JP2009185878A - 等速自在継手及びシャフトアッセンブリ - Google Patents

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Abstract

【課題】等速自在継手の内輪に工夫を講じることにより、内輪に動力伝達軸を組み付けた場合における両者間に生じ得る軸方向のガタツキを可及的に抑制する。
【解決手段】動力伝達軸2の軸端部2xが周方向移動を規制されて内周側に嵌合される内輪1を備えると共に、動力伝達軸2の軸端部2xの軸端寄り位置に装着された抜け止め部材(例えば丸サークリップ)3に、内輪1の軸端側部位が当接可能とされ、且つ動力伝達軸2の軸端部2xの軸中央寄り位置に配設された肩部2cに、内輪1の軸中央側部位が当接可能とされた等速自在継手において、内輪1の抜け止め部材3に対する当接部1bと、内輪1の肩部2cに対する当接部1cとの少なくとも一方が、熱処理後における加工(例えば焼入れ鋼切削加工)により形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、動力伝達軸及びシャフトアッセンブリに係り、詳しくは、動力伝達軸の軸端部が内輪の内周側に嵌合される等速自在継手、及びその等速自在継手と動力伝達軸とを備えてなるシャフトアッセンブリの改良に関する。
周知のように、等速自在継手は、内周面に軸方向に延びる複数の案内溝が形成された外輪と、外周面に軸方向に延びる複数の案内溝が形成された内輪と、これらの外輪及び内輪の案内溝が協働して形成するボールトラックに配された複数のトルク伝達部材と、該トルク伝達部材を保持する保持器とを備えて構成されているのが一般的である。また、トリポード型の等速自在継手(TJ)は、内周面に複数の軸方向溝が形成された外輪と、該外輪の内部に収容される内輪と、該内輪の外周面に回動自在に保持され且つ内輪及び外輪の相互間でトルクを伝達するトルク伝達部材(ローラ)とを備えている。これらの等速自在継手における内輪の内周側には、駆動軸または従動軸もしくは中間軸などの動力伝達軸の軸端部が、セレーションまたはスプラインなどにより周方向移動(周方向相対移動)を規制されて嵌合されるのが通例である。
詳述すると、等速自在継手と動力伝達軸とを備えてなるシャフトアッセンブリは、内輪の内周面に形成されたセレーションまたはスプライン状などの歯型と、動力伝達軸の軸端部の外周面に形成されたセレーションまたはスプライン状などの歯型とを嵌合させる構造が一般的に採用され、公知の如く、セレーションとスプラインとは歯型形状により区別される。
この種のシャフトアッセンブリにおける内輪の動力伝達軸に対する軸方向移動を規制する両者の結合構造としては、図6及び図7に示すように、動力伝達軸12の軸端部12xにおける軸端寄り位置に形成された周溝12bに丸サークリップ13を装着すると共に、その軸端部12xにおける軸中央寄り位置に肩部12cを一体形成する。そして、内輪11の歯型11aの継手内部側に位置する内部側チャンファ11bを丸サークリップ13に当接させ、且つ内輪12の継手入口側に位置する入口側チャンファ11cを肩部12cに当接させることが一例として挙げられる(特許文献1の図1参照)。この場合、肩部12cは、上記の如く動力伝達軸12に一体形成されるものに限られず、例えば動力伝達軸12の該当する位置に周溝を形成すると共にその周溝に止め輪を装着し、且つその止め輪の軸端側の面部分を肩部として、内輪の入口側端面を当接させる構造であってもよい(特許文献1の図5(b)参照)。
特許第3188001号公報
ところで、従来においては、上記例示の結合構造を採用した場合、等速自在継手の内輪11に動力伝達軸12を組み付けた後に、両者11、12間に軸方向のガタツキが発生するという問題を招来していた。特に、この種のシャフトアッセンブリが自動車のドライブシャフトやプロペラシャフトに適用される場合に、上記の内輪11と動力伝達軸12との間の軸方向のガタツキが大きいと、自動車の振動特性を悪化させる要因となる。
したがって、図7(a)に示す内輪11の内部側チャンファ11bにおける丸サークリップ13との当接基準位置11boから入口側チャンファ11cにおける肩部12cとの当接基準位置11coまでの寸法L1と、同図(b)に示す動力伝達軸12の周溝12bにおける丸サークリップ13との当接基準位置12boから肩部12cにおける入口側チャンファ11cとの当接基準位置12coまでの寸法L2とを、適正に合致させるべく厳しく管理する必要がある。
しかしながら、従来の結合構造では、鋼からなる内輪11の内部側チャンファ11b(内部側当接部)や入口側チャンファ11c(入口側当接部)を含む大半の切削加工を完了した後に、高周波熱処理や浸炭熱処理等の熱処理を施し、その後、図6(a)に示す状態となるように内輪11に動力伝達軸12を組み付けているのが通例であった。そのため、内輪11における上記の当接基準位置11bo、11co間の寸法L1が、熱処理変形に起因してバラツキが生じることにより適正でなくなることから、図6(b){図6(a)に符号A2を付した箇所の拡大図}に示すように丸サークリップ13と内輪11の内部側チャンファ11bとの間の隙間Sが大きくなり、その結果、内輪11と動力伝達軸12との間に、許容しがたい軸方向のガタツキが生じ得ることになる。
本発明は、上記事情に鑑み、等速自在継手の内輪に工夫を講じることにより、内輪に動力伝達軸を組み付けた場合における両者間に生じ得る軸方向のガタツキを可及的に抑制することを技術的課題とする。
上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係る等速自在継手は、動力伝達軸の軸端部が周方向移動を規制されて内周側に嵌合される内輪を備えると共に、前記動力伝達軸の軸端部の軸端寄り位置に装着された抜け止め部材に、前記内輪の軸端側部位が当接可能とされ、且つ前記動力伝達軸の軸端部の軸中央寄り位置に配設された肩部に、前記内輪の軸中央側部位が当接可能とされた等速自在継手において、前記内輪の抜け止め部材に対する当接部と、前記内輪の肩部に対する当接部との少なくとも一方が、熱処理後における加工により形成されていることに特徴づけられる。ここで、上記の「配設された肩部」とは、動力伝達軸に肩部が一体形成されている場合に限られず、例えば動力伝達軸に周溝を形成し且つその周溝に肩部の役割を果たす止め輪を装着した場合等をも含む(以下、同様)。
このような構成によれば、内輪(好ましくは内輪の必要箇所)の熱処理後に、抜け止め部材に当接する内輪の軸端側の当接部と、軸肩部に当接する内輪の軸中央側の当接部との少なくとも一方が、切削(例えば焼入れ鋼切削)等の加工によって形成されていることから、熱処理変形による悪影響を受けることなく、内輪の両当接部の相互間寸法を極めて正確にして高精度化を図ることができる。これにより、抜け止め部材と内輪の軸端側との当接箇所、及び軸肩部と内輪の軸中央側との当接箇所に不当な大きさの隙間が生じなくなり、内輪への動力伝達軸の組み付け後に、両者間に不当な軸方向のガタツキが生じるという不具合を可及的に抑止することが可能となる。そして、この等速自在継手の内輪に動力伝達軸が組み付けられてなるシャフトアッセンブリを自動車に適用すれば、自動車の振動特性を改善することができる。なお、抜け止め部材及び軸肩部に当接可能な内輪の部位は、後述する内輪の両端チャンファに限られず、内輪のチャンファではない両端部であってもよく、また内輪の歯型の両端部(チャンファである場合を含む)であってもよい。
この場合、前記内輪の内周面に、前記動力伝達軸の軸端部の外周面に形成されたセレーション又はスプライン状の歯型に嵌合可能なセレーション又はスプライン状の歯型が形成されると共に、前記内輪の継手内部側に位置する内部側チャンファに、前記抜け止め部材が当接可能とされ、且つ、前記内輪の継手入口側に位置する入口側チャンファに、前記肩部が当接可能とされるように構成することができる。
このようにすれば、等速自在継手の内輪が、セレーション又はスプライン状の歯型の嵌合により、動力伝達軸に対して周方向移動(周方向相対移動)を規制された上で、内輪の内部側チャンファに、動力伝達軸の周溝に装着された抜け止め部材が適正に当接し、且つ内輪の入口側チャンファに、動力伝達軸の肩部が適正に当接して、両者の軸方向位置決めが正確且つガタツキなく行われることになる。
上記の内輪は、材質が鋼であり、前記熱処理は、高周波熱処理、或いは、浸炭熱処理であることが好ましい。ここで、上記の「高周波熱処理」としては、高周波焼入れ焼き戻しまたは高周波焼入れを代表例として挙げることができ、また上記の「浸炭熱処理」としては、浸炭焼入れ焼き戻し、浸炭焼入れ、浸炭窒化焼入れ焼き戻しまたは浸炭窒化焼入れを代表例として挙げることができる。
このようにすれば、内輪の必要箇所の表層部を硬質にして耐久性の向上を図ることが可能となる。
上記の熱処理後の加工は、焼入れ鋼切削加工であることが好適である。ここで、「焼入れ鋼切削加工」とは、切削油を使用することなく、セラミック、サーメット、CBNなどの専用チップを用いて、焼入れ後の高硬度鋼を旋削等で仕上げる加工のことを意味する。
このようにすれば、切削油を使用することなく加工できることから、環境面で有利になると共に、切削加工後の面性状も優れたものとなる。
また、前記抜け止め部材は、丸サークリップ、或いは、スナップリングであることが好ましい。
このようにすれば、等速自在継手の内輪の軸端側への軸方向移動が、動力伝達軸の周溝に装着された丸サークリップまたはスナップリングによって確実且つ適切に規制されることになる。
一方、上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係るシャフトアッセンブリは、等速自在継手の内輪の内周面と動力伝達軸の軸端部の外周面とを周方向移動を規制して嵌合させると共に、前記動力伝達軸の軸端部の軸端寄り位置に周溝を形成して、該周溝に装着された抜け止め部材に、前記内輪の軸端側部位を当接させ、且つ前記動力伝達軸の軸端部の軸中央寄り位置に配設した肩部に、前記内輪の軸中央側部位を当接させて、前記内輪の動力伝達軸に対する軸方向移動を規制するように構成したシャフトアッセンブリにおいて、前記内輪の抜け止め部材に対する当接部と、前記内輪の肩部に対する当接部との少なくとも一方が、熱処理後における加工により形成されていることに特徴づけられる。
このようなシャフトアッセンブリによっても、等速自在継手の内輪の熱処理後に、内輪の抜け止め部材に対する当接部と、内輪の軸肩部に対する当接部との少なくとも一方が、切削(例えば焼入れ鋼切削)等の加工によって形成されていることから、このような構成に対応する既述の作用効果が同様にして得られる。
この場合、前記等速自在継手の内輪の内周面に形成されたセレーションまたはスプライン状の歯型と、前記動力伝達軸の軸端部の外周面に形成されたセレーションまたはスプライン状の歯型とを嵌合させると共に、前記動力伝達軸の周溝に装着された抜け止め部材に、前記内輪の継手内部側に位置する内部側チャンファが当接し、且つ、前記動力伝達軸の肩部に、前記内輪の継手入口側に位置する入口側チャンファが当接した構成とすることができる。
このようにした場合にも、等速自在継手の内輪が、セレーション又はスプライン状の歯型の嵌合により、動力伝達軸に対して周方向移動(周方向相対移動)を規制された上で、内輪の内部側チャンファに、動力伝達軸の周溝に装着された抜け止め部材が適正に当接し、且つ内輪の入口側チャンファに、動力伝達軸の肩部が適正に当接して、両者の軸方向位置決めが正確且つガタツキなく行われることになる。
また、このシャフトアッセンブリは、ドライブシャフトアッセンブリまたはプロペラシャフトアッセンブリに使用することが好適である。
このようにすれば、自動車用のシャフトアッセンブリとして有効利用され、自動車の振動特性を効果的に改善することが可能となる。
以上のように本発明によれば、等速自在継手の内輪に対して高周波熱処理や浸炭熱処理等の熱処理を施した後に、抜け止め部材に当接する内輪の軸端側の当接部と、軸肩部に当接する内輪の軸中央側の当接部との少なくとも一方を、切削(例えば焼入れ鋼切削)等の加工により形成していることから、熱処理変形による悪影響を受けることなく、内輪の両当接部の相互間寸法を極めて正確にして高精度化を図ることができ、内輪への動力伝達軸の組み付け後に、両者間に不当な軸方向のガタツキが生じるという不具合を可及的に抑止することが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係る等速自在継手及びこれを用いたシャフトアッセンブリを図面を参照しつつ説明する。
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る等速自在継手の内輪1に動力伝達軸2が組み付けられてなるシャフトアッセンブリ10の要部を示す概略縦断側面図、図1(b)は、図1(a)の符号Aで示す箇所の拡大縦断側面図、図2(a)は、上記の内輪1を単体として示す概略縦断側面図、図2(b)は、上記の動力伝達軸2を単体として示す概略側面図である。なお、この第1実施形態では、等速自在継手が、BJ(ボールフィックスドジョイント)に係る場合を例示している。
図1及び図2に示すように、等速自在継手の内輪1は、外周面に軸方向に延びる複数の案内溝1xが形成されると共に、内周面にセレーション1a(またはスプライン)が形成されている。このセレーション1aの継手内部側の端部(同図の左端部)には、内部側チャンファ1bが形成されると共に、継手入口側の端部(同図の右端部)には、入口側チャンファ1cが形成されている。
この場合、入口側チャンファ1cは、含軸断面形状が、継手入口側に移行するに連れて直線状に外周側に移行する直線部1caのみからなるテーパ状とされている。これに対して、内部側チャンファ1bは、含軸断面形状が、継手内部側に移行するに連れて直線状に外周側に移行する直線部1baと、この直線部1baの外周側を継手内部側に向かって中心軸と平行に延びる直線部1bbと、この両直線部1ba、1bbを滑らかに繋ぐ凹状の湾曲線部1bcとを有する部分テーパ状とされている(図1(b)参照)。なお、内部側チャンファ1bの直線部1baは、入口側チャンファ1cの直線部1caよりも中心軸を基準として勾配が大きくなっている。
更に、この内輪1は材質が鋼であって、高周波熱処理または浸炭熱処理等の熱処理を施した後に、内部側チャンファ1bと入口側チャンファ1cとが焼入れ鋼切削加工により形成されている。なお、この内輪1の入口側については、入口側チャンファ1cから内輪1の本体に亘って延長して直線状に延びるテーパ部の全長が、上記の熱処理後における焼入れ鋼切削加工により形成されている。
一方、図1及び図2に示すように、動力伝達軸2は、軸端部2xの外周面にセレーション2a(またはスプライン)が形成されている。そして、この動力伝達軸2の軸端部2xにおける軸端寄り位置(同図の左寄り位置)には、抜け止め部材としての断面が円形の丸サークリップ3を装着する周溝2bが、セレーション2aを切除して形成されている。なお、この周溝2bの底面の含軸断面形状は、軸方向中央が窪む円弧とされると共に、この周溝2bの対向する両側面はそれぞれ軸直角面と平行な平面とされている。
また、この動力伝達軸2の軸端部2xにおける軸中央寄り位置(同図の右寄り位置)には、既述の内輪1の入口側チャンファ1cと同一の方向性及び同一の含軸断面形状を有する肩部2cが形成されている。この場合、肩部2cの中心軸に対する傾斜角度は、15度以上で且つ32.5度以下に設定されている(入口側チャンファ1cについても同様)。この肩部2cは、セレーション2aの軸中央側端部から軸中央側に離隔した位置に存在すると共に、同方向に離隔して形成された大径部2dの軸端側のテーパ部として形成されている。
そして、図1(a)に示すように、内輪1に動力伝達軸2の軸端部2xを組み付けた状態では、内輪1のセレーション1aと動力伝達軸2のセレーション2aとが嵌合することにより、両者1、2の周方向相対移動が規制されている。更に、動力伝達軸2の周溝2bに装着した丸サークリップ3に内輪1の内部側チャンファ1bが当接し、且つ動力伝達軸2に形成された肩部2cに内輪1の入口側チャンファ1cが当接することにより、両者1、2の軸方向相対移動が規制されている。
この状態の下では、内輪1の熱処理後に内部側チャンファ1bと入口側チャンファ1cとが焼入れ鋼切削加工されているので、既述の図8(a)に示す内輪1の内部側チャンファ1bにおける丸サークリップ3との当接基準位置1boから入口側チャンファ1cにおける肩部2cとの当接基準位置1coまでの寸法L1と、同図(b)に示す動力伝達軸2の周溝2bにおける丸サークリップ3との当接基準位置2boから肩部2cにおける入口側チャンファ1cとの当接基準位置2coまでの寸法L2とが適正に合致する。これにより、内輪1の入口側チャンファ1cが、動力伝達軸2の肩部2cに当接した状態で、図1(b)に示すように、内輪1の内部側チャンファ1bが、動力伝達軸2の周溝2bに装着された丸サークリップ3に適正に当接する。なお、丸サークリップ3には、内部側チャンファ1bの一方の直線部1baが当接するのみならず他方の直線部1bbも当接もしくは略当接した状態となる。以上の結果、内輪1の動力伝達軸2に対する軸方向のガタツキが可及的に抑制される。
図3は、本発明の第2実施形態に係る等速自在継手の内輪1を例示し、この内輪1は、DOJ(ダブルオフセット型ジョイント)に使用されるものである。この内輪1の軸端側の面1dは、軸直角平面と平行な面であり、この軸端側の面1dが、内輪1の軸端側の当接部とされている。すなわち、動力伝達軸2の軸端部2xの軸端寄り位置には、断面が四角形のスナップリングが装着される周溝が形成されており、この周溝に装着されたスナップリングの軸中央側の面が、内輪1の軸端側の面1dに当接するように構成されている。また、この内輪1の軸中央側の面1eには、直線状のテーパ部からなるチャンファ1eaが形成され、このチャンファ1eaが、動力伝達軸2の軸端部2の軸中央寄り位置に形成された肩部2cに当接するように構成されている。したがって、この内輪1は、軸端側の面1dとチャンファ1eaとが、熱処理後に焼入れ鋼切削加工されている。
図4は、本発明の第3実施形態に係る等速自在継手の内輪1を例示し、この内輪1は、LJ(クロスグルーブ型ジョイント)に使用されるものである。上述の第2実施形態と同様に、この内輪1の軸端側の面1dが、動力伝達軸2の周溝に装着されたスナップリングの軸中央側の面に当接し、内輪1の軸中央側の面1eに形成されたチャンファ1eaが、動力伝達軸2の肩部2cに当接するように構成されている。更に、この内輪1も、軸端側の面1dとチャンファ1eaとが、熱処理後に焼入れ鋼切削加工されている。
図5は、本発明の第4実施形態に係る等速自在継手の内輪1を例示し、この内輪1は、TJ(トリポード型ジョイント)に使用されるものである。この内輪1の軸端側の面1fは、軸直角平面と平行な面であり、この軸端側の面1fが、動力伝達軸2の周溝に装着されたスナップリングの軸中央側の面に当接し、内輪1の軸中央側の面1gに形成されたチャンファ1gaが、動力伝達軸2の肩部2cに当接するように構成されている。したがって、この内輪1は、軸端側の面1fとチャンファ1gaとが、熱処理後に焼入れ鋼切削加工されている。
なお、以上の実施形態では、内輪1についてのみ熱処理後に加工(焼入れ鋼切削加工)したものを例示したが、これに加えて、動力伝達軸2についても同様に材質が鋼であり、高周波熱処理または浸炭熱処理等の熱処理を施した後に、周溝2b及び肩部2cに例示されるように動力伝達軸2における内輪1の軸方向位置決めに必要な箇所を加工(焼入れ鋼切削加工)したものであってもよい。
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る等速自在継手の内輪と動力伝達軸とを組み付けてなるシャフトアッセンブリを示す概略縦断側面図、図1(b)は、その要部を示す拡大縦断側面図である。 図2(a)は、前記シャフトアッセンブリの内輪を示す概略縦断側面図、図2(b)は、前記シャフトアッセンブリの動力伝達軸を示す概略側面図である。 本発明の第2実施形態に係る等速自在継手の内輪を示す概略縦断側面図である。 本発明の第3実施形態に係る等速自在継手の内輪を示す概略縦断側面図である。 本発明の第4実施形態に係る等速自在継手の内輪を示す概略縦断側面図である。 図6(a)は、従来の等速自在継手の内輪と動力伝達軸とを組み付けてなるシャフトアッセンブリを示す概略縦断側面図、図6(b)は、その要部を示す拡大縦断側面図である。 図7(a)は、従来の問題点を説明するための等速自在継手の内輪の概略縦断側面図、図7(b)は、従来の問題点を説明するための動力伝達軸の概略側面図である。
符号の説明
1 内輪
1a 歯型(セレーションまたはスプライン)
1b 内部側チャンファ(内輪の抜け止め部材に対する当接部)
1c 入口側チャンファ(内輪の肩部に対する当接部)
1d 内輪の軸端側の面(内輪の抜け止め部材に対する当接部)
1ea チャンファ(内輪の肩部に対する当接部)
1f 内輪の軸端側の面(内輪の抜け止め部材に対する当接部)
1ga チャンファ(内輪の肩部に対する当接部)
2 動力伝達軸
2a 歯型(セレーションまたはスプライン)
2b 周溝
2c 肩部
3 丸サークリップ(抜け止め部材)

Claims (9)

  1. 動力伝達軸の軸端部が周方向移動を規制されて内周側に嵌合される内輪を備えると共に、前記動力伝達軸の軸端部の軸端寄り位置に装着された抜け止め部材に、前記内輪の軸端側部位が当接可能とされ、且つ前記動力伝達軸の軸端部の軸中央寄り位置に配設された肩部に、前記内輪の軸中央側部位が当接可能とされた等速自在継手において、
    前記内輪の抜け止め部材に対する当接部と、前記内輪の肩部に対する当接部との少なくとも一方が、熱処理後における加工により形成されていることを特徴とする等速自在継手。
  2. 前記内輪の内周面に、前記動力伝達軸の軸端部の外周面に形成されたセレーション又はスプライン状の歯型に嵌合可能なセレーション又はスプライン状の歯型が形成されると共に、前記内輪の継手内部側に位置する内部側チャンファに、前記抜け止め部材が当接可能とされ、且つ、前記内輪の継手入口側に位置する入口側チャンファに、前記肩部が当接可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
  3. 前記内輪の材質が鋼であり、前記熱処理が、高周波熱処理または浸炭熱処理であることを特徴とする請求項1または2に記載の等速自在継手。
  4. 前記熱処理後の加工が、焼入れ鋼切削加工であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の等速自在継手。
  5. 前記抜け止め部材が、丸サークリップであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の等速自在継手。
  6. 前記抜け止め部材が、スナップリングであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の等速自在継手。
  7. 等速自在継手の内輪の内周面と動力伝達軸の軸端部の外周面とを周方向移動を規制して嵌合させると共に、前記動力伝達軸の軸端部の軸端寄り位置に周溝を形成して、該周溝に装着された抜け止め部材に、前記内輪の軸端側部位を当接させ、且つ前記動力伝達軸の軸端部の軸中央寄り位置に配設した肩部に、前記内輪の軸中央側部位を当接させて、前記内輪の動力伝達軸に対する軸方向移動を規制するように構成したシャフトアッセンブリにおいて、
    前記内輪の抜け止め部材に対する当接部と、前記内輪の肩部に対する当接部との少なくとも一方が、熱処理後における加工により形成されていることを特徴とするシャフトアッセンブリ。
  8. 前記等速自在継手の内輪の内周面に形成されたセレーションまたはスプライン状の歯型と、前記動力伝達軸の軸端部の外周面に形成されたセレーションまたはスプライン状の歯型とを嵌合させると共に、前記動力伝達軸の周溝に装着された抜け止め部材に、前記内輪の継手内部側に位置する内部側チャンファが当接し、且つ、前記動力伝達軸の肩部に、前記内輪の継手入口側に位置する入口側チャンファが当接していることを特徴とする請求項7に記載のシャフトアッセンブリ。
  9. ドライブシャフトアッセンブリまたはプロペラシャフトアッセンブリに使用されることを特徴とする請求項7または8に記載のシャフトアッセンブリ。
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