JP2009165958A - 曝気槽の処理状況判断方法とそれを用いた排水処理の制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】曝気槽内における流れ方向に沿って、複数箇所の汚泥と排水の混合液の炭酸ガス発生速度の分布を測定して内生呼吸遷移点を特定し、内生呼吸遷移点が適正な位置にくるように曝気槽を制御する曝気槽の処理状況判断方法とそれを用いた排水処理制御システムにおいて、汚泥の活性度等の変化により基準となる炭酸ガス発生速度の分布が変化するため、内生呼吸遷移点が適正な位置かどうかの判断を誤るという課題があった。
【解決手段】内生呼吸遷移点が適正な位置にあるかどうかの判断を内生呼吸の炭酸ガス発生速度の値と比較することにより、内生呼吸の炭酸ガス発生速度を常に曝気槽の混合液を用いて更新することができるため、活性度が変化した場合でも内生呼吸遷移点が適正な位置にあるかどうかの判断を適切に行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、排水処理施設において、下水道や工場などから排出される有機物を含んだ排水を微生物によって酸化分解処理する主要処理工程である曝気槽の処理状況を判断する方法とそれを用いた排水処理の制御システムに関するものである。
従来、下水処理場や事業所等の排水処理施設での有機性排水処理は、活性汚泥法による微生物の酸化分解処理によりなされている。
この工程において、活性汚泥中の微生物(細菌、原生動物など)は排水中の有機物を生物活動に必要なエネルギー源として体内に取り込んで浄化し、取り込まれた有機物は水中に溶存した酸素を消費しながら主に二酸化炭素と水に分解される。
微生物による酸化分解反応は様々な要因により分解特性が変化するため、連続かつ安定に処理を行うには適正な運転管理を行う必要がある。
排水処理施設における消費電力の最大の発生要因は活性汚泥法における主反応槽である曝気槽へ空気を送風するためのブロアの電力であり、省エネルギーの観点から曝気風量が必要最低限になるよう適切に制御することが望まれている。
特に事業所等の排水処理施設では公共の下水処理施設に比べ操業状況により流入負荷量や性状の変動差が大きく、変動に対応する為に人員を常時配置して適宜運転管理する必要があり、人員を配置しない場合は安全をみて曝気風量を多めに設定してエネルギー消費が増える状況となっており、省メンテ、コスト削減からも曝気槽の自動制御に対する要望は大きい。
ところで活性汚泥処理法における操作対象の項目としては、曝気槽に供給する空気の量(以下曝気風量)で行うのが代表的であり、その他、汚泥濃度や流入する負荷量の調整、汚泥の活性度の調整など様々な操作項目がある。
一方、計測対象の項目としては溶存酸素濃度(DO)、pH、酸化還元電位、汚泥濃度(MLSS)が代表的であり、これ以外に、水温、流入水量、汚泥沈降指標(SVI)なども測定され、これらのデータはどの処理場でも一定時間毎に記録され、管理されている。
また、これらの計測対象項目を監視対象として測定するだけでなく、これらの値の変動に応じて曝気槽を適切に制御する試みも行われており、排水処理の形式、制御の目的、処理場の規模、排水の性状等により様々な制御方法が考案されている。
最も基本的な曝気槽の制御方法としては、溶存酸素濃度が一定に保持するように曝気風量を制御する方法である。
曝気槽内の溶存酸素濃度は、曝気槽への酸素供給量と曝気槽内の微生物の酸素消費速度によって変化し、酸素供給量が一定であれば、酸素消費速度により増減する。
すなわち、最も基本的な曝気風量の制御方法は、この溶存酸素濃度を常に一定量になるように(通常1〜2mg/Lに)制御するもので、曝気槽に溶存酸素計を投入して計測し、例えば流入負荷が低く溶存酸素濃度が高いときは曝気風量を絞り、逆に流入負荷が増大し、溶存酸素濃度が低いときは曝気風量を増やして、常に必要最低限の曝気風量となるように制御する方法である。
しかし、このような最も基本的な溶存酸素濃度による曝気槽の制御は、曝気槽への酸素供給量が常に一定であるという仮定に基づいており、この仮定が成り立たないと正しく曝気槽の状態を制御できなくなる。
曝気槽の酸素供給能力は総括酸素移動容量係数(KLa)で表されるが、この値は汚泥の性状や散気管の目詰まり等の影響により変化するうえ、測定自体もかなりの手間と労力を要するため、曝気槽が稼動中に総括酸素移動容量係数を正確に測定することは困難である。
このような理由により、溶存酸素濃度による制御は運転状況を表す目安として使用されるにとどまり、結局は管理者が溶存酸素濃度その他の計測項目を統合して判断し経験と勘で運転しているケースが多いのが実情である。
一方、溶存酸素濃度ではなく、曝気槽の活性汚泥の酸素消費速度(Rr)を直接測定する方法がある。
この方法は、曝気槽内の活性汚泥の酸素消費速度を直接測定することにより流入負荷量の大小を判断し曝気槽を制御するもので、活性汚泥の酸素消費速度と流入負荷量に相関があることを前提としており、酸素消費速度の測定値から流入負荷量を推定し、負荷量に応じた曝気風量等の制御を行う方法である。この方法によれば、酸素供給能力の変化によらず、曝気槽に流入する負荷量の変動を安定に測定することができる。
しかし、これらのような曝気槽中の混合液に溶存酸素計を浸漬して溶存酸素濃度を測定する方法を用いる場合、計測機器の検知部に汚泥や夾雑物が付着して測定値に誤差が生じるため、頻繁にメンテナンスや校正を行う必要があるという欠点がある。そこで、溶存酸素濃度のかわりに微生物が排出する酸素や炭酸ガスや亜酸化窒素などのガス成分を測定し、これらのガス濃度変化速度を算出することにより曝気槽の流入負荷量を推定し、曝気槽を制御する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
この方法によれば、検知部は汚泥に接触することが無い為、省メンテで計測を行うことができる。
ところで、上記のような酸素や炭酸ガス、亜酸化窒素のような微生物の酸化分解反応で生じるガス濃度の変化速度から流入負荷量を推定して制御を行う方法の場合、流入負荷量とガス濃度変化速度の相関が常に一定であることを前提としているが、現実的にはガス濃度変化速度と流入負荷量の相関が必ずしも一定ではなく、負荷の種類、汚泥の馴致状況や活性度などにより相関が変化してしまい、相関係数を一義的に定義できない。
また、流入負荷量の大小を混合液のガス濃度変化速度で計測しているので測定対象と制御対象が同一になり、測定値を負荷量に変換し制御量を決定するフローとなるため急激な負荷の変化には常に応答の遅れを生じさせることになり、適切に制御を行えない課題を抱えており、現在においても主流にはなっていない。
そこで、これらのガス濃度変化速度を測定する制御方法における別の考え方として、流入負荷量を推定して制御量を決定するのではなく、曝気槽の処理状況を判断し、その判断結果に基づいて最適な状態に制御する考え方がある。
例えば負荷が連続的に流入、流出する押し出し流れ型の活性汚泥法の場合、曝気槽へ流入した負荷により、最上流部では高いガス濃度変化速度が測定されるが、その値は流れ方向に対して急激に減少した後、徐々に減少し最終的には負荷の消費を伴わない内生呼吸の状態となって安定する。
理想的な排水処理は、内生呼吸になる位置(内生呼吸遷移点)が曝気槽の最下流部となるようにするのがよく、この位置より手前に内生呼吸遷移点がある場合は処理が過剰と判断でき、逆に内生呼吸遷移点が曝気槽内部に無い場合は処理が不足していると判断できる。
この考え方を採用し、曝気槽内の内生呼吸遷移点の位置により曝気槽の処理状態を判断し、この結果に基づき内生呼吸遷移点が適正な位置になるよう制御する方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
この方法は、曝気槽内の流れ方向に対し複数の酸素消費速度を測定し、その傾きが変化する変曲点を特定して、この点を内生呼吸遷移点と判断し、この内生呼吸遷移点が適正な位置にくるように曝気風量を調整し曝気槽を制御する方法である。
この方法は溶存酸素濃度の時間変化である酸素消費速度を用いているが、同様の考え方をガス濃度変化速度に適用すれば、ガス濃度変化速度から負荷量を推定して制御する方法と比較して、負荷量の大小、負荷の種類や汚泥の活性度によらず、また負荷の変動に対しても応答の遅れを生じさせることが無いため、ガス検知による省メンテ性と適切な制御を両立した曝気槽の処理状況判断方法を得ることができる。
特開昭57−027197号公報 特開昭56−130296号公報
しかしながら、上記従来の方法を応用した曝気槽の処理状況判断方法では内生呼吸遷移点を特定するのに、生物処理槽内の流れ方向に対する酸素消費速度の分布の傾きから判断する方法であり、適正な状態の酸素消費速度の分布を事前の調査測定により決定して測定値と比較するが、実際には汚泥の活性度等は水温や負荷の性状等により変化してしまい、基準となる酸素消費速度の分布自体も変化するため、この方法では内生呼吸遷移点が適正な位置かどうかの判断を誤るという課題があった。
また、曝気槽の処理状況を適切に判断できないため、排水処理システムを最適に制御できないという課題があった。
そこで本発明は、汚泥の活性度等の変化の影響を受けず、曝気槽の処理状況を適切に判断できる曝気槽の処理状況判断方法と、この判断結果に基づいた最適な排水処理が行える排水処理の制御システムを実現することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、曝気槽内における流れ方向に沿って、複数箇所の汚泥と排水の混合液から発生するガス濃度変化速度を測定して内生呼吸遷移点を特定し、内生呼吸遷移点が適正な位置にあるかどうかの判断は測定したガス濃度変化速度の分布と内生呼吸のガス濃度変化速度の値を比較して行うものである。
また、本発明の排水処理の制御システムは、請求項1から7いずれか1項に記載の曝気槽の処理状況判断方法を用いて判断した前記曝気槽の処理状況に応じて、前記曝気槽の微生物の活性度を調整する活性度調整手段を有するものである。
また、本発明の排水処理の制御システムは、前記曝気槽で処理された混合液を重力によって汚泥と処理水に分離する沈殿槽を有し、請求項1から7いずれか1項に記載の曝気槽の処理状況判断方法を用いて判断した前記曝気槽の処理状況に応じて、前記沈殿槽から前記曝気槽に返送する汚泥量を調整する返送汚泥量調整手段を有するものである。
また、本発明の排水処理の制御システムは、請求項1から7いずれか1項に記載の曝気槽の処理状況判断方法を用いて判断した前記曝気槽の処理状況に応じて、前記曝気槽に流入させる排水の負荷量を調整する流入負荷量調整手段を有するものである。
本発明によれば、省メンテかつ汚泥の活性度等の変化の影響を受けず、曝気槽の処理状況を適切に判断できる曝気槽の処理状況判断方法と、この判断結果に基づいた最適な排水処理が行える排水処理の制御システムを提供することができる。
本発明は、
1.内生呼吸のガス濃度変化速度は、曝気槽内において流れ方向に沿って複数箇所で測定したガス濃度変化速度がほぼ同一値ならその値を内生呼吸のガス濃度変化速度とすることで正確に特定できる。
2.内生呼吸のガス濃度変化速度を正確に特定することができれば曝気槽内において流れ方向に沿って複数箇所で測定したガス濃度変化速度との偏差から曝気槽の処理状況を適切に判断できる。
3.曝気槽の処理状況を適切に把握できれば排水処理施設における制御対象を最適に制御できる。
4.排水処理施設における制御対象としては、曝気槽内の微生物の活性度、微生物の数量、流入させる負荷量がある。
5.曝気槽は負荷が連続的に流入、流出する押し出し流れ型の場合、曝気槽内の微生物の活性度は均一でないので微生物の活性度はきめ細かく制御した方がより最適に排水処理施設を制御できる。
という点に着目して、発明を完成させた。
本発明の第1の実施の形態による曝気槽の処理状況の判断方法は、曝気槽内における流れ方向に沿って、複数箇所の汚泥と排水の混合液から発生するガス濃度変化速度を測定して内生呼吸遷移点を特定し、内生呼吸遷移点が適正な位置にあるかどうかの判断は測定したガス濃度変化速度の分布と内生呼吸のガス濃度変化速度の値を比較して行うものである。
本実施の形態によれば、汚泥の活性度が変化しても、それに合わせて内生呼吸のガス濃度変化速度も再定義されるため、内生呼吸遷移点が適正な位置にあるかの判断を適切に行うことができる。
本発明の第2の実施の形態は、ガス濃度変化速度を測定するガスは、曝気槽から発生するガス成分のうち、炭酸ガス、亜酸化窒素、酸素のうちいずれか一つ以上のガスであるものである。
本実施の形態によれば、高いS/N比の測定を行うことができる。
本発明の第3の実施の形態は、炭酸ガスは、水中に溶解した溶存炭酸ガス成分を測定するものである。
本実施の形態によれば、ガス成分を測定できない状況であっても、曝気槽の処理状況を判断することができる。
本発明の第4の実施の形態は、内生呼吸のガス濃度変化速度の値は、無負荷状態における曝気槽から発生するガス濃度変化速度の測定値とするものである。
本実施の形態によれば、内生呼吸のガス濃度変化速度を曝気槽内の混合液から直接測定することにより、より正確な内生呼吸のガス濃度変化速度を得るができる。
本発明の第5実施の形態は、無負荷状態は、前記曝気槽へ流入する負荷が無い状態であるものである。
本実施の形態によれば、曝気槽に負荷が無い日や時間があらかじめ特定できる場合などにおいて、容易に無負荷状態と判別でき内生呼吸のガス濃度変化速度を得るができる。
本発明の第6の実施の形態は、無負荷状態は、前記曝気槽の流れ方向に沿って複数箇所で測定したガス濃度変化速度の分布の傾きが水平の状態であるものである。
本実施の形態によれば、曝気槽の負荷が無い状態であることをガス濃度変化速度の分布の傾きから判断できるようになり、曝気槽の負荷が流入しない日や時間をあらかじめ特定する必要を無くすことができる。
本発明の7の実施の形態は、測定したガス濃度変化速度の値が内生呼吸のガス濃度変化速度の値より低いとき、測定したガス濃度変化速度の値を内生呼吸のガス濃度変化速度とするものである。
本実施の形態によれば、活性度が下がりガス濃度変化速度が内生呼吸のガス濃度変化速度よりも低い値が測定されたときも、この値を内生呼吸のガス濃度変化速度として更新することにより、流入負荷が0にならない場合においても、内生呼吸のガス濃度変化速度を得るができる。
本発明の第8の実施の形態の排水処理制御システムは、請求項1から7いずれか1項に記載の曝気槽の処理状況の判断方法を用いて判断した前記曝気槽の処理状況に応じて前記曝気槽の微生物の活性度を調整する活性度調整手段を有するものである。
本実施の形態によれば、曝気槽の処理状況を正確に把握し、処理状況に応じて曝気槽の微生物の活性状態を調整し、有機物の分解量を調整することができる。
本発明の第9の実施の形態は、活性度調整手段は、多数の噴出項を有した散気管と前記散気管に空気を供給するブロアで構成されるものである。
本実施の形態によれば、曝気槽への曝気風量を調整することで微生物の活性度を調整することができる。
本発明の第10の実施の形態は、散気管は曝気槽内における流れ方向に沿って複数箇所設置され、前記複数の散気管の風量はそれぞれ個別に調整するものである。
本実施の形態によれば、曝気槽への曝気風量を流れ方向に沿ってきめ細かく調整することができる。
本発明の第11の実施の形態は、活性度調整手段は、微生物の活性度を促進させる活性剤を曝気槽に流入させる活性剤流入手段であるものである。
本実施の形態によれば、曝気槽に投入する活性剤の量を調整することで微生物の活性度を調整するができる。
本発明の第12の実施の形態は、活性剤流入手段の活性剤流入口は曝気槽内における流れ方向に沿って複数箇所設置され、前記活性剤流入口から流入させる活性剤の量はそれぞれ個別に調整するとしたものである。
本実施の形態によれば、曝気槽内の微生物の活性度を流れ方向に沿ってきめ細かく調整することができる。
本発明の第13の実施の形態の排水処理制御システムは、前記曝気槽で処理された混合液を重力によって汚泥と処理水に分離する沈殿槽を有し、請求項1から7いずれか1項に記載の曝気槽の処理状況判断方法を用いて判断した前記曝気槽の処理状況に応じて前記沈殿槽から前記曝気槽に返送する汚泥量を調整する返送汚泥量調整手段を有するとしたものである。
本実施の形態によれば、曝気槽の処理状況を正確に把握し、処理状況に応じて微生物の数量を調整することで有機物の分解量を調整することができる。
本発明の第14の実施の形態は、返送汚泥量調整手段は曝気槽と沈殿槽を接続した配管と、配管に取り付けられた弁で構成され、前記弁の開度を調整するものである。
本実施の形態によれば、沈殿槽に存在する微生物を曝気槽に戻すことで曝気槽内の微生物の数量を調整することができる。
本発明の第15の実施の形態は、返送汚泥量調整手段は曝気槽と沈殿槽を接続した配管と、配管に取り付けられたポンプで構成され、ポンプの運転を調整するものである。
本実施の形態によれば、沈殿槽に存在する微生物を曝気槽に戻すことで曝気槽内の微生物の数量を調整することができる。
本発明の第16の実施の形態の排水処理制御システムは、請求項1から7いずれか1項に記載の曝気槽の処理状況判断方法を用いて判断した前記曝気槽の処理状況に応じて、前記曝気槽に流入させる排水の負荷量を調整する流入負荷量調整手段を有するとしたものである。
本実施の形態によれば、曝気槽に流入する排水の負荷量を調整することができる。
本発明の第17の実施の形態は、流入負荷量調整手段は、排水の流入口に設置された弁であり、前記弁の開度を調整するものである。
本実施の形態によれば、曝気槽に流入する排水の流量を調整することで曝気槽に流入する排水の負荷量を調整することができる。
本発明の第18の実施の形態は、流入負荷量調整手段は、排水の流入口に設置されたポンプであり、前記ポンプの運転を調整するものである。
本実施の形態によれば、曝気槽に流入する排水の流量を調整することで曝気槽に流入する排水の負荷量を調整することができる。
本発明の第19の実施の形態は、流入負荷量調整手段は、排水の油分を除去する加圧浮上装置であり、前記加圧浮上装置の運転を調整するものである。
本実施の形態によれば、排水の油分の除去量を調整することで曝気槽に流入する排水の負荷量を調整することができる。
本発明の第20の実施の形態は、排水を一時的に溜めておく調整槽を有し、流入負荷量調整手段は、前記調整槽に溜められた排水の負荷を低減させる薬剤を前記調整槽に流入させる薬剤流入手段であり、前記調整槽への薬剤の流入量を調整するものである。
本実施の形態によれば、調整槽で排水の負荷量を調整することで曝気槽に流入する排水の負荷量を調整することができる。
以下、本発明による実施の形態の曝気槽の制御方法について、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は本実施の形態における排水処理システムの1例を示すフロー図で、制御対象を含んだ排水処理部1と計測制御部2を示している。
排水処理部1は排水を貯留する調整槽3と、排水と汚泥との混合液を曝気することにより有機物を微生物によって酸化・分解する曝気槽4と、曝気槽4で処理された混合液を重力によって汚泥と処理水とに分離する沈殿槽5で構成されている。
ここで、矢印の向きは排水の流れ方向を表している。
また、処理対象の排水が流入する調整槽3は排水内の油分を気泡により浮上させて除去する加圧浮上装置6および流量調整弁7を介して曝気槽4に接続されている。
さらに、調整槽3には溜められた排水の負荷を低減させる薬剤を流入させる薬剤注入装置8が接続されている。ここで薬剤とは例えば凝集剤・pH調整剤・栄養剤である。
曝気槽4の底部には有酸素気泡が発生する散気管9が流れ方向に沿って複数配置されており、各散気管9はそれぞれ散気管制御弁10を介して曝気槽4の外部に接続された曝気ブロア11と空気配管によって接続されている。
また、曝気槽4の最下流部は沈殿槽5と接続されている。
沈殿槽5で沈降した汚泥は排出管12、返送弁13を介して排出し、返送汚泥として曝気槽4の流入口へ戻され再利用される(図示なし)。
次に計測制御部2について説明する。
一定量の汚泥が貯留する計測槽14の上部には空気抜き用の開口部15があり、この位置に炭酸ガス濃度計16が配置されており、計測槽14の底部には計測槽散気管17が配置されており、計測槽散気管17は計測槽14の外部に設置された計測槽曝気ブロア18と空気配管によって接続されている。
また、曝気槽4には混合液採取ポンプ19が流れ方向に沿って最上流部と最下流部を含む複数箇所に配置されおり、各混合液採取ポンプ19は混合液採取弁20および液体配管21を介して計測槽14の流入口22と接続されている。
また、計測槽14の底部には流出口23があり、流出口23は液体配管24によって曝気槽4の最上流部近傍と接続されている。
また、特に図示していないが流出口23の下方には排出用の弁があり処理状況判断装置25から開閉できるようになっている。
炭酸ガス濃度計16は、空気中の炭酸ガス濃度が測定できるものであれば、どのようなものも使用できるが、測定精度が高く、湿度など測定環境の影響を受けにくい非分散型赤外線分析(NDIR)計を用いるのがよい。
図2は計測制御部2を構成している処理状況判断装置25と制御装置26の関係を示すブロック図である。処理状況判断装置25は炭酸ガス濃度計16の計測値を入力とし、計測槽曝気ブロア18への運転/停止指令、混合液採取ポンプ19への運転/停止指令、混合液採取弁20の開/閉指令を随時出力して炭酸ガス発生速度を演算し、その演算結果から曝気槽4の処理状況を判断し、判断結果を制御装置26に出力している。
制御装置26は処理状況判断装置25にて判断された曝気槽4の処理状況を入力とし、加圧浮上装置6への運転/停止指令、流量調整弁7への開度指令、薬剤注入装置8への運転/停止指令、散気管制御弁10への開度指令、曝気ブロア11への風量指令、返送弁13への開度指令を出力し各対象を制御している。
次に、曝気槽4の内部での処理状況について図3を用いて説明する。
曝気槽4内部に流入した有機物は曝気槽4の最上流部で汚泥と混合される。汚泥を構成している微生物は水中に溶存した酸素を消費しながら有機物を炭酸ガス等と水に分解する。曝気槽4の最上流部では微生物は、まず負荷である有機物を急速に体内に取り込みながら易分解性の有機物を分解するため、酸化分解反応に伴って排出される炭酸ガスの量も多くなり、ガス濃度変化速度すなわち炭酸ガス発生速度は最上流部で最も高い値を示したあと急激に低下する挙動を示す(図3中のA部)。ここで、混合液は曝気槽4を下流に向かって進みつつ微生物は体内に残存した難分解性の有機物を少しずつ酸化分解していき、炭酸ガス発生速度は下流に行くに従い徐々に低下していく。
微生物が体内に取り込んだ有機物が全て消費されたとき、微生物は有機物の消費を伴わない生物活動に必要な最低限度の呼吸、いわゆる内生呼吸状態となり、内生呼吸の炭酸ガス発生速度となって安定する。
すなわち、図3のaにあるように有機物を分解する呼吸が内生呼吸に遷移する位置(内生呼吸遷移点)が曝気槽4の最下流部と一致する場合が最も効率が良い処理といえる。
もし、図3のbのように内生呼吸遷移点が曝気槽4の最下流部より前にあった場合は、内生呼吸遷移点より後ろの位置の汚泥は酸化分解の処理をしていないことになり、この部分の処理は無駄となり、これは負荷に対して処理が過剰であることを意味している。
一方、図3のcのように内生呼吸遷移点が曝気槽4の最下流部より後ろ、すなわち曝気槽4内で内生呼吸遷移点に到達しない場合、最下流部でも微生物の体内に有機物が残留している事になり、処理が不足していることを示している。
処理過剰が進行すると菌体外物質の生産不足による汚泥の沈降性の悪化などが生じる恐れがあり、逆に処理不足が進行しても、菌体内に有機物が残存して蓄積し、微生物の有機物の吸収能力が低下し、いずれにせよ処理水の性状が悪化する。
つまり、曝気槽4を適切な状態に保つためには内生呼吸遷移点が曝気槽4の最下流部に常に位置するように制御することが最善である。
次に図3に示した炭酸ガス発生速度の分布を得る手順について説明する。本実施の形態では処理状況判断装置25は、曝気槽4に対し流れ方向に複数箇所の混合液採取ポンプ19を配置し、各位置の炭酸ガス濃度を計測槽14で測定して炭酸ガス発生速度の分布を演算し、曝気槽4の処理状況を判断するようになっている。
まず、混合液採取ポンプ19を動作させ、各ポンプに対応した混合液採取弁20を開いて、その近傍だけの混合液を流入口22から計測槽14へ流入させる。
混合液は計測槽14に一定量貯留され、次いで計測槽曝気ブロア18を作動させ計測槽散気管17より有酸素気泡が計測槽14内に送り込まれると同時に計測槽14内の混合液が攪拌され、炭酸ガス濃度計16による測定も開始する。
この時、処理状況判断装置25では炭酸ガス濃度計16の測定値が一定時間ごとに逐次記録され、計測槽14内の混合液から排出される空気中の炭酸ガス濃度が曝気により上昇し、安定した時の炭酸ガス濃度を測定値として採用して計測を停止し、計測槽14内部の混合液を流出口23より曝気槽4に返送する。ここで、曝気槽4に返送する位置は処理水への影響を考慮し曝気槽4の最上流部であることが望ましい。
ところで通常大気中の炭酸ガス濃度はおよそ380ppm程度の値で安定しているが、純粋な水に空気を吹き込むと、大気中の炭酸ガスが水に溶解する。炭酸ガスの水に対する溶解度は温度やpH、炭酸ガスの分圧によって変化するが、ここでは、数L程度の容器に連続曝気するので直ぐに飽和となる為、水に溶解する炭酸ガス量は無視でき、微生物による呼吸が無い場合での排出される炭酸ガス濃度は大気中の炭酸ガス濃度である380ppmとみなしてよい。微生物が有機物を酸化分解している場合は有機物の濃度や活性度、処理段階に応じた量の炭酸ガスを放出するため、380ppmより高い炭酸ガス濃度が計測される。大気中から計測槽曝気ブロア18によって送り込む風量が一定であれば、曝気によって混合液から放出されるガス中の炭酸ガス濃度は、微生物からの炭酸ガス発生速度と曝気する風量との比により一定の値になる。よって式(1)を用いて定常状態の炭酸ガス濃度の測定値から炭酸ガス発生速度を計算することができる。
Cr=(C−CAir)・Q/V…(1)
ここで、Crは求める炭酸ガス発生速度、Cは計測した炭酸ガス濃度、CAirは大気中の炭酸ガス濃度で2007年度の時点では約380ppm、Qは曝気風量、Vは計測槽14の汚泥容積である。
また、曝気風量や容積が常に一定であれば、測定する炭酸ガス濃度は炭酸ガス発生速度と等価として取り扱ってよい。つまり、上記のようにして測定した炭酸ガス濃度を演算せず炭酸ガス発生速度の代わりに用いてもよい。
また、別の測定方法として曝気した後、計測槽14を密閉し発生する炭酸ガス濃度の時間変化から直接炭酸ガス発生速度を測定することもできる。
このようにして、曝気槽4の最上流部から最下流部まで順次に炭酸ガス濃度を測定していくことにより、曝気槽4内の炭酸ガス発生速度の分布が得られる。
次に炭酸ガス発生速度の分布から曝気槽4の処理状況を判断する方法について図4を用いて説明する。
図4においてC1からC4は計測槽14で測定された曝気槽4における流れ方向の炭酸ガス発生速度を表し、C1が最上流部を、C4が最下流部を表す。Nは現在の内生呼吸の炭酸ガス発生速度を表す。
まず、曝気槽4の上流部のC1とC2の値を比較し、C1>C2であれば、曝気槽4に流入する負荷があると判断する。
1=C2すなわち分布の傾きが水平であれば流入する負荷が無い状態と判断する。このようにすれば、曝気槽4に負荷が流入する日時を予め特定する必要が無く曝気槽4に負荷が無い状態であることを炭酸ガス発生速度の分布の傾きから判断することができる。
また、通常C1=C2のときはC1=C2=C3=C4となり全体の分布の傾きが0となり曝気槽4全体が「無負荷状態」と判断でき、この時のC4の炭酸ガス発生速度を内生呼吸の値としてNに代入するが、処理条件としてC1=C2=C3=C4とすれば、より確実に無負荷状態の判断ができる。
次に負荷があると判断された場合は、現在の内生呼吸の炭酸ガス濃度発生速度NとC4を比較して、C4>Nの場合は最下流部の炭酸ガス発生速度が内生呼吸の炭酸ガス発生速度より大きいことになり、「処理が不足」と判断する。
4=Nの場合は、さらにその一つ上流のC3の値とNを比較し、C3=Nの場合は内生呼吸遷移点がR3の位置より前にあることを意味し、「処理が過剰」と判断する。
3>Nの場合は、内生呼吸遷移点がC4の位置であると判断でき、「処理が適正」と判断する。
ここでC4<Nより小さいというケースも考えられる。
これは水温や負荷の性状により汚泥の活性度が低下したことによる影響と判断でき、C4の値を強制的に内生呼吸の炭酸ガス発生速度としてNを更新し、更新したNをC3と比較して内生呼吸遷移点の位置を特定する。
ここでは、内生呼吸遷移点が曝気槽4の最後段にあるかどうかで処理状況を判断しているが、これは必ずしも厳密な一致である必要は無く、適当な許容差の範囲で一致すればよい。実際の運転では、汚泥は2〜4日の汚泥日令で引抜かれる為、この汚泥日令の範囲で水質が悪化しない程度にNに許容差を設定する。
ここで、従来の曝気槽4の制御方法では炭酸ガス発生速度の分布の傾きが変わる変曲点で内生呼吸遷移点の位置が適正かどうか判断するが、あらかじめ事前に調査測定した最適な分布を基準として比較する方法を用いているが、汚泥の活性が変化した場合は最適な分布自体が変化するので、例えば図3におけるaの分布が活性により変化することになるので、内生呼吸遷移点が適正な位置にあるかどうかの判断を誤る。
しかし、本実施の形態では内生呼吸遷移点が適正な位置にあるかどうかの判断を内生呼吸の炭酸ガス発生速度と比較しており、内生呼吸の炭酸ガス発生速度を常に曝気槽4の混合液を用いて更新することができるため、温度変化や負荷の性状により汚泥の活性度が変化した場合でも内生呼吸遷移点が適正な位置にあるかどうかの判断を適切に行うことができる。
また、本実施の形態では無負荷状態の判断を、曝気槽4の炭酸ガス発生速度の分布の傾きが水平であることで判断すると説明したが、例えば曝気槽4に負荷が流入しない日や時間があらかじめわかっており特定できる場合などにおいては、炭酸ガス発生速度の分布の傾きを調べる必要が無く、無負荷状態になる時間の炭酸ガス発生速度を内生呼吸の炭酸ガス発生速度とすればよい。
尚、内生呼吸状態とは厳密には微生物が有機物を取り込んだ後、10〜20日以上経過して有機物を完全に消費し、さらに長時間かけて窒素成分等をも完全に消費した状態とされているが、ここでいう内生呼吸とは厳密な意味での内生呼吸状態ではなく、曝気槽4が無負荷状態となって大部分の有機物が消費され、炭酸ガス発生速度の低下が極めて遅くなり、短期的には一定と判断できる状態として用いている。
尚、ここでは炭酸ガス濃度を測定するのに炭酸ガス濃度計16を用いる方法で説明した。炭酸ガスは空気と接触している場合、ヘンリーの法則により炭酸ガスの分圧に応じて水中に溶解する溶存炭酸ガス濃度が変化する。これを利用し、空気中に放出された炭酸ガス成分を測定する代わりに、水中に溶存した炭酸ガス成分を測定してもよい。この場合、計測槽14に炭酸ガス濃度計16を設置できない場合や、付近に燃焼機器がある場合などで大気中の炭酸ガス濃度変化が大きく、ガスで精度よく測定ができないような場合でも曝気槽4の処理状況を判断することができる。
また、ここではガス濃度変化速度の計測対象とするガスを微生物が有機物を酸化分解により生じる炭酸ガス発生速度を計測することで説明したが、ガス濃度変化速度の対象とするガスは、微生物による酸化分解によって変化するガスであれば別のガス成分を用いてもよい。酸化分解によって発生するガスとしては、炭酸ガス以外に亜酸化窒素があり、亜酸化窒素は炭酸ガスに比べて水に溶けにくく、また大気中には含まれていないため炭酸ガスよりも大気の影響を受けにくく高いS/N比の測定を行うことができる。
また、微生物による酸化分解反応において炭酸ガスとは逆に減少するガス成分として酸素ガスがある。酸素ガスは、減少するため炭酸ガス発生速度とは逆の符号となるが、絶対値をとれば炭酸ガス発生速度と同様に取り扱うことができる。尚、亜酸化窒素の測定は炭酸ガスと同様の非分散型赤外線分析計を用いることができ、酸素の測定はガルバニ電池式等の酸素ガス濃度計を用いることができる。
次に制御装置26の動作について説明する。制御装置26は処理状況判断装置25にて判断された曝気槽4の処理状況判断結果が「処理が適正」となるように、加圧浮上装置6への運転/停止指令、流量調整弁7への開度指令、薬剤注入装置8への運転/停止指令、散気管制御弁10への開度指令、曝気ブロア11への風量指令、返送弁13への開度指令を出力制御しているが、各機器は以下の判断に基づいて運転制御されている。
1.加圧浮上装置を運転すると、排水の油分が取り除かれ、排水の負荷が減少する。
2.流量調整弁を閉じることで排水の曝気槽への流入を減らし、排水の負荷が減少する。
3.薬剤注入装置を運転すると排水の有機物が沈降し、排水の負荷が減少する。
4.散気管制御弁、曝気ブロアで曝気槽への曝気風量を増やすと微生物の活性が増加する。
5.曝気槽への曝気風量は計測位置C1からC4に対応する散気管制御弁を個別に制御することで曝気槽内の各位置での微生物の活性度を別個に制御できる。
6.返送弁を開いて汚泥を返送すると曝気槽の微生物量が増加し、曝気槽の処理能力が増加する。
実際の機器の運転制御は表1に示すように1から11の運転モード(運転モードが増えるほど排水の負荷が増加した時の運転方法になっている)に対する各機器の運転方法を定義し、処理状況判断装置25で曝気槽4の処理状況判断が行われる毎に、以下の判断に基づいて運転モードの変更が行われている。
Figure 2009165958
1.判断結果が「無負荷状態」の時:運転モードを1にする。
2.判断結果が「処理が過剰」の時:運転モードを1減ずる。
3.判断結果が「処理が適正」の時:運転モードは変更しない。
4.判断結果が「処理が不足」の時:運転モードを1増やす。
尚、曝気ブロア11はインバータを使用して散気管制御弁10の開閉状態に応じて常に適切な風量を供給するように制御されている。
尚、表1では、機器は運転/停止の2状態、弁は全開/半開/全閉の3状態で制御しているが、機器を連続運転/50%間欠運転/停止の3状態、弁は全開/75%開/50%開/25%開/全閉の5状態とすれば運転モードをさらに増やして、きめ細かく制御できる。
尚、本実施の形態では、「返送弁」「散気管制御弁と曝気ブロア」「加圧浮上装置」「薬剤注入装置」「流量調整弁」の順番で運転制御をしているが運転制御の順番は変更してもよい。
また、本実施の形態では複数の散気管9と散気管制御弁10に対して、1台の曝気ブロア11の曝気風量の調整をすることで曝気槽4内の微生物の活性を調整しているが、一つの散気管9、散気管制御弁10に対してそれぞれ別個の曝気ブロア11を設置して曝気風量の調整を行っても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では散気管制御弁10、曝気ブロア11で曝気槽4内の微生物の活性を調整しているが、図5に示すように散気管制御弁10を取り除き曝気槽4への曝気風量はどの位置でも同じにしておき、微生物の活性度を促進させる活性剤を貯蔵タンク27に蓄えておき、活性剤流入管28を曝気槽4内における流れ方向に沿って複数箇所設置し、複数の活性剤流入管28から曝気槽4内に流入させる活性剤の量を活性剤流入弁29にてそれぞれ個別に調整することでも同様の効果が得られる。ここで活性剤とは例えばビタミン、ミネラル、サポニン等である。
また、沈殿槽5から曝気槽4への汚泥の返送は返送弁13の開度調整をすることで行ったが、返送ポンプを用いて行ってもよい。特に曝気槽4に設けられた汚泥返送口が沈殿槽5の汚泥返送口より高さが上方にある場合は返送ポンプを用いる必要がある。
また、排水の曝気槽4への流入には流量調整弁7の開度調整をすることで行ったが、流入ポンプを用いて行ってもよい。特に曝気槽4に設けられた排水流入口が加圧浮上装置6の排水流出口より高さが上方にある場合は流入ポンプを用いる必要がある。
尚、本実施の形態では炭酸ガス発生速度の分布で内生呼吸遷移点を特定する方法で説明したが、通常、曝気槽4は汚泥濃度を一定に保つように運転されているのでこの方法で問題は無い。
しかし、より正確な検知を行うには計測槽14に汚泥濃度計を設置し、炭酸ガス発生速度を汚泥濃度で除した単位汚泥重量あたりの炭酸ガス発生速度を用いる方がより正確に内生呼吸遷移点を特定できる。
尚、本実施の形態では「返送弁」「散気管制御弁と曝気ブロア」「加圧浮上装置」「薬剤注入装置」「流量調整弁」の各機器の制御を制御装置26にて自動制御したが、処理状況判断装置25の判断結果から表1に示す運転方法に従って管理者が手動で各機器の操作を行ってもよい。
以上のように、本実施の形態によれば、ガス濃度変化速度の分布を測定することにより、省メンテで曝気槽4の処理状況が適正かどうかを適切に判断し、この結果に基づき最適な排水処理が行える排水処理制御システムが得られる。
本発明による曝気槽の処理状況判断方法およびそれを用いた排水処理制御システムは、下水処理場、事業所等における有機性排水の処理施設における排水処理の制御システムに対して適用することができる。
本発明の実施の形態1の排水処理システムの1例を示すフロー図 本発明の実施の形態1の計測制御部の入出力を示すブロック図 本発明の実施の形態1の曝気槽内における炭酸ガス発生速度の分布を示すグラフ 本発明の実施の形態1の処理状況判断装置の動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態1の排水処理システムの別の1例を示すフロー図
符号の説明
1 排水処理部
2 計測制御部
3 調整槽
4 曝気槽
5 沈殿槽
6 加圧浮上装置
7 流量調整弁
8 薬剤注入装置
9 散気管
10 散気管制御弁
11 曝気ブロア
13 返送弁
14 計測槽
16 炭酸ガス濃度計
25 処理状況判断装置
26 制御装置
27 貯蔵タンク
28 活性剤流入管
29 活性剤流入弁

Claims (20)

  1. 曝気槽内における流れ方向に沿って、複数箇所の汚泥と排水の混合液から発生するガス濃度変化速度を測定して内生呼吸遷移点を特定し、内生呼吸遷移点が適正な位置にあるかどうかの判断は測定したガス濃度変化速度の分布と内生呼吸のガス濃度変化速度の値を比較して行う曝気槽の処理状況判断方法。
  2. ガス濃度変化速度を測定するガスは、曝気槽から発生するガス成分のうち、炭酸ガス、亜酸化窒素、酸素のうちいずれか一つ以上のガスであることを特徴とする請求項1記載の曝気槽の処理状況判断方法。
  3. 炭酸ガスは、水中に溶解した溶存炭酸ガス成分を測定することを特徴とする請求項2記載の曝気槽の処理状況判断方法。
  4. 内生呼吸のガス濃度変化速度の値は、無負荷状態における曝気槽から発生するガス濃度変化速度の測定値とすることを特徴とした請求項1記載の曝気槽の処理状況判断方法。
  5. 無負荷状態は、前記曝気槽へ流入する負荷が無い状態である請求項4記載の曝気槽の処理状況判断方法。
  6. 無負荷状態は、前記曝気槽の流れ方向に沿って複数箇所で測定したガス濃度変化速度の分布の傾きが水平の状態である請求項5記載の曝気槽の処理状況判断方法。
  7. 測定したガス濃度変化速度の値が内生呼吸のガス濃度変化速度の値より低いとき、測定したガス濃度変化速度の値を内生呼吸のガス濃度変化速度とする請求項1記載の曝気槽の処理状況判断方法。
  8. 請求項1から7いずれか1項に記載の曝気槽の処理状況判断方法を用いて判断した前記曝気槽の処理状況に応じて、前記曝気槽の微生物の活性度を調整する活性度調整手段を有することを特徴とする排水処理の制御システム。
  9. 活性度調整手段は、多数の噴出項を有した散気管と前記散気管に空気を供給するブロアで構成されることを特徴とする請求項8に記載の排水処理の制御システム。
  10. 散気管は曝気槽内における流れ方向に沿って複数箇所設置され、前記複数の散気管の風量はそれぞれ個別に調整することを特徴とする請求項9に記載の排水処理の制御システム。
  11. 活性度調整手段は、微生物の活性度を促進させる活性剤を曝気槽に流入させる活性剤流入手段であることを特徴とする請求項9に記載の排水処理の制御システム。
  12. 活性剤流入手段の活性剤流入口は曝気槽内における流れ方向に沿って複数箇所設置され、前記活性剤流入口から流入させる活性剤の量はそれぞれ個別に調整することを特徴とする請求項11に記載の排水処理の制御システム。
  13. 前記曝気槽で処理された混合液を重力によって汚泥と処理水に分離する沈殿槽を有し、請求項1から7いずれか1項に記載の曝気槽の処理状況判断方法を用いて判断した前記曝気槽の処理状況に応じて、前記沈殿槽から前記曝気槽に返送する汚泥量を調整する返送汚泥量調整手段を有することを特徴とする排水処理の制御システム。
  14. 返送汚泥量調整手段は曝気槽と沈殿槽を接続した配管と、配管に取り付けられた弁で構成され、前記弁の開度を調整することを特徴とする請求項13に記載の排水処理の制御システム。
  15. 返送汚泥量調整手段は曝気槽と沈殿槽を接続した配管と、配管に取り付けられたポンプで構成され、ポンプの運転を調整することを特徴とする請求項13に記載の排水処理の制御システム。
  16. 請求項1から7いずれか1項に記載の曝気槽の処理状況判断方法を用いて判断した前記曝気槽の処理状況に応じて、前記曝気槽に流入させる排水の負荷量を調整する流入負荷量調整手段を有することを特徴とする排水処理の制御システム。
  17. 流入負荷量調整手段は、排水の流入口に設置された弁であり、前記弁の開度を調整することを特徴とする請求項16に記載の排水処理の制御システム。
  18. 流入負荷量調整手段は、排水の流入口に設置されたポンプであり、前記ポンプの運転を調整することを特徴とする請求項16に記載の排水処理の制御システム。
  19. 流入負荷量調整手段は、排水の油分を除去する加圧浮上装置であり、前記加圧浮上装置の運転を調整することを特徴とする請求項16に記載の排水処理の制御システム。
  20. 排水を一時的に溜めておく調整槽を有し、流入負荷量調整手段は、前記調整槽に溜められた排水の負荷を低減させる薬剤を前記調整槽に流入させる薬剤流入手段であり、前記調整槽への薬剤の流入量を調整することを特徴とする請求項16に記載の排水処理の制御システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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