JP2009175558A - 音響装置および音響制御装置 - Google Patents

音響装置および音響制御装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 人間の聴覚特性に応じて音声信号の特性を補正し、聴感上の違和感が抑制された音声をユーザに伝達可能な音響装置および音響制御装置を提供することである。
【解決手段】 音響装置は、音声情報出力部と、分析部と、騒音区分スペクトル出力部と、音声区分スペクトル出力部と、補正部とを含む。分析部は、音声情報出力部から音声情報が入力され、音響スペクトル情報を出力する。騒音区分スペクトル出力部は、騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を出力し、音声区分スペクトル出力部は、音響スペクトル情報の臨界帯域幅毎の音量情報を出力する。補正部は、音声区分スペクトル出力部から入力される情報を騒音区分スペクトル出力部から出力される情報に基づいて補正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、騒音下の音声に対する音色の音響スペクトルに補正を行う音響装置および音響制御装置に関する。
近年、騒音下であってもユーザに対して音声を明瞭に伝達することのできる音響装置の開発が進みつつある。例えば、特許文献1では外部の騒音の変化に追従するとともに、人間の聴感特性を考慮して音響信号の特性を補正する技術が提案されている。
図10は、特許文献1に係る音響装置である音響再生装置1の構成を表すブロック図である。音響再生装置1は、音響信号を与える音響信号源2と、周囲の騒音を取り込む外部音取り込み手段3と、周波数帯域毎に分析する外部音聴感特性算出手段4と、周波数帯域毎に増幅可能なイコライザ5とを備える。
音響再生装置1は、外部音取り込み手段3によって周囲の音を取り込んで、外部音聴感特性算出手段4によって分析し、この分析結果に対応してイコライザ5を制御することによって、音響信号源2から与えられる音響信号を異なる周波数帯域毎に増幅器6によって増幅し、スピーカ7から放音する。
音響再生装置1において、外部音聴感特性算出手段4は、特性補正回路8によって外部音取り込み手段3の周波数特性を補償された音響信号から騒音成分をマスキングした可聴限界曲線を超える成分を抽出する。この抽出成分は、音響信号聴感特性算出回路9によって抽出されたもう1つの可聴限界曲線を超える成分を比較回路10によって比較して騒音による音響成分の減衰量を求められる。この減衰量の急変は、ローパスフィルタ11によって抑制され、これによってイコライザ5による増幅特性が制御され、周囲の騒音変化に追従して音響信号特性が補正される。
特許第2541062号公報
従来技術に係る音響再生装置1において外部音聴感特性算出手段4は、基本可聴限界曲線に基づいて、音響信号を異なる周波数帯域毎に増幅するけれども、音響信号と外部音に基づく信号とは、音量に関して加算または減算されるのみである。すなわち、特許文献1の音響再生装置は、音量の増減を調整するだけであるので、ユーザには聴感上の違和感が生じるという問題があった。また、外部音を取り込んでこれを分析するまでに時間がかかるという問題点がある。
本発明の目的は、人間の聴覚特性に応じて音声信号の特性を補正し、聴感上の違和感が抑制された音声をユーザに伝達可能な音響装置および音響制御装置を提供することにある。
本発明(1)に従えば、音響装置は、音声情報出力部と、分析部と、騒音区分スペクトル出力部と、音声区分スペクトル出力部と、補正部とを含んで構成される。分析部は、音声情報出力部から出力される音声情報の音響スペクトル情報を出力する。これによって、音声情報を周波数に応じて処理することが可能となる。音声区分スペクトル出力部は、音響スペクトル情報の臨界帯域幅毎の音量情報を表す音声区分スペクトル情報を出力する。
臨界帯域幅は、人間の聴覚にとって、音声に影響を与える騒音の最小の周波数帯域である。人間が特定周波数の音声を聴き取るとき、前記音声の周波数を中心の周波数とする臨界帯域幅内の騒音は、前記音声に大きく影響し、前記音声をマスクする。臨界帯域幅内の周波数を有する騒音によってマスクされることによって、前記音声の最小可聴限界は、上昇し、マスクされる以前の音量よりも、音声の音量を大きくしなければ、同じ音量として聴き取ることはできない。
騒音区分スペクトル出力部は、騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を表す騒音区分スペクトル情報を出力する。補正部は、音声区分スペクトル情報を、騒音区分スペクトル情報に基づいて補正し、補正区分スペクトル情報を出力する。これによって、音声の聞こえ方に対して騒音が与える変化を、低減することが可能となる。人間の聴覚にとって必要最小限の周波数帯域毎に処理を行うことができ、かつ音声情報がもつ情報量を少なくすることができるので、人間の聴覚にとって精度を低くすることなく、音声情報の補正処理にかかる計算コストを低減することができる。
したがって、臨界帯域幅よりも大きい周波数帯域毎に、騒音による音声の聞こえ方の変化を低減する場合に比べて、補正後の音声が人間に聴覚的な違和感を与えることを防止することができる。また臨界帯域幅よりも小さい周波数帯域毎に、騒音による音声の聞こえ方の変化を低減する場合に比べて、補正処理にかかる時間を短縮することができる。
また本発明(11)によれば、音響制御装置は、騒音情報取出し部と、分析部と、音声区分スペクトル出力部と、補正部とを備える。分析部は、分析部に入力された音声情報の音響スペクトル情報を出力する。これによって、音声情報を周波数に応じて処理することが可能となる。音声区分スペクトル出力部は、音声情報の音響スペクトル情報の臨界帯域幅毎の音量情報を表す音声区分スペクトル情報を出力する。騒音情報取出し部は、騒音の臨界帯域幅毎の音量情報が記憶される騒音区分スペクトル記憶部に接続され、環境に応じた騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を表す騒音区分スペクトル情報を、前記騒音区分スペクトル記憶部から取得し、出力する。補正部は、音声区分スペクトル情報を、騒音区分スペクトル情報に基づいて補正し、補正された音声区分スペクトル情報を表す補正区分スペクトル情報を出力する。
これによって、音声の聞こえ方に対して騒音が与える変化を、低減することが可能となる。人間の聴覚にとって必要最小限の周波数帯域毎に処理を行うことができ、かつ音声情報がもつ情報量を少なくすることができるので、人間の聴覚にとって精度を低くすることなく、音声情報の補正処理にかかる計算コストを低減することができる。
したがって、臨界帯域幅よりも大きい周波数帯域毎に、騒音による音声の聞こえ方の変化を低減する場合に比べて、補正後の音声が人間に聴覚的な違和感を与えることを防止することができる。また臨界帯域幅よりも小さい周波数帯域毎に、騒音による音声の聞こえ方の変化を低減する場合に比べて、補正処理にかかる時間を短縮することができる。
本発明によれば、人間の聴覚特性に応じて音声信号の特性を補正し、聴感上の違和感が抑制された音声をユーザに伝達可能な音響装置および音響制御装置を提供できる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。以下の説明においては、各形態に先行する形態ですでに説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。以下の説明は、音響装置10、音響制御装置11についての説明をも含む。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る音響装置10の構成を表すブロック図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る音響装置10が搭載される自動二輪車12の斜視図である。第1実施形態に係る音響装置10は、音声に対する騒音の影響を排除する補正を行う装置である。本実施形態において、音響装置10の使用者によって聞き取ることが望まれることを前提として出力される音を「音声」と称し、たとえば自動二輪車12の内燃機関に基づく音など、聞き取られることを目的とせず自然発生的に発せられる音を「騒音」と称する。第1実施形態に係る音響制御装置11は、第1実施形態に係る音響装置10に含まれ、入力された音声情報の音響スペクトル情報を求め、音声情報に基づく臨界帯域幅毎の音量情報を、騒音の臨界帯域幅毎の音量情報に基づいて補正する装置である。
音響装置10は、音声情報出力部13と、分析部14と、騒音区分スペクトル出力部16と、音声区分スペクトル出力部17と、補正部18とを含んで構成される。音声情報出力部13と、分析部14と、騒音区分スペクトル出力部16と、音声区分スペクトル出力部17と、補正部18とは、自動二輪車12に搭載される。
音声情報出力部13は、音声情報を出力する部分である。音声情報出力部13は、信号源15を含んで構成される。信号源15は、たとえばラジオ波信号を受信し、復調して信号を出力するラジオチューナであってもよく、磁気記録テープに記録された信号を取出して出力するカセットテープ再生機、コンパクトディスク(compact disk, 略称「CD」)に記録された信号を取出して出力するCD再生機、ミニディスク(mini disk, 略称「MD」)に記録された信号を取出して出力するMD再生機であってもよい。音声情報出力部13に含まれるこれら信号源15は、単数でもよいけれども、第1実施形態では、複数である。第1実施形態において信号源15は、予め定める個数であるものとし、図1においてはK個の場合を表す。Kは予め定める自然数である。信号源15は、音声情報出力部13に対して信号を出力する。
音声情報出力部13は、信号源選択手段19と、折返し防止フィルタ21と、A/D変換部22とを含んで構成される。信号源15から出力されるは、信号源選択手段19に入力される。信号源選択手段19は、複数の信号源15のうちから、いずれか1つまたは複数の信号源15を選択する手段である。信号源選択手段19に対する操作は、使用者が行う。使用者によって操作され、使用者の操作に従って信号源15を選択した信号源選択手段19は、選択された信号源15から入力される信号を、折返し防止フィルタ21に対して出力する。折返し防止フィルタ21は、A/D変換部22によって音声信号をデジタル変換するよりも前の段階で、デジタル変換における標本化周波数の半分の周波数よりも周波数が高い信号を除去しておくフィルタである。
音声信号をデジタル変換するとき、標本化周波数の半分の周波数よりも高い周波数をデジタル変換した信号は、標本化周波数の半分の周波数よりも低い周波数をデジタル変換した信号と、区別できなくなる場合がある。したがって、折返し防止フィルタ21をデジタル変換が行われる部分よりも信号の伝送方向上流側に設けることによって、デジタル変換された後のデジタル信号に、アナログ変換によってできないほど高い周波数の信号が含まれることを防止することができる。折返し防止フィルタ21は、ローパスフィルタによって実現される。折返し防止フィルタ21を通過した信号は、ダイナミックレンジ変換部23に入力される。
ダイナミックレンジ変換部23は、音声情報出力部13に含まれ、入力される信号の電圧の範囲を、予め定める電圧の範囲に変換する部分である。音響装置10内において、音量情報がアナログ信号として伝達される部分においては、音量情報を示す信号は、電気信号として伝達される。音量情報が示す音量が大きければ大きいほど、音量情報を示す信号は、電圧の大きい電気信号として設定される。音響装置10が取扱うことのできる音量は、予め定められ、音響装置10が取扱うことのできる電圧も予め定められる。信号源15から出力される音声信号が折返し防止フィルタ21を通過し、A/D変換部22に入力されるとき、音声信号の電圧の範囲は、予め定める範囲内であることが望まれる。
ダイナミックレンジ変換部23は、入力される信号の電圧変化を検出し、電圧変化の範囲の最大電圧と最小電圧を予め定める電圧の範囲に変換して出力する。信号の電圧変化の範囲内における信号電圧は、同じ増幅率によって予め定める範囲内の電圧に変換される。増幅率は、予め定める範囲内における電圧値を、これに対応する、ダイナミックレンジ変換部23に入力される電圧値によって除した値である。増幅率は、正の実数とし、1を超える実数、1および1未満の正の実数を含む。ダイナミックレンジ変換部23において増幅率が定められた状態で音響装置10が稼動しているときに、ダイナミックレンジ変換部23に入力される電圧に増幅率を乗じた電圧が、前記予め定める範囲を超えることがあれば、ダイナミックレンジ変換部23は、定めていた増幅率をさらに小さい値として、増幅率の設定変更を行う。ダイナミックレンジ変換部23から出力された信号は、A/D変換部22に入力される。
A/D変換部22は、信号源15から出力される音声信号をデジタル信号に変換する部分である。第1実施形態においてA/D変換部22は、アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ―デジタル変換器である。たとえばCD再生機、MD再生機など、音声信号をアナログ変換せず、デジタル信号のまま出力することができる信号源15からの信号を、デジタル信号のまま伝達して処理する場合には、A/D変換部を設けない構成としてもよいし、またD/D変換器を設けてもよい。第1実施形態において、A/D変換部22から出力される信号は、音声信号出力部から出力される信号として、分析部14に入力される。
図3は、本発明の第1実施形態において、音声情報出力部13から出力される音声情報の音響スペクトルを示す図である。図3において、横軸は周波数を表し、縦軸は音圧を表す。縦軸はデシベル(decibel, 略号「dB」)を単位とし、横軸はヘルツ(hertz, 略号「Hz」)を単位とし、縦軸は等間隔目盛で、横軸は対数目盛で表示する。このdBという単位は、本実施形態において2×10−5パスカル(pascal, 略号「Pa」)を絶対基準値として、定められるものとする。
図3は、一例としてベートーベンの交響曲第5番「運命」の第1楽章の音声に基づいて求めた音響スペクトルを示している。分析部14は、音声情報出力部13から出力される音声情報が入力され、入力された音声情報の音響スペクトル情報を出力する部分である。音声に含まれる各周波数の音の音圧を、周波数に対して表したスペクトルを「音響スペクトル」と称し、音響スペクトルによって表される情報を「音響スペクトル情報」と称する。分析部14は、音声情報出力部13から出力される音声情報を周波数に従って分析し、音響スペクトル情報を求め、音響スペクトル情報を出力する部分である。
具体的には、分析部14は音声情報をフーリエ変換する部分であってもよいけれども、第1実施形態において分析部14は、音声情報をZ変換する部分である。フーリエ変換は波動の関数を、その周波数成分に分解する。Z変換は、複素数を変数とする波動の関数を、その周波数成分に分解することができ、波動の関数が、複素数を含む指数関数として表示される場合に分析することができる。Z変換は、フーリエ変換に比べて、波動に含まれる位相と周波数とを個別に分析しやすい。
分析部14から出力された音響スペクトル情報は、音声区分スペクトル出力部17に入力される。音声区分スペクトル出力部17は、音声情報の音響スペクトル情報が入力され、音声区分スペクトル情報を出力する部分である。音声情報の音響スペクトル情報の臨界帯域幅毎の情報を「音声区分スペクトル情報」と称する。音声区分スペクトル情報は、臨界帯域幅毎の音量についての音量情報と、音色についての情報とを含む。音響装置10は、0Hz以上20kHz以下の範囲の周波数帯域を扱うけれども、他の実施形態において0Hz以上10kHz以下の範囲の周波数帯域を取扱う構成としてもよい。これは人間の可聴領域がおよそ20kHz以下であり、この中で聞き取りやすく、また音声または音楽として利用される頻度が高い周波数帯域が10kHz以下であることに対応する。
臨界帯域幅は、人間の聴覚にとって、音声に影響を与える騒音の最小の周波数帯域である。人間が特定周波数の音声を聴き取るとき、前記音声の周波数を中心の周波数とする臨界帯域幅内の騒音は、臨界帯域幅外の騒音に比べて、前記音声に大きく影響し、前記音声をマスクする。臨界帯域幅内の周波数を有する騒音によってマスクされることによって、前記音声の最小可聴限界は、上昇し、マスクされる以前の音量よりも、音声の音量を大きくしなければ、同じ音量として聴き取ることはできない。臨界帯域幅は、人間の耳の内部の35mm〜36mmの長さの基底膜上において、その長さ方向に0.9mmの長さに対応するといわれる。
図4は、ZwickerとTerhardtとが示した臨界帯域幅の周波数依存性と、Greenwoodが示した臨界帯域幅の周波数依存性とを表す図である。図4において、縦軸および横軸は周波数を表し、kHzを単位とし、縦軸、横軸ともに対数目盛で表示する。臨界帯域幅は、中心の周波数に依存し、ZwickerとTerhardtとは、1980年に次式に示す関数によって臨界帯域幅の周波数依存性を表した。
CB(Hz)=25+75{1+1.4(f(kHz))}0.69 …(1)
ここでCB(Hz)は、臨界帯域幅を表し、f(kHz)は臨界帯域幅の中心の周波数を表す。Greenwoodは、臨界帯域幅の周波数依存性を、次式に示す関数によって表した。
CB(Hz)=0.9aA・(f(Hz)/A+1)・ln(10) …(2)
ここでCB(Hz)は、臨界帯域幅を表し、f(Hz)は臨界帯域幅の中心の周波数を表し、aおよびAは定数である。人間の場合は、aは0.06であり、Aは165.4である。図4には、式(1)で表された第1曲線24と、式(2)で表された第2曲線25とを示す。
複数の臨界帯域幅を設定するには、たとえばまず1000Hzを中心とした臨界帯域幅を設定する。式(1)または(2)において、1000Hzの周波数に対応する臨界帯域幅をd(Hz)とすると、1000Hzの周波数を含む臨界帯域幅は、1000Hzを中心として周波数の大きい方と小さい方とにそれぞれd/2(Hz)の幅を有する。すなわち、1000−d/2(Hz)以上1000+d/2(Hz)未満の周波数帯域である。
周波数帯域の幅がd(Hz)のこの臨界帯域幅に対し、周波数に関して大きい方に隣接する臨界帯域幅と、周波数に関して小さい方に隣接する臨界帯域幅とを設定する。設定された臨界帯域幅に対し、周波数に関して大きい方と小さい方とにさらに隣接する臨界帯域幅を設定する。
具体的に、この臨界帯域幅の設定方法は、予め定める周波数を中心周波数とする臨界帯域幅を定める第1工程と、第1工程で定められた臨界帯域幅よりも周波数が大きい方に周波数として隣接する周波数帯域に、その周波数帯域に対応した周波数帯域を有する臨界帯域幅を定め、かつ第1工程で定められた臨界帯域幅よりも周波数が小さい方に周波数として隣接する周波数帯域に、その周波数帯域に対応した周波数帯域を有する臨界帯域幅を定める第2工程と、第2工程で定められた、周波数が大きい方の臨界帯域幅よりも、さらに周波数が大きい方に周波数として隣接する周波数帯域に、その周波数帯域に対応した周波数帯域を有する臨界帯域幅を定め、かつ第2工程で定められた、周波数が小さい方の臨界帯域幅よりも、さらに周波数が大きい方に周波数として隣接する周波数帯域に、その周波数帯域に対応した周波数帯域を有する臨界帯域幅を定める第3工程と、直前の工程で定められた臨界帯域幅のさらに周波数として隣接する周波数帯域に、第3工程と同様の工程を行うことによって臨界帯域幅を設定することを繰返す第4工程とを含んで構成される。
前記第1〜第4工程を含む臨界帯域幅の設定方法では、式(1)に基づいて臨界帯域幅を設定してもよく、また式(2)に基づいて設定してもよい。これらの設定方法で設定された各臨界帯域幅は、その中心となる周波数に対し、式(1)または(2)で表された式を満たす臨界帯域幅である。
また臨界帯域幅は、それぞれの周波数を中心とした1/3オクターブに近似できることが知られている。周波数が2倍になれば音の高さは、1オクターブ高くなる。1つの音の周波数に2の12乗根、すなわちおよそ1.059463の値を乗じると、乗じた結果の周波数の音は、前記1つの音よりも半音高くなる。また他の1つの音の周波数に2の3乗根、すなわちおよそ1.26の値を乗じると、乗じた結果の周波数の音は、前記他の1つの音よりも1/3オクターブ高くなる。これを利用した方法で臨界帯域幅を決定してもよい。
この臨界帯域幅の決定方法では、まず1000Hzを基準として2の3乗根を公比とする等比級数を作成し、作成された級数それぞれを各臨界帯域幅の中心周波数の値とする。各中心周波数を1.26の平方根、すなわちおよそ1.12246の値で割った値の周波数以上の帯域で、かつ各中心周波数に1.26の平方根を乗じた値の周波数未満の周波数帯域を、臨界帯域幅とする。本発明における臨界帯域幅としては、式(1)または式(2)に基づいて臨界帯域幅を設定してもよいけれども、第1実施形態において臨界帯域幅は、各臨界帯域幅を1/3オクターブに近似する方法で設定される。本実施形態において臨界帯域幅は、0Hz以上20kHz以下の周波数帯域に40個設定される。図1では、臨界帯域幅の個数がN個である場合を図示している。Nは予め定める自然数である。
音声区分スペクトル出力部17は、複数のバンドパスフィルタ26を含んで構成される。バンドパスフィルタ26は、音声区分スペクトル出力部17に入力された音響スペクトル情報を、各臨界帯域幅毎に区分する。音声区分スペクトル出力部17は、バンドパスフィルタ26によって音響スペクトル情報が区分された後、各臨界帯域幅に含まれる各周波数毎の音量情報を、各臨界帯域幅内において平均化した音量情報として出力する。各臨界帯域幅内において、音量情報については平均化されるけれども、臨界帯域幅内の周波数が一括して処理されることはない。したがって、音色についての情報が保持される音声区分スペクトル情報において、周波数毎の波動の位相が、各臨界帯域幅内で一括して処理されることはなく、位相は、周波数に対応付けられた状態で処理される。
本実施形態において、音響スペクトル情報に含まれる音量情報を、各臨界帯域幅毎に区分し、各臨界帯域幅内に含まれる音量情報を周波数に関して平均化した各音量情報の集合を「区分スペクトル情報」と称する。区分スペクトル情報が音声に基づくものであるとき、区分スペクトル情報は、音色についての情報をも含む。音声区分スペクトル出力部17は、入力された音響スペクトル情報を区分スペクトル情報に変換し、補正部18に対して出力する。
図5は、本発明の第1実施形態における騒音の音響スペクトルを示す図である。図5は、一例として、排気量1600立方センチメートル(cubic centimeter, 略号「cc」)の自動二輪車12が走行時に発する騒音の音響スペクトルを示した図である。図5において、横軸は周波数を表し、縦軸は音圧を表す。縦軸はdBを単位とし、横軸はHzを単位とし、縦軸は等間隔目盛で、横軸は対数目盛で表示する。
図5において横軸として示される周波数帯域は、図3において示される周波数帯域とは範囲が異なる。自動二輪車12が発する騒音は、自動二輪車12の走行速度、エンジン回転数に対応して変化する。自動二輪車12の走行速度が変化することによって、自動二輪車12と自動二輪車12周囲の空気との相対速度が変化し、風切り音が発生する。また自動二輪車12のタイヤが路面に対して回転する回転速度が変化し、路面に対してタイヤの一部が接触および離反することによって騒音が発生する。エンジンの回転数が変化すれば、エンジンから発せられる騒音が変化する。
騒音は、周波数によって分析され、各周波数における音量を表す騒音の音響スペクトルとして表すことができる。騒音の音響スペクトル情報を、いずれかの臨界帯域幅の設定方法によって設定された臨界帯域幅毎に区分し、騒音について求めた区分スペクトル情報を「騒音区分スペクトル情報」と称する。
騒音区分スペクトル出力部16は、騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を表す騒音区分スペクトル情報を出力する部分である。騒音区分スペクトル出力部16は、騒音区分スペクトル記憶部27と、騒音情報取出し部28とを含んで構成される。騒音区分スペクトル記憶部27は、騒音の臨界帯域幅毎の音量情報が記憶される部分である。騒音区分スペクトル記憶部27に記憶される騒音区分スペクトル情報は、実験によって取得され、予め蓄積される。騒音情報取出し部28は、騒音区分スペクトル記憶部27から、環境に応じた騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を取得し、出力する部分である。音響区分スペクトル出力部によって出力される音声区分スペクトル情報の各臨界帯域幅の周波数と、騒音区分スペクトル出力部16が出力する騒音区分出力部の各臨界帯域幅の周波数とは、一致する。
騒音区分スペクトル記憶部27には、自動二輪車12の騒音についての騒音区分スペクトル情報を、複数種類記憶する。騒音区分スペクトル記憶部27に記憶される騒音区分スペクトル情報は、自動二輪車12の走行速度が異なるときの騒音およびエンジンの回転速度が異なるときの騒音に基づく、さまざまなパターンの騒音区分スペクトル情報である。エンジンの回転速度は、自動二輪車12に搭載される内燃機関の出力軸、すなわちエンジンのクランクシャフトの回転速度に1対1に対応する。
騒音情報取出し部28は、騒音区分スペクトル記憶部27から、自動二輪車12の走行速度に応じた騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を取得し、出力する。具体的には、騒音情報取出し部28は、騒音区分スペクトル記憶部27から、自動二輪車12を駆動する内燃機関の出力軸の回転速度に応じて騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を選択して取得し、出力する。
騒音情報取出し部28には、出力軸の回転速度情報取得部32が電気的に接続されており、出力軸の回転速度情報取得部32が検出する情報が、騒音情報取出し部28に対して出力される。出力軸の回転速度情報取得部32は、自動二輪車12のエンジンのクランクシャフトの回転速度を計測する装置である。具体的には、出力軸の回転速度情報取得部32は、タコメータである。これによって、騒音情報取出し部28は、騒音区分スペクトル記憶部27に記憶される複数の騒音区分スペクトル情報のうち、エンジンの回転速度に応じた騒音区分スペクトル情報を選択することができる。
騒音情報取出し部28には、さらに車速情報取得部33が電気的に接続されており、車速情報取得部33が検出する情報が、騒音情報取出し部28に対して出力される。車速情報取得部33は、自動二輪車12の走行速度を計測する装置である。具体的には、車速情報取得部33は、速度メータである。これによって、騒音情報取出し部28は、騒音区分スペクトル記憶部27に記憶される複数の騒音区分スペクトル情報のうち、自動二輪車12の走行速度に応じた騒音区分スペクトル情報を選択して取得することができる。
騒音情報取出し部28は、取得した騒音区分スペクトル情報を、補正部18に対して出力する。本実施形態において、エンジンの回転速度および自動二輪車12の走行速度を「環境」と称する。補正部18は、音声区分スペクトル情報を、騒音区分スペクトル情報に基づいて補正し、補正された音声区分スペクトル情報を表す補正区分スペクトル情報を出力する部分である。補正部18は、差分演算部34と、演算部35とを含んで構成される。
図6は、本発明の第1実施形態における音声区分スペクトル情報と騒音区分スペクトル情報との差分を表す区分スペクトルを示す図である。図6は、図3に示した音声の音響スペクトル情報から求めた区分スペクトル情報と、図5に示した騒音の音響スペクトル情報から求めた区分スペクトル情報との差分を表した区分スペクトルであり、音声区分スペクトル情報から騒音区分スペクトル情報を減算した情報を表すスペクトルである。図6において、横軸は周波数(Hz)、縦軸は音圧(dB)である。図6において、各臨界帯域幅は、1/3オクターブに近似する方法で設定されたものである。図6では、2回の測定結果に基づく区分スペクトルを棒グラフで表し、横軸方向にわずかにずらして表示する。
図7は、本発明の第1実施形態における補正部18の機能を説明する図である。図7(a)は、音声情報の音響スペクトルL1と、音声区分スペクトルL3と、騒音区分スペクトルL4とを表す図であり、図7(b)は、騒音区分スペクトル情報L4から音声区分スペクトル情報L3を減算した結果を表す図である。なお、図7において、横軸は周波数(Hz)、縦軸は音圧(dB)である。図7(a)に曲線L1によって示された音声情報の音響スペクトルは、臨界帯域幅毎の音声区分スペクトル情報L3として計算され、図7(a)において曲線L4で表された騒音区分スペクトル情報とを比較し、差分ΔL(=L3−L4)を算出する。この差分ΔLは、差分演算部34によって算出する。差分演算部34によって算出された差分情報を図7(b)に示す。
音声区分スペクトル情報L3に含まれる臨界帯域幅毎の音量情報は、騒音区分スペクトル情報L4に含まれる臨界帯域幅毎の音量情報と各臨界帯域幅毎に減算される。差分演算部34が算出した差分情報ΔLは、差分演算部34から演算部35に対して出力される。
具体的には、差分演算部34は、騒音区分スペクトル情報L4から音声区分スペクトル情報L3を減算する。その結果、騒音の音量が音声の音量よりも大きい周波数帯域では、差分情報ΔLは、正の値をとる。騒音区分スペクトル情報L4から音声区分スペクトル情報L3を減算した結果、騒音の音量が音声の音量よりも小さい周波数帯域では、差分情報ΔLは、負の値をとる。差分情報ΔLにおいて、騒音の音量の方が大きい周波数帯域を「第1帯域」と称し、音声の音量の方が大きい周波数帯域を「第2帯域」と称する。図6に示したスペクトルの測定を行った条件下では、全ての周波数帯域が第1帯域37である。
演算部35には、音声区分スペクトル情報L3と差分情報ΔLと騒音区分スペクトル情報L4とが入力される。演算部35は、第1帯域37では音声区分スペクトル情報L3と差分情報ΔLとを加算し、第2帯域38では音声区分スペクトル情報L4から差分情報ΔLを減算する。
音声の音量が騒音の音量よりも大きい第1帯域37においてマスクされる音量は、騒音の音量に等しい。一方、騒音の音量が音声の音量よりも大きい第2帯域38において、音声の音量のうち騒音によってマスクされたあとの残余の音声として聞こえる音量は、音声の音量に等しい。以下、騒音下にある場合でも、認識することのできる最低限必要な音量を示す情報を、「マスク音量情報」と称する。
次に、演算部35は、マスク音量情報に表される音量分の音声の区分スペクトル情報と、音声区分スペクトル情報L3とを同じ位相において加算し、補正区分スペクトル情報として出力する。ここで、各臨界帯域においてマスク音量情報が表す音量は、騒音によってマスクされる音声の音量である。上記加算により、騒音によってマスクされる音声の音量の分だけ音声が増大することになる。
本実施形態において演算部35は、マスク音量情報が表す音量が15dBを超える場合、15dBの音量の音声の区分スペクトル情報を、音声区分スペクトル情報L3に加算する。補正部18は、騒音によってマスクされる音声を、周波数分析したのちに臨界帯域幅毎に補正するけれども、補正によって増大する分の音量が15dBを超えると、補正によって増大する音声の一部と、騒音によってマスクされない周波数の音声の一部との割合が変化し、人間の聴覚にとって違和感のある音となる。したがって、補正によって増大する分の音量を15dB以下に限定することによって、音響装置10から出力される音声が、人間の聴覚にとって違和感のある音声となることを防止することができる。
音声区分スペクトル情報L3を、騒音区分スペクトル情報L4に基づいて補正し、補正された音声区分スペクトル情報を「補正区分スペクトル情報」と称する。本実施形態において補正区分スペクトル情報は、マスク音量情報に表される音量の音声の区分スペクトル情報を、音声区分スペクトル情報に加算した区分スペクトル情報である。本実施形態において騒音は、騒音の音響スペクトルが1秒以上または数秒以上の時間にわたって類似した形状となる定常的な騒音であり、演算部35は、定常的な騒音に対応して音声の補正を行う。
音色は、音の波動を、時間を横軸、音圧を縦軸として表したときの波の波形に依存する。たとえば音楽、人および楽器の声などの音声の音色と、自動二輪車12の機械的動作に伴って発生する騒音の音色とは異なる。これは周波数依存性が異なることに加え、時間を横軸として表したときの音の波形が異なることによる。したがって、音声区分スペクトル情報に対して同一位相の音声の区分スペクトル情報を加算することによって、騒音によってマスクされた音声を補正することができる。
分析部14が音声情報出力部13から出力される音声情報を分析し、これに基づいて音声区分スペクトル出力部17が音声区分スペクトル情報L3を出力し、補正部18が音声区分スペクトル情報L3と騒音区分スペクトル情報L4とに基づいて音声区分スペクトル情報L3を補正する工程は、単位時間当たりに予め定める周期で繰返される。この工程が繰返される周期は、およそ16000分の1秒〜32000分の1秒であることが好ましい。この周期は、2kHzの音の波形を、時間に関して8等分〜16等分できる周期である。
音響制御装置11は、騒音情報取出し部28と、分析部14と、音声区分スペクトル出力部17と、補正部18とを備える。本実施形態において音響制御装置11は、これらを含んで一体に形成される。具体的には1つの基板に実装されることによって、一体に形成される。本実施形態において音響制御装置11は、さらに後に詳述する変換部39、出力変更部42、分析復帰部44、D/A変換部46および量子化歪み除去部48をさらに含んで一体に形成される。
音響装置10は、変換部39をさらに含んで構成される。変換部39は、補正区分スペクトル情報が入力され、予め定める音量以下の音量情報に変換して出力する部分である。補正区分スペクトル情報が示す音量は、音響装置10で取扱うことができる音量を超える場合があり得る。したがって変換部39は、補正区分スペクトル情報を、予め定める音量の範囲を示す情報に変換する。また騒音によってマスクされる周波数帯域の音声の音量を増幅したときに、増幅される分の音量が大きすぎることによって、発せられる音声が、人間の聴覚にとって奇異に聞こえる場合がある。変換部39が、補正区分スペクトル情報が示す音量に対する制限を、補正区分スペクトル情報に付与して変換を行うことによって、音響装置10から発せられる音声が、人間の聴覚に奇異な感じを与えることを防止する。
第1実施形態において変換部39は、演算結果のうち、予め定める音量を超える音量の音量情報を、予め定める音量の音量情報に変換する。他の実施形態において変換部は、補正区分スペクトル情報が示す音量と、変換部によって補正された後の区分スペクトル情報が示す音量とが、一定の比例定数を有する線形関係にある構成とすることも可能であるけれども、第1実施形態において、補正区分スペクトル情報の各臨界帯域において、予め定める音量を超える音量を示す音量情報を、予め定める音量を示す音量情報に変換することによって、予め定める上限の音量を超える音声が音響装置10から発せられることを防止する。
音響装置10は、出力変更部42をさらに含んで構成される。出力変更部42は、補正部18から出力される臨界帯域幅毎の音量情報に対して、音の大きさの等感度曲線に基づいて増大、減小および恒等の少なくともいずれか1つを行う部分である。音量が一定、すなわち音圧が一定の音を聞くとき、人間に聞こえる音の大きさは、周波数によって異なる。換言すれば、同じ音圧の複数種類の周波数の音をそれぞれ聞くとき、周波数が異なれば、人間が感じる音の大きさが異なる。これは、周波数によって、音に対する人間の聴覚の感度が異なるためである。
具体的には、2kHz〜4kHz程度の音に対しては、他の周波数の音に対してよりも、人間の聴覚の感度は高い。これに対し、100Hz未満の音および10kHzを超える音に対する感度は、100Hz以上10kHz以下の周波数の音に対する感度よりも低い。したがって、人間の聴覚にとって同じ音量の音として聞こえる、各周波数の音の音量は、2kHz〜4kHzで最も小さく、100Hz未満および10kHzを超える範囲では大きくなる。人間の聴覚にとって同じ音量の音として聞こえる、各周波数の音の音圧を縦軸に、周波数を横軸に表して描いた曲線を「音の大きさの等感度曲線」と称する。また、音の大きさの等感度曲線を、単に「等感度曲線」と称することがある。
横軸の目盛と縦軸の目盛とが予め定められた座標において、音の大きさの等感度曲線の形状はおよそ類似するけれども、音圧が小さくなれば小さくなるほど、2kHz〜4kHzにおける縦軸の位置と、100Hz以上10kHz以下の範囲における縦軸の位置との差は、大きくなる。また音圧が小さくなれば小さくなるほど、人間に聞こえる音の大きさも小さくなり、音の大きさの等感度曲線の縦軸の位置は、音圧が小さい場合ほど、0に近い位置となる。本実施形態において、各音圧における音の大きさの等感度曲線は、1000Hzにおける音圧を基準とし、この音量と同じ音量に聞こえる、各周波数の音圧が測定され、等感度曲線として描かれる。
出力変更部42には、補正部18から出力され変換部39を通過した後の補正区分スペクトル情報が入力され、出力変更部42は、補正区分スペクトル情報を、音の大きさの等感度曲線に基づいて、さらに補正する。出力変更部42は、変換部39に電気的に接続される。出力変更部42は、複数種類の音圧に応じた複数の音の大きさの等感度曲線のうちの1つに基づいて、補正区分スペクトル情報を補正してもよいけれども、本実施形態においては、音量操作部51によって指定される音量に応じて、複数種類の音圧に応じた複数の音の大きさの等感度曲線から1つの音の大きさの等感度曲線を選択し、これに基づいて補正を行う。
音響装置10は、等感度曲線記憶部49と、音量操作部51と、等感度曲線取出し部52とをさらに含んで構成される。等感度曲線記憶部49は、音声の音量に依存する複数の等感度曲線が、複数の前記音声の大きさに関連付けられて記憶される部分である。音量操作部51は、音響装置10から出力される音声の音量を調整するための音量設定情報を入力する部分である。等感度曲線取出し部52は、等感度曲線記憶部49から、音量操作部51から入力される音量設定情報に応じた音の大きさの等感度曲線を選択して取得し、出力する部分である。出力変更部42は、等感度曲線取出し部52から出力される、音量設定情報に応じた音の大きさの等感度曲線に基づいて、変換部39から出力される臨界帯域幅毎の音量情報に対して増大、減小および恒等の少なくともいずれか1つを行う。
出力変更部42は、等感度曲線取出し部52に電気的に接続され、等感度曲線取出し部52から出力される音の大きさの等感度曲線が、出力変更部42に対して入力される。等感度曲線取出し部52には、音量操作部51と等感度曲線記憶部49とが電気的に接続される。音量操作部51は、音響装置10の使用者が、音響装置10から出力される音量を調整するために操作する部分である。音量操作部51は、等感度曲線取出し部52と、音量増幅器53とに接続される。
音量増幅器53は、第1および第2スピーカ54,55に出力される音声情報の音量を変化させる部分である。音量操作部51の操作によって決定される音声の音量の情報を「音量設定情報」と称する。音量操作部51から出力される音量設定情報は、音量増幅器53に入力され、音量増幅器53は、入力された音量設定情報に基づいて、音声情報の音量を変化させる。音量増幅器53には音量メータ56が接続される。音量メータ56は音量設定情報および音量増幅器53による増幅率のうちの少なくともいずれか一方を表示する。音量メータ56の表示は、音響装置10の使用者に視認可能である。
音量操作部51から出力される音量設定情報は、等感度曲線取出し部52にも入力される。等感度曲線記憶部49に記憶される複数の音の大きさの等感度曲線は、異なる複数の音量に対応して複数記憶されている。等感度曲線取出し部52は、音量操作部51からの出力によって音量増幅器53を通じて第1および第2スピーカ54,55から発せられる音声の音量が定められることを前提として、第1および第2スピーカ54,55から発せられる音声の音量に応じた音の大きさの等感度曲線を選択し、等感度曲線記憶部49から取出し、等感度曲線情報として出力する。等感度曲線取出し部52から出力された等感度曲線情報は、出力変更部42に入力される。
出力変更部42に入力される音の大きさの等感度曲線の情報が示す各周波数における音量情報は、周波数によって異なる。本実施形態においては、1000Hzにおける音圧を、等感度曲線の基準としているので、出力変更部42に、等感度曲線取出し部52、等感度曲線記憶部49および音量操作部51においても、1000Hzにおける音圧を、音量設定情報の基準として用いる。
音響装置10内は、音量情報が示す音量は、予め定める範囲内の音量であることを前提として構成される。各臨界帯域幅において、音量情報に関する前記範囲を「音量範囲」と称する。音量範囲は、各臨界帯域幅毎に設定される。音量範囲の音量情報が表す音量のうち、最低の音量は、いずれの臨界帯域幅においても音圧零に設定され、音量範囲の最大の音量は、音声区分スペクトル情報、騒音区分スペクトル情報および補正区分スペクトル情報においては、いずれの臨界帯域幅においても同一に設定される。
出力変更部42は、変換部39から出力される補正区分スペクトル情報の音量範囲を変更する。周波数帯域が100Hz未満および10kHzを超える帯域においては、音の大きさの等感度曲線に応じて大きくする。周波数帯域が2kHz〜4kHzの範囲においては、音の大きさの等感度曲線に応じて小さくする。1000kHzの周波数を含む臨界帯域幅においては、音量範囲を変更しない。変更しない、または実数1を乗ずることを「恒等」と称し、恒等の操作を行うことを「恒等操作」と称する。出力変更部42は、各臨界帯域幅における音量範囲に対して増大、減小および恒等のいずれかの操作を行う。換言すれば、出力変更部42は、高音域と低音域と中音域とにおける音量の割合を、音の大きさの等感度曲線に従って変化させる。
補正区分スペクトル情報として出力変更部42に入力され、出力変更部42の操作によって変換された区分スペクトル情報は、分析復帰部44に対して出力される。分析復帰部44は、出力変更部42から入力された情報を、逆Z変換を行うことによって、各周波数の音量情報を表す形式の信号から、音声の波形を表す形式の信号に変換し、出力する。分析復帰部44から出力される信号は、たとえば音声の波動、すなわち音圧の変動をパルス符号変調方式(pulse code modulation, 略号「PCM」)で変換した信号と同一の形式によって表される信号である。
分析復帰部44から出力される信号は、デジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換部46に入力され、アナログ化され、音声の波動を電圧の波形で表す形式の信号として出力される。D/A変換部46から出力された信号は、量子化歪み除去部48に入力される。量子化歪み除去部48は、ローパスフィルタによって実現され、量子化歪みを除去する部分である。量子化歪み除去部48から出力された信号は、音量増幅器53に入力され、第1および第2スピーカ54,55から出力するために必要な大きさの信号に増幅され、出力される。音量増幅器53がD/A変換部46からの信号を増幅するときの増幅率は、音量操作部51によって設定される音量設定情報に応じて決定される。音量増幅器53から出力される信号は、ステレオ分離部45に入力され、ステレオ分離され、第1および第2スピーカ54,55に対して出力される。
第1実施形態によれば、音響装置10は、音声情報出力部13と、分析部14と、騒音区分スペクトル出力部16と、音声区分スペクトル出力部17と、補正部18とを含んで構成される。分析部14は、音声情報出力部13から出力される音声情報の音響スペクトル情報を出力する。これによって、音声情報を周波数に応じて処理することが可能となる。音声区分スペクトル出力部17は、音響スペクトル情報の臨界帯域幅毎の音量情報を表す音声区分スペクトル情報を出力する。
臨界帯域幅は、人間の聴覚にとって、音声情報に影響を与える騒音の最小の周波数帯域である。人間が特定周波数の音声を聴き取るとき、前記音声の周波数を中心の周波数とする臨界帯域幅内の騒音は、臨界帯域幅外の騒音に比べて、前記音声に大きく影響し、前記音声をマスクする。臨界帯域幅内の騒音によってマスクされることによって、前記音声の最小可聴限界は、上昇し、マスクされる以前の音量よりも、音声の音量を大きくしなければ、同じ音量として聴き取ることはできない。
騒音区分スペクトル出力部16は、騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を表す騒音区分スペクトル情報を出力する。補正部18は、音声区分スペクトル情報を、騒音区分スペクトル情報に基づいて補正し、補正区分スペクトルを出力する。これによって、音声の聞こえ方に対して騒音が与える変化を、低減することが可能となる。人間の聴覚にとって必要最小限の周波数帯域毎に処理を行うことができ、かつ音声情報がもつ情報量を少なくすることができるので、人間の聴覚にとって精度を低くすることなく、音声情報の補正処理にかかる計算コストを低減することができる。
したがって、臨界帯域幅よりも大きい周波数帯域毎に、騒音による音声の聞こえ方の変化を低減する場合に比べて、補正後の音声が人間に聴覚的な違和感を与えることを防止することができる。また臨界帯域幅よりも小さい周波数帯域毎に、騒音による音声の聞こえ方の変化を低減する場合に比べて、補正処理にかかる時間を短縮することができる。
また第1実施形態によれば、補正部18は、差分演算部34と、演算部35とを含んで構成される。差分演算部34は、音声区分スペクトル情報と、騒音区分スペクトル情報との差分を演算し、差分情報を出力する。これによって、補正部18は、音声情報出力部13から出力される音声のうち、騒音によってマスクされる音量を求めることができる。演算部35は、音声区分スペクトル情報と差分情報とを重み付けして加算する。これによって、音声情報出力部13から出力される音声の音量を、前記騒音によってマスクされる音量によって、補正することができる。
したがって、音声情報出力部13から出力される音声が、騒音によってマスクされていない状態において、人間の聴覚を刺激するときの人間の感じ方と、騒音によってマスクされ、かつ音響装置10によって補正された音声が、人間の聴覚を刺激するときの人間の感じ方とを、同一にすることができる。また演算部35は、音声区分スペクトル情報と差分情報とを重み付けするので、補正することが人間の聴覚刺激に与える変化を、調整することが可能となる。
また第1実施形態によれば、音響装置10は、出力変更部42をさらに含んで構成される。音圧が同じで周波数が異なる音声が、人間の聴覚に与える刺激の強さは、周波数によって異なる。それぞれの周波数の音が、人間の聴覚に与える刺激の強さを同じ強さにするための、それぞれの周波数の音に対する増幅率を、周波数に従って表した曲線が、音の大きさの等感度曲線である。出力変更部42は、補正部18から出力される臨界帯域幅毎の音量情報に対して、音の大きさの等感度曲線に基づいて増大、減小および恒等の少なくともいずれか一つを行うので、音声情報出力部13から出力される音声が、人間の聴覚に与える刺激の強さを、周波数が異なっても、周波数が異なる音声間で同じにすることができる。
また第1実施形態によれば、騒音区分スペクトル出力部16は、騒音区分スペクトル記憶部27と、騒音情報取出し部28とを含んで構成される。騒音区分スペクトル記憶部27には、騒音の臨界帯域幅毎の音量情報が記憶され、騒音情報取出し部28は、騒音区分スペクトル記憶部27から、環境に応じた騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を取得し、出力する。これによって、騒音区分スペクトル出力部16は、環境の騒音から、騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を分析して取出す必要がない。したがって、環境の騒音を取得し、これを周波数に基づいて分析して音響スペクトルとし、臨界帯域幅毎の音量情報に分析することによって、騒音区分スペクトルを出力する場合に比べて、環境に応じた騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を出力することにかかる時間を短縮することができる。したがって、環境の騒音の変化に対する補正の遅れを、可及的に小さくすることが可能となる。
また第1実施形態によれば、音声情報出力部13と、分析部14と、騒音区分スペクトル出力部16と、音声区分スペクトル出力部17と、補正部18とは、自動二輪車12に搭載される。これによって、音声情報出力部13から出力される音声を、自動二輪車12で走行しながら聞くときに、自動二輪車12の走行に伴う騒音によってマスクされる音声を補正することができる。したがって、音声情報出力部13から出力される音声が、騒音によってマスクされていない状態において、人間の聴覚を刺激するときの人間の感じ方と、自動二輪車12の走行に伴う騒音によってマスクされ、かつ音響装置10によって補正された音声が、人間の聴覚を刺激するときの人間の感じ方とを、同一にすることができる。
また第1実施形態によれば、騒音情報取出し部28は、騒音区分スペクトル記憶部27から、自動二輪車12の走行速度に応じた騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を取得し、出力する。これによって、自動二輪車12と周囲の空気との相対速度に依存する風の騒音、および自動二輪車12の車輪と路面とから生じる騒音が、自動二輪車12の走行中に音声情報出力部13から出力される音声をマスクする状況において、自動二輪車12の走行中に音声情報出力部13から出力される音声を補正し、自動二輪車12と周囲の空気との相対速度に依存する風の騒音、および自動二輪車12の車輪と路面とから生じる騒音によってマスクされなかったときと同じ音声として聴き取ることのできる音声にすることが可能となる。
また第1実施形態によれば、騒音情報取出し部28は、騒音区分スペクトル記憶部27から、自動二輪車12を駆動する内燃機関の出力軸の回転速度に応じて騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を選択して取得し、出力する。これによって、自動二輪車12の内燃機関の出力軸の回転速度に依存する機械音によって自動二輪車12の走行中に音声情報出力部13から出力される音声がマスクされる状況において、自動二輪車12の走行中に音声情報出力部13から出力される音声を補正し、自動二輪車12の内燃機関の出力軸の回転速度に依存する機械音によってマスクされなかったときと同じ音声として聴き取ることのできる音声にすることが可能となる。
また第1実施形態によれば、音響制御装置11は、騒音情報取出し部28と、分析部14と、音声区分スペクトル出力部17と、補正部18とを備える。分析部14は、分析部14に入力された音声情報の音響スペクトル情報を出力する。これによって、音声情報を周波数に応じて処理することが可能となる。音声区分スペクトル出力部17は、音声情報の音響スペクトルの臨界帯域幅毎の音量情報を表す音声区分スペクトル情報を出力する。騒音情報取出し部28は、騒音の臨界帯域幅毎の音量情報が記憶される騒音区分スペクトル記憶部27に接続され、環境に応じた騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を表す騒音区分スペクトル情報を、騒音区分スペクトル記憶部27から取得し、出力する。補正部18は、音声区分スペクトル情報を、騒音区分スペクトル情報に基づいて補正し、補正された音声区分スペクトル情報を表す補正区分スペクトル情報を出力する。
これによって、音声の聞こえ方に対して騒音が与える変化を、低減することが可能となる。人間の聴覚にとって必要最小限の周波数帯域毎に処理を行うことができ、かつ音声情報がもつ情報量を少なくすることができるので、人間の聴覚にとって精度を低くすることなく、音声情報の補正処理にかかる計算コストを低減することができる。
したがって、臨界帯域幅よりも大きい周波数帯域毎に、騒音による音声の聞こえ方の変化を低減する場合に比べて、補正後の音声が人間に聴覚的な違和感を与えることを防止することができる。また臨界帯域幅よりも小さい周波数帯域毎に、騒音による音声の聞こえ方の変化を低減する場合に比べて、補正処理にかかる時間を短縮することができる。
音響装置10は、等感度曲線記憶部49と、音量操作部51と、等感度曲線取出し部52とをさらに含んで構成される。音圧が同じで周波数が異なる音声が、人間の聴覚に与える刺激の強さは、周波数によって異なる。音圧が同じで周波数が異なる音声が、人間の聴覚に与える刺激の強さの、周波数依存性は、音圧の大きさによって異なる。
等感度曲線記憶部49には、音声の音量に依存する複数の等感度曲線が、複数の前記音声の大きさに関連付けられて記憶される。音量操作部51は、音響装置10から出力される音声の音量を調整するための音量設定情報を入力するための操作部である。これによって、使用者は、音量操作部51を操作することによって、音響装置10から出力される音声の音量を調整することができる。
また音量操作部51は、等感度曲線取出し部52に対し、音響装置10から出力される音声の音量を調整するための音量設定情報を出力し、等感度曲線取出し部52は、等感度曲線記憶部49から、音量設定情報に応じた音の大きさの等感度曲線を選択して取得し、出力する。出力変更部42は、等感度曲線取出し部52から出力される、音量設定情報に応じた音の大きさの等感度曲線に基づいて、補正部18から出力される臨界帯域幅毎の音量情報に対して増大、減小および恒等の少なくともいずれか1つを行う。
これによって、音声情報出力部13から出力される音声が、人間の聴覚に与える刺激の強さを、周波数が異なっても、周波数が異なる音声間で同じにすることができ、また音量に対する設定が変化したときにも、これによって人間の聴覚に与える刺激の強さが、周波数に応じて変化することを防止することができる。
また音響装置10は、変換部39をさらに含んで構成される。変換部39は、補正区分スペクトル情報が入力され、予め定める音量以下の音量情報に変換して出力する。これによって、補正区分スペクトルを音声情報に変換したときに、出力できない範囲の音量を含む音声情報となることを防止することができる。マスクされることによって最小可聴限界が上昇した周波数帯域の音声情報の音量情報であっても、これを補正によって増大させたときの音量として、大きすぎて人間に聴覚的な違和感を与える範囲の音量が存在する可能性がある。したがって、補正区分スペクトルを音声情報に変換したときの音量を、人間に聴覚的な違和感を与える範囲の音量よりも小さくすることによって、補正区分スペクトルを音声に変換して出力したときに、音声が人間に聴覚的な違和感を与えることを防止することができる。
また変換部39は、演算結果のうち、予め定める音量を超える音量の音量情報を、予め定める音量の音量情報に変換する。これによって、補正区分スペクトルを音声情報に変換したときに、出力できない範囲の音量を含む音声情報を、出力できる範囲内の音量情報に変換することが可能となり、音量情報を音声に変換したときに、出力することができる。
また音響装置10は、変換部39をさらに含んで構成される。変換部39は、補正区分スペクトル情報が入力され、予め定める音量以下の音量情報に変換して出力する。これによって、補正区分スペクトルを音声情報に変換したときに、出力できない範囲の音量を含む音声情報となることを防止することができる。また、マスクされることによって最小可聴限界が上昇した周波数帯域の音声情報の音量情報であっても、これを補正によって増大させたときの音量として、増大することによって人間に聴覚的な違和感を与える範囲の音量が存在する。したがって、補正区分スペクトルを音声情報に変換したときの音量を、人間に聴覚的な違和感を与える範囲の音量よりも小さくすることによって、補正区分スペクトルを音声に変換して出力したときに、音声が人間に聴覚的な違和感を与えることを防止することができる。
また変換部39は、演算結果のうち、予め定める音量を超える音量の音量情報を、予め定める音量の音量情報に変換する。これによって、補正区分スペクトルを音声情報に変換したときに、出力できない範囲の音量を含む音声情報を、出力できる範囲内の音量情報に変換することが可能となり、音量情報を音声に変換したときに、出力することができる。
また音響装置10は、ダイナミックレンジ圧縮部をさらに含んで構成される。ダイナミックレンジ圧縮部は、音声情報出力部13から出力される音声情報を変換することによって、音声情報出力部13から出力される音声情報の音量情報が表す音量を実数倍する。これによって、出力できない音量を含む音声情報を、出力できる音量の範囲内の音声情報に変換することができる。またダイナミックレンジ圧縮部は、音声情報の音量情報が表す音量を実数倍するので、出力できる範囲内の音量の音声情報に変換した後、さらに音声に変換したときに、音声に含まれる音量の小さい音声と、音量の大きい音声との音量の大きさの割合を、保つことができる。これによって、音声が人間に聴覚的な違和感を与えることを防止することができる。
<第2実施形態>
図8は、本発明の第2実施形態に係る音響装置10の構成を表すブロック図である。第2実施形態に係る音響装置10は、第1実施形態に係る音響装置10に類似しており、以下第1実施形態に対する第2実施形態の相違点を中心に説明する。第2実施形態において補正部18は、複数の区分切換部57を含む切換部58と、切換制御部62と、演算部35とを含んで構成される。複数の区分切換部57は、臨界帯域毎に音声区分スペクトル情報を通過または遮断可能な部分である。切換制御部62は、騒音区分スペクトル情報が入力され、入力された騒音区分スペクトル情報に基づいて、切換部58を制御することによって書く区分切換部57に音声区分スペクトル情報を通過または遮断させる部分である。演算部35は、音声区分スペクトル情報と、切換部58からの出力とが入力され、音声区分スペクトル情報と、切換部58からの出力とを重み付けして加算する部分である。
第2実施形態における分析部14および音声区分スペクトル出力部17は、第1実施形態におけるものと同一である。音声区分スペクトル出力部17から出力された音声区分スペクトル情報は、補正部18に含まれる切換部58と、演算部35とに入力する。切換部58に含まれる複数の区分切換部57は、音声区分スペクトル出力部17の各バンドパスフィルタ26に設定される各臨界帯域幅に対応する。したがって、区分切換部57の個数とバンドパスフィルタ26の個数とは同一であり、区分切換部57とバンドパスフィルタ26とは、1対1に対応する。
音声区分スペクトル出力部17を通過した各臨界帯域幅の音量情報は、区分切換部57によって通過が許容されるか、または遮断される。各区分切換部57について、音声区分スペクトル情報を表す信号を通過させる状態を「通過状態」と称し、遮断する状態を「遮断状態」と称する。複数の区分切換部57は、切換制御部62によってそれぞれ独立に制御され、通過状態と遮断状態とに切換えられる。切換制御部62は、騒音区分スペクトル取出し部に電気的に接続され、騒音区分スペクトル取出し部から、騒音区分スペクトル情報が入力される。
切換制御部62には、騒音区分スペクトル情報の各臨界帯域幅の音量情報として、予め定める値の情報が記憶されている。切換制御部62は、騒音区分スペクトル情報の音量情報が前記予め定める値よりも大きい臨界帯域幅に対応する区分切換部57を通過状態とする。騒音区分スペクトル情報の音量情報が前記予め定める値よりも小さい臨界帯域幅に対応する区分切換部57を遮断状態とする。これによって切換部58は、騒音区分スペクトル情報の音量情報が予め定める値よりも大きい臨界帯域幅に対応する音声区分スペクトル情報を通過させ、騒音区分スペクトル情報の音量情報が予め定める値よりも小さい臨界帯域幅に対応する音声区分スペクトル情報を遮断する。
切換部58を通過した区分スペクトル情報は、演算部35に入力される。演算部35には、切換部58を通過した区分スペクトル情報が入力されるとともに、音声区分スペクトル出力部17から出力される音声区分スペクトル情報が、切換部58を迂回して入力される。演算部35は、演算部35に入力されるこれら2つの区分スペクトル情報を加算する。これによって、騒音の臨界帯域幅の音量が大きな臨界帯域幅において、音声区分スペクトル情報の音量情報を倍加することができる。
第2実施形態において、騒音区分スペクトル記憶部27には、自動二輪車12の複数の騒音の騒音区分スペクトル情報が、自動二輪車12の車台および車体の振動の大きさに関連付けて記憶されている。騒音情報取出し部28は、騒音区分スペクトル記憶部27から、自動二輪車12の車台および車体の少なくともいずれか一方の振動と、エンジンの回転速度と、自動二輪車12の走行速度とに応じて騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を選択して取得し、出力する。本実施形態においては、自動二輪車12の車台および車体の少なくともいずれか一方の振動と、エンジンの回転速度と、自動二輪車12の走行速度とを総合して「環境」と称する。
自動二輪車12から発せられる騒音は、自動二輪車12の車台および車体の振動とも関連する。車台または車体が振動することによって発せられる騒音もあるけれども、騒音の発生に寄与する要因が自動二輪車12の車台または車体の振動にも影響し、これら振動と騒音とが間接的に関連する場合もある。具体的には、エンジンの回転数、速度および路面の状態によって決定される騒音と、エンジンの回転数、速度および路面の状態によって決定される車台または車体の振動を決定する場合とである。
騒音情報取出し部28には、振動情報取得部63が電気的に接続されており、振動情報取得部63が検出する情報が、騒音情報取出し部28に対して出力される。振動情報取得部63は、自動二輪車12の車台および車体の少なくともいずれか一方に接続され、振動の振幅および振動に伴う最大加速度の少なくともいずれか一方を検出する装置である。これによって、騒音情報取出し部28は、騒音区分スペクトル記憶部27に記憶される複数の騒音区分スペクトル情報のうち、振動情報取得部63が検出する振動が、車台の振動であるか車体の振動であるかという振動の種類、振動の振幅および振動に伴う最大加速度に応じて、騒音区分スペクトル情報を取出す。騒音情報取出し部28によって取得され、騒音情報取出し部28から出力された騒音区分スペクトル情報は、切換制御部62に入力され、前述のとおりに切換制御部62によって利用される。
第2実施形態によれば、補正部18は、複数の区分切換部57を含む切換部58と、切換制御部62と、演算部35とを含んで構成される。切換部58内の複数の区間切換部58は、臨界帯域幅毎に音声区分スペクトル情報を通過または遮断可能である。切換制御部62は、騒音区分スペクトル情報に基づいて切換部58を制御することによって、各区分切換部57に音声区分スペクトル情報を通過または遮断させる。これによって、補正部18は、騒音によってマスクされる周波数帯域を求め、音声情報出力部13から出力される音声区分スペクトル情報のうち、騒音によってマスクされる周波数帯域の音声情報の音量情報を取出すことができる。
また第2実施形態によれば、演算部35は、音声区分スペクトル情報と、切換部58からの出力とを重み付けして加算する。これによって、騒音によってマスクされる周波数帯域の音声情報の音量情報と、音声情報の音声区分スペクトル情報とを加算することができる。したがって、音声情報出力部13から出力される音声が、騒音によってマスクされていない状態において、人間の聴覚を刺激するときの人間の感じ方と、騒音によってマスクされ、かつ音響装置10によって補正された音声が、人間の聴覚を刺激するときの人間の感じ方とを、同一にすることができる。また演算部35は、音声区分スペクトル情報と、切換部58からの出力とのそれぞれを重み付けするので、補正することが人間の聴覚刺激に与える変化を、調整することが可能となる。
また第2実施形態によれば、騒音情報取出し部28は、騒音区分スペクトル記憶部27から、自動二輪車12の車台および車体の少なくともいずれか一方の振動に応じて騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を選択して取得し、出力する。これによって、自動二輪車12の車台および車体の少なくともいずれか一方の振動に依存する騒音によって自動二輪車12の走行中に音声情報出力部13から出力される音声がマスクされる状況において、自動二輪車12の走行中に音声情報出力部13から出力される音声を補正し、自動二輪車12の車台および車体の少なくともいずれか一方の振動に依存する騒音によってマスクされなかったときと同じ音声として聴き取ることのできる音声にすることが可能となる。
<第3実施形態>
図9は、本発明の第3実施形態に係る音響装置10の構成を表すブロック図である。第3実施形態に係る音響装置10は、第1実施形態に係る音響装置10に類似しており、以下第1実施形態に対する第3実施形態の相違点を中心に説明する。第3実施形態において音響装置10は、入力部64をさらに含んで構成される。入力部64は、自動二輪車12の周囲の情報を入力する部分である。騒音情報取出し部28は、入力部64から入力される周囲の情報に応じて、騒音区分スペクトル記憶部27から、騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を選択して取得し、出力する。
入力部64は、音響装置10の使用者にとって操作可能に配置され、複数の態様を取り得る。複数の態様は、複数の周囲の情報に対応付けられる。周囲の情報とは、自動二輪車12が走行する場所の状況に基づく情報であり、たとえばトンネルの中か否かの情報、雨天であるか否かの情報、走行する道路が舗装道路であるか砂利道であるかの情報、高速道路または自動車道路であるか一般道路であるかの情報などである。これらの情報は、音響装置10の使用者によって入力部64が操作され、入力部64の態様が切換えられることによって入力される。
本実施形態において騒音区分スペクトル記憶部27には、自動二輪車12の複数の騒音の騒音区分スペクトル情報が、周囲の情報に関連付けて記憶されている。騒音情報取出し部28は、騒音区分スペクトル記憶部27から、周囲の情報と、自動二輪車12の車台および車体の少なくともいずれか一方の振動と、エンジンの回転速度と、自動二輪車12の走行速度とに応じて騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を選択して取得し、出力する。本実施形態において、自動二輪車12が走行する場所が、トンネルの中か否かの情報、雨天であるか否かの情報、走行する道路が舗装道路であるか砂利道であるかの情報、高速道路または自動車道路であるか一般道路であるかの情報など、自動二輪車12が走行する場所の状況についての情報を「周囲の情報」と称する。
自動二輪車12から発せられる騒音は、周囲の情報とも関連する。周囲の状況によって、雨粒が車体などに衝突することによる騒音、砂利道とタイヤとが接触および離反することによる騒音などが発生する。また自動二輪車12が走行する場所の状況によって、自動二輪車12の車台および車体の少なくともいずれか一方の振動に基づく騒音、エンジンの回転に基づく騒音、自動二輪車12の走行に基づく騒音などの聞こえ方が変化する。また第1および第2スピーカ54,55から発せられる音声の聞こえ方も変化する。
騒音情報取出し部28には、入力部64が電気的に接続されており、入力部64から入力される情報が、騒音情報取出し部28に対して出力される。これによって、騒音情報取出し部28は、騒音区分スペクトル記憶部27に記憶される複数の騒音区分スペクトル情報のうち、入力部64から入力される情報に応じた騒音区分スペクトル情報を取出す。
音響装置10は、係数入力部66をさらに含んで構成される。係数入力部66は、演算部35が音声区分スペクトル情報に乗算する予め定める第1係数と、演算部35がマスク音量情報に乗算する予め定める第2係数との少なくともいずれか一方を入力する部分である。本実施形態において係数入力部66は、第1係数と第2係数とを入力する部分である。演算部35は、予め定める第1係数を乗算した音声区分スペクトル情報と、予め定める第2係数を乗算したマスク音量情報とを加算する。係数入力部66は、音響装置10の使用者にとって操作可能に配置され、複数の態様を取り得る。複数の態様は、第1係数となる複数の値と第2係数となる複数の値とに対応付けられる。たとえば第1係数と第2係数とは、それぞれ実数1、実数1.2、実数1.5、実数2の4種類とする。
第3実施形態において分析部14と、音声区分スペクトル出力部17と、補正部18とは、ヘルメットに搭載される。さらに騒音情報取出し部28、変換部39、出力変更部42、分析復帰部44、D/A変換部46、量子化歪み除去部48、音量増幅器53およびステレオ分離部45もヘルメットに搭載される。第3実施形態において、音声情報出力部13と分析部14との電気的接続、等感度曲線取出し部52と出力変更部42との電気的接続、騒音区分スペクトル記憶部27と騒音情報取出し部28との電気的接続、音量操作部51と音量増幅器53との電気的接続、および音量増幅器53と音量メータ56との電気的接続は、電波を介して接続される。第3実施形態においてヘルメットに搭載される第1および第2スピーカ54,55は、イヤホン、ヘッドホンまたは骨伝動を利用するヘッドホンであってもよい。
第3実施形態によれば、音響装置10は、自動二輪車12の周囲の情報を入力する入力部64をさらに含んで構成される。これによって、使用者は、入力部64の操作によって自動二輪車12の周囲の情報を入力することができる。騒音情報取出し部28は、入力部64から入力される周囲の情報に応じて、騒音区分スペクトル記憶部27から、騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を選択して取得し、出力する。これによって、騒音に関与する情報のうち、自動二輪車12の機械的状況以外の、周囲の情報に応じて、自動二輪車12の走行中に音声情報出力部13から出力される音声を補正することが可能となる。
また演算部35は、予め定める第1係数を乗算した音声区分スペクトル情報と、予め定める第2係数を乗算した差分情報とを加算する。これによって、音声区分スペクトルと、音声区分スペクトルと騒音区分スペクトル情報との差との互いの相対的な割合を変化させることによって、補正することが人間の聴覚に与える変化を、調整することが可能となる。
また音響装置10は、第1係数および第2係数の少なくともいずれか一方を入力する係数入力部66をさらに含む。これによって、音声区分スペクトルと、音声区分スペクトルと騒音区分スペクトル情報との差との互いの相対的な割合を使用者が変化させることを可能にすることによって、補正することが人間の聴覚に与える変化を、使用者が調整することを可能にすることができる。
また分析部14と、音声区分スペクトル出力部17と、補正部18とは、ヘルメットに搭載される。これによって、ヘルメットに搭載される分析部14と、音声区分スペクトル出力部17と、補正部18とに対応する音響装置10のうちの残余の部品とが、自動二輪車12に搭載される場合に、自動二輪車12に乗車して走行しながら、環境の騒音の影響が排除された音声を聴くことができる。分析部14と、音声区分スペクトル出力部17と、補正部18とが自動二輪車12に搭載される場合に比べて、自動二輪車12に搭載される構造を簡単化することができる。また分析部14と、音声区分スペクトル出力部17と、補正部18とは、自動二輪車12の車種に依存しないので、前記残余の部品が搭載される自動二輪車12に乗車すれば、同一のヘルメットを着用したまま複数の車種の自動二輪車12に乗車する場合にも、乗車した自動二輪車12に応じた騒音の影響を、音声から排除して音声を聴くことが可能となる。
<第4実施形態>
第4実施形態に係る音響装置10は、第1実施形態に係る音響装置10に類似しており、以下第1実施形態に対する第4実施形態の相違点を中心に説明する。第1〜第3実施形態において、音声区分スペクトル情報と、これに加算される音声の区分スペクトル情報とは、臨界帯域幅を一致させて加算される構成とした。1つの臨界帯域幅のうちで、周波数に関して隣り合う臨界帯域幅に近い周波数の音声は、前記隣り合う臨界帯域幅に含まれる騒音区分スペクトル情報によって、マスクされることもある。
第4実施形態において、マスク音量情報において隣合う2つの臨界帯域幅の2つ音量のうち、小さい方の音量を大きい方の音量に合わせたスペクトル情報を「拡張マスク音量情報」と称すると、第4実施形態において演算部35は、拡張マスク音量に基づいて音声区分スペクトル情報を補正する。
演算部35は、拡張マスク音量情報に表される各臨界帯域幅の音量の音声の区分スペクトル情報を、音声区分スペクトル情報に加算する。これによって、1つの臨界帯域幅に含まれる音声区分スペクトル情報のうち、隣合う臨界帯域幅に近い周波数の音声区分スペクトル情報が、隣合う臨界帯域幅の騒音区分スペクトル情報によってマスクされることを防止することができる。
<変形例>
第1〜第4実施形態において信号源15は、複数であるものとしたけれども、他の実施形態において信号源15は、単数であってもよい。第1〜第4実施形態において信号源15選択手段19は、複数の信号源15から1つの信号源15を選択する構成としたけれども、他の実施形態において信号源15選択手段は、複数の信号源15のうち1つまたは複数の信号源15からの信号を重ね合わせる構成としてもよい。
第1〜第4実施形態において騒音情報取出し部28は、タコメータおよび速度メータに接続される構成としたけれども、他の実施形態において騒音情報取出し部は、内燃機関の点火プラグから点火の周期を検出する部品に接続されてもよく、またタイヤの回転速度を検出する部品から直接電気的に接続されてもよい。このような構成とすることによって、騒音情報取出し部は、タコメータおよび速度メータから環境についての情報を取得する構成に比べて、環境の変化に対して短時間のうちに対応することができる。
第1〜第4実施形態において音響装置10は、自動二輪車12に搭載されるものとしたけれども、他の実施形態において音響装置は、音声情報出力部と、分析部と、騒音区分スペクトル出力部と、音声区分スペクトル出力部と、補正部とを含んで構成されていれば、足りる。たとえば他の実施形態において音響装置は、自動車、電車、飛行機、船舶などの輸送機械に搭載されてもよい。またさらに他の実施形態において音響装置は、工場などに設置されてもよい。
なお、音響装置は、音声情報出力部と、分析部と、騒音区分スペクトル出力部と、音声区分スペクトル出力部と、補正部とを含んで構成されていればよいが、これらは一体に構成されてもよいし、別体に構成されてもよい。
第1、3および第4実施形態において演算部35は、各臨界帯域幅において、音声区分スペクトル情報および騒音区分スペクトル情報のうち音量の小さい方の音量を算出し、この音量に相当する音量の、音声の区分スペクトル情報を、音声区分スペクトル情報に加算する。ただし他の実施形態において、演算部が、差分情報に示される音量に応じた音声の区分スペクトル情報と、音声区分スペクトル情報とを加算する構成としてもよい。
第3実施形態において係数入力部66は、第1係数および第2係数を4種類の不連続な値として設定するものとしたけれども、他の実施形態において係数入力部は、第1係数および第2係数を有限の連続した実数の範囲から選択する構成としてもよい。また数値を入力する構成としてもよい。
また他の実施形態として、第2および第3実施形態における振動情報取得部63と同じ構成を、第1または第4実施形態の構成にさらに含んで実現することも可能であり、第3実施形態における入力部64と同じ構成を、第1、第2または第4実施形態の構成にさらに含んで実現することも可能である。また第3実施形態における係数入力部66と同じ構成を、第1または第4実施形態の構成にさらに含んでもよい。また第3実施形態に類似する実施形態において、第1、第3および第4実施形態における振動情報取得部63と同じ構成を除いた構成とすることも可能である。
第1〜第4実施形態において騒音区分スペクトル出力部16は、騒音区分スペクトル記憶部27を備え、騒音情報取出し部28は、騒音区分スペクトル記憶部27から騒音区分スペクトル情報を取出して出力する構成としたけれども、他の実施形態において、騒音区分スペクトル出力部は、複数の騒音の音響スペクトル情報を記憶する騒音音響スペクトル記憶部と騒音の音響スペクトル情報を騒音区分スペクトル情報に変換する騒音スペクトル変換部とを備え、騒音情報取出し部は、騒音スペクトル変換部から騒音区分スペクトル情報を取出して出力する構成としてもよい。
第1〜第4実施形態においては、補正部18から出力される補正区分スペクトル情報を、出力変更部42が等感度曲線に基づいてさらに変換し、補正する構成としたけれども、他の実施形態において音響装置はイコライザを含み、イコライザが等感度曲線に基づいて補正を行う構成としてもよい。イコライザは、入力される音声情報を分析することによって音響スペクトル情報を取得し、音量に対する増大、減少および恒等のいずれかの操作を、周波数毎の成分に個別に行い、操作の後、音響スペクトルを音声情報に復帰させる装置である。
イコライザは、D/A変換部46よりも第1および第2スピーカ54,55側に設けられ、入力されるアナログの音声情報を周波数に基づいて分析し、出力変更部42が行う方法と同様の方法で音声情報を補正する。つまりイコライザは、アナログの音声情報の音響スペクトル情報の音量範囲を変更する。周波数帯域が100Hz未満および10kHzを超える帯域においては、音の大きさの等感度曲線に応じて大きくする。周波数帯域が2kHz〜4kHzの範囲においては、音の大きさの等感度曲線に応じて小さくする。1000kHz近傍の周波数の範囲においては、恒等操作を行う。その後、イコライザは、音響スペクトルを音声情報に復帰させ、出力する。
第1〜第4実施形態において音響装置10は、第1および第2スピーカ54,55を含んで構成されるものとしたけれども、他の実施形態において音響装置は、スピーカを接続するための端子を含む構成としてもよい。この端子には、スピーカ、イヤホン、ヘッドホンおよび骨伝動を利用するヘッドホンなどのうちの少なくとも1つが接続可能であるものとする。
本発明の第1実施形態に係る音響装置10の構成を表すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る音響装置10が搭載される自動二輪車12の斜視図である。 本発明の第1実施形態において、音声情報出力部13から出力される音声情報の音響スペクトルを示す図である。 ZwickerとTerhardtとが示した臨界帯域幅の周波数依存性と、Greenwoodが示した臨界帯域幅の周波数依存性とを表す図である。 本発明の第1実施形態における騒音の音響スペクトルを示す図である。 本発明の第1実施形態における音声区分スペクトル情報と騒音区分スペクトル情報との差分を表す区分スペクトルを示す図である。 本発明の第1実施形態における補正部18の機能を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る音響装置10の構成を表すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る音響装置10の構成を表すブロック図である。 従来技術に係る音響装置である音響再生装置1の構成を表すブロック図である。
符号の説明
10 音響装置
11 音響制御装置
12 自動二輪車
13 音声情報出力部
14 分析部
16 騒音区分スペクトル出力部
17 音声区分スペクトル出力部
18 補正部
26 バンドパスフィルタ
27 騒音区分スペクトル記憶部
28 騒音情報取出し部
32 出力軸の回転速度情報取得部
33 車速情報取得部
34 差分演算部
35 演算部
39 変換部
42 出力変更部
49 等感度曲線記憶部
52 等感度曲線取出し部
57 区分切換部
58 切換部
62 切換制御部
63 振動情報取得部
64 入力部
66 係数入力部

Claims (11)

  1. 音声情報を出力する音声情報出力部と、
    音声情報出力部から出力される音声情報が入力され、入力された前記音声情報の音響スペクトル情報を出力する分析部と、
    騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を表す騒音区分スペクトル情報を出力する騒音区分スペクトル出力部と、
    前記音声情報の音響スペクトル情報が入力され、入力された前記音声情報の音響スペクトル情報の臨界帯域幅毎の音量情報を表す音声区分スペクトル情報を出力する音声区分スペクトル出力部と、
    前記音声区分スペクトル情報を、前記騒音区分スペクトル情報に基づいて補正し、補正された音声区分スペクトル情報を表す補正区分スペクトル情報を出力する補正部とを含むことを特徴とする音響装置。
  2. 前記補正部は、
    前記音声区分スペクトル情報と、前記騒音区分スペクトル情報との差分を演算し、差分結果を表す差分情報を出力する差分演算部と、
    前記音声区分スペクトル情報と前記差分情報とが入力され、入力された前記音声区分スペクトル情報と前記差分情報とを重み付けして加算する演算部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
  3. 前記補正部は、
    臨界帯域幅毎に前記音声区分スペクトル情報を通過または遮断可能な複数の区分切換部を含む切換部と、
    前記騒音区分スペクトル情報が入力され、入力された前記騒音区分スペクトル情報に基づいて、前記切換部を制御することによって各前記区分切換部に前記音声区分スペクトル情報を通過または遮断させる切換制御部と、
    前記音声区分スペクトル情報と、切換部からの出力とが入力され、前記音声区分スペクトル情報と、切換部からの出力とを重み付けして加算する演算部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
  4. 前記補正部から出力される臨界帯域幅毎の音量情報に対して、音の大きさの等感度曲線に基づいて増大、減小および恒等の少なくともいずれか一つを行う出力変更部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
  5. 前記騒音区分スペクトル出力部は、
    騒音の臨界帯域幅毎の音量情報が記憶される騒音区分スペクトル記憶部と、
    騒音区分スペクトル記憶部から、環境に応じた騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を取得し、出力する騒音情報取出し部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
  6. 前記音声情報出力部と、前記分析部と、前記騒音区分スペクトル出力部と、前記音声区分スペクトル出力部と、前記補正部とは、自動二輪車に搭載されることを特徴とする請求項5に記載の音響装置。
  7. 前記騒音情報取出し部は、前記騒音区分スペクトル記憶部から、前記自動二輪車の走行速度に応じた騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を取得し、出力することを特徴とする請求項6に記載の音響装置。
  8. 前記騒音情報取出し部は、前記騒音区分スペクトル記憶部から、前記自動二輪車を駆動する内燃機関の出力軸の回転速度に応じて騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を選択して取得し、出力することを特徴とする請求項6に記載の音響装置。
  9. 前記騒音情報取出し部は、前記騒音区分スペクトル記憶部から、前記自動二輪車の車台および車体の少なくともいずれか一方の振動に応じて騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を選択して取得し、出力することを特徴とする請求項6に記載の音響装置。
  10. 前記自動二輪車の周囲の情報を入力する入力部をさらに含み、
    前記騒音情報取出し部は、前記入力部から入力される前記周囲の情報に応じて、前記騒音区分スペクトル記憶部から、騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を選択して取得し、出力することを特徴とする請求項6に記載の音響装置。
  11. 騒音の臨界帯域幅毎の音量情報が記憶される騒音区分スペクトル記憶部に接続可能な音響制御装置であって、
    前記騒音スペクトル記憶部から、環境に応じた騒音の臨界帯域幅毎の音量情報を表す騒音区分スペクトル情報を取得し、出力する騒音情報取出し部と、
    入力された音声情報の音響スペクトル情報を出力する分析部と、
    前記音声情報の音響スペクトル情報が入力され、入力された前記音声情報の音響スペクトル情報の臨界帯域幅毎の音量情報を表す音声区分スペクトル情報を出力する音声区分スペクトル出力部と、
    前記音声区分スペクトル情報を、前記騒音区分スペクトル情報に基づいて補正し、補正された音声区分スペクトル情報を表す補正区分スペクトル情報を出力する補正部とを備えることを特徴とする音響制御装置。
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