JP2009168503A - 内張り材の硬化状態検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、既設管の内部に配置された硬化性樹脂を含む内張り材の硬化状態を検査するための硬化状態検査方法を提供することを目的とする。
【解決手段】既設管2の内部に配置された硬化性樹脂を含む内張り材1の硬化状態を検査するための硬化状態検査方法である。この内張り材の硬化状態検査方法は、内張り材1の内面側から、内張り材1の厚さ方向に向かって超音波を発信して内張り材1と既設管2との境界部からの反射エコーを検出し、当該反射エコーの最大振幅値に基づいて内張り材の硬化状態を推定するものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、既設管の内部に配置された硬化性樹脂を含む内張り材の硬化状態を検査するための硬化状態検査方法に関する。
上下水道管、ガス導管などの主として地中に埋設された配管は、長期間に亘って利用されることで、例えば腐食ガスや地盤沈下等、様々な要因により劣化する。このような劣化した配管を修復する方法として、いわゆる更生工法という工法がある。この工法は例えば劣化した配管内部に硬化性樹脂等を含む内張り材(例えばFRP(Fiber Reinforced Plastic))を挿入し、熱や光等でこの樹脂を硬化させ、配管内面を所定の厚さを有する内張り材で被覆したり、新たなパイプを形成したりすることで配管を更生するものである。
このような更生工法により更生された配管(更生管)においては、施工後の品質管理として、例えば、更生管の内張り材の厚さを検査する検査装置、検査方法が検討されている(特許文献1参照)。
特許第3925470号公報
硬化性樹脂を含む内張り材を用いた更生工法においては、施工後に内張り材に含まれる硬化性樹脂が十分に硬化していない場合は、非硬化部分において劣化しやすくなったり、外圧によって更生管内面に膨れが発生したりする等、更生管の品質が悪化する虞がある。そのため、硬化性樹脂の硬化状態を把握することが重要になる。
しかしながら、特許文献1に記載されているように、更生管の内張り材の厚さを検査する方法については従来から検討されているものの、内張り材に含まれる硬化性樹脂の硬化状態を把握するための検査方法についての検討はほとんどなされておらず、確立した検査方法がないのが現状である。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、既設管の内部に配置された硬化性樹脂を含む内張り材の硬化状態を検査するための硬化状態検査方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び効果
本発明に係る内張り材の硬化状態検査方法は、既設管の内部に配置された硬化性樹脂を含む内張り材の硬化状態を検査するための方法に関する。
そして、本発明に係る内張り材の硬化状態検査方法は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の内張り材の硬化状態検査方法は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
上記目的を達成するための本発明に係る内張り材の硬化状態検査方法における第1の特徴は、既設管の内部に配置された硬化性樹脂を含む内張り材の硬化状態を検査するための硬化状態検査方法であって、前記内張り材の内面側から、当該内張り材の厚さ方向に向かって超音波を発信して当該内張り材と前記既設管との境界部からの反射エコーを検出し、当該反射エコーの最大振幅値に基づいて内張り材の硬化状態を推定することである。
本願発明者は、当該反射エコーの最大振幅値が、内張り材の硬化状態に対応して変化することを知見しており、上記構成の検査方法を用いることで、既設管の内部に配置された内張り材の硬化状態の測定が可能になる。
また、この構成によれば、超音波の発信及び反射エコーの検出により測定できるため、内張り材を破壊することなく、容易に検査することができる。
また、例えば、内張り材の厚さ等を測定するために使用される超音波発信機及び受信機を用いて、厚さ測定等と同時に硬化状態を測定することができる。これにより、更生管の品質管理に必要な情報を効率よく測定することが可能になる。
また、本発明に係る内張り材の硬化状態検査方法における第2の特徴は、周波数の異なる2種類の超音波を発信して前記反射エコーをそれぞれ検出し、それらの最大振幅値の差に基づいて内張り材の硬化状態を推定することである。
この構成によると、硬化状態の測定結果のばらつきを少なくすることができる。これにより、簡易な方法で、より確実に内張り材の硬化状態を推定することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。
(検査対象について)
図1は、内張り材1が内部に配置された下水道管2を模式的に示す図である。内張り材1は、本発明の硬化状態検査方法による検査対象である。この内張り材1は、例えば、反転工法、形成工法等の既設管の更生工法を用いて、下水道管2の内面に配されている。尚、内張り材が既設管内面に接着されて配置される場合もあれば、内張り材が既設管内面に接着されていない状態で配置される場合もある。
ここで、反転工法とは、例えば熱硬化性樹脂を含むホース材料を既設管内に反転加圧させながら挿入し、既設管内で加圧状態のまま樹脂を加熱することで、既設管の内面に当該ホース材料を張り付ける、又は、新たなパイプを形成する工法である。また、形成工法とは、例えば熱硬化性樹脂を含むホース材料を既設管内に引き込み、空気と蒸気とで当該ホース材料を拡張・加熱し、既設管の内面に当該ホース材料を張り付ける、又は、新たなパイプを形成する工法である。尚、これらの更生工法において、例えば、紫外線硬化樹脂等の光硬化樹脂を含むホース材料を用いた場合は、紫外線等の光を照射することにより当該樹脂を硬化させてホース材料を既設管の内面に張り付けたり、パイプを形成したりすることも可能である。
また、図1においては、下水道管2に配置された内張り材1を示しているが、当該内張り材1に限らず、例えば、上水道管、ガス導管などの既設管に配置された内張り材であっても本発明の硬化状態検査方法を用いて検査することができる。
この内張り材1は、例えば、増粘させた硬化性樹脂液と繊維材とからなるシート(SMC)や、長繊維材に熱硬化性樹脂液を含浸させた材料により構成される。熱硬化性樹脂として、例えば、約80℃で所定時間加熱することにより硬化する不飽和ポリエステル樹脂が用いられている。また、内張り材1に含まれる繊維材として、例えば、グラスファイバが用いられている。
尚、本発明の硬化状態検査方法を用いれば、熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂が用いられている場合に限らず、エポキシ樹脂等、他の熱硬化性樹脂が用いられている場合であっても、内張り材の硬化状態を検査することができる。また、内張り材1の繊維材として、グラスファイバが用いられている場合に限らず炭素繊維や、アラミド繊維などが用いられている場合であっても、内張り材の硬化状態を検査することができる。更に、内張り材1が光硬化樹脂を含み、光照射により硬化されている場合であっても、その硬化状態を検査することができる。
(検査方法)
以下、本発明の実施形態に係る内張り材の硬化状態検査方法について説明する。
図2は、本発明を実施するために用いる検査装置が有する超音波探触子3を内張り材1の内面に設置した状態を模式的に示す図である。尚、超音波探触子3は、ケーブル4を介して図示しない検査装置本体に接続されている。
この検査装置は、略円柱形状の超音波探触子3を有し、当該超音波探触子3の円形状の端面3aから超音波が発信される。また、検査装置は、発信された超音波の反射エコーを検知し、当該反射エコーの振幅、及び、超音波を発信してから当該反射エコーを検知するまでの時間(以下、伝播時間と称する)を測定することができる。尚、超音波探触子3の種類を変更することで、発信される超音波の周波数を適宜変更することができる。
内張り材1の内面における検査位置に例えばグリセリンペースト等の接触媒質が塗布される。接触媒質が塗布された当該検査位置に対して、超音波探触子3における超音波が発信される端面3aが押し当てられる。超音波探触子3は、例えば鉛直下方に端面3aを向けて内張り材1の内面上に配置され、超音波探触子3の他端には、所定の荷重の錘5が設置される。これにより、端面3aが内張り材1の内面に対して一定の力で押し当てられる。また、超音波探触子からは、内張り材1の厚さ方向に向かって超音波が発信される。
図3は、内張り材1に遅延材付超音波探触子3から超音波を発信させ、その反射エコーを測定した測定結果を示すグラフである。図3において、横軸は超音波の伝播時間(μs)、縦軸は反射エコーの振幅電圧値(V)である。当該測定結果は、周波数4MHzの超音波を発信させて測定を行ったものである。尚、超音波探触子3の端面3aの径(振動子径)は約10mmであり、200gの錘5で超音波探触子3を鉛直下方に付勢して測定が行われている。
図3に示すように、伝播時間が約11μsの時に内張り材1の内面で反射した反射エコー(図3において矢印Xで示す。以下、表面エコーと称する)が検出されている。また、伝播時間が約16μs〜17μsの間において、内張り材1と下水道管2との境界部で反射した反射エコー(図3において矢印Yで示す。以下、底面エコーと称する。)が検出されている。
底面エコーは、表面エコーが検出される伝播時間から所定時間後に検出される反射エコーである。当該所定時間は、内張り材1を伝播する超音波の速度、及び、内張り材1の厚さに基づいて定まる。本実施形態においては、予め行われる実験で得られる反射エコーの波形から、底面エコーが検出される伝播時間を推定し、推定された伝播時間に検出された反射エコーの最大振幅電圧値を底面エコーの最大振幅電圧値としている。具体的には、伝播時間15μs〜18μsの間に測定された反射エコーの最大振幅電圧値を底面エコーの最大振幅電圧値としている。尚、振幅電圧値は、正負に振れて測定されるため、伝播時間15μs〜18μsの間に測定された振幅電圧値において絶対値が最も大きい振幅電圧値を最大振幅電圧値としてもよい。
図4に、硬化状態の異なる3種類の内張り材(内張り材A1、内張り材A2、内張り材A3)について、後述するΔHを測定した測定結果を示す。図4(a)が、内張り材A1、図4(b)が内張り材A2、図4(c)が内張り材A3の測定結果である。尚、各内張り材A1〜A3の厚さは約6mmであり、当該測定は、内張り材A1〜A3の作製後、速やかに行われたものである。
本測定においては、周波数が1MHz、2MHz、3MHz、4MHz、5MHzの超音波をそれぞれ発信させて底面エコーの最大振幅電圧値V、V、V、V、V(以下、Vと称する)を測定する。そして、測定した最大振幅電圧値Vを以下の計算式(i)のもと、底面エコー高さH(dB)に変換する。尚、本実施形態においては、当該底面エコー高さHが、本発明における反射エコーの最大振幅値に相当する。
=20×log(A’/A)−(測定Gain−基準Gain)・・・(i)
尚、Aは、電圧基準値である。本実施形態においては、内張り材の厚さ毎に完全硬化サンプルを作製して上記の超音波測定を行って得た底面エコーの最大振幅電圧値を各厚さにおける電圧基準値とした。また、A’は、Aを100%とした時の最大振幅電圧値Vの比率である。また、測定Gain、基準Gainは、電圧値を読み易くするために各測定において設定する増幅度合いである。
そして、各測定周波数における当該底面エコー高さHと1MHzの周波数を用いて測定したときの底面エコー高さHとの差(即ち、最大振幅値の差)であるΔH(=H−H)を求める。
図4には、発信させた超音波の周波数(横軸)と各周波数でのΔH(縦軸)との関係が示されており、内張り材における超音波探触子3の設置位置を変えて、4回測定したΔHの値がプロットされている。
また、図4(a)に測定結果を示す内張り材A1は、100℃以上で所定時間(4時間)加熱して完全に硬化させた内張り材である。
図4(b)に測定結果を示す内張り材A2は、80℃で所定時間(4時間)加熱して硬化させた内張り材である。
図4(c)に測定結果を示す内張り材A3は、内張り材A2よりも低い温度(約70℃)で所定時間(4時間)加熱して硬化させた内張り材である。
このように、内張り材A1〜A3は、加熱条件が異なるため、硬化状態がそれぞれ異なっている。定性的に言えば、内張り材A1が最も硬化しており、内張り材A2、内張り材A3の順に硬化度は低くなっていく。
図4に示すように、同じ材料においては、発信させる超音波の周波数が大きいほどΔHは小さくなることが分かる。また、図4(a)、図4(b)、図4(c)を比較すると、グラフの傾き(周波数の増加に対するΔHの低下の割合)は、内張り材A1(図4(a))が最も小さく、内張り材A3(図4(c))が最も大きい。即ち、硬化度の低い内張り材ほど周波数の増加によるΔHの低下の割合が大きく、硬化度の高い内張り材の測定データほど周波数の増加によるΔHの低下の割合が小さくなることが分かる。
言い換えれば、同じ周波数の超音波を発信させてΔHを測定したときに、硬化度が低い内張り材ほど測定されるΔHの値が小さくなることがわかる。また、発信させる周波数が大きいほど、異なる硬化度の内張り材で測定されるΔHの差が大きくなることが分かる。つまり、図4(a)、図4(b)、図4(c)の測定結果を比較すると、5MHzの周波数の超音波を発信させて測定したときのΔHの値の差が最も顕著である。
図5は、作製してから所定時間経過後の内張り材のΔHと超音波の周波数との関係を測定した測定結果である。
図5に示すように、作製してから所定時間が経過した内張り材についても、図4に示す測定結果と同様に、同じ材料においては、発信させる超音波の周波数が大きいほどΔHは小さくなり、また、図5(a)、図5(b)、図5(c)を比較すると、硬化度の低い内張り材ほど周波数の増加によるΔHの低下の割合(グラフの傾き)が大きくなることが分かる。
硬化状態が不明な内張り材(以下、測定対象と称する)について本発明の硬化状態検査方法を用いて硬化状態を判断する場合は、まず測定対象に超音波を当ててΔH(=H−H)を測定する。その後、測定されたΔHの値を、図4(a)、図4(b)、図4(c)の実験データと比較することで、測定対象が、内張り材A1、A2、A3のいずれに相当する硬化状態であるかを推定できる。
具体的には、例えば、超音波の周波数が5MHz及び1MHzの時の、測定対象の底面エコー高さΔH(=H−H)を測定し、当該ΔHを図4(a)、図4(b)、図4(c)における5MHz(横軸)のΔHの値と比較することができる。これにより、測定対象の硬化状態は、最も近いΔHの値を有する内張り材(A1、A2、又はA3)に相当する硬化状態であると推定できる。
また、例えば、超音波の周波数が1MHz、2MHz、3MHz、4MHz、5MHz、の時の、測定対象の底面エコー高さΔH(=H−H)を全て測定し、図4に相当するグラフを作成し、グラフの傾きと、図4(a)、図4(b)、図4(c)におけるグラフの傾きと比較することができる。これにより、測定対象の硬化状態は、最も近い当該グラフ傾きを有する内張り材(A1、A2、又はA3)に相当する硬化状態であると推定できる。
次に、内張り材の硬化度を定量的に推定するための方法について説明する。
内張り材の硬化度を定量的に推定するため、前述した条件で作製した3種類の内張り材A1、A2、A3について、示差走査熱量測定(DSC測定)を行った。本実施形態における内張り材に用いた不飽和ポリエステル樹脂は、硬化時に発熱するため、当該DSC測定で測定される発熱量が大きいほど、未硬化部分が多く、硬化度が低い(軟らかい)といえる。各材料からの発熱量を測定した測定結果は以下の通りである。
内張り材A1・・・0(J/g)
内張り材A2・・・2.4(J/g)
内張り材A3・・・5.1(J/g)
これにより、内張り材A1が最も硬化度が高く、内張り材A2は、内張り材A1よりも硬化度が低く、内張り材A3よりも硬化度が高いことが定量的に分かる。
図6は、硬化状態の異なる内張り材A1、A2、A3における、DSC発熱量とΔHとの関係を示すグラフである。尚、図6におけるΔHは、5MHzの周波数を用いて測定したときの当該底面エコー高さHと1MHzの周波数を用いて測定したときの底面エコー高さHとの差(即ち、ΔH=H−H)を、6回測定した平均値である。
硬化状態が不明な内張り材(以下、測定対象と称する)について本発明の硬化状態検査方法を用いて硬化状態を判断する場合は、まず測定対象に超音波を当ててΔH(=H−H)を測定する。その後、測定されたΔHの値に基づいて、図6から、当該ΔHに対応するDSC発熱量を求める。上述したように当該DSC発熱量は硬化度に対応するため、当該DSC発熱量の値により、測定対象の硬化状態を推定できる。
尚、ΔHを算出するために必要な2つの底面エコー高さを測定するために発信する超音波の2つの周波数は、当該2つの周波数のうち高い周波数が、低い周波数の5倍以上であることが望ましい。この場合、硬化状態の変化に対するΔHの変化が、測定時のばらつきに比べて大きくなり、より確実に硬化状態を判別できる。
次に、内張り材の厚さとΔHとの関係について説明する。図7は、完全に硬化させた内張り材の厚さと、ΔHとの関係を示すグラフである。尚、測定には厚さが、約3mm、約6mm、約9mmの3種類の内張り材を用いた。また、ΔHは、5MHzの周波数を用いて測定したときの当該底面エコー高さHと1MHzの周波数を用いて測定したときの底面エコー高さHとの差(即ち、ΔH=H−H)である。
図7に示すように、内張り材の厚さによりΔHは変化し、内張り材の厚さが厚くなる程、ΔHが小さくなる傾向があることが分かる。図6においては、厚さが約6mmである内張り材についての基準曲線を例示的に示したが、異なる厚さの内張り材について、硬化状態を検査するためには、測定対象の厚さに対応した基準曲線を予め求めておくことが必要となる。
以上、説明したように、本実施形態に係る内張り材の硬化状態検査方法は、下水道管2の内部に配置された硬化性樹脂を含む内張り材1の硬化状態を検査するための硬化状態検査方法であり、内張り材1の内面側から、当該内張り材1の厚さ方向に向かって超音波を発信して当該内張り材1と下水道管2との境界部からの反射エコー(底面エコー)を検出し、当該反射エコーの最大振幅値(底面エコー高さ)に基づいて内張り材1の硬化状態を推定する。
図6に示すように、当該反射エコーの底面エコー高さから算出されるΔHは、内張り材の硬化状態に対応して変化するので、上記構成の検査方法を用いることで、下水道管2の内部に配置された内張り材1の硬化状態の測定が可能になる。尚、内張り材が既設管内面に接着されている場合、内張り材が既設管内面に接着されていない状態で配置される場合のいずれの場合においても、同様の検査方法により硬化状態の測定が可能である。
また、この構成によれば、超音波の発信及び反射エコーの検出により測定できるため、内張り材1を破壊することなく検査することができる。
また、例えば、従来、内張り材1の厚さ等の測定により使用される超音波発信機及び受信機を用いて、厚さ測定等と同時に硬化状態を測定することができる。これにより、更生管の品質管理に必要な情報を効率よく測定することが可能になる。
また、周波数の異なる2種類(1MHz、5MHz)の超音波を発信して底面エコーをそれぞれ検出し、それら底面エコー高さH,HからΔHを算出して、当該ΔHに基づいて内張り材の硬化状態を推定している。この構成によると、硬化状態の測定結果のばらつきを少なくすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
(1)本実施形態においては、超音波探触子を錘で鉛直下方に付勢した状態で、超音波を発信させて測定を行ったが、この場合に限定されない。例えば、バネ等の付勢手段を用いて一定の力で超音波端子を内張り材1の内面に押し付けて測定を行ってもよい。
(2)硬化状態検査方法において、超音波を発信して硬化状態の検査対象となる内張り材の厚さを測定する工程を更に備えていても良い。この場合、予め、例えば、内張り材の硬化状態とΔHとの関係を示す基準データを複数の厚さの内張り材について求めておき、内張り材の厚さを測定する工程により測定された厚さデータに基づいて、複数の基準データの中から測定された厚さデータに対応する基準データを選択して、選択された基準データに基づいて、検査対象となる内張り材の硬化状態を推定することができる。これにより、精度よく硬化状態を推定することができる。
(3)本実施形態においては、ΔHを算出するために、異なる2種類の周波数の超音波を内張り材に対して発信する必要があるが、例えば、2周波探触子を用いて、当該2種類の周波数の超音波を同時に発信して反射エコーを測定できる構成とすることもできる。この場合、測定時間を短縮することが可能になる。
(4)本実施形態においては、1MHzと5MHzの2種類の周波数の超音波を発信して得られた底面エコーの底面エコー高さHに基づいて、ΔHを算出して、当該ΔHに基づいて硬化状態を推定しているが、この場合に限られない。例えば、一の周波数(例えば5MHz)の超音波を発信して得られた底面エコーの最大振幅値(最大振幅電圧値、若しくは、底面エコー高さ)のみに基づいて、硬化状態を推定することもできる。同じ周波数の超音波を発信した場合においても、内張り材の硬化状態が異なることにより、当該硬化状態に対応して底面エコーの最大振幅値に変化が生じるため、予め、硬化状態と最大振幅値との対応関係を示すデータを求めておくことで、単一の周波数の超音波を用いた測定により、硬化状態を推定することができる。
内張り材が内部に配置された下水道管を模式的に示す図である。 本発明を実施するために用いる検査装置が有する超音波探触子を内張り材の内面に設置した状態を示す図である。 内張り材に超音波探触子から超音波を発信させ、その反射エコーを測定した測定結果を示すグラフである。 硬化状態の異なる3種類の内張り材についてΔHを測定した測定結果を示す。 作製してから一定時間経過後の内張り材のΔHと超音波の周波数との関係を測定した測定結果である。 硬化状態の異なる内張り材におけるDSC発熱量とΔHとの関係を示すグラフである。 完全に硬化させた内張り材の厚さとΔHとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1 内張り材
2 下水道管
3 超音波探触子
4 ケーブル
5 錘
X 表面エコー
Y 底面エコー

Claims (2)

  1. 既設管の内部に配置された硬化性樹脂を含む内張り材の硬化状態を検査するための硬化状態検査方法であって、
    前記内張り材の内面側から、当該内張り材の厚さ方向に向かって超音波を発信して当該内張り材と前記既設管との境界部からの反射エコーを検出し、当該反射エコーの最大振幅値に基づいて内張り材の硬化状態を推定することを特徴とする内張り材の硬化状態検査方法。
  2. 周波数の異なる2種類の超音波を発信して前記反射エコーをそれぞれ検出し、それらの最大振幅値の差に基づいて内張り材の硬化状態を推定することを特徴とする請求項1に記載の内張り材の硬化状態検査方法。
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