JP2009164215A - 放射線画像検出装置および放射線画像検出器の製造方法 - Google Patents

放射線画像検出装置および放射線画像検出器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バイアス電極と、光導電層と、基板側電荷輸送層と、アクティブマトリクス基板とがこの順に積層された放射線画像検出器を備えた放射線画像検出装置において、残像特性の向上を図る。
【解決手段】基板側電荷輸送層5と光導電層4との界面近傍において、酸素または塩素の元素の濃度が基板側電荷輸送層5中の上記元素の平均濃度の2倍以上となる領域を有しないようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線画像を担持した記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生し、その電荷を蓄積することにより放射線画像を記録する放射線画像検出器を備えた放射線画像検出装置および放射線画像検出器の製造方法に関するものである。
従来、医療分野などにおいて、被写体を透過した放射線の照射により被写体に関する放射線画像を記録する放射線画像検出器が各種提案、実用化されている。
上記放射線画像検出器としては、たとえば、放射線の照射により電荷を発生するアモルファスセレンを利用した放射線画像検出器があり、そのような放射線画像検出器として、いわゆるTFT読取方式のものが提案されている。
TFT読取方式の放射線画像検出器としては、たとえば、バイアス電圧が印加されるバイアス電極と、放射線の照射を受けて電荷を発生する光導電層と、光導電層において発生した電荷を収集する電荷収集電極と電荷収集電極によって収集された電荷を蓄積する蓄積容量と蓄積容量に蓄積された電荷を読み出すためのTFTスイッチとを有する画素が2次元状に多数配列されたアクティブマトリクス基板とが積層されたものが提案されている。
そして、上記のようなTFT読取方式の放射線画像検出器に放射線画像を記録する際には、まず、電圧源によって放射線画像検出器のバイアス電極に、一例として、正の電圧を印加した状態において、被写体を透過して被写体の放射線画像を担持した放射線が放射線画像検出器のバイアス電極側から照射される。
そして、放射線画像検出器に照射された放射線は、バイアス電極を透過し、光導電層に照射される。そして、その放射線の照射によって光導電層において電荷対が発生し、そのうち負の電荷はバイアス電極に帯電した正の電荷と結合して消滅し、正の電荷は潜像電荷としてアクティブマトリクス基板の各画素の各電荷収集電極に収集され、各蓄積容量に蓄積されて放射線画像が記録される。
そして、アクティブマトリクス基板のTFTスイッチがゲートドライバから出力された制御信号に応じてONされ、蓄積容量に蓄積された電荷が読み出され、その電荷信号がチャージアンプによって検出されることによって放射線画像に応じた画像信号の読取りが行われる。
ここで、上記のようなアクティブマトリクス基板を用いた放射線画像検出器として、たとえば、特許文献1には、バイアス電極と、Seを主成分とするX線検出層と、Sbからなる電荷輸送層と、アクティブマトリクス基板とを積層した放射線画像検出器が提案されており、上記のように電荷輸送層を設けることによってアクティブマトリクス基板側からX線検出層内に正孔が注入されるのを抑制し、画質の劣化を抑制することができることが示されている。
特開2001−284628号公報
上記のような電荷輸送層を設けた放射線画像検出器においては、電荷輸送層とX線検出層との界面は、X線の照射によりX線検出層内で発生した電荷が輸送される界面となる。しかしながら、本願発明者の研究によると、製法によっては、この界面に、酸素、水、塩素化合物などの不純物が堆積し、X線検出層で発生した電荷がトラップされることがあることが分かった。そして、このトラップの効果は、電荷輸送層の設けられた位置により、画質に良い影響を与えることもあるし、悪い影響を与えることもあることがわかった。
本発明は、上記の事情に鑑み、上記のような電荷のトラップが適切に制御された高画質の放射線画像検出器を備えた放射線画像検出装置およびその放射線画像検出器の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の放射線画像検出装置は、バイアス電圧が印加されるバイアス電極と、放射線画像を担持した記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生する光導電層と、該光導電層において発生した電荷を輸送する基板側電荷輸送層と、光導電層において発生した電荷を収集する電荷収集電極が多数配列されたアクティブマトリクス基板とがこの順に積層された放射線画像検出器を備えた放射線画像検出装置において、基板側電荷輸送層と光導電層との界面近傍において、酸素または塩素の元素の濃度が基板側電荷輸送層中の上記元素の平均濃度の2倍以上となる領域を有しないことを特徴とする。
また、上記放射線画像検出装置においては、バイアス電極と光導電層との間にバイアス電極側電荷輸送層をさらに設け、バイアス電極側電荷輸送層中に、酸素元素の濃度がバイアス電極側電荷輸送層中の酸素元素の平均濃度の3倍以上となる領域を有するようにすることができる。
また、バイアス電極側電荷輸送層として、硫化アンチモンを含むものを利用することができる。
また、バイアス電極側電荷輸送層の平均組成をSb100−x(41≦x≦60)とすることができる。
また、バイアス電極側電荷輸送層と光導電層との間に、正孔ブロック材料を含有した有機高分子層をさらに設けるようにすることができる。
また、正孔ブロック材料として、フラーレンC60、フラーレンC70、酸化フラーレンまたはそれらの誘導体から選択される少なくとも1種のカーボンクラスターを利用することができる。
また、少なくとも放射線画像検出器への記録用の電磁波の照射中に放射線画像検出器にアクティブマトリクス基板側から光を照射する光照射手段をさらに設け、基板側電荷輸送層の光に対する透過率を10%以下とすることができる。
また、基板側電荷輸送層として、硫化アンチモンを含むものを利用することができる。
また、基板側電荷輸送層の平均組成をSb100−x(41≦x≦60)とすることができる。
本発明の第1の放射線画像検出器の製造方法は、バイアス電圧が印加されるバイアス電極と、放射線画像を担持した記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生する光導電層と、該光導電層において発生した電荷を輸送する基板側電荷輸送層と、光導電層において発生した電荷を収集する電荷収集電極が多数配列されたアクティブマトリクス基板とがこの順に積層された放射線画像検出器の製造方法において、真空槽内でアクティブマトリクス基板上に基板側電荷輸送層を成膜した後、酸素または水を含有する気体に暴露することなく、基板側電荷輸送層上に光導電層を成膜することを特徴とする。
本発明の第2の放射線画像検出器の製造方法は、バイアス電圧が印加されるバイアス電極と、放射線画像を担持した記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生する光導電層と、該光導電層において発生した電荷を輸送する基板側電荷輸送層と、光導電層において発生した電荷を収集する電荷収集電極が多数配列されたアクティブマトリクス基板とがこの順に積層された放射線画像検出器の製造方法において、真空槽内でアクティブマトリクス基板上に基板側電荷輸送層を成膜した後、酸素または水を含有する気体に暴露した後、再度、真空槽内に入れ、次いで100℃以上の環境温度に一定期間さらした後、光導電層を成膜することを特徴とする。
また、上記第1および第2の放射線画像検出器の製造方法によって製造される放射線画像検出器であって、バイアス電極と光導電層との間にバイアス電極側電荷輸送層をさらに設けた放射線画像検出器の製造方法において、光導電層を成膜した後、一旦、酸素または水を1体積%以上含有する気体に暴露した後、再度、真空槽内に入れてバイアス電極側電荷輸送層を成膜するようにすることができる。
本発明の放射線画像検出装置によれば、放射線画像検出器の基板側電荷輸送層と光導電層との界面近傍において、酸素または塩素の元素の濃度が基板側電荷輸送層中の上記元素の平均濃度の2倍以上となる領域を有しないようにしたので、酸素または塩素などの不純物による電荷トラップの密度を低減することができ、残像特性の改善を図ることができる。
また、上記放射線画像検出装置において、バイアス電極と光導電層との間にバイアス電極側電荷輸送層をさらに設け、バイアス電極側電荷輸送層中に、酸素元素の濃度がバイアス電極側電荷輸送層中の酸素元素の平均濃度の3倍以上となる領域を有するようにした場合には、この領域が電荷ブロック層として機能し、記録用の電磁波の照射時に、バイアス電極から光導電層に引き込まれる電荷を減少させることができ、その結果、後述する短期ラグを低減することができる。
また、バイアス電極側電荷輸送層の平均組成をSb100−x(41≦x≦60)とした場合には、バイアス電極側電荷輸送層におけるSbの組成比を化学量論組成より大きくすることによって電子輸送性を向上させることができるので、光導電層にバルクにトラップされた電荷をより効率よくバイアス電極に掃き出すことができ、後述する長期ラグの特性を向上させることができる。
また、バイアス電極側電荷輸送層と光導電層との間に、正孔ブロック材料を含有した有機高分子層をさらに設けるようにした場合には、光導電層のバイアス電極側の界面の欠陥を減らすことができるので、上記欠陥にトラップされる電荷を減らすことができ、後述する短期ラグの特性を向上させることができる。
また、少なくとも放射線画像検出器への記録用の電磁波の照射中に放射線画像検出器にアクティブマトリクス基板側から光を照射する光照射手段をさらに設け、基板側電荷輸送層の光に対する透過率を10%以下とした場合には、上記光照射手段により照射された光が放射線画像検出器の光導電層内部にまで照射されるのを抑制することができ、上記光の照射によって発生する暗電流を抑制することができる。
また、基板側電荷輸送層の平均組成をSb100−x(41≦x≦60)とした場合には、基板側電荷輸送層のSbの組成比を化学量論組成より大きくすることによって上記光の光導電層内部への入射を十分に抑制することができる。
本発明の第1の放射線画像検出器の製造方法によれば、真空槽内でアクティブマトリクス基板上に基板側電荷輸送層を成膜した後、酸素または水を含有する気体に暴露することなく、基板側電荷輸送層上に光導電層を成膜するようにしたので、基板側電荷輸送層と光導電層との間の界面に電荷をトラップする不純物を堆積することなく製造することができる。
本発明の第2の放射線画像検出器の製造方法は、空槽内でアクティブマトリクス基板上に基板側電荷輸送層を成膜した後、酸素または水を含有する気体に暴露した後、再度、真空槽内に入れ、次いで100℃以上の環境温度に一定期間さらした後、光導電層を成膜するようにしたので、酸素または水を含有する気体に暴露しても、ベーク処理を行うことにより、上記第1の放射線画像検出器の製造方法に近い効果を得ることができる。
また、上記第1および第2の放射線画像検出器の製造方法によって製造される放射線画像検出器であって、バイアス電極と光導電層との間にバイアス電極側電荷輸送層をさらに設けた放射線画像検出器の製造方法において、光導電層を成膜した後、一旦、酸素または水を1体積%以上含有する気体に暴露した後、再度、真空槽内に入れてバイアス電極側電荷輸送層を成膜するようにした場合には、バイアス電極側電荷輸送層内に、酸素元素を多く含有する領域を形成することができ、この領域を電荷ブロック層として機能させることができる。
以下、図面を参照して本発明の放射線画像検出装置の一実施形態について説明する。本実施形態の放射線画像検出装置は、いわゆるTFT読取方式の放射線画像検出器を備えたものである。図1は、本実施形態の放射線画像検出装置の概略構成を示す断面図である。
本実施形態の放射線画像検出装置は、放射線の照射によって電荷を発生し、その電荷を蓄積することによって放射線画像を記録する放射線画像検出器10と、放射線画像検出器10への放射線の照射中に放射線画像検出器10に光を照射する面状光源20とを備えている。
放射線画像検出器10は、バイアス電圧が印加されるバイアス電極1と、第1の電荷輸送層2(本発明のバイアス電極側電荷輸送層)と、有機高分子層3と、放射線画像を担持した放射線の照射を受けて電荷を発生する光導電層4と、光導電層4において発生した電荷を輸送する第2の電荷輸送層5(本発明の基板側電荷輸送層)と、光導電層において発生し、第2の電荷輸送層5を通過した電荷を収集する電荷収集電極が多数配列されたアクティブマトリクス基板6とがこの順に積層されたものである。
バイアス電極1は、Au、Alなどの低抵抗の導電材料で形成されている。また、本実施形態の放射線画像検出器のバイアス電極1には、正のバイアス電圧が印加される。
第1の電荷輸送層2は、硫化アンチモンを含有する材料から形成されている。そして、その硫化アンチモンの平均組成はSb100−y(41≦y≦60)である。なお、yは42≦y≦50であることがより好ましい。また、第1の電荷輸送層2には、第1の電荷輸送層2中の酸素元素の平均濃度の3倍以上の酸素元素の濃度を有する領域が形成されている。この領域は、たとえば、第1の電荷輸送層2の光導電層4側の界面近傍に形成するようにすればよい。この領域を形成するための製造方法については、後述する。なお、界面近傍とは、第1の電荷輸送層2の組成を第1の電荷輸送層2側から光導電層4側に向けて測定した場合において、第1の電荷輸送層2の主成分の濃度が、第1の電荷輸送層2中のその主成分の平均濃度から減少し始めた箇所から、上記平均濃度の100分の1程度に減少した箇所までのことをいう。また、第1の電荷輸送層2については設けることが好ましいが、必ずしも設けなくてもよい。
有機高分子層3は、有機高分子材料に正孔ブロック材料を添加したものから形成されている。有機高分子材料としては、たとえば、ポリカーボネートを利用することができる。また、正孔ブロック材料としては、フラーレンC60、フラーレンC70、酸化フラーレンまたはそれらの誘導体から選択される少なくとも1種のカーボンクラスターを利用することができる。なお、有機高分子層3については設けることが好ましいが、必ずしも設けなくてもよい。
光導電層4は、電磁波導電性を有するものであり、放射線が照射されると層の内部に電荷を発生するものである。光導電層4の材料としては、たとえば、a−Se、HgI、PbI,CdS、CdSe,CdTe、BiI等を用いることができる。特に、セレンを主成分とする膜厚100〜1000μmのa−Se膜を用いることが望ましい。
第2の電荷輸送層5は、その平均組成がSb100−x(41≦x≦60)である材料から形成されている。なお、xは42≦x≦50であることがより好ましい。また、第2の電荷輸送層5の厚さは、0.5μm以上であることが望ましい。より好ましくは2μm程度である。また、第2の電荷輸送層5は、面状光源20から発せられる光(本実施形態においては、525nm程度)に対する透過率が0.01%以上10%以下となるように形成することが望ましい。たとえば、上記のような透過率となるようにSbの組成比や厚さなどを調整すればよい。
また、本実施形態の放射線画像検出器においては、光導電層4と第2の電荷輸送層5との界面近傍において、酸素または塩素の元素の濃度が第2の電荷輸送層5中の上記元素の平均濃度の2倍以上となる領域を有しないように、光導電層4および第2の電荷輸送層が形成されている。上記のように光導電層4および第2の電荷輸送層を形成するための製造方法については、後で詳述する。なお、界面近傍とは、第2の電荷輸送層5の組成を第2の電荷輸送層5側から光導電層4側に向けて測定した場合において、第2の電荷輸送層5の主成分の濃度が、第2の電荷輸送層5中のその主成分の平均濃度から減少し始めた箇所から、上記平均濃度の100分の1程度に減少した箇所までのことをいう。
また、第2の電荷輸送層5は、硫化アンチモンに限らず、酸化セリウム、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛、硫化亜鉛、セレン化砒素の少なくとも一つから形成するようにしてもよい。なお、酸化セリウムから形成する場合には、塩素の元素の濃度が第2の電荷輸送層5中の上記元素の平均濃度の2倍以上となる領域を有しないように第2の電荷輸送層が形成される。
図2にアクティブマトリクス基板6の平面図を示す。アクティブマトリクス基板6は、詳細には、図2に示すように、光導電層4において発生した電荷を収集する電荷収集電極61、電荷収集電極61によって収集された電荷を蓄積する蓄積容量62および蓄積容量62に蓄積された電荷を読み出すためのTFTスイッチ63を備えた画素60が2次元状に多数配列されたものである。そして、各画素60のTFTスイッチ63をON/OFFするための多数の走査配線65と蓄積容量62に蓄積された電荷が読み出される多数のデータ配線66とが格子状に設けられている。そして、データ配線66の終端には、データ配線66に流れ出した信号電荷を検出するアンプからなる読出回路70が接続され、走査配線65には、TFTスイッチ63をON/OFFするための制御信号を出力するゲートドライバ80が接続されている。
アクティブマトリクス基板6における電荷収集電極61の材料としては、導電性材料であれば特に制限されないが、可視光を透過する電極であることが好ましく、たとえば、ITO、IZOを用いることができる。
面状光源20は、中心発光波長が525nm程度の発光ダイオードを面実装したものである。面状光源20は、図1に示すように、放射線画像検出器10とは別個に設けるようにしてもよいし、アクティブマトリクス基板6に透明な接着剤により取り付けるようにしてもよい。この面状光源20は、放射線画像検出器10への放射線照射中に、アクティブマトリクス基板6を通過して光導電層4のアクティブマトリクス基板側に均一に光を照射することができるものである。なお、アクティブマトリクス基板6や上記接着剤は、面状光源20から発せられる光の波長に対して透明なものである。
ここで、本実施形態の放射線画像検出装置のように、面状光源20を設ける理由を以下に説明する。
上記のようなアクティブマトリクス基板6を用いた放射線画像検出器10においては、画素毎に分割された電荷収集電極間のスペースには電荷が吐き出される電極などが設けられていないため、放射線の照射によって発生した電荷がそのスペースに溜まりやすい。その結果、バイアス電極1への電圧の印加によって光導電層4内に形成される電界が歪んでしまい、光導電層4における有感面積が変化し、感度が変動するという問題が発生する。また、放射線の入射が停止した後、電荷信号の読み出しの際、電荷収集電極間のスペースの領域に溜まった電荷が徐々に掃き出され、残像として出力されて残像(ラグ)特性が劣化する問題がある(特に後述する短期ラグにおいて問題がある)。
そこで、本実施形態の放射線画像検出器においては、アクティブマトリクス基板6側からバックライトを照射する面状光源20を設けるようにしている。放射線画像検出器10への放射線の照射中に上記面状光源20によって放射線画像検出器10にバックライトを照射することにより、予め電荷収集電極間のスペースに電荷を蓄積しておくことができ、これにより光導電層4に形成される電界を予め歪めておくことができる。したがって、放射線の照射によって発生した電荷は上記スペースに溜まることなく、予め歪められた電界に沿って移動し、電荷収集電極に収集される。つまり、上述したような光導電層4の有感面積の変動を抑制することができ、感度変動を抑制することができる。また、放射線が停止した後もバックライトの照射を続けることにより、電荷収集電極間のスペースの領域に溜まった電荷が徐々に掃き出されて残像出力となるのを防止することができる。
また、上記実施形態においては、放射線を直接電荷に変換する、いわゆる直接変換型の放射線画像検出器について説明したが、これに限らず、放射線を蛍光体により一旦光に変換し、その光を電荷に変換する、いわゆる間接変換型の放射線画像検出器に類似する構成の放射線画像検出器にも本発明は適用することができる。なお、間接変換型の放射線画像検出器に類似する構成の放射線画像検出器とは、直接変換型の放射線画像検出器よりもa
−Se層を薄くし、光透過型のバイアス電極を設けるとともに、バイアス電極の上方に蛍光体を設け、その蛍光体からの光を電荷に変換するものである。なお、上記のように構成された放射線画像検出器においては、光導電層の厚さは1〜30μm程度となり、蓄積容量はなくてもよい。
また、上記実施形態の放射線画像検出器においては、TFTスイッチが多数配列されたアクティブマトリクス基板を用いるようにしたが、本発明は、たとえば、MOSスイッチなどのスイッチング素子が多数配列されたアクティブマトリクス基板を備えた放射線画像検出器にも適用可能である。
以下、本発明の放射線画像検出装置における放射線画像検出器の実施例をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1の放射線画像検出器について説明する。
まず、組成がSb4555である硫化アンチモン原料を坩堝に入れ、その坩堝とアクティブマトリクス基板6とを蒸着装置内に配置し、装置内を排気して真空とした。
そして、Sb4555が入れられた坩堝を抵抗加熱器によって加熱することによって、Sb4555を530℃に加熱して、膜厚2μmの硫化アンチモン(平均組成Sb4555)からなる第2の電荷輸送層5をアクティブマトリクス基板6上に形成した。
なお、組成がSb4555である硫化アンチモン原料は、以下のようにして作製する。まず、硫黄およびアンチモンの単体を所望の組成比に相当する量を計測し、これをガラス容器内にいれ、さらに真空にして封じきり、ガラス容器をアンチモンの融点(630℃)以上に加熱して融解させながら、揺動攪拌(15時間以上)して、均一組成の硫化アンチモン融液にする。その後、自然冷却することにより所望の組成比の硫化アンチモン原料を作製することができる。
また、第2の電荷輸送層5の組成については、たとえば、(1)放射線画像検出器の測定を行いたい層を露出させた後、イオンスパッタにより掘り下げて行くとともに、二次イオン質量分析計(SIMS)により測定する方法(2)放射線画像検出器の断面を切り出して、第2の電荷輸送層5に相当する部分の組成をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)でマッピングする方法、(3)第2の電荷輸送層5に相当する部分を放射線画像検出器から掻きとって、蛍光X線分析法(XRF)によって平均組成を測定する方法、(4)放射線画像検出器を層方向に第2の電荷輸送層5近傍で剥離して、薄膜XRF法によって測定する方法、といった方法により測定することができる。
そして、上記のようにして真空槽内でアクティブマトリクス基板6上に第2の電荷輸送層5を成膜した後、酸素または水を含有する気体に暴露することなく、Naを10ppm含有したSe原料を蒸着により成膜して、膜厚1000μmの非晶質Seからなる光導電層4を形成した。
上記のようにして第2の電荷輸送層5を成膜した後、酸素または水を含有する気体に暴露することなく光導電層4を成膜することにより、第2の電荷輸送層5と光導電層4との界面近傍において、酸素または塩素の元素の濃度が第2の電荷輸送層中の上記元素の平均濃度の2倍以上となる領域を有しないようにすることができる。図3に、第2の電荷輸送層5と光導電層4とを上記のようにして成膜した場合におけるこれらの層の界面近傍の組成を示す。なお、図3は、第2の電荷輸送層5の材料としてSb4555ではなくSbを用いた場合の組成を示しているが、Sb4555を原料とした場合も酸素と塩素の組成については同様の結果が得られると考えられる。また、比較のため、図4に、第2の電荷輸送層5を成膜した後、酸素または水を含有する気体に暴露した後、光導電層4を成膜した場合におけるこれらの層の界面近傍の組成を示す。第2の電荷輸送層5と光導電層4との界面近傍において、酸素の元素の濃度が第2の電荷輸送層中の上記元素の平均濃度の2倍以上となる領域が形成されているのがわかる。なお、第2の電荷輸送層5と光導電層4の組成については、第2の電荷輸送層側からイオンスパッタにより掘り下げて行くとともに、SIMSにより測定した。また、SIMSで使用したS、Sb、SeおよびOの量子数は、Sは34、Sbは121、Seは80、Oは16である。
次に、上記のようにして光導電層4を成膜した後、フラーレンC60を含有した有機高分子層3を成膜した。フラーレンC60は、フロンティアカーボン株式会社製、nanom purpule(C60)を使用した。o−ジクロロベンゼンにポリカーボネート樹脂(PCz)(三菱ガス化学株式会社製ユーピロンPCZ−400)およびフラーレンC60を30wt%:70wt%の比率で溶解して固形分濃度1.5wt%の塗布溶液を作製した。そして、この溶液を光導電層4上にインクジェット塗布装置を用いて成膜した後、真空乾燥機で溶剤を蒸発させ、膜厚0.2μmの有機高分子層3を得た。
そして、有機高分子層3を成膜した後、その基板を真空槽内に戻した。本実施例においては、溶剤塗布により有機高分子層3を成膜しているので、この成膜前後を通して、基板が大気中(酸素または水を1体積以上含有する気体)に暴露されている。なお、有機高分子層3を塗布により成膜しない場合には、有機高分子層3を成膜する前に大気中に暴露することが好ましく、さらに成膜後も大気中に暴露するようにしてもよい。そして、組成がSb4258である硫化アンチモン原料を545℃に加熱して、膜厚0.6μmの硫化アンチモン(平均組成Sb4258)からなる第1の電荷輸送層2を有機高分子層3上に有機高分子層3よりも大きい領域で形成した。なお、所望の組成比の硫化アンチモン原料の製造方法および第1の電荷輸送層2の組成比の測定方法については、第2の電荷輸送層5の場合と同様である。
上記のようにして光導電層4および有機高分子層3を成膜した後、一旦、酸素または水を含有する気体に暴露した後、第1の電荷輸送層2を成膜することにより、第1の電荷輸送層2と光導電層4との間に、酸素元素の濃度が第1の電荷輸送層中の酸素元素の平均濃度の3倍以上となる領域を有するようにすることができる。図5に、第1の電荷輸送層2と光導電層4とを上記のようにして成膜した場合におけるこれらの層の界面近傍の組成を示す。なお、図5は、第1の電荷輸送層2の材料としてSb4258ではなくSbを用い、有機高分子層3を設けない場合の組成を示しているが、Sb4258を原料とし、有機高分子層3を設けた場合も酸素元素の組成については同様の結果が得られると考えられる。また、比較のため、図6に、光導電層4および有機高分子層3を成膜した後、酸素または水を含有する気体に暴露することなく第1の電荷輸送層2を成膜した場合におけるこれらの層の界面近傍の組成を示す。第1の電荷輸送層2と光導電層4との界面近傍において、酸素元素の濃度が第1の電荷輸送層中の酸素元素の平均濃度の3倍以上となる領域が形成されていないのがわかる。なお、第1の電荷輸送層2と光導電層4の組成については、第1の電荷輸送層側からイオンスパッタにより掘り下げて行くとともに、SIMSにより測定した。また、SIMSで使用したS、Sb、SeおよびOの量子数は、Sは34、Sbは121、Seは80、Oは16である。
そして、最後に、Auを蒸着により成膜して、膜厚0.1μmのバイアス電極1を形成し、実施例1の放射線画像検出器を作製した。
そして、実施例1の放射線画像検出器を用いて暗電流、短期ラグおよび長期ラグを評価した結果を図7に示す。なお、評価方法については、暗電流は、アクティブマトリクス基板6の電荷収集電極61をIVアンプに接続した状態で、バイアス電極1に+10kVを印加し、IVアンプによって検出された電流をオシロスコープで測定することによって評価した。
また、短期ラグについては、まず、管電圧80kV、管電流100mAのX線源により710msのパルスX線を照射する。なお、放射線画像検出器の位置でのX線の線量は400mRであった。そして、アクティブマトリクス基板6の電荷収集電極61をIVアンプに接続した状態で、バイアス電極1に+10kVを印加し、IVアンプによって検出された電流の時間変化をオシロスコープで測定することによって評価した。X線パルス照射の終端から15秒後の電流値を短期ラグの評価値とした。なお、短期ラグの評価値としては、上記電流値を線量に換算して、0.12mR以下が好ましく、0.012mR以下がさらに好ましい。
また、長期ラグについては、短期ラグと同様に、パルスX線照射後の電荷収集電極61に流れる電流を測定することによって評価した。なお、長期ラグについては、X線パルス照射の終端から300秒後の電流値を短期ラグの評価値とした。長期ラグの評価値としては、上記電流値を線量に換算して、0.012mR以下が好ましい。
なお、上述した暗電流、短期ラグおよび長期ラグの測定は、面状光源20から放射線画像検出器10に対して光量20μW/mmのバックライトを照射した状態と、バックライトを照射していない状態との両方で行なった。
また、図7の評価結果における◎は非常に良好、○は良好、△は実用可、×は実用不可を意味する。
また、図7において、第2の電荷輸送層と光導電層の一貫成膜が○とは、第2の電荷輸送層5を成膜した後、酸素または水を含有する気体に暴露することなく光導電層4を成膜したことを意味し、第2の電荷輸送層と光導電層の一貫成膜が×とは、第2の電荷輸送層5を成膜した後、酸素または水を含有する気体に暴露した後、光導電層4を成膜したことを意味する。
また、第1の電荷輸送層と光導電層の一貫成膜が×とは、光導電層4を成膜した後、一旦、酸素または水を1体積%以上含有する気体に暴露した後、第1の電荷輸送層を成膜したことを意味し、第1の電荷輸送層と光導電層の一貫成膜が○とは、光導電層4を成膜した後、酸素または水を含有する気体に暴露することなく、第1の電荷輸送層を成膜したことを意味する。
また、図7には第1および第2の電荷輸送層の組成と有機高分子層の有無を記載している。
図7に示すように、比較例1の放射線画像検出器と比べると、暗電流、短期ラグおよび長期ラグの全ての項目について、良好な結果が得られた。なお、比較例1の放射線画像検出器は、組成がSbである硫化アンチモン原料を555℃に加熱して、膜厚2μmの硫化アンチモン(平均組成Sb)からなる第2の電荷輸送層5を成膜し、第2の電荷輸送層5を成膜した後、酸素または水を含有する気体に暴露した後、光導電層4を成膜したこと、有機高分子層を除いたこと、組成がSbである硫化アンチモン原料を555℃に加熱して、膜厚0.6μmの硫化アンチモン(平均組成Sb)からなる第1の電荷輸送層2を形成したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
暗電流について良好な結果が得られたのは、第2の電荷輸送層5の組成をSb4555としたので、面状光源20から発せられた光の透過率を下げることができ、光導電層4への光の照射を抑制することができたためだと考えられる。
また、短期ラグおよび長期ラグは、光導電層4と第2の電荷輸送層5との界面近傍に電荷がトラップされることによって生じるが、実施例1の放射斜線画像検出器のように、第2の電荷輸送層5と光導電層4とを一貫成膜することによって、光導電層4と第2の電荷輸送層5との界面近傍における酸素または塩素の濃度を低くすることにより、上記電荷とラップを減少させることができ、短期ラグおよび長期ラグについて良好な結果が得られたと考えられる。
また、短期ラグは、バイアス電極1から光導電層4に電荷が引き込まれることによっても生じるが、実施例1の放射線画像検出器のように、第1の電荷輸送層2と光導電層4とを一貫成膜しないことによって、第1の電荷輸送層2に酸素元素を多く含有する領域を形成することができ、これがホールブロック層として機能し、これによりバイアス電極1から光導電層4に電荷を減少させることができ、短期ラグについて良好な結果が得られたと考えられる。
また、短期ラグは、光導電層4のバイアス電極1側の界面の欠陥により電荷がトラップされることによっても生じるが、実施例1の放射線画像検出器のように有機高分子層3を設けることによって光導電層4の上記界面の欠陥を減少させることができ、短期ラグについて良好な結果が得られたと考えられる。
また、長期ラグは光導電層4のバルクにトラップされる電荷によっても生じるが、実施例1の放射線画像検出器のように第1の電荷輸送層2の組成をSb4258とすれば、電子輸送性を向上させることができ、これにより光導電層4のバルクにトラップされる電荷をより効率よくバイアス電極1に掃き出すことができたので、長期ラグについて良好な結果が得られたと考えられる。
(実施例2)
実施例1において、第1の電荷輸送層2の組成をSb5050にしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の放射線画像検出器を作製した。
図7に示すように、実施例2の放射線画像検出器については、比較例1の放射線画像検出器と比べると、暗電流、短期ラグおよび長期ラグの全ての項目について、良好な結果が得られた。また、第1の電荷輸送層2の組成をSb5050にしても実施例1の放射線画像検出器と同等の結果が得られた。
(実施例3)
実施例1において、第2の電荷輸送層5の組成をSbにしたこと、有機高分子層3を成膜せず、第1の電荷輸送層2と光導電層4を一貫成膜したこと、第1の電荷輸送層2の組成をSbにしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の放射線画像検出器を作製した。
図7に示すように、実施例3の放射線画像検出器については、比較例1の放射線画像検出器と比べると、短期ラグおよび長期ラグについては改善が見られた。
これは、実施例3の放射線画像検出器において、第2の電荷輸送層5と光導電層4とを一貫成膜したことによる効果であると考えられる。ただし、第1の電荷輸送層2の組成をSbにしたので、実施例1の放射線画像検出器ほど長期ラグは改善しなかった。また、有機高分子層を設けないようにし、第1の電荷輸送層2と光導電層4を一貫成膜するようにしたので、実施例1の放射線画像検出器ほど短期ラグは改善しなかった。また、第2の電荷輸送層5の組成をSbにしたので、暗電流については、改善は見られなかった。
(実施例4)
実施例1において、有機高分子層3を成膜せず、第1の電荷輸送層2と光導電層4を一貫成膜し、第1の電荷輸送層2の組成をSbにしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の放射線画像検出器を作製した。
図7に示すように、実施例4の放射線画像検出器については、比較例1の放射線画像検出器と比べると、短期ラグおよび長期ラグについては改善が見られた。
これは、実施例4の放射線画像検出器において、第2の電荷輸送層5と光導電層4とを一貫成膜したことによる効果であると考えられる。ただし、第1の電荷輸送層2の組成をSbにしたので、実施例1の放射線画像検出器ほど長期ラグは改善しなかった。また、有機高分子層を設けないようにし、第1の電荷輸送層2と光導電層4を一貫成膜するようにしたので、実施例1の放射線画像検出器ほど短期ラグは改善しなかった。また、暗電流については、実施例4の放射線画像検出器においては、実施例1の放射線画像検出器と同様に第2の電荷輸送層5の組成をSb4555にしているが、第1の電荷輸送層2と光導電層4を一貫成膜しているので、バイアス電極1から光導電層4への電荷の引き込みによって暗電流が増加したため、実施例1の放射線画像検出器のように改善が見られなかった。
(実施例5)
実施例1において、第1の電荷輸送層2の組成をSbにしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の放射線画像検出器を作製した。
図7に示すように、比較例1の放射線画像検出器と比べると、暗電流、短期ラグおよび長期ラグの全ての項目について、良好な結果が得られた。ただし、第1の電荷輸送層2の組成をSbにしたので、実施例1の放射線画像検出器ほど長期ラグは改善しなかった。
(実施例6)
実施例1において、第2の電荷輸送層5と光導電層4とを一貫成膜するのではなく、真空槽内で第2の電荷輸送層5を成膜した後、酸素または水を含有する気体に暴露した後、再度、真空槽内に入れ、次いで100℃以上の環境温度に一定期間さらした後、光導電層4を成膜するようにしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の放射線画像検出器を作製した。具体的には、実施例6の放射線画像検出器においては、第2の電荷輸送層5を成膜した後、一旦、窒素でベントし、基板を大気中に暴露してから再度真空排気し、真空中で基板を130℃で3時間加熱した後、基板の温度を下げ、基板の温度を40℃〜55℃に保持した状態で光導電層4を成膜した。
図7に示すように、比較例1の放射線画像検出器と比べると、暗電流、短期ラグおよび長期ラグの全ての項目について、良好な結果が得られた。実施例1の放射線画像検出器のように、第2の電荷輸送層5と光導電層4とを一貫成膜していないが、上記のようにしてベークを行なうことによって実施例1の放射線画像検出器に近い特性を得ることができた。
(実施例7)
実施例4において、光導電層4および有機高分子層3を成膜した後、一旦、酸素または水を1体積%以上含有する気体(たとえば、大気)に暴露した後、第1の電荷輸送層5を成膜したこと以外は、実施例4と同様にして実施例7の放射線画像検出器を作製した。
図7に示すように、実施例7の放射線画像検出器については、比較例1の放射線画像検出器と比べると、暗電流、短期ラグおよび長期ラグの全ての項目について、良好な結果が得られた。なお、暗電流については、実施例4の放射線画像検出器においては、第1の電荷輸送層2と光導電層4を一貫成膜しているので、比較例1の放射線画像検出器と比較して改善が見られなかったが、実施例7の放射線画像検出器においては、上記のように第1の電荷輸送層2と光導電層4を一貫成膜しないようにしたので、暗電流の特性が比較例1および実施例4より向上していた。
(実施例8)
実施例7において、第2の電荷輸送層5の組成をSb5050にしたこと以外は、実施例7と同様にして実施例8の放射線画像検出器を作製した。
図7に示すように、実施例8の放射線画像検出器については、実施例7の放射線画像検出器と同様に、比較例1の放射線画像検出器と比べると、暗電流、短期ラグおよび長期ラグの全ての項目について、良好な結果が得られた。
本発明の放射線画像検出装置の一実施形態を示す断面図 図1に示す放射線画像検出器のアクティブマトリクス基板の平面図 第2の電荷輸送層と光導電層とを一貫成膜した場合におけるこれらの層の組成を示す図 第2の電荷輸送層と光導電層とを一貫成膜しなかった場合におけるこれらの層の組成を示す図 第1の電荷輸送層と光導電層とを一貫成膜しなかった場合におけるこれらの層の組成を示す図 第1の電荷輸送層と光導電層とを一貫成膜した場合におけるこれらの層の組成を示す図 本発明の放射線画像検出装置における放射線画像検出器の実施例および比較例の暗電流、短期ラグおよび長期ラグの評価結果を示す図
符号の説明
1 バイアス電極
2 第1の電荷輸送層(バイアス電極側電荷輸送層)
3 有機高分子層
4 光導電層
5 第2の電荷輸送層(基板側電荷輸送層)
6 アクティブマトリクス基板
7 第2の電極層
20 面状光源(光照射手段)
60 画素
61 電荷収集電極
62 蓄積容量
63 TFTスイッチ
64 走査配線
65 データ配線
70 読出回路
80 ゲートドライバ

Claims (12)

  1. バイアス電圧が印加されるバイアス電極と、放射線画像を担持した記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生する光導電層と、該光導電層において発生した電荷を輸送する基板側電荷輸送層と、前記光導電層において発生した電荷を収集する電荷収集電極が多数配列されたアクティブマトリクス基板とがこの順に積層された放射線画像検出器を備えた放射線画像検出装置において、
    前記基板側電荷輸送層と前記光導電層との界面近傍において、酸素または塩素の元素の濃度が前記基板側電荷輸送層中の前記元素の平均濃度の2倍以上となる領域を有しないことを特徴とする放射線画像検出装置。
  2. 前記バイアス電極と前記光導電層との間に設けられたバイアス電極側電荷輸送層をさらに備え、
    前記バイアス電極側電荷輸送層中に、酸素元素の濃度が前記バイアス電極側電荷輸送層中の酸素元素の平均濃度の3倍以上となる領域を有することを特徴とする請求項1記載の放射線画像検出装置。
  3. 前記バイアス電極側電荷輸送層が、硫化アンチモンを含むものであることを特徴とする請求項2記載の放射線画像検出装置。
  4. 前記バイアス電極側電荷輸送層の平均組成がSb100−x(41≦x≦60)であることを特徴とする請求項3記載の放射線画像検出装置。
  5. 前記バイアス電極側電荷輸送層と前記光導電層との間に設けられた、正孔ブロック材料を含有した有機高分子層をさらに備えたことを特徴とする請求項2から4いずれか1項記載の放射線画像検出装置。
  6. 前記正孔ブロック材料が、フラーレンC60、フラーレンC70、酸化フラーレンまたはそれらの誘導体から選択される少なくとも1種のカーボンクラスターであることを特徴とする請求項5記載の放射線画像検出装置。
  7. 少なくとも前記放射線画像検出器への前記記録用の電磁波の照射中に前記放射線画像検出器に前記アクティブマトリクス基板側から光を照射する光照射手段をさらに備え、
    前記基板側電荷輸送層の前記光に対する透過率が10%以下であることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の放射線画像検出装置。
  8. 前記基板側電荷輸送層が、硫化アンチモンを含むものであることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の放射線画像検出装置。
  9. 前記基板側電荷輸送層の平均組成がSb100−x(41≦x≦60)であることを特徴とする請求項8記載の放射線画像検出装置。
  10. バイアス電圧が印加されるバイアス電極と、放射線画像を担持した記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生する光導電層と、該光導電層において発生した電荷を輸送する基板側電荷輸送層と、前記光導電層において発生した電荷を収集する電荷収集電極が多数配列されたアクティブマトリクス基板とがこの順に積層された放射線画像検出器の製造方法において、
    真空槽内で前記アクティブマトリクス基板上に前記基板側電荷輸送層を成膜した後、
    酸素または水を含有する気体に暴露することなく、前記基板側電荷輸送層上に前記光導電層を成膜することを特徴とする放射線画像検出器の製造方法。
  11. バイアス電圧が印加されるバイアス電極と、放射線画像を担持した記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生する光導電層と、該光導電層において発生した電荷を輸送する基板側電荷輸送層と、前記光導電層において発生した電荷を収集する電荷収集電極が多数配列されたアクティブマトリクス基板とがこの順に積層された放射線画像検出器の製造方法において、
    真空槽内で前記アクティブマトリクス基板上に前記基板側電荷輸送層を成膜した後、
    酸素または水を含有する気体に暴露した後、再度、真空槽内に入れ、
    次いで100℃以上の環境温度に一定期間さらした後、前記光導電層を成膜することを特徴とする放射線画像検出器の製造方法。
  12. 前記バイアス電極と前記光導電層との間にバイアス電極側電荷輸送層がさらに設けられた放射線画像検出器の製造方法であって、
    前記光導電層を成膜した後、
    一旦、酸素または水を1体積%以上含有する気体に暴露した後、
    再度、真空槽内に入れて前記バイアス電極側電荷輸送層を成膜することを特徴とする請求項10または11記載の放射線画像検出器の製造方法。
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