JP2009172695A - 研削盤および研削方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化および低コスト化を図ることができる、外周面にねじ溝を研削して雄ねじを形成する研削盤および研削方法を提供する。
【解決手段】円筒状または円柱状の工作物100を主軸軸周りに回転可能に保持する主軸装置20、30と、主軸装置20、30に対してZ軸方向およびX軸方向に相対移動可能で、且つ、中心軸周りに回転可能に配置された砥石車43とを備えており、回転させた砥石車43により工作物100の外周面にねじ溝101を研削して雄ねじを形成する研削盤において、雄ねじ100のねじ軸102に対する砥石車43の中心軸の傾き角Σを、雄ねじ100のリード角γと異なる角度に設定して雄ねじ100のねじ溝101を研削する。
【選択図】図5

Description

本発明は、外周面にねじ溝を研削して雄ねじを形成する研削盤および研削方法に関するものである。
従来、円筒状または円柱状の工作物の外周面にねじ溝を研削して雄ねじを形成する研削盤としては、例えば、特開2004−90215号公報(特許文献1)に記載されたものがある。特許文献1に記載の研削盤は、工作物を主軸軸周りに回転可能に保持する主軸装置と、主軸装置に対して主軸軸方向および主軸軸の直交方向に相対移動可能であって、中心軸周りに回転可能な砥石車とを備えている。そして、砥石車は、主軸軸に直交する軸周りに旋回可能な構成としている。そして、雄ねじのねじ軸に対する砥石車の中心軸の傾き角を雄ねじのリード角に一致するように、砥石車を旋回させて、研削を行っている。
このように、砥石車を主軸軸に直交する軸周りに旋回させるためのスペースや旋回機構が必要となる。その結果、研削盤が大型化するとともに、コスト高となる。特に、特許文献1に記載の研削盤においては、自動に旋回できる旋回機構を備えているため、モータなどの駆動手段やその制御装置が必要となり、このことによってもコスト高となる。また、手動に旋回させる旋回機構を備えている研削盤であっても、段取り替え時間の増加に伴って、製造コストが増加するという問題がある。
ところで、特許文献2、3には、雄ねじのねじ溝を研削する研削盤ではないが、雌ねじの加工方法が記載されている。
特開2004−90215号公報 特公平8−11329号公報 特開2003−11022号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、小型化および低コスト化を図ることができる、外周面にねじ溝を研削して雄ねじを形成する研削盤および研削方法を提供することを目的とする。
本発明の研削盤は、
円筒状または円柱状の工作物を主軸軸周りに回転可能に保持する主軸装置と、
前記主軸装置に対して前記主軸軸方向および前記主軸軸の直交方向に相対移動可能で、且つ、中心軸周りに回転可能に配置された砥石車と、
を備え、
回転させた前記砥石車により前記工作物の外周面にねじ溝を研削して雄ねじを形成する研削盤において、
前記雄ねじのねじ軸に対する前記砥石車の前記中心軸の傾き角Σを、前記雄ねじのリード角γと異なる角度に設定して前記ねじ溝を研削することを特徴とする。
このように、傾き角Σをリード角γに一致させずに研削を行うことで、大きく旋回する旋回機構を必要としないため、装置の小型化を図ることができると共に、低コスト化を図ることができる。ここで、本発明における「雄ねじ」は、三角ねじ、台形ねじのみならず、ボールねじ、ウォームなどを含む意味である。
また、本発明の研削盤において、前記ねじ軸の平行線に対する前記砥石車の前記中心軸の前記傾き角Σは、式(1)を満たす範囲とするとよい。
このような範囲に傾き角Σを設定することで、確実に、傾き角Σがリード角γと異なる角度に設定した状態で雄ねじのねじ溝の研削ができる。ここで、雄ねじのねじ軸とは、工作物の回転中心軸、すなわち、主軸軸に相当する。リードとは、雄ねじのねじ軸を中心として一周した場合に、ねじ軸方向に進む距離である。また、リード角とは、ピッチ円を底辺とし、リードを高さにとった直角三角形を考えた時に三角形の斜辺と底辺とがなす角である。
傾き角Σを上記式(1)の範囲において、具体的に、砥石車の外周面を成形するには、以下のように行う。
すなわち、本発明の研削盤において、
研削目標の前記ねじ溝のねじ溝面と前記砥石車との接触線を算出し、前記接触線を前記砥石車の中心軸周りに回転させることにより面形状を取得する面形状取得手段と、
前記面形状取得手段により取得される前記面形状に前記砥石車の外周面を成形する砥石成形手段と、
を備えるようにする。
ここで、研削目標のねじ溝のねじ溝面とは、砥石車により研削される部位の理想状態のねじ溝面であって、円柱の螺旋面の方程式として表わすことができる。そして、ある研削の瞬間において考えると、ねじ溝面と砥石車とが接触する部位は、線状になる。この線が上記した接触線である。そして、この接触線は、ねじ軸や砥石車の中心軸に平行であるとは限らない。傾き角Σをリード角γと異なる角度に設定した場合には、通常、接触線は、ねじ軸および砥石車の中心軸に対して平行ではない。
そして、面形状取得手段において、接触線を砥石車の中心軸周りに回転させることにより面形状を取得している。砥石成形手段において、この面形状となるように、砥石車の外周面を成形している。従って、砥石車の外周面は、接触線により得られた面形状となる。このようにして、砥石車の外周面を成形することで、前記傾き角Σがリード角γと異なる角度に設定されたとしても、確実に研削目標の外周面のねじ溝を研削できる。つまり、本発明によれば、非常に高精度に雄ねじを形成できる。
また、本発明の研削盤は、さらに、前記面形状取得手段により取得された前記面形状と研削目標の前記ねじ溝のねじ溝面とに基づいて、前記砥石車と前記工作物のうち研削目標の前記ねじ溝のねじ溝面以外の部位との干渉の有無の判定を行う判定手段を備えるようにしてもよい。
面形状取得手段により取得された面形状となるように砥石車の外周面を成形した場合に、砥石車と工作物のうちねじ溝面以外の部位とが干渉する可能性がある。例えば、傾き角Σを0°とした場合であって、雄ねじのリード角γが非常に大きな場合には、砥石車がねじ溝のねじ溝面以外の部位に干渉して、研削目標の雄ねじのねじ溝の研削ができない可能性がある。そこで、上記のような判定手段を備えることで、砥石車と工作物のうちねじ溝のねじ溝面以外の部位との干渉の有無を判定するようにしている。
このように、判定手段を備える場合には、さらに、以下のようにするとよい。
すなわち、本発明の研削盤において、
前記面形状取得手段は、前記ねじ軸に対する前記砥石車の前記中心軸の前記傾き角Σ複数についてそれぞれ前記面形状を取得し、
前記判定手段は、前記干渉が無いと判定される前記ねじ軸に対する前記砥石車の前記中心軸の前記傾き角Σaを算出する。
これにより、複数の傾き角Σの中から、砥石車と工作物のうちねじ溝のねじ溝面以外の部位との干渉が無い傾き角Σaを抽出できるため、確実に研削目標の外周面のねじ溝を研削可能な状態を決定することができる。
さらに、判定手段により傾き角Σaが算出される場合には、
本発明の研削盤において、
前記砥石成形手段は、前記判定手段により算出された前記砥石車の前記中心軸の前記傾き角Σaにおける前記面形状となるように前記砥石車の外周面を成形し、
前記研削盤は、前記ねじ軸に対する前記砥石車の前記中心軸の前記傾き角Σを、前記傾き角Σaに設定して前記ねじ溝を研削するとよい。
これにより、実際の傾き角Σを傾き角Σaとすることで、広範囲のリード角γの雄ねじを確実に形成できる。なお、この場合、砥石車を中心軸周りに旋回できるようにする必要がある。しかし、従来は、砥石車の傾き角Σがリード角γに一致する角度まで旋回させる必要があったが、本発明によれば、最低限の角度の傾き角Σとすることができるため、旋回機構の小型化を図ることができる。このように小さな旋回機構を備えることでも、ハイリード(大きなリード角γ)の雄ねじを形成できる。従って、研削対象の雄ねじのリード角γの範囲が大きい場合に、本発明を適用すると効果的である。
また、本発明の研削盤において、前記砥石成形手段は、NC制御により前記砥石車の外周面を成形するNCツルーイング装置とするとよい。これにより、任意の砥石車の外周面を成形できる。NCツルーイング装置のツルアとしては、ロータリドレッサや、単石のドレッサを用いることができる。
ここで、上記においては、本発明を研削盤として把握した場合について説明したが、本発明は研削方法として把握することもできる。
すなわち、本発明の研削方法は、
主軸軸周りに回転可能に保持された円筒状または円柱状の工作物に対して、中心軸周りに回転させた砥石車を前記主軸軸方向および前記主軸軸の直交方向に相対移動させることにより、前記工作物の外周面にねじ溝を研削して雄ねじを形成する研削方法であって、
前記雄ねじのねじ軸に対する前記砥石車の前記中心軸の傾き角Σを、前記雄ねじのリード角γと異なる角度に設定して前記ねじ溝を研削することを特徴とする。
これにより、上記研削盤としての効果と同様の効果を奏する。すなわち、本発明の研削方法によれば、傾き角Σをリード角γに一致させずに研削を行うことで、大きく旋回する旋回機構を必要としないため、装置の小型化を図ることができると共に、低コスト化を図ることができる。
また、本発明の研削盤としての他の特徴部分について、本発明の研削方法に同様に適用可能である。そして、この場合における効果についても、上記研削盤としての効果と同様の効果を奏する。なお、本発明の研削盤における各「手段」は、「ステップ」と置き換えることで、本発明の研削方法として把握することができる。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
<第一実施形態>
(1)工作物の説明
まず、本発明の研削盤による研削対象である工作物(雄ねじ)100について、図1を参照して説明する。図1(a)は、工作物100の側面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A断面拡大図である。
図1(a)に示すように、工作物100は、ボールねじである。つまり、図示しないボールが転動可能なボール溝からなるねじ溝101が螺旋状に形成されている。すなわち、工作物100は、円筒状または円柱状からなり、その外周面にねじ溝101が形成されている。このねじ溝101のねじ溝面は、図1(b)に示すように、ゴシックアーク形状をなしている。もちろん、サーキュラアーク形状とすることもできる。
そして、このねじ溝101は、ピッチPからなる1条ねじからなる。また、リード角はγである。ここで、リードとは、雄ねじ100のねじ軸102を中心として一周した場合に、ねじ軸102方向に進む距離である。雄ねじ100のねじ軸102とは、工作物100の回転中心軸、後述する主軸軸に相当する。そして、リード角γとは、ピッチ円を底辺とし、リードを高さにとった直角三角形を考えた時に三角形の斜辺と底辺とがなす角である。
ねじ溝101のねじ溝面は、ゴシックアーク形状である。具体的には、ねじ溝面の溝底部103から一方側(図1(b)の右側)が、中心をCとし、半径rの円弧形状である。ねじ溝面の溝底部103から他方側(図1(b)の左側)が、中心をCとし、半径rの円弧形状である。このように、ねじ溝面は、2種の円弧をつなぎ合わせた形状となる。
(2)研削盤の構成
次に、本実施形態の研削盤の機械構成について、図2を参照して説明する。図2は、研削盤1の平面図である。図2に示すように、研削盤1は、ベッド10と、第一主軸装置20と、第二主軸装置30と、砥石支持装置40と、NCツルーイング装置50と、制御装置60から構成される。
ベッド10は、ほぼ矩形状からなり、床上に配置される。このベッド10の上面には、砥石支持装置40を構成する砥石台トラバースベース41が摺動可能な砥石台用ガイドレール11、12が、図2の上側であって、図2の左右方向(Z軸方向)に延びるように、且つ、相互に平行に形成されている。さらに、ベッド10の上面のうち、砥石台用ガイドレール11、12より図2の下側には、第一主軸装置20を構成する第一主軸台21が摺動可能な第一ガイドレール13、14、が、図2の左右方向(Z軸方向)に延びるように、且つ、相互に平行に形成されている。また、ベッド10の上面のうち、第一ガイドレール13、14より図2の右側には、第二主軸装置30を構成する第二主軸台31が摺動可能な第二ガイドレール15、16が、図2の左右方向(Z軸方向)の延びるように、且つ、相互に平行に形成されている。
また、ベッド10には、砥石台用ガイドレール11、12の間に、砥石台トラバースベース41を図2の左右方向に駆動するための、砥石台用Z軸ボールねじ(図示せず)が配置され、この砥石台用Z軸ボールねじを回転駆動する砥石台用Z軸モータ17が配置されている。さらに、ベッド10には、第一ガイドレール13、14の間に、第一主軸台21を図2の左右方向に駆動するための、第一Z軸ボールねじ(図示せず)が配置され、この第一Z軸ボールねじを回転駆動する第一Z軸モータ18が配置されている。ベッド10には、第二ガイドレール15、16の間に、第二主軸台31を図2の左右方向に駆動するための、第二Z軸ボールねじ(図示せず)が配置され、この第二Z軸ボールねじを回転駆動する第二Z軸モータ19が配置されている。
第一主軸装置20は、第一主軸台21と、第一主軸22と、第一チャック23とを備えている。第一主軸台21は、ベッド10の上面のうち、第一ガイドレール13、14上を摺動可能に配置されている。そして、第一主軸台21は、第一ボールねじのナット部材に連結されており、第一Z軸モータ18の駆動により第一ガイドレール13、14に沿って移動する。この第一主軸台21は、図2の左右方向に貫通する穴が形成されている。この第一主軸台21の貫通孔に、第一主軸22が主軸軸周り(図2のZ軸周り)に回転可能に挿通支持されている。この第一主軸22の右端に、工作物100の軸方向一端を保持する第一チャック23が取り付けられている。
第二主軸装置30は、第二主軸台31と、第二主軸32と、第二チャック33とを備えている。第二主軸台31は、ベッド10の上面のうち、第二ガイドレール15、16上を摺動可能に配置されている。そして、第二主軸台31は、第二ボールねじのナット部材に連結されており、第二Z軸モータ19の駆動により第二ガイドレール15、16に沿って移動する。この第二主軸台31は、図2の左右方向に貫通する穴が形成されている。この第二主軸台31の貫通孔に、第二主軸32が主軸軸周り(図2のZ軸周り)に回転可能に挿通支持されている。この第二主軸32の主軸軸は、第一主軸の主軸軸と同軸上に位置している。そして、第二主軸32の左端に、工作物100の軸方向他端を保持する第二チャック33が取り付けられている。つまり、第二チャック33は、第一チャック23に対向するように配置されている。そして、第一チャック23と第二チャック33とにより、工作物100の両端を保持している。このように、工作物100は、第一、第二主軸台21、31に主軸軸周り(Z軸周り)に回転可能に保持されている。
砥石支持装置40は、砥石台トラバースベース41と、砥石台42と、砥石車43と、砥石回転用モータ44とを備えている。砥石台トラバースベース41は、矩形の平板状に形成されており、ベッド10の上面のうち、砥石台用ガイドレール11、12上を摺動可能に配置されている。砥石台トラバースベース41は、砥石台用ボールねじのナット部材に連結されており、砥石台用Z軸モータ17の駆動により砥石台用ガイドレール11、12に沿って移動する。この砥石台トラバースベース41の上面には、砥石台42が摺動可能なX軸ガイドレール41a、41bが、図2の上下方向(X軸方向)に延びるように、且つ、相互に平行に形成されている。さらに、砥石台トラバースベース41には、X軸ガイドレール41a、41bの間に、砥石台42を図2の上下方向に駆動するための、X軸ボールねじ(図示せず)が配置され、このX軸ボールねじを回転駆動するX軸モータ41cが配置されている。
砥石台42は、砥石台トラバースベース41の上面のうち、X軸ガイドレール41a、41b上を摺動可能に配置されている。そして、砥石台42は、X軸ボールねじのナット部材に連結されており、X軸モータ41cの駆動によりX軸ガイドレール41a、41bに沿って移動する。つまり、砥石台42は、ベッド10および第一、第二主軸装置20、30に対して、X軸方向およびZ軸方向に相対移動可能となる。
そして、この砥石台42のうち図2の下側部分には、図2の左右方向に貫通する穴が形成されている。この砥石台42の貫通孔に、砥石車回転軸部材が、砥石中心軸周り(Z軸周り)に回転可能に支持されている。この砥石車回転軸部材の一端(図2の左端)に、砥石車43が同軸的に取り付けられている。また、砥石台42の上面には、砥石回転用モータ44が固定されている。そして、砥石車回転軸部材の他端(図2の右端)と砥石回転用モータ44の回転軸とにプーリが懸架されることで、砥石回転用モータ44の駆動により、砥石車43が砥石軸周りに回転する。
NCツルーイング装置50は、ベッド10上のうち、第一主軸装置20の図2の上側に配置されている。NCツルーイング装置50は、ベッド10に対して垂直軸(Y軸)周り(B軸)に旋回可能となるように、ベッド10に支持された支持部材51と、支持部材51に水平軸周り(A軸)に回転可能に支持されたロータリドレッサ52とを備えている。ロータリドレッサ52は、円盤状からなり、砥石車43の外周面を成形するために用いられる。ロータリドレッサ52の外周縁は、鋭角状に形成されている。つまり、ロータリドレッサ52をB軸旋回させながら、砥石台42をX軸方向およびZ軸方向に適宜移動させることで、砥石車43の外周面形状を任意の形状に成形できる。
制御装置60は、第一主軸装置20、第二主軸装置30の回転、砥石台42のX軸位置およびZ軸位置をNC制御している。さらに、NCツルーイング装置50のB軸角度についてもNC制御されている。
この制御装置60は、砥石車43の外径に応じた外周面形状となるように砥石車43の外周面を成形している。この点に関しての制御装置60の制御ブロック図を図3に示す。図3に示すように、制御装置60は、外径検出部61と、面形状取得部62と、砥石成形処理部63とから構成される。
外径検出部61は、砥石車43の外径を検出する。本実施形態においては、外径検出部は、以下の手段などがある。例えば、NCツルーイング装置50のロータリドレッサ52によりドレッシングした回数に基づいて砥石車43の外径を検出する手段がある。
また、ロータリドレッサ52と砥石車43とを僅かに当接させて、両者の当接時における砥石台42の位置に基づいて、砥石車43の外径を検出する手段とすることもできる。ロータリドレッサ52と砥石車43との接触は、例えば、アコースティックエミッションセンサ(AEセンサ)や、砥石車43を駆動するための砥石回転用モータ44の抵抗の変化などにより検出できる。なお、AEセンサは、ロータリドレッサ52と砥石車43とが接触したときの弾性波を検出するセンサである。そして、このAEセンサは、砥石台42に設けることもできるし、ロータリドレッサ52を支持する支持部材51に設けることができる。
上記の他に、工作物100の外径と砥石台42の位置に基づいて、砥石車43の外径を算出する手段とすることもできる。このときの工作物100の外径は、公知の定寸装置などにより得ることができる。
こうすることで、別途、砥石車43の外径を検出するための専用の装置を設けることなく、既設のロータリドレッサ52を利用して砥石車43の外径を検出できる。
面形状取得部62は、外径検出部61により検出された砥石車43の外径および後述する砥石成形処理部63による砥石車43の成形による減少径に基づいて、成形後の砥石車43の外径を算出する。そして、面形状取得部62は、算出された成形後の砥石車43の外径、および、雄ねじ100のねじ軸102に対する砥石車43の中心軸の傾き角Σに応じた砥石車43の外周面形状を取得する。この外周面形状は、砥石車43の外径に応じた多数の形状を予め計算により決定しておき、予めマップや関数式などとして記憶させておく。この計算方法については、後述する。
砥石成形処理部63は、面形状取得部62により取得された砥石車43の外周面形状に基づいて、NCツルーイング装置50をNC制御することにより砥石車43を成形する。つまり、本発明における砥石成形手段は、本実施形態における砥石成形処理部63およびNCツルーイング装置50に相当する。
(3)砥石車43の外周面形状取得の概念説明
(3−1)傾き角Σによって異なることを説明
雄ねじ100のねじ軸102に対する砥石車43の中心軸(砥石軸)の傾き角Σとリード角γとが一致する場合と、両者が異なる場合とにおいて、図4および図5を参照して、砥石車43の外周面形状について説明する。ただし、ここでは、砥石車43の外径は同一であると仮定する。
図4は、前記両者が一致する場合について示し、図5は、前記両者が異なる場合について示す。また、図4および図5において、(a1)は、リード角γが相対的に小さい場合において、研削時における工作物100と砥石車43の位置を示す。(a2)は、(a1)の場合の砥石車43の軸方向断面における外周面形状を示す。(b1)は、リード角γが相対的に大きい場合において、研削時における工作物100と砥石車43の位置を示す。(b2)は、(b1)の場合の砥石車43の軸方向断面における外周面形状を示す。なお、図4に示す状態は、傾き角Σがリード角γに一致し、図5に示す状態は、傾き角Σが0°の場合である。
図4(a2)(b2)に示すように、傾き角Σをリード角γに一致させる場合には、砥石車43の軸方向断面における外周面形状は同一である。一方、傾き角Σをリード角γと異ならせる場合には、傾き角Σとリード角γとの差によって砥石車43の軸方向断面における外周面形状が異なることになる。詳細については後述する。
例えば、図5(a2)(b2)に示すように、砥石車43の軸方向断面における外周面形状の幅W1、W2が変化する。なお、図4(a2)(b2)においては、砥石車43の軸方向断面における外周面形状の幅Wが同一であることを示している。これに対して、図5(a2)(b2)に示すように、傾き角Σをリード角γと異ならせる場合には、傾き角Σとリード角γとの差が小さい方、すなわち図5(a1)(a2)に示す状態の方が、砥石車43の軸方向断面における外周面形状の幅W1が大きくなる。一方、傾き角Σとリード角γとの差が大きい方、すなわち図5(b1)(b2)に示す状態の方が、砥石車43の軸方向断面における外周面形状の幅W2が小さくなる。
(3−2)砥石車43の外径によって異なることを説明
次に、砥石車43の外径が異なる場合であって、雄ねじ100のねじ軸102に対する砥石車43の中心軸(砥石軸)の傾き角Σとリード角γとが一致する場合と、両者が異なる場合とにおいて、図6および図7を参照して、砥石車43の外周面形状について説明する。
図6は、前記両者が一致する場合について示し、図7は、前記両者が異なる場合について示す。また、図6および図7において、(a)研削時における工作物100と砥石車43の位置を示す。(b1)は、砥石車43の外径が相対的に大きい場合において、研削時における砥石軸方向から見た状態の図であり、(b2)は、(b1)のB−B断面図、または、D−D断面図における、砥石車43の外周面形状を示す。(c1)は、砥石車43の外径が相対的に小さい場合において、研削時における砥石軸方向から見た状態の図であり、(c2)は、(c1)のC−C断面図、または、E−E断面図における、砥石車43の外周面形状を示す。なお、図6に示す状態は、傾き角Σがリード角γに一致し、図7に示す状態は、傾き角Σが0°の場合である。
図6(b2)(c2)に示すように、傾き角Σをリード角γに一致させる場合には、砥石車43の外径に関わりなく、砥石車43の軸方向断面における外周面形状は同一である。一方、傾き角Σをリード角γと異ならせる場合には、砥石車43の外径に応じて砥石車43の軸方向断面における外周面形状が異なることになる。詳細については後述する。
例えば、図7(b2)(c2)に示すように、砥石車43の軸方向断面における外周面形状の幅W3、W4が変化する。なお、図6(b2)(c2)においては、砥石車43の軸方向断面における外周面形状の幅Wが同一であることを示している。これに対して、図7(b2)(c2)に示すように、傾き角Σをリード角γと異ならせる場合には、砥石車43の外径が大きい方、すなわち図7(b1)(b2)に示す状態の方が、砥石車43の軸方向断面における外周面形状の幅W3が小さくなる。一方、砥石車43の外径が小さい方、すなわち図7(c1)(c2)に示す状態の方が、砥石車43の軸方向断面における外周面形状の幅W4が大きくなる。
(3−3)本実施形態のポイント
本実施形態の砥石車43の外周面形状は、傾き角Σをリード角γと異なるように設定する。従って、上記(3−1)に示すように、両者の差によって、砥石車43の外周面形状が異なる。ここで、砥石車43は研削を継続するにつれて、摩耗していく。そのため、上記(3−2)のように、傾き角Σをリード角γと異なるように設定するときには、砥石車43の外径が変化することによっても、砥石車43の外周面形状が異なることになる。つまり、本実施形態においては、砥石車43の外周面形状を、傾き角Σと砥石車43の外径とによって計算により決定している。この点については、次の項において詳細に説明する。
(4)砥石車43の外周面形状取得の詳細説明
(4−1)概要
上述したように、砥石車43の外周面形状は、傾き角Σおよび砥石車43の外径によって異なる。そこで、まずは、研削により得られるねじ溝面に相当する螺旋面の方程式を導き出し、その後に、砥石車43と螺旋面(ねじ溝面)との接触線を算出する。そして、接触線を砥石車43の中心軸周りに回転させることにより、砥石車43の外周面形状に相当する面形状が得られる。以下に、それぞれの計算工程について詳細に説明する。
(4−2)螺旋面方程式の導出
螺旋面方程式の導出について、図8および図9を参照して説明する。ここでは、図8に示すような、ボールねじのように、円柱状部材200の外周面に円弧断面形状の螺旋面201を考える。図9(b)は、図8の螺旋面201の進行方向に直交する断面図であって、図9(a)は、図9(b)の座標系の平面図である。ここで、図8に示すように、空間の座標系(o−xyz)における単位ベクトルをそれぞれ式(2)のように定義する。
また、座標系(o−u,v)は、図8および図9に示すように、螺旋面(ねじ溝)201の直角断面に定義された平面座標系である。vは、図8および図9に示すように、図8の円柱状部材200の径方向の座標軸である。すなわち、vは、x−y平面上に位置し、z軸を通る。ただし、図8および図9においては、vは、x軸と一致する状態で示している。uは、vを通り、且つ、螺旋面201の進行方向に直交する座標軸である。つまり、図9(b)に示すような、図8の螺旋面201の進行方向に直交する断面図は、(o−u,v)平面座標系で表すことができる。
ここで、図9に示すように、螺旋面201の形状は、ゴシックアーク形状としている。すなわち、図9の螺旋面201の右側が、中心をCとし、半径rの円弧形状である。螺旋面201の左側が、中心をCとし、半径rの円弧形状である。この螺旋面201の断面形状は、螺旋面201に配置するボール202の直径daと、ボール202中心のピッチ円半径(P.C.R)、ボール202と螺旋面201との接触角α、半径r、リード、および、ねじ外径が決定されれば、螺旋面201が決定する。
そして、図8に示すように、空間中の任意の曲線Γのベクトル方程式(ベクトルrの方程式)は式(3)で表される。つまり、任意の曲線Γは、補助関数τの関数として表される。
これを、座標系(o−xyz)で表すと、式(4)のように表すことができる。つまり、任意のx、y、zの点は、τが決まれば決まる値である。なお、τは、(o−u,v)平面座標系において中心C、Cを中心とした角度である。τ=0は、v軸に平行な時の角度である。
ここで、曲線Γをz軸の周りに等速で回転させると同時に、z軸に対して平行に等速で移動させる運動は、均一螺旋運動である。この均一螺旋運動において、曲線Γの軌跡は、z軸を中心軸とした螺旋面201となる。ここで、この曲線Γを螺旋面201の母線と呼ぶことにする。
そうすると、右周りの円柱の螺旋面201の方程式(ベクトルrの方程式)は、式(5)のように表される。このとき、pは、式(6)のように表すことができる。
以上より、母線Γのベクトルr(τ)とリードが分かれば、式(5)よりベクトルrから形成される螺旋面201を求めることができる。なお、上記は、ボールねじを例示しているが、螺旋面方程式は、他の雄ねじにも同様に適用できる。
(4−3)接触線の算出
次に、砥石車43と螺旋面(ねじ溝面)201(101)との接触線の算出について、図10を参照して説明する。図10は、工作物100としてのボールねじを砥石車43により研削するある状態を示す図であって、各座標系を示している。この座標系のうち、図8および図9の座標系と同記号は、同一座標系を示している。
ここで、上記した研削盤1において、砥石車43によりボールねじ100のねじ溝101の研削を考えるとき、両者の接触線は、空間中に1本だけ存在することに着目する。つまり、この接触線をボールねじ100の中心軸102(ねじ軸)の周りに螺旋運動させると、ねじ溝101が得られる。一方、この接触線を、砥石車43の中心軸の周りに回転させると、砥石車43の外周面が得られる。ここでは、まず、接触線の導出について説明する。
図10に示すように、ボールねじの座標系(o−xyz)および砥石車43の座標系(o’−XYZ)を定義する。ここで、Z軸は、砥石車の中心軸に一致し、z軸は、工作物100の中心軸に一致する。また、x軸とX軸とは、常に同軸上にあり、逆向きの関係である。そして、砥石車43の中心軸Zと工作物100の中心軸zの傾き角をΣとする。つまり、このΣは、雄ねじ100のねじ軸zに対する砥石車43の中心軸の傾き角となる。例えば、傾き角Σ=0の場合には、砥石車43の中心軸がねじ軸に平行状態となる。また、砥石車43の座標中心o’と工作物100の座標中心oとの離間距離はaとする。この中心間距離aは、工作物形状が同じであれば、砥石車43の外径が異なることで変化する。具体的には、砥石車43の外径が小さくなると、中心間距離aは小さくなる。このとき、両者の座標系の関係は、式(7)(8)のように表される。
ここで、本実施形態においては、傾き角Σは式(9)に示す範囲に設定する。
ここで、図10において、工作物100の座標系(o−xyz)における単位ベクトルをそれぞれ上述した式(2)のように定義する。また、砥石車43の座標系(o’−XYZ)における単位ベクトルをそれぞれ式(10)のように定義する。
そうすると、両座標系における空間中の任意の点Mのベクトルは、それぞれ式(11)(12)で表される。なお、(x、y、z)は、それぞれ、τとθを変数とする値である。さらには、砥石車43の外径に影響する中心間距離aも変数とする。
次に、砥石車43の回転角速度をω、螺旋面(ねじ溝)の回転角速度をω’として、上記の点Mにおける砥石車43と螺旋面(ねじ溝)201のそれぞれの速度および相対速度を算出する。点Mが螺旋面201に沿って運動するときの速度ベクトルvは、式(13)で表される。一方、点Mが砥石車43の回転面に沿って運動するときの速度ベクトルvは、式(14)で表される。なお、式(14)は、式(13)における螺旋面のリードpを零とし、座標系を(o’−XYZ)に変換したものに相当する。また、砥石車43と螺旋面(ねじ溝)201の相対速度ベクトルv12は、式(13)(14)より、式(15)で表される。
そして、速度ベクトルvを示す式(13)と、式(5)から求められた法線ベクトルnを用いて、式(16)の第一の関係式を導き出すことができる。
第一の関係式(16)を導き出す手順について説明する。まず、速度ベクトルvを示す式(13)は、式(12)を代入して変換すると、式(17)のように表される。
ここで、式(5)をθで偏微分した場合には、式(18)のように表される。
式(17)と式(18)とより、両者は同一線上に位置することが分かる。つまり、螺旋面201上の任意の点Mの速度は、その点の接線方向にあり、曲面r上の任意の点M(x、y、z)の法線ベクトルnと直交している。このことから、式(16)を導き出すことができる。
ここで、法線ベクトルnは、式(19)のように表すことができるため、式(16)を座標式で表すと、式(20)のように表される。
次に、第一の関係式(16)と、砥石車43と螺旋面(ねじ面)201との接触条件に基づいて、螺旋面201上の接触線の条件式が式(21)のように表される。
このように、接触線の条件式(21)より、中心間距離aが決定していれば、それぞれのτに対するθが求まり、砥石車43とボールねじの接触線(x、y、z)を導き出すことができる。なお、中心間距離aは、上述したように、砥石車43の外径により変化する値である。
ここで、この接触線は、傾き角Σがリード角γに一致する場合には、図9(b)にて示す形状が砥石車43の外周面形状となる。ただし、本実施形態における接触線は、傾き角Σは上述した式(9)の範囲に設定するため、砥石車43の外周面形状が図9(b)にて示す形状に一致しない。特に、この場合の接触線は、砥石車43の軸方向断面上に位置しているとは限らない。例えば、図11に示すような、軸方向断面上に位置しない接触線となることもある。
(4−4)砥石車の外周面形状の取得
算出した砥石車43とボールねじの接触線(x、y、z)を、砥石車43の中心軸(Z軸)の周りに回転させることにより、砥石車43の外周面形状が得られる。具体的には、式(7)の関係に基づいて接触線をボールねじの座標系(o−xyz)から砥石車43の座標系(o’−XYZ)に変換する。そして、砥石車43の座標系(o’−XYZ)変換された接触線を、砥石車43の中心軸Z軸の周りに回転させることで、砥石車43の外周面形状(X、Y、Z)が得られる(図11参照)。そして、得られた外周面形状(X、Y、Z)を、中心軸からの半径Rと、中心からのZ軸値とにより表すと、式(22)のようになる。この(R、Z)は、図12を参照する。図12は、X−Z平面における砥石車43の外周面形状の一部を示す。
以上説明したように、本実施形態においては、砥石車43の外周面形状を、傾き角Σと砥石車43の外径とによって計算により決定している。この計算による決定は、上述した面形状取得部62にて、砥石車43の外周面形状を決定する際に行う。なお、上記計算においては、砥石車43の外径によって変化する中心間距離aは、成形する前の砥石車43の外径ではなく、成形後の砥石車43の外径により得られる。従って、予め、中心間距離aは、砥石車43の成形による減少径を考慮した上で、成形後の砥石車43の外径を推定して算出している。
(5)効果
以上説明した計算方法を適用して砥石車43の外周面形状を決定している。つまり、傾き角Σがリード角γと異なる角度に設定されたとしても、それに応じた砥石車43の外周面形状が決定される。さらに、このような研削では、砥石車43の外径に応じて砥石車43の外周面形状が変化する。この場合であっても、外径検出部61により検出された砥石車43の外径に応じた砥石車43の外周面形状を決定している。
このように、以上説明した計算方法を適用して砥石車43の外周面形状を決定し、砥石車43の外周面を成形することで、傾き角Σがリード角γと異なる角度に設定されたとしても、確実に研削目標の外周面のねじ溝101を研削できる。つまり、本実施形態によれば、非常に高精度に雄ねじ100を形成できる。
また、単に、成形前の砥石車43の外径のみならず、砥石車43の成形による減少径に基づいて、成形後の砥石車43の外径を算出した上で、砥石車43の外周面形状を決定している。従って、より高精度に雄ねじ100を形成できる。
ここで、上述したように、砥石車43の外径が変化することに伴って、成形すべき砥石車43の外周面形状が変化する。特に、砥石車43の外径は、一つの工作物100を研削する途中においても変化する。従って、NCツルーイング装置50を用いて砥石車43の外周面を成形することで、砥石車43の外径の変化にきめ細かく対応でき、結果としてねじ溝101を高精度に研削できる。
<第二実施形態>
次に、第二実施形態の研削盤300について図13〜図15を参照して説明する。第二実施形態の研削盤300は、第一実施形態の研削盤1に対して、制御装置360が相違する。他の機械構成は共通するため、説明を省略する。また、同一構成については、同一符号を付して説明を省略する。
制御装置360は、図13の制御ブロック図に示すように、外径検出部61と、面形状取得部62と、判定部363と、砥石成形処理部63とから構成される。外径検出部61は、砥石車43の外径を検出する。面形状取得部62は、砥石車43の外径および傾き角Σおよび工作物形状に応じて砥石車43と工作物100の接触線を算出し、接触線に基づいて砥石車43の外周面形状を取得する。判定部363は、面形状取得部62により取得された面形状と研削目標のねじ溝101のねじ溝面とに基づいて、砥石車43と工作物100のうち研削目標のねじ溝101のねじ溝面以外の部位との干渉の有無の判定を行う。砥石成形処理部63は、面形状取得部62により取得された砥石車43の外周面形状に基づいて、NCツルーイング装置50をNC制御することにより砥石車43を成形する。
ここで、第二実施形態の特徴的な部分は、判定部363を備えている点である。この判定部363の処理について、図14および図15を参照して説明する。図14は、判定部363の処理を示すフローチャートである。図15は、ねじ溝101のねじ溝面のねじ進行方向に直交する断面図である。
図14に示すように、判定部363は、まず、τをτminに初期設定する(ステップS1)。ここで、τは、中心C(C)を中心とし、x軸に平行な線を零度としたときの、ねじ溝101のねじ溝面上の任意の点Mまでの角度である。なお、τがτmin以上で、τmax以下の範囲が、加工範囲である。
続いて、τにおける砥石車43の半径Rを算出する(ステップS2)。この算出は、面形状取得部62にて行われている。この砥石車43の半径Rは、第一実施形態において式(28)にて示すRに相当する。
続いて、砥石車43の中心o’と工作物100の表面との距離の最小値Lminを算出する(ステップS3)。このことについて、図16(a)〜(c)を参照しながら説明する。図16(a)は、傾き角Σ=0のとした場合の工作物100と砥石車43の位置を示す図である。図16(b)は、図16(a)のH−H断面図である。すなわち、図16(b)は、τ=τmin付近に相当する。図16(c)は、図16(a)のJ−J断面図である。すなわち、図16(c)は、τ=τmax付近に相当する。図16(b)においては、砥石車43の半径Rは、R1であり、最小値Lminは、砥石車43の中心o’とねじ溝面101の溝底との距離L1である。一方、図16(c)においては、砥石車43の半径RはR2であり、最小値Lminは、砥石車43の中心o’と工作物100の外周面との距離L2である。ここで、L1はR1に一致し、L2はR2より小さくなっている。
続いて、砥石車43の半径RとLminと一致するか否かを判定する(ステップS4)。ここで、τminにおいては、半径R1とL1が一致するので、半径RとLminと一致する。続いて、τ=τmaxであるか否かを判定する(ステップS5)。τ=τmaxでない場合には、現在のτに任意の角度Δτを加えて(ステップS7)、ステップS2に戻り処理を繰り返す。
そして、ステップS4において、砥石車43の半径Rが最小値Lminに一致しない場合には、砥石車43と工作物100が干渉すると判定する(ステップS5)。例えば、図16(c)に示すように、砥石車43の半径R2が最小値L2よりも大きくなっている場合である。このような状態では、仮に研削した場合に、ねじ溝面以外の部位を砥石車43により研削することになる。そうすると、研削目標のねじ溝101が成形されない。
また、τにΔτを加えて処理を繰り返していき、ステップS6においてτ=τmaxに一致した場合には、砥石車43と工作物100とが干渉せずに研削可能であると判定する(ステップS8)。
例えば、ハイリード(大きなリード角γ)のねじ溝101の場合には、砥石車43と工作物100が干渉することがあり得る。このような場合には、この研削盤では研削できないことになる。
<第三実施形態>
次に、第三実施形態の研削盤について図17を参照して説明する。第三実施形態の研削盤は、第一実施形態の研削盤において、砥石車43が砥石台トラバースベース41に対してX軸周り(A軸)に旋回する機構を有する。ただし、この旋回機構は、手動でも自動でも構わない。
そして、第三実施形態の研削盤は、第二実施形態にて説明した制御装置360の面形状取得部62および判定部363が以下のようになる。すなわち、面形状取得部62は、複数の傾き角Σについて、それぞれの砥石車43の外周面形状を算出する。そして、判定部363は、砥石車43と工作物100の干渉が無いと判定される傾き角Σaを算出する。例えば、図17に示すように、傾き角Σ=0においては干渉すると判定され、傾き角Σ=Σaにおいて干渉しないと判定される。
ただし、予め複数の傾き角Σについての砥石車43の外周面形状を算出するのではなく、一つの傾き角Σについて砥石車43の外周面形状を算出して、それが干渉すると判定された場合に、他の傾き角Σについて再度砥石車43の外周面形状を算出して、干渉しないと判定されるまで繰り返すようにしてもよい。また、最小のΣaを直接算出してもよい。
このように、砥石車43と工作物100とが干渉しない傾き角Σaを算出することができた後において、当該傾き角Σaにおける砥石車43の外周面形状となるように、砥石車43の外周面を成形する。そして、砥石車43のA軸角度が傾き角Σaとなるように砥石車43を旋回させた後に、研削を行う。
この場合、砥石車43の旋回機構が必要となる。ただし、干渉が問題となるリード角γが大きい場合であっても、旋回機構の旋回角度はリード角γよりも小さな角度で干渉を回避できる。従って、小さな旋回角度の旋回機構であれば、低コスト化且つ省スペース化を図ることができる。
<第四実施形態>
次に、第四実施形態の研削盤について図18を参照して説明する。図18は、砥石車43の断面形状と、ねじ溝101のねじ溝面の断面形状とを示す図である。ここで、ねじ溝101のねじ溝面のうち砥石車43による研削部位は、図18の破線と実線とで囲まれる領域(ハッチング領域)である。つまり、砥石車43の外周面のうち研削量の最も多い部位、すなわち、砥石車43の先端部分が、特に摩耗する。従って、研削を継続すればするほど、砥石車43の外周面の形状は、摩耗量が大きな部位と摩耗量が小さな部位との差が大きくなる。
このような場合に、制御装置60の外径検出部61は、砥石車43の外周面のうち最も摩耗している部位の外径を検出し、面形状取得部62は、外径検出部61により検出された最も摩耗している部位の外径に応じた砥石車43の外周面形状を取得するようにする。
仮に、最も摩耗している部位以外の部位の外径を検出して、その外径に応じた砥石車43の外周面形状に成形した場合には、最も摩耗している部位が成形後においても残るおそれがある。そこで、上記のように、最も摩耗している部位の外径を基準として、砥石車43の外周面形状を成形することで、砥石車43の外周面形状を目標形状に成形できる。
<第五実施形態>
次に、第五実施形態の研削盤について図19を参照して説明する。本実施形態の研削盤は、第一実施形態の研削盤におけるNCツルーイング装置50に替えて、総形ロータリドレッサ500を備えている。ここで、図19は、総形ロータリドレッサ500の側面図を示す。
総形ロータリドレッサ500は、予め砥石車43の外周面形状を反転させた形状を外周面に持つドレッサである。そして、本実施形態においては、複数の形状の総形ロータリドレッサ501、502を備えている。これら複数の総形ロータリドレッサ501、502は、一体形成されたものでもよく、別体に形成されたものでもよい。
そして、この複数の総形ロータリドレッサ501、502は、形状が異なるように設定している。これは、第一実施形態において図7にて説明したように、砥石車43の外径に応じて砥石車43の形状が異なることに対応させている。
つまり、図19(a1)に示すように、砥石車43の外径が大きい場合には、図19(a2)に示すような溝幅の小さな総形ロータリドレッサ501により砥石車43の外周面を成形する。一方、図19(b1)に示すように、砥石車43の外径が小さい場合には、図19(b2)に示すような溝幅の大きな総形ロータリドレッサ502により砥石車43の外周面を成形する。
このように総形ロータリドレッサ500を用いることで、砥石車43の成形が非常に容易であるため、砥石車43成形時間を低減できる。もちろん、装置コストを低減できる。ただし、この場合、総形ロータリドレッサ500の数によって、砥石車43の外周面形状の数が限定される。従って、砥石車43の外径の変化にきめ細かく対応できない。そこで、例えば、砥石車43としてCBN砥石を用いて、砥石車43の外径に応じて砥石車43の外周面形状の変化がそれほど大きくない場合や、要求される研削精度が比較的低い場合などに、総形ロータリドレッサ500を適用するとよい。
工作物100の説明図である。 研削盤1の平面図である。 制御装置60の制御ブロック図である。 傾き角Σによって砥石車43の外周面形状が異なることの説明図(傾き角Σとリード角γが一致する場合)である。 傾き角Σによって砥石車43の外周面形状が異なることの説明図(傾き角Σとリード角γが異なる場合)である。 砥石車43の外径によって砥石車43の外周面形状が異なることの説明図(傾き角Σとリード角γが一致する場合)である。 砥石車43の外径によって砥石車43の外周面形状が異なることの説明図(傾き角Σとリード角γが異なる場合)である。 螺旋方程式の説明図である。 螺旋方程式の説明図である。 螺旋面(ねじ溝)と砥石車43との接触線の説明図である。 螺旋面(ねじ溝)と砥石車43との接触線の説明図である。 砥石車43の外周面形状(X、Y、Z)の説明図である。 第二実施形態の制御装置360の制御ブロック図である。 判定部363の処理を示すフローチャートである。 ねじ溝101のねじ溝面のねじ進行方向に直交する断面図である。 砥石車43と工作物100との干渉判定方法の説明図である。 干渉しない傾き角Σaを示す図である。 第四実施形態における、砥石車43の断面形状と、ねじ溝101のねじ溝面の断面形状とを示す図である。 第五実施形態における総形ロータリドレッサを示す図である。
符号の説明
1、300:研削盤
10:ベッド、 20:第一主軸装置、 30:第二主軸装置
40:砥石支持装置、 41:砥石台トラバースベース、 42:砥石台
43:砥石車、 44:砥石回転用モータ
50:NCツルーイング装置、 52:ロータリドレッサ
60、360:制御装置
100:工作物(雄ねじ)、 101:ねじ溝、 102:ねじ軸
500:総形ロータリドレッサ

Claims (8)

  1. 円筒状または円柱状の工作物を主軸軸周りに回転可能に保持する主軸装置と、
    前記主軸装置に対して前記主軸軸方向および前記主軸軸の直交方向に相対移動可能で、且つ、中心軸周りに回転可能に配置された砥石車と、
    を備え、
    回転させた前記砥石車により前記工作物の外周面にねじ溝を研削して雄ねじを形成する研削盤において、
    前記雄ねじのねじ軸に対する前記砥石車の前記中心軸の傾き角Σを、前記雄ねじのリード角γと異なる角度に設定して前記ねじ溝を研削することを特徴とする研削盤。
  2. 前記ねじ軸の平行線に対する前記砥石車の前記中心軸の前記傾き角Σは、式(1)を満たす範囲とする請求項1に記載の研削盤。
  3. 研削目標の前記ねじ溝のねじ溝面と前記砥石車との接触線を算出し、前記接触線を前記砥石車の中心軸周りに回転させることにより面形状を取得する面形状取得手段と、
    前記面形状取得手段により取得される前記面形状に前記砥石車の外周面を成形する砥石成形手段と、
    を備える請求項2に記載の研削盤。
  4. 前記面形状取得手段により取得された前記面形状と研削目標の前記ねじ溝のねじ溝面とに基づいて、前記砥石車と前記工作物のうち研削目標の前記ねじ溝のねじ溝面以外の部位との干渉の有無の判定を行う判定手段を備える請求項3に記載の研削盤。
  5. 前記面形状取得手段は、前記ねじ軸に対する前記砥石車の前記中心軸の前記傾き角Σ複数についてそれぞれ前記面形状を取得し、
    前記判定手段は、前記干渉が無いと判定される前記ねじ軸に対する前記砥石車の前記中心軸の前記傾き角Σaを算出する請求項4に記載の研削盤。
  6. 前記砥石成形手段は、前記判定手段により算出された前記砥石車の前記中心軸の前記傾き角Σaにおける前記面形状となるように前記砥石車の外周面を成形し、
    前記研削盤は、前記ねじ軸に対する前記砥石車の前記中心軸の前記傾き角Σを、前記傾き角Σaに設定して前記ねじ溝を研削する請求項5に記載の研削盤。
  7. 前記砥石成形手段は、NC制御により前記砥石車の外周面を成形するNCツルーイング装置である請求項3〜6の何れか一項に記載の研削盤。
  8. 主軸軸周りに回転可能に保持された円筒状または円柱状の工作物に対して、中心軸周りに回転させた砥石車を前記主軸軸方向および前記主軸軸の直交方向に相対移動させることにより、前記工作物の外周面にねじ溝を研削して雄ねじを形成する研削方法であって、
    前記雄ねじのねじ軸に対する前記砥石車の前記中心軸の傾き角Σを、前記雄ねじのリード角γと異なる角度に設定して前記ねじ溝を研削することを特徴とする研削方法。
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