JP2009174699A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯車の軸方向の幅寸法を大きくせず、検出感度の高い高価なセンサを用いることなく、シフトドラムの配置の自由度に制約を与えることなく、変速機の歯車回転数を検出できる回転検出装置を備えた内燃機関を提供する。
【解決手段】クランクケースにクランクシャフトと変速機とを収容し、該変速機が、複数の変速用の歯車を有し、かつ、該変速機が、クランクシャフトの回転動力が入力される入力軸と、該入力軸から歯車を介してクランクシャフトの回転動力が伝達されると共に、該回転動力を駆動輪に伝達する出力軸とを有した内燃機関において、変速機の歯車の回転数を検出する回転検出装置401,402を備え、回転検出装置の検出部401a,402aを、入力軸28の回転に連動すると共に、軸方向での位置が固定された歯車49c,49dに対向させて配置した。
【選択図】図8

Description

本発明は、変速機の歯車回転数を検出する回転検出装置を備えた内燃機関に関する。
クランクケースの後方に、その軸上に複数の歯車(回転体)を有した変速機を設け、変速機の複数の歯車の内、軸方向に移動する歯車に対応して回転センサを設け、該回転センサで歯車の回転数を検出して、変速機の軸の回転数を検出する回転検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−87780号公報
しかし、従来の構成では、回転センサを変速機の軸方向に移動する歯車に設けているため、該歯車が移動しても歯車の回転数を検出できるように、歯車の軸方向の幅寸法を大きくするか、検出感度の高い高価なセンサを用いる等しなければならない。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、歯車の軸方向の幅寸法を大きくせず、検出感度の高い高価なセンサを用いることなく、変速機の歯車回転数を検出できる回転検出装置を備えた内燃機関を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、クランクケースにクランクシャフトと変速機とを収容し、該変速機が、複数の変速用の歯車を有し、かつ、該変速機が、クランクシャフトの回転動力が入力される入力軸と、該入力軸から歯車を介してクランクシャフトの回転動力が伝達されると共に、該回転動力を駆動輪に伝達する出力軸とを有した内燃機関において、前記変速機の歯車の回転数を検出する回転検出装置を備え、該回転検出装置の検出部を、前記入力軸の回転に連動すると共に、軸方向で位置決めされた歯車に対向させて配置したことを特徴とする。
本発明では、回転検出装置の検出部を、軸方向での位置が固定された歯車に対向配置しているため、回転検出装置の検出部と歯車との軸方向の相対位置関係が変化することがない。そのため、歯車の歯幅を大きくせずに、回転数の検出が可能となるため、変速機の軸方向で内燃機関の幅寸法の増大が抑制できる。また、入力軸の回転に連動する歯車の回転数を検出するようにしたため、入力軸の回転数を検出できる。
そのため例えばAMT(Automated Mannual Transmission)のように駆動手段により自動変速する車両においては、変速の切り替えを検出することが可能となり、自動変速の状態を精度よく把握できる。
この場合において、回転検出装置で回転数が検出される歯車は、軸方向で、前記変速機の軸の中央付近に配置された歯車であってもよい。
一般に、変速機の軸端はクランクケースに軸受け等を介して支持されているため、回転数が検出される歯車を軸端付近の歯車に設定してしまうと、回転検出装置を設けるスペースを確保するために、該軸受けを外方に寄せて配置しなければならず、その分、軸長が長くなって内燃機関が大型化する。
本構成では、回転数が検出される歯車を軸方向で変速機の軸の中央付近に配置しているため、回転検出装置が、軸受けから離れた位置に配置されることになり、軸長を長くする必要がなく、内燃機関の大型化が抑制される。
前記回転検出装置を前記クランクケースに配置してもよい。
前記回転検出装置をクランクケースに配置することで、回転センサのための別途ハウジング等を設けなくてもよい。
前記回転検出装置を前記クランクケースの後面に配置してもよい。
例えば、クランクケースの上面に回転検出装置を配置した場合、クランクケース上面に位置する排気系あるいは吸気系の部品の配置自由度に制約を与えるが、本構成では、回転検出装置をクランクケースの後面に配置したため、排気系あるいは吸気系の部品の配置自由度を向上できる。
前記回転検出装置で回転数が検出される歯車は、入力軸より後方の出力軸に設けられた歯車であって、入力軸に設けられた歯車の内、入力軸での最小径の歯車より径が大きい歯車と噛み合う歯車であってもよい。
一般に、入力軸での最小径の歯車と噛み合う出力軸上の歯車は、出力軸上にある他の歯車よりも径が大きいため、該歯車を検出すると、回転検出装置が内燃機関の後方に大きく突出して、内燃機関の前後長が長くなる。
本構成では、入力軸に設けられた歯車の内、入力軸での最小径の歯車より径が大きい歯車と噛み合う歯車に回転検出装置を設けたため、回転検出装置の内燃機関の後方への突出量を抑制でき、内燃機関の小型化を図れる。
前記入力軸が第一入力軸と第二入力軸とを有し、前記第一入力軸の軸上に第一クラッチが配置されると共に、前記第二入力軸の軸上に第二クラッチが配置され、これら一対のクラッチの動作によって、前記クランクシャフトの回転動力の前記入力軸への伝達が断接可能に構成され、前記回転検出装置が、第一入力軸の回転数と、第二入力軸の回転数とをそれぞれ検出可能に、第一入力軸の回転と連動する歯車と、第二入力軸の回転と連動する歯車とに対応して複数設けられていてもよい。
本構成は、ツインクラッチ式のクラッチ装置を搭載した車両に適用している。該車両においても、回転検出装置の検出部を、それぞれ軸方向での位置が固定された歯車に対向配置しているため、回転検出装置の検出部と歯車との軸方向の相対位置関係が変化することがない。そのため、歯車の歯幅を大きくせずに、回転数の検出が可能となるため、変速機の軸方向で内燃機関の幅寸法の増大が抑制できる。また、入力軸の回転に連動する歯車の回転数を検出するようにしたため、入力軸の回転数を検出できる。そのため、例えばAMTのように駆動手段により自動変速する車両においては、変速の切り替えを検出することが可能となり、自動変速の状態を精度よく把握できる。
また、第一入力軸の回転を検出する歯車と、第二入力軸の回転を検出する歯車とが、軸方向で隣り合う歯車であってもよい。
本構成では、入力軸の回転を検出する歯車を、軸方向で隣り合う歯車としたため、各歯車に対応した回転検出装置の配線をまとめることができ、これら回転検出装置の配線の作業性を向上できる。
本発明では、回転検出装置の検出部を、軸方向で位置決めされた歯車に対向配置しているため、回転検出装置の検出部と歯車との軸方向の相対位置関係が変化することがなく、歯車の幅を大きくせずに、回転数の検出が可能となるため、変速機の軸方向で内燃機関の幅寸法の増大が抑制できる。また、入力軸の回転に連動する歯車の回転数を検出するようにしたため、入力軸の回転数を検出できる。そのため、例えばAMTのように駆動手段により自動変速する車両においては、変速の切り替えを検出することが可能となり、自動変速の状態を精度よく把握できる。
また、回転検出装置で回転数が検出される歯車が、軸方向で、変速機の軸の中央付近に配置された歯車であれば、該歯車に対応した回転検出装置が、変速機の軸端を支持した軸受けから離れた位置に配置されることになり、変速機の軸長を長くする必要がなく、内燃機関の大型化が抑制される。
回転検出装置をクランクケースに配置すれば、該回転センサのための別途ハウジング等を設けなくてもよい。
回転検出装置をクランクケースの後面に配置すれば、クランクケース上面に回転検出装置を配置した場合と比較して、クランクケースの上面に位置する排気系あるいは吸気系の部品の配置自由度を向上できる。
回転検出装置で回転数が検出される歯車が、入力軸より後方の出力軸に設けられた歯車であって、入力軸に設けられた歯車の内、入力軸での最小径の歯車より径が大きい歯車と噛み合う歯車であれば、該歯車の径が比較的小さくなるため、回転検出装置の内燃機関の後方への突出量を抑制でき、小型化が図れる。
また、本構成を、ツインクラッチ式のクラッチ装置を搭載した車両に適用した場合であっても、上記効果と同様の効果が得られる。
この場合に、第一入力軸の回転を検出する歯車と、第二入力軸の回転を検出する歯車とが軸方向で隣り合う歯車であれば、歯車に対応した回転検出装置の配線をまとめることができ、配線の作業性が向上する。
以下、本発明の一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は自動二輪車の左側面図である。
図1において、Fは、自動二輪車1の車体フレームを示し、この車体フレームFは、前輪WFを軸支するフロントフォーク325を操向可能に支承するヘッドパイプ326と、該ヘッドパイプ326から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム327、327と、両メインフレーム327、327の後部に連設されて下方に延びる左右一対のピボットプレート328、328とを有しており、ピボットプレート328、328に前端が揺動可能に支承されるスイングアーム329の後部に後輪WRを軸支して構成される。325aは操向ハンドルである。ピボットプレート328の下部及びスイングアーム329の前部間にはリンク330が設けられ、リンク330及びピボットプレート328の上部にはクッションユニット331が設けられている。
メインフレーム327、327及びピボットプレート328、328には、パワーユニットPが懸架されている。パワーユニットPはエンジンE及び変速機Mを有し、変速機Mから出力される回転動力は前後に延びるドライブシャフト332を介して後輪WRに伝達される。エンジンEのエンジン本体333もしくは車体フレームFの左側ピボットプレート328の下部にサイドスタンド334が取付けられ、サイドスタンド334を立てて駐車したときに、自動二輪車1は左側に傾斜した状態となる。
図2はパワーユニットの左側面図、図3は同右側面図である。
図2及び図3において、エンジンEはV型の水冷式に構成されるものであり、エンジンEのエンジン本体333は、自動二輪車1への搭載状態で前方に位置する前部バンクBFと、該前部バンクBFよりも後方に位置する後部バンクBRとを有し、両バンクBF、BRに共通なクランクケース335には、自動二輪車1の左右方向に沿うクランクシャフト336が回転自在に支承されている。クランクケース335は、上部ケース半体335a及び下部ケース半体335bを結合して構成され、前部及び後部シリンダブロックBF、BRが、V字形をなすようにして、上部ケース半体335aに一体に形成されている。クランクシャフト336の軸線は、上部ケース半体335a及び下部ケース半体335bの結合面337上に配置されている。
前部バンクBFは、前部シリンダブロック338Fと、前部シリンダブロック338Fに結合される前部シリンダヘッド339Fと、前部シリンダヘッド339Fに結合される前部ヘッドカバー340Fとで構成され、後部バンクBRは、同じく後部シリンダブロック338Rと、後部シリンダブロック338Rに結合される後部シリンダヘッド339Rと、後部シリンダヘッド339Rに結合される後部ヘッドカバー340Rとで構成され、前記クランクケース335の下部にはオイルパン341が結合されている。前部シリンダブロック339Fには、クランクシャフト336の軸線方向に並ぶ2つのシリンダボア342、342が形成されており、前部シリンダブロック339Fは、エンジン本体333の車体フレームFへの懸架状態でシリンダボア342、342軸線を前上がりに傾斜させるようにしてクランクケース335に結合されている。
後部シリンダブロック339Rには、クランクシャフト336の軸線方向に並ぶ2つのシリンダボア342、342が形成されており、後部シリンダブロック339Rは、エンジン本体333の車体フレームFへの懸架状態で各シリンダボア342、342の軸線を後上がりに傾斜させるようにしてクランクケース335に結合されている。クランクシャフト336には、V字形をなすようにして、ピストン343、343…が共通に連接され、前方に傾斜するピストン343、343は前部バンクBFの両シリンダボア342、342にそれぞれ摺動可能に嵌合され、後方に傾斜するピストン343、343は後部バンクBRの両シリンダボア342、342にそれぞれ摺動可能に嵌合されている。
図4は図2の4-4線断面図、図5は図4の5-5線断面図である。図4及び図5において、前部シリンダヘッド340Fには、シリンダボア342、342毎に一対ずつの吸気弁344、344及び排気弁345、345が設けられている。吸気弁344、344は一対ずつの弁ばね346、346で閉弁方向に付勢されて開閉作動可能に配設され、排気弁345、345は弁ばね347、347で閉弁方向に付勢されて開閉作動可能に配設されている。これら吸気弁344、344及び排気弁345、345は、ユニカム方式による前部バンク側動弁装置348Fによって開閉駆動される。
ユニカム方式による前部バンク側動弁装置348Fは、図4に示すように、クランクシャフト336と平行な軸線を有し、前部シリンダヘッド339Fに回転自在に支承されるカムシャフト349を備えている。カムシャフト349は、図5に示すように、吸気弁344、344の上方に配置されており、カムシャフト349には複数(この実施例では4つ)の吸気側カム350、350が配置されている。吸気側カム350、350には吸気側バルブリフタ351、351が当接し、吸気側バルブリフタ351、351は吸気弁344、344の端部に設けられ、前部シリンダヘッド339Fに摺動可能に嵌合されている。
カムシャフト349には吸気側カム350、350と並列に、軸方向にずらして、複数(この実施例では4つ)の排気側カム352、352が配置されている。排気側カム352、352にはローラ353、353が転がり接触し、ローラ353、353はロッカアーム355、355の一端に回転自在に軸支される。ロッカアーム355、355はロッカシャフト356で揺動可能に支承され、ロッカシャフト356はカムシャフト349と平行な軸線を有して前部シリンダヘッド339Fに固定配置されている。ロッカアーム355、355の他端にはタペットねじ354、354が進退位置を調節可能として固定され、タペットねじ354、354は排気弁345、345のステム345a、345aの上端に当接している。
カムシャフト349の右側端部には被動スプロケット396が設けられ、被動スプロケット396には無端状のカムチェーン397が巻き掛けられ、カムチェーン397はクランクシャフト336の右側端部の駆動スプロケット393に巻き掛けられている。これらはカムチェーン室100に収容される。
クランクシャフト336の右側端部には駆動スプロケット393と並列に駆動スプロケット394が固定されている。駆動スプロケット394は、後部バンク側調時伝動機構398の一部を構成するものであり、後述する後部バンク側動弁装置348Rにおける吸気側及び排気側カムシャフト357、358(図6参照)にクランクシャフト336の回転動力を1/2の減速比で伝達する。駆動スプロケット394には無端状のカムチェーン399が巻き掛けられ、該カムチェーン399は吸気側及び排気側カムシャフト57、58にそれぞれ設けられる被動スプロケット(図示せず)に巻き掛けられる。
クランクシャフト336の右側端部には一次減速装置101が配置される。一次減速装置101は、駆動スプロケット394よりも外方でクランクシャフト336に設けられるプライマリドライブギヤ58aを有し、プライマリドライブギヤ58aは、後述するプライマリドリブンギヤ58(図8参照)に噛み合う。
クランクシャフト336の左側端部には発電機384が連結されている。発電機384は、クランクシャフト336に固定されるロータ385と、ロータ385内に固定配置されるステータ386とで構成され、発電機カバー387の内側の発電機収容室388に収容されている。ステータ386は発電機カバー387に固定される。ロータ386には一方向クラッチ389が連結され、一方向クラッチ389には歯車390が連結され、歯車390には図示しない始動モータが連結されている。
図6は後部バンク側の図5に対応した断面図である。
図6において、後部シリンダヘッド339Rには、シリンダボア342、342毎に一対ずつの吸気弁371、371及び排気弁372、372が設けられている。吸気弁371、371は一対ずつの弁ばね381、381で閉弁方向に付勢されて開閉作動可能に配設されるとともに、排気弁372、372は一対ずつの弁ばね382、382で閉弁方向に付勢されて開閉作動可能に配設されている。これら吸気弁371、371及び排気弁372、372は後部バンク側動弁装置348Rによって開閉駆動される。
後部バンク側動弁装置348Rはツインカム方式によるものであり、クランクシャフト336と平行な軸線を有して後部シリンダヘッド339Rに回転自在に支承される吸気側カムシャフト357及び排気側カムシャフト358を備えている。
吸気側カムシャフト357は吸気弁371、371の上方に配置され、排気側カムシャフト358は排気弁372、372の上方に配置され、各シャフト357、358には複数(この実施例では4つ)の吸気側カム359及び複数(この実施例では4つ)の排気側カム361がそれぞれ配置されている。吸気側カム359には吸気側バルブリフタ360が当接し、吸気側バルブリフタ360は吸気弁371の端部に設けられ、後部シリンダヘッド339Rに摺動可能に嵌合されている。排気側カム361には排気側バルブリフタ362が当接し、排気側バルブリフタ362は排気弁372の端部に設けられており、後部シリンダヘッド339Rに摺動可能に嵌合されている。また、後部バンク側動弁装置348Rには、2気筒の吸気弁371、371の作動態様を、開閉作動状態及び閉弁休止状態に切換可能とした吸気側弁作動態様変更機構363と、2気筒の排気弁372、372の作動態様を、開閉作動状態及び閉弁休止状態に切換可能とした排気側弁作動態様変更機構364とが付設されている。なお、吸気側カムシャフト357及び排気側カムシャフト358は、図4と同様に無端状のカムチェーン(図示せず)で駆動される。
次に、変速機Mを説明する。変速機Mは、図7に示すように、ツインクラッチ式変速機であり、自動二輪車1には、エンジンEに連設されるツインクラッチ式変速機23と、チェンジ機構24に駆動機構39を設けてなるギヤシフト装置41と、ツインクラッチ式変速機23及びギヤシフト装置41を作動制御する電子コントロールユニット(ECU)42とを主にツインクラッチ式変速制御装置が構成されている。
図8を併せて参照し、ツインクラッチ式変速機23は、内外シャフト43、44からなる二重構造のメインシャフト28と、該メインシャフト28と平行に配置されるカウンタシャフト29と、メインシャフト28及びカウンタシャフト29に跨って配置される変速ギヤ群45と、メインシャフト28の右端部に同軸配置されるツインクラッチ26と、該ツインクラッチ26に作動用油圧を供給する油圧供給装置46とを有してなる。以下、メインシャフト28、カウンタシャフト29及び変速ギヤ群45からなる集合体をトランスミッション47とする。
メインシャフト28は、図8に示すように、クランクケース335の一部を構成するミッションケース22の左右に渡る内シャフト43の右側部を外シャフト44内に相対回転可能に挿通してなる。該内シャフト43はベアリングを介して外シャフト44に回転可能に支持される。内外シャフト43、44の外周には、変速ギヤ群45における六速分の駆動ギヤ48a〜48fが振り分けて配置される。一方、カウンタシャフト29の外周には、変速ギヤ群45における六速分の従動ギヤ49a〜49fが配置される。各駆動ギヤ48a〜48f及び従動ギヤ49a〜49fは、対応する変速段同士で互いに噛み合い、それぞれ各変速段に対応する変速ギヤ対45a〜45fを構成する。なお、各変速ギヤ対45a〜45fは、一速から六速の順に減速比が小さくなる(高速ギヤとなる)。
内シャフト43の左端部はミッションケース22の左側壁22aに至り、該左側壁22aにボールベアリング73を介して回転可能に支持されている。一方、内シャフト43の右側部は、ミッションケース22の右側壁22bを貫通してクラッチ収納室25内に臨み、該内シャフト43の左右中間部が、同じく右側壁22bを貫通する外シャフト44の左右中間部及びボールベアリング77を介して、ミッションケース22の右側壁22bに回転可能に支持されている。
外シャフト44は内シャフト43よりも短く、その左端部はミッションケース22の左右中間部で終端する。外シャフト44における前記右側壁22bよりも左方に位置する部位には、変速ギヤ群45における偶数変速段(二、四、六速)に対応する駆動ギヤ48b、48d、48fが、左側から四速用、六速用、二速用の順に支持される。一方、内シャフト43における外シャフト44の左端部よりも左方に位置する部位には、変速ギヤ群45における奇数変速段(一、三、五速)に対応する駆動ギヤ48a、48c、48eが、左側から一側用、五速用、三速用の順に支持される。
カウンタシャフト29の左右端部は、ミッションケース22の左右側壁22a、22bにそれぞれボールベアリング82、86を介して回転可能に支持される。
カウンタシャフト29の左端部は左側壁22aの左方に突出し、該左端部には駆動傘歯車114が固定され、該駆動傘歯車114には、自動二輪車1の前後方向に延びる回転軸線を有する被動傘歯車115が噛合される。駆動傘歯車114及び被動傘歯車115は、第1歯車カバー116の内側の歯車室118内で相互に噛合し、該第1歯車カバー116には第2歯車カバー117がボルトで着脱可能に結合される。被動傘歯車115には支持軸121の一端が嵌合し、該支持軸121の他端はローラベアリング122を介して第1歯車カバー116のボス内に回転自在に支承される。また、被動傘歯車115は同軸上に軸部115aを備え、該軸部115aはボールベアリング119を介して第2歯車カバー117に回転自在に支持され、第2歯車カバー117を貫通し、上記ドライブシャフト332(図1参照)に連結される。上記第1歯車カバー116には被動傘歯車115に対向して車速センサ405が設けられ、車速センサ405は被動傘歯車115の回転数を検出することによって車速を求める。
カウンタシャフト29におけるミッションケース22の内側に位置する部位には、変速ギヤ群45における各変速段に対応する従動ギヤ49a〜49fが、各駆動ギヤ48a〜48fと同様の順に支持される。
メインシャフト28(内シャフト43)及びカウンタシャフト29の内部には、エンジンE内各部へのオイル圧送用のメインオイルポンプ(不図示)からの油圧を供給可能な主供給油路71、72がそれぞれ形成され、該各主供給油路71、72を介して変速ギヤ群45に適宜エンジンオイルが供給される。
メインシャフト28の右端部には、ツインクラッチ26が同軸配置されている。ツインクラッチ26は、互いに同軸に隣接配置される油圧式の第一及び第二ディスククラッチ(以下、単にクラッチということがある)51a、51bを有してなり、これら各クラッチ51a、51bに内外シャフト43、44が同軸に連結される。各クラッチ51a、51bが共有するクラッチアウタ56には、クランクシャフト336のプライマリドライブギヤ58aに噛み合うプライマリドリブンギヤ58が同軸に設けられ、これら各ギヤ58、58aを介して、クラッチアウタ56にクランクシャフト336からの回転駆動力が入力される。クラッチアウタ56に入力された回転動力は、各クラッチ51a、51bの断続状態に応じて内外シャフト43、44に個別に伝達される。
各クラッチ51a、51bの断続状態は、詳細を後述するが、油圧供給装置46からの油圧供給の有無により個別に制御される。
そして、各クラッチ51a、51bの一方を接続状態とすると共に他方を切断状態とし、内外シャフト43、44の一方に連結された何れかの変速ギヤ対を用いてトランスミッション47内の動力伝達を行うと共に、内外シャフト43、44の他方に連結された変速ギヤ対の中から次に用いるものを予め選定し、この状態から各クラッチ51a、51bにおいて接続状態のクラッチを切断状態とし、切断状態のクラッチを接続状態とすることで、トランスミッション47の動力伝達が予め選定した変速ギヤ対を用いたものに切り替わり、もってトランスミッション47のシフトアップ又はシフトダウンがなされる。
図7に示すように、油圧供給装置46は、ツインクラッチ26用の油圧発生源であるクラッチ用オイルポンプ32と、該クラッチ用オイルポンプ32の吐出口から延びる送給油路35と、該送給油路35の下流側に接続される第一及び第二クラッチアクチュエータ91a、91bと、該各クラッチアクチュエータ91a、91bから各クラッチ51a、51bの接続側油圧室54a、54b(図8参照)に至る第一及び第二供給油路92a、92bとを有してなる。
クラッチ用オイルポンプ32は、メインオイルポンプとは別個に設けられ、クランクケース14下のオイルパン36内のエンジンオイルを吸入して送給油路35内に吐出する。送給油路35には該油路専用のオイルフィルタ89が設けられる。なお、図中符号S6、S7は送給油路35内の油圧及び油温を検出する油圧センサ及び油温センサを、符号Rは送給油路35内の油圧の上昇を制御するリリーフバルブを、符号S8、S9は各供給油路92a、92b内の油圧即ち各クラッチ51a、51bへの供給油圧を検出する油圧センサをそれぞれ示す。
送給油路35と第一及び第二供給油路92a、92bとは、各クラッチアクチュエータ91a、91bの作動により個別に連通可能であり、送給油路35と第一供給油路92aとが第一クラッチアクチュエータ91aを介して連通した際には、クラッチ用オイルポンプ32からの比較的高圧の油圧が第一供給油路92aを介して第二クラッチ51bの接続側油圧室54bに供給されて該第二クラッチ51bが接続状態となる。一方、送給油路35と第二供給油路92bとが第二クラッチアクチュエータ91bを介して連通した際には、クラッチ用オイルポンプ32からの油圧が第二供給油路92bを介して第一クラッチ51aの接続側油圧室54aに供給されて該第一クラッチ51aが接続状態となる。
送給油路35からは油圧逃がしバルブ95を有する油圧逃がし油路96が分岐する。油圧逃がしバルブ95はバルブアクチュエータ95aにより作動し、油圧逃がし油路96の開通、遮断を切り替える。バルブアクチュエータ95aは電子コントロールユニット42により作動制御され、例えばエンジン始動時には油圧逃がし油路96を開通してクラッチ用オイルポンプ32からのフィード油圧をオイルパン36に戻し、エンジン始動後には油圧逃がし油路96を遮断してツインクラッチ26にフィード油圧を供給可能とする。なお、各クラッチアクチュエータ91a、91bには、送給油路35と第一及び第二供給油路92a、92bとの連通を遮断した際にクラッチ用オイルポンプ32からの油圧をオイルパン内に戻す戻し油路93a、93bが設けられる。
図7及び図10に示すように、ギヤシフト装置41を構成するチェンジ機構24は、各シャフト28、29と平行に配置されたシフトドラム24aの回転により複数(この実施例では四つ)のシフトフォーク24bを軸方向で移動させ、メインシャフト28及びカウンタシャフト29間の動力伝達に用いる変速ギヤ対(変速段)を切り替える。
各シフトフォーク24bは、メインシャフト28側に延びるものとカウンタシャフト29側に延びるものとがあり、これらの基端側が一対のシフトフォークロッド24cにそれぞれ軸方向で移動可能に支持される。各シフトフォーク24bの基端側には、シフトドラム24a外周の複数のカム溝24dの何れかに係合する摺動突部24eがそれぞれ設けられる。各シフトフォーク24bは、メインシャフト28側及びカウンタシャフト29側においてその先端部を変速ギヤ群45における後述のスライドギヤに係合させる。そして、シフトドラム24aの回転時には、各カム溝24dのパターンに沿って各シフトフォーク24bを軸方向で移動させ、前記スライドギヤを軸方向で移動させてトランスミッション47の変速段を変化させる。
シフトドラム24aの一端側には駆動機構39が設けられる。駆動機構39は、チェンジ機構24のシフトドラム24aに同軸固定されるピンギヤ39aと、該ピンギヤ39aに係合するウォーム状のバレルカム39bと、該バレルカム39bに回転駆動力を付与する電気モータ39cとを有してなり、電気モータ39cの駆動によりシフトドラム24aを適宜回転させてトランスミッション47の変速段を変化させる。
電気モータ39cは、クランクケース335の側面に取付けられ、この実施例ではエンジン本体333の車体フレームFへの搭載状態でクランクケース335の左右何れかの側面、例えば左側の側面に取付けられ、発電機カバー81の後方に配置される。
なお、図7中符号S1はトランスミッション47の変速段検知用に駆動機構39の作動量を検出するセンサを、符号DSはシフトドラム24aの実際の回転角度を検出する回転角度センサをそれぞれ示す。
図11に示すように、クランクケース335にはケース部材188が締結されており、ケース部材188には電気モータ39cが固定されている。該電気モータ39cのモータ軸190には駆動歯車192が形成され、駆動歯車192には第1中間歯車193が噛み合う。第1中間歯車193は回転軸196に支持され、回転軸196には並列に第2中間歯車194が支持され、第2中間歯車194は被動歯車195に噛み合っている。被動歯車195はバレルカム39bに固定され、電気モータ39cの駆動力により上記一群の歯車列の動作に従い、バレルカム39bが回転駆動される。バレルカム39bの外周には螺旋状のカム溝197が設けられ、カム溝197には上記ピンギヤ39aに固定した係合ピン198が噛み合う。係合ピン198は複数本あり、バレルカム39bの回転に応じて複数の係合ピン198、198…が順次カム溝197に係合して送られることにより、ピンギヤ39aに回転動力が伝達される。
図8に示すように、トランスミッション47は、各変速段に対応する駆動ギヤ48a〜48fと従動ギヤ49a〜49fとが常に噛み合った常時噛み合い式とされる。各ギヤは、その支持軸(各シャフト28、29)に対して一体回転可能な固定ギヤと、支持軸に対して相対回転可能かつ軸方向で移動不能なフリーギヤと、シャフトに対して一体回転可能かつ軸方向で移動可能なスライドギヤとに大別される。
具体的には、駆動ギヤ48a、48bは固定ギヤとされ、駆動ギヤ48c、48dはスライドギヤとされ、駆動ギヤ48e、48fはフリーギヤとされる。また、従動ギヤ49a〜49dはフリーギヤとされ、従動ギヤ49e、49fはスライドギヤとされる。以下、各ギヤ48c、48d、49e、49fをスライドギヤ、各ギヤ48e、48f、49a〜49dをフリーギヤという。そして、前記チェンジ機構24により任意のスライドギヤを適宜スライド(軸方向で移動)させることで、何れかの変速段に応じた変速ギヤ対を用いた動力伝達が可能となる。
スライドギヤ48c、48dの一側には、これらと同様に支持軸に対して一体回転可能かつ軸方向で移動可能なスライドリングSc、Sdがそれぞれ一体に設けられる。各スライドリングSc、Sdは、フリーギヤ48e、48fにそれぞれ軸方向で隣接して設けられる。各スライドリングSc、Sdには、それぞれスライド側ドッグ(ダボ)D1c、D1dが設けられ、各フリーギヤ48e、48fには、それぞれ各スライド側ドッグD1c、D1dに対応するフリー側ドッグ(ダボ)D1e、D1fが設けられる。
また、スライドギヤ49e、49fの一側には、これらと同様に支持軸に対して一体回転可能かつ軸方向で移動可能なスライドリングSe、Sfが一体に設けられる。各スライドリングSe、Sfは、フリーギヤ49c、49dにそれぞれ軸方向で隣接して設けられる。各スライドリングSe、Sfには、それぞれスライド側ドッグ(ダボ)D2e、D2fが設けられ、各フリーギヤ49c、49dには、それぞれ各スライド側ドッグD2e、D2fに対応するフリー側ドッグ(ダボ)D2c、D2dが設けられる。
さらに、各スライドギヤ49e、49fの他側には、それぞれスライド側ドッグ(ダボ)D3e、D3fが設けられ、これらに軸方向で隣接するフリーギヤ49a、49bには、それぞれ各スライド側ドッグD3e、D3fに対応するフリー側ドッグ(ダボ)D3a、D3bが設けられる。
各スライド側ドッグ及びフリー側ドッグは、対応するスライドギヤ(スライドリング含む)及びフリーギヤ同士が近接した際に互いに相対回転不能に係合し、前記スライドギヤ及びフリーギヤ同士が離間した際に前記係合を解除する。そして、各ドッグを介して各スライドギヤの何れかと対応するフリーギヤとが相対回転不能に係合することで、メインシャフト28及びカウンタシャフト29間で何れかの変速ギヤ対を選択的に用いた動力伝達が可能となる。なお、各スライドギヤ及びフリーギヤ間の係合が全て解除された状態(図4に示す状態)では、両シャフト28、29間の動力伝達が不能となり、この状態がトランスミッション47のニュートラル状態となる。
図7に示すように、電子コントロールユニット42は、前記各センサからの情報の他に、スロットルボディ16のスロットルバルブの開度センサTS、サイドスタンド334(又はセンタスタンド)の格納センサ(スイッチ)SS、及び前輪2の車輪速センサWS、並びに例えば操向ハンドル4aに設けたモードスイッチSW1、ギヤセレクトスイッチSW2、ニュートラルドライブ切り替えスイッチSW3等からの情報に基づき、ツインクラッチ式変速機23及びギヤシフト装置41の作動を制御してトランスミッション47の変速段(シフトポジション)を変化させる。
上記モードスイッチSW1により選択される変速モードは、車速(車輪速)及びエンジン回転数等の車両情報に基づきトランスミッション47の変速段を自動で切り替えるフルオートマチックモードと、運転者の意志に基づき前記セレクトスイッチSW2の操作のみでトランスミッション47の変速段を切り替え可能とするセミオートマチックモードとがある。現在の変速モード及び変速段は、例えば操向ハンドル325a近傍に設けたメータ装置Mに表示される。また、ニュートラルドライブスイッチSW3の操作により、トランスミッション47を所定の変速段で動力伝達が可能な状態とニュートラル状態との問で切り替え可能である。なお、図7中で符号S3は、エンジン回転数(クランクシャフト336の回転数)検知用にプライマリドライブギヤ58aの回転数を検出する回転数センサを示す。電子コントロールユニット42は、燃料噴射装置用のECU42aと各センサからの情報を共有する。
図9に示すように、ツインクラッチ26は、奇数変速段用の変速ギヤ対に連結される第一クラッチ51aをクラッチ収納室25内の右側(車幅方向外側)に、偶数変速段用の変速ギヤ対に連結される第二クラッチ51bをクラッチ収納室25内の左側(車幅方向内側)にそれぞれ配置してなる。各クラッチ51a、51bは、その軸方向で交互に重なる複数のクラッチ板(各クラッチディスク61a、61b及び各クラッチプレート66a、66b)を有する湿式多板クラッチとされる。
各クラッチ51a、51bは、外部からの供給油圧によりプレッシャプレート52a、52bを軸方向で変位させて所定の係合力を得る油圧式とされ、前記プレッシャプレート52a、52bをクラッチ切断側に付勢する戻しスプリング53a、53bと、プレッシャプレート52a、52bにクラッチ接続側への押圧力を付与する接続側油圧室54a、54bと、プレッシャプレート52a、52bにクラッチ切断側への押圧力を付与してその戻り動作を補助する切断側油圧室55a、55bとをそれぞれ有する。切断側油圧室55a、55bには、前記メインオイルポンプからの比較的低圧な油圧が常時供給され、接続側油圧室54a、54bには、油圧供給装置46(クラッチ用オイルポンプ32)からの比較的高圧な油圧が選択的かつ個別に供給される。
各クラッチ51a、51bは、単一のクラッチアウタ56を共有して略同一径に構成される。クラッチアウタ56は右方に解放する有底円筒状をなし、その底部中央部が外シャフト44の左右中間部に相対回転可能に支持される。クラッチアウタ56の右内側には第一クラッチ51a用のクラッチセンタ57aが配置され、クラッチアウタ56の左内側には第二クラッチ51b用のクラッチセンタ57bが配置される。クラッチセンタ57aは内シャフト43の右端部に一体回転可能に支持され、クラッチセンタ57bは外シャフト44の右端部に一体回転可能に支持される。
クラッチアウタ56の底部左側には、スプリングダンパー59を介してプライマリドリブンギヤ58が取付けられ、該プライマリドリブンギヤ58には、クランクシャフト336のプライマリドライブギヤ58aが噛み合う。
即ち、クラッチアウタ56には、クランクシャフト336の回転動力がスプリングダンパー59を介して入力される。クラッチアウタ56は、クランクシャフト336の回転に伴いメインシャフト28とは個別に回転する。
クラッチアウタ56におけるプライマリドリブンギヤ58よりも左側には、各オイルポンプ駆動用のドライブスプロケット56bが一体回転可能に設けられる。
クラッチアウタ56の右内周には第一クラッチ51a用の複数のクラッチプレート61aが一体回転可能に支持され、クラッチアウタ56の左内周には第二クラッチ51b用の複数のクラッチプレート61bが一体回転可能に支持される。クラッチアウタ56の外周には軸方向に沿う複数の係合溝が形成されると共に、各クラッチプレート61a、61bの外周には各係合溝に対応する複数の係合突部が形成され、各係合溝に各係合突部が相対回転不能に係合することで、各クラッチプレート61a、61bがクラッチアウタ56に一体回転可能に支持される。
第一クラッチ51aのクラッチセンタ57a左側のフランジ部64aには、右方に向けて起立する内壁部65aが設けられ、該内壁部65aの外周には複数のクラッチディスク(フリクションプレート)66aが一体回転可能に支持される。クラッチセンタ57aの内壁部65aの外周には軸方向に沿う複数の係合溝が形成されると共に、各クラッチティスク66aの内周には前記係合溝に対応する複数の係合突部が形成され、前記各係合溝に前記各係合突部が相対回転不能に係合することで、各クラッチディスク66aがクラッチセンタ57aに一体回転可能に支持される。
フランジ部64aの右方にはプレッシャプレート52aが対向配置され、プレッシャプレート52aの外周側とフランジ部64aの外周側との間には、各クラッチプレート61a及び各クラッチディスク66aが、軸方向で交互に重なった積層状態で配置される。
プレッシャプレート52aの内周側とフランジ部64aの内周側との間には、切断側油圧室55aが形成されると共に、プレッシャプレート52aを右方(フランジ部64aから離間する側、クラッチ切断側)に付勢する戻しスプリング53aが配置される。プレッシャプレート52aの内周側の右方には、クラッチセンタ57a右側の中央筒部62aの外周に設けられたサポートフランジ部67aが対向配置され、このサポートフランジ部67aとプレッシャプレート52aの内周側との間に、接続側油圧室54aが形成される。
一方、第二クラッチ51bのクラッチセンタ57b左側のフランジ部64bには、右方に向けて起立する内壁部65bが設けられ、該内壁部65bの外周には複数のクラッチディスク66bが一体回転可能に支持される。クラッチセンタ57bの内壁部65aの外周には軸方向に沿う複数の係合溝が形成されると共に、各クラッチディスク66bの内周には係合溝に対応する複数の係合突部が形成され、各係合溝に各係合突部が相対回転不能に係合することで、各クラッチディスク66bがクラッチセンタ57bに一体回転可能に支持される。
フランジ部64bの右方にはプレッシャプレート52bが対向配置され、プレッシャプレート52bの外周側とフランジ部64bの外周側との間には、各クラッチプレート61b及び各クラッチディスク66bが、軸方向で交互に重なった積層状態で配置される。
プレッシャプレート52bの内周側とフランジ部64bの内周側との間には、切断側油圧室55bが形成されると共に、プレッシャプレート52bを右方(フランジ部64bから離間する側、クラッチ切断側)に付勢する戻しスプリング53bが配置される。プレッシャプレート52bの内周側の右方には、クラッチセンタ57b右側の中央筒部62bの外周に設けられたサポートフランジ部67bが対向配置され、このサポートフランジ部67bとプレッシャプレート52bの内周側との間に、接続側油圧室54bが形成される。
クラッチ収納室25の右側を構成するクラッチカバー69には、第一供給油路92a、第二供給油路92b、及び第三供給油路92cがそれぞれ設けられる。また、内シャフト43の右中空部43a内には、各油路92a、92b、92cと個別に連通する油路が適宜形成される。
そして、第一供給油路92a等を通じてクラッチ用オイルポンプ32からの油圧が第二クラッチ51bの接続側油圧室54bに供給可能となり、第三供給油路92c等を通じてメインオイルポンプからの油圧が第一クラッチ51aの切断側油圧室55aに供給可能となり、第二供給油路92b等を通じてクラッチ用オイルポンプ32からの油圧が第一クラッチ51aの接続側油圧室54aに供給可能となる。なお、第二クラッチ51bの切断側油圧室55bには、第三供給油路92c等を通じてメインオイルポンプからの油圧が供給可能となる。
各クラッチ51a、51bは、エンジン停止状態(各オイルポンプの停止状態)では、各戻しスプリング53a、53bの付勢力によりプレッシャプレート52a、52bが右方に変位し、各クラッチプレート61a、61b及び各クラッチディスク66a、66bの摩擦係合が解除されたクラッチ切断状態となる。また、エンジン運転状態であっても油圧供給装置46からの油圧供給が停止した状態では、プレッシャプレート52a、52bに戻しスプリング53a、53bの付勢力及び各切断側油圧室55a、55bの油圧が作用し、上記同様にクラッチ切断状態となる。
一方、第一クラッチ51aにおいて、エンジン運転状態かつ油圧供給装置46から接続側油圧室54aに比較的高圧の油圧が供給される状態では、切断側油圧室55aの油圧及び戻しスプリング53aの付勢力に抗してプレッシャプレート52aが左方(フランジ部64a側、クラッチ接続側)に移動し、各クラッチプレート61a及び各クラッチディスク66aが挟圧されてこれらが摩擦係合することで、クラッチアウタ56とクラッチセンタ57aとの間でのトルク伝達が可能となったクラッチ接続状態となる。
同様に、第二クラッチ51bにおいて、エンジン運転状態かつ油圧供給装置46から接続側油圧室54bに比較的高圧の油圧が供給される状態では、切断側油圧室55bの油圧及び戻しスプリング53bの付勢力に抗してプレッシャプレート52bが左方(フランジ部64b側、クラッチ接続側)に移動し、各クラッチプレート61b及び各クラッチディスク66bが挟圧されてこれらが摩擦係合することで、クラッチアウタ56とクラッチセンタ57bとの間でのトルク伝達が可能となったクラッチ接続状態となる。
なお、各クラッチ51a、51bのクラッチ接続状態から接続側油圧室54a、54bへの油圧供給が停止すると、切断側油圧室55a、55bの油圧及び戻しスプリング53a、53bの付勢力によりプレッシャプレート52a、52bが左方に変位し、各クラッチプレート61a、61b及び各クラッチディスク66a、66bの摩擦係合が解除され、クラッチアウタ56とクラッチセンタ57a、57bとの間のトルク伝達が不能となったクラッチ切断状態となる。
各クラッチ51a、51bの切断側油圧室55a、55bに供給されたエンジンオイルは、内壁部65a、65b等に適宜形成された油路を介して油圧室外に導かれ、内壁部65a、65b外周の各クラッチプレート61a、61b及び各クラッチディスク66a、66bに適宜供給される。このように切断側油圧室55a、55b内の作動油を逃がすことで、切断側油圧室55a、55b内の油圧を所定の低圧状態に保ち、かつ切断状態にある各クラッチ51a、51bにおける各クラッチプレート61a、61b及び各クラッチディスク66a、66bの潤滑性及び冷却性を向上させる。
上記ツインクラッチ式変速機23において、自動二輪車1のエンジン始動後であっても、サイドスタンドが起立している等により停車状態であると判断される場合には、各クラッチ51a、51bの両者がクラッチ切断状態に保たれる。そして、例えばサイドスタンドが格納され、あるいは各スイッチSW1、SW2、SW3が操作された場合に、自動二輪車1の発進準備としてトランスミッション47がニュートラル状態から一速ギヤ(発進ギヤ、変速ギヤ対45a)を用いての動力伝達を可能とした一速状態となり、この状態から例えばエンジン回転数が上昇することで、第一クラッチ51aが半クラッチを経てクラッチ接続状態となって自動二輪車1を発進させる。
自動二輪車1の走行時には、各クラッチ51a、51bにおける現在のシフトポジションに対応する一方のみが接続状態となり、他方は切断状態のままとなる。これにより、内外シャフト43、44の一方及び各変速ギヤ対45a〜45fの何れかを介しての動力伝達が行われる。このとき、シフトチェンジする際は、車両情報に基づき電子コントロールユニット42が、次のシフトポジションに対応する変速ギヤ対を用いての動力伝達が可能な状態を予め作り出すと共に、ツインクラッチ式変速機23の作動を制御する。
具体的には、現在のシフトポジション(変速段)が例えば奇数段(又は偶数段)であれば、次のシフトポジションは偶数段(又は奇数段)となるので、偶数段(又は奇数段)の変速ギヤ対を用いての動力伝達が可能な状態を予め作り出す。このとき、第一クラッチ51aは接続状態だが第二クラッチ51b(又は第一クラッチ51a)は切断状態にあり、外シャフト44(又は内シャフト43)及び偶数段(又は奇数段)の変速ギヤ対にはエンジン出力(クランクシャフト336の回転動力)が伝達されない。その後、電子コントロールユニット42がシフトタイミングに達したと判断した際には、第一クラッチ51a(又は第二クラッチ51b)を切断状態とすると共に第二クラッチ51b(又は第一クラッチ51a)を接続状態とすることのみで、予め選定した次のシフトポジションに対応する変速ギヤ対を用いた動力伝達に切り替わる。これにより、変速時のタイムラグや動力伝達の途切れを生じさせない迅速かつスムーズな変速が可能となる。
さて、本実施の形態では、図8に示すように、ミッションケース22の後面(クランクケースの後面に相当する)22cに、回転センサ401、402が、その検出部401a、402aをフリーギヤ(従動ギヤ)49c、49dの歯先に対向させるようにして取付けられている。フリーギヤ49c、49dはカウンタシャフト29の中央付近に隣り合って配置され、軸方向の位置が固定されている。フリーギヤ49c、49dは、メインシャフト28より後方のカウンタシャフト29に設けられ、メインシャフト28に設けられた駆動ギヤ48a〜48fの内、最小径の駆動ギヤ48aより径が大きい駆動ギヤ48c、48dと噛み合っている。また、上述したように、メインシャフト28は内外シャフト43、44からなる二重構造であり、一方の回転センサ401は、内シャフト43に設けられた駆動ギヤ48cと噛み合うフリーギヤ49cの歯先に対向し、他方の回転センサ402は、外シャフト44に設けられた駆動ギヤ48dと噛み合うフリーギヤ49dの歯先に対向して配置されている。
上記回転センサ401、402はメインシャフト28の回転に連動するカウンタシャフト29に設けたフリーギヤ49c、49dの回転数を検出するため、メインシャフト28の回転数を検出できる。そして、メインシャフト28の回転数が検出されるため、これを利用し、自動変速する車両において、変速の切り替えを精度よく検出でき、自動変速の状態が精度よく把握できる。
図12Aは一速(奇数段)から二速(偶数段)への自動変速時の内シャフト43及び外シャフト44の回転数の変化を示す。シャフト43、44の回転数は回転センサ(401又は402)でフリーギヤ(49c又は49d)の回転数を検出することで求まる。
一速では、図8を参照し、シフトフォーク24bの動作により、カウンタシャフト29の従動ギヤ49eを図中で左方に移動し、スライド側ドッグD3eをフリー側ドッグD3aに嵌合した状態で、第一クラッチ51aを接続し、第二クラッチ51bを、クラッチアウタの回転に外シャフトが連れ回されるように、この連れ回りに少なくとも最低限必要な油圧を掛けて接続する。ただし外シャフト44の変速ギヤ対は動力伝達不能な状態とし、完全なニュートラル状態とする。即ち、本制御によれば、内シャフト43も外シャフト44も略同一の回転数で回転するが、動力伝達は専ら内シャフト43が司り、外シャフト44は単に連れ回る状態になる(図12AのL5の状態)。これによれば、第一クラッチ51a、内シャフト43、及び一速の変速ギヤ対45aを介してカウンタシャフト29に一速の動力伝達が行われる。
次いで、電子コントロールユニット42がシフトタイミングに達したと判断した際には一速から二速への自動変速が行われる。この場合には、二速の準備として、第二クラッチ51bに掛けられている上記連れ回りに必要な油圧の第二クラッチ51bへの供給を停止した後、シフトフォーク24bの動作により、カウンタシャフト29のスライドギヤ49fを図8中で右方に移動し、スライド側ドッグD3fをフリーギヤ49bのフリー側ドッグD3bに嵌合し、二速の変速ギヤ対45bを確立する。この変速ギヤ対45bが確立すると、それまで内シャフト43と略同一の回転数で回転していた外シャフト44の回転数が、略直線的(図12AのL6の状態)に急激に立ち下がる。底点B1での回転数は車速に応じた二速の回転数である。
この際の回転数の変化は、上記回転センサ402により、外シャフト44の左端の変速ギヤ対45dを構成するフリーギヤ49dの回転数を検出することによって検出される。そして、この回転数の変化と底点B1での回転数は、スライド側ドッグD3fとフリー側ドッグD3bの嵌合の確立、即ち二速の準備の完了を意味する。
回転センサ402は電子コントロールユニット42に接続され、電子コントロールユニット42は、回転センサ402からの信号で二速の準備の完了を検出した後、第一クラッチ51aを切断し、第二クラッチ51bを接続する。その後、図8を参照し、シフトフォーク24bの動作によりカウンタシャフト29の従動ギヤ49eを図中で右方に移動し、内シャフト43のすべての変速ギヤ対を動力伝達不能な状態とし、ほぼ完全なニュートラル状態とした後、第一クラッチ51aを、クラッチアウタの回転に内シャフトが連れ回されるように、この連れ回りに少なくとも最低限必要な油圧を掛けて接続する。これ以降は、専ら外シャフト44が二速における動力伝達を司り、内シャフト43は単に連れ回る(図12AのL7の状態)。二速では、第二クラッチ51b、外シャフト44、二速の変速ギヤ対45bを介してカウンタシャフト29に動力伝達が行われる。
本実施の形態では、内シャフト43及び外シャフト44が、図12Aに示す「連れ回り有り」の状態で自動変速するため、該自動変速時には、外シャフト44の回転数が内シャフト43と略同一の回転数から車速に応じた二速の回転数に変化する。これにより、回転数の急激な変化の幅が小さくなり、自動変速時の音の発生を抑制できる。
図12Aに示す現象は、現在のシフトポジションが奇数段(一、三、五速)で、次のシフトポジションが偶数段(二、四、六速)となるシフトアップ及びシフトダウンを含むすべての自動変速時に共通して出現する。従って、変速の準備を行う過程で、必ず外シャフト44の回転数が変化するので、この変化した回転数を回転センサ402で検出すれば、各段に対応したスライド側ドッグとフリー側ドッグとの嵌合の確立を精度よく検出できる。この場合、底点B1での回転数は車速に応じた二、四、六速の何れかの回転数であるため、奇数段から偶数段への変速をスムーズに行える。
図12Bは二速(偶数段)から三速(奇数段)への自動変速時の内シャフト43及び外シャフト44の回転数の変化を示す。
二速では上述したように専ら外シャフト44が動力伝達を司り、内シャフト43は単に連れ回る(図12BのL8の状態)。二速から三速への自動変速時には、第一クラッチ51aを切断(連れ回りに必要な油圧の供給を止めた状態)した後、シフトフォーク24bの動作により、スライドギヤ49eを図8中で右方に移動し、スライドリングSeのスライド側ドッグD2eをフリーギヤ49cのフリー側ドッグD2cに嵌合し、三速の変速ギヤ対45cを確立する。
この変速ギヤ対45cが確立すると、車速に応じた三速の回転数に至るまで、内シャフト43の回転数が略直線的(図12BのL9の状態)に急激に立ち下がる。底点B2での回転数が車速に応じた三速の回転数である。この際の回転数の変化は、上記回転センサ401により、フリーギヤ49cの回転数を検出することによって検出される。そして、この回転数の変化は、スライド側ドッグD2eとフリー側ドッグD2cの嵌合の確立、即ち三速の準備の完了を意味する。
回転センサ401は電子コントロールユニット42に接続され、電子コントロールユニット42は、回転センサ401からの信号で三速の準備の完了を検出した後、第二クラッチ51bを切断し、第一クラッチ51aを接続する。そして、シフトフォーク24bの動作により、カウンタシャフト29のスライドギヤ49fを図8中で左方に移動し、外シャフト44のすべての変速ギヤ対を動力伝達不能な状態とし、ほぼ完全なニュートラル状態とし、第二クラッチ51bに連れ回りに最低限必要な油圧を供給する。これ以降は、専ら内シャフト43が三速における動力伝達を司り、外シャフト44は単に連れ回る(図12BのL10の状態)。この三速では、第一クラッチ51a、内シャフト43、及び変速ギヤ対45cを介してカウンタシャフト29に動力伝達が行われる。
本実施の形態では、内シャフト43及び外シャフト44が、図12に示す「連れ回り有り」の状態で自動変速するため、自動変速時に発生する回転数の変化が小さい。従って、自動変速時の音の発生を抑制できる。
上記現象は、現在のシフトポジションが偶数段(二、四、六速)で、次のシフトポジションが奇数段(一、三、五速)となるシフトアップ及びシフトダウンを含むすべての自動変速時に共通して出現する。従って、変速の準備を行う過程で、必ず内シャフト43の回転数が変化するので、この変化を回転センサ401で検出すれば、各段に対応したスライド側ドッグとフリー側ドッグとの嵌合の確立を精度よく検出できる。この場合に、底点B2での回転数は、車速に応じた一、三、五速の何れかの回転数であるため、偶数段から奇数段への変速をスムーズに行える。
次に、上記回転センサ401、402の固定構造を説明する。
回転センサ401、402は、図2に示すように、ミッションケース22の後面22cに並列に固定され、車体側面視で第2歯車カバー117あるいはドライブシャフト332の後ろに隠れるように配置されている。これだと仮に飛び石等があっても第2歯車カバー117あるいはドライブシャフト332で覆われるため、回転センサ401、402が保護できる。図13は、ミッションケース22の後面図であり、図2の矢視X図である。ミッションケース22の後面22cには、縦に四本、横に二本、斜めに一本の合計7本のリブ22e,f,g,h,i,j,kが一体に形成され、該後面22cが各リブによって補強されている。この補強された後面22cの横に延びたリブ22iと、斜めに延びたリブ22kとの交差部に、二つの開口22l,22mが横並びに形成され、該開口に回転センサ401、402が固定されている。
一方の回転センサ401はフリーギヤ49cに対向し、図14に示すように、一方の開口22lに挿入される。そして、回転センサ401は該回転センサ401に一体の支持片401bをねじ401cで螺合することで、ミッションケース22の後面22cに固定される。401dはコネクタである。
また、他方の回転センサ402はフリーギヤ49dに対向し、図15に示すように、他方の開口22mに挿入される。回転センサ402は該回転センサ402に一体の支持片402bをねじ402cで螺合することで、ミッションケース22の後面22cに固定される。402dはコネクタである。
本構成では、ミッションケース22の後面22cに、二つの開口22l,22mを横並びに形成しても、該後面22cは各リブで補強され、二つの開口22l,22mは横に延びたリブ22iと、斜めに延びたリブ22kとの交差部に位置するため、後面22cの強度が維持される。また、一般にはミッションケース22の上面に排気系あるいは吸気系の部品が位置するが、本構成ではミッションケース22の後面22cに回転センサ401、402を配置したため、これら部品の配置自由度に制約を与えず、排気系あるいは吸気系の部品の配置自由度が向上する。
また、以上のように、本実施の形態では、フリーギヤ49c、49dは軸方向の位置が固定され、該フリーギヤ49c、49dに回転センサ401、402を対向配置したため、回転センサ401、402とフリーギヤ49c、49dとの軸方向の相対位置関係は変化しない。そのため、フリーギヤ49c、49dの歯幅を大きくせずに、回転数の検出が可能となるため、変速機Mの軸方向でエンジンEの幅寸法の増大が抑制できる。また、軸方向での位置が固定されたフリーギヤ49c、49dにはシフトフォーク24bが係合しない。そのため、シフトドラム24aの位置に制約を受けることがなく、シフトドラム24aの配置の自由度が向上する。
また、フリーギヤ49c、49dはカウンタシャフト29の中央付近に隣り合って配置されるため、各ギヤに対応した回転センサ401、402の配線をまとめることができ、各回転センサ401、402の配線の作業性が向上する。メインシャフト28の回転に連動するフリーギヤ49c、49dの回転数を検出するようにしたため、メインシャフト28の回転数を検出できる。
本実施の形態では、フリーギヤ49c、49dは、メインシャフト28より後方のカウンタシャフト29に設けられ、メインシャフト28に設けられた駆動ギヤ48a〜48fの内、最小径の駆動ギヤ48aより径が大きい駆動ギヤ48c、48dと噛み合っている。一般に、メインシャフト28での最小径のギヤと噛み合うカウンタシャフト29上のギヤは、カウンタシャフト29上にある他のギヤよりも径が大きいため、仮に該ギヤを検出する構成にすると、回転センサ401、402がエンジンEの後方に大きく突出して、エンジンEの前後長が長くなる。
本構成では、メインシャフト28に設けられたギヤの内、メインシャフト28での最小径のギヤより径が大きいギヤと噛み合うフリーギヤ49c、49dに回転センサ401、402を設けたため、回転センサ401、402のエンジンEの後方への突出量を抑制でき、エンジンEの小型化を図れる。
メインシャフト28は内外シャフト43、44からなる二重構造であり、一方の回転センサ401は、内シャフト43に設けられた駆動ギヤ48cと噛み合うフリーギヤ49cの歯先に対向し、他方の回転センサ402は、外シャフト44に設けられた駆動ギヤ48dと噛み合うフリーギヤ49dの歯先に対向して配置される。本構成は、ツインクラッチ式のクラッチ装置を搭載した車両に適用したが、それ以外のクラッチ式の車両にも適用が可能であり、例えばAMTのように駆動手段により自動変速するすべての車両において、その適用が可能である。
一般に、変速機Mの軸端はクランクケース336に軸受け等を介して支持される。そのため、回転数が検出されるギヤを軸端付近のギヤに設定してしまうと、回転センサを設けるスペースを確保するために、該軸受けを外方に寄せて配置しなければならず、その分、軸長が長くなってエンジンEが大型化する。本構成では、回転数が検出されるギヤを、軸方向で変速機Mの軸の中央付近に配置したフリーギヤ49c,49dとしたため、回転センサ401,402が、軸受けから離れた位置に配置されることになり、軸長を長くする必要がなく、エンジンEの大型化を抑制できる。
以上、本発明の一実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
自動二輪車の左側面図である。 パワーユニットの左側面図である。 パワーユニットの右側面図である。 図2の4-4線断面図である。 図4の5-5線断面図である。 後部バンク側の図5に対応した断面図である。 油圧系の構成を示す系統図である。 歯車変速機構及びクラッチ装置の縦断面図である。 図8の要部拡大図である。 図2の10-10線拡大断面図である。 図10の11-11線断面図である。 内シャフト及び外シャフトの回転数の変化を示す図であり、Aは一速から二速へのシフトアップ、Bは二速から三速へのシフトアップである。 図2の矢視X図である。 図13の15-15線断面図である。 図13の16-16線断面図である。
符号の説明
1 自動二輪車
23 ツインクラッチ式変速機
26 ツインクラッチ
28 メインシャフト(入力軸)
29 カウンタシャフト(出力軸)
45a〜45f 変速ギヤ対
47 トランスミッション
49c,49d フリーギヤ
51a 第一ディスククラッチ
51b 第二ディスククラッチ
335 クランクケース
336 クランクシャフト
401、402 回転センサ
M 変速機
E エンジン

Claims (7)

  1. クランクケースにクランクシャフトと変速機とを収容し、
    該変速機が、複数の変速用の歯車を有し、
    かつ、該変速機が、クランクシャフトの回転動力が入力される入力軸と、該入力軸から歯車を介してクランクシャフトの回転動力が伝達されると共に、該回転動力を駆動輪に伝達する出力軸とを有した内燃機関において、
    前記変速機の歯車の回転数を検出する回転検出装置を備え、
    該回転検出装置の検出部を、前記入力軸の回転に連動すると共に、軸方向で位置決めされた歯車に対向させて配置したことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記回転検出装置で回転数が検出される歯車は軸方向で前記変速機の軸の中央付近に配置された歯車であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記回転検出装置を前記クランクケースに配置したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  4. 前記回転検出装置を前記クランクケースの後面に配置したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  5. 前記回転検出装置で回転数が検出される歯車は入力軸より後方の出力軸に設けられた歯車であって、入力軸に設けられた歯車の内、入力軸での最小径の歯車より径が大きい歯車と噛み合う歯車であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の内燃機関。
  6. 前記入力軸が第一入力軸と第二入力軸とを有し、
    前記第一入力軸の軸上に第一クラッチが配置されると共に、前記第二入力軸の軸上に第二クラッチが配置され、これら一対のクラッチの動作によって、前記クランクシャフトの回転動力の前記入力軸への伝達が断接可能に構成され、
    前記回転検出装置が、第一入力軸の回転数と、第二入力軸の回転数とをそれぞれ検出可能に、第一入力軸の回転と連動する歯車と、第二入力軸の回転と連動する歯車とに対応して複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  7. 第一入力軸の回転を検出する歯車と、第二入力軸の回転を検出する歯車とが、軸方向で隣り合う歯車であることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関。
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