて行くトナーの帯電極性が変わるときの詳細について説明する。
クリーニングブレード122の電気抵抗は10〜10[Ω・cm]であり、感光体101との当接部の線圧は20〜40[g/cm]でカウンター方向に当接するように構成されている。クリーニングブレード122に電圧が印加されていない場合、クリーニングブレード122をすり抜けるトナーは感光体101とクリーニングブレード122との当接部の圧力で摩擦帯電される。そして、トナーの帯電電位分布はトナーの正規帯電極性(マイナス極性)側にシフトする。図13は、感光体101上に担持されたトナーの転写後における帯電電位分布と、クリーニングブレード122との対向部を通過した転写残トナーの帯電電位分布を示すグラフである。図13に示すように、クリーニングブレード122との対向部を通過することにより、若干マイナス極性に帯電され、トナーの正規帯電極性側にシフトするが、それでもプラス極性のトナーとマイナス極性のトナーとが混在した分布となる。転写残トナーの帯電量分布は図13に示すようにブロードであるため、転写残トナーの全てが正規の帯電極性には帯電されない。よって、全ての転写残トナーの帯電極性を正規の極性にする為には摩擦帯電以外の手段が必要となる。
また、クリーニングブレード122は図12に示すように感光体101の回転方向に当接状態が変化する所謂スティックスリップが発生する。そして、クリーニングブレード122が図12中Cで示す状態になったときにトナーのすり抜けが発生する。
図10に示すように、クリーニングブレード122にマイナス電圧が印加されていると、トナーがクリーニングブレード122と感光体101との間にはさまれたとき、クリーニングブレード122に印加された電圧でトナーに電流が流れ込む。そして、トナーは印加電圧側の極性に帯電してクリーニングブレード122を通過する。また、感光体101とクリーニングブレード122で形成された楔部の入り口と出口の微小ギャップ部の放電によりトナーは印加電圧と同極性に帯電する。
極性が片側に揃えられてクリーニングブレード122を通過したトナーは、トナーの帯電極性と逆極性(プラス極性)の電圧が印加されたクリーニングブラシ123により静電的に除去される。
ここで、従来から知られている感光体表面にクリーニングブレードを当接させて感光体表面をクリーニングするブレードクリーニング方式について説明する。
画像形成装置においては、より高精度および高精細な画像が形成できるよう、高解像度を有することが要求されている。その達成手段の1つとしてより粒径を小さくしたトナーを用いることがあげられる。また、転写率向上のためにトナーの形状を不定形からより球に近い形状のものが使われるようになってきている。しかしながら、従来から知られているブレードクリーニング方式では、小粒径トナーや球径のトナーをクリーニングすることは粒径が小さい事や、形状が球形である事から、すり抜けやすくクリーニング不良が発生しクリーニングが困難な状況である。なお、ブレードクリーニング方式で球形トナーをクリーニングする場合でも、感光体表面にクリーニングブレードを押し付けるときの線圧を極端に高くすれば(具体的には線圧:100[gf/cm]以上)クリーニングできるが、その分感光体ドラム、クリーニングブレードの寿命が極端に短くなる。例えば、通常の線圧(20[gf/cm])での感光体寿命(感光層が1/3程度削れる時の寿命)はΦ30で約10万枚、クリーニングブレード寿命(削れてクリーニング不良が発生する時の寿命)約12万枚である。一方、高い線圧(100[gf/cm])の時は、感光体の寿命は約2万枚、でクリーニングブレードの寿命は約2万枚程度である。
しかしながら小粒径トナーや、球形トナーを用いると画像品質が良くなるので、本実施形態では、小粒径トナーや球形トナーのクリーニング時にも良好なクリーニング性を備え、かつ、感光体の表面膜削れを軽減できる機械的な摺擦を抑えたクリーニング方式である静電ブラシクリーニング方式を適用している。また、他のクリーニング方式としてクリーナレス方式等を用いた場合でも同様の効果が得られる。
[実施例1]
[実験1]
本実施形態においては、実施形態1で説明したパルスフォースモード法を用いて試料表面に対するトナー1個体の付着力を測定した。詳しくは、パルスフォースモード法(SIIナノテクノロジー(株)名:アドヒージョンモード)を用いて、試料表面上を0.1[Hz]から10[Hz]程度でスキャンしながら、垂直方向に試料台を100[Hz]から1000[Hz]程度で振動させることで、カンチレバー先端に取り付けたトナー1個体と試料表面との接触、離間を連続的におこない、試料表面に対するトナー1個体の付着力を測定した。また、このようにして付着力を測定することで、図14に示すような付着力画像が得られ、この付着力画像から専用ソフトにより図15に示すような頻度分布にする(SIIナノテクノロジー社アドヒージョンモードであれば、誤差信号像を用いる)。例えば、イメージメトロロジー社製SPIPを用いれば、この処理は可能である。頻度分布のデータ数は、付着力画像の取得条件で決まる。本条件では、128×128=16384の点数で分布が構成される。
本実施形態においては、測定対象として後述するように使用状況を変化させた3通りの感光体101を用いている。そして、これらの感光体101の表面層を基体から引き剥がし約10[mm]角へ切り出し原子間力顕微鏡(AFM)での測定を行った。
次に、実験条件を示す。
・計測条件(パルスフォースモード法):
原子間力顕微鏡(AFM):走査型プローブ顕微鏡SPI4000、多機能型ユニットSPA400(SIIナノテクノロジー(株)製)
・測定モード:アドヒージョンモード
・カンチレバー:オリンパス(株)社製 標準窒化シリコンカンチレバーOMCL−RC800PSA、バネ定数:0.76[N/m]
・計測エリア:1[μm]角
・ライン数:縦方向128×横方向128
・測定走査周波数:1[Hz]
・Z周波数(アドヒージョン周波数):1[kHz]
・最大負荷条件:カンチレバー先端と試料表面の押し付け強さ50[nN]狙いで設定(カンチレバーたわみ、アドヒージョン振幅で設定)
・カンチレバー先端のトナー粒径:7.2[μm]
・トナー種類:(株)リコー社製 imagio MP C3000 ブラックトナー
評価対象としては、下記に示す3通りの使用状態にしたテストピース感光体を用いた。
・使用状況A:未使用
・使用状況B:単体試験機で潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)塗布
・使用状況C:単体試験機で潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)塗布後、単体試験機で帯電電圧印加
なお、使用状況Bでは、下記の条件で単体試験機(例えば図16に示すような装置)により潤滑剤であるステアリン酸亜鉛を塗布した。
・塗布時間:5分間
・潤滑剤塗布ブラシの感光体への食い込み量:1[mm]
・潤滑剤均しブレード:硬度70のウレタン製ブレード
・感光体の線速:125[mm/s]
また、使用状況Cでは、下記の条件でIPSiO color 8000(リコー製)改造機(直接転写方式のフルカラープリンタ)により、潤滑剤であるステアリン酸亜鉛を塗布した後、単体試験機で帯電電圧を印加した。
・塗布時間:5分間
・潤滑剤塗布ブラシの感光体への食い込み量:1[mm]
・ブレード:ウレタン製、JIS−A硬度70[°]
・感光体の線速:125[mm/s]
・帯電装置:感光体に対して非接触で設けられた外周面が硬質タイプの帯電ローラ(図17は帯電ローラの断面図であり導電性を有する芯金203aと、その芯金203aの外周面に固定された中抵抗層203bと、その中抵抗層203bの外周面には表層203cとからなる。)
・感光体と帯電ローラとのギャップ保持:図18に示すように帯電ローラ203の長手方向に設けられたスペーサー203dを感光体201の非画像形成領域に当接させることでギャップGを形成している。また、帯電ローラ203の軸を加圧バネ203fなどによって加圧することで、ギャップGの維持精度が向上する。なお、スペーサー203dとしては絶縁性の熱収縮チューブを用いた。
・帯電ローラへの印加バイアス:AC成分はVpp3.0[kV]、周波数1.35[kHz]、DC成分は−600[V]
・電圧印加時間:10秒
測定結果の構成要素である128×128個の付着力測定値より得られた付着力分布を図19に示す。
[実験2]
上述した3通りの使用状況の感光体101をそれぞれ図10に示す複写機100に搭載し画像を出力した。
画像出力動作時の条件を下に示す。
・出力枚数:A4横 100枚
・実験環境:27[℃]55[%]
・出力画像:画像面積5[%]チャート
上述したような実験条件及び画像出力条件で画像の出力を行った結果、100枚出力後の出力画像は、使用状況A及び使用状況Bの感光体101ではクリーニング不良がなく正常な画像であり、使用状況Cの感光体101ではクリーニング不良が発生し出力画像にスジ状の異常画像発生した不良画像であった。
[評価例1]
本件発明者らは種々の研究結果から付着力測定値が付着力の平均値の1.5倍の値以下に95[%]以上存在することで、測定した付着力の度数分布における平均値に対する付着力が大きい方向のばらつきが一定の範囲内におさまり、感光体101上における何れの箇所においても付着力の強さが同じようになることを見出した。そのため評価例1では、これに着目して評価を行った。なお、後述する各使用状況での感光体101の付着力平均値の1.5倍の付着力は感光体101上からトナーをクリーニングブレード122によって除去可能な大きさの付着力である。
表2に各使用状況の感光体101における実験1及び実験2の測定結果などを示す。
表2から使用状況Aの感光体101、使用状況Bの感光体101及び使用状況Cの感光体101のそれぞれの付着力平均値は、使用状況Aの感光体101が16.6[nN]、使用状況Bの感光体101が8.2[nN]及び使用状況Cの感光体101が18.7[nN]であった。
使用状況Aの感光体101では付着力平均値の1.5倍の25.4[nN]以下に約100[%]の付着力測定値が存在しており、すなわち、使用状況Aの感光体101の付着力測定値は付着力平均値の1.5倍の値を示す付着力以下に95[%]以上存在している。
使用状況Bの感光体101では付着力平均値の1.5倍の12.3[nN]以下に約95[%]の付着力測定値が存在しており、すなわち、使用状況Bの感光体101の付着力測定値は付着力平均値の1.5倍の値を示す付着力以下に95[%]以上存在している。
このように、使用状況Aの感光体101及び使用状況Bの感光体101を用いた場合、付着力平均値の1.5倍の付着力以下に95[%]以上の付着力測定値が存在している。そのため、上述したように測定した付着力の度数分布における平均値に対する付着力の大きい方向のばらつきが一定の範囲内におさまり、感光体101上における何れの箇所においても付着力の強さが同じようになるので、感光体101上の何れの箇所においても安定したクリーニングが行われたものと考えられる。よって、上述した実験2の結果のように画像出力を行ってもクリーニング不良は生じずスジ状の異常画像は出力されなかったと考えられる。
一方、使用状況Cの感光体101では付着力平均値の1.5倍の28.1[nN]以下に約92[%]の付着力測定値が存在しており、すなわち、使用状況Cの感光体101の付着力測定値は付着力平均値の1.5倍の値を示す付着力に95[%]以上存在していない。
このように、使用状況Cの感光体101を用いた場合、付着力平均値の1.5倍の28.1[nN]以下に約95[%]の付着力測定値が存在していない。そのため、測定した付着力の度数分布における平均値に対する付着力の大きい方向のばらつきが一定の範囲内におさまらないため、感光体101上の箇所によって付着力の強さが大きく異なり、感光体101上の一部の箇所でクリーニングが安定して行われなくなったと考えられる。よって、上述した実験2の結果のようにクリーニング不良により出力画像にスジ状の異常画像発生が出力されたと考えられる。
[評価例2]
本件発明者らは種々の研究結果から付着力測定値において、付着力平均値をXとし標準偏差をYとしてしたときに数2の関係を満たすことで付着力のばらつきが付着力平均値に対して一定の範囲内におさまり、感光体101上における何れの箇所においても付着力の強さが同じようになることを見出した。そのため評価例2においては、これに着目してクリーニング性の評価を行った。なお、付着力平均値は感光体101上からトナーをクリーニングブレード122によって除去可能な大きさの付着力である。
表3に各使用状況の感光体101における実験1及び実験2の測定結果などを示す。
表3から使用状況Aの感光体101、使用状況Bの感光体101及び使用状況Cの感光体101のそれぞれの付着力平均値は、使用状況Aの感光体101が16.6[nN]、使用状況Bの感光体101が8.2[nN]及び使用状況Cの感光体101が18.7[nN]であった。
また、使用状況Aの感光体101、使用状況Bの感光体101及び使用状況Cの感光体101のそれぞれの付着力の標準偏差は、使用状況Aの感光体101が1.8[nN]、使用状況Bの感光体101が3.0[nN]及び使用状況Cの感光体101が7.4[nN]であった。
上述した使用状況Aの感光体101、使用状況Bの感光体101及び使用状況Cの感光体101における付着力平均値(X)と標準偏差(Y)とを数2に代入すると表3にも示したように、使用状況Aの感光体101においては数3、使用状況Bの感光体101においては数4及び使用状況Cの感光体101のおいては数5のようになった。
数3及び数4から使用状況Aの感光体101及び使用状況Bの感光体101においては、数2に示した関係を満たしている。これにより、上述したように付着力のばらつきが付着力平均値に対して一定の範囲内におさまり、感光体101上における何れの箇所においても付着力の強さが同じようになるので、感光体101上の何れの箇所においても安定したクリーニングが行われたものと考えられる。よって、上述した実験2の結果のように画像出力を行ってもクリーニング不良は生じずスジ状の異常画像は出力されなかったと考えられる。
数5から使用状況Cの感光体101においては、数2に示した関係を満たしていない。これにより、付着力のばらつきが付着力平均値に対して一定の範囲内におさまらないため、感光体101上の箇所によって付着力の強さが大きく異なり、感光体101上の一部の箇所でクリーニングが安定して行われなくなったと考えられる。よって、上述した実験2の結果のようにクリーニング不良により出力画像にスジ状の異常画像発生が出力されたと考えられる。
これらのことから、付着力の平均値に加えて標準偏差を用いて感光体に対するトナーの付着の度合を評価することで、より自然現象に即した部材の付着度合を判断することができることがわかる。つまり、画像形成装置や送風装置や粉体搬送装置等において粉体の付着度合に関する異常現象の多くは、部材表面上の全ての位置でおこるわけではない。異常現象は、付着力の極端に大きい領域、もしくは、小さい領域でおこる。したがって、ある一点での特性値や、あるいは領域内の平均値のみでは、異常現象を感度良く検出できないからである。すなわち、測定対象の部材表面のある一点の特性値で評価するのではなく、測定対象部材の一定範囲の表面における付着力の面内分布を測定して、その分布の平均値と標準偏差で評価する方が、より自然界の付着現象に即しているからである。
[実施例2]
本判別方法は、粉体が直接付着する部材以外にも適用でき、画像形成装置に用いられるクリーニング装置のクリーニングブレードが例として挙げられる。クリーニング装置によって感光体表面をクリーニングする場合においては、クリーニングブレードが感光体表面の残トナーなどを掻き取る機能、すなわち、クリーニング機能を持つ。
ここで、このクリーニング機能が有効に働くためには、回転している感光体の表面に対して、めくれを発生させることなくクリーニングブレードが安定して当接していることが重要である。感光体表面に当接しているクリーニングブレードにめくれが発生すると、そのめくれが発生した個所で感光体表面とクリーニングブレードとの間をトナーがすり抜けてしまい、その結果、感光体表面の残トナーなどをクリーニングできなくなる。
感光体表面に対してクリーニングブレードを安定して当接させるためには、感光体とクリーニングブレードと間で生じる摩擦力(付着力)が低く、且つ、図20に示す感光体表面とクリーニングブレードとの当接部の長手方向で均一である必要がある。
そこで、本実施例においては、上述したメカニズムを踏まえてクリーニング性の異なる複数のクリーニングブレードを後述する各実験や各評価例に示した手法を用いて評価した。
ここで、このような評価を行う際に重要なことは、下記の2点である。まず1点目は、感光体表面−トナー間の付着力と、感光体表面−クリーニングブレード間の間の摩擦力との間には相関があることである。すなわち、本実施例で用いる手法では、本来のメカニズムに影響する感光体表面−クリーニングブレード間の摩擦力を直接測定していないが、感光体もトナーも樹脂であるという点で同じである。故に、感光体表面−クリーニングブレード間の摩擦力と、感光体表面−トナー間の付着力の大小関係は変わらない。
次に2点目は、本実施例で用いる手法が、トナーのスケールで感光体表面−クリーニングブレード間の摩擦力の均一性を推定できることである。感光体表面−クリーニングブレード間の摩擦力は、感光体表面とクリーニングブレードとの当接部における長手方向のあらゆる箇所で低いことが理想である。局所的にでも、感光体表面−クリーニングブレード間の摩擦力が高い箇所があると、その箇所でクリーニングブレードにめくれが発生し、そのめくれ箇所からトナーがすり抜けてしまうため適切なクリーニングできなくなる。よって、本来、クリーニングブレードによって感光体表面からクリーニングしたい対象であるトナーのスケールで、感光体表面−クリーニングブレード間の摩擦力の均一性が推定できる本実施例で用いる手法は、大変有用である。
[実験3]
実験3においては、3種類のクリーニングブレードであるブレード1、ブレード2及びブレード3を用いた。
ブレード1は、IPSIO Color 8000(リコー製)にて用いられているクリーニングブレードをimagio Neo C600(リコー製)用に改変して試作したものである。ブレード2は、imagio NEO C325(リコー製)にて用いられているクリーニングブレードをimagio Neo C600用に改変して試作したものである。ブレード3は、ブレード1の表面に膜厚0.5[mm]のPVDFの層が形成されているものである。
そして、ブレード1、ブレード2及びブレード3のそれぞれについて先端から1[mm]の厚さで切り出し、クリーニング対象物との接触面を測定対称面として原子間力顕微鏡(AFM)での測定を行った。
次に、実験条件を示す。
・計測条件(フォースカーブ法):
原子間力顕微鏡(AFM):走査型プローブ顕微鏡SPI4000、多機能型ユニットSPA400(SIIナノテクノロジー(株)製)
・測定モード:AFMモード
・カンチレバー:オリンパス(株)社製 標準窒化シリコンカンチレバーOMCL−RC800PSA、バネ定数:0.76[N/m]
・測定点数:200[nm]間隔で、縦方向10×横方向10=100点
・最大負荷条件:カンチレバー先端と試料表面の押し付け強さ50[nN]狙いで設定
・カンチレバー先端のトナー粒径:4.1[μm]
・トナー種類:(株)リコー社製 PxPトナーの試作品
なお、このとき使用したトナーと所定のシリコン基板との間で生じる付着力を測定すると20.5[nN]であった。また、シリコン基板は、デシケーター等を用いて少なくとも湿度50[%]以下の環境で保管したものを用いた。
また、トナーとシリコン基板との間で生じる付着力を測定する前に原子間力顕微鏡を用いてシリコン基板の表面粗さRaを確認したところ、図21に示すように表面粗さ(平均面粗さ)Raは約0.19[nN]であり1[nN]以下であった。このように、シリコン基板の表面粗さRaが1[nN]以下であることで、トナーとシリコン基板との間で生じる付着力の測定精度を高くすることができる。
このようにトナーとシリコン基板との付着力とを測定するのは、後述するトナーとクリーニングブレードとの間で生じる付着力の付着力分布評価に用いるためである。
また、本実験において全ての付着力測定は、全く同一のトナーが取り付けられた同一のプローブで行った。
図22にブレード1、ブレード2及びブレード3の10×10個の付着力測定値より得られた付着力分布を示す。
[実験4]
ブレード1、ブレード2及びブレード3をimagio Neo C600にそれぞれ搭載し画像を出力した。
次に、実験条件を示す。
・トナー種類:リコー製PxPトナーの試作品
画像出力動作時の条件を下に示す。
・複写機:リコー製imagio Neo C600
・出力枚数:A4横 10万枚
・実験環境:23[℃]55[%]
・出力画像:画像面積5[%]チャート
上述したような実験条件及び画像出力条件で画像の出力を行った結果、10万枚出力後の出力画像は、ブレード1及びブレード2ではクリーニング不良により出力画像にスジ状の異常画像発生し不良画像であったが、ブレード3では正常な画像であった。
[評価例3]
本件発明者らは種々の研究結果からクリーニングブレードの付着力測定値において、付着力平均値をX、標準偏差をY、及び、トナーとシリコン基板との間の付着力をZとしたときに数6の関係を満たすことで付着力のばらつきが付着力平均値に対して一定の範囲内におさまり、クリーニングブレードの上記接触面上における何れの箇所においても付着力の強さが同じようになることを見出した。そのため評価例3においては、これに着目してクリーニング性の評価を行った。
なお、シリコン基板の付着力測定値で正規化するのは、プローブ先のトナーの違いによる付着力差を無くし、常に同じ条件で評価するためである。
実験3で測定した付着力測定値から、ブレード1、ブレード2及びブレード3のそれぞれの付着力平均値Xは、ブレード1が370.7[nN]、ブレード2が250.4[nN]及びブレード3が31.6[nN]であった。
また、ブレード1、ブレード2及びブレード3のそれぞれの付着力の標準偏差Yは、ブレード1が121.0[nN]、ブレード2が161.5[nN]及びブレード3が23.1[nN]であった。
また、上述したようにトナーとシリコン基板との間の付着力Zは、20.5[nN]であった。なお、上述したようにブレード1、ブレード2及びブレード3に対して同一のトナーが取り付けられた同一のプローブを用いて実験を行っているため、付着力Zの値は各ブレードに対して同じ値、すなわち、20.5[nN]を用いる。
上述したブレード1、ブレード2及びブレード3における付着力平均値X、標準偏差Y、及びトナーとシリコン基板との間の付着力Zを数6に代入すると、ブレード1においては数7、ブレード2においては数8及びブレード3においては数9のようになった。
表4に、ブレード1、ブレード2及びブレード3のそれぞれ上記した付着力平均値並びに標準偏差、及び、実験4の実験結果などを示す。
表4や数9からブレード3においては、数6に示した関係を満たしている。これにより、上述したように付着力のばらつきが付着力平均値に対して一定の範囲内におさまり、ブレード3の上記接触面上における何れの箇所においても付着力の強さが同じようになるので、ブレード3の上記接触面上の何れの箇所においても安定したクリーニングが行われたものと考えられる。よって、上述した実験4の結果のように画像出力を行ってもクリーニング不良は生じずスジ状の異常画像は出力されなかったと考えられる。
表4や数7及び数8からブレード1及びブレード2においては、数6に示した関係を満たしていない。これにより、付着力のばらつきが付着力平均値に対して一定の範囲内におさまらないため、ブレードの上記接触面上の箇所によって付着力の強さが大きく異なり、上記接触面上の一部の箇所でクリーニングが安定して行われなくなったと考えられる。よって、上述した実験4の結果のようにクリーニング不良により出力画像にスジ状の異常画像発生が出力されたと考えられる。
また、これらの結果からクリーニング性の良いクリーニングブレードは、クリーニング性の悪いクリーニングブレードよりもトナーと上記接触面との間の付着力が低く、且つ、その付着力の接触面内分布が均一であることがわかる。
以上のことから、付着力の平均値に加えて標準偏差を用いてクリーニングブレードのクリーニング対象物との接触面に対するトナーの付着の度合を評価することで、より自然現象に即した部材の付着度合を判断することができることがわかる。つまり、画像形成装置や送風装置や粉体搬送装置等において粉体の付着度合に関する異常現象の多くは、部材表面上の全ての位置でおこるわけではない。異常現象は、付着力の極端に大きい領域、もしくは、小さい領域でおこる。したがって、ある一点での特性値や、あるいは領域内の平均値のみでは、異常現象を感度良く検出できないからである。すなわち、測定対象の部材表面のある一点の特性値で評価するのではなく、測定対象部材の一定範囲の表面における付着力の面内分布を測定して、その分布の平均値と標準偏差で評価する方が、より自然界の付着現象に即しているからである。
[実施形態3]
ところで、原子間力顕微鏡を用いて上記付着力を測定し、その測定した付着力を基にして部材から粉体を良好に除去可能か否かの判断を行う場合では、上記付着力の測定に用いるカンチレバーの先端に対象の粉体1個体を取り付ける必要がある。このカンチレバーの先端に粉体1個体を取り付ける作業は、手間や作業時間がかかるといった別の問題がある。そして、本件発明者らは種々の研究結果から、本付着力分布判断方法を基に、同一材料間に限って微小な粗さで部材上からの粉体除去特性が判断できることを見出した。
以下に本発明を画像形成装置である電子写真複写機(以下、単に複写機100という。)に適用した第3の実施形態について説明する。本実施形態に係る画像形成装置である複写機100の基本的な構成は、実施形態2の複写機100の構成と同じなので説明を省略する。
後述する実験5から、表面が単一の材質であるポリカーボネート樹脂からなる感光体を使用した場合に、感光体表面の平均面粗さRaの分布状態から、感光体表面に付着したトナーを感光体表面から除去するクリーニングブレードによる感光体表面のクリーニング性を判断できることが判明した。ここで、平均面粗さRaは数10で定義されるものである。

・F(X、Y):全測定データの示す面
・S0:指定面が理想的にフラットであると仮定したときの面積
・Z0:指定面内のZデータの平均値
[実施例3]
[実験5]
本実施例では表面粗さを異ならせた後述するサンプル1からサンプル6までの6通りの感光体について、原子間力顕微鏡で測定した表面粗さ、付着力分布及び実機特性を評価した。
・評価対象:材質が同じで、かつ、表面粗さの異なる感光体を用意するために、専用の磨耗試験機を用いて6通りのサンプルを作製した。具体的には、最表層が電荷輸送層で、そのバインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂を使用した感光体を用いた。また、表面磨耗は、住友3M社製ラッピングフィルムシートを感光体に当接させて回転させることにより行った。
・サンプル1(未磨耗)
・サンプル2(磨耗試験機で1分間磨耗;フィルム粒度2μm)
・サンプル3(磨耗試験機で2分間磨耗;フィルム粒度5μm)
・サンプル4(磨耗試験機で3分間磨耗;フィルム粒度12μm)
・サンプル5(磨耗試験機で4分間磨耗;フィルム粒度12μm)
・サンプル6(磨耗試験機で16分間磨耗;フィルム粒度12μm)
・表面粗さ計測条件(原子間力顕微鏡):
・原子間力顕微鏡(AFM):走査型プローブ顕微鏡SPI4000、多機能型ユニットSPA400(SIIナノテクノロジー(株)製)
・測定モード:DFMモード
・カンチレバー:SIIナノテクノロジー社取り扱い シリコンカンチレバーSI−DF20、バネ定数20[N/m]
・計測エリア:1[μm]角
・計測箇所:5箇所以上
・データ処理:専用のソフトで、1次傾き補正をした後に、平均面粗さRaを算出する。
また、カンチレバーは上記したものに限るものではなく、タッピング形状測定用カンチレバーであれば、カンチレバー先端径が10[nm]前後に保障されているため、本評価に支障は無い。
・付着力計測条件(パルスフォースモード法):
・原子間力顕微鏡(AFM):走査型プローブ顕微鏡SPI4000、多機能型ユニットSPA400(SIIナノテクノロジー(株)製)
・測定モード:アドヒージョンモード
・カンチレバー:オリンパス(株)社製 標準窒化シリコンカンチレバーOMCL−RC800PSA、バネ定数0.76[N/m]
・計測エリア:10[μm]角
・ライン数:縦方向128×横方向128
・測定走査周波数:0.5[Hz]
・Z周波数(アドヒージョン周波数):1[kHz]
・最大負荷条件:カンチレバー先端と試料表面の押し付け強さ50[nN]狙いで設定(カンチレバーたわみ、アドヒージョン振幅で設定)
・カンチレバー先端のトナー粒径:6[μm]
・トナー種類:(株)リコー社製 imagio MP C3000 ブラックトナー
・実機特性:
実機特性としては、トナーが付着した感光体表面のクリーニングブレードによるクリーニング性で評価した。これは、クリーニング部である感光体とクリーニングブレードとの接触部からトナーが筋状もしくは帯状に通り抜けてクリーニング不良が生じると、その筋状もしくは帯状に通り抜けたトナーがコピー画像上にも現われてしまうという重大な課題があるためである。
図23に、原子間力顕微鏡で測定した平均面粗さRaの測定結果を示す。なお、平均面粗さRaは非常に微小な粗さを評価するため複数点で測定することが重要であり、5箇所以上で測定を行うことが望ましい。また、図24に各サンプルの付着力分布の測定結果を示す。さらに、付着力分布の結果から、そのバラツキを評価するために高付着力成分の割合(30[nN]以上と50[nN]以上の割合)をまとめた結果を図25に示す。
また、表5に各サンプルについて平均面粗さRa、付着力分布及び実機特性を比較した結果を示す。
全ての平均面粗さRaの測定箇所で平均面粗さRaが非常に小さいサンプル1とサンプル6とは、付着力分布のバラツキも小さく実機特性も非常に良い。その一方で、平均面粗さRaのバラツキが大きいサンプル3、サンプル4及びサンプル5は、付着力分布のバラツキが大きく実機特性も悪い。したがって、本手法で、より簡易的に感光体などの部材上の付着力分布を予測できることがわかる。
なお、図23で示されるように、感光体表面の平均面粗さRaは、その粗さが小さく均一であることが望ましい。具体的には、サンプル2に示されるように平均面粗さRaが30[nm]以下のことが望ましい。その一方で、実際の感光体の製造では、コスト上の問題も考慮される必要がある。具体的には、サンプル1以上に平滑な感光体を作製することは困難である。したがって、平均面粗さRaを1[nm]以上30[nm]以下の範囲で、その粗さを均一化することが、より効果的にクリーニング性の良い感光体を提供する手法である。
[比較例]
[実験6]
次に、平均面粗さRaを測定する測定装置が不適な比較例として、分解能が不十分である触針粗さ計やレーザー顕微鏡で平均面粗さRaを測定した測定結果、及び、平均面粗さRaの測定条件が不適な比較例として、原子間力顕微鏡を用いながらも大面積(10[μm]角)で平均面粗さRaを測定した測定結果を、図26に示す。また、各比較例における各平均面粗さ計測条件は以下の通りである。
・評価対象:材質が同じで、かつ、表面粗さの異なる感光体を用意するために、専用の磨耗試験機を用いて6通りのサンプルを作製した。具体的には、最表層が電荷輸送層で、そのバインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂を使用した感光体を用いた。また、表面磨耗は、住友3M社製ラッピングフィルムシートを感光体に当接させて回転させることにより行った。
・サンプル1(未磨耗)
・サンプル2(磨耗試験機で1分間磨耗;フィルム粒度2μm)
・サンプル3(磨耗試験機で2分間磨耗;フィルム粒度5μm)
・サンプル4(磨耗試験機で3分間磨耗;フィルム粒度12μm)
・サンプル5(磨耗試験機で4分間磨耗;フィルム粒度12μm)
・サンプル6(磨耗試験機で16分間磨耗;フィルム粒度12μm)
・平均面粗さ計測条件(レーザー顕微鏡):
・キーエンス社製 レーザー顕微鏡VK−7500
・計測エリア:20[μm]角
・データ処理:専用のソフトで、平均面粗さRaを算出する。
・平均面粗さ計測条件(触針粗さ計):
・東京精密社製 サーフコム
・計測エリア:4[mm]角
・データ処理:専用のソフトで、平均面粗さRaを算出する。
・平均面粗さ計測条件(原子間力顕微鏡):
・原子間力顕微鏡(AFM):走査型プローブ顕微鏡SPI4000、多機能型ユニットSPA400(SIIナノテクノロジー(株)製)
・測定モード:DFMモード
・カンチレバー:SIIナノテクノロジー社取り扱い シリコンカンチレバーSI−DF20、バネ定数20[N/m]
・計測エリア:10[μm]角
・データ処理:専用のソフトで、1次傾き補正をした後に、平均面粗さRaを算出する。
本発明の実施例として測定した平均面粗さRaの測定結果である図23と、比較例の平均面粗さRaの測定結果である図26とを比較すると、全く異なる粗さの傾向を示していることがわかる。特に、図26からわかるように、比較例でのサンプル6の平均面粗さRaは非常に大きい一方で、サンプル6の実機特性は表5に示したように非常に良い。これらのことから、比較例の手法により測定した図26に示す平均面粗さRaでは、付着力のバラツキと実機特性とを予測できないことがわかる。
実験5と実験6との実験結果から、表面が単一のポリカーボネート樹脂からなる感光体表面の平均面粗さRaの分布状態からクリーニングブレードによる感光体表面のクリーニング性を判断する際には、平均面粗さRaを100[nm]以下の測定範囲で測定するのが望ましいことがわかる。
感光体表面が図27のようになっていれば、100[nm]以上の粗さであるRa1を測定するのではなく、100[nm]以下の粗さであるRa2を測定するのが望ましい。そのため、仮に、平均面粗さRaの測定範囲の条件が100[nm]以上の平均面粗さRaを測定される条件になっていたら、測定装置、または、測定条件を変えて、100[nm]以下の測定範囲で平均面粗さRaが測定できるようにする。
測定装置としては、図28に示すように原子間力顕微鏡のタッピング形状測定モードを用いて100[nm]以下の測定範囲で平均面粗さRaを測定できる測定装置を用いればよい。
また、図29に示すように100[nm]以下の測定範囲で平均面粗さRaを測定できるように、まず感光体表面上において大きめの領域で平均面粗さRaの測定を始める。そして、段階的に測定領域を狭めていきながら、100[nm]以下の測定範囲で平均面粗さRaを測定できる領域を測定条件として定める。
また、実験5の上記付着力計測条件で示したように、感光体表面とトナーとの付着力を原子間力顕微鏡を用いて測定する際にはカンチレバーの先端に粉体であるトナー1個体を取り付ける作業を行う必要があるため、その作業を行う手間や作業時間がかかる。これに対し、上記表面粗さ計測条件で示したように、原子間力顕微鏡を用いて感光体表面の粗さを測定する際にはカンチレバーの先端にトナー1個体を取り付ける必要がない。よって、感光体表面の平均面粗さRaの測定結果からクリーニングブレードによる感光体表面のクリーニング性を判断するほうが、感光体表面とトナーとの付着力からクリーニングブレードによる感光体表面のクリーニング性を判断するよりも、手間や作業時間をかけることなく簡易的にクリーニング性の判断を行うことができる。
以上、実施形態1及び2によれば、トナー回収ローラや感光体などの所定の部材と粉体1個体であるトナー1個体との間で生じる付着力を上記所定の部材の複数箇所にて測定し、その測定した付着力の度数分布の分布状態から上記所定の部材上における上記付着力の分布を判断する。例えば、上記度数分布のばらつき度合いが小さければ、上記所定の部材上における上記付着力は上記所定の部材上の何れの箇所においても同じような強さで分布していると判断する。逆に、上記度数分布のばらつき度合いが大きければ、上記所定の部材上における上記付着力は上記所定の部材上の箇所ごとに強さが大きく異なって分布していると判断する。このように上記所定の部材上における上記付着力の分布を判断することができることで、例えば次のような予測が可能となる。上記付着力が上記所定の部材上の何れの箇所においても同じような強さで分布していると判断することで、上記付着力が上記所定の部材上からトナーを除去可能な強さで分布していれば、上記所定の部材上の何れの箇所からもトナーが除去可能であると予測することが可能となる。また、上記付着力が上記所定の部材上の箇所ごとに強さが大きく異なって分布していると判断することで、上記所定の部材上に上記付着力が強すぎて上記所定の部材上からトナーを除去することができない箇所が存在する恐れがあると予測することが可能となる。よって、上記所定の部材上からトナーを良好に除去可能か否かを予測することができる。
また、実施形態1及び2によれば、上記分布状態は、上記測定した付着力の分散または標準偏差で表されるものである。これにより、上記測定した付着力の度数分布から上記測定した付着力の平均値に対するばらつき度合いを容易に把握することができる。
また、実施形態2によれば、上記分布状態は、所定の付着力における上記測定した付着力の累積度数または累積相対度数で表されるものである。これにより、上記所定の付着力以下に上記測定した付着力の度数がどれだけ集まっているのかを容易に把握することができる。
また、実施形態1及び2によれば、上記所定の部材上における上記付着力の分布の判断に上記測定した付着力の平均値も用いることで、より精度良く上記付着の傾向を判断することができる。
また、実施形態2によれば、上記所定の部材は画像形成装置に用いられる像担持体である感光体であり、上記平均値をX及び上記標準偏差または上記分散の平方根をYとしたとき、X/2Y>1.3を満たすことで、上記測定した付着力のばらつきが上記平均値に対して一定の範囲内におさまるので、上述したように優れた部材を判別することができる。
また、実施形態2によれば、上記所定の部材は被清掃部材から粉体を除去するブレードであり、上記平均値をX、上記標準偏差または上記分散の平方根をY、及び、上記粉体であるトナーとシリコン基板との付着力をZとしたとき、X<5Z[nN]、Y<5Z[nN]を満たすことで、上記測定した付着力のばらつきが上記平均値に対して一定の範囲内におさまるので、上述したように優れた部材を判別することができる。
また、実施形態2によれば、上記シリコン基板の表面粗さが1[nm]以下であることで、トナーとシリコン基板との間で生じる付着力の測定精度を高くすることができる。
また、実施形態2によれば、上記所定の付着力は、上記測定した付着力の平均値の1.5倍の付着力であり、上記所定の付着力における累積相対度数または上記測定した付着力の全度数に対する累積度数の割合が95[%]以上であることで、上記測定した付着力の度数分布における上記平均値に対する付着力が大きい方向のばらつきが一定の範囲内におさまるので、上述したように優れた部材を判別することができる。
また、実施形態1及び2によれば、上記付着力は、原子間力顕微鏡において深針先に取り付けたトナー1個体と上記所定の部材との付着力を測定したものである。これにより、トナー1個体と上記所定の部材との付着力を精度良く、また効率よく測定することができる。
また、実施形態1及び2によれば、上記粉体がトナーであることで、トナーが付着しにくい上記所定の部材などや、特定の上記所定の部材に対して付着しにくいトナーを判別することができる。
また、実施形態1及び2によれば、上記所定の部材は、少なくとも像担持体、帯電手段、現像手段及び転写手段を備えるプリンタや複写機などの画像形成装置に用いられるものである。特に機構上トナーとの接触が行われる像担持体、現像手段、中間転写体、クリーニング部やトナーの付着が望まれない帯電手段に本発明を用いることによりトナーが付着しにくい部材の判断をすることができ開発を効率的に行うことができるようになる。
また、実施形態1及び2によれば、上記トナーの粒径が、1[μm]以上20[μm]以下であることで、トナーが付着しにくい上記所定の部材や特定の上記所定の部材に対して付着しにくいトナーを高精度で判別することができる。
また、実施形態2によれば、画像形成装置に設けられる、潜像を担持する像担持体である感光体において、感光体表面上とトナー1個体との間で生じる付着力をローラ表面上の複数箇所にて測定し、その測定した付着力の平均値をX、及び、上記測定した付着力の標準偏差または分散の平方根をYとしたとき、X/2Y>1.3を満たすことで、例えば上述したようにクリーニング性が良好な感光体を提供することができる。
また、実施形態2によれば、画像形成装置に設けられる、潜像を担持する像担持体である感光体において、感光体表面上とトナー1個体との間で生じる付着力をローラ表面上の複数箇所にて測定し、その測定した付着力の平均値の1.5倍の付着力における上記測定した付着力の累積相対度数または上記測定した付着力の全度数に対する累積度数の割合が95[%]以上であることで、例えば上述したようにクリーニング性が良好な感光体を提供することができる。
また、各実施形態によれば、像を担持する像担持体である感光体と、上記像を形成する作像プロセス部などの像形成手段とを備えたプリンタや複写機などの画像形成装置において、上述した感光体を用いることで、感光体表面のクリーニングが良好に行われクリーニング不良に伴う異常画像が発生することなく、良好に画像形成を行うことができる。
また、実施形態2によれば、被清掃部材から粉体を除去する機能を有するブレードであるクリーニングブレードにおいて、係るブレードは、ブレード表面上と粉体であるトナー1個体との間で生じる付着力をブレード表面上の複数箇所にて測定して得られた粉体除去特性値である付着力の平均値、付着力の標準偏差又は分散の平方根、及び、トナーとシリコン基板との付着力で特定され、上記平均値をX、上記平方根をY、及び、トナーとシリコン基板との付着力をZとしたとき、X<5Z[nN]、Y<5Z[nN]を満たすことで、上述したようにクリーニング性が良好なクリーニングブレードを提供することができる。
また、実施形態1及び2によれば、被清掃部材をクリーニングするクリーニング装置において、上述したクリーニングブレードを用いることで、例えば被清掃部材として感光体表面のクリーニングを良好に行なうことができる。
また、実施形態1及び2によれば、被清掃部材である感光体と、感光体をクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、上記クリーニング手段として上述したクリーニングブレードを有するクリーニング装置を用いることにより、感光体表面のクリーニングが良好に行われクリーニング不良に伴う異常画像が発生することなく、良好に画像形成を行うことができる。
また、実施形態3によれば、感光体などの所定の部材の単一材質からなる表面に付着したトナーなどの粉体を粉体除去手段であるクリーニングブレードによって除去した際の上記表面の粉体除去特性であるクリーニング性を、上記表面の粗さ分布から判断することで、上述したように上記表面のクリーニング性を簡便に判断することができる。
また、実施形態3によれば、上記表面の平均面粗さを100[nm]以下の測定範囲で測定することで、上述したように、より精度良く上記表面のクリーニング性を簡易的に判断することができる。
また、実施形態3によれば、感光体表面上における1[μm]角の領域5箇所以上それぞれで平均面粗さRaを測定し、その測定結果がいずれも30[nm]以下であることで、上述したように感光体表面の粗さがミクロオーダーで均一になり上記付着力が均一となるので、クリーニング性が良好な感光体を提供することができる。
また、実施形態3によれば、感光体表面上における1[μm]角の領域5箇所以上それぞれで平均面粗さRaを測定し、その測定結果がいずれも1[nm]以上であることで、上記付着力に有効な範囲で感光体表面の粗さを均一化することにより、感光体の製造コスト上昇を抑えつつクリーニング性の良好な感光体を提供することができる。
(a)部材1の付着力の測定結果を示したグラフ。(b)部材2の付着力の測定結果を示したグラフ。(c)部材3の付着力の測定結果を示したグラフ。(d)部材4の付着力の測定結果を示したグラフ。 実施形態1に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタにおけるY用の作像プロセス部を示す拡大構成図。 トナー回収ローラの摩擦係数とクリーニング性能との関係示すグラフ。 付着力測定エリアを示した図。 感光体の感光層を示した図。 形状係数SF−1を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図。 中間転写体の縦断面図。 変形例に係るプリンタの概略構成図。 実施形態2に係る複写機の概略構成図。 感光体上に担持されたトナーの転写直前における帯電電位分布と、転写後に感光体上に残留した転写残トナーの帯電電位分布を示すグラフ。 感光体表面移動時のクリーニングブレードの説明図。 感光体上に担持されたトナーの転写後における帯電電位分布と、クリーニングブレードとの対向部を通過した転写残トナーの帯電電位分布を示すグラフ。 付着力画像データ。 付着力分布を示すグラフ。 単体試験機の一例を示した概略構成図。 帯電ローラの断面図。 非接触帯電方式の帯電装置の概略構成図。 使用状況A,B,Cの付着力分布を示すグラフ。 感光体表面とクリーニングブレードとの当接箇所近傍の模式図。 シリコン基板の表面粗さRaを示した画像データ。 ブレード1、ブレード2及びブレード3の付着力分布を示すグラフ。 各サンプルにおける原子間力顕微鏡で測定した平均面粗さの測定結果を示すグラフ。 各サンプルにおける付着力分布の測定結果を示すグラフ。 各サンプルにおける高付着力成分の割合を示すグラフ。 比較例における平均面粗さの測定結果を示すグラフ。 部材上の平均面粗さによる付着力への影響の有無の説明に用いた説明図。 平均面粗さ測定装置を適切な例と不適切な例とを示して説明した説明図。 平均面粗さの測定条件を適切な例と不適切な例とを示して説明した説明図。 粉体と部材A,Bの表面との間に生じる付着力の分布を表す概念図。 粉体と部材A,Cの表面との間に生じる付着力の分布を表す概念図。
符号の説明
1 作像プロセス部
2 感光体
4 帯電ローラ
5 光書込装置
6 現像装置
50 クリーニング装置
52 クリーニングブレード
53 クリーニングブラシ
54 トナー回収ローラ
57 トナー回収ローラ用クリーニングブレード
100 複写機
101 感光体
102 除電ランプ
103 帯電ローラ
106 現像装置
108 現像ローラ
115 転写ローラ
119 トナー排出スクリュ
120 クリーニング装置
122 クリーニングブレード
123 クリーニングブラシ
123a ブラシ回転軸
124 トナー回収ローラ
127 トナー回収ローラ用クリーニングブレード
128 回収電源
129 ブレード電源
130 ブラシ電源
131 ブラシ繊維
132 導電性材料
133 絶縁性材料
201 感光体
202 除電装置
203 帯電ローラ
204 露光装置
206 現像装置
215 転写ローラ
220 潤滑剤塗布ブラシ
225 潤滑剤
230 ブレード

Claims (24)

  1. 所定の部材と粉体1個体との間で生じる付着力を該所定の部材の複数箇所にて測定し、その測定した付着力の度数分布の分布状態から該所定の部材上における該付着力の分布を判断することを特徴とする付着力分布判断方法。
  2. 請求項1の付着力分布判断方法において、
    上記分布状態は、上記測定した付着力の分散または標準偏差で表されるものであることを特徴とする付着力分布判断方法。
  3. 請求項1の付着力分布判断方法において、
    上記分布状態は、所定の付着力における上記測定した付着力の累積度数または累積相対度数で表されるものであることを特徴とする付着力分布判断方法。
  4. 請求項2の付着力分布判断方法において、
    上記所定の部材上における該付着力の分布の判断に上記測定した付着力の平均値も用いることを特徴とする付着力分布判断方法。
  5. 請求項4の付着力分布判断方法において、
    上記所定の部材は画像形成装置に用いられる像担持体であり、
    上記平均値をX及び上記標準偏差または上記分散の平方根をYとしたとき、X/2Y>1.3を満たすことを特徴とする付着力分布判断方法。
  6. 請求項4の付着力分布判断方法において、
    上記所定の部材は被清掃部材から粉体を除去するブレードであり、
    上記平均値をX、上記標準偏差または上記分散の平方根をY、及び、上記粉体とシリコン基板との付着力をZとしたとき、X<5Z[nN]、Y<5Z[nN]を満たすことを特徴とする付着力分布判断方法。
  7. 請求項6の付着力分布判断方法において、
    上記シリコン基板の表面粗さが1[nm]以下であることを特徴とする付着力分布判断方法。
  8. 請求項3の付着力分布判断方法において、
    上記所定の付着力は、上記測定した付着力の平均値の1.5倍の付着力であり、
    上記累積相対度数または該測定した付着力の全度数に対する上記累積度数の割合が95[%]以上であることを特徴とする付着力分布判断方法。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7または8の付着力分布判断方法において、
    上記付着力は、原子間力顕微鏡において深針先に取り付けた上記粉体1個体と上記所定の部材との付着力を測定したものであることを特徴とする付着力分布判断方法。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の付着力分布判断方法において、
    上記所定の部材は、少なくとも像担持体、帯電手段、現像手段及び転写手段を備える画像形成装置に用いられるものであることを特徴とする付着力分布判断方法。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の付着力分布判断方法において、
    上記粉体はトナーであることを特徴とする付着力分布判断方法。
  12. 請求項11の付着力分布判断方法において、
    上記トナーの粒径が、1[μm]以上20[μm]以下であることを特徴とする付着力分布判断方法。
  13. 画像形成装置に設けられる、像を担持する像担持体において、
    像担持体表面上と粉体1個体との間で生じる付着力を該像担持体表面上の複数箇所にて測定し、その測定した付着力の平均値をX、及び、該測定した付着力の標準偏差または分散の平方根をYとしたとき、X/2Y>1.3を満たすことを特徴とする像担持体。
  14. 画像形成装置に設けられる、像を担持する像担持体において、
    像担持体表面上と粉体1個体との間で生じる付着力を該像担持体表面上の複数箇所にて測定し、その測定した付着力の平均値の1.5倍の付着力における該測定した付着力の累積相対度数または該測定した付着力の全度数に対する累積度数の割合が95[%]以上であることを特徴とする像担持体。
  15. 像を担持する像担持体と、
    該像を形成する像形成手段とを備えた画像形成装置において、
    該像担持体として請求項13または14の像担持体を用いることを特徴とする画像形成装置。
  16. 被清掃部材から粉体を除去する機能を有するブレードにおいて、
    係るブレードは、ブレード表面上と粉体1個体との間で生じる付着力を該ブレード表面上の複数箇所にて測定して得られた粉体除去特性値である付着力の平均値、付着力の標準偏差又は分散の平方根、及び、該粉体とシリコン基板との付着力で特定され、該平均値をX、該平方根をY、及び、該粉体とシリコン基板との付着力をZとしたとき、X<5Z[nN]、Y<5Z[nN]を満たすことを特徴とするブレード。
  17. 請求項16のブレードにおいて、
    上記シリコン基板の表面粗さが1[nm]以下であることを特徴とするブレード。
  18. 被清掃部材をクリーニングするクリーニング装置において、
    請求項16または17のブレードを有することを特徴とするクリーニング装置。
  19. 被清掃部材と、
    該被清掃部材をクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、
    該クリーニング手段として請求項18のクリーニング装置を有することを特徴とする画像形成装置。
  20. 所定の部材の単一材質からなる表面に付着した粉体を粉体除去手段によって除去した際の該表面の粉体除去特性を、該表面の粗さ分布から判断することを特徴とする粉体除去特性判断方法。
  21. 請求項20の粉体除去特性判断方法において、
    上記表面の平均面粗さを100[nm]以下の測定範囲で測定することを特徴とする粉体除去特性判断方法。
  22. 画像形成装置に設けられる、像を担持する像担持体において、
    像担持体表面上における1[μm]角の領域5箇所以上それぞれで平均面粗さを測定し、その測定結果がいずれも30[nm]以下であることを特徴とする像担持体。
  23. 請求項22の像担持体において、
    上記像担持体表面上における1[μm]角の領域5箇所以上それぞれで平均面粗さを測定し、その測定結果がいずれも1[nm]以上であることを特徴とする像担持体。
  24. 像を担持する像担持体と、
    該像を形成する像形成手段とを備えた画像形成装置において、
    該像担持体として請求項22または23の像担持体を用いることを特徴とする画像形成装置。
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