以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1には、本実施形態に係る放射線画像取扱システム10が示されている。放射線画像取扱システム10は、可搬性を有し、画像情報を担持した放射線が照射される毎に前記画像情報を画像データに変換して蓄積記憶可能な電子カセッテ12と、電子カセッテ12に蓄積記憶された画像データを読み出し可能な画像読出装置84から構成されている。なお、電子カセッテ12及び画像読出装置84は本発明に係る電子機器(詳しくは請求項1,2に記載の電子機器)に各々対応している。また、電子カセッテ12は請求項12に記載の可搬型放射線画像変換装置にも対応しており、画像読出装置84は請求項12に記載の画像読出装置にも対応している。
図2(A)に示すように、電子カセッテ12は、放射線画像の撮影時に、エックス線(X線)等の放射線を発生する放射線発生部14と間隔を空けて配置される。このときの放射線発生部14と電子カセッテ12との間は被写体16が位置するための撮影位置とされており、放射線画像の撮影が指示されると、放射線発生部14は予め与えられた撮影条件等に応じた放射線量の放射線を射出する。放射線発生部14から射出された放射線は、撮影位置に位置している被写体16を透過することで画像情報を担持した後に電子カセッテ12に照射される。
図2(B)に示すように、電子カセッテ12は、放射線Xを透過させる材料から成り厚みを有する平板状のケーシング(筐体)20によって覆われており、ケーシング20の内部には、ケーシング20のうち放射線Xが照射される照射面22側から順に、被写体16を透過することに伴って生ずる放射線Xの散乱線を除去するグリッド24、放射線Xを検出する放射線検出器(放射線検出パネル)26、及び、放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板28が配設されている。なお、ケーシング20の照射面22をグリッド24で構成してもよい。また、ケーシング20の内部の一端側には、マイクロコンピュータを含む各種回路(後述)を収容するケース30が配置されている。ケース30内部に収容された各種回路が放射線Xの照射に伴って損傷することを回避するため、ケース30の照射面22側には鉛板等を配設しておくことが望ましい。
電子カセッテ12の放射線検出器26は、図1に示すTFTアクティブマトリクス基板32上に、放射線を吸収して電荷に変換する光電変換層が積層されて構成されている。光電変換層は例えばセレンを主成分(例えば含有率50%以上)とする非晶質のa−Se(アモルファスセレン)から成り、放射線が照射されると、照射された放射線量に応じた電荷量の電荷(電子−正孔の対)を内部で発生することで、照射された放射線を電荷へ変換する。また、TFTアクティブマトリクス基板32上には、光電変換層で発生された電荷を蓄積する蓄積容量34と、蓄積容量34に蓄積された電荷を読み出すためのTFT36を備えた画素部40(図1では個々の画素部48に対応する光電変換層を光電変換部38として模式的に示している)がマトリクス状に多数個配置されており、電子カセッテ12への放射線の照射に伴って光電変換層で発生された電荷は、個々の画素部40の蓄積容量34に蓄積される。これにより、電子カセッテ12に照射された放射線に担持されていた画像情報は電荷情報へ変換されて放射線検出器26に保持される。
また、TFTアクティブマトリクス基板32には、一定方向(行方向)に延設され個々の画素部40のTFT36をオンオフさせるための複数本のゲート配線42と、ゲート配線42と直交する方向(列方向)に延設されオンされたTFT36を介して蓄積容量34から蓄積電荷を読み出すための複数本のデータ配線44が設けられている。個々のゲート配線42はゲート線ドライバ46に接続されており、個々のデータ配線44は信号処理部48に接続されている。個々の画素部40の蓄積容量34に電荷が蓄積されると、個々の画素部40のTFT36は、ゲート線ドライバ46からゲート配線42を介して供給される信号により行単位で順にオンされ、TFT36がオンされた画素部40の蓄積容量34に蓄積されている電荷は、電荷信号としてデータ配線44を伝送されて信号処理部48に入力される。従って、個々の画素部40の蓄積容量34に蓄積されている電荷は行単位で順に読み出される。
図示は省略するが、信号処理部48は、個々のデータ配線44毎に設けられた増幅器及びサンプルホールド回路を備えており、個々のデータ配線44を伝送された電荷信号は増幅器で増幅された後にサンプルホールド回路に保持される。また、サンプルホールド回路の出力側にはマルチプレクサ、A/D変換器が順に接続されており、個々のサンプルホールド回路に保持された電荷信号はマルチプレクサに順に(シリアルに)入力され、A/D変換器によってデジタルの画像データへ変換される。信号処理部48には画像メモリ50が接続されており、信号処理部48のA/D変換器から出力された画像データは画像メモリ50に順に記憶される。画像メモリ50は複数フレーム分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ50に順次記憶される。
また、電子カセッテ12は画像読出装置84との間でレーザ光による無線通信を行う機能を有しており、レーザ光源としてのLD(レーザダイオード)52と、外部から入射されたレーザ光を検出するPD(フォトダイオード)56を備えている。なお、電子カセッテ12と画像読出装置84との間の通信の高速化のために、LD52は赤外域の波長のレーザ光を射出するLD、PD56は赤外域の波長に感度を有するPDであることが好ましい。本第1実施形態では、図3に示すように、電子カセッテ12のケーシング20のうち照射面22と反対側の底面60に、LD52から射出されたレーザ光が通過するための射出孔62と、外部(例えば画像読出装置84)からのレーザ光が通過するための受光孔64が各々設けられている。
なお、本実施形態では、電子カセッテ12と画像読出装置84との間でレーザ光によって情報を送受する際には、電子カセッテ12のケーシング20の各面のうち射出孔62及び受光孔64が設けられた面(本第1実施形態では底面60)が、画像読出装置84のケーシングの各面のうち射出孔及び受光孔が設けられた面(後述)と対向するように、電子カセッテ12及び画像読出装置84のケーシングが配置されるので、以下では、電子カセッテ12のケーシング20の各面及び画像読出装置84のケーシングの各面のうち、射出孔及び受光孔が設けられた面を各々「対向面」と称する。LD52から射出されたレーザ光は、LD52のレーザ光射出側に配置されたレンズ54(図1参照) を透過し、射出孔62を通過してケーシング20外へ射出され、外部からのレーザ光は、受光孔64を通過し、PD56の光入射側に配置されたレンズ58(図1参照) を透過してPD56で受光される。
LD52は変調部68を介して通信制御部72に接続されている。通信制御部72はマイクロコンピュータによって実現され、画像読出装置84への情報の送信時に、送信対象の情報を変調部68へ出力すると共に、LD52から射出するレーザ光の強度を変調部68へ指示する。変調部68は、LD52から射出されるレーザ光を入力された送信対象情報に応じて所定の変調方式で変調すると共に、LD52から射出されるレーザ光の強度が指示された強度に一致するようにLD52の駆動を制御する。これにより、LD52からは、送信対象情報に応じて変調されたレーザ光が、通信制御部72から指示された強度で射出される。
またPD56は復調部70を介して通信制御部72に接続されている。復調部70は、外部からのレーザ光がPD56で受光され、レーザ光の受光量に応じた受光量信号がPD56から入力されると、入力された受光量信号に基づいて、受光されたレーザ光が担持している情報(通信相手の装置から送信された情報)を所定の復調方式で復調し、復調した情報を通信制御部72へ出力する。
また、電子カセッテ12には主電源部80が設けられており、主電源部80はLD52を除く各種回路や各素子(ゲート線ドライバ46、信号処理部48、画像メモリ50、通信制御部72や位置変化監視部78として機能するマイクロコンピュータ、変調部68、LD52、PD56、復調部70等)へ電力を供給し、LD52を除く各種回路や各素子は主電源部80から供給された電力によって作動する。主電源部80としては、電子カセッテ12の可搬性を損なわないように、バッテリ(充電可能な二次電池)を内蔵し、充電されたバッテリから各種回路・素子へ電力を供給する構成が好適であるが、バッテリとして一次電池を用いてもよいし、商用電源に常時接続され商用電源から供給された電力を整流、変圧して各種回路・素子へ電力を供給する構成であってもよい。
また、電子カセッテ12にはLD用給電部74も設けられている。LD用給電部74はコネクタ76(後述)に接続され、画像読出装置84からコネクタ76を介して電力が供給されると作動し、コネクタ76を介して画像読出装置84から供給された電力をLD52に供給すると共に、画像読出装置84から供給された電力の一部を、コネクタ76を介して画像読出装置84(のLD用給電部144:後述)に供給する。電子カセッテ12のLD52はLD用給電部74から供給された電力によって作動する。
また、図3に示すように、本第1実施形態に係る画像読出装置84のケーシング94には、電子カセッテ12を載置するための平板状の載置部94Aが設けられており、載置部94Aの側方に、載置部94Aよりも厚みが若干厚くされ各種回路を収容すると共に操作パネル130が取付けられた本体部94Bが設けられている。画像読出装置84も電子カセッテ12との間でレーザ光による無線通信を行う機能を有しており、図1に示すように、レーザ光源としてのLD86と、外部から入射されたレーザ光を検出するPD90を備えている。なお、電子カセッテ12と画像読出装置84との間の通信の高速化のために、電子カセッテ12と同様、LD86は赤外域の波長のレーザ光を射出するLD、PD90は赤外域の波長に感度を有するPDであることが好ましい。
本第1実施形態では、電子カセッテ12と画像読出装置84との間でレーザ光によって情報を送受する際には、電子カセッテ12が、その対向面60が画像読出装置84のケーシング94のうち載置部94Aの上面と対向する向きで、載置部94Aの上面上に載置される。そして図3に示すように、画像読出装置84の載置部94Aの上面には、LD86から射出されたレーザ光が通過するための射出孔98と、外部(例えば電子カセッテ12)からのレーザ光が通過するための受光孔100が各々設けられている(以下、載置部94Aの上面を「対向面96」と称する)。LD86から射出されたレーザ光は、LD86のレーザ光射出側に配置されたレンズ88(図1参照) を透過し、射出孔98を通過してケーシング94外へ射出され、外部からのレーザ光は、受光孔100を通過し、PD90の光入射側に配置されたレンズ92(図1参照) を透過してPD90で受光される。
また、対向面96に設けられた射出孔98及び受光孔100は、電子カセッテ12が対向面96上の一定位置(通信可能位置)に正しく配置された場合に、受光孔100が射出孔62と対向し、射出孔98が受光孔64と対向する位置に配置されている。図3に示すように、対向面96には複数箇所に突起部132が各々設けられている。図4にも示すように、個々の突起部132は、円錐状の頂部を除去した形状(およそ山型の形状)とされ、側面にテーパーが形成されている。一方、電子カセッテ12のケーシング20の対向面60のうち、電子カセッテ12が対向面96上の通信可能位置に正しく配置された状態で個々の突起部132に対応する複数箇所には、位置決め孔82が各々穿設されている。図4(A),(B)に示すように、位置決め孔82の側壁面は突起部132の側面に倣ってテーパー状とされている。
また、画像読出装置84の対向面96にはコネクタ134が設けられている。図5(A)に示すように、コネクタ134のケース134A内には端子136,138が設けられている。端子136,138は先端部が円弧状に各々湾曲され、互いの湾曲部が向かい合い互いの先端部が接触した状態でケース134A内に収容されている。コネクタ134のケース134A内には端子136,138の組が複数組配列されており、個々の端子の組は互いに絶縁されている。また、電子カセッテ12のケーシング20の対向面60のうち、電子カセッテ12が対向面96上の通信可能位置に位置決めされた状態でコネクタ134に対応する箇所には孔が穿設され、この孔内にはコネクタ76が収容されている。図5(A)に示すように、コネクタ76のケース76Aは、コネクタ134のケース134Aを収容可能なように、ケース76Aの内形寸法がケース134Aの外形寸法よりも若干大きくされており、コネクタ76のケース76A内には、扁平な形状の端子76Bが、コネクタ134のケース134A内に設けられた端子136,138の組と同数配列されている。
また、LD86は変調部104を介して通信制御部108に接続されている。通信制御部108はマイクロコンピュータによって実現され、電子カセッテ12への情報の送信時に、送信対象の情報を変調部104へ出力すると共に、LD86から射出するレーザ光の強度を変調部104へ指示する。変調部104は、LD86から射出されるレーザ光を入力された送信対象情報に応じて所定の変調方式で変調すると共に、LD86から射出されるレーザ光の強度が指示された強度に一致するようにLD86の駆動を制御する。これにより、LD86からは、送信対象情報に応じて変調されたレーザ光が、通信制御部108から指示された強度で射出される。
また PD90は復調部106を介して通信制御部108に接続されている。復調部106は、外部からのレーザ光がPD90で受光され、レーザ光の受光量に応じた受光量信号がPD90から入力されると、入力された受光量信号に基づいて、受光されたレーザ光が担持している情報(通信相手の装置から送信された情報)を所定の復調方式で復調し、復調した情報を通信制御部108へ出力する。
通信制御部108には操作部116が接続されている。図3に示すように、操作部116は、ケーシング94の本体部94Bの操作パネル130に設けられ各種のメッセージを含む任意の情報を表示可能なディスプレイ118と、同じくケーシング94に設けられ複数のキーを備えたキーボード120を含んで構成されている。利用者がキーボード120を操作することで入力された各種の指示や情報は通信制御部108に入力され、ディスプレイ118への情報表示は通信制御部108によって制御される。
また、通信制御部108にはリミットスイッチ140が接続されている。リミットスイッチ140は接触子がピン形状とされ、図3に示すように、接触子の先端が対向面96から突出するように設けられている(図3では、リミットスイッチ140の接触子に「140A」の符号を付して示す)。リミットスイッチ140は、電子カセッテ12のケーシング20が画像読出装置84の対向面96上に載置され、対向面60が対向面96と接触した状態になると、対向面60によって接触子140Aの先端部が押圧され、接点が切り替わるように配置されている。
また、通信制御部108には画像処理部122を介して画像メモリ124が接続されている。電子カセッテ12と画像読出装置84との通信では、後述のように、電子カセッテ12の画像メモリ50に蓄積記憶されている画像データが画像読出装置84へ転送されるが、画像処理部122は電子カセッテ12から受信されて通信制御部108から順次出力される画像データに対して各種の画像処理(例えば画像データに重畳されたノイズを除去したり、放射線検出器26の各画素部40の特性のばらつきに起因する画像データの画素毎のばらつきを補正する各種の補正処理等)を行い、各種の画像処理を行った画像データを画像メモリ124に記憶させる。
画像メモリ124には出力制御部126が接続されている。出力制御部126は、画像メモリ124に記憶された画像データを外部機器へ出力する際に、画像メモリ124からの画像データの読み出し及び外部機器への画像データの出力を制御する。図1には外部機器の典型例としてのディスプレイ128が示されており、外部機器がディスプレイ128である場合、画像メモリ124に記憶されている画像データが表す画像(放射線画像)が、出力制御部126によってディスプレイ128に表示される。なお、外部機器としては、ディスプレイ128以外に、例えば画像データが表す画像をシート状の印刷媒体に印刷する印刷装置や、画像データをCD−Rや公知の他の情報記録媒体に記録する情報記録装置、通信ネットワークを介して接続された情報処理機器へ画像データを送信する通信装置等が挙げられる。
また、画像読出装置84には電源部142が設けられている。電源部142は商用電源に常時接続され、商用電源から供給された電力を整流、変圧し、画像読出装置84のうちLD90を除く各種回路や各素子(復調部106、変調部104、PD86、通信制御部108、操作部116、画像処理部112、画像メモリ124、出力制御部126等)へ供給する。画像読出装置84のうちLD90を除く各種回路や各素子し、LD52を除く各種回路や各素子は主電源部80から供給された電力によって作動する。また、電源部142はコネクタ134にも接続されており、コネクタ134にコネクタ76が接続されている場合、電子カセッテ12のLD用給電部74へも電力を供給する。
また画像読出装置84にはLD用給電部144が設けられている。LD用給電部144はコネクタ134に接続されており、コネクタ134にコネクタ76が接続され、電子カセッテ12のLD用給電部74からコネクタ76,134を介して電力が供給されると作動し、コネクタ76,134を介して電子カセッテ12から供給された電力をLD52に供給する。画像読出装置84のLD90はLD用給電部144から供給された電力によって作動する。
次に本第1実施形態の作用として、電子カセッテ12と画像読出装置84との通信について説明する。放射線画像の撮影が行われることで電子カセッテ12の画像メモリ50に記憶されている画像データをディスプレイ128に画像として表示する等の利用を所望している場合、利用者は、まず読出対象の画像データが記憶されている電子カセッテ12のケーシング20を対向面60が下方を向くように把持し、画像読出装置84の載置部94Aの上方側の空間へ移動させる。そして、電子カセッテ12のケーシング20の対向面60が画像読出装置84のケーシング94の対向面96と対向している状態で、電子カセッテ12ケーシング20が通信可能位置のおよそ上方に位置するように電子カセッテ12のケーシング20の水平位置を調整した後に、対向面60が対向面96と接触する位置迄ケーシング20を下方へ移動させる作業を行う。
ここで、ケーシング20の下方への移動時に、ケーシング20の水平方向位置が通信可能位置と若干ずれていることで、図4(A)に示すように、対向面96上に設けられた個々の突起部132の軸線が、対向面60に設けられた対応する位置決め孔82の中心と多少ずれていたとしても、個々の突起部132の先端部が対応する位置決め孔82に各々入り込み、個々の突起部132のテーパー状の側面が対応する位置決め孔82のテーパー状の側壁面と接触する。これにより、ケーシング20が更に下方へ移動されることに伴い、図4(B)に示すように、突起部132の軸線が位置決め孔82の中心と一致するように、電子カセッテ12のケーシング20の水平方向位置が案内(移動)されることで、電子カセッテ12のケーシング20は画像読出装置84の対向面96上の通信可能位置に正確に位置決めされ、対向面60上の射出孔62が対向面96上の受光孔100と正確に対向し、対向面96上の射出孔98が対向面60上の受光孔64と正確に対向している状態となる。
このように、本第1実施形態では、画像読出装置84側の対向面96上の複数箇所に突起部132を設けると共に、電子カセッテ12側の対向面60上の対応する複数箇所に位置決め孔82を設けたので、電子カセッテ12を通信可能位置に位置決めすることを、煩雑な位置調整作業を行うことなく簡単に実現することができる。
また、前述のように、電子カセッテ12のケーシング20の対向面60が画像読出装置84のケーシング94の対向面96と対向し、かつ、電子カセッテ12のケーシング20を通信可能位置のおよそ上方に位置させた状態で、電子カセッテ12のケーシング20を下方へ移動させると、図5(B)に示すように、画像読出装置84側の対向面96上に設けられたコネクタ134のケース134Aが、電子カセッテ12のケーシング20内に設けられたコネクタ76のケース76A内に入り込むと共に、コネクタ76の端子76Bの先端部がコネクタ134の端子136,138の湾曲部を弾性変形させ、端子136,138の先端部の間に入り込むことで、端子136,138の湾曲部の弾性変形によって生じた挟持力により、端子76Bの先端部が端子136,138に挟持される。
コネクタ76の個々の端子76Bはコネクタ134の対応する端子136,138の組に各々挟持されるので、個々の端子76Bが対応する端子136,138と各々導通されると共に、個々の端子76Bを挟持する挟持力が、一旦通信可能位置に位置決めされた電子カセッテ12のケーシング20を上方へ移動させようとする力が加わったときに、この力に抗して電子カセッテ12のケーシング20を通信可能位置に保持しようとする保持力として作用する。これにより、後述のように電子カセッテ12と画像読出装置84がレーザ光による通信を行っている状態で、電子カセッテ12のケーシング20及び画像読出装置84のケーシング94の少なくとも一方に押圧力や振動等の外力が加わった場合にも、電子カセッテ12と画像読出装置84の相対位置は通信可能な位置関係に保持される。
このように、本第1実施形態において、コネクタ76,134の一方は第1の保持手段に、他方は第2の保持手段に各々対応している。
また、コネクタ76の個々の端子76Bがコネクタ134の対応する端子136,138と各々導通されることに伴い、電子カセッテ12のLD用給電部74には、コネクタ76,134を介して画像読出装置84の電源部142から電力が供給され、これにより電子カセッテ12のLD52がレーザ光を射出可能な状態になる。また、電源部142からLD用給電部74に供給された電力の一部は、コネクタ76,134を介して画像読出装置84のLD用給電部144に供給され、これにより画像読出装置84のLD86がレーザ光を射出可能な状態になる。
利用者は、電子カセッテ12を通信可能位置に位置決めすると、操作部116のキーボード120を操作することで、画像読出装置84に対して電子カセッテ12からの画像データの読み出しを指示する。
画像読出装置84の通信制御部108は、画像データの読み出しが指示されると、まずリミットスイッチ140の接点の状態に基づき、接触子140Aの先端が押圧されているか否か判定する。リミットスイッチ140の接触子140Aは、電子カセッテ12が通信可能位置に正確に位置決めされ、電子カセッテ12のケーシング20の対向面60が画像読出装置84のケーシングの対向面96と接触している状態になると、対向面60によって接触子140Aの先端部が押圧される。このため、通信制御部108は、リミットスイッチ140の接触子140Aの先端が押圧されていないと判断した場合、LD86からレーザ光を射出させることなく、電子カセッテ12を画像読出装置84から一旦離脱させて再度セットするよう要請するエラーメッセージをディスプレイ118に表示させる。これにより、何らかの原因によって電子カセッテ12の対向面60が画像読出装置84の対向面96から浮き上がってしまっている場合は、レーザ光による通信が行われることなく、電子カセッテ12をセットし直す作業が行われることになる。
また、接触子140Aの先端が押圧されていると判断した場合、通信制御部108は、まず変調部104を介してLD86から微小出力のレーザ光を射出させる。LD86から射出された微小出力のレーザ光は、射出孔98を通過して画像読出装置84のケーシング94の外へ射出されるが、このレーザ光が受光孔64を通過して電子カセッテ12のケーシング20内へ入射され、PD56によって検出(検知)されると、画像読出装置84通信制御部72は変調部68を介してLD52から微小出力のレーザ光を射出させる。LD52から射出された微小出力のレーザ光は、射出孔62を通過して電子カセッテ12のケーシング20の外へ射出される。
このレーザ光が受光孔100を通過して画像読出装置84のケーシング94内へ入射され、PD90によって検出(検知)された場合には、画像読出装置84のLD86から射出された微小出力のレーザ光が電子カセッテ12のPD56で検出(検知)され、かつ、電子カセッテ12のLD52から射出された微小出力のレーザ光が画像読出装置84のPD90で検出(検知)されているので、電子カセッテ12と画像読出装置84の相対位置は、LD86から射出されたレーザ光がPD56の受光面の中央又はその付近に入射され、LD52から射出されたレーザ光もPD90の受光面の中央又はその付近に入射される、通信可能な最適な位置関係にあると判断できる。
このため、画像読出装置84の通信制御部108は、微小出力のレーザ光がPD90によって検出(検知)された場合、自装置からレーザ光によって所定の情報を送信する(自装置のLDから射出されるレーザ光を所定の情報に応じて変調させる)と共に、相手装置からレーザ光によって受信した情報(相手装置のLDから射出されて自装置のPDで受光されたレーザ光を復調することで得られた情報)の内容を確認することで、相手装置が正規の装置か否かを確認する相手装置確認処理を行う。なお、相手装置確認処理で電子カセッテ12が画像読出装置84へ送信する情報としては、個々の電子カセッテ12を識別するためのカセッテID等の情報が挙げられ、画像読出装置84が電子カセッテ12へ送信する情報としては、自装置が画像読出装置であることを表す情報等が挙げられる。
上記の相手装置確認処理で相手装置が正規の装置でないと判断した場合、画像読出装置84の通信制御部108は、LD86からのレーザ光の射出を停止させ、相手装置が正規の装置でないことを通知するエラーメッセージをディスプレイ118に表示させる等のエラー処理を行うが、相手装置確認処理で相手装置が正規の装置(電子カセッテ12)であると判断した場合には、LD86からのレーザ光出力を通常の通信時の値に設定し、相手装置に対してデータ転送を要求する情報をレーザ光によって相手装置へ送信する。
電子カセッテ12の通信制御部72では、画像読出装置84からデータ転送を要求する情報を受信すると、LD52からのレーザ光出力を通常の通信時の値に設定した後に、画像読出装置84へ未転送の画像データを転送対象の画像データとして画像メモリ50から読み出し、画像メモリ50から読み出した転送対象の画像データをレーザ光によって相手装置(画像読出装置84)へ送信する。電子カセッテ12からレーザ光によって送信された画像データが画像読出装置84によって受信されると、画像読出装置84の通信制御部108は、相手装置(電子カセッテ12)から受信した画像データを後段(本実施形態では画像処理部122)へ出力する。これにより、画像読出装置84で受信された画像データは、画像処理部122によって各種の画像処理が行われた後に画像メモリ124に記憶される。また画像読出装置84の通信制御部108は、相手装置(電子カセッテ12)のデータ送信に対する応答をレーザ光によって送信する。この応答が電子カセッテ12で受信されることで、電子カセッテ12の通信制御部72では、画像メモリ50からの未転送の画像データの読み出し、読み出した画像データの送信を再度行う。
上記のシーケンスは、画像読出装置84へ未転送の画像データが画像メモリ50から無くなる迄繰り返され、画像メモリ50に記憶されている未転送の画像データは画像読出装置84へ全て送信(転送)される。そして、未転送の画像データが画像メモリ50から無くなると、電子カセッテ12の通信制御部72は、データ転送の終了を相手装置(画像読出装置84)へ通知し、LD52からのレーザ光の射出を停止させる。また、データ転送の終了が通知されると、画像読出装置84の通信制御部108は、LD86からのレーザ光の射出を停止させると共に、電子カセッテ12からの画像データの読み出しが完了したことを通知するメッセージをディスプレイ118に表示させる。
なお、上述のように電子カセッテ12と画像読出装置84が通信を行っている途中で、コネクタ76,134の結合による保持力を上回る力が電子カセッテ12のケーシング20に加わり、電子カセッテ12のケーシング20が通信可能位置から離脱された場合は、コネクタ76,134の結合も解除され、画像読出装置84の電源部142から電子カセッテ12のLD用給電部74への電力の供給、及び電子カセッテ12のLD用給電部74から画像読出装置84のLD用給電部144への電力の供給も停止されるので、LD52,86への電力の供給も停止され、LD52,86からのレーザ光の射出も停止されることになる。
また、通信可能位置からの電子カセッテ12のケーシング20の離脱に伴い、電子カセッテ12の対向面によるリミットスイッチ140の接触子140Aの先端部の押圧が解除されることで、電子カセッテ12のケーシング20の離脱が画像読出装置84の通信制御部108によっても検知され、通信制御部108により、LD86からのレーザ光の射出を停止させる制御が行われると共に、ディスプレイ118へエラーメッセージを表示させるエラー処理も行われる。
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。図6に示すように、本第2実施形態では、突起部132及び位置決め孔82が省略されており、画像読出装置84のケーシング94の載置部94Aには、対向面96のうち本体部94Bと接する辺以外の3辺の周囲に、対向面96よりも高さが高くされた周縁ガイド部150が設けられている。なお、周縁ガイド部150のうち対向面96の一対の短辺と接する部分には、その一部が切欠かれた切欠部150Aが各々形成されている。
また、電子カセッテ12のケーシング20の側面のうち、通信可能位置に位置決めされた状態で画像読出装置84の本体部94Bと接する特定の側面には、当該側面の長さ方向に沿って溝152が形成されており、画像読出装置84の本体部94Bのうち、電子カセッテ12のケーシング20が通信可能位置に位置決めされた状態で前記特定の側面と接する背面には、図7に示すように、電子カセッテ12のケーシング20が通信可能位置に位置決めされた状態で、溝152に入り込む突起154が形成されている。
更に、周縁ガイド部150のうち切欠部150Aが形成されている箇所の近傍には保持部材156が各々配設されている。図8にも示すように、保持部材156は、対向面94の上方の空間へ突出すると共に、上面に傾斜面156Bが形成され基部から先端部へかけて厚みが徐々に小さくされた突出部156Aを備えている。保持部材156は保持部材156の近傍に設けられたスライダ158(図6参照)と連結されており、保持部材156及びスライダ158は、突出部156Aが対向面94の上方空間へ突出する位置と、突出部156Aが対向面94の上方空間から待避する位置(図8(B)に示す位置)との間をスライド移動可能とされている。また、保持部材156のうち突出部156Aの突出方向と反対側の端部と、画像読出装置84のケーシング94の間には圧縮コイルばね160が介在されており、保持部材156及びスライダ158は圧縮コイルばね160の付勢力によって図8(A)に示す位置に保持されている。
また、電子カセッテ12のケーシング20の側面のうち、電子カセッテ12のケーシング20が通信可能位置に位置決めされた状態で、保持部材156の突出部156Aの先端部が当接する位置には、電子カセッテ12のケーシング20が通信可能位置に位置決めされた状態で突出部156Aの先端部が入り込む溝162が形成されている。
次に本第2実施形態の作用として、通信可能位置への電子カセッテ12の位置決めについて説明する。電子カセッテ12の画像メモリ50に記憶されている画像データを画像読出装置84によって読み出させる場合、利用者は、まず読出対象の画像データが記憶されている電子カセッテ12のケーシング20を対向面60が下方を向くように把持し、画像読出装置84の載置部94Aの上方側の空間へ移動させる。続いて利用者は、電子カセッテ12のケーシング20のうち溝152が形成された特定の側面が反対側の側面よりも低くなるように電子カセッテ12のケーシングを傾斜させ、電子カセッテ12のケーシング20の対向面60の長手方向に沿った位置を調整しながら、電子カセッテ12のケーシング20のうち溝152が形成された特定の側面と対向面60とに挟まれた第1の辺が、画像読出装置84の対向面96の長手方向両端に設けられた一対の周縁ガイド部150の間に入り込み、更に前記辺がその全長に亘って画像読出装置84の対向面96と接するように、電子カセッテ12のケーシング20を移動させる。
電子カセッテ12のケーシング20のうち特定の側面と対向面60とに挟まれた第1の辺が、その全長に亘って画像読出装置84の対向面96と接する状態になると、続いて利用者は、電子カセッテ12のケーシング20のうち特定の側面と照射面22とに挟まれた第2の辺が、その全長に亘って画像読出装置84の本体部94の背面と接した状態(図7(A)に示す状態)となるように、電子カセッテ12のケーシング20を画像読出装置84の対向面96上で摺動移動させる。そして、電子カセッテ12のケーシング20の第2の辺がその全長に亘って画像読出装置84の本体部94の背面と接した状態になると、電子カセッテ12のケーシング20のうち特定の側面と反対側の端部を、ケーシング20の第1の辺又は第2の辺を中心として下方へ回動させる。これにより、電子カセッテ12のケーシング20全体が周縁ガイド部150の内側に入り込み、対向面60が対向面96と接することで電子カセッテ12が対向面96上の通信可能位置に正確に位置決めされ、対向面60上の射出孔62が対向面96上の受光孔100と正確に対向し、対向面96上の射出孔98が対向面60上の受光孔64と正確に対向している状態となる。
このように、本第2実施形態では、画像読出装置84側の対向面96の周縁に周縁ガイド部150を設けたので、電子カセッテ12のケーシング20が誤って通信可能位置からずれた位置に配置されようとしていた場合には、電子カセッテ12の対向面が周縁ガイド部150の上面と接触し、電子カセッテ12のケーシング20がそれ以上下方へ移動することが阻止されることで、電子カセッテ12のケーシング20が、通信可能位置へ位置決めするための所定位置からずれていることを利用者に認識させることができ、電子カセッテ12の対向面が周縁ガイド部150の上面と接触しないように、電子カセッテ12を周縁ガイド部150の内側へ入れる、という簡易な作業により、電子カセッテ12を通信可能位置に正確に位置決めすることができる。
また、前述のように、電子カセッテ12のケーシング20の第2の辺がその全長に亘って画像読出装置84の本体部94の背面と接している状態で、電子カセッテ12のケーシング20のうち特定の側面と反対側の端部を、ケーシング20の第1の辺又は第2の辺を中心として下方へ回動させると、図8(A)に示す状態から、まず保持部材156の突出部156Aの傾斜面156Bにケーシング20の角部が接触し、更にケーシング20が下方へ移動することで、保持部材156及びスライダ158は、圧縮コイルばね160の付勢力に抗して突出部156Aが対向面94の上方空間から待避する位置(図8(B)に示す位置)へスライド移動され、ケーシング20が下方へ移動している間は、突出部156Aの先端部がケーシング20の側面に当接し押圧されていることで、スライド移動後の位置に保持される。
そして、対向面60が対向面96と接し、電子カセッテ12が対向面96上の通信可能位置に位置決めされると、図8(C)に示すように、ケーシング20の側面に設けられた溝162が突出部156Aの先端部と同高さとなることで、圧縮コイルばね160の付勢力によって保持部材156及びスライダ158が定常位置(突出部156Aが対向面94の上方空間へ突出する位置)へスライド移動され、突出部156Aの先端部が溝162内に入り込むことになる。また、対向面60が対向面96と接し、電子カセッテ12が対向面96上の通信可能位置に位置決めされると、図7(B)に示すように、画像読出装置84の本体部94Bの背面に形成された突起154も、電子カセッテ12のケーシング20の特定の側面に設けられた溝152内に入り込む。
上記の保持部材156の突出部156Aの先端部と溝162との係合、及び、突起154と溝152との係合は、電子カセッテ12が対向面96上の通信可能位置に位置している間維持されるので、電子カセッテ12と画像読出装置84がレーザ光による通信を行っている状態で、電子カセッテ12のケーシング20及び画像読出装置84のケーシング94の少なくとも一方に押圧力や振動等の外力が加わった場合にも、電子カセッテ12と画像読出装置84の相対位置は通信可能な位置関係に保持される。
このように、本第2実施形態において、保持部材156と溝162の一方、及び、突起154と溝152の一方は第1の保持手段に、各々の他方は第2の保持手段に各々対応している。
なお、本第2実施形態において、通信可能位置からの電子カセッテ12の離脱は、突出部156Aの先端部が溝162から待避するように圧縮コイルばね160の付勢力に抗してスライダ158(及び保持部材156)をスライド移動させ、この状態を維持したまま切欠部150Aの形成箇所で電子カセッテ12のケーシング20の側面を挟持し、溝152が形成されたケーシング20の側面と反対側の端部を上方へ移動させることで行うことができる。
〔第3実施形態〕
次に本発明の第3実施形態を説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、本第3実施形態では、画像読出装置84の本体部94Bの背面が対向面96とされ、この対向面に射出孔98及び受光孔100が穿設されている。また本第3実施形態に係る電子カセッテ12は、電子カセッテ12のケーシング20の側面のうち対向面60の短辺と接する特定の側面(本第3実施形態では、この特定の側面を「底部面」と称する)が下方を向き、対向面60が対向面96と対向するように向きが調整された状態で、画像読出装置84にセットされる。また、電子カセッテ12のケーシング20の対向面60及び照射面22には、底部面と接する側の端部近傍に、対向面60及び照射面22の短辺と平行な溝170が形成されている。
また、画像読出装置84の載置部94Aには、電子カセッテ12がセットされる際にケーシング20の底部面側を挿入するための挿入溝172が対向面96と平行に形成されている。挿入溝172は載置部94Aの一端側に開口しており、その両側壁には、挿入溝172の開口部側からの電子カセッテ12のケーシング20の挿入時に、ケーシング20の溝170と係合する突起174が挿入溝172の長手方向に沿って設けられている。本第3実施形態では、電子カセッテ12のケーシング20の底部面側が挿入溝172の開口部側から挿入溝172に挿入され、ケーシング20が挿入溝172の最奥部に当接する迄挿入溝172の奥側(開口部側と反対側)へスライド移動された状態(図9に一点鎖線で示す位置)が通信可能位置とされている。なお、挿入溝172へのケーシング20の挿入を容易にするために、開口部側における挿入溝172の幅寸法は載置部94Aの一端部へ向けて徐々に拡大され、テーパー状とされている。
また挿入溝172の底面のうち、電子カセッテ12のケーシング20が通信可能位置迄スライド移動された状態で露出する位置にはストッパ176が設けられている。ストッパ176は、挿入溝172の開口部側には挿入溝172の底面との角度差の小さい第1の傾斜面が形成され、挿入溝172の奥側には挿入溝172の底面に対して直角又は直角に近い第2の傾斜面が形成された形状とされており、通常時には図示しない付勢手段の付勢力によって挿入溝172の底面から突出し、付勢手段の付勢力を上回る押圧力が上方から加えられると、挿入溝172の底面と面一になる位置へ待避(移動)するように構成されている。
また、挿入溝172の底面のうち、電子カセッテ12のケーシング20が通信可能位置迄スライド移動された状態で電子カセッテ12の底部面と対向する箇所には複数の電極178が設けられている。電極178はストッパ176と同様に、通常時には図示しない付勢手段の付勢力によって挿入溝172の底面から所定量突出しており、付勢手段の付勢力を上回る押圧力が加えられると、挿入溝172の底面と面一になる位置へ待避(移動)するように構成されている。図示は省略するが、電子カセッテ12の底部面には、電子カセッテ12のケーシング20が通信可能位置迄スライド移動された状態で、複数の電極178の何れかと接触する複数の電極が設けられている。この電極同士の接触により、電子カセッテ12のケーシング20が通信可能位置に位置決めされた状態で、電子カセッテ12のLD用給電部74が画像読出装置84の電源部142及びLD用給電部144と導通される。
また、本第3実施形態では、電子カセッテ12のケーシング20が通信可能位置迄スライド移動された状態で、電子カセッテ12の対向面60と画像読出装置84の対向面96との間に間隙が生じているが、載置部94Aの上面には、電子カセッテ12のケーシング20が通信可能位置迄スライド移動された状態で、電子カセッテ12の射出孔62から画像読出装置84の受光孔100に至るレーザ光の光路及び画像読出装置84の射出孔98から電子カセッテ12の受光孔64に至るレーザ光の光路を覆うカバー180が設けられている。なお、カバー180は不透明の部材であってもよいし、着色された透明の部材であってもよい。
次に本第3実施形態の作用として、通信可能位置への電子カセッテ12の位置決めについて説明する。電子カセッテ12の画像メモリ50に記憶されている画像データを画像読出装置84によって読み出させる場合、利用者は、まず読出対象の画像データが記憶されている電子カセッテ12のケーシング20を底部面が下方を向くように把持し、ケーシング20のスライド移動後に対向面60が対向面96と対向するように電子カセッテ12のケーシング20を向けた状態で、挿入溝172の開口部側から画像読出装置84の挿入溝172にケーシング20底部面側を挿入し、ケーシング20が挿入溝172の最奥部に当接する迄、挿入溝172の奥側へケーシング20をスライド移動させる。これにより、電子カセッテ12のケーシング20は図9に一点鎖線で示す通信可能位置に位置決めされることになる。
このように、本第3実施形態では、画像読出装置84のケーシング94の載置部94Aに、電子カセッテ12がセットされる際にケーシング20の底部面側を挿入するための挿入溝172を設けると共に、電子カセッテ12のケーシング20の溝170と係合する突起174を挿入溝172の側壁に設けたので、ケーシング20の底部面側を挿入溝172に挿入し、ケーシング20が挿入溝172の最奥部に当接する迄、挿入溝172の奥側へケーシング20をスライド移動させる、という簡易な作業により、電子カセッテ12を通信可能位置に正確に位置決めすることができる。
また、ケーシング20の底部面側が挿入溝172に挿入され、ケーシング20が挿入溝172の奥側へスライド移動されている間、ストッパ176は第1の傾斜面がケーシング20の底部面と接触して押圧されることで、挿入溝172の底面と面一になる位置へ待避しており、電子カセッテ12のケーシング20が挿入溝172の最奥部に当接することで通信可能位置に到達すると、ケーシング20の底部面がストッパ176と接触しなくなることで、ストッパ176は付勢手段の付勢力により挿入溝172の底面から突出した位置へ復帰する。これにより、通信可能位置に到達した電子カセッテ12と画像読出装置84との相対移動のうち、挿入溝172へのケーシング20の挿入方向と逆方向への相対移動は、ストッパ176の第2の傾斜面がケーシング20と当接することによって阻止されると共に、それ以外の方向への相対移動は、溝170と突起174との係合及びケーシング20と挿入溝172の最奥部との当接によって阻止される。従って、電子カセッテ12と画像読出装置84がレーザ光による通信を行っている状態で、電子カセッテ12のケーシング20及び画像読出装置84のケーシング94の少なくとも一方に押圧力や振動等の外力が加わった場合にも、電子カセッテ12と画像読出装置84の相対位置は通信可能な位置関係に保持される。
このように、本第3実施形態において、溝170と突起174の一方は第1の保持手段に、他方は第2の保持手段に各々対応しており、ストッパ176も第1の保持手段又は第2の保持手段に対応している。
また、電子カセッテ12のケーシング20が通信可能位置に位置されている状態での、電子カセッテ12の対向面60と画像読出装置84の対向面96との間のレーザ光の光路はカバー180によって覆われているので、安全性を向上させることができる。なお、本第3実施形態において、通信可能位置からの電子カセッテ12の離脱は、挿入溝172の底面と面一になるようにストッパ176を押圧した状態で、挿入溝172への挿入方向と逆方向へ電子カセッテ12のケーシングをスライド移動させることで行うことができる。
〔第4実施形態〕
次に本発明の第4実施形態を説明する。なお、第2実施形態及び第3実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図10に示すように、本第4実施形態では、先に説明した第3実施形態に対し、挿入溝172への電子カセッテ12のケーシング20の挿入方向が相違している。すなわち、本第4実施形態に係る電子カセッテ12のケーシング20には第3実施形態で説明した溝170が設けられておらず、挿入溝172の側壁にも第3実施形態で説明した突起174は設けられていない。また、挿入溝172は載置部94Aの一端側に開口しておらず、深さについても第3実施形態で説明した挿入溝172よりも深くされており、挿入溝172への上方からのケーシング20の挿入を容易にするために、挿入溝172の幅寸法は、挿入溝172の底面から所定高さの位置より、載置部94Aの上面へ向けて徐々に拡大され、テーパー状とされている。
また本第4実施形態では、第3実施形態で説明したストッパ176も省略されており、これに代えて、載置部94Aの上面のうち挿入溝172の長手方向両端部付近には、第2実施形態で説明した保持部材156及びスライダ158が各々設けられている。保持部材156は突出部156Aが挿入溝172の上方の空間へ突出するように設けられており、電子カセッテ12のケーシング20の側面のうち、ケーシング20が通信可能位置(ケーシング20の底部面の全面が挿入溝172の底面と接触するように、挿入溝172の底面迄ケーシング20が挿入された位置)に位置決めされた状態で保持部材156の突出部156Aの先端部が当接する位置には、溝162が形成されている。
次に本第4実施形態の作用として、通信可能位置への電子カセッテ12の位置決めについて説明する。電子カセッテ12の画像メモリ50に記憶されている画像データを画像読出装置84によって読み出させる場合、利用者は、まず読出対象の画像データが記憶されている電子カセッテ12のケーシング20を底部面が下方を向くように把持し、ケーシング20のスライド移動後に対向面60が対向面96と対向するように電子カセッテ12のケーシング20を向けた状態で、挿入溝172の上方側から、ケーシング20の底部面の全面が挿入溝172の底面と接触する迄、挿入溝172内にケーシング20を挿入する。これにより、電子カセッテ12のケーシング20は図10に一点鎖線で示す通信可能位置に位置決めされることになる。
このように、本第4実施形態では、画像読出装置84のケーシング94の載置部94Aに、電子カセッテ12がセットされる際にケーシング20の底部面側を挿入するための挿入溝172を設けたので、ケーシング20を挿入溝172の上方側より挿入溝172に挿入する、という簡易な作業により、電子カセッテ12を通信可能位置に正確に位置決めすることができる。
また、電子カセッテ12が通信可能位置に位置決めされると、ケーシング20の側面に押圧されて、一旦は突出部156Aが挿入溝172の上方の空間から待避する位置にスライド移動されていた保持部材156及びスライダ158が、ケーシング20の側面に設けられた溝162が突出部156Aの先端部と同高さとなることで、圧縮コイルばね160の付勢力によって保持部材156及びスライダ158が定常位置(突出部156Aが挿入溝172の上方空間へ突出する位置)へスライド移動され、突出部156Aの先端部が溝162内に入り込むことになる。この保持部材156の突出部156Aの先端部と溝162との係合により、電子カセッテ12と画像読出装置84がレーザ光による通信を行っている状態で、電子カセッテ12のケーシング20及び画像読出装置84のケーシング94の少なくとも一方に押圧力や振動等の外力が加わった場合にも、電子カセッテ12と画像読出装置84の相対位置は通信可能な位置関係に保持される。
このように、本第1実施形態において、保持部材156と溝162の一方は第1の保持手段に、他方は第2の保持手段に各々対応している。
なお、第1実施形態では突起部132及び位置決め孔82を各々複数箇所に設けた態様を説明したが、これに限定されるものではなく、位置決め孔の開口を非円形状とし、突起部を位置決め孔の開口形状に合わせた形状とすれば、突起部及び位置決め孔を各々1箇所にのみ設けた場合にも電子カセッテ12と画像読出装置84との相対回転を阻止することができ、電子カセッテ12と画像読出装置84との相対位置を通信可能な位置関係に正確に位置決めすることができる。
また、上記では電子カセッテ12と画像読出装置84の相対位置を通信可能位置へ案内することを、第1実施形態では突起部132と位置決め孔82の係合により、第2実施形態では周縁ガイド部150と電子カセッテ12のケーシング20との接触により、第3実施形態では挿入溝172とケーシング20の底部面側との接触及び溝170と突起174との係合により、第4実施形態では挿入溝172とケーシング20の底部面側との接触により各々実現していたが、これに限定されるものではなく、通信可能位置への案内に適用可能な各種の公知技術の何れを適用してもよい。
また、上記では電子カセッテ12と画像読出装置84の相対位置を通信可能な位置関係に一旦調整した後の電子カセッテ12と画像読出装置84との相対変位を阻止することを、第1実施形態ではコネクタ76,134の結合により、第2実施形態では突出部156Aの先端部と溝162との係合及び突起154と溝152との係合により、第3実施形態ではストッパ176とケーシング20との当接、溝170と突起174との係合及びケーシング20と挿入溝172の最奥部との当接により、第4実施形態では突出部156Aの先端部と溝162との係合により各々実現していたが、これに限定されるものではない。相対変位の阻止には各種の公知技術が適用可能であり、例えば一方の装置に金属部材を、他方の装置に前記金属部材を吸引可能な電磁石を各々設け、電磁石によって金属部材を吸引することで相対変位を阻止する構成を適用することも可能である。
更に、電子カセッテ12のケーシング20の対向面60のうち受光孔64(及び射出孔62)の周囲を含む一部領域、及び、画像読出装置84のケーシング94の対向面96のうち受光孔100(及び射出孔98)の周囲を含む一部領域を、照射されたレーザ光を互いに異なる複数の方向へ各々反射することで、照射されたレーザ光の反射光を拡散させることが可能な拡散部材で覆うようにしてもよい。上記の拡散部材としては、レーザ光が照射された際の照射領域以下の面積の微小領域内に、照射された光に対する反射方向が互いに異なる複数の部分が各々存在するように表面が整形された部材を適用することができる。これにより、照射されたレーザ光の反射光を確実に拡散させることができる。また拡散部材としては、照射されるレーザ光の波長のおよそ1/10以下の大きさで、半球形状の凸部が表面に一様に分布するように表面が整形された部材が最も望ましい。上記のように、個々の凸部を半球形状とすることで入射角度依存性を低減することができ、個々の凸部の大きさをレーザ光の波長のおよそ1/10以下とすることで、レイリー散乱の領域となり照射されたレーザ光をより顕著に散乱させることができる。
また、上述した拡散部材に代えて、照射されたレーザ光の大半を吸収する吸収部材(例えば波長選択性を有する光学フィルタ(詳しくは照射されるレーザ光の波長域に対して光吸収性を有する光吸収フィルタ)、或いは、植毛部材や多孔質材、表面が黒色の部材等)を設けてもよい。例えば、光吸収物質を硝材中に分散させた構成により、電子カセッテ12と画像読出装置84との通信に好適なレーザ光の波長である1300nmの光に対する透過率が20%(光路長1mm当りの光減衰率が80%)程度の光吸収フィルタは市販されており、このような光吸収フィルタを用いたり、表面反射光を抑制するため前記光吸収フィルタの表面にARコート等を施すことで、反射光を入射光の数%程度に抑制できる吸収材は実現可能である。
対向面60,96のうち受光孔(及び射出孔)の周囲を含む一部領域を、上記の拡散部材又は吸収部材で覆った場合、電子カセッテ12と画像読出装置84との通信中に何らかの原因により相対位置が変化し、電子カセッテ12や画像読出装置84から射出されるレーザ光が相手装置の対向面のうち受光孔から逸脱した位置に照射される状態が生じたときに、照射位置が受光孔から逸脱したレーザ光が吸収部材に照射され、吸収部材によりその大半が吸収されることで、電子カセッテ12の対向面60と画像読出装置84の対向面96に挟まれた空間から漏出するレーザ光の光量を非常に微弱にすることができる。
また、電子カセッテ12と画像読出装置84との間の通信に可視域外の波長の非可視レーザ光を用いる場合には、拡散部材や吸収部材に代えて、上記の一部領域を、非可視レーザ光の照射に伴い、照射された部分が可視域の光を発する発光(蛍光)部材で覆うようにしてもよい。例えばレーザ光の波長が赤外域である場合、上記の発光(蛍光)部材としてはEdmund Optics社製の近赤外用の光路確認蛍光シート(LASER DETECTION CARD IR)等を用いることができる。拡散部材や吸収部材に代えて上記のような発光(蛍光)部材を設けた場合、拡散部材や吸収部材のようなレーザ光量の低減効果は得られないものの、電子カセッテ12と画像読出装置84との通信中に何らかの原因により相対位置の変化が生じ、電子カセッテ12や画像読出装置84から射出される非可視レーザ光が相手装置の対向面のうち受光孔から逸脱した位置に照射される状態が生じたときに、照射位置が受光孔から逸脱した非可視レーザ光が発光(蛍光)部材に照射され、非可視レーザ光が照射された発光(蛍光)部材が発光する(可視光を発する)ことで、非可視レーザ光の照射位置が受光孔から逸脱したこと、及び、電子カセッテ12の対向面60と画像読出装置84の対向面96に挟まれた空間から非可視レーザ光が漏出している可能性があることを利用者に認識させることができ、空間外の特定の部位(レーザ光が照射されることが望ましくない部位)に漏出した非可視のレーザ光が照射されることを回避するための対策を利用者に講じさせることが可能となる。
更に、電子カセッテ12と画像読出装置84との通信中に、何らかの原因により電子カセッテ12と画像読出装置84の相対位置が変化する可能性を考慮すると、相手装置からの送信対象情報の受信における受信状態の劣化、相手装置のケーシング(筐体)との距離の変化、対向面上の受光孔の周囲領域へのレーザ光の照射の少なくとも1つを監視し、受信状態の劣化、相手装置のケーシングとの距離の変化、受光孔の周囲領域へのレーザ光の照射の少なくとも1つが検出された場合には、レーザ光の射出を停止させるか、又は、ランプを点灯させる、ブザーを鳴らす、ディスプレイ118に警報メッセージを表示させる、の少なくとも1つを行うことで利用者に警報を発し、利用者の注意を促すことが好ましい。これにより、電子カセッテ12と画像読出装置84との通信中に、何らかの原因により電子カセッテ12と画像読出装置84の相対位置が変化した場合にも安全性を確保することができる。上記態様は請求項7〜請求項9に記載の発明に対応している。
なお、上記の受信状態の劣化の検出は、自装置のPDによる相手装置からのレーザ光の受光量の変化に基づいて検出してもよいし、相手装置からのレーザ光による情報受信におけるエラー率(例えば相手装置へ情報の再送信を要求した頻度や、受信した情報に対して誤り訂正を行った頻度等)等に基づいて検出することも可能である。また、受光孔の周囲領域へのレーザ光の照射は、受光孔の周囲領域に単一又は複数の光電変換素子(例えばPD)を設けることで検出することができる。
また、相手装置のケーシングとの距離の検出は、具体的には、例えば発光素子で光が射出されてから、射出された光が相手装置のケーシングで反射されて受光素子で受光される迄の時間に基づいて検出してもよいし、受光素子における光の受光位置に基づき三角測量の原理によって検出してもよいし、一定強度の電界を発生する電界発生部又は一定強度の磁界を発生する磁界発生部を相手装置側に設けておき、相手装置側の電界発生部又は磁界発生部で発生された電界又は磁界の強度を検出することで、相手装置のケーシングとの距離を検出することも可能である。また、第1実施形態及び第2実施形態で説明したように、通信可能位置で電子カセッテ12のケーシングと画像読出装置84のケーシングとが接触する場合には、リミットスイッチによって相手装置のケーシングとの距離の変化(相手装置のケーシングとの接触状態が解消されたか否か)を検出するようにしてもよい。また、レーザ光による通信を行う装置同士が、レーザ光以外の電磁波を用いて無線通信を行う無線通信部も備えており、この無線通信部による無線通信が、通信可能な装置間距離や装置同士の位置関係が限られていたり、装置間距離や装置同士の位置関係によって通信品質が大幅に変化する通信方式(例えば赤外線を用いたIrDA規格に基づく無線通信等)である場合は、無線通信部によって検出された相手装置からの電磁波の強度や無線通信のエラー率(例えば相手装置へ情報の再送信を要求した頻度や、受信した情報に対して誤り訂正を行った頻度等)等の情報を取得し、取得した情報に基づいて、相手装置との距離(相手装置との位置関係)が電磁波の強度や無線通信のエラー率に影響を与える程(閾値以上)変化したか否かを推定することも可能である。
また、上記では本発明に係る電子機器としての電子カセッテ12及び画像読出装置84が、各々レーザ光を射出して通信を行う態様を説明したが、通信を行う装置のうちの一方はレーザ光を射出して情報の送信を行い、他方は別の通信手段(例えば赤外線等)で情報送信を行うように構成してもよい。この場合、赤外レーザ光を用いた無線通信では非常に高い伝送速度が実現されていることを考慮すると、レーザ光を射出して情報の送信を行う装置としては、より多量の情報を送信する装置(例えば電子カセッテと画像読出装置であれば、画像データの送信を行う電子カセッテ)を選択することが望ましい。
また、上記では本発明に係る電子機器の好例として電子カセッテ12(可搬型放射線画像変換装置)及び画像読出装置84を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は他の装置と無線通信を行う任意の電子機器に適用可能である。特に、赤外レーザ光を用いた無線通信では非常に高い伝送速度が実現されていることを考慮すると、少なくとも一方が可搬性を有し、かつ、無線通信によって大量のデータを送受するか、又は、大量データの送受に対するニーズの高い電子機器が好適であり、例えば本発明に係る電子機器として、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置と、これらの撮像装置から静止画像データや動画像データを受け取るPCやプリンタ等の機器を適用し、これらの間の無線通信をレーザ光によって行うようにしてもよいし、本発明に係る電子機器として、可搬性を有するスキャナと、スキャナから静止画像データを受け取るPCやプリンタ等の機器を適用し、これらの間の無線通信をレーザ光によって行うようにしてもよいし、本発明に係る電子機器として、静止画像や動画像の撮影機能及び音楽再生機能の少なくとも一方を備えた携帯機器(例えば携帯電話機やPDA等)を適用に、これらの携帯機器同士の画像データや音楽データの交換のための無線通信をレーザ光によって行うようにしてもよい。