JP2009181242A - デジタルpid制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】デジタル制御化されたPID制御装置の制御動作を低振動化および低騒音化し、制御精度を向上させる。
【解決手段】デジタルPID制御装置であって、制御対象1の現在のアナログ状態量を検出する検出器2と、現在のアナログ状態量を現在のデジタル状態量に変換するAD変換器11と、制御対象1の目標のデジタル状態量と現在のデジタル状態量との差分である偏差量を入力とし、制御対象1に対するデジタル操作量を生成するデジタルPID制御手段9とを備え、デジタルPID制御手段9は、偏差量の絶対値が設定値以下の場合には偏差量を抑圧して出力する積分用不感帯部12および微分用不感帯部13のうち少なくとも一方を備え、積分用不感帯部12の出力に対するデジタル積分演算及び微分用不感帯部13の出力に対するデジタル微分演算のうち少なくとも一方の演算を実行することによりデジタル操作量を生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、PID制御装置に関し、特に、制御対象を低騒音かつ低振動に駆動制御する技術に関する。
従来、各種の位置制御用途等にPID制御装置が用いられており、近年では、産業用ロボットアームの位置決めや、DSC(Digital Still Camera:デジタル静止画カメラ、いわゆるデジカメ)の手振れ補正におけるレンズの位置制御等にも用いられている。このPID制御自体は、一般的に知られた制御方法であって、制御対象からの帰還値と目標値との差分である偏差を、比例・積分・微分演算することによって操作量を生成し、生成した操作量に応じて制御対象を駆動する制御方法である。一般的なPID制御装置の一例は、例えば、特許文献1に開示されている。以下、図8を参照しながら、前記従来のPID制御装置について説明する。
図8は、特許文献1に記載されている従来のPID制御システムの基本構成図である。ここでは、原理説明に必要な構成要素のみを記載する。図8に記載されたPID制御システムは、制御対象301と、検出器302と、減算器303と、PID制御手段309と、駆動手段310とを備える。PID制御手段309は、比例演算部304と、積分演算部305と、微分演算部306と、加算器307と、ゲイン乗算部308とを備える。
制御対象301の具体例としては、例えば、ロボットのアームおよびDSCにおけるレンズが挙げられる。制御対象301の現在位置は、具体的には、ホールセンサ等で実現される検出器302によって検出され、検出された現在位置は、減算器303によって目標値と差分演算され、偏差量として出力される。PID制御手段309は、比例演算部304、積分演算部305、微分演算部306およびゲイン乗算部308において、減算器303から出力された偏差量を入力として、各制御時定数を有する演算を実行し、演算結果を操作量として出力する。駆動手段310は、上記演算によって得られた操作量に応じて制御対象301を駆動する。
以上の動作によって、制御対象301は、目標値に追従すべく制御される。その具体的な制御特性は、ゲイン乗算部308の有する比例ゲインをKp、積分演算部305の有する積分時間をTI、微分演算部306の有する微分時間をTD、不完全微分の微分係数をη、偏差をE(s)および操作量をMV(s)とした時、一般には、以下の式1で表現される。
Figure 2009181242
また、特許文献1においては、一定値以上の偏差量をゼロ偏差として扱う演算を施した後に、積分演算部305の演算を実行することによって、制御対象301のオーバーシュート削減を図っている。特許文献2においては、目標値入力の経路、あるいは積分演算部305の前段に遅れ要素を追加することによって、目標値の急変に対する制御対象のオーバーシュート削減を図っている。以上のように、従来のPID制御装置においては、動的な制御性向上が図られている。
上述したPID制御をアナログ回路で実現した場合、回路変更、精度管理およびコンパクトな実装が困難であり、また、原則として非線形制御が不可能であるといった欠点が存在する。このため、民生機器等にPID制御を適用する場合には、コンピュータ制御によるデジタル処理を基本としたデジタルPID制御装置が用いられる。
特開昭64−26202号公報 特開昭61−190602号公報
しかしながら、従来のデジタルPID制御装置によれば、デジタル制御化された場合に、目標値入力が固定であるにも関わらず、振動や騒音が発生し、制御精度が低下するという課題が存在する。以下、デジタル制御化されたPID制御装置の構成を図示した図9を参照しながら、本課題について説明する。
図9は、従来のデジタルPID制御システムの基本構成図である。図9では、検出器402によって検出された制御対象401の現在位置が、AD変換器411によって、量子化されたデジタル値へと変換される。デジタル値化された現在位置情報は、減算器403とPID制御手段409によってデジタル演算され、操作量がデジタル値として出力される。駆動手段410は、PID制御手段409から出力された操作量を量子化されたデジタル値のまま用いることで、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)に代表されるパルス駆動を行う。あるいは、駆動手段410は、前記操作量をDA変換器により、量子化されたアナログ値の操作量へ変換した後、アナログ回路を用いて、リニア駆動かパルス駆動のいずれかを行う。
このような、従来のデジタルPID制御装置においては、目標値入力が固定された場合に、減算器403の偏差量が完全なゼロとならない場合が存在する。図9では、目標値が100.01、AD変換器411出力である現在位置情報が100.00の場合が示されている。このとき、減算器403の偏差量は、定常的に0.01となり、完全なゼロとはならない。この偏差量がゼロとなりえない要因を、以下、列挙する。(1)図9に記載されたように、マイコン等から指令される目標指令値が、AD変換器411の分解能より細かい場合。(2)特許文献2に示されるように、目標指令値から減算器403までの経路に、フィルタ等の何らかの演算処理が挿入されている場合。この場合、演算が有する量子化誤差、演算誤差によって、目標指令値が100.00であっても、挿入された演算処理出力では100.01になる等の誤差が生じるため、偏差量がゼロとなりえない。(3)AD変換器411から減算器403までの経路に、フィルタ等の何らかの演算処理が挿入されている場合。この場合、(2)と同様の誤差要因によって、減算器403への帰還量の側が100.01になる等の誤差を生じるため、偏差量がゼロとなりえない。(4)減算器403からPID制御手段409までの経路に、フィルタ等の何らかの演算処理が挿入されている場合。この場合、(2)と同様の誤差要因によって、減算器403からの出力が0であっても、PID制御手段409への入力が0.01になる等の誤差が生じるため、偏差量がゼロでない場合が発生する。
以上のように、目標値が固定され、制御が安定した状態で、偏差量が完全なゼロとならない場合には、残留した偏差量は、積分演算部405によって累積を続け、駆動手段410の最小分解値に達した時点で、制御対象401を駆動する。この駆動は、制御が安定した状態からの駆動であり、本来は不要な駆動操作である。当該駆動操作によって、振動や騒音が発生し、制御精度が低下することとなる。また、デジタル制御化されたPID制御装置においては、AD変換器411が用いられるため、現在位置の帰還として、最小分解能での急峻な変化が生じることとなる。ノイズ等による真の変分は、低周波数で微小量であっても、AD変換器411の出力での変分としては、急峻であり、大きさもAD変換器411の最小分解能となる。当該変化は、微分演算部406において、大きく増幅されるため、結果として不要な駆動操作を生じ、振動や騒音が発生し、制御精度が低下することとなる。
以上述べたように、デジタルPID制御装置においては、完全なゼロとならない偏差量が、積分演算部405にて累積すること、そして、AD変換器411の出力が、微分演算部406にて増幅されることによって、振動や騒音が発生し、制御精度が低下するという課題が存在する。これに対し、制御装置に対する低振動化および低騒音化の要求は常に存在する。とりわけ、DSCの手ブレ補正に代表される高精度な民生機器に利用する場合、制御精度や騒音への要求は非常に厳しい。
上記課題に鑑み、本発明は、制御動作が低振動化および低騒音化され、制御精度が向上したデジタルPID制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るデジタルPID制御装置は、制御対象が目標の状態に到達するよう前記制御対象を制御するデジタルPID制御装置であって、前記制御対象の現在の状態を表す現在のアナログ状態量を検出する検出器と、前記現在のアナログ状態量を現在のデジタル状態量に変換するAD変換器と、前記制御対象の目標の状態を表す目標のデジタル状態量と前記現在のデジタル状態量との差分である偏差量を入力とし、積分および微分のうち少なくとも一方を演算することにより、前記制御対象に対するデジタル操作量を生成するデジタルPID制御手段とを備え、前記デジタルPID制御手段は、前記偏差量の絶対値が設定値以下の場合には前記偏差量を抑圧して出力する抑圧手段を備え、前記抑圧手段の出力に対するデジタル積分演算及び前記抑圧手段の出力に対するデジタル微分演算のうち少なくとも一方の演算を実行することにより前記デジタル操作量を生成することを特徴とする。
これにより、デジタルPID制御手段において、零近傍の偏差量入力時に、抑圧された偏差量を用いて積分演算が実行されるので、完全なゼロとならない偏差による積分演算値の累積を抑制することができる。また、零近傍の偏差量入力時に、抑圧された偏差量を用いて微分演算が実行されるので、AD変換器出力により生じた偏差による微分演算値の増幅を抑制することができる。よって、デジタル制御化に起因して発生する偏差量零近傍における制御対象の不要な動作、および、同時に発生する雑音や振動が抑制され、制御精度を向上させることができる。
また、前記抑圧手段は、前記偏差量の絶対値が前記設定値以下の場合には零値を出力することが好ましい。
これにより、零近傍の偏差量入力時における積分演算に対する零値入力および微分演算に対する零値入力のうち少なくとも一方がなされるので、完全なゼロとならない偏差が積分演算にて累積することの防止およびAD変換器出力により生じた偏差が微分演算により増幅されることの抑制のうち少なくとも一方がなされる。よって、デジタル制御化に起因して発生する偏差量零近傍における制御対象の不要な突発動作、および、同時に発生する雑音や振動が抑制され、制御精度をさらに向上させることができる。
また、前記設定値は、第1設定値および第2設定値のうち少なくとも一方であり、前記抑圧手段は、さらに、前記偏差量の絶対値が前記第1設定値より大きく、かつ、前記偏差量が正の場合には、前記偏差量から前記第1設定値を減じた量に比例した量を第1積分抑圧量として出力し、前記偏差量の絶対値が前記第1設定値より大きく、かつ、前記偏差量が負の場合には、前記偏差量に前記第1設定値を加えた量に比例した量を第2積分抑圧量として出力し、前記偏差量の絶対値が前記第2設定値より大きく、かつ、前記偏差量が正の場合には、前記偏差量から前記第2設定値を減じた量に比例した量を第1微分抑圧量として出力し、前記偏差量の絶対値が前記第2設定値より大きく、かつ、前記偏差量が負の場合には、前記偏差量に前記第2設定値を加えた量に比例した量を第2微分抑圧量として出力し、前記デジタルPID制御手段は、前記第1積分抑圧量および前記第2積分抑圧量に対する前記デジタル積分演算、および、前記第1微分抑圧量および前記第2微分抑圧量に対する前記デジタル微分演算のうち少なくとも一方を実行してもよい。
これにより、偏差量が零近傍でない領域における抑圧手段の線形動作、および、零近傍と零近傍でない領域との境界点における抑圧手段の出力の連続性が確保される。よって、前記境界点を跨ぐような偏差量入力がなされても、積分演算に起因する制御対象の不要な突発動作を抑制でき、微分演算における高調波による振動や雑音の発生を抑制できる。さらに、前記境界点の設定を積分演算および微分演算について独立に設定できるので、制御対象の状態に応じたより高精度な演算が実現できる。
また、前記設定値は、第1設定値および第2設定値のうち少なくとも一方であり、前記抑圧手段は、さらに、前記偏差量の絶対値が前記第1設定値より大きい場合には、前記偏差量に比例した量を積分抑圧量として出力し、前記偏差量の絶対値が前記第2設定値より大きい場合には、前記偏差量に比例した量を微分抑圧量として出力し、前記デジタルPID制御手段は、前記積分抑圧量に対する前記デジタル積分演算、および、前記微分抑圧量に対する前記デジタル微分演算のうち少なくとも一方を実行してもよい。
これにより、偏差量が零近傍でない領域において、抑圧手段を通過することにより本来あるべき出力値からのずれ、すなわち歪が存在しないので、積分演算における、制御対象の定常状態における状態と目標状態とのオフセットを抑制できる。さらに、前記境界点の設定を積分演算および微分演算について独立に設定できるので、制御対象の状態に応じたより高精度な演算が実現できる。
また、前記設定値は、第1設定値および第2設定値のうち少なくとも一方であり、前記抑圧手段は、さらに、前記目標のデジタル状態量の変化の度合いが小さく、かつ、前記偏差量の絶対値が前記第1設定値より大きく、かつ、前記偏差量が正の場合には、前記偏差量から前記第1設定値を減じた量に比例した量を第1積分抑圧量として出力し、前記変化の度合いが小さく、かつ、前記偏差量の絶対値が前記第1設定値より大きく、かつ、前記偏差量が負の場合には、前記偏差量に前記第1設定値を加えた量に比例した量を第2積分抑圧量として出力し、前記変化の度合いが大きく、かつ、前記偏差量の絶対値が前記第1設定値より大きい場合には、前記偏差量に比例した量を第3積分抑圧量として出力し、前記目標のデジタル状態量の変化の度合いが小さく、かつ、前記偏差量の絶対値が前記第2設定値より大きく、かつ、前記偏差量が正の場合には、前記偏差量から前記第2設定値を減じた量に比例した量を第1微分抑圧量として出力し、前記変化の度合いが小さく、かつ、前記偏差量の絶対値が前記第2設定値より大きく、かつ、前記偏差量が負の場合には、前記偏差量に前記第2設定値を加えた量に比例した量を第2微分抑圧量として出力し、前記変化の度合いが大きく、かつ、前記偏差量の絶対値が前記第2設定値より大きい場合には、前記偏差量に比例した量を第3微分抑圧量として出力し、前記デジタルPID制御手段は、前記第1積分抑圧量、前記第2積分抑圧量および前記第3積分抑圧量に対する前記デジタル積分演算、および、前記第1微分抑圧量、前記第2微分抑圧量および前記第3微分抑圧量に対する前記デジタル微分演算のうち少なくとも一方を実行してもよい。
これにより、制御対象が固定されているような場合には、前記境界点における抑圧手段の入出力特性の連続性が重視され、制御対象が動的変化している場合には、抑圧手段の入出力特性の一致度が重視されるので、効果的に制御対象の不要な突発動作や前記オフセットを抑制でき、また、効果的に制御対象の振動や雑音を抑制できる。さらに、前記境界点の設定を積分演算および微分演算について独立に設定できるので、制御対象の状態に応じたより高精度な演算が実現できる。
また、前記設定値は、第1設定値および第2設定値であり、前記抑圧手段は、さらに、前記偏差量の絶対値が前記第1設定値より大きい場合には前記偏差量に比例した量を積分抑圧量として出力し、前記偏差量の絶対値が前記第2設定値より大きく、かつ、前記偏差量が正の場合には、前記偏差量から前記第2設定値を減じた量に比例した量を第1微分抑圧量として出力し、前記偏差量の絶対値が前記第2設定値より大きく、かつ、前記偏差量が負の場合には、前記偏差量に前記第2設定値を加えた量に比例した量を第2微分抑圧量として出力し、前記デジタルPID制御手段は、前記積分抑圧量に対する前記デジタル積分演算、および、前記第1微分抑圧量および前記第2微分抑圧量に対する前記デジタル微分演算のうち少なくとも一方を実行してもよい。
これにより、偏差量が零近傍でない領域において、抑圧手段を通過することにより本来あるべき出力値からのずれ、すなわち歪が存在しないので、積分演算における、制御対象の定常状態における状態と目標状態とのオフセットを抑制できる。また、偏差量が零近傍でない領域における抑圧手段の線形動作、および、零近傍と零近傍でない領域との境界点における抑圧手段の出力の連続性が確保される。よって、前記境界点を跨ぐような偏差量入力がなされても、微分演算における高調波による振動や雑音の発生を抑制できる。さらに、前記境界点の設定を積分演算および微分演算について独立に設定できるので、制御対象の状態に応じたより高精度な演算が実現できる。
また、前記PID制御装置は、さらに、前記抑圧手段の出力または前記偏差量のうちいずれか一方を選択する積分セレクタと微分セレクタとのうち少なくとも一方を備え、前記積分セレクタにより選択された一方に対する前記デジタル積分演算、および、前記微分セレクタにより選択された一方に対する前記デジタル微分演算のうち少なくとも一方を実行することにより前記デジタル操作量を生成してもよい。
これにより、積分演算および微分演算への入力として、偏差量または抑圧手段の出力のいずれかを独立に選択することができる。
また、前記PID制御装置は、さらに、前記目標のデジタル状態量の変化を検出し、当該変化の度合いが小さい場合に前記抑圧手段の出力を前記積分セレクタに選択させ前記変化の度合いが大きい場合に前記偏差量を前記積分セレクタに選択させる指示、および、前記変化の度合いが小さい場合に前記抑圧手段の出力を前記微分セレクタに選択させ前記変化の度合いが大きい場合に前記偏差量を前記微分セレクタに選択させる指示のうち少なくとも一方の指示をする目標値変化判定手段を備えてもよい。
これにより、制御対象の目標状態が動的変化している状態か固定された状態かに応じて積分演算および微分演算への入力について、偏差量または抑圧手段の出力のいずれかを独立に選択できるので、制御対象の状況に応じたより高精度な演算を実行できる。
また、前記デジタルPID制御装置は、さらに、前記目標のデジタル状態量の変化の度合いまたは前記偏差量の大きさに応じて、前記設定値を調整する不感帯幅調整手段を備えてもよい。
これにより、制御対象が動的状態か固定状態かにより、また、偏差量の大きさに応じて不感帯幅を調整することができるので、制御対象の状態や制御状況に対応した高精度な積分演算及び微分演算を実行できる。
また、本発明は、上記のような特徴を有するデジタルPID制御装置として実現することができるだけでなく、制御対象を駆動するアクチュエータを備えるデジタルPID制御装置としても、同様の構成と効果がある。
また、本発明は、このような特徴的な手段を備えるデジタルPID制御装置として実現することができるだけでなく、デジタルPID制御装置に含まれる特徴的な手段をステップとするデジタルPID制御装置の制御方法として実現することができる。
本発明に係るデジタルPID制御装置によれば、零近傍の偏差量入力時において、積分演算と微分演算との少なくとも一方に抑圧された偏差量、または、零値が入力されるので、完全なゼロとならない偏差量が、積分演算にて累積することを防止することができる。さらに、零近傍の偏差量入力時において、AD変換器の出力が、微分演算にて増幅されることを防止することが出来る。よって、低騒音化および低振動化が実現でき、制御精度を向上させることができる。
(実施の形態1)
本実施の形態1におけるデジタルPID制御装置は、制御対象の目標のデジタル状態量とAD変換器から出力された現在のデジタル状態量との差分である偏差量を入力とし制御対象に対するデジタル操作量を生成するデジタルPID制御手段を備え、デジタルPID制御手段は偏差量の絶対値が設定値以下の場合には零値を出力する抑圧手段を備え、抑圧手段の出力に対するデジタル積分演算及び前記抑圧手段の出力に対するデジタル微分演算のうち少なくとも一方の演算を実行することにより前記デジタル操作量を生成する。これにより、零近傍の偏差量入力時において積分演算および微分演算に対する零値入力のうち少なくとも一方がなされるので、不要な偏差量が積分演算にて累積することの防止およびAD変換器出力により生じた偏差量が微分演算により増幅されることの抑制のうち少なくとも一方がなされる。よって、制御対象の不要な突発動作、および、同時に発生する雑音や振動が抑制される。
以下、本発明の実施の形態1に係るデジタルPID制御装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るデジタルPID制御装置を含むデジタルPID制御システムの構成例を示すブロック図である。同図におけるデジタルPID制御装置は、検出器2と、減算器3と、デジタルPID制御手段9と、駆動手段10と、AD変換器11とを備える。
検出器2は、制御対象1の現在の状態を示す現在位置を、現在のアナログ状態量として検出する。
AD変換器11は、検出器2で検出された現在位置を、現在のデジタル状態量として量子化されたデジタル値へと変換する。
減算器3は、AD変換器11で変換された現在位置のデジタル値と目標指令値との差分を演算し、偏差量としてデジタルPID制御手段9へ出力する。
デジタルPID制御手段9は、比例演算部4と、積分演算部5と、微分演算部6と、加算器7と、ゲイン乗算部8と、積分用不感帯部12、微分用不感帯部13とを備える。
比例演算部4は、デジタル比例演算を実行し、減算器3から出力された偏差量に比例したデジタル量を出力する。
積分演算部5は、デジタル積分演算を実行し、積分用不感帯部12の出力の積分に比例したデジタル量を出力する。
微分演算部6は、デジタル微分演算を実行し、微分用不感帯部13の出力の積分に比例したデジタル量を出力する。
積分用不感帯部12は、抑圧手段としての機能を有し、減算器3により得られた偏差量の絶対値が、設定値以下である場合には、零値を積分演算部5へ出力する。
微分用不感帯部13は、抑圧手段としての機能を有し、減算器3により得られた偏差量の絶対値が、設定値以下である場合には、零値を微分演算部6へ出力する。なお、偏差量の絶対値が設定値より大きい場合の積分用不感帯部12および微分用不感帯部13の出力については、図2を用いて後述する。
加算器7は、比例演算部4、積分演算部5および微分演算部6から出力されたデジタル量を加算する。
ゲイン乗算部8は、加算器7で加算されたデジタル量にゲインを乗じることにより当該デジタル量を調整し、最適なデジタル操作量を出力する。
駆動手段10は、ゲイン乗算部8から出力されたデジタル操作量に応じて制御対象1をパルス駆動、あるいはリニア駆動する。
以上の動作によって、制御対象1は、目標値に追従すべく制御される。
なお、図1において、目標指令値から減算器3までの経路、AD変換器11から減算器3までの経路、あるいは減算器3からデジタルPID制御手段9までの経路において、フィルタ等の演算部が存在する場合もあり得るが、必須要件ではないため、本実施例では省略する。もちろん、本省略は当該フィルタ等の存在有無を制約するものではない。
また、本実施例の説明では、AD変換器11は減算器3の前段に存在するが、減算器3をアナログ構成として、AD変換器11を減算器3の後段に配することも可能であり、AD変換器11の位置を制約するものではない。
次に、従来例の制御動作との差異について、図2を用いて説明する。図2(a)は、本発明のデジタルPID制御装置の有する不感帯部の第1の不感帯特性図であり、図2(b)は、本発明のデジタルPID制御装置の有する不感帯部の第2の不感帯特性図である。両図において、横軸は積分用不感帯部12または微分用不感帯部13への偏差量入力を、縦軸は積分用不感帯部12または微分用不感帯部13からの出力を示す。
第1の不感帯特性14においては、設定値の2倍である不感帯幅内の入力に対しては、零値を出力する。また、設定値の絶対値より大きい入力に対しては、入力軸に対して不感帯幅分シフトした入出力特性を出力する。具体的には、以下の式2で表される特性となる。
Y=0 if |X|=<W
Y=k×(X−W) if X>W
Y=k×(X+W) if X<−W (式2)
ここで、Yは各不感帯部からの出力、Xは各不感帯部への偏差量入力、Wは設定値、kは任意の比例ゲインである。
また、第2の不感帯特性15においては、設定値の2倍である不感帯幅内の入力に対しては、零値を出力する。また、設定値の絶対値より大きい入力に対しては、入力軸に対してシフトのない入出力比例特性を出力する。具体的には、以下の式3で表される特性となる。
Y=0 if |X|=<W
Y=k×X if X>W
Y=k×X if X<−W (式3)
ここで、Yは各不感帯部からの出力、Xは各不感帯部への偏差量入力、Wは設定値、kは任意の比例ゲインである。
図2に記載されたように、いずれの不感帯特性であっても、不感帯幅以内の入力に対しては、積分用不感帯部12と微分用不感帯部13は零値を出力する。その結果、両不感帯部は、不感帯幅以内であれば、ノイズや演算誤差を原因とする不要な偏差量を零値として出力するので、積分演算部5および微分演算部6の出力は変動しない。つまり、制御が安定した状態での不要な偏差の発生に対して、不要な操作量の発生を抑えることで、積分演算部5への不要な偏差量の蓄積がされず、目標指定値が固定された場合における制御対象1の意図しない動きが抑制され、また、AD変換器11によって生じた不要な偏差量を微分演算部6が増幅しないので、低振動化および低騒音化が達成される。
また、第1の不感帯特性14と第2の不感帯特性15とには、効果の明確な差異が存在する。
第1の不感帯特性14のメリットは、不感帯幅を跨ぐ入力に対して、出力に段差すなわち高調波が生じないことである。デメリットは、不感帯幅以上の入力全域に渡って、本来あるべき出力値からのずれ、すなわち歪が存在することであり、このことは制御特性に悪影響がでることを意味する。
一方、前記第2の不感帯特性15のメリットは、不感帯幅以上の入力全域に渡って、本来あるべき出力値からのずれ、すなわち歪が存在しないことである。デメリットは、不感帯幅を跨ぐ入力に対して、出力に段差すなわち高調波が生じることであり、このことは高調波を増幅する微分演算部6で不要な操作量を発生させることを意味する。
このことから、高調波を増幅しない積分用不感帯部12には第2の不感帯特性15を持たせ、高調波を増幅する微分用不感帯部13には第1の不感帯特性14を持たせることが制御特性の観点からは好ましい。
しかし、積分用不感帯部12と微分用不感帯部13の有する不感帯特性を、両不感帯部とも第1の不感帯特性14とすること、または両不感帯部とも第2の不感帯特性15とすることも可能である。また、特性上は好ましくはないが、積分用不感帯部12には第1の不感帯特性14を持たせ、微分用不感帯部13には第2の不感帯特性15を持たせることを制約するものではない。
また、第1の不感帯特性14と第2の不感帯特性15とのメリットおよびデメリットについては、目標値の変動有無を視点とした場合、次のように分析される。
目標値の変動がほとんど無い状態、すなわち目標指令値が固定値入力である場合には、不感帯幅以上の偏差量が発生することは考えにくく、仮に不感帯幅を跨ぐ偏差量が入力されても、出力に段差が生じない第1の不感帯特性14が好ましい。
一方、目標指令値が固定値入力ではなく、大きく変動する場合には、不感帯幅以上の偏差量が入力され得る状態であり、不感帯幅以上の入力全域に渡って、本来あるべき出力値からのずれのない、すなわち、歪が存在しない第2の不感帯特性15が好ましい。
したがって、目標指令値の変化を検出する目標値変化判定手段を設ける、あるいは目標値を指令する側(マイコンなど)から目標値の変化有無を入力する等の手段によって、目標指令値の変化を検出し、目標指令値が固定値入力の場合には第1の不感帯特性14を使用し、目標指令値が固定値入力ではない場合には、第2の不感帯特性15を使用するべく、積分用不感帯部12と前記微分用不感帯部13とに不感帯特性の切り替えを設けることが好ましい。
なお、この不感帯特性の切り替えは、積分用不感帯部12と微分用不感帯部13とのいずれか片方のみに設けることも可能である。また、目標値を指令する側(マイコンなど)から目標値の変化有無を入力するのではなく、目標値の変化有無に従って、直接、第1の不感帯特性14か、第2の不感帯特性15かを選択させることも可能である。
なお、上述した目標値変化判定手段または目標値を指令する側から目標値の変化有無を入力する等の手段によって、目標指令値の変化を検出し、目標指令値の変化状況を判定する判定手段の構成および機能については、それぞれ、実施の形態3および実施の形態2にて後述する。
なお、上述した不感帯特性において、不感帯部への偏差量入力Xが設定値W以内である場合には、不感帯部からの出力として零値を出力することとしているが、この設定値W以内における不感帯部からの出力は必ずしも零値である必要はない。
図3(a)、(b)および(c)は、それぞれ、本発明のデジタルPID制御装置の有する不感帯部の第3、第4および第5の不感帯特性図である。第3の不感帯特性141、第4の不感帯特性142および第5の不感帯特性151ともに、不感帯幅以内の出力は、破線で示された入出力比例特性を抑圧した特性となっているが、必ずしも零ではない。図3に記載された不感帯特性は、第2の不感帯特性15に見られる不感帯と通常領域との境界点における不感帯特性の不連続性や、第1の不感帯特性14に見られる前記境界点における不感帯特性の急激な変化を緩和している。この不連続性や急激な変化の緩和により、偏差量が前記境界点を跨ぐ場合において、微分用不感帯部13からの高調波が微分演算部6で必要以上に増幅されることを防止することができる。また、第4の不感帯特性142は、不感帯への入力Xが設定値Wを超えたところから、入力Xの増加に伴い破線で示された入出力比例特性に漸近している。これにより、積分演算部5からの出力は、本来あるべき出力値からのずれ、すなわち歪が存在しないので、制御対象1の定常状態における状態と目標状態とのオフセットが抑制される。
なお、式2および式3において、不感帯幅の1/2である設定値Wは、積分用不感帯部12および微分用不感帯部13のそれぞれにおいて独立な第1設定値W1および第2設定値W2が設定されてもよい。
図4は、本発明の実施の形態1に係る変形例を示すデジタルPID制御システムの構成例を示すブロック図である。同図におけるデジタルPID制御システムは、制御対象1とデジタルPID制御装置とを備える。
デジタルPID制御装置は、検出器2と、減算器3と、デジタルPID制御手段9と、駆動手段10と、AD変換器11と、不感帯幅入力手段16とを備える。デジタルPID制御手段9は、比例演算部4と、積分演算部5と、微分演算部6と、加算器7と、ゲイン乗算部8と、積分用不感帯部12、微分用不感帯部13とを備える。
図4におけるデジタルPID制御装置は、図1に記載された実施の形態1に係るデジタルPID制御装置と比較し、不感帯幅入力手段16が付加された点のみが異なり、その他の構成要素については機能的に同等である。同じ点は説明を省略し、以下、異なる点のみ説明する。
不感帯幅入力手段16は、積分用不感帯部12および微分用不感帯部13に接続され、積分用不感帯部12および微分用不感帯部13の有する不感帯特性における不感帯幅を静的に、あるいは動的に調整する機能を有する。これにより、本発明のデジタルPID制御装置は、個々の制御系の特性、および制御条件の変動等に対して、より最適な不感帯幅で動作することができる。例えば、偏差量の大きさに応じて、特に、ノイズや演算誤差の大きい制御条件では、不感帯幅を大きく設定し、ノイズや演算誤差の小さい制御条件では、不感帯幅を小さく設定する。あるいは、目標のデジタル状態量の変化の度合いが小さい場合、例えば、目標指令が固定値入力の状態では、不感帯幅を大きく設定し、目標のデジタル状態量の変化の度合いが大きい場合、例えば、目標指令を変動させる場合には、不感帯幅を小さく設定する。また、低騒音および低振動が重視される状況下では、不感帯幅を大きく設定し、低騒音および低振動が重視されない状況下では、不感帯幅を小さく設定するといった、最適化方法が考えられる。
なお、不感帯幅入力手段16は、不感帯幅の設定を、積分用不感帯部12と微分用不感帯部13とで、独立に設定できるようにしてもよいし、両不感帯部で同一の不感帯幅を設定してもよい。
以上のように、本発明の実施の形態1およびその変形例に係るデジタルPID制御装置によれば、積分演算部5の前段に積分用不感帯部12と、微分演算部6の前段に微分用不感帯部13との少なくとも一方の不感帯部を備えることにより、制御が安定した状態での不要な偏差の発生に対して、不要な操作量の発生が抑えられ、低振動化および低騒音化が実現される。
なお、本実施の形態では、デジタルPID制御手段9は積分用不感帯部12および微分用不感帯部13の双方を備える構成をとっているが、デジタルPID制御手段9は、積分用不感帯部12および微分用不感帯部13のうち少なくとも一方を備えればよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るデジタルPID制御装置は、積分用不感帯機能と微分用不感帯機能の要否を選択できる不感帯要否入力手段を設け、不感帯機能の要否を選択できる点が、実施の形態1に係るデジタルPID制御装置と異なる。以下、図5を参照しながら、実施の形態1との違いを説明し、実施の形態1と同一の動作については、説明を省略する。
図5は、本発明の実施の形態2に係るデジタルPID制御装置を含むデジタルPID制御システムの構成例を示すブロック図である。同図におけるデジタルPID制御装置は、検出器2と、減算器3と、デジタルPID制御手段9aと、駆動手段10と、AD変換器11と不感帯要否入力手段17と、判定手段171とを備える。
デジタルPID制御手段9aは、比例演算部4と、積分演算部5と、微分演算部6と、加算器7と、ゲイン乗算部8と、積分用不感帯部12、微分用不感帯部13と、セレクタ18と、セレクタ19とを備える。
積分演算部5の前段に接続された積分用不感帯部12と、微分演算部6の前段に接続された微分用不感帯部13との少なくとも一方の不感帯を備えることで、制御が安定した状態での不要な偏差の発生に対して、不要な操作量の発生が抑えられ、低振動化および低騒音化され、制御精度が向上することは、実施の形態1に係るデジタルPID制御装置と目的も働きも同様である。
不感帯要否入力手段17は、判定手段171からの情報を基に、積分用不感帯部12を使用するか使用しないかを切り替えるセレクタ18と、微分用不感帯部13を使用するか使用しないかを切り替えるセレクタ19に対し、減算器3からの偏差量または各不感帯部の出力の選択を指示する。
判定手段171は、例えば、制御対象1が追従すべき目標の状態量の変化をジャイロセンサや角速度センサで計測し、得られた計測値をマイコンなどで解析して得られた目標の状態量の変化の度合いを、不感帯要否入力手段17へ出力する。
セレクタ18は、積分セレクタとしての機能を有し、不感帯要否入力手段17からの指示に従い、積分用不感帯部12の出力または減算器3からの偏差量を選択し、当該選択された一方を積分演算部5へ出力する。
セレクタ19は、微分セレクタとしての機能を有し、不感帯要否入力手段17からの指示に従い、微分用不感帯部13の出力または減算器3からの偏差量を選択し、当該選択された一方を微分演算部6へ出力する。
前述のとおり、図2に記載された第1の不感帯特性14および第2の不感帯特性15ともに、不感帯幅以内の入力に対しては、不要な偏差量の伝播を抑えるというメリットが存在するが、不感帯幅を跨ぐ入力、あるいは不感帯幅以上の入力に対して、デメリットが存在するため、積分用不感帯部12と微分用不感帯部13とを常時使用することが、必ずしも最適なデジタルPID制御装置とは限らない。
このため、本実施の形態2では、目標値の挙動によって、不感帯幅を跨ぐ入力、あるいは不感帯幅以上の入力が生じる場合には、積分用不感帯部12と微分用不感帯部13とを使用しない、あるいは、低騒音および低振動が重視されない局面では、積分用不感帯部12と微分用不感帯部13とを使用しない、あるいは、他のノイズ源が動作停止中は、積分用不感帯部12と微分用不感帯部13とを使用しない、といった使用によって、両不感帯部の有するデメリット、すなわち歪と段差の悪影響が排除されるので、より最適な制御特性が実現される。
なお、各不感帯部の使用有無の切り替えは、本実施例では、各不感帯部または各不感帯部を通過しない経路を選択する各セレクタを用いて行っているが、不感帯幅を零と設定する手段を設けることによって同様の機能を実現してもよい。
また、この切り替えは、積分用不感帯部12と微分用不感帯部13との、いずれか一方のみに用いられてもよい。
また、使用有無の切り替えを指令する不感帯要否入力手段17は、マイコンや機器の使用者からの指令を伝えるシリアルインターフェース等であってもよい。
また、判定手段171は、ジャイロセンサ、角速度センサおよびマイコンを構成要素とする必要はなく、機器の使用者自身が判定することによりその判定機能を有してもよい。
また、実施の形態1でも述べたように、両不感帯が有する不感帯幅を、静的に、あるいは動的に設定可能とする不感帯幅入力手段16を設けることで、個々の制御系の特性、および制御条件の変動等に対して、より最適な不感帯幅で動作させることができる。
以上のように、本発明の実施の形態2に係るデジタルPID制御装置によれば、積分演算部5の前段に接続された積分用不感帯部12と、微分演算部6の前段に接続された微分用不感帯部13との少なくとも一方の不感帯を備えることにより、制御が安定した状態での不要な偏差量の発生に対して、不要な操作量の発生を抑えることで、低振動化および低騒音化が実現され、制御精度が向上する。また、各不感帯部の使用有無を切り替える各セレクタが、不感帯要否入力手段17からの指示により、各不感帯部の使用有無を選択することで、不感帯部の有するデメリット、すなわち、歪と段差の悪影響が排除されるので、より最適な制御特性が実現される。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係るデジタルPID制御装置は、制御対象の目標のデジタル状態量の変化の度合いを判定する目標値変化判定手段が設けられ、各不感帯部の不感帯有無の選択および不感帯特性の選択が、目標値変化判定手段によってなされる点が、実施の形態2に係るデジタルPID制御装置と異なる。以下、図6を参照しながら、実施の形態2との違いを説明し、実施の形態1および実施の形態2と同一の動作については、説明を省略する。
図6は、本発明の実施の形態3に係るデジタルPID制御装置を含むデジタルPID制御システムの構成例を示すブロック図である。同図におけるデジタルPID制御装置は、検出器2と、減算器3と、デジタルPID制御手段9bと、駆動手段10と、AD変換器11と目標値変化判定手段20とを備える。
デジタルPID制御手段9bは、比例演算部4と、積分演算部5と、微分演算部6と、加算器7と、ゲイン乗算部8と、積分用不感帯部121と、微分用不感帯部131と、セレクタ181と、セレクタ191とを備える。
積分用不感帯部121は、前述した第1の不感帯特性14および第2の不感帯特性15を有しており、セレクタ181の選択により、使用する不感帯特性が切り替わる機能を有する。
微分用不感帯部131は、前述した第1の不感帯特性14および第2の不感帯特性15を有しており、セレクタ191の選択により、使用する不感帯特性が切り替わる機能を有する。
なお、積分用不感帯部121および微分用不感帯部131の有する不感帯特性は、上述した第1の不感帯特性14および第2の不感帯特性15に限定されるものではなく、例えば、図3に記載された第3の不感帯特性141、第4の不感帯特性142および第5の不感帯特性151のように不感帯幅内が入出力比例特性に対して抑圧された特性であってもよい。
セレクタ181は、積分セレクタとしての機能を有し、目標値変化判定手段20からの指示に従い、積分用不感帯部121の出力または減算器3からの偏差量を選択し、さらには、積分用不感帯部121の出力が選択された場合には、積分用不感帯特性を選択して、当該選択された一方を積分演算部5へ出力する。
セレクタ191は、微分セレクタとしての機能を有し、目標値変化判定手段20からの指示に従い、微分用不感帯部131の出力または減算器3からの偏差量を選択し、さらには、微分用不感帯部131の出力が選択された場合には、微分用不感帯特性を選択して、当該選択された一方を微分演算部6へ出力する。
目標値変化判定手段20は、制御対象1の目標のデジタル状態量である目標指令値を入力し、当該目標指令値の変化の度合いを判定することにより、各不感帯部の不感帯有無の選択および不感帯特性の選択を各セレクタに指示する。
積分演算部5の前段に接続された積分用不感帯部121と、微分演算部6の前段に接続された微分用不感帯部131との少なくとも一方の不感帯を備えることで、制御が安定した状態での不要な偏差量の発生に対して、不要な操作量の発生を抑えて、低振動化および低騒音化が実現され、制御精度が向上すること、および、積分用不感帯部121を使用するか使用しないかを切り替える積分用セレクタ181と、微分用不感帯部131を使用するか使用しないかを切り替える微分用セレクタ191を有することは、実施の形態2に係るデジタルPID制御装置と目的および機能が同様である。
ただし、本実施の形態3では、目標指令値の変化を検出する目標値変化判定手段20によって、各不感帯部の使用有無、さらには、各不感帯部の不感帯特性を選択できる。前述のとおり、第1の不感帯特性14と第2の不感帯特性15ともに、不感帯幅以内の入力に対しては、不要な偏差量の伝播を抑えるというメリットが存在するが、不感帯幅を跨ぐ入力、あるいは不感帯幅以上の入力に対して、デメリットが存在するため、積分用不感帯部121と微分用不感帯部131とを常時使用することが、必ずしも最適なデジタルPID制御装置とは限らない。
このため、本実施の形態3では、目標値変化判定手段20によって、目標指令値の変化の度合いを検出し、目標値の変動がほとんど無い、すなわち目標値が固定値入力である場合には、不感帯幅以上の偏差量入力が発生することは考えにくいことから、第1の不感帯特性14と第2の不感帯特性15のいずれかを使用する。また、目標値が固定値入力ではなく、大きく変動する場合には、不感帯幅以上の偏差量入力が発生しうるものであり、不感帯部の有するデメリット、すなわち歪と段差の悪影響を排除することで、より最適な制御特性が実現されるので、積分用不感帯部121と微分用不感帯部131とを使用せず、通過させる。この使用有無の切り替えを、本実施例では、各不感帯部または各不感帯部を通過しない経路を選択する各セレクタを用いて行っているが、不感帯幅を0と設定する手段を設けることによって、同様の機能を実現してもよい。
また、この切り替えは、積分用不感帯部121と微分用不感帯部131との、いずれか片方のみに用いることも可能であり、こちらも制約するものではない。
また、目標値変化判定手段20は、例えば、目標指令値の微分量を一定の閾値と比較する回路、あるいは、サンプリング毎の目標指令値の変化量を一定の閾値と比較する回路等によって実現される。
目標値変化判定手段20による切り替えは、実施の形態2に係るデジタルPID制御装置における不感帯要否入力手段17を用いても行えるが、目標値変化判定手段20を設けることにより、マイコンや機器の使用者からの指令が不要になるというメリットが存在する。
また、実施の形態2でも述べたように、両不感帯部が有する不感帯幅を、静的に、あるいは動的に設定可能とする不感帯幅入力手段16を設けることで、個々の制御系の特性、および制御条件の変動等に対して、より最適な不感帯幅で動作させることができる。
以上のように、本発明の実施の形態3に係るデジタルPID制御装置によれば、積分演算部5の前段に接続された積分用不感帯部121と、微分演算部6の前段に接続された微分用不感帯部131との少なくとも一方の不感帯を備えることにより、制御が安定した状態での不要な偏差量の発生に対して、不要な操作量の発生を抑えることで、低振動化および低騒音化が実現され、制御精度が向上する。また、積分用不感帯部121の使用有無および不感帯特性を切り替えるセレクタ181と、微分用不感帯部131の使用有無および不感帯特性を切り替えるセレクタ191とを備え、目標値変化判定手段20によって、各不感帯部の使用有無および不感帯特性を選択することで、マイコンや機器の使用者の負担を増やすことなく、不感帯部の有するデメリット、すなわち歪と段差の悪影響が排除されるので、より最適な制御特性が実現される。
なお、セレクタ181およびセレクタ191は不感帯部の使用有無、さらに使用の場合は不感帯特性の選択を実行することとしているが、不感帯部の使用有無の選択のみ、あるいは、不感帯特性の選択のみのいずれかの機能を有していてもよい。
図7は、本発明に係るデジタルPID制御装置が内蔵されたDSCの機能ブロック図である。同図におけるDSC30は、レンズ1Aと、本発明に係るデジタルPID制御装置とを備える。DSC30に内蔵されたデジタルPID制御装置は、検出器2Aおよび2Bと、減算器3Aおよび3Bと、デジタルPID制御手段9Aおよび9Bと、アクチュエータ10Aおよび10Bと、AD変換器11Aおよび11Bとを備える。同図におけるDSC30のレンズ1Aは、2方向の位置が独立して制御されている。レンズ1Aの現在位置が検出器2Aおよび2Bによって検出され、検出された現在位置は、それぞれ、減算器3Aおよび3Bによって目標値と差分演算され、偏差量として出力される。デジタルPID制御手段9Aおよび9Bは、減算器3から出力された偏差量を入力として、デジタルPID演算を実行し、演算結果を操作量として出力する。駆動手段として機能するアクチュエータ10Aおよび10Bは、上記演算によって得られた操作量に応じてレンズ1Aを駆動する。
以上の動作によって、レンズ1Aは、目標値に追従すべく制御される。
ここで、デジタルPID制御手段9Aおよび9Bは、積分演算の入力として実施の形態1ないし3で説明した積分用不感帯部12または121と、微分演算の入力として実施の形態1ないし3で説明した微分用不感帯部13または131、との少なくとも一方の不感帯部を備えることにより、制御が安定した状態での不要な偏差量の発生に対して、不要な操作量の発生が抑えられ、低振動化および低騒音化が実現される。
なお、本発明に係るデジタルPID制御装置は、上記実施の形態およびその変形例に限定されるものではない。各実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施形態や、各実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明に係るデジタルPID制御装置を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
本発明は、位置制御などを行うデジタルPID制御装置に有用であり、特に制御対象に対する不要な操作量を抑制することにより低振動化および低騒音化を実現するデジタルPID制御装置に用いるのに最適である。
本発明の実施の形態1に係るデジタルPID制御装置を含むデジタルPID制御システムの構成例を示すブロック図である。 (a)は本発明のデジタルPID制御装置の有する不感帯部の第1の不感帯特性図である。(b)は本発明のデジタルPID制御装置の有する不感帯部の第2の不感帯特性図である。 (a)は本発明のデジタルPID制御装置の有する不感帯部の第3の不感帯特性図である。(b)は本発明のデジタルPID制御装置の有する不感帯部の第4の不感帯特性図である。(c)は本発明のデジタルPID制御装置の有する不感帯部の第5の不感帯特性図である。 本発明の実施の形態1に係る変形例を示すデジタルPID制御システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2に係るデジタルPID制御装置を含むデジタルPID制御システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3に係るデジタルPID制御装置を含むデジタルPID制御システムの構成例を示すブロック図である。 本発明に係るデジタルPID制御装置が内蔵されたDSCカメラの機能ブロック図である。 特許文献1に記載されている従来のPID制御システムの基本構成図である。 従来のデジタルPID制御システムの基本構成図である。
符号の説明
1、301、401 制御対象
1A レンズ
2、2A、2B、302、402 検出器
3、3A、3B、303、403 減算器
4、304、404 比例演算部
5、305、405 積分演算部
6、306、406 微分演算部
7、307、407 加算器
8、308、408 ゲイン乗算部
9、9A、9a、9B、9b デジタルPID制御手段
10、310、410 駆動手段
10A、10B アクチュエータ
11、11A、11B、411 AD変換器
12、121 積分用不感帯部
13、131 微分用不感帯部
14 第1の不感帯特性
15 第2の不感帯特性
16 不感帯幅入力手段
17 不感帯要否入力手段
18、19、181、191 セレクタ
20 目標値変化判定手段
30 DSC
141 第3の不感帯特性
142 第4の不感帯特性
151 第5の不感帯特性
171 判定手段
309、409 PID制御手段

Claims (11)

  1. 制御対象が目標の状態に到達するよう前記制御対象を制御するデジタルPID制御装置であって、
    前記制御対象の現在の状態を表す現在のアナログ状態量を検出する検出器と、
    前記現在のアナログ状態量を現在のデジタル状態量に変換するAD変換器と、
    前記制御対象の目標の状態を表す目標のデジタル状態量と前記現在のデジタル状態量との差分である偏差量を入力とし、積分および微分のうち少なくとも一方を演算することにより、前記制御対象に対するデジタル操作量を生成するデジタルPID制御手段とを備え、
    前記デジタルPID制御手段は、
    前記偏差量の絶対値が設定値以下の場合には前記偏差量を抑圧して出力する抑圧手段を備え、前記抑圧手段の出力に対するデジタル積分演算及び前記抑圧手段の出力に対するデジタル微分演算のうち少なくとも一方の演算を実行することにより前記デジタル操作量を生成する
    ことを特徴とするデジタルPID制御装置。
  2. 前記抑圧手段は、前記偏差量の絶対値が前記設定値以下の場合には零値を出力する
    ことを特徴とする請求項1記載のデジタルPID制御装置。
  3. 前記設定値は、第1設定値および第2設定値のうち少なくとも一方であり、
    前記抑圧手段は、さらに、
    前記偏差量の絶対値が前記第1設定値より大きく、かつ、前記偏差量が正の場合には、前記偏差量から前記第1設定値を減じた量に比例した量を第1積分抑圧量として出力し、
    前記偏差量の絶対値が前記第1設定値より大きく、かつ、前記偏差量が負の場合には、前記偏差量に前記第1設定値を加えた量に比例した量を第2積分抑圧量として出力し、
    前記偏差量の絶対値が前記第2設定値より大きく、かつ、前記偏差量が正の場合には、前記偏差量から前記第2設定値を減じた量に比例した量を第1微分抑圧量として出力し、
    前記偏差量の絶対値が前記第2設定値より大きく、かつ、前記偏差量が負の場合には、前記偏差量に前記第2設定値を加えた量に比例した量を第2微分抑圧量として出力し、
    前記デジタルPID制御手段は、前記第1積分抑圧量および前記第2積分抑圧量に対する前記デジタル積分演算、および、前記第1微分抑圧量および前記第2微分抑圧量に対する前記デジタル微分演算のうち少なくとも一方を実行する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のデジタルPID制御装置。
  4. 前記設定値は、第1設定値および第2設定値のうち少なくとも一方であり、
    前記抑圧手段は、さらに、
    前記偏差量の絶対値が前記第1設定値より大きい場合には、前記偏差量に比例した量を積分抑圧量として出力し、
    前記偏差量の絶対値が前記第2設定値より大きい場合には、前記偏差量に比例した量を微分抑圧量として出力し、
    前記デジタルPID制御手段は、前記積分抑圧量に対する前記デジタル積分演算、および、前記微分抑圧量に対する前記デジタル微分演算のうち少なくとも一方を実行する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のデジタルPID制御装置。
  5. 前記設定値は、第1設定値および第2設定値のうち少なくとも一方であり、
    前記抑圧手段は、さらに、
    前記目標のデジタル状態量の変化の度合いが小さく、かつ、前記偏差量の絶対値が前記第1設定値より大きく、かつ、前記偏差量が正の場合には、前記偏差量から前記第1設定値を減じた量に比例した量を第1積分抑圧量として出力し、
    前記変化の度合いが小さく、かつ、前記偏差量の絶対値が前記第1設定値より大きく、かつ、前記偏差量が負の場合には、前記偏差量に前記第1設定値を加えた量に比例した量を第2積分抑圧量として出力し、
    前記変化の度合いが大きく、かつ、前記偏差量の絶対値が前記第1設定値より大きい場合には、前記偏差量に比例した量を第3積分抑圧量として出力し、
    前記目標のデジタル状態量の変化の度合いが小さく、かつ、前記偏差量の絶対値が前記第2設定値より大きく、かつ、前記偏差量が正の場合には、前記偏差量から前記第2設定値を減じた量に比例した量を第1微分抑圧量として出力し、
    前記変化の度合いが小さく、かつ、前記偏差量の絶対値が前記第2設定値より大きく、かつ、前記偏差量が負の場合には、前記偏差量に前記第2設定値を加えた量に比例した量を第2微分抑圧量として出力し、
    前記変化の度合いが大きく、かつ、前記偏差量の絶対値が前記第2設定値より大きい場合には、前記偏差量に比例した量を第3微分抑圧量として出力し、
    前記デジタルPID制御手段は、前記第1積分抑圧量、前記第2積分抑圧量および前記第3積分抑圧量に対する前記デジタル積分演算、および、前記第1微分抑圧量、前記第2微分抑圧量および前記第3微分抑圧量に対する前記デジタル微分演算のうち少なくとも一方を実行する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のデジタルPID制御装置。
  6. 前記設定値は、第1設定値および第2設定値であり、
    前記抑圧手段は、さらに、
    前記偏差量の絶対値が前記第1設定値より大きい場合には前記偏差量に比例した量を積分抑圧量として出力し、
    前記偏差量の絶対値が前記第2設定値より大きく、かつ、前記偏差量が正の場合には、前記偏差量から前記第2設定値を減じた量に比例した量を第1微分抑圧量として出力し、
    前記偏差量の絶対値が前記第2設定値より大きく、かつ、前記偏差量が負の場合には、前記偏差量に前記第2設定値を加えた量に比例した量を第2微分抑圧量として出力し、
    前記デジタルPID制御手段は、前記積分抑圧量に対する前記デジタル積分演算、および、前記第1微分抑圧量および前記第2微分抑圧量に対する前記デジタル微分演算のうち少なくとも一方を実行する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のデジタルPID制御装置。
  7. 前記PID制御装置は、さらに、
    前記抑圧手段の出力または前記偏差量のうちいずれか一方を選択する積分セレクタと微分セレクタとのうち少なくとも一方を備え、前記積分セレクタにより選択された一方に対する前記デジタル積分演算、および、前記微分セレクタにより選択された一方に対する前記デジタル微分演算のうち少なくとも一方を実行することにより前記デジタル操作量を生成する
    ことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載のデジタルPID制御装置。
  8. 前記PID制御装置は、さらに、
    前記目標のデジタル状態量の変化を検出し、当該変化の度合いが小さい場合に前記抑圧手段の出力を前記積分セレクタに選択させ前記変化の度合いが大きい場合に前記偏差量を前記積分セレクタに選択させる指示、および、前記変化の度合いが小さい場合に前記抑圧手段の出力を前記微分セレクタに選択させ前記変化の度合いが大きい場合に前記偏差量を前記微分セレクタに選択させる指示のうち少なくとも一方の指示をする目標値変化判定手段を備える
    ことを特徴とする請求項7記載のデジタルPID制御装置。
  9. 前記デジタルPID制御装置は、さらに、
    前記目標のデジタル状態量の変化の度合いまたは前記偏差量の大きさに応じて、前記設定値を調整する不感帯幅調整手段を備える
    ことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1項に記載のデジタルPID制御装置。
  10. 前記PID制御装置は、さらに、
    前記デジタルPID制御手段で生成された前記デジタル操作量に従って前記制御対象を駆動するアクチュエータを備える
    ことを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか1項に記載のデジタルPID制御装置。
  11. 制御対象が目標の状態に到達するよう、前記制御対象の現在の状態と目標の状態との差分であるデジタル偏差量を入力として、積分および微分のうち少なくとも一方を演算することにより、前記制御対象を制御するためのデジタル操作量を出力するデジタルPID制御装置の制御方法であって、
    前記偏差量の絶対値が設定値以下の場合には前記偏差量を抑圧する抑圧ステップと、
    前記抑圧された偏差量を用いたデジタル積分演算及び前記抑圧された偏差量を用いたデジタル微分演算のうち少なくとも一方を実行することにより前記デジタル操作量を生成する操作量生成ステップとを含む
    ことを特徴とするデジタルPID制御装置の制御方法。
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