JP2009183208A - 小麦の発育促進方法及び小麦の交配育種方法 - Google Patents

小麦の発育促進方法及び小麦の交配育種方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発芽した小麦が発穂するまでの期間の短縮が不十分である従来の小麦の発育促進方法の課題を解決する。
【解決手段】発芽した小麦の発育を促して早期に発穂するように、前記発芽した小麦に波長500〜550nmの緑色光を照射する。
【選択図】図1

Description

本発明は小麦の発育促進方法及び小麦の交配育種方法に関し、更に詳細には発芽した小麦の発育を促進して発穂までの期間を短縮できる小麦の発育促進方法及び小麦の交配育種方法に関する。
小麦の品種改良方法には、遺伝子組み換え育種方法や交配育種方法が知られているが、遺伝子組み換え育種方法については、種々の問題が指摘されている。特に、日常に食される小麦の品種改良方法については、交配育種方法が主流である。
しかし、交配育種方法によって小麦の品種改良を行う場合には、小麦の発芽から発穂までの期間をいかに短縮するかが重要であり、通常の屋外の圃場では、交配は1年に1回に限られる。
更に、交配育種方法では、交配を行う小麦同士が受粉時期となっていなければならず、種類の異なる小麦同士を交配させる際には、交配する小麦同士の受粉時期を揃えることが至難である。
ところで、下記特許文献1には、植物の発育を促進するには、波長700〜800nmの近赤外領域の赤色光を照射することが有効であることが提案されている。
特開2006−197924号公報
本発明者等は、前記特許文献1で提案されている様に、波長700〜800nmの近赤外領域の赤色光を発芽した小麦に照射したところ、屋外の圃場で栽培している小麦に比較して、発穂までの期間を短縮できるものの、その程度は不十分であった。
そこで、本発明は、発芽した小麦が発穂するまでの期間の短縮が不十分である従来の小麦の発育促進方法の課題を解決し、発芽した小麦が発穂するまでの期間を充分に短縮でき、年間に複数回の小麦の交配育種を可能にできる小麦の発育促進方法及び小麦の交配育種方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく、赤色領域から紫色領域の光を発芽した小麦に照射して、発穂までの期間を求めたところ、波長500〜550nmの緑色光を照射した水準が、波長700〜800nmの近赤外領域の赤色光を照射した水準よりも、発芽から発穂までの期間を短縮できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、発芽した小麦の発育を促して早期に発穂するように、前記発芽した小麦に波長500〜550nmの緑色光を照射することを特徴とする小麦の発育促進方法にある。
また、本発明は、小麦の交配育種の際に、前述した小麦の発育促進方法を用い、交配対象の小麦の発育を促すことを特徴とする小麦の交配育種方法にある。
かかる本発明において、照射する緑色光を、波長540±5nmの緑色光とすることが好適である。
更に、緑色光を、発芽した小麦が発穂するまで連続照射することによって、発芽した小麦の発育を更に促進できる。
尚、本発明での「小麦の発育」とは、発芽から発穂までのこという。
通常、小麦を含む緑色の植物は緑色をしている。緑色の植物は、太陽光のうち、緑色光を反射しているからである。このため、従来、緑色の植物の発育には、緑色光は寄与していないものと考えられていた。
この点、本発明者等は、発芽した小麦に波長500〜550nmの緑色光を照射することによって、従来から植物の発育を促すと言われていた波長700〜800nmの近赤外領域の赤色光を照射した場合よりも、発芽した小麦の発育を促進でき、発穂までの期間を短縮できることを見出した。
このため、発芽した小麦に波長500〜550nmの緑色光を照射する本発明に係る小麦の発育促進方法によれば、発芽した小麦の発穂までの期間を著しく短縮でき、小麦の種子の収穫を早期に行うことができる。
また、小麦の交配育種法において、前述した小麦の発育促進方法を採用することによって、配対象の小麦の発育を促して小麦の世代交代を促進でき、且つ1年間に複数回の小麦の交配育種を可能にできるため、小麦の品種改良の促進に寄与できる。
更に、小麦の交配育種を行うには、交配する小麦間の受粉時期を揃えることが必要であるが、通常、種類の異なる小麦間では、その受粉時期も異なることが多い。
この点、本発明に係る小麦の交配育種方法では、発穂時期の遅い小麦に対し、発芽後に緑色光を照射して、発芽した小麦の発育を促進することによって、その受粉時期を他方の小麦の受粉時期と一致するように調整できる。このため、受粉時期が異なる小麦間での交配を可能にでき、交配できる小麦の種類を拡大できる。
本発明は、発芽した小麦に緑色光を照射することが大切である。かかる緑色光は、波長500〜550nmの光である。
かかる波長500〜550nmの緑色光を発芽した小麦に照射することによって、発穂までの期間を短縮できる。このことを図1に示す。
図1に示す実験では、春小麦の「農林61号」と冬小麦の「しゅんよう」とについて、照射する光の波長に対する発芽した小麦の発育速度を調査した結果を示すグラフである。
かかる実験では、育苗用園芸培土を充填した50穴のセルポットに小麦の種子を播種し、播種した小麦の種子が発芽した後、特定の波長の光を照射して栽培した。この際に、8区分の処理区の各々に、白色、紫赤色、青色、UV−A(紫外線)の4本の蛍光灯を組み合わせて、所望の波長の照射光を照射できるように調整した。調整された照射光の波長幅は50nmであった。
この様にして波長を調整した照射光は、日長の影響を除去するために、UV−A(紫外線)を除いて連続照射とし、且つ小麦を栽培する暗室の温度を20℃に保持してバーナリゼーションの効果を排除した。
尚、UV−A(紫外線)の照射は、紫外線による発育阻害を避けるべく、2時間間隔で15分間照射した。
小麦の発育速度の測定は、所定処理区に播種した小麦の50%が出穂するまでに要した日数を調査し、その逆数を所定処理区の発育速度とした。
この様にして求めた小麦の発育速度を、全波長域(W:250〜1000nm)に対する特定波長のエネルギー比との関係で求めた。その一例を図2に示す。図2では、小麦の発育速度を、全波長域(250〜1000nm)に対する緑色光(G:波長500〜550nm)のエネルギー比(G/W)との関係を示す。図2(a)は小麦として「農林61号」を用いたものであり、図2(b)は小麦として「しゅんよう」を用いたものである。
「農林61号」の発育速度とエネルギー比(G/W)との間には、相関関数(r)が0.903と大きな相関関係が存在する。また、「しゅんよう」の発育速度とエネルギー比(G/W)との間にも、相関関数(r)が0.507と大きな相関関係が存在する。
この様に、他の波長についても、同様にして、小麦の発育速度とエネルギー比との間の相関関数を求め、照射した波長と相関関数(r)[小麦の発育速度とエネルギー比との間の相関関数(r)]との関係を図1に示した。
図1に示す様に、波長500〜550nmの緑色光に対する小麦、特に「農林61号」の相関関数(r)は、波長600〜700nmの赤色光や波長480〜450nmの青色光に対する相関関数(r)よりも大きい。
このことから、発芽した小麦に波長500〜550nmの緑色光を照射することによって、発芽した小麦の発育を促して発穂までの期間を短縮できることが判る。
かかる波長500〜550nmの緑色光の照射強度(フルエンスレート)ついて、発芽した小麦の発育速度に対する影響を調査した結果を図3に示す。
図3に示すグラフは、小麦として「農林61号」を用いて暗室内で栽培して得られたものであって、小麦の種子の播種後5日目から緑色光の照射を開始した。この緑色光の発光源としては、緑色LEDを用いた。処理区の各々で緑色光を照射する緑色LEDの設置数を変更して、緑色光の照射強度を調整した。各処理区の緑色LEDの設置数は、62個、124個、248個、496個であった(対照区では、白色蛍光灯3本を用いて、発芽した小麦に照射した)。この実験では、緑色光を連続照射し、暗室内を20℃一定に保持した。
小麦の発育速度の測定は、所定処理区に播種した小麦の50%が出穂するまでに要した日数を調査し、その逆数を所定処理区の発育速度とした。
かかる小麦の発育速度と波長500〜550nmの緑色光の照射強度(フルエンスレート)との関係は、図3に示す様に、対数関数的であり、フルエンスレートが高くなっても発育速度が向上しない頭打ち現象が認められる。
このため、波長500〜550nmの緑色光は、発芽した小麦に少量照射することによって、小麦の発育を促すシグナル的影響を及ぼすものと考えられる。
また、本発明では、波長500〜550nmの緑色光のうち、発芽した小麦に波長540±5nmの緑色光を照射することが好ましい。かかる波長の緑色光を発芽した小麦に照射することによって、発穂までの期間を更に短縮できる。このことを図4に示す。
図4に示す実験では、小麦として「農林61号」の種子を用いて、波長500〜550nmの緑色光のうち、中心波長が520nm、530nm、540nm及び550nmの各緑色光(中心波長に対して±5nmの幅を有する)を、発芽した小麦に連続照射し、発育速度を測定した。
この実験では、図5に示す照射装置[LAX-102(朝日分光株式会社)]を用いた。この照射装置では、光源としてのキセノンランプからの光は分光器で分光され、更にバンドパスフィルタを通過して得られた所定波長の緑色光を、光ファイバーを介して拡大レンズから対象物に照射する。かかる図5に示す照射装置によれば、中心波長に対して±5nmの幅の緑色光を対象物に照射できる。
本実験では、所定波長の緑色光の照射強度を、300μmolm-2s-1で統一し、所定処理区に播種した小麦の50%が出穂するまでに要した日数の逆数を所定処理区の発育速度とした。
その結果を図4に示す。図4から明らかな様に、発芽した小麦に波長540±5nmの緑色光を照射することによって、発穂までの期間を最も短縮できることが判る。
この様に、発芽した小麦に波長500〜550nm、好ましくは540±5nmの緑色光を照射して、発穂までの期間を更に短縮し、小麦の種子の収穫を更に早期に行うことができる。
このため、小麦の品種改良を交配育種方法によって行う際に、播種した交配予定の小麦が発芽した後、波長500〜550nm(好ましくは540±5nm)の緑色光を照射することによって、その発育を促進して早期に発穂させることができ、年間複数回の交配を行うことができる。例えば、「農林61号」では、その栽培期間を50日〜60日とすることができ、準備期間も含めて年間少なくとも3回程度の交配を行うことができる。
更に、小麦の交配を行う際には、受粉時期が異なる種類の小麦間で交配する場合もある。この場合、小麦の受粉時期を一致させることが必要である。かかる場合に、受粉時期の遅い小麦に対し、発芽後に波長500〜550nm(好ましくは540±5nm)の緑色光を照射することによって、その発育を促進でき、受粉時期が早い小麦との受粉時期を容易に一致させることができる。このため、受粉時期の異なる小麦間の交配も容易に行うことができ、新品種の小麦が得られることを期待できる。
また、小麦を屋内で人工的に栽培する際に、発芽した小麦に波長500〜550nm(好ましくは540±5nm)の緑色光を照射して、その発育速度を促進して、収穫時期を早めて1年間の複数回の収穫を行うことも期待できる。
尚、発芽した小麦への波長500〜550nm(好ましくは540±5nm)の緑色光の照射は、緑色光を発光するレーザダイオードを用いることによっても容易に行うことができる。
照射する光の波長と小麦の発育速度との関係を示すグラフである。 小麦の発育速度とエネルギー比(G/W)との間に高い相関が存在することを示すグラフである。 緑色光の照射強度と小麦の発育速度との関係を示すグラフである。 緑色光の波長と小麦の発育速度との関係を示すグラフである。 特定波長の緑色光を照射する照射装置の概略図である。

Claims (4)

  1. 発芽した小麦の発育を促して早期に発穂するように、前記発芽した小麦に波長500〜550nmの緑色光を照射することを特徴とする小麦の発育促進方法。
  2. 照射する緑色光を、波長540±5nmの緑色光とする請求項1記載の小麦の発育促進方法。
  3. 緑色光を、発芽した小麦が発穂するまで連続照射する請求項1又は請求項2記載の小麦の発育促進方法。
  4. 小麦の交配育種の際に、請求項1〜3のいずれか一項記載の小麦の発育促進方法を用い、交配対象の小麦の発育を促すことを特徴とする小麦の交配育種方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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