JP2009166587A - 車両用ヨーレート演算装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両の左前輪1FL、右前輪1FR、左後輪1RL、右後輪1RRにそれぞれ配置された車輪速センサ2FL、2FR、2RL、2RRにより、車輪速度を検出し、この車輪速センサ2FL、2FR、2RL、2RRの出力である車輪速信号VFL、VFR、VRL、VRRは、ヨーレート演算装置3へ入力され、まず、車速が演算され、次いで車速と、予めメモリに記憶されたスタビリティファクタとを用いて、ヨーレートが演算される。
【選択図】図1
Description
一方で、実際に車両挙動を検出するためのヨーレートセンサは、高価な場合が多く、コスト的な面からヨーレートセンサが搭載されない車両では代替技術が必要となる。
例えば、特許文献1には、左右の車輪速差を車両のトレッド幅で割ることにより、ヨーレートを演算するもの、また特許文献2には左右の車輪速差にタイヤの空気圧などを考慮したものから、ヨーレートを演算するものが開示されている。
また、特許文献3には、左右の車輪速差に基づき、ヨーレートセンサの異常を判定するものが開示されている。
また、安価なヨーレートセンサを搭載している車両に関しても、ヨーレートセンサは、その構成上、温度などによるドリフトの影響で、正確なヨーレート値を得ることが困難である場合があり、ヨーレートセンサ値の信頼性を判定する手段が必要となる。
このように、従来の車両ヨーレートの演算方法では、車両のアンダーステア特性やオーバステア特性を考慮していないため、実際に車両に発生しているヨーレート真値とは異なるという課題があった。
以下、この発明の実施の形態1について図に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1によるヨーレート演算装置の全体構成を示すブロック図である。
図1において、車両の左右前輪1FL、1FRと、車両の左右後輪1RL、1RRが示されている。操舵輪である左右前輪1FL、1FRは、運転者によるステアリングホイール4の操作により、ラックアンドピニオン機構5を通じ転舵される。
左前輪1FL、右前輪1FR、左後輪1RL、右後輪1RRには、それぞれ車輪速度を検出する車輪速センサ2FL〜2RRが設けられている。また、車輪速センサ2FL〜2RRの出力である車輪速信号VFL〜VRRは、ヨーレート演算装置3へ入力され、これに基づき、ヨーレートが演算される。
まず、ヨーレート演算装置3は、左前輪車輪速信号VFL、右前輪車輪速信号VFR、左後輪車輪速信号VRL、右後輪車輪速信号VRRを読み込み、自身のメモリに記憶する(ステップS101)。
続いて、左前輪車輪速信号VFL、右前輪車輪速信号VFR、左後輪車輪速信号VRL、右後輪車輪速信号VRRに基づき、当技術分野において周知の要領にて車速Vが演算される(ステップS102)。次に、予め車両に応じて設定され、メモリに記憶されているスタビリティファクタA、後輪のトレッド幅(左右のタイヤの中心間距離)Trを用いて、数式1に従って、ヨーレートγが算出される(ステップS103、ヨーレート算出手段)。
なお、上述では、前後左右車輪の車輪速を用いてヨーレートを演算したが、少なくとも前方または後方の左右車輪の車輪速を用いれば、ヨーレートを演算することができる。
例えばノイズ除去手段は、カットオフ周波数3Hzのローパスフィルタなどを用いればよく、このカットオフ周波数は、車速や車両に応じて変更してもよい。
このように、車両に発生するヨーレート周波数成分のみ抽出することにより、より精度の高いヨーレート信号を得ることができるヨーレート算出手段を得ることが可能となる。
一般的にスリップ率が大きい場合は、過大な駆動トルクによるホイールスピンや、急制動による車輪のロックなどが発生している状態であり、本実施の形態1のように車輪速からヨーレートを算出するヨーレート演算装置においては、このような状態のときはヨーレート演算精度が低下する。
上記のような事由により、ステップS102とステップS103の間に、ヨーレート算出出力精度検出手段を設け、ヨーレート算出出力精度検出手段では数式2に基づき算出されるスリップ率が0.1以上のとき、ステップS103で算出されるヨーレート演算値の精度が低下していることを検出する機能をヨーレート演算装置3に含んでもよい。
より好ましくは、数式2に基づき算出されるスリップ率が0.05以上のとき算出されるヨーレート演算値の精度が低下していることを検出する機能をヨーレート演算装置3に含むとよい。
このようにタイヤのスリップ率に応じて、ヨーレート算出の精度を判断するヨーレート算出出力精度検出手段を設けることにより、より精度の高いヨーレート信号を得ることができるヨーレート演算装置を得ることが可能となる。
図3は、この発明の実施の形態2によるヨーレート演算装置の全体構成を示すブロック図である。
図3において、1FL〜1RR、2FL〜2RR、3〜5は図1におけるものと同一のものである。図3では、ハンドル角を検出するハンドル角センサ31と、横方向加速度を検出する横方向加速度センサ32と、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ33の3つが追加されている。
上述のように、ヨーレートセンサは、温度変化などの種々の要因により、ゼロ点がドリフトする。このような状態になると実際に車両に発生しているヨーレートとヨーレートセンサで検出されるヨーレートが一致しなくなり、ヨーレートセンサ信号を用いて車両挙動を制御するコントローラは、適切な制御ができないことがある。
まず、ヨーレート演算装置3は、実施の形態1と同様に、左前輪車輪速信号VFL、右前輪車輪速信号VFR、左後輪車輪速信号VRL、右後輪車輪速信号VRRを読み込み、自身のメモリに記憶したあと、予め記憶してある車両のスタビリティファクタとトレッド幅に応じてヨーレートの演算を行ない、ヨーレート信号として、メモリに記憶する(ステップS201)。
なお、このプロセスにおいて、実施の形態1で説明したノイズ除去手段やヨーレート算出出力精度検出手段を有してもよい。
具体的には、ヨーレート信号とヨーレートセンサ信号の差をとり、例えば絶対値で0.1rad./s以上の差があれば、ヨーレートセンサ信号が異常であると判断する。なお、実際には車両に応じて許容される誤差が異なるため、差をとった場合の異常と判定される値に関しては、車両に応じて設定される。
また、ここでは単純に差を例にとって説明したが、割合など2つの信号を比較することが可能な公知の手段により、ヨーレートセンサの異常を判定してもよい。
ハンドル角センサ31に関しては、ハンドル角センサ異常判定手段により、例えば、数式3に表されるハンドル角より計算されるハンドル角規範ヨーレート信号γθと、ヨーレート信号に基づいて、ハンドル角センサの異常を判定することが可能となる。
2FL 左前輪車輪速センサ、2FR 右前輪車輪速センサ、
2RL 左後輪車輪速センサ、2RR 右後輪車輪速センサ、
3 ヨーレート演算装置、4 ステアリングホイール、
5 ラック&ピニオン軸及びステアリングギアBOX、
31 ハンドル角センサ、32 横方向加速度センサ、33 ヨーレートセンサ。
Claims (6)
- 車両の左右車輪の車輪速と、上記車両ごとに予めメモリに記憶されたスタビリティファクタとに基づき、上記車両に発生するヨーレートを算出するヨーレート算出手段を備えたことを特徴とする車両用ヨーレート演算装置。
- 上記ヨーレート算出手段は、上記車輪速から外乱周波数成分を除去するノイズ除去手段を有することを特徴とする請求項1記載の車両用ヨーレート演算装置。
- 上記車両の各車輪のスリップ率を演算し、この演算されたスリップ率に応じて上記ヨーレート算出手段の算出精度を判断するヨーレート算出出力精度検出手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用ヨーレート演算装置。
- 上記車両に発生するヨーレートを検出するヨーレートセンサの出力と上記ヨーレート算出手段の出力とを比較し、上記ヨーレートセンサの異常を判定するヨーレートセンサ異常判定手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両用ヨーレート演算装置。
- 上記車両のハンドル角を検出するハンドル角センサの出力に基づき、ハンドル角規範ヨーレートを算出し、この算出したハンドル角規範ヨーレートと上記ヨーレート算出手段の出力とを比較し、上記ハンドル角センサの異常を判定するハンドル角センサ異常判定手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両用ヨーレート演算装置。
- 上記車両の横方向加速度を検出する横方向加速度センサの出力に基づき、横方向加速度規範ヨーレートを算出し、この算出した横方向加速度規範ヨーレートと上記ヨーレート算出手段の出力とを比較し、上記横方向加速度センサの異常を判定する横方向加速度センサ異常判定手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両用ヨーレート演算装置。
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