JP2009181827A - リチウムイオン電池用負極の製造方法及びリチウムイオン電池 - Google Patents

リチウムイオン電池用負極の製造方法及びリチウムイオン電池 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な充放電容量を有する上、高速充放電特性に優れたリチウムイオン電池用負極の製造方法を提供する。
【解決手段】(i)導電性基板1上において、芳香環を有する化合物を電解酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させる工程と、(ii)該フィブリル状ポリマーを焼成して導電性基板1上に炭素繊維2を生成させる工程と、(iii)該炭素繊維2を導電性金属3で被覆する工程と、(iv)該導電性金属3上にリチウムを吸蔵・脱離可能な金属4を担持する工程と、(v)真空中、200〜900℃で熱処理を行う工程とを含むことを特徴とするリチウムイオン電池用負極の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン電池用負極の製造方法及び該方法で製造された負極を具えるリチウムイオン電池に関し、特には、充放電容量が高く、高速充放電特性に優れたリチウムイオン電池に関するものである。
昨今、携帯用端末やモバイル通信機器として、リチウムイオン電池が広く普及している。該リチウムイオン電池は、現存する二次電池の中でも最もエネルギー密度が高いため、該リチウムイオン電池をハイブリッド自動車や燃料電池自動車の補助電源として、あるいは定置用大型電源として使用することも検討されている。
上記リチウムイオン電池は、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵・離脱可能な層状構造の正極(例えば、LiCoO2)と同特性を有する負極(例えば、黒鉛)がリチウムイオンを溶解した電解液を介して対向した構造を有する電池であり、一般に、正極と負極との短絡を防止するために電解液を透過しうる多孔質ポリマー膜が両極材の間に配置された構造を有している。
そして、現在、高速充放電用途のリチウムイオン電池の負極としては、メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB)等のソフトカーボンにVGCF等のファイバー状カーボンを添加して調製したペーストを銅箔に塗布して形成した電極や、ハードカーボンからなるペーストを銅箔に塗布して形成した電極が使用されている。しかしながら、いずれの電極も、低速充電高速放電での性能は一定のレベルに達しているものの、高速充放電特性については依然として改良の余地が大きい。
また、高容量な負極活物質として金属スズ等が知られているが、金属スズ等を負極に使用したリチウムイオン電池は、初期不可逆容量が大きく、充放電に伴う不可逆な体積膨張によって、微粉化や集電性の低下等の問題があるため、実用化が困難である。
これに対して、本発明者らは、(1)特定の方法で作製した3次元連続状炭素繊維自体を活物質とした電極(特開2007−165285号参照)や、(2)該3次元連続状炭素繊維に金属微粒子を担持した電極(特開2007−042601号参照)等を開発してきたが、(1)の電極は、高速充放電特性に優れるものの、容量自体が不十分であり、一方、(2)の電極は、容量及び高速充放電特性の双方が向上しているものの、未だ要求レベルを満足できていない。
特開2007−165285号公報 特開2007−042601号公報
そこで、本発明の目的は、上記の問題を解決し、充放電容量が高く、高速充放電特性に優れたリチウムイオン電池用負極の製造方法、並びに該方法で製造された負極を具えたリチウムイオン電池を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、導電性基板上において芳香環を有する化合物を電解酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させ、該フィブリル状ポリマーを焼成して炭素繊維を形成し、該炭素繊維を導電性金属で被覆し、該導電性金属上にリチウムを吸蔵・脱離可能な金属を担持した後、更に、熱処理を施して作製した電極をリチウムイオン電池の負極として使用することで、充放電容量が高く、高速充放電特性に優れたリチウムイオン電池が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のリチウムイオン電池用負極の製造方法は、導電性基板と、該導電性基板上に形成された炭素繊維と、該炭素繊維を被覆する導電性金属と、該導電性金属上に担持されたリチウムを吸蔵・脱離可能な金属とからなるリチウムイオン電池用負極の製造方法であって、
(i)導電性基板上において、芳香環を有する化合物を電解酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させる工程と、
(ii)該フィブリル状ポリマーを焼成して導電性基板上に炭素繊維を生成させる工程と、
(iii)該炭素繊維を導電性金属で被覆する工程と、
(iv)該導電性金属上にリチウムを吸蔵・脱離可能な金属を担持する工程と、
(v)真空中、200〜900℃で熱処理を行う工程と
を含むことを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池用負極の製造方法の好適例においては、前記熱処理工程(v)を3 hPa以下の真空下で8〜24時間行う。
本発明のリチウムイオン電池用負極の製造方法の他の好適例においては、前記炭素繊維を被覆する導電性金属がCuである。
本発明のリチウムイオン電池用負極の製造方法の他の好適例においては、前記リチウムを吸蔵・脱離可能な金属がSnである。
また、本発明のリチウムイオン電池は、上記の方法で製造したリチウムイオン電池用負極を具えることを特徴とする。
本発明によれば、導電性基板上において芳香環を有する化合物を電解酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させ、該フィブリル状ポリマーを焼成して炭素繊維を形成し、該炭素繊維を導電性金属で被覆し、該導電性金属上にリチウムを吸蔵・脱離可能な金属を担持した後、更に、熱処理を施すことで、充放電容量が高く、高速充放電特性に優れたリチウムイオン電池用負極を製造することができる。また、かかる方法で製造された負極を具え、充放電容量が高く、高速充放電特性に優れたリチウムイオン電池を提供することができる。
<リチウムイオン電池用負極の製造方法>
以下に、図1を参照しながら、本発明のリチウムイオン電池用負極の製造方法を詳細に説明する。本発明のリチウムイオン電池用負極の製造方法は、(i)導電性基板1上において、芳香環を有する化合物を電解酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させる工程と、(ii)該フィブリル状ポリマーを焼成して導電性基板1上に炭素繊維2を形成する工程と、(iii)該炭素繊維2を導電性金属3で被覆する工程と、(iv)該導電性金属3上にリチウムを吸蔵・脱離可能な金属4を担持する工程と、(v)真空中、200〜900℃で熱処理を行う工程とを含むことを特徴とし、該方法によれば、導電性基板1と、該導電性基板1上に形成された炭素繊維2と、該炭素繊維2を被覆する導電性金属3と、該導電性金属3上に担持されたリチウムを吸蔵・脱離可能な金属4とからなるリチウムイオン電池用負極を製造することができる。
上記リチウムイオン電池用負極を構成する炭素繊維は、3次元網目構造を有し、該網目構造がリチウムを吸蔵・脱離可能な金属の電気化学反応に伴う体積変化を効率よく吸収するため、電気的に絶縁となる部分が生じ難く、充放電容量が低下し難く、また、高速充放電特性の向上にも好適である。また、該炭素繊維が導電性金属で被覆されることにより、負極における導電性が更に確保される上、熱処理によって、導電性金属とリチウムを吸蔵・脱離可能な金属との密着力が向上し、更に優れた高速充放電特性を達成することが可能となる。そのため、該リチウムイオン電池用負極を用いたリチウムイオン電池は、充放電容量が高い上、高速充放電特性に特に優れる。
本発明のリチウムイオン電池用負極の製造方法では、(i)工程で、導電性基板1上において、芳香環を有する化合物を電解酸化重合してフィブリル状ポリマーを形成する。使用する導電性基板1としては、導電性を有する限り特に限定されず、ステンレス、チタン、ニッケル等のプレートが挙げられる。また、上記芳香環を有する化合物としては、ベンゼン環を有する化合物、芳香族複素環を有する化合物を挙げることができる。ここで、ベンゼン環を有する化合物としては、アニリン及びアニリン誘導体が好ましく、芳香族複素環を有する化合物としては、ピロール、チオフェン及びこれらの誘導体が好ましい。これら芳香環を有する化合物は、一種単独で用いてもよいし、二種以上の混合物として用いてもよい。
上記電解酸化重合においては、原料の芳香環を有する化合物と共に、酸を混在させることが好ましい。この場合、酸の負イオンがドーパントとして合成されるフィブリル状ポリマー中に取り込まれ、導電性に優れたフィブリル状ポリマーが得られ、このフィブリル状ポリマーを用いることにより最終的に炭素繊維の導電性を更に向上させることができる。ここで、電解酸化重合の際に混在させる酸としては、H2SO4、HBF4、HCl、HClO4等を例示することができる。また、該酸の濃度は、0.1〜3 mol/Lの範囲が好ましく、0.5〜2.5 mol/Lの範囲が更に好ましい。
上記(i)工程は、芳香環を有する化合物を含む溶液中に、上記導電性基板を作用極として浸漬し、更に対極を浸漬し、両極間に芳香環を有する化合物の酸化電位以上の電圧を印加するか、または該芳香環を有する化合物が重合するのに充分な電圧が確保できるような条件の電流を通電すればよく、これにより導電性基板(作用極)上にフィブリル状ポリマーが生成する。ここで、対極としては、ステンレススチール、白金、カーボン等の導電性物質からなる板や多孔質支持体等を用いることができる。この電解酸化重合法によるフィブリル状ポリマーの合成方法の一例を挙げると、H2SO4等の酸及びアニリン等の芳香環を有する化合物を含む電解溶液中に導電性基板からなる作用極及び対極を浸漬し、両極間に0.1〜1000 mA/cm2、好ましくは0.2〜100 mA/cm2の電流を通電して、導電性基板からなる作用極側にフィブリル状ポリマーを重合析出させる方法等が例示される。なお、フィブリル状ポリマーは、導電性基板からなる作用極の対極と対向する面に主として生成する。ここで、芳香環を有する化合物の電解溶液中の濃度は、0.05〜3 mol/Lが好ましく、0.25〜1.5 mol/Lがより好ましい。また、電解溶液には、上記成分に加え、pHを調製するために可溶性塩等を適宜添加してもよい。
上記芳香環を有する化合物を電解酸化重合して得られるフィブリル状ポリマーは、通常、3次元連続構造を有し、直径が30〜数百nmで、好ましくは40〜500 nmであり、長さが0.5μm〜100 mmで、好ましくは1μm〜10 mmである。
本発明のリチウムイオン電池用負極の製造方法では、(ii)工程で、上記フィブリル状ポリマーを焼成し炭化することで、導電性基板1上に炭素繊維2を形成する。なお、(ii)工程の前に、フィブリル状ポリマーを水や有機溶剤等の溶媒で洗浄し、乾燥させることが好ましい。ここで、乾燥方法としては、特に制限されるものではないが、風乾、真空乾燥の他、流動床乾燥装置、気流乾燥機、スプレードライヤー等を使用した方法を例示することができる。
上記(ii)工程の焼成条件としては、特に限定されるものではなく、最適導電率となるように適宜設定すればよいが、特に高導電率を必要とする場合は、温度500〜3000℃、好ましくは600〜2800℃で、0.5〜6時間焼成することが好ましい。なお、本発明の製造方法では、焼成工程を非酸化性雰囲気中で行うことが好ましく、該非酸化性雰囲気としては、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、ヘリウム雰囲気等を挙げることができ、場合によっては水素雰囲気とすることもできる。
上記炭素繊維は、通常、3次元連続構造を有し、直径が30〜数百nm、好ましくは40〜500 nmであり、長さが0.5μm〜100 mm、好ましくは1μm〜10 mmであり、表面抵抗が106〜10-2Ω、好ましくは104〜10-2Ωである。また、該炭素繊維は、残炭率が90〜20%、好ましくは80〜25%である。該炭素繊維は、カーボン全体が3次元に連続した構造を有するため、粒状カーボンよりも導電性が高い。
本発明のリチウムイオン電池用負極の製造方法では、(iii)工程で、上記導電性基板1上に形成された炭素繊維2を導電性金属3で被覆する。ここで、導電性金属としては、Cu、Ni、Zn等が挙げられ、これらの中でも、導電性の観点から、Cuが特に好ましい。
上記導電性金属による炭素繊維の被覆法としては、特に限定されるものではなく、例えば、無電解メッキ法、電解メッキ法等が挙げられる。また、導電性金属3の被覆量は、特に限定されるものではないが、0.05〜0.1 mg/cm2の範囲が好ましい。導電性金属3の被覆量が0.05 mg/cm2未満では、導電性被覆が1 nm以下と薄く不安定であり、一方、0.1 mg/cm2を超えると、導電性は確保できるが、その分、リチウムを吸蔵・脱離可能な金属の付着占有体積が減少してしまう。
本発明のリチウムイオン電池用負極の製造方法では、(iv)工程で、上記導電性金属3上にリチウムを吸蔵・脱離可能な金属4を担持する。ここで、リチウムを吸蔵・脱離可能な金属としては、Sn(融点228℃)、Si(融点1410℃)、Pb(融点327℃)、Al(融点660℃)、Au(融点1064℃)、Pt(融点2041℃)、In(融点156℃)、Zn(融点419℃)、Cd(融点261℃)、Ag(融点961℃)及びMg(融点650℃)等が挙げられ、これらの中でも、充放電容量と融点の観点から、Snが特に好ましい。
上記リチウムを吸蔵・脱離可能な金属4の導電性金属3上への担持法としては、電解メッキ法、無電解メッキ法、スパッタリング法等が挙げられるが、担持率の調整が容易な点で、電解メッキ法が好ましい。該電解メッキ法では、メッキしたい金属のイオンを含む溶液を調製し、該溶液に上記炭素繊維を浸漬し、所定の電圧を印加することで、溶液からリチウムを吸蔵・脱離可能な金属4を導電性金属3上に電気化学的に析出させることができ、しかも通電電荷量で金属4の析出量を制御することができる。なお、リチウムを吸蔵・脱離可能な金属4の担持量は、1.7〜5 mg/cm2の範囲が好ましい。リチウムを吸蔵・脱離可能な金属4の担持量が1.7 mg/cm2未満では、充放電容量が不足し、一方、5 mg/cm2を超えると、被膜厚の増大により、空隙が閉塞され、反応不活性な金属が発生し、利用効率が低下する。
本発明のリチウムイオン電池用負極の製造方法では、上記(iv)工程の後、(v)工程で、真空中、200〜900℃で熱処理を行う。ここで、熱処理の温度が200℃未満では、熱処理によるSn等のリチウムを吸蔵・脱離可能な金属の融解及び導電性金属との合金化が困難であり、一方、900℃を超えると、Cu等の導電性金属が融解してしまう。また、熱処理を真空中で行わないと、Sn等のリチウムを吸蔵・脱離可能な金属と酸素が反応して、酸化スズ等の金属酸化物が生成してしまう。
上記熱処理工程(v)は、3 hPa以下の真空下で行うことが好ましい。また、上記熱処理工程(v)は、上記の温度範囲で8〜24時間行うことが好ましい。上記温度範囲での熱処理を8時間以上行うことで、導電性金属3とリチウムを吸蔵・脱離可能な金属4との密着力を十分に向上させることができる。
上記のようにして製造したリチウムイオン電池用負極の形状としては、特に制限はなく、電極として公知の形状の中から適宜選択することができる。例えば、シート状、円柱形状、板状形状、スパイラル形状等が挙げられる。
<リチウムイオン電池>
次に、本発明のリチウムイオン電池を詳細に説明する。本発明のリチウムイオン電池は、上述した方法で製造されたリチウムイオン電池用負極を備え、更に、正極、電解質、セパレーター等のリチウムイオン電池の技術分野で通常使用されている他の部材を備える。本発明のリチウムイオン電池は、上述した方法で製造されたリチウムイオン電池用負極を備えるため、充放電容量が高く、高速充放電特性に特に優れる。
本発明のリチウムイオン電池の正極の活物質としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiFeO2及びLiFePO4等のリチウム含有複合酸化物、リチウム金属、V25、V613、MnO2、MnO3等の金属酸化物、TiS2、MoS2等の金属硫化物、ポリアニリン等の導電性ポリマー等が好適に挙げられる。これら正極活物質は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記正極には、必要に応じて導電助剤、結着剤を混合することができ、導電助剤としてはアセチレンブラック等が挙げられ、結着剤としてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。これらの添加剤は、従来と同様の配合割合で用いることができる。
本発明のリチウムイオン電池の電解質としては、非水電解液やポリマー電解質を使用することができる。該非水電解液は、通常、非プロトン性有機溶媒に支持塩を溶解させてなり、所望に応じて各種添加剤を含有してもよい。ここで、該非プロトン性溶媒としては、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、エチルメチルカーボネート等が挙げられる。また、支持塩としては、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiBC48、LiCF3SO3、LiAsF6、LiC49SO3、Li(CF3SO2)2N及びLi(C25SO2)2N等のリチウム塩が挙げられる。なお非水電解液中の支持塩の濃度としては、特に限定されるものではないが、0.2〜1.5 mol/L(M)の範囲が好ましい。
また、上記ポリマー電解質は、ポリマーと上記支持塩とを含むことが好ましく、更に上記非プロトン性有機溶媒を含むことが更に好ましく、目的に応じて種々の添加剤を更に含有してもよい。上記ポリマー電解質に用いるポリマーとしては、ポリマー電池用のゲル電解質に通常用いられるポリマーの総てを用いることができ、具体的には、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、エチレンオキシドユニットを含むポリアクリレート等が挙げられる。
本発明のリチウムイオン電池に使用できる他の部材としては、正負極間に、両極の接触による電流の短絡を防止する役割で介在させるセパレーターが挙げられる。セパレーターの材質としては、両極の接触を確実に防止し得、且つ電解液を通したり含んだりできる材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロース系、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂製の不織布、薄層フィルム等が好適に挙げられる。これらは、単体でも、混合物でも、共重合体でもよい。これらの中でも、厚さ20〜50μm程度のポリプロピレン又はポリエチレン製の微孔性フィルム、セルロース系、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムが特に好適である。本発明では、上述のセパレーターの他にも、通常電池に使用されている公知の各部材が好適に使用できる。
以上に説明した本発明のリチウムイオン電池の形態としては、特に制限はなく、コインタイプ、ボタンタイプ、ペーパータイプ、角型又はスパイラル構造の円筒型電池等、種々の公知の形態が好適に挙げられる。ボタンタイプの場合は、シート状の正極及び負極を作製し、該正極及び負極でセパレーターを挟む等して、リチウムイオン電池を作製することができる。また、スパイラル構造の場合は、例えば、シート状の正極を作製して集電体を挟み、これにシート状の負極を重ね合わせて巻き上げる等して、リチウムイオン電池を作製することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<金属担持炭素繊維−基板複合体の製造>
アニリンモノマー 0.5 mol/LとH2SO4 1.0 mol/Lとを含む酸性水溶液中に、作用極としてSUS316製の導電性基板を設置し、対極として白金板を設置し、室温にて20 mA/cm2の定電流で1時間電解酸化重合を行い、作用極上にポリアニリンを電析させた。得られたポリアニリン膜をイオン交換水で十分に洗浄した後、100℃で乾燥し、基板−ポリアニリン複合体を得た。SEMで観察したところ、直径が100〜300 nmのフィブリル状ポリアニリンが絡み合ったような状態で得られていることが確認された。
得られた基板−ポリアニリン複合体をAr雰囲気中7℃/分の昇温速度で900℃まで加熱し、更に900℃で1時間保持して焼成処理を行った。得られた焼成物をSEMで観察したところ、直径が50〜200 nmで、焼成処理前とほぼ同様な形状の炭素繊維が得られていることが確認された。
上記で得られた基板−炭素繊維複合体を一般的な触媒化プロセス後、硫酸銅メッキ浴にて無電解銅メッキを行い、0.05〜0.1 mg/cm2の付着量で、炭素繊維を銅で被覆した。
次に、アルカンスルホン酸第一スズ溶液(Sn2+:18 g/L)に浸漬し、10 mA/cm2の定電流で電解メッキを行い、スズを微粒子として2.4 mg/cm2担持させ、銅を下地メッキとしたスズ担持炭素繊維−基板複合体を得た。
更に、上記で得られたスズ担持炭素繊維−基板複合体を、真空中(1.5 hPa)、200℃で24時間熱処理を行った。熱処理後のスズ担持炭素繊維−基板複合体をSEMで観察したところ、図2(×50k)に示すように、微粒子化した結晶粒でSnメッキされたフィブリル状の構造体が得られていることが確認できた。
<リチウムイオン電池用負極の評価>
次に、上記のようにして得られたスズ担持炭素繊維−基板複合体を16 mmφのサイズに打ち抜き、負極を作製した。この負極を用いて、リチウムメタルを正極とするハーフセルを組み立て、高速充放電試験を行った。なお、電解液としては、エチレンカーボネート(EC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)の混合溶媒(EC/EMC体積比=1/2)に、LiPF6(支持塩)を1.0M(mol/L)の濃度で溶解させた非水電解液を使用した。また、高速充放電試験において、充電は、0.5 mA、5 mA、10 mAの各定電流で充電後、定電圧で5分間保持して行い、放電は、0.5 mA、5 mA、10 mAの各定電流で放電し、下限電圧を1.5Vとした。0.5 mAで充放電を繰り返し、10サイクル後の放電容量を電極の体積で除した値を0.5 mA充放電時の比容量とした。また、10 mAで充放電を4サイクル繰り返し、その平均放電容量を電極の体積で除した値を10 mA高速充放電時の比容量とした。
(比較例1)
銅を下地メッキとしたスズ担持炭素繊維−基板複合体を熱処理しない以外は、実施例1と同様にして、スズ担持炭素繊維−基板複合体を得た。得られたスズ担持炭素繊維−基板複合体のSEM写真(×50k)を図3に示す。また、得られたスズ担持炭素繊維−基板複合体を用いて、実施例1と同様にしてハーフセルを組み立て、高速充放電試験を行った。
以上の結果を図4に示す。図4から、比較例1のハーフセルに比べて、実施例1のハーフセルは、高容量で且つ優れた高速充放電特性を有することが確認できる。
本発明のリチウムイオン電池用負極の製造方法の工程図の一部である。 実施例1で得られた、銅を下地メッキとしたスズ担持炭素繊維−基板複合体の熱処理後のSEM写真である。 比較例1で得られた、銅を下地メッキとしたスズ担持炭素繊維−基板複合体のSEM写真である。 実施例1及び比較例1のハーフセルに対する高速充放電試験の結果を示す散布図である。
符号の説明
1 導電性基板
2 炭素繊維
3 導電性金属
4 リチウムを吸蔵・脱離可能な金属

Claims (5)

  1. 導電性基板と、該導電性基板上に形成された炭素繊維と、該炭素繊維を被覆する導電性金属と、該導電性金属上に担持されたリチウムを吸蔵・脱離可能な金属とからなるリチウムイオン電池用負極の製造方法であって、
    (i)導電性基板上において、芳香環を有する化合物を電解酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させる工程と、
    (ii)該フィブリル状ポリマーを焼成して導電性基板上に炭素繊維を生成させる工程と、
    (iii)該炭素繊維を導電性金属で被覆する工程と、
    (iv)該導電性金属上にリチウムを吸蔵・脱離可能な金属を担持する工程と、
    (v)真空中、200〜900℃で熱処理を行う工程と
    を含むことを特徴とするリチウムイオン電池用負極の製造方法。
  2. 前記熱処理工程(v)を3 hPa以下の真空下で8〜24時間行うことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池用負極の製造方法。
  3. 前記炭素繊維を被覆する導電性金属がCuであることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池用負極の製造方法。
  4. 前記リチウムを吸蔵・脱離可能な金属がSnであることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池用負極の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法で製造したリチウムイオン電池用負極を具えたリチウムイオン電池。
JP2008020313A 2008-01-31 2008-01-31 リチウムイオン電池用負極の製造方法及びリチウムイオン電池 Withdrawn JP2009181827A (ja)

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