JP2009177747A - 通話装置 - Google Patents

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進弥 木本
Kosaku Kitada
耕作 北田
Yasushi Arikawa
泰史 有川
Osamu Akasaka
修 赤坂
恵一 ▲吉▼田
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Abstract

【課題】スピーカの振動板が分割振動している場合でも、スピーカ音のキャンセル量が低減することなく、ハウリングを防止することができる通話装置を提供する。
【解決手段】通話装置Aは、振動板23の前面側から外部へ音声を出力するスピーカSPと、振動板23の前面に対向して配置され、音声を集音して音声信号を出力するマイクロホンM1,M2と、マイクロホンM1,M2が出力する音声信号に対して利得および遅延時間を調整した後、マイクロホンM2の音声信号からマイクロホンM1の音声信号を除去して外部へ伝達する音声処理部10とを備え、マイクロホンM2は話者が発する音声をマイクロホンM1と同等以上の音圧レベルで集音し、スピーカSPが発する音声をマイクロホンM1より小さい音圧レベルで集音して音声信号を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、通話装置に関するものである。
従来、インターホンシステム等で屋内に設置される通話装置があり、他の場所に設置された通話装置からの音声を出力するスピーカや、他の通話装置へ伝達する音声を入力するマイクロホン等を備えている。そして、スピーカから発生した音声がマイクロホンに回り込むとハウリングが生じることになるから、様々なハウリング防止対策が採られている。
例えば、第1の従来例として、スピーカとマイクロホンを含むループ回路が通話装置内で形成され、このループゲインが1を越えるとハウリングが発生するから、ループ回路内に設けた可変損失回路での損失量を調節することにより、ループゲインが1以下となるようにしてハウリングを防止するものがある。ここで、送話信号と受話信号とのうち信号レベルが小さいほうは重要ではないとみなし、信号レベルが小さいほうの伝送路に挿入された可変損失回路の伝送損失を大きくするようにしている。
しかし、上記第1の従来例では、マイクロホンとスピーカとの距離が近いと、スピーカからマイクロホンに回り込む受話音声のレベルが大きくなり、受話信号よりも送話信号が大きくなり、スピーカから音声が出ている受話状態であるにもかかわらず制御回路は送話状態に切り換えてしまい、スピーカから出るべき音が出なくなるという状態が発生していた。
そこで、第2の従来例として、一対のマイクロホンと、両マイクロホンとスピーカとの距離の差に相当する音波の遅延時間だけスピーカに近いほうのマイクロホンの出力を遅延させる遅延回路と、両マイクロホンとスピーカとの距離の差に相当するレベル調整を行なってスピーカからの音声に対する両マイクロホンの出力レベルを一致させるレベル調整増幅回路と、遅延回路とレベル調整増幅回路とを通った両マイクロホンの出力を両入力とする差動増幅回路とを設け、差動増幅回路の出力を送話信号とする通話装置がある。
この通話装置では、一対のマイクロホンでスピーカからの音声を拾った後、遅延およびレベル調整を行なって両マイクロホンに入力されるスピーカ音を差動増幅回路で相殺するようにしているから、スピーカ音のみをキャンセルしてハウリングを防止し、さらには受話ブロッキングが生じない状態で送話音声を伝送することができる。(例えば、特許文献1参照)。
特許第2607257号公報(2頁左欄第13行〜右欄第3行,4頁右欄第26行〜第49行、第1図,第5図)
スピーカの振動板は、通常、全面が同じ位相で振動するが、放射する音波がある周波数の場合には、互いに異なる位相となる複数の振動領域が生じる分割振動を発生する。分割振動の形態としては、振動板の径方向での分割や同心円状の分割があり、分割数も2分割や4分割等がある。
そして、上記特許文献1のように、両マイクロホンに入力されるスピーカ音を差動増幅回路で相殺し、スピーカ音のみをキャンセルしてハウリングを防止する構成では、分割振動時に振動板の分割された各振動領域から放射される音波の位相、振幅が互いに異なるため、両マイクロホンに入力されるスピーカ音を差動増幅回路でキャンセルすることが困難となり、ハウリング防止効果が低減していた。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、スピーカの振動板が分割振動している場合でも、スピーカ音のキャンセル量が低減することなく、ハウリングを防止することができる通話装置を提供することにある。
請求項1の発明は、ハウジングに取り付けられて振動板の一面側からハウジング外へ音声を出力するスピーカと、振動板の一面に対向して配置され、音声を集音して音声信号を出力する第1,第2のマイクロホンと、第1,第2のマイクロホンが出力する音声信号に対して利得および遅延時間を調整した後、第2のマイクロホンの音声信号から第1のマイクロホンの音声信号を除去して外部へ伝達する音声処理部とを備え、第2のマイクロホンは、スピーカが発する音声を第1のマイクロホンより小さい音圧レベルで集音し、話者が発する音声を第1のマイクロホンと同等以上の音圧レベルで集音して音声信号を出力することを特徴とする。
この発明によれば、第1,第2のマイクロホンがともに振動板の一面に対向して配置されており、振動板の複数の振動領域は第1,第2のマイクロホンに対して互いに略等距離となり、各振動領域から発せられて第1,第2のマイクロホンで集音された各音声信号に生じる振幅差および位相差は互いに略同じ値になるので、音声処理部の利得および遅延時間を調整することで、各振動領域から各々放射される音波をキャンセルすることができ、分割振動時においてもハウリング防止効果を得ることができる。すなわち、スピーカの振動板が分割振動している場合でも、スピーカ音のキャンセル量が低減することなく、ハウリングを防止することができるのである。
請求項2の発明は、請求項1において、前記第1のマイクロホンの集音面は前記振動板の一面に対向して設けられ、前記第2のマイクロホンの集音面は前記スピーカからの音声出力方向と同一方向に向かって設けられることを特徴とする。
この発明によれば、第2のマイクロホンは、スピーカ音を第1のマイクロホンより小さい音圧レベルで集音して、且つ話者が発する音声を第1のマイクロホンと同等以上の音圧レベルで集音して音声信号を出力するので、音声処理部によるスピーカ音のキャンセル量を確保しながら、話者の音声信号は十分なレベルを維持できる。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記スピーカの振動板の一面側に形成された空間である前気室をハウジング内に設け、当該前気室内に前記第1のマイクロホンの集音面を配置することを特徴とする。
この発明によれば、スピーカが発する音声は前気室内で反射し、ハウジング外では発散するので、第1,第2のマイクロホンで集音されたスピーカ音の音圧レベル差がさらに大きくなり、音声処理部によるスピーカ音のキャンセル量を確保しながら、話者の音声信号は十分なレベルを維持できる効果が向上する。
請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかにおいて、前記第1,第2のマイクロホンは、前記スピーカの振動板の一面に対して鉛直方向に沿って並設されることを特徴とする。
この発明によれば、分割振動時におけるハウリング防止効果がさらに向上する。
請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかにおいて、前記スピーカの振動板の他面側に形成された空間である後気室をハウジング内に設け、当該後気室はハウジング外と空間的に絶縁されることを特徴とする。
この発明によれば、後気室は密閉度の高い空間であるので、スピーカの裏面から後気室へ放射される逆位相の音は後気室外へ漏れ難くなり、第1,第2のマイクロホンが逆位相の音を集音することによる音声処理部のハウリング防止処理への悪影響を抑えることができる。
請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかにおいて、前記第1,第2のマイクロホンは、配線パターンが形成された同一基板上に配置されることを特徴とする。
この発明によれば、第1,第2のマイクロホンの位置決めを効率よく行うことができる。
以上説明したように、本発明では、スピーカの振動板が分割振動している場合でも、スピーカ音のキャンセル量が低減することなく、ハウリングを防止することができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
本実施形態の通話装置Aは図1〜図3に示され、通話スイッチSW1、音声処理部10を配置した矩形函状の装置本体A2に通話モジュールMJを収納して構成される。なお、装置本体A2は、例えば2つの樹脂成形部材を接合して形成され、通話スイッチSW1、音声処理部10、通話モジュールMJを収納した後、各接合部材を嵌合手段または接着剤等によって接合する。
通話モジュールMJは、後面に開口を形成したボディA10と、ボディA10の開口に覆設した平面状のカバーA11とで幅40mm×高さ30mm×厚さ8mmのハウジングA1を構成し、ハウジングA1に、スピーカSP、マイクロホン基板MB1を備える。そして、スピーカSPの後述する振動板23は、ハウジングA1の前面に穿設した複数の音孔12、装置本体A2の前面に穿設した複数の音孔60に対向するように配置される。
音声処理部10は、図3に示すように、通信部10a、音声スイッチ部10b,10c、増幅部10d、信号処理部10eを備えたICで構成され、ハウジングA1内に配置される。他の部屋等に設置されている通話装置Aから情報線Lsを介して送信された音声信号は、通信部10aで受信され、音声スイッチ部10bを介して増幅部10dで増幅された後、スピーカSPから出力される。また、通話スイッチSW1を操作することで通話可能状態となり、マイクロホン基板MB1上のマイクロホンM1(第1のマイクロホン),マイクロホンM2(第2のマイクロホン)から入力された各音声信号は信号処理部10eで後述する信号処理を施された後、音声スイッチ部10cを通過し、通信部10aから情報線Lsを介して他の部屋等に設置されている通話装置Aへ送信される。すなわち、部屋間で双方向の通話が可能なインターホンとして機能するものである。なお、通話装置Aの電源は、設置場所の近傍に設けたコンセントから供給されるか、あるいは情報線Lsを介して供給されてもよい。
スピーカSPは、図1に示すように、冷間圧延鋼板(SPCC,SPCEN)、電磁軟鉄(SUY)等の厚み0.8mm程度の鉄系材料で形成されて一端を開口した円筒状のヨーク20を具備し、ヨーク20の開口端から外側に向かって円形の支持体21が延設されている。
ヨーク20の筒内にはネオジウムで形成された円柱型永久磁石22(例えば、残留磁束密度1.39T〜1.43T)を配置し、ドーム型の振動板23の外周側の縁部が支持体21の縁端面に固定されている。
振動板23は、PET(PolyEthyleneTerephthalate)またはPEI(Polyetherimide)等の熱可塑性プラスチック(例えば、厚み12μm〜50μm)で形成される。振動板23の背面には筒状のボビン24が固定されており、このボビン24の後端にはクラフト紙の紙管にポリウレタン銅線(例えば、φ0.05mm)を巻回することによって形成されたボイスコイル25が設けられている。ボビン24およびボイスコイル25は、ボイスコイル25がヨーク20の開口端に位置するように設けられており、ヨーク20の開口端近傍を前後方向に自在に移動する。
ボイスコイル25は、一対のスピーカ配線Wを介して音声信号が入力されており、このスピーカ配線Wは、ボイスコイル25側の一端を円状の振動板23の背面に沿って半径方向に樹脂で固定され、他端側を音声処理部10の増幅部10dに接続する。
ボイスコイル25のポリウレタン銅線に音声信号を入力すると、この音声信号の電流と永久磁石22の磁界とにより、ボイスコイル25に電磁力が発生するため、ボビン24が振動板23を伴なって前後方向に振動させられる。このとき、振動板23から音声信号に応じた音が発せられる。すなわち、動電型のスピーカSPが構成される。
そして、スピーカSPの円形の支持体21の外周端部が、振動板23が対向するハウジングA1の前面内側に当接し、振動板23がハウジングA1の前面に内側から対向する状態でスピーカSPが固定される。
ハウジングA1内にスピーカSPが固定されると、ハウジングA1の前面内側とスピーカSPの表面側(振動板23側)とで囲まれた空間である前気室Bf、ハウジングA1の後面内側および側面内側とスピーカSPの裏面側(ヨーク20側)とで囲まれた空間である後気室Brが形成され、前気室Bfは、ハウジングA1の音孔12および装置本体A2の音孔60を介して外部に連通している。後気室Brは、スピーカSPの支持体21の端部とハウジングA1の内面とが密着することで、前気室Bfとは絶縁した(連通していない)空間となる。さらに、ハウジングA1のボディA10とカバーA11とが密着することによって、後気室Brは外気とも絶縁した空間になる。すなわち、後気室Brは密閉されており、他の空間とは絶縁されている。
そして、スピーカSPの裏面(振動板23の裏面)から後気室Brへ放射される音は、スピーカSPの表面(振動板23の表面)から前気室Bfへ放射される音に対して位相が反転している(以降、スピーカSPの表面から放射される音の位相を正位相、スピーカSPの裏面から放射される音の位相を逆位相と称す)。しかし、上述のように後気室Brは密閉度の高い空間であるので、スピーカSPの裏面から後気室Brへ放射される逆位相の音は後気室Br外へ漏れ難くなり、後気室Brから漏れた逆位相の音が前方に回り込んでスピーカSPの表面から放射される正位相の音を打ち消すことによる放射音圧低下を抑制し、前方にいる話者にはスピーカSPが発する音声が聞き易いものになる。
また、スピーカ配線Wの他端側は、ハウジングA1に穿設した挿通孔(図示なし)を通って通話モジュールMJ外に導出され、装置本体A2内の音声処理部10に接続される。この挿通孔は、スピーカ配線Wを通した後、後気室Br内の密閉のために樹脂で塞がれる。
次に、マイクロホン基板MB1は、図4に示すように、後面2a,前面2bを有するモジュール基板2を備え、マイクロホンのベアチップBC1とICKa1との対をモジュール基板2の後面2aに実装し、マイクロホンのベアチップBC2とICKa2との対をモジュール基板2の前面2bに実装し、ベアチップBC1、ICKa1、モジュール基板2上の配線パターン(図示無し)の各間、およびベアチップBC2、ICKa2、モジュール基板2上の配線パターン(図示無し)の各間をワイヤWで各々接続(ワイヤボンティング)した後、ベアチップBC1とICKa1の対を覆うようにシールドケースSC1を後面2aに実装し、ベアチップBC2とICKa2の対を覆うように、シールドケースSC2を前面2bに実装することで、ベアチップBC1、ICKa1、シールドケースSC1で構成されるマイクロホンM1、ベアチップBC2、ICKa2、シールドケースSC2で構成されるマイクロホンM2を備えている。
そして、マイクロホンM1は、音孔F1を穿設したシールドケースSC1の底面側を集音面とし、マイクロホンM2は、音孔F2を穿設したシールドケースSC2の底面側を集音面として、互いに逆方向となるモジュール基板2の両面方向に集音面を有するものになる。
ベアチップBC(ベアチップBC1またはBC2)は、図5に示すように、シリコン基板1bに穿設した孔1cを塞ぐようにシリコン基板1bの一面側にSi薄膜1dが形成され、このSi薄膜1dとの間にエアーギャップ1eを介して電極1fが形成され、さらに音声信号を出力するパッド1gが設けられており、コンデンサ型のシリコンマイクロホンを構成している。そして、外部からの音響信号がSi薄膜1dを振動させることで、Si薄膜1dと電極1fとの間の静電容量が変化して電荷量が変化し、この電荷量の変化に伴ってパッド1g,1gから音響信号に応じた電流が流れる。このベアチップBCは、シリコン基板1bをモジュール基板2上にダイボンディングされる。
図6(a)は、マイクロホン基板MB1を、モジュール基板2の後面2a側から見た平面図であり、モジュール基板2は矩形状に形成され、負電源パッドP1,正電源パッドP2,出力1パッドP3,出力2パッドP4がモジュール基板2の縁部に沿って設けられている。
そして、図6(b)に示すように、負電源パッドP1には外部から供給される電源電圧の負側、正電源パッドP2には電源電圧の正側が接続されて、モジュール基板2上の配線パターンを介してマイクロホンM1,M2に電源を供給している。また、出力1パッドP3からは、マイクロホンM1が集音した音声信号がモジュール基板2上の配線パターンを介して出力され、出力2パッドP4からは、マイクロホンM2が集音した音声信号がモジュール基板2上の配線パターンを介して出力される。なお、出力パッドP3,P4から出力される音声信号のグランドは、負電源パッドP1で兼用される。
このように、マイクロホンM1,M2の電源を共通の負電源パッドP1、正電源パッドP2から供給し、さらにマイクロホンM1,M2の各出力のグランドを負電源パッドP1で兼用することで、パッドの数を減らすことができ、構成が簡単になる。そして、マイクロホン基板MB1は、上記のようにモジュール基板2上の配線パターンを介して信号伝達、給電を行うことで、信号線、給電線を効率よく構成できる
次に、マイクロホン基板MB1の動作について説明する。
まず、集音した音響信号に応じてベアチップBC1,BC2から流れる各電流は、ICKa1,Ka2によってインピーダンス変換されるとともに電圧信号に変換され、音声信号として出力1パッドP3、出力2パッドP4から各々出力される。
ICKa(ICKa1またはKa2)は、図7の回路構成を備えており、電源パッドP1,P2から供給される電源電圧+V(例えば5V)を定電圧Vr(例えば12V)に変換するチップICからなる定電圧回路Kbを備えており、抵抗R11とベアチップBCとの直列回路に定電圧Vrが印加され、抵抗R11とベアチップBCとの接続中点はコンデンサC11を介してジャンクション型のJ−FET素子S11のゲート端子に接続される。J−FET素子S11のドレイン端子は動作電源+Vに接続され、ソース端子は抵抗R12を介して電源電圧の負側に接続される。ここで、J−FET素子S11は電気インピーダンスの変換用であり、このJ−FET素子S11のソース端子の電圧が音声信号として出力される。なお、ICKaのインピーダンスの変換回路は、上記構成に限定されるものではなく、例えばオペアンプによるソースフォロワ回路の機能を有する回路であってもよく、または必要に応じてICKa内に音声信号の増幅回路を設けてもよい。
本実施形態では、モジュール基板2をハウジングA1の前壁内に組み込み、マイクロホンM1はハウジングA1前面の開口を挿通してその集音面が前気室Bf内に位置し、シールドケースSC1の底面に穿設したマイクロホンM1の音孔F1はスピーカSPの振動板23の中心に対向し、音孔F1を介してスピーカSPが発する音声を確実に集音することができる。
また、マイクロホンM2は、ハウジングA1前面の開口を挿通して集音面をハウジングA1外に向けており、シールドケースSC2の底面に穿設したマイクロホンM2の音孔F2は装置本体A2の前面に穿設した音孔61に対向するように、スピーカSPの出力方向と同一方向に向かってハウジングA1の外部(前方)に面しているので、音孔F2を介して伝達される、通話装置Aの前方に位置する話者からの音声を確実に集音することができる。
また、マイクロホンM1,M2を実装したモジュール基板2をハウジングA1に組み込むことで、マイクロホンM1,M2が配置されるので、マイクロホンM1,M2の位置決めを効率よく行うことができる。
そして、スピーカSPの振動板23の中心から各マイクロホンM1,M2の音孔F1,F2までの距離をそれぞれX1,X2とすると、X1<X2となり、本実施形態では、スピーカSPの音声出力をマイクロホンM1,M2が拾うことで発生するハウリングを防止するために、以下の構成を備えている。
まず、音声処理部10に収納されている信号処理部10eは、図8に示すように、マイクロホンM1の出力を非反転増幅する増幅回路30と、増幅回路30の出力から音声帯域(400〜3000Hz)以外の周波数のノイズを除去するバンドパスフィルター31と、バンドパスフィルター31の出力を遅延させる遅延回路32と、マイクロホンM2の出力を反転増幅する増幅回路33と、増幅回路33の出力から音声帯域(400〜3000Hz)以外の周波数のノイズを除去するバンドパスフィルター34と、遅延回路32とバンドパスフィルター34の各出力を加算する加算回路35とを備える。
図9〜図12は、スピーカからの音声をマイクロホンM1,M2で各々集音した場合における信号処理部10の各部の音声信号波形を示す。まず、スピーカSPの振動板23の中心から各マイクロホンM1,M2の音孔F1,F2までの距離をそれぞれX1,X2とすると、X1<X2となる。したがって、スピーカSPからの音声をマイクロホンM1,M2で拾った場合、スピーカSPとマイクロホンM1,M2との距離、およびマイクロホンM1,M2の感度によってマイクロホンM2の出力Y21のほうがマイクロホンM1の出力Y11よりも振幅が小さく、さらに両マイクロホンM1,M2とスピーカSPとの距離の差(X2−X1)に相当する音波の遅延時間[Td=(X2−X1)/Cv](Cvは音速)だけマイクロホンM2の出力Y21の位相が遅れている(図9(a)(b)参照)。
そして、増幅回路30が出力Y11を非反転増幅した出力Y12を生成し、増幅回路33が出力Y21を反転増幅して位相を180°反転させた出力Y22を生成する。このとき、両マイクロホンM1,M2とスピーカSPとの距離の差(X2−X1)に相当するレベル調整を行ない、スピーカSPからの音声に対する両マイクロホンM1,M2の出力レベルを一致させる(図10(a)(b)参照)。なお、本実施形態では、増幅回路30の増幅率は1未満とし、増幅回路33の増幅率は略1としており、増幅回路33は省略してもよい。
そして、バンドパスフィルター31,34は、出力Y12,Y22から音声帯域以外の周波数のノイズを除去した出力Y13,Y23を生成する(図11(a)(b)参照)。
次に、遅延回路32は、時間遅延素子またはCR位相遅延回路で構成されており、上記遅延時間TdだけスピーカSPに近いほうのマイクロホンM1の出力を遅延させることで、遅延回路32の出力Y14とバンドパスフィルター34の出力Y23との位相を一致させ、伝達する音声信号にのるノイズを低減させる。
そして、出力Y14に含まれるスピーカSPからの音声成分と、出力Y23に含まれるスピーカSPからの音声成分とは、上記増幅処理,遅延処理によって同一振幅、同一位相となり、加算回路35において出力Y14とY23とを加算することで、スピーカSPからの音声に対応する音声信号が打ち消された出力Yaが生成される(図12(a)〜(c)参照)。すなわち、出力Yaでは、スピーカSPからの音声成分が低減しているのである。
また、スピーカSPからの音声に対しては、集音面をスピーカSPの振動板23に対向させて配置したマイクロホンM1の出力Y11の振幅が、集音面を話者Hに向かって配置したマイクロホンM2の出力Y21の振幅に比べて大きくなり、一方、マイクロホンM1,M2前方の話者Hが発する音声に対しては、マイクロホンM2の出力Y21の振幅が、マイクロホンM1の出力Y11の振幅よりも大きくなる。さらに、増幅回路33の増幅率は増幅回路30の増幅率よりも大きいので、出力Y23に含まれる話者Hからの音声成分は、出力Y14に含まれる話者Hからの音声成分よりさらに大きくなる。すなわち、出力Y14に含まれる話者Hからの音声成分と、出力Y23に含まれる話者Hからの音声成分との振幅差は大きくなり、加算回路35で上記加算処理を施しても、出力Yaには、話者Hが発する音声に応じた信号が十分な振幅を維持した状態で残る。
以上のようにして加算回路35の出力YaではスピーカSPからの音声成分が低減されて、通話装置A前方の話者Hからマイクロホン基板MB1に向って発した音声成分は残っており、出力Yaでは、残したい話者Hからの音声成分と、低減したいスピーカSPからの音声成分との相対的な差が大きくなる。すなわち、話者Hからの音声とスピーカSPからの音声とが同時に発生している場合でも、話者Hからの音声成分は十分な振幅を維持しながらスピーカSPからの音声成分のみが低減されるので、スピーカSPの音声出力をマイクロホンM1,M2が拾うことで発生するハウリングを防止することができるのである。
上記信号処理部10eがスピーカ音のキャンセル処理を行う際には、同時に話者Hからの音声もキャンセルされるのであるが、このとき話者Hからの音声のキャンセル量を3dB以下にするためには、マイクロホンM1,M2で各々集音するスピーカ音の音圧差が10dB以上必要となる(図13参照)。そして、両マイクロホンM1,M2とスピーカSPとの距離の差(X2−X1)で上記音圧差を10dB以上とするためには、スピーカSPの振動板23を点音源と考えると、振動板23の中心からマイクロホンM1の音孔F1までの距離X1が1mmのときに、振動板23の中心からマイクロホンM2の音孔F2までの距離X2は約3.5mm以上必要になる。
また、マイクロホンM1はスピーカSPが発する音声を確実に集音するので、上記信号処理部10eによるハウリング防止処理を確実に行うことができる。さらにマイクロホンM2は集音面とスピーカSPの振動板とが同一方向に向いているので、スピーカSPとマイクロホンM2との音響結合は低減し、マイクロホンM2はスピーカSPの発する音声を集音し難くなる。
さらに、後気室Brは密閉度の高い空間であるので、スピーカSPの裏面から後気室Brへ放射される逆位相の音は後気室Br外へ漏れ難くなり、マイクロホンM1,M2が逆位相の音を集音することによる上記信号処理部10eのハウリング防止処理への悪影響を抑えることができる。
次に、信号処理部10eが出力する音声信号は音声スイッチ部10cに出力され、音声スイッチ部10b,10c(図3参照)では、以下の処理を行うことでさらなるハウリング防止を図っている。
まず、音声スイッチ部10cは、音声スイッチ部10bの出力を参照信号として取り込み、信号処理部10eの出力に対して演算を施すことにより、スピーカSPからマイクロホンM1,M2に回り込んだ音声信号をさらにキャンセリングする。一方、音声スイッチ部10bも、音声スイッチ部10cの出力を参照信号として取り込み、通信部10aの出力に対して演算を施すことにより、通話先の相手側でのスピーカからマイクロホンへの音声信号の回り込みをキャンセリングする。
具体的には、音声スイッチ部10b,10cは、スピーカSP−マイクロホンM1,M2−信号処理部10e−音声スイッチ部10c−通信部10a−音声スイッチ部10b−増幅部10d−スピーカSPで構成されるループ回路内に設けた可変損失手段(図示無し)での損失量を調節することにより、ループゲインが1以下となるようにしてハウリングを防止するのである。ここで、送話信号と受話信号とのうち信号レベルが小さいほうは重要ではないとみなし、信号レベルが小さいほうの伝送路に挿入された可変損失回路の伝送損失を大きくするようにしている。
ここで、スピーカSPは、放射する音波がある周波数f1より低ければ、図14の振幅速度分布に示すように、振動板23の全面が同じ位相で振動するピストン運動を行う。しかし、放射する音波がある周波数f1以上の場合には、互いに異なる位相となる複数の振動領域が振動板23に生じる分割振動を発生する。
図16は、JIS C5532に規定されている標準バッフルにスピーカSPを取り付けた場合の音圧特性を示しており、本実施形態では、最低共振周波数foの範囲が500〜600Hz、分割振動が発生し始める最低周波数f1の範囲が800〜900Hzとなり、周波数f1より高い周波数で分割振動が発生する。上記JIS C5532に規定されている標準バッフルを用いれば、無限大の大きさを有するバッフル板(理想的なバッフル板)にスピーカSPを取り付けた場合と等価な最低共振周波数を測定することができる。さらには、このようにして測定された最低共振周波数foは、スピーカSP単体での特性と同じ理想的な特性であるともいえる。なお、本実施形態では、JIS C5532に規定されている標準バッフルを用いたが、JIS C5532に規定されている標準密閉箱を用いても、無限大の大きさを有するバッフル板(理想的なバッフル板)にスピーカSPを取り付けた場合と等価な最低共振周波数を測定することができる。
次に、振動板23のピストン運動および分割振動が、スピーカ音のキャンセル処理に与える影響について説明する。なお、分割振動は、図15(a)(b)に示すように振動板23の直径方向に形成された位相反転軸Zaを境界にして、互いに逆位相となる2つの振動領域G1,G2が振動板23に生じる2分割振動を例示する。
図17、図18においては、マイクロホンM1,M2の配置として本願発明とは異なる構成を示しており、マイクロホンM1,M2をスピーカSPの側方に並設している。但し、スピーカSPの振動板23の中心から各マイクロホンM1,M2の音孔F1,F2までの各距離X1,X2の関係は、X1<X2とする。
まず、図17の振幅速度分布は、振動板23が最低共振周波数fo近傍でピストン運動する場合を示す。振動板23は全方向に同位相、同振幅で振動しており、振動板23から放射される音波は、振動板23とマイクロホンM1,M2との位置関係において音響的に方向性がないと考えることができる。振動板23から放射された音波は、マイクロホンM1に到達した後、両マイクロホンM1,M2間の距離差X10(=X2−X1)だけ遅れてマイクロホンM2に到達する。したがって、信号処理部10eは、両マイクロホンM1,M2で各々集音したスピーカ音の振幅差、位相差をゼロにするためには、両マイクロホンM1,M2間の距離差X10(=X2−X1)に基づいて利得および遅延時間を調整すればよい。
次に、図18の振幅速度分布は、振動板23が周波数f1近傍で2分割振動する場合を示す。振動板23は、位相反転軸Zaを境界にして2つの振動領域G1,G2で分割振動し、振動領域G1では+方向に変位し、振動領域G2では−方向に変位しており、2つの振動領域G1,G2から各々放射される音波には初期位相差が生じるとともに、振動領域G1,G2とマイクロホンM1,M2との間には音響的な方向性が生じる。図18では、マイクロホンM1,M2の配設方向Zbを位相反転軸Zaに直交させており、マイクロホンM1,M2に対して振動領域G1,G2には距離差X20が生じ、マイクロホンM1,M2で集音されるスピーカ音には、上述の初期位相差に加えて、距離差X20に起因する振幅差、位相差が発生する。
そして、振動領域G1から発せられてマイクロホンM1,M2で集音された各音声信号に生じる振幅差および位相差と、振動領域G2から発せられてマイクロホンM1,M2で集音された各音声信号に生じる振幅差および位相差とは、互いに異なる値になり、信号処理部10eの利得および遅延時間を調整しても、振動領域G1,G2から各々放射される音波を両方ともキャンセルすることは難しく、ハウリング防止効果が低減してしまう。
図19(a)〜(c)は、図17に示すピストン運動時、図18に示す2分割振動時において、2KHzでスピーカ音のキャンセル量が略ゼロとなるように信号処理部10eの利得および遅延時間を調整した際に、加算回路35に入力される信号Y14,−Y23の位相差(図19(a))、振幅差(図19(b))、加算回路35から出力される信号Yaにおけるスピーカ音のキャンセル量(図19(c))の各特性を示している(Ya1〜Ya3がピストン運動時の特性、Yb1〜Yb3が2分割振動時の特性)。そして、2分割振動時にはピストン運動時に比べて、加算回路35に入力される信号Y14,−Y23の位相差、振幅差が増大して(特に3000Hz〜4000Hz付近)、スピーカ音のキャンセル量が広い周波数帯域に亘って減少しており、ハウリング防止に悪影響を与えている。
そこで本実施形態では、スピーカSPの振動板23の前面に対向して、マイクロホンM1,M2をスピーカSPの振動板23に対して鉛直方向(前後方向)に沿って並設することで、図20の振幅速度分布に示すようにマイクロホンM1,M2に対して振動領域G1,G2は互いに略等距離となり、振動領域G1,G2の距離差X20に起因して発生する加算回路35の入力信号Y14,−Y23の振幅差、位相差を無くしている。而して、振動領域G1から発せられてマイクロホンM1,M2で集音された各音声信号に生じる振幅差および位相差と、振動領域G2から発せられてマイクロホンM1,M2で集音された各音声信号に生じる振幅差および位相差とは、略同じ値になり、信号処理部10eの利得および遅延時間を調整することで、振動領域G1,G2から各々放射される音波を両方ともキャンセルすることができ、分割振動時においてもハウリング防止効果を得ることができる。
また、マイクロホンM1はその集音面が前気室Bf内に位置し、音孔F1をスピーカSPの振動板23の中心に対向させ、マイクロホンM2はその集音面をハウジングA1外に向けて、音孔F2はスピーカSPの出力方向と同一方向に向かってハウジングA1の外部(前方)に面している。そして、スピーカSPが発する音声は前気室Bf内で反射し、ハウジングA1外では発散するので、マイクロホンM2は、スピーカ音をマイクロホンM1より小さい音圧レベルで集音して(例えば10dB以上の音圧差)、且つ話者が発する音声をマイクロホンM1以上の音圧レベルで集音して音声信号を出力する。したがって、上記信号処理部10eでは、残したい話者Hからの音声成分と、低減したいスピーカSPからの音声成分との相対的な差が大きくなり、スピーカ音のキャンセル量を確保しながら、話者の音声信号は十分なレベルを維持できる。
マイクロホンM1,M2の配置は、上記のようにスピーカSPの振動板23の中心に対向させてマイクロホンM1,M2を前後方向に並設する構成に限定されず、マイクロホンM1,M2ともに振動板23の前面に対向して配置し、マイクロホンM2は、話者が発する音声をマイクロホンM1と同等以上の音圧レベルで集音し、スピーカ音をマイクロホンM1より小さい音圧レベルで集音して音声信号を出力する配置であればよい。
例えば、図21に示すように、振動板23の前面で前後方向に直交する方向(横方向)にマイクロホンM1,M2を並設する構成でもよく、この場合のマイクロホン基板MB2は、モジュール基板2の後面2aにマイクロホンM1,M2を実装して、当該後面2aをハウジングA1の前面外側に沿って配置する。そして、マイクロホンM1はハウジングA1前面の開口を挿通して集音面が前気室Bf内に位置し、音孔F1はスピーカSPの振動板23の中心に対向する。また、マイクロホンM2は、ハウジングA1の前面に設けた凹部に嵌合し、モジュール基板2に穿設したマイクロホンM2の音孔F2は装置本体A2の前面に穿設した音孔61に対向するように、スピーカSPの出力方向と同一方向に向かってハウジングA1の外部(前方)に面している。すなわち、振動板23の中心に対向して配置されたマイクロホンM1に対して、マイクロホンM2は振動板23の前面で横方向に偏倚して配置されている。
図22(a)〜(c)は、本発明の通話装置Aの2分割振動時において、2KHzでスピーカ音のキャンセル量が略ゼロとなるように信号処理部10eの利得および遅延時間を調整した際に、加算回路35に入力される信号Y14,−Y23の位相差(図22(a))、振幅差(図22(b))、加算回路35から出力される信号Yaにおけるスピーカ音のキャンセル量(図22(c))の各特性を示している。
スピーカSPの振動板23の半径を13mmとし、この半径方向における両マイクロホンM1,M2間の距離差X10とした場合、図22(a)〜(c)において、Yc1〜Yc3はX10=0mm(すなわち、図1に示すマイクロホン基板MB1を用いた場合)、Yd1〜Yd3はX10=16mm(すなわち、図21の通話装置AにおいてマイクロホンM1が振動板23に対向していない場合)、Ye3はX10=8mm、Yf3はX40=12mm(すなわち、図21の通話装置AにおいてマイクロホンM1が振動板23に対向している場合)の各特性を示す。そして、距離差X10が小さいほど、加算回路35に入力される信号Y14,−Y23の位相差、振幅差は小さくなり、加算回路35から出力される信号Yaにおけるスピーカ音のキャンセル量が広い周波数帯域に亘って増大している。
そして、距離差X10が、振動板23の半径よりも小さければ(すなわち、マイクロホンM1,M2ともに振動板23の前面に対向して配置されている状態)、分割振動時においてもスピーカ音のキャンセル量が十分維持されており、このことから振動板23の中心に対向して配置されたマイクロホンM1に対して、マイクロホンM2が振動板23の前面に対向する領域D内(図21参照)に配置されていれば、マイクロホンM1,M2に対して振動領域G1,G2は互いに略等距離になるといえ、振動領域G1,G2の距離差X20に起因して発生する加算回路35の入力信号Y14,−Y23の振幅差、位相差を無くすことができ、上記信号処理部10eによるスピーカ音のキャンセル量を十分確保できるといえる。
さらに、マイクロホンM1の位置も領域D内で移動させ、両マイクロホンM1,M2の位置を振動板23の前面に対向する領域D内で任意に配置した場合も検証すると、マイクロホンM1,M2がともに領域D内に配置されてさえいれば、マイクロホンM1,M2に対して振動領域G1,G2は互いに略等距離になるといえ、2分割振動時における振動領域G1,G2の距離差X20に起因して発生する加算回路35の入力信号Y14,−Y23の振幅差、位相差を無くすことができるといえる。
なお、分割振動の形態としては上記2分割振動以外に、図23に示すように4つの振動領域G11〜G14が振動板23に生じる4分割振動や、図24に示すように同心円状に複数の振動領域G21,G22が振動板23に生じる円分割振動等があるが、上記2分割振動時と同様にマイクロホンM1,M2がともに振動板23の前面に対向する領域D内に配置されてさえいれば、マイクロホンM1,M2に対して複数の振動領域は互いに略等距離となり、各振動領域から発せられてマイクロホンM1,M2で集音された各音声信号に生じる振幅差および位相差は略同じ値になり、信号処理部10eの利得および遅延時間を調整することで、複数の振動領域から各々放射される音波をキャンセルすることができ、分割振動時においてもハウリング防止効果を得ることができる。
また、マイクロホンM1はその集音面が前気室Bf内に位置し、音孔F1をスピーカSPの振動板23に対向させ、マイクロホンM2はその集音面をハウジングA1外に向けて、音孔F2はスピーカSPの出力方向と同一方向に向かってハウジングA1の外部(前方)に面するように配置すれば、スピーカSPが発する音声は前気室Bf内で反射し、ハウジングA1外では発散するので、マイクロホンM2は、スピーカ音をマイクロホンM1より小さい音圧レベルで集音し(例えば10dB以上の音圧差)、且つ話者が発する音声をマイクロホンM1以上の音圧レベルで集音して音声信号を出力することができる。したがって、上記信号処理部10eによるスピーカ音のキャンセル量を確保しながら、話者の音声信号は十分なレベルを維持できる。
また、マイクロホンM1,M2の相対位置は、スピーカSPの振動板23の中心から各マイクロホンM1,M2の音孔F1,F2までの距離をそれぞれX1,X2とすると、上記形態ではX1<X2に設定しているが、X1≧X2の関係であっても、図25に示すようにマイクロホンM1がその集音面を前気室Bf内に位置させて、音孔F1をスピーカSPの振動板23に対向させ、マイクロホンM2はその集音面をハウジングA1外に向けて、音孔F2がスピーカSPの出力方向と同一方向に向かってハウジングA1の外部(前方)に面するように配置すれば、上記同様に信号処理部10eによるスピーカ音のキャンセル量を確保しながら、話者の音声信号は十分なレベルを維持できる。
また、マイクロホンM1,M2ともにその集音面をハウジングA1内に向けて、音孔F1,F2をともにスピーカSPの振動板23の中心に向かって配置した場合は、図26に示すようにマイクロホンM1がマイクロホンM2よりスピーカSPの振動板23に近い位置に配置されれば(X1<X2)、マイクロホンM2は、スピーカ音をマイクロホンM1より小さい音圧レベルで集音し(例えば10dB以上の音圧差)、且つ話者が発する音声をマイクロホンM1以上の音圧レベルで集音して音声信号を出力することができる。したがって、上記信号処理部10eによるスピーカ音のキャンセル量を確保しながら、話者の音声信号は十分なレベルを維持できる。
実施形態の通話装置の構成を示す側面断面図である。 (a)(b)同上の構成を示す斜視図である。 同上の音声処理部の構成を示す回路図である。 同上のマイクロホン基板の構成を示す側面断面図である。 同上のベアチップの構成を示す側面断面図である。 同上のマイクロホン基板の構成を示す(a)簡略化した平面図、(b)簡略化した回路図である。 同上のインピーダンス変換回路の回路図である。 同上の信号処理部の回路構成図である。 (a)(b)同上の信号処理部の信号波形図である。 (a)(b)同上の信号処理部の信号波形図である。 (a)(b)同上の信号処理部の信号波形図である。 (a)〜(c)同上の信号処理部の信号波形図である。 同上の話者音のキャンセル特性を示す図である。 同上のピストン運動による振動板の動きを示す斜視図である。 (a)(b)同上の2分割振動による振動板の動きを示す斜視図である。 同上のバッフル板に取り付けたスピーカの音圧特性を示す図である。 本願発明とは異なる構成においてピストン運動時の音波の伝播を示す図である。 本願発明とは異なる構成において分割振動時の音波の伝播を示す図である。 (a)〜(c)同上のピストン運動時および分割振動時の各特性を示す図である。 実施形態の分割振動時の音波の伝播を示す図である。 実施形態の通話装置の別の構成を示す側面断面図である。 (a)〜(c)同上の分割振動時の各特性を示す図である。 同上の4分割振動による振動板の動きを示す斜視図である。 同上の円分割振動による振動板の動きを示す斜視図である。 同上のマイクロホンの別の配置を示す概略図である。 同上のマイクロホンの別の配置を示す概略図である。
符号の説明
A 通話装置
MJ 通話モジュール
A1 ハウジング
M1,M2 マイクロホン
SP スピーカ
23 振動板
10 音声処理部

Claims (6)

  1. ハウジングに取り付けられて振動板の一面側からハウジング外へ音声を出力するスピーカと、
    振動板の一面に対向して配置され、音声を集音して音声信号を出力する第1,第2のマイクロホンと、
    第1,第2のマイクロホンが出力する音声信号に対して利得および遅延時間を調整した後、第2のマイクロホンの音声信号から第1のマイクロホンの音声信号を除去して外部へ伝達する音声処理部とを備え、
    第2のマイクロホンは、スピーカが発する音声を第1のマイクロホンより小さい音圧レベルで集音し、話者が発する音声を第1のマイクロホンと同等以上の音圧レベルで集音して音声信号を出力する
    ことを特徴とする通話装置。
  2. 前記第1のマイクロホンの集音面は前記振動板の一面に対向して設けられ、前記第2のマイクロホンの集音面は前記スピーカからの音声出力方向と同一方向に向かって設けられることを特徴とする請求項1記載の通話装置。
  3. 前記スピーカの振動板の一面側に形成された空間である前気室をハウジング内に設け、当該前気室内に前記第1のマイクロホンの集音面を配置することを特徴とする請求項1または2記載の通話装置。
  4. 前記第1,第2のマイクロホンは、前記スピーカの振動板の一面に対して鉛直方向に沿って並設されることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の通話装置。
  5. 前記スピーカの振動板の他面側に形成された空間である後気室をハウジング内に設け、当該後気室はハウジング外と空間的に絶縁されることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の通話装置。
  6. 前記第1,第2のマイクロホンは、配線パターンが形成された同一基板上に配置されることを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の通話装置。
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