JP2009184556A - 車室用天井装着部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】オーバーヘッドコンソールの内部への虫の侵入を防止してレンズ部の見栄えを維持し、機能不具合を防止する。
【解決手段】車室の天井に設置され、ケース内部に防犯用の侵入センサ2や照明等の電気的基板4を組み付けた車室用天井装着部品において、前記ケースを、天然有機化合物トリペルテンの成分である、アザディラクチン、メリアントリオール、サラニンのいずれか1つもしくは複数の虫除け効果のある成分を含有させた樹脂材料からなるものとすることにより、前記ケースのパネル3と侵入センサ2の隙間P部や、カバー1と光源5の隙間Q部から虫が入ってこないようにし、レンズ部の見栄えを維持し、虫が接触することによる基板4のショート等の機能不具合を防止する。
【選択図】図2
【解決手段】車室の天井に設置され、ケース内部に防犯用の侵入センサ2や照明等の電気的基板4を組み付けた車室用天井装着部品において、前記ケースを、天然有機化合物トリペルテンの成分である、アザディラクチン、メリアントリオール、サラニンのいずれか1つもしくは複数の虫除け効果のある成分を含有させた樹脂材料からなるものとすることにより、前記ケースのパネル3と侵入センサ2の隙間P部や、カバー1と光源5の隙間Q部から虫が入ってこないようにし、レンズ部の見栄えを維持し、虫が接触することによる基板4のショート等の機能不具合を防止する。
【選択図】図2
Description
本発明は、車室に設置され、ケース内部に防犯用侵入センサや照明等の電気部品を組み付けた天井装着部品に関し、特にケース内部への虫の侵入を防止する手段を設けた車室用天井装着部品に関する。
従来、車両の左右のピラーから、もしくはムーンルーフの開閉時などに虫が天井内部へ入り込むことがあり、その結果天井に設けられたオーバーヘッドコンソール(以下「OHC」と記す)に裏側(天井側)から虫が侵入し、基板等に触れることによりショートして不具合等が起きることがあった。またその場合、照明のレンズ等から内部に侵入した虫が車室側から見えることとなり、意匠上も好ましくなかった。
従来のOHCの構成の一例を図5〜図7に示す。カバー1’、侵入センサ2’、基板4’及び小物入れ7’がパネル3’にビスで固定されており、レンズ6’がパネル3’と爪で固定されている。さらに、室内灯の光源5’は基板4’に固定されている。このような構成により、OHCは照明装置や盗難防止用の侵入センサ等の収納スペースとして、また、眼鏡等を入れておく小物入れとして多目的に使用される。
しかし、従来のOHCには以下の欠点があった。すなわち、OHCの裏側にカバー1’はついているものの、このカバー1’が虫除け対策になっていない点である。このため、虫がレンズ部(図6、7の基板4とレンズ6の間の空間)に入ってしまうと車室側からそれが見えるため見栄えが悪くなっていた。
この虫が侵入してしまう原因として考えられるのは、侵入センサ2’とパネル3’の隙(図6、7のP’部)が大きく開いており、虫が入り易くなっている点である。P’部の隙間から虫が入ることで、侵入センサ2’の誤動作等の機能不具合になることもあった。
また、基板4’に光源5’の放熱孔などの開口部があり、その隙間のQ’部から虫が上記レンズ部に到達することも原因の一つである。そのため見栄えが悪くなったり、また、虫が基板4’に触れることにより、ショートなどの電気系の不具合を引き起こしたりした例もあった。従来のOHCの一例の構成について述べたが、P’部またはQ’部と同様の隙間は従来のOHCの多くにおいて見られ、虫の侵入防止への対策が問題となっている。
特許文献1には自動車用の防虫装置の発明が記載されており、特許文献2、3には防虫材料の発明が記載されている。また、非特許文献1には防虫成分を有する植物について記載されている。
しかしながら、特許文献1の防虫装置では構成が複雑化する、部品点数が増えてしまうといった問題点がある。また特許文献2、3の防虫材料の発明は、本発明とは構成において異なるものである。
本発明は上述の問題を解決して、虫を上記ケースの内部に入れないことによりレンズ部の見栄えを維持し、機能不具合を防止できる車室用天井装着部品を提供することを課題とする。
本発明は上述の問題を解決して、虫を上記ケースの内部に入れないことによりレンズ部の見栄えを維持し、機能不具合を防止できる車室用天井装着部品を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、ケースの内部に電気部品を組み付けて車室の天井に設置してなる車室用天井装着部品において、前記ケースに虫が入ってこないようにするための虫除け手段を設けたことを特徴とする。これにより、前記ケース内への虫の侵入を防止でき、基板に虫が触れてショートするおそれを回避することができる。
請求項2の発明は、さらに、前記ケースは樹脂材料からなり、当該樹脂材料に虫除け効果のある成分を混ぜていることを特徴とする。これにより、前記ケースへの虫の接近を妨げることで上記不具合の発生を防止できる。
請求項3の発明は、さらに、前記虫除け効果のある成分は、天然有機化合物トリペルテンの成分である、アザディラクチン、メリアントリオール、サラニンのいずれか1つもしくは複数を含有したものであることを特徴とする。これにより、虫除け効果のある植物のニームの化合物から抽出した成分を含んでいるため、前記ケースに虫が寄ってこなくなる。
請求項4の発明は、さらに、前記ケースは車室側の部材と天井側の部材にて構成されており、該天井側の部材に前記成分を混ぜていることを特徴とする。これにより、天井側の部材は意匠面と関係のない裏側部分であるため、上記成分を混ぜることによる車室側の部材の成形上の色ムラ等の不具合を心配する必要がなくなる。
請求項5の発明は、前記虫除け成分を前記ケースに吹き付けてなることを特徴とする。これにより、より簡易な方法で虫除け効果を得ることができる車室用天井装着部品とすることができる。
請求項2の発明は、さらに、前記ケースは樹脂材料からなり、当該樹脂材料に虫除け効果のある成分を混ぜていることを特徴とする。これにより、前記ケースへの虫の接近を妨げることで上記不具合の発生を防止できる。
請求項3の発明は、さらに、前記虫除け効果のある成分は、天然有機化合物トリペルテンの成分である、アザディラクチン、メリアントリオール、サラニンのいずれか1つもしくは複数を含有したものであることを特徴とする。これにより、虫除け効果のある植物のニームの化合物から抽出した成分を含んでいるため、前記ケースに虫が寄ってこなくなる。
請求項4の発明は、さらに、前記ケースは車室側の部材と天井側の部材にて構成されており、該天井側の部材に前記成分を混ぜていることを特徴とする。これにより、天井側の部材は意匠面と関係のない裏側部分であるため、上記成分を混ぜることによる車室側の部材の成形上の色ムラ等の不具合を心配する必要がなくなる。
請求項5の発明は、前記虫除け成分を前記ケースに吹き付けてなることを特徴とする。これにより、より簡易な方法で虫除け効果を得ることができる車室用天井装着部品とすることができる。
以上説明したように、本発明により、虫のOHCの内部への侵入を阻止してレンズ部の見栄えを維持し、機能不具合を防止する車室用天井装着部品が提供される。
以下に、本発明の実施の形態について図1〜図4を用いて説明する。
本実施形態のOHCのケースは樹脂製のパネル3とカバー1とで構成されている。パネル3は表面(車室側)のレンズ6と小物入れ7以外の部分と、裏面(天井側)の一部を覆っており、カバー1は裏面のみに設けられている。
本実施形態のOHCのケースは樹脂製のパネル3とカバー1とで構成されている。パネル3は表面(車室側)のレンズ6と小物入れ7以外の部分と、裏面(天井側)の一部を覆っており、カバー1は裏面のみに設けられている。
カバー1、侵入センサ2、基板4及び小物入れ7がパネル3にビスで固定されており、レンズ6がパネル3と爪で固定されている。さらに、室内灯の光源5は基板4に固定されている。
P部はパネル3と侵入センサ2の周りの隙間であり、侵入センサ2をパネル3へと組み付ける際の寸法のバラツキを吸収するために設けられている。また、Q部は光源5の熱を逃がすための基板4の放熱孔である。
第一の実施形態においては、OHCのケースの全て、すなわち樹脂製のパネル3及びカバー1を虫の嫌いな成分を練り込んだ樹脂にて成形し、虫をOHC自体に寄せ付けなくする。
具体的には、上記樹脂製のパネル3及びカバー1を植物のニームに含まれる「トリペルテン」という天然有機化合物の成分であり、虫の嫌いな成分であるアザディラクチン、メリアントリオール、サラニンのいずれか一つもしくは複数を練り込んで成形する。
具体的には、上記樹脂製のパネル3及びカバー1を植物のニームに含まれる「トリペルテン」という天然有機化合物の成分であり、虫の嫌いな成分であるアザディラクチン、メリアントリオール、サラニンのいずれか一つもしくは複数を練り込んで成形する。
上記樹脂部品が防虫性能を発揮するため、Q部から虫がレンズ部(図2の基板4とレンズ6の間の空間)に侵入するのを防止し、レンズ部の見栄えを維持することができ、虫が基板4に触れることによるショートなどの電気系の不具合を防止することができる。
また、P部から虫が侵入するのを防止し、虫による侵入センサ2の誤動作を防止することができる。
また、P部から虫が侵入するのを防止し、虫による侵入センサ2の誤動作を防止することができる。
第二の実施形態は、OHCのケースの内、意匠とは関係のないカバー1のみに上記トリぺルテンの成分を練り込んだ樹脂を使用し、パネル3については従来の樹脂にて成形するものである。
これは、車室に向けられる表側の意匠面を含むパネル3については、これに防虫成分を含有させると成形上の色ムラ等の不具合といった意匠上の問題を引き起こす可能性があるため、これに対応する実施形態として、意匠面でない裏面のみを覆うカバー1のみを防虫成分を含有させた樹脂としたものである。
上記構成とすることにより、防虫ネットなどの特別な部品を付加することなく、従来どおりの形状のOHCにて虫のOHC内への侵入を防止することができ、防虫部品を付加する等の設計変更を伴う方式に較べてコスト低減を実現することができる。
従来、上記構成のOHCがなかったのは、防虫性能への信頼性の問題や、ネット設置等の他方式にてある程度の効果のあったこと、あるいは、自動車用の車室用部品の材料だけでなく、部品の材料そのものに防虫成分を含有させる方式が一般的でないことや、光源部の放冷用の穴をカバー等で塞ぐと熱がこもってしまうといったOHCの構成上の問題により、防虫は冷却効率との関係で断念せざるを得ない、あるいはネット等で塞ぐしかないとの考えが支配していたことが原因として考えられる。防虫の必要性への過小評価も原因のひとつとなっていたかもしれない。ともあれ、従来上記構成のような防虫成分を含有させた材料を用いた天井装置は使用されてこなかった。
発明者らが上記構成に想到したのは、部品点数を減らすというニーズを最優先にして防虫効果を追究した結果である。
発明者らが上記構成に想到したのは、部品点数を減らすというニーズを最優先にして防虫効果を追究した結果である。
また他の実施形態として、OHCのカバー等の部品として上記防虫成分を含有させた材料を用いるのではなく、OHCの意匠面の裏側にある従来のカバー等に上記防虫成分を吹きかける態様としても従来のOHCに設計変更を施すことなく、上記と同様の防虫効果を得ることができる。
さらに別の実施形態として、OHCの意匠面の裏側に防虫用のマット(またはスポンジ)を設置する方式がある。防虫用のマットとしては、上記防虫成分を含有させたマットを用いる。この防虫用のマットをOHCの意匠面の裏側の上記隙間P、Q部の近傍に取り付けることで、従来のOHCに大きな設計変更を施すことなく、上記と同様の防虫効果を得ることができる。
また、上記マットをネット状に加工したものをOHCの意匠面の裏側の上記隙間P、Q部に貼り付ける方式としてもよい。ネット状とすることで、OHCの意匠面の裏側における通気性を損なうことなく上記と同様の防虫効果を得ることができる。
1 カバー
2 侵入センサ
3 パネル
4 基板
5 光源
6 レンズ
7 小物入れ
2 侵入センサ
3 パネル
4 基板
5 光源
6 レンズ
7 小物入れ
Claims (5)
- ケースの内部に電気部品を組み付けて車室の天井に設置してなる車室用天井装着部品において、
前記ケースに虫が入ってこないようにするための虫除け手段を設けた
ことを特徴とする車室用天井装着部品。 - 前記ケースは樹脂材料からなり、当該樹脂材料に虫除け効果のある成分を混ぜていることを特徴とする、請求項1に記載の車室用天井装着部品。
- 前記虫除け効果のある成分は、天然有機化合物トリペルテンの成分である、アザディラクチン、メリアントリオール、サラニンのいずれか1つもしくは複数を含有したものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の車室用天井装着部品。
- 前記ケースは車室側の部材と天井側の部材にて構成されており、該天井側の部材に前記成分を混ぜていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の車室用天井装着部品。
- 前記虫除け成分を前記ケースに吹き付けてなることを特徴とする、請求項1に記載の車室用天井装着部品。
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