JP2009186116A - ヒートポンプ式給湯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートポンプ冷媒回路の冷媒の冷熱を有効に利用して、省エネルギーを図る。
【解決手段】蒸発器による吸熱作用を利用して氷を生成する蓄熱タンクと、蒸発器内の液冷媒が供給される利用側熱交換器と、蒸発器を、ヒートポンプ冷媒回路の蒸発器以外の部分から分離するための分離手段と、蒸発器を分離手段により分離した状態で、蒸発器内の液冷媒を利用側熱交換器に循環搬送するための搬送手段とを備え、搬送手段は、複数の冷媒タンクを有し、冷媒タンク内に蒸発器内の液冷媒を貯留する動作と、冷媒タンク内に液冷媒を貯留した後、貯湯タンク内の湯の熱により液冷媒を蒸発させ、それによって生じる圧力により、冷媒タンク内の液冷媒を押し出し、利用側熱交換器に供給する動作とを各冷媒タンクについて交互に実行することにより、連続的に利用側熱交換器に液冷媒を循環搬送する。
【選択図】図1

Description

本発明は、貯湯タンク内の水をヒートポンプ冷媒回路の熱交換器に循環させることにより、貯湯タンク内に湯を貯留するヒートポンプ式給湯装置に関するものである。
従来よりこの種ヒートポンプ式給湯装置は、湯を貯留可能な貯湯タンクを有する貯湯タンクユニットと、圧縮機、熱交換器、膨張弁等の減圧装置及び蒸発器とを配管接続することによりヒートポンプ冷媒回路が構成されたヒートポンプユニットから成る。上記熱交換器は、貯湯タンクユニットの貯湯タンク内からの水と、ヒートポンプユニットの冷媒回路を流れる冷媒とが熱交換可能に構成されている。そして、貯湯タンクの水を熱交換器に循環させ、そこで熱交換器を流れる圧縮機からの高温高圧の冷媒と熱交換させる。熱交換器にて冷媒から熱を奪って加熱され、高温の湯となった水を貯湯タンクに戻して、当該貯湯タンク内に貯留するものであった。
また、熱交換器にて水に熱を奪われて放熱した冷媒は、膨張弁(減圧装置)で減圧され、その状態で蒸発器に流入する。蒸発器に流入した冷媒は、当該蒸発器にて周囲の空気から吸熱し、蒸発した後、圧縮機に吸い込まれて、再び、圧縮されるサイクルを繰り返す(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−255820号公報
ところで、上記のようなヒートポンプ式給湯装置では、熱交換器にて冷媒が水と熱交換し、その際に水から奪った冷熱は、利用されることなく蒸発器にてそのまま外気に廃棄されていた。
そこで、本発明はヒートポンプ式給湯装置において、ヒートポンプ冷媒回路の冷媒の冷熱を有効に利用して、省エネルギーを図ることを目的とする。
本発明のヒートポンプ式給湯装置は、圧縮機、冷媒対水熱交換器及び蒸発器を有して構成されたヒートポンプ冷媒回路と、湯を貯留可能とした貯湯タンクとを備え、この貯湯タンク内の水を冷媒対水熱交換器に循環させることにより、貯湯タンク内に湯を貯留するものであって、蒸発器による吸熱作用を利用して氷を生成する蓄熱タンクと、蒸発器内の液冷媒が供給される利用側熱交換器と、蒸発器を、ヒートポンプ冷媒回路の当該蒸発器以外の部分から分離するための分離手段と、蒸発器を分離手段により分離した状態で、当該蒸発器内の液冷媒を利用側熱交換器に循環搬送するための搬送手段とを備え、この搬送手段は、複数の冷媒タンクを有し、冷媒タンク内に蒸発器内の液冷媒を貯留する動作と、当該冷媒タンク内に液冷媒を貯留した後、貯湯タンク内の湯の熱により液冷媒を蒸発させ、それによって生じる圧力により、当該冷媒タンク内の液冷媒を押し出し、利用側熱交換器に供給する動作とを各冷媒タンクについて交互に実行することにより、連続的に利用側熱交換器に液冷媒を循環搬送することを特徴とする。
請求項2の発明のヒートポンプ式給湯装置は、上記発明において搬送手段は、各冷媒タンクにそれぞれ連通して当該冷媒タンクよりも小容量の加圧タンクを有し、蒸発器内の液冷媒を当該加圧タンク内に供給し、貯湯タンク内の湯の熱により当該加圧タンクを加熱することにより、冷媒タンクより液冷媒を押し出すための圧力を生成することを特徴とする。
請求項3の発明のヒートポンプ式給湯装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において各冷媒タンクは、蓄熱タンクよりも低い位置に配置されていることを特徴とする。
蒸発器による吸熱作用を利用して氷を生成する蓄熱タンクと、蒸発器内の液冷媒が供給される利用側熱交換器と、蒸発器を、ヒートポンプ冷媒回路の当該蒸発器以外の部分から分離するための分離手段と、蒸発器を分離手段により分離した状態で、当該蒸発器内の液冷媒を利用側熱交換器に循環搬送するための搬送手段とを備え、この搬送手段は、複数の冷媒タンクを有し、冷媒タンク内に蒸発器内の液冷媒を貯留する動作と、当該冷媒タンク内に液冷媒を貯留した後、貯湯タンク内の湯の熱により液冷媒を蒸発させ、それによって生じる圧力により、当該冷媒タンク内の液冷媒を押し出し、利用側熱交換器に供給する動作とを各冷媒タンクについて交互に実行することにより、連続的に利用側熱交換器に液冷媒を循環搬送するので、当該利用側熱交換器にて冷媒の吸熱作用を利用することができるようになる。
これにより、ヒートポンプ式給湯装置において従来廃棄されていた冷熱を有効利用することができるようになり、省エネルギーを図ることができる。特に、冷媒の搬送に貯湯タンク内の湯の熱を利用することで、冷媒を効率良く搬送することができる。また、電気料金の安い時間帯、例えば、夜間電力を利用して給湯運転を行うものとすれば、電気の安い夜間に貯留したお湯を日中の液冷媒搬送のエネルギー源として利用可能となり、平準化とランニングコストの削減にも寄与できる。
また、請求項2の発明の如く搬送手段は、各冷媒タンクにそれぞれ連通して当該冷媒タンクよりも小容量の加圧タンクを有し、蒸発器内の液冷媒を当該加圧タンク内に供給し、貯湯タンク内の湯の熱により当該加圧タンクを加熱することにより、冷媒タンクより液冷媒を押し出すための圧力を生成するものとすれば、液冷媒を押し出すための圧力を効果的に作り出すことが可能となる。この場合、圧力は小容量の液冷媒の蒸発で作り出すことができるので、冷媒タンク全体を加熱する場合に比べて、熱効率が良くなる。
更に、請求項3の発明の如く各冷媒タンクを、蓄熱タンクよりも低い位置に配置することで、蓄熱タンク内の蒸発器から液冷媒を各冷媒タンクに高低差で流れ込ませることができる。これにより、冷媒タンクへの液冷媒の貯留を円滑にうことが可能となる。
本発明は、従来ヒートポンプ式給湯装置においてヒートポンプ冷媒回路を循環する冷媒が、貯湯タンクからの水の加熱時に水から奪って、蒸発器にて廃棄していた冷熱を有効に利用して、省エネルギーを図ることを目的として成されたものである。係る熱を有効利用して、省エネルギーに寄与するという目的を、蒸発器による吸熱作用を利用して氷を生成する蓄熱タンクと、蒸発器内の液冷媒が供給される利用側熱交換器と、蒸発器を、ヒートポンプ冷媒回路の当該蒸発器以外の部分から分離するための分離手段と、蒸発器を分離手段により分離した状態で、当該蒸発器内の液冷媒を利用側熱交換器に循環搬送するための搬送手段とを備え、この搬送手段は、複数の冷媒タンクを有し、冷媒タンク内に蒸発器内の液冷媒を貯留する動作と、当該冷媒タンク内に液冷媒を貯留した後、貯湯タンク内の湯の熱により液冷媒を蒸発させ、それによって生じる圧力により、当該冷媒タンク内の液冷媒を押し出し、利用側熱交換器に供給する動作とを各冷媒タンクについて交互に実行することにより、利用側熱交換器に液冷媒を循環搬送することを実現した。以下、本発明の実施の形態を詳述する。
図1は、本発明を適用したヒートポンプ式給湯装置の一実施例の全体構成図である。本実施例のヒートポンプ式給湯装置Hは、ヒートポンプユニット10を有する室外機ユニット20と、貯湯タンクユニット30と、利用側ユニット80とにより構成されている。
ヒートポンプユニット10は、圧縮機11、冷媒対水熱交換器12、減圧手段としての膨張弁13、蒸発器14及び蒸発器15とを備え、これらを配管接続することによりヒートポンプ冷媒回路が構成されている。即ち、圧縮機11の冷媒吐出側(出口側)には、冷媒吐出管16の一端が接続されており、この冷媒吐出管16の他端は後述する冷媒対水熱交換器12の一側(加熱部12Aの冷媒入口側)に接続されている。また、圧縮機11の冷媒吸込側(入口側)には、冷媒導入管19が接続されている。そして、冷媒対水熱交換器12の他側(即ち、加熱部12Aの出口側)には膨張弁13に至る冷媒配管17が接続されている。
また、膨張弁13の出口側に接続された冷媒配管18は二股に分岐して、その一方の配管18Aは蒸発器14の入口に接続されている。この蒸発器14はファン14Fから送風される外気から熱を奪って冷媒を蒸発する空冷方式の熱交換器である。当該蒸発器14の出口は冷媒配管19Aを介して圧縮機11の冷媒導入管19に接続されている。一方、冷媒配管18から分岐した他方の配管18Bは蒸発器15の入口に接続されている。この蒸発器15は蓄熱タンク50内に設けられ、当該蓄熱タンク50内に貯留された水と交熱的に設けられた配管から構成されている。この蒸発器15を通過する過程で、冷媒は蓄熱タンク50内の水から熱を奪って蒸発する。即ち、当該蒸発器15は蓄熱タンク50内の水から熱を奪って蒸発する水冷方式の熱交換器である。
当該蒸発器15の出口は冷媒配管19Bを介して圧縮機11の冷媒導入管19に接続されている。また、冷媒配管19Bの途中部には電磁弁19Vが介設されている。この場合、各蒸発器14、15は冷媒回路に並列に設けられたものであって、各蒸発器14、15への冷媒の流入が各蒸発器14、15の入口側に接続された冷媒配管18A、18Bの途中部に介設された電磁弁14V、15V及び上記配管19Bの途中部に介設された電磁弁19Vの動作により制御されている。
例えば、蒸発器15にて冷媒を蒸発させる場合には、ヒートポンプユニット10の膨張弁13にて減圧された冷媒を蒸発器15に流すようにコントローラCにて電磁弁14V、15V、19Vが制御される。即ち、コントローラCにより電磁弁14Vが全閉とされ、電磁弁15V及び電磁弁19Vが開放される。これにより、冷媒が圧縮機11から冷媒対水熱交換器12、膨張弁13、蒸発器15に順次流れた後、再び圧縮機11に戻るサイクルを繰り返すこととなる。
一方、蒸発器14にて冷媒を蒸発させる場合には、膨張弁13にて減圧された冷媒を蒸発器14に流すようにコントローラCにて電磁弁14V、15Vが制御される。即ち、コントローラCにより電磁弁14Vが開放され、電磁弁15Vと電磁弁19Vが全閉される。これにより、冷媒が圧縮機11から冷媒対水熱交換器12、膨張弁13、蒸発器14に順次流れた後、再び圧縮機11に戻るサイクルを繰り返すこととなる。尚、上記コントローラCは、ヒートポンプ式給湯装置Hの制御を司る制御手段である。
このヒートポンプ冷媒回路には、二酸化炭素が冷媒として用いられる。この二酸化炭素冷媒は、圧縮機11にて超臨界圧力まで圧縮されて、冷媒対水熱交換器12の加熱部12Aに送られる。超臨界状態で加熱部12に流入した冷媒により冷媒対水熱交換器12の被加熱部12Bを流れる水を+90℃以上の高温に加熱することができる。
上述した冷媒対水熱交換器12は、ヒートポンプ冷媒回路を流れる圧縮機11から出た高温高圧の冷媒と貯湯タンクユニット30の温水生成回路を流れる水とを熱交換させるための熱交換器である。具体的に、実施例の冷媒対水熱交換器12は、冷媒が流れる加熱部12Aと、貯湯タンクユニット30の水が流れる被加熱部12Bとが熱交換関係に一体化されたものであって、加熱部12Aを流れる冷媒と被加熱部12Bを流れる水の流れが対向流となるよう構成されている。
上記貯湯タンクユニット30は、湯を貯留する貯湯タンク31を備える。この貯留タンク31は、前記冷媒対水熱交換器12にて冷媒と熱交換して加熱された湯を貯留可能とした縦長円筒状を呈するタンクである。当該貯湯タンク31の下端には、温水生成回路の配管32が接続されている。この配管32は、貯湯タンク31内の下部にて一端が開口すると共に、他端が冷媒対水熱交換器12の他側(即ち、被加熱部12Bの水入口側)に接続されており、当該配管32から貯湯タンク31内の水が取り出し可能に構成されている。冷媒対水熱交換器12の一側(即ち、被加熱部12Bの水出口側)には、配管33が接続されている。また、貯湯タンク31の上方の側面には、温水生成回路の配管36が接続され、配管36の一端が貯湯タンク31内の上部にて開口している。配管36の他端は三方弁35の一方の出口に接続されている。更に、貯湯タンク31の高さ方向(上下方向)の略中心付近の側面には、配管37が接続され、一端が貯湯タンク31内の略中心部にて開口すると共に、他端が三方弁35の他方の出口に接続されている。
上記三方弁35は、前記冷媒対水熱交換器12の被加熱部12Bの水出口側に接続された配管33からの水、即ち、冷媒対水熱交換器12の被加熱部12Bを通過して当該熱交換器12にて冷媒により加熱され、高温となった湯を貯湯タンク31内の上方に戻すか、高さ方向の中心付近に戻すかを切り換えるための流路切換手段である。通常、湯の生成(給湯運転)が行われる場合には、配管33からの湯が配管36を介して貯湯タンク31内の上方に戻るように、三方弁35が切り換えられる。尚、風呂の浴槽内の湯の追い炊き運転などの際に、配管33からの湯が配管37を介して貯湯タンク31に戻るように三方弁35が切り換えられる。
本実施例では、上述する貯湯タンク31、配管32、冷媒対水熱交換器12、配管33、三方弁35、配管36及び配管37により温水生成回路が構成されている。また、配管32には当該温水生成回路への水の循環を制御するための弁装置32Vが介設されている。即ち、温水生成回路は、弁装置32Vの開動作により貯湯タンク31内の下部の水を貯湯タンク31内から取り出して、冷媒対水熱交換器12に供給した後、貯湯タンク31内の上部、或いは、高さ方向の略中心部に戻すよう構成されている。
尚、図1において、33Vは逆止弁、38は貯湯タンク31内への給水を行うための給水配管であり、この給水配管38の一端が貯湯タンクの下端に接続され、他端は水道水などの給水源に接続されている。また、39は貯湯タンク31内の湯を取り出すための温水取出配管である。この温水取出配管39は貯湯タンク31の上端に接続され、当該貯湯タンク31内上部にて一端が開口している。この温水取出配管39は貯湯タンク31の外部に延出した後、分岐して、そのうちの一方が風呂やシャワー等の蛇口に接続されている。これにより、貯湯タンク31内の湯が家庭用水として使用可能に構成されている。また、温水取出配管39から分岐した他方の配管(搬送配管70)は後述する液搬送ユニット60に接続されており、これによって、貯湯タンク31内の湯が各冷媒タンク61、62内の液冷媒を蒸発させるための熱源として利用可能に構成されている。
また、前述した蓄熱タンク50は、内部に設けられた蒸発器15の吸熱作用を利用して氷を生成するものである。即ち、蓄熱タンク50内には水等の液体(実施例では水)が貯留されている。そして、蒸発器15を流れる冷媒が蒸発するときに周囲の水から熱を奪うため、これにより、蓄熱タンク50内に氷が生成されるのである。
ところで、前述した配管18Bの電磁弁15Vの出口側には、液搬送ユニット60の冷媒配管66の他端が接続されている。当該液搬送ユニット60は、蒸発器15内の液冷媒を利用側熱交換器82に循環搬送するための搬送手段であり、前記ヒートポンプユニット10及び蓄熱タンク50と共に室外機ユニット20を構成する。
液搬送ユニット60は、複数(実施例では2つ)の冷媒タンク61、62と、冷媒タンク61、62と同数(実施例では2つ)の加圧タンク64、65などから構成されている。冷媒タンク61、62及び加圧タンク64、65は、前記蓄熱タンク50よりも低い位置に設置されており、当該蓄熱タンク50の蒸発器15内の液冷媒が係る高低差を利用して流入可能に構成されている。この場合、冷媒タンク61の上端には配管66が接続され、この配管66の一端が冷媒タンク61内の上部にて開口している。配管66は、当該冷媒タンク61内にて開口する一端から冷媒タンク61を出て加圧タンク64、電磁弁64Vを順次経た後、他端は冷媒配管18Bの途中部であって、前記電磁弁15Vの出口側に接続されている。
また、冷媒タンク62の上端には配管67が接続されている。この冷媒配管67は、冷媒タンク62内の上部にて開口する一端から冷媒タンク62を出て加圧タンク65、電磁弁65Vを順次経た後、他端は上記冷媒配管66の電磁弁64V入口側に接続されている。そして、各冷媒タンク61、62の入口側に設けられた加圧タンク64、65は、各冷媒タンク61、62に連通すると共に、各タンク61、62より小容量とされている。この加圧タンク64、65は蒸発器15からの液冷媒の一部を貯留可能に構成されているが、タンクの容量が少ないため、多くの液冷媒はその出口側に接続された各冷媒タンク61、62に流れることとなる。また、各加圧タンク64、65は貯湯タンク31内からの湯により加熱可能に構成されている。
具体的に、本実施例では貯湯タンク31の上部に接続された湯水取出配管39の他端に搬送配管70の一端が接続され、この搬送配管70の他端が三方弁75の入口に接続されている。三方弁75は貯湯タンク31からの湯を加圧タンク64側に流すか、加圧タンク65側に流すかを制御する流路制御手段であり、コントローラCに接続されて動作が制御されている。また、搬送配管70の途中部には湯水取出配管39からの湯を液搬送ユニット60(三方弁75側)に流すためのポンプ70Pが設けられている。
この場合、三方弁75の一方の出口に接続された配管72は途中部(加熱部72A)が加圧タンク64を加熱可能に配設されている。また、三方弁の他方の出口には配管73が接続され、この配管73の途中部(加熱部73A)が加圧タンク65を加熱可能に設けられている。そして、コントローラCにより、搬送配管70と配管72とが連通するよう三方弁75が制御されると、貯湯タンク31からの湯が配管72に入り、加熱部72Aを流れることとなる。一方、搬送配管70と配管73とが連通するよう三方弁75が制御されると、貯湯タンク31からの湯が配管73に入り、加熱部73Aを流れることとなる。具体的な動作は後に詳述する。
前記冷媒タンク61の下端には該冷媒タンク61から液冷媒を取り出すための配管68が接続されている。この配管68は冷媒タンク61内の下端にて一端が開口すると共に、他端は利用側ユニット80の利用側熱交換器82の入口に接続されている。配管68には、冷媒タンク61内から取り出される冷媒の温度を検出するための温度センサTS1と、、利用側熱交換器82側を正方向とする逆止弁68Vが設置されている。この逆止弁68Vにより配管68から冷媒タンク61内に冷媒が逆流する不都合を未然に回避することができる。また、冷媒タンク62の下端には当該冷媒タンク62から液冷媒を取り出すための配管69が接続されている。配管69の一端は冷媒タンク62内の下端にて開口し、他端は前記利用側熱交換器82に至る配管68の途中部に接続されている。この配管69の他端の接続部は、前記逆止弁68Vの出口側に位置している。また、配管69には冷媒タンク62内から取り出される冷媒の温度を検出するための温度センサTS2と、配管69から冷媒タンク62内への冷媒の逆流を防ぐための逆止弁69Vが設けられている。尚、上記各温度センサTS1、TS2はコントローラCに接続されている。
前述した利用側熱交換器82は、前記液搬送ユニット60にて搬送される液冷媒を蒸発させて、その時発生する吸熱作用を室内の冷房や食品等の冷却に使用するものである。本実施例の利用側熱交換器82は室内に設置され、係る冷媒の吸熱作用により室内を冷房する空気調和機とする。利用側熱交換器82の出口側には配管85の一端が接続されている。この配管85の途中部には電磁弁85Vが介設されている。また、他端は前記配管19Bの途中部であって、電磁弁19Vの入口側に接続されている。尚、コントローラCは、ヒートポンプ式給湯装置Hの制御を司る制御手段であり、各電磁弁の開閉動作等を制御している。更に、液搬送ユニット60の運転時において、コントローラCは後述する温度センサTS1、TS2にて検出される冷媒温度に基づき、三方弁75及び電磁弁64V、65Vを制御する。具体的な制御動作は後の動作説明にて詳述する。
以上の構成で、次に、ヒートポンプ式給湯装置Hの動作を説明する。始めに、ヒートポンプ式給湯装置Hの給湯運転について説明する。本実施例のヒートポンプ式給湯装置Hは、夜間電力を利用することにより湯を生成するものである。即ち、ヒートポンプ式給湯装置Hにおいて、給湯運転は通常電気の使用量が一日のうちでもっとも少ない夜間に夜間電力を利用して実行される。例えば、コントローラCは、タイマー機能を備えており、予め設定された所定の時間になると、係る給湯運転を開始するものとする。先ず、従来の給湯運転、即ち、蒸発器14に冷媒を流して、冷熱を外気に放出する場合の運転動作について説明する。
コントローラCにより電磁弁14Vが開放され、電磁弁15Vが閉じられると共に、圧縮機11が起動される。このとき、電磁弁19はコントローラCにより閉じられた状態である。圧縮機11が起動されると、冷媒導入管19から圧縮機11に低温低圧の冷媒ガスが吸い込まれ、当該圧縮機11で圧縮される。この圧縮機11における圧縮動作により二酸化炭素冷媒は超臨界状態まで圧縮され、この状態で冷媒対水熱交換器12の加熱部12Aに流入する。また、上記圧縮機11の起動と同時にコントローラCは貯湯タンクユニット30の弁装置32Vを開放すると共に、配管33からの水が配管36に流れるように三方弁35を制御する。これにより、貯湯タンク31の下部に貯留された低温の水が当該貯湯タンク31から取り出され、配管32、冷媒対水熱交換器12の被加熱部12B、配管33、三方弁35を順次経て配管36から貯湯タンク31内上部に戻るサイクルを繰り返す。
一方、冷媒対水熱交換器12の加熱部12Aに流入した高温高圧の冷媒は、当該加熱部12Aと交熱的に設けられた被加熱部12Bを流れる水と熱交換して放熱する。このとき、当該冷媒対水熱交換器12に流入した冷媒は温度が略+100℃まで上昇しており、当該熱交換器12において被加熱部12Bを流れる水を高温に加熱することができる。冷媒により加熱された水(湯)は冷媒対水熱交換器12を出た後、上述したように配管33、三方弁35に至る。このとき、三方弁35はコントローラCにより配管33からの水(湯)が配管36に流れるように流路が切り替えられているので、水は三方弁35を経て配管36に入り、そこから貯湯タンク31内上部に戻るサイクルを繰り返す。
このような給湯運転を継続して行うことで、貯湯タンク31内は高温の湯の層が上部から中間部、更には、下部へと移り、最終的に貯湯タンク31内全体を高温の湯で満たすことができる。そして、貯湯タンク31に貯留された湯は前述したように温水取出配管39から取り出され、風呂やシャワー、或いは、後述する液冷媒の搬送用の湯として使用される。風呂やシャワー等の家庭用水として使用される場合には、温水取出配管39から取り出された高温の湯は必要に応じて給水配管38からの水と混合され、所定の温度(例えば、+38℃)に調整された後、風呂やシャワーなどに供給される。尚、上述した夜間電力を利用した給湯運転に限らず、貯湯タンク31内の湯が所定量より少なくなった場合にも、給水配管38から貯湯タンク31内に水道水が供給され、上述した給湯運転が実行されるものとしても差し支えない。
他方、冷媒対水熱交換器12において冷媒自体は冷却されて当該熱交換器12から流出し、膨張弁13にて減圧される。このとき、前述したようにコントローラCにより電磁弁14Vが開放され、電磁弁15Vが閉じられているので、膨張弁13から出た冷媒は、全て電磁弁14Vを経て蒸発器14に至り、そこで、ファン14Fにて送風される外気と熱交換する。即ち、冷媒は外気から吸熱することにより蒸発する。その後、冷媒は蒸発器14から出て配管19A、冷媒導入管19を経て圧縮機11に吸い込まれるサイクルを繰り返す。
ところで、上述した従来の給湯運転では、冷媒対水熱交換器12にて冷媒が水と熱交換し、その際に水から奪った冷熱は、利用されることなく蒸発器14にてそのまま外気に廃棄されていた。そこで、本発明ではこの冷熱を有効に利用するため、給湯運転時に外気に廃棄されていた冷熱を廃棄することなく、蓄熱する蓄熱動作を行うものとし、この蓄えられた冷熱を後に有効利用するものとする。具体的に、冷媒を前述した蓄熱タンク50内の蒸発器15に流し、そこで蒸発させることにより、蒸発器15による吸熱作用を利用して蓄熱タンク50内に氷を生成することで、冷媒対水熱交換器12にてヒートポンプユニット30の温水生成回路を流れる水から奪った冷熱を当該蓄熱タンク50内に貯えるものとする。また、蓄熱タンク50内に氷の形で蓄えられた冷熱を給湯運転が行われていない昼間に室内の冷房や冷凍庫や冷蔵庫などの冷却に使用するものとする。本実施例では上述したように蓄熱を室内の冷房に利用するものとする。即ち、当該給湯運転は夜間に実行されるため、夜間の給湯運転にて蓄えられた冷熱を昼間の冷房運転に利用することが可能となる。次に、この給湯運転時の蓄熱動作について具体的に説明する。尚、本実施例のように冷熱を室内の冷房に利用する場合には、冬季など、冷房を必要としない場合には、上述したように蒸発器14に冷媒を流して外気に冷熱を廃棄する通常の給湯運転を行うものとする。
先ず、コントローラCにより電磁弁14Vが閉じられ、電磁弁15Vが開放される。このとき、電磁弁19VはコントローラCにより閉じられた状態のままである。また、コントローラCは圧縮機11の運転を開始する。これにより、冷媒導入管19から圧縮機11に低温低圧の冷媒ガスが吸い込まれ、当該圧縮機11で圧縮される。この圧縮機11における圧縮動作により二酸化炭素冷媒は超臨界状態まで圧縮され、この状態で冷媒対水熱交換器12の加熱部12Aに流入する。また、上記圧縮機11の起動と同時にコントローラCは貯湯タンクユニット30の弁装置32Vを開放すると共に、配管33からの水が配管36に流れるように三方弁35を制御する。尚、貯湯タンクユニット30における温水生成動作は前記通常の給湯運転と同様であるためここでは説明を省略する。
冷媒対水熱交換器12の加熱部12Aに流入した高温高圧の冷媒は、当該加熱部12Aと交熱的に設けられた被加熱部12Bを流れる水と熱交換して放熱する。その後、冷媒対水熱交換器12から流出した冷媒は、膨張弁13を通過して減圧される。このとき、上述したようにコントローラCにより電磁弁14Vが閉じられて、電磁弁15Vが開放されているので、膨張弁13から出た冷媒は、蒸発器14に流れることなく、全て電磁弁15Vを経て蓄熱タンク50内に設けられた蒸発器15に流入する。
この蒸発器15に流入した冷媒は、当該蒸発器15周囲の水と熱交換する。即ち、冷媒は蓄熱タンク50内の水から吸熱することにより蒸発する。このとき、冷媒と熱交換することにより蓄熱タンク50内の水が熱を奪われる。
一方、蒸発器15にて蒸発した冷媒は、その後、蒸発器15から出て配管19B、冷媒導入管19を介して圧縮機11に吸い込まれるサイクルを繰り返す。このような運転動作を継続することで、蓄熱タンク50内の水は徐々に温度低下して、最終的に氷となる。これにより、蒸発器15による吸熱作用を利用して蓄熱タンク50内に氷を生成することができる。
次に、蓄熱タンク50内に氷として貯えられた冷熱の利用動作について図2乃至図5を用いて説明する。本実施例では、上述したように給湯運転時に蓄熱タンク50内に貯えられた冷熱を利用して室内の冷房を行う。この場合、蒸発器15をヒートポンプユニット10のヒートポンプ冷媒回路の蒸発器15以外の部分から分離し、この分離した状態で蒸発器15内の冷媒(液冷媒)を利用側熱交換器82に搬送するものとする。これにより、当該利用側熱交換器82にて冷媒が外気(室内の空気)から加熱されて蒸発するので、このときに吸熱作用を発揮することとなる。
この運転では、液搬送ユニット60の冷媒タンク61、62の何れか一方から利用側熱交換器82に液冷媒が流れるように制御される。先ず、冷媒タンク61の液冷媒を利用側熱交換器82に流す場合について説明する。図2のステップS1に示すように冷房運転が開始されると、先ず、冷媒タンク61への液冷媒の注入が行われる。即ち、コントローラCは電磁弁64Vを開き、電磁弁65Vを閉じると共に、電磁弁15V及び電磁弁19Vを閉じる。これにより、蒸発器15がヒートポンプユニット10のヒートポンプ冷媒回路の蒸発器15以外の部分から分離される。即ち、本実施例では電磁弁15V及び電磁弁19Vが蒸発器15をヒートポンプユニット10のヒートポンプ冷媒回路の蒸発器15以外の部分から分離する分離手段となる。
上記のように蒸発器15が分離されると、蒸発器15内の冷媒は当該蒸発器15の周囲の氷(前記蓄熱動作により生成された氷)により冷却されて液冷媒となる。この液冷媒は、配管18Bから蒸発器15を出て配管66、加圧タンク64に流入し、一部が加圧タンク64に貯えられる。その他の冷媒は冷媒タンク61に流れて、当該冷媒タンク61内に貯留される。上記電磁弁64Vが開放されてから所定時間経過するか、或いは、冷媒タンク61に所定量の液冷媒が溜まると、コントローラCは、次に、図2のステップS2に移行する。このステップS2に入ると、コントローラCは、電磁弁64Vを閉じて、電磁弁65V及び電磁弁85Vを開く。これにより、冷媒タンク61への液冷媒の供給が停止される。そして、蒸発器15の液冷媒は、図3の実線矢印で示すように配管18B、配管66、配管67を介して加圧タンク65に入り、一部がこの加圧タンク65に貯えられ、その他の冷媒が冷媒タンク62に流れて、この冷媒タンク62内に貯留される。尚、図3において、実線矢印は冷媒の流れを示し、破線矢印は貯湯タンク31からの湯の流れを示している。
更に、ステップS2でコントローラCは上記電磁弁64V、65Vの動作と同時に、搬送配管70のポンプ70Pを起動すると共に、搬送配管70からの湯が配管72に流れるようにコントローラ三方弁75を切り換える。これにより、湯水取出配管39から取り出された貯湯タンク31内の高温の湯は、搬送配管70、三方弁75を経て配管72内に流入し、加圧タンク64に交熱的に配設された加熱部72Aに至る。
これにより、加圧タンク64に貯留された液冷媒が加熱部72Aを流れる貯湯タンク31からの高温の湯により加熱され、蒸発し、ガス冷媒となる。これにより、加圧タンク64内は圧力が上昇する。そして、蒸発して圧力上昇した冷媒ガスは、冷媒タンク61に流入する。係る冷媒ガスの圧力により、冷媒タンク61内に貯留された液冷媒は、冷媒タンク61の下端に接続された配管68から冷媒タンク61外部に吐出され、利用側熱交換器82に液輸送される。図5に示すAは利用側熱交換器82の入口における冷媒の状態を示している。この利用側熱交換器82にて冷媒は周囲の空気により加熱され、蒸発する。このとき、冷媒の吸熱作用により空気が冷却される。
利用側熱交換器82にて蒸発した冷媒は、当該利用側熱交換器82から出た後(図5に示すBの状態)、配管85を経て蓄熱タンク50内の蒸発器15に戻り(図5に示すCの状態)、そこで蓄熱タンク50内の氷により冷却され、凝縮して液冷媒に戻り(図5に示すDの状態)、配管19Bから流出するサイクルを繰り返す。尚、図5は本実施例の冷熱の利用動作における冷媒のp−h線図を示している。当該利用側熱交換器82における冷媒の蒸発温度は+11℃であり、蒸発器15での冷媒の凝縮温度は+4℃であった。
他方、上記運転を継続して行うことで、冷媒タンク61内の液の残量が少なくなると、冷媒タンク62内に貯留された液冷媒が利用側熱交換器82に流れるように制御される。係る制御動作は、温度センサTS1、TS2にて検出される冷媒温度により実行される。具体的に、図2のステップS3に示すようにコントローラCは温度センサTS1にて検出される冷媒タンク61から出た冷媒温度があらかじめ設定された所定の温度Tsetより低い場合には、冷媒タンク61内に液冷媒が充分に存在すると判断し、ステップS2に戻り前述したように利用側熱交換器82に冷媒タンク61内の液冷媒を流す動作を継続して実行する。
一方、ステップS3にて温度センサTS1にて検出される冷媒温度がTset以上となると、コントローラCは、冷媒タンク61内の液冷媒が少なくなった、即ち、液冷媒の残量が僅かとなり、加圧タンク64からの加圧用のガス冷媒が冷媒タンク61から配管68に流出して冷媒の温度上昇を来たしていると判断し、図2のステップS4に移行して、タンクの切り替え動作を実行する。
ステップS4にてコントローラCは、電磁弁64Vを開き、電磁弁65Vを閉じる(図2のステップS4−1に示す冷媒バルブ(実施例の電磁弁64V、65Vに相当)切り換え)。このとき、電磁弁85Vは開いたままの状態であり、搬送配管70のポンプ70Pも継続して運転するものとする。ステップS4−1の電磁弁64V、65の切り換え動作により、冷媒タンク62への液冷媒の供給が停止される。そして、図4に実線矢印で示すように蒸発器15の液冷媒は、配管18B、配管66を介して加圧タンク64に入り、一部がこの加圧タンク64に貯えられ、その他の冷媒が冷媒タンク61に流れて、この冷媒タンク61内に貯留される。尚、図4において、実線矢印は冷媒の流れを示し、破線矢印は貯湯タンク31からの湯の流れを示している。
更に、ステップS4でコントローラCは上記電磁弁64V、65Vの動作と同時に、搬送配管70からの湯が配管73に流れるようにコントローラ三方弁75を切り換える(図2のステップS4−2に示す温水バルブ(実施例の三方弁75に相当)切り換え)。そして、図2のステップS5にて冷房運転継続と判断されると、コントローラCは図2のステップS2に戻る。これにより、湯水取出配管39から取り出された貯湯タンク31内の高温の湯は、搬送配管70、三方弁75を経て配管73内に流入し、加圧タンク65に交熱的に配設された加熱部73Aに至る。
これにより、加圧タンク65に貯留された液冷媒が加熱部73Aを流れる貯湯タンク31からの高温の湯により加熱され、蒸発し、ガス冷媒となる。これにより、加圧タンク64内は圧力が上昇する。そして、蒸発して圧力上昇した冷媒ガスは、冷媒タンク61に流入する。係る冷媒ガスの圧力により、冷媒タンク61内に貯留された液冷媒は、冷媒タンク61の下端に接続された配管68から冷媒タンク61外部に吐出され、利用側熱交換器82に液輸送される(図5において冷媒はAの状態)。この利用側熱交換器82にて冷媒は周囲の空気に加熱され、蒸発する。このとき、冷媒の吸熱作用により空気が冷却される(冷媒の蒸発温度は前記同様に+11℃)。
利用側熱交換器82にて蒸発した冷媒は、当該利用側熱交換器82から出た後(図5に示すBの状態)、配管85を経て蓄熱タンク50内の蒸発器15に戻り(図5に示すCの状態)、そこで蓄熱タンク50内の氷により冷却され、凝縮して液冷媒に戻り(図5に示すDの状態であり、冷媒の凝縮温度は+4℃)、配管19Bから流出するサイクルを繰り返す。
このとき、図2のステップS3にてコントローラCは温度センサTS2にて検出される冷媒タンク62から出た冷媒温度があらかじめ設定された所定の温度Tsetより低い場合には、冷媒タンク62内に液冷媒が充分に存在すると判断し、ステップS2に戻り前述したように利用側熱交換器82に冷媒タンク62内の液冷媒を流す動作を継続して実行する。
一方、ステップS3にて温度センサTS2にて検出される冷媒温度がTset以上となると、コントローラCは、冷媒タンク62内の液冷媒が少なくなった、即ち、液冷媒の残量が僅かとなり、加圧タンク65からの加圧用のガス冷媒が冷媒タンク62から配管69に流出して冷媒の温度上昇を来たしていると判断し、図2のステップS4に移行して、タンクの切り替え動作を実行する。
ステップS4にてコントローラCは、電磁弁65Vを開き、電磁弁64Vを閉じる(図2のステップS4−1)。このとき、電磁弁85Vは開いたままの状態であり、搬送配管70のポンプ70Pも継続して運転するものとする。ステップS4−1の電磁弁64V、65の切り換え動作により、冷媒タンク61への液冷媒の供給が停止される。そして、蒸発器15の液冷媒は、配管18B、配管67を介して加圧タンク65に入り、一部がこの加圧タンク65に貯えられ、その他の冷媒が冷媒タンク62に流れて、この冷媒タンク62内に貯留される(前記図3同様)。
更に、ステップS4でコントローラCは上記電磁弁64V、65Vの動作と同時に、搬送配管70からの湯が配管72に流れるようにコントローラ三方弁75を切り換える(図2のステップS4−2)。そして、図2のステップS5にて係る冷房運転の継続と判断される場合には、コントローラCは図2のステップS2に戻る制御動作を繰り返す。尚、ステップS5にて冷房運転停止と判断されると、コントローラCにより搬送配管70のポンプ70Pが停止される。更に、電磁弁64V、65V、85Vが閉じられて、蒸発器15が液搬送ユニット60から分離される。
以上詳述したように、本発明によれば、冷媒タンク61、62内に蒸発器15内の液冷媒を貯留する動作と、当該冷媒タンク61、62内に液冷媒を貯留した後、貯湯タンク31内の湯の熱により液冷媒を蒸発させ、それによって生じる圧力により、当該冷媒タンク61、62内の液冷媒を押し出し、利用側熱交換器82に供給する動作とを各冷媒タンク61、62について交互に実行することにより、連続的に利用側熱交換器82に液冷媒を循環搬送するので、当該利用側熱交換器82にて冷媒の吸熱作用を利用することができる。
これにより、ヒートポンプ式給湯装置Hにおいて従来廃棄されていた冷熱を有効利用することができるようになり、省エネルギーを図ることができる。特に、冷媒の搬送に貯湯タンク31内の湯の熱を利用することで、効率良く冷媒を搬送することができる。また、本実施例の如く夜間電力を利用して給湯運転を行うものとすれば、電気の安い夜間に貯留したお湯を日中の液冷媒搬送のエネルギー源として利用可能となり、平準化とランニングコストの削減にも寄与できる。
更に、本実施例の如く各冷媒タンク61、62にそれぞれ連通して当該冷媒タンク61、62よりも小容量の加圧タンク64、65を有し、蒸発器15内の液冷媒を当該加圧タンク64、65内に供給し、貯湯タンク31内の湯の熱により当該加圧タンク64、65を加熱することにより、冷媒タンク61、62より液冷媒を押し出すための圧力を生成するものとすれば、液冷媒を押し出すための圧力を効果的に作り出すことが可能となる。この場合、圧力は小容量の液冷媒の蒸発で作り出すことができるので、冷媒タンク61、62全体を加熱する場合に比べて、熱効率が良くなる。
更にまた、蓄熱タンクよりも低い位置に配置することで、蓄熱タンク内の蒸発器から液冷媒を各冷媒タンクに高低差で流れ込ませることができる。これにより、冷媒タンクへの液冷媒の貯留を円滑にうことが可能となる。
総じて、本発明のヒートポンプ式給湯装置Hによりヒートポンプ冷媒回路の冷媒の冷熱を有効に利用して、省エネルギーに寄与することができるようになる。
尚、実施例1では冷媒タンク61、62の出口側に接続された配管68、69にそれぞれ逆止弁68V、69Vを取り付けて、冷媒タンク61、62内への液冷媒の逆流を防ぐものとしたが、これに限らず、図6に示すように配管68の配管69の接続部に三方弁100を取り付けて、各冷媒タンク61、62への逆流を防ぐものとしても差し支えない。この場合、冷媒タンク61内の液冷媒を利用側熱交換器82に流すには、冷媒タンク61の下端に接続された配管68Aと利用側熱交換器82に接続された配管68Bとが連通するようにコントローラCにより三方弁100を切り換える。
一方、冷媒タンク62内の液冷媒を利用側熱交換器82に流す場合、コントローラCは、冷媒タンク62の下端に接続された配管69と利用側熱交換器82に接続された配管68Bとが連通するように三方弁100を切り換える。これにより、前記実施例で説明したように各冷媒タンク61、62内の液冷媒を交互に流して、連続的に利用側熱交換器82に液冷媒を循環搬送することができる。
更に、前記実施例1の逆止弁68V、69Vに換えて、図7に示すように電磁弁150、151を用いても構わない。この場合、コントローラCにより電磁弁150を開き、電磁弁151を閉じれば、冷媒タンク61内の液冷媒を利用側熱交換器82に流すことができる。
一方、コントローラCにより電磁弁150を閉じて、電磁弁151を開くものとすれば、冷媒タンク62内の液冷媒を利用側熱交換器82に流すことができる。これにより、前記各実施例で説明したように各冷媒タンク61、62内の液冷媒を交互に流して、連続的に利用側熱交換器82に液冷媒を循環搬送することができる。
更に、前記実施例1では、各冷媒タンク61、62に連通する加圧タンク64、65を各冷媒タンク61、62の上端に接続された入口側の配管66、67にそれぞれ介設するものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図8に示すように
配管66、67に介設せずに、各冷媒タンク61、62の近傍に設けて各加圧タンク64、65と各冷媒タンク61、62とを配管161、162により接続し、各加圧タンク64、65にて冷媒を蒸発することにより得られた圧力を各配管161、162を介して冷媒タンク61、62に送るものとしても有効である。
更にまた、上記各実施例では、各加圧タンク64、65を貯湯タンク31からの湯により加熱することで、各冷媒タンク61、62内の液冷媒を押し出す圧力を作り出すものとしたが、これに限らず、蓄熱タンク50内の蒸発器15から冷媒タンク61、62までの経路の配管を貯湯タンク31からの湯により暖めることで、各冷媒タンク61、62内の液冷媒を押し出す圧力を作り出すものとしても請求項1の発明は有効である。
また、上述した貯湯タンク31からの湯に加えて、電気ヒータを搭載し、この電気ヒータにより冷媒を温めて、各冷媒タンク61、62内の液冷媒を押し出す圧力を作り出すものとしても差し支えない。この場合にも、電気ヒータによる加熱と貯湯タンク31の湯による加熱とを併せて行うことで、貯湯タンク31内の湯を利用しない場合、即ち、電気ヒータのみを使用した場合に比べて熱効率を向上させることができる。
本発明の一実施例のヒートポンプ式給湯装置の全体構成図である(実施例1)。 図1のヒートポンプ式給湯装置の利用側熱交換器に液冷媒を搬送するための制御動作を説明するフローチャートである。 図1のヒートポンプ式給湯装置の利用側熱交換器への液冷媒の搬送を説明する図である。 図1のヒートポンプ式給湯装置の利用側熱交換器への液冷媒の搬送を説明するもう一つの図である。 図1のヒートポンプ式給湯装置の利用側熱交換器への液冷媒の搬送における冷媒の圧力とエンタルピーの関係を示す図である。 本発明の他の実施例のヒートポンプ式給湯装置の構成図の一部である(実施例2)。 本発明のもう一つの他の実施例のヒートポンプ式給湯装置の構成図の一部である(実施例3)。 本発明の更にもう一つの他の実施例のヒートポンプ式給湯装置の構成図の一部である(実施例4)。
符号の説明
C コントローラ
H ヒートポンプ式給湯装置
10 ヒートポンプユニット
11 圧縮機
12 冷媒対水熱交換器
12A 加熱部
12B 被加熱部
13 膨張弁
14V、15V、19V、64V、65V、85V 電磁弁
15 蒸発器
16 冷媒吐出管
17、18 冷媒配管
19 冷媒導入管
20 室外機ユニット
30 貯湯タンクユニット
31 貯湯タンク
32V 弁装置
33V、68V、69V 逆止弁
35、75 三方弁
38 給水配管
39 温水取出配管
50 蓄熱タンク
60 液搬送ユニット
61、62 冷媒タンク
64、65 加圧タンク
70 搬送配管
70P ポンプ
72A、73A 加熱部
80 利用側ユニット
82 利用側熱交換器

Claims (3)

  1. 圧縮機、冷媒対水熱交換器及び蒸発器を有して構成されたヒートポンプ冷媒回路と、湯を貯留可能とした貯湯タンクとを備え、該貯湯タンク内の水を前記冷媒対水熱交換器に循環させることにより、前記貯湯タンク内に湯を貯留するヒートポンプ式給湯装置において、
    前記蒸発器による吸熱作用を利用して氷を生成する蓄熱タンクと、
    前記蒸発器内の液冷媒が供給される利用側熱交換器と、
    前記蒸発器を、前記ヒートポンプ冷媒回路の当該蒸発器以外の部分から分離するための分離手段と、
    前記蒸発器を前記分離手段により分離した状態で、当該蒸発器内の液冷媒を前記利用側熱交換器に循環搬送するための搬送手段とを備え、
    該搬送手段は、複数の冷媒タンクを有し、該冷媒タンク内に前記蒸発器内の液冷媒を貯留する動作と、当該冷媒タンク内に液冷媒を貯留した後、前記貯湯タンク内の湯の熱により液冷媒を蒸発させ、それによって生じる圧力により、当該冷媒タンク内の液冷媒を押し出し、前記利用側熱交換器に供給する動作とを前記各冷媒タンクについて交互に実行することにより、連続的に前記利用側熱交換器に液冷媒を循環搬送することを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
  2. 前記搬送手段は、前記各冷媒タンクにそれぞれ連通して当該冷媒タンクよりも小容量の加圧タンクを有し、前記蒸発器内の液冷媒を当該加圧タンク内に供給し、前記貯湯タンク内の湯の熱により当該加圧タンクを加熱することにより、前記冷媒タンクより液冷媒を押し出すための圧力を生成することを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式給湯装置。
  3. 前記各冷媒タンクは、前記蓄熱タンクよりも低い位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヒートポンプ式給湯装置。
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