JP2009162194A - 内燃機関の潤滑構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クランクケース11にオイルポンプ駆動軸72が軸支されてオイルポンプ70,80が設けられ、ケースカバー40にACジェネレータ26と隣接して設けられるオイルフィルタ92がオイルポンプ駆動軸72の軸方向に重ねて配設され、ACジェネレータ26を収容するケースカバー40側からクランク軸20のメインジャーナル部20Lj,20Rjに潤滑油が供給される内燃機関の潤滑構造。
【選択図】図7
Description
かかる内燃機関が自動二輪車に搭載される場合は、バンク角を容易に確保することができる。
本実施の形態に係る内燃機関Eは、内燃機関Eの後方に変速機Mを一体に備えて自動二輪車に搭載される。
なお、本実施の形態において、前後左右は、車両を基準としたときの前後左右に一致するものとする。
左右一対のピボットプレート3p,3pの中央高さ位置に架設されたピボット軸5に、図示しない後輪を支持するリヤフォーク6が揺動自在に前端を軸支されている。
このようにシリンダが後傾姿勢にある内燃機関Eのクランクケース11の前半上部がクランク室Ccであり、後半部がミッション室Cmとなっている。
なお、クランク室Ccの下方のオイルパン室Coは、クランクケース11の下方に延出して一体に形成されたオイルパン15の内側の室である。
カウンタ軸22はリヤフォーク6を軸支するピボット軸5の前方近い位置にあり、カウンタ軸22に嵌着された駆動チェーンスプロケット23に巻き掛けられる駆動チェーン24が、リヤフォーク6の後端に設けられる図示されない被動チェーンスプロケットに架渡されてチェーン伝達機構が構成され後輪側に動力が伝達される。
また、若干後傾したシリンダヘッド13の後面からは、排気ポート13eの延長である排気通路16eが後方に略水平に延出しており、同排気通路16eに排気管18が左右一対のメインフレーム3,3間で連結されている。
左右のボディカバー7は、下部に行くにしたがい互いに接近して、最下端が互いに連結された先細形状を形成しており、前記排気管18およびマフラー19が下方をボディカバー7で覆われて保護されている(図7,図8参照)。
かかるクランク軸20における左右軸体20L,20Rのクランクウエブ20w,20wと隣接する部分が軸受されるメインジャーナル部20Lj,20Rjである。
左右クランクケース11L,11Rの合体でクランク室Ccの上方に形成された円開口に、シリンダブロック12のシリンダ12aの下部が嵌入され、シリンダ12aのシリンダボア12b内にピストン30が往復摺動自在に嵌合される。
左サイドカバー40は椀状をして、その底面中央から突出した円筒部41がクランク軸20の左端部に被せられて、同円筒部41にボルト26bによりインナステータ26sの固定子鉄心が固着される。
なお、バランサ軸55の右軸端部には、バランサ被動ギヤ27bのほかに水ポンプ駆動ギヤ59aが嵌着されている。
変速クラッチ50は、多数のクラッチ板50pを備え、クラッチ操作機構により操作されて変速機Mへのクランク軸20の動力の伝達および遮断を行う。
右サイドカバー45は、前記変速クラッチ50の周囲を覆い開口する円筒部45a、クランク軸20の軸方向箇所に円開口45bが形成されるとともに、円開口45bの上方に水ポンプ56のポンプボディ45cが形成されており、円筒部45aの開口にはクラッチカバー46が被せられ、円開口45bには蓋部材47が嵌合され、水ポンプボディ45cには水ポンプカバー48が被せられる。
水ポンプ駆動軸56aには水ポンプ被動ギヤ59bが嵌着されていて、同水ポンプ被動ギヤ59bはより前方の前記バランサ軸55の右軸端部に嵌着された水ポンプ駆動ギヤ59aと噛合し、バランサ軸55の回転動力が水ポンプ56の駆動に伝達される。
図5および図9を参照して、クランクケース11のクランク室Ccと下方のオイルパン室Coとを仕切る仕切壁11oは、クランクウエブ20wの回転軌跡に沿ってクランク室Ccの下半部を略円弧状に仕切っており、その後部にトロコイド型のスカベンジポンプ70のロータ収容室71が形成されている。
ロータ収容室71は、左クランクケース11Lに合せ面11Lsに臨んで凹出形成される左ロータ収容凹部71Lと右クランクケース11Rに合せ面11Rsに臨んで凹出形成される右ロータ収容凹部71Rとがポンプ駆動軸72の軸方向に連通して構成されている(図7参照)。
スカベンジポンプ70は、オイルパン室Coの上部にあって、吐出油口A2はオイルパン室Coの後方の上部空間に開口している。
そして、スカベンジポンプ70の吐出油口A2は略上方に向いてオイルパン室Co内の上部空間に開口しているので、オイルパン室Co内のオイルがスカベンジポンプ70内に浸入することが極力防止され、オイルパン室Co内のオイルが攪拌されるのを抑え気泡の混入を防止することができる。
ロータ収容室81の左側開口を蓋部材82が閉塞して内部にアウタロータ83とインナロータ84を収容する。
図8に示すように、吸油管91は、左クランクケース11L内で、上端が通路壁81aの前端開口に連結されて左方に延出し、次いで下方へ湾曲した後にオイルパン室Co内を斜め下方に直線的に延び、下端に設けられたオイルストレーナ90がオイルパン室Coの前部の最低底面の近傍に配置されている。
なお、吐出ケース油路B3の途中にはリリーフ弁85が設けられており、吐出油圧が設定圧を超えたときは吐出油の一部をオイルパン室Coに戻すようになっている。
オイルフィルタ92は、左クランクケース11Lにおけるクランク軸20の左端部を覆う円筒部41と後端の吐出ケース油路B4に対応する部分との間に有底円筒状のフィルタハウジング93を形成して設けられる。
そして、図7に示すように、ポンプ駆動軸72の左端に嵌着されたオイルポンプ被動スプロケット86sが、その側面をオイルフィルタ92に対面させて配置されている。
円板状のオイルポンプ被動スプロケット86sをオイルフィルタ92の底壁(フィルタハウジング93の底壁)に平行に干渉を避けつつ近接して配置することができ、内燃機関Eの小型化を図ることができる。
したがって、内燃機関Eの車幅方向の幅を小さく抑えることができる。
内側シール部材95は、フィルタエレメント92eを通過しない浄化されていないオイルが流出ケース油路B6に漏れて下流に流出するのを防止し、外側シール部材96は、流出ケース油路B6から外部にオイルが漏れるのを防止している。
この右側主軸受部11Rbにオイルシール102が嵌着されて軸受孔内を油密に仕切っている。
ピストンジェット油路J2が開口する左側主軸受部11Lbの右方に向いた垂直面にジェットノズル部材105がボルト106により固着されており、ジェットノズル部材105のジェットノズルN2がピストンジェット油路J2に連通する。
図3を参照して、ケース油路E1は、シリンダブロック12との合せ面に形成されたケース油溝E2に開口し、ケース油溝E2は左後のヘッドボルトh2のボルト孔を利用したシリンダ油路E3に連通しており、シリンダ油路E3の上端がシリンダヘッド13との合せ面においてシリンダヘッド13に形成されたヘッド油路E4に連通し、上方に延びるヘッド油路E4からカムホルダ68e,68iにオイルが供給され、動弁装置65の所要部が潤滑される。
かかる車幅方向の幅を小さく抑えた内燃機関Eが搭載された自動二輪車は、バンク角を容易に確保することができる。
E…内燃機関、M…変速機、11…クランクケース、12…シリンダブロック、12a…シリンダ、13…シリンダヘッド、
20…クランク軸、20Lj,20Rj…メインジャーナル部、26…ACジェネレータ、40…左サイドカバー、41…円筒部、45…右サイドカバー、
70…スカベンジポンプ、72…ポンプ駆動軸、80…フィードポンプ、86s…オイルポンプ被動スプロケット、87…オイルポンプ駆動チェーン、
92…オイルフィルタ、93…フィルタハウジング。
Claims (3)
- クランクケースに回転可能に軸支されるクランク軸の一端にACジェネレータが設けられ、前記クランクケースを側方から覆うケースカバーが、前記ACジェネレータを収容する内燃機関において、
前記クランクケースにオイルポンプ駆動軸が軸支されてオイルポンプが設けられ、
前記ケースカバーに前記ACジェネレータと隣接して設けられるオイルフィルタが前記オイルポンプ駆動軸の軸方向に重ねて配設され、
前記ACジェネレータを収容する前記ケースカバー側から前記クランク軸のメインジャーナル部に潤滑油が供給されることを特徴とする内燃機関の潤滑構造。 - 車両に搭載される前記内燃機関の前記クランク軸は、車幅方向に指向して配設され、
前記変速機は、前記クランク軸の後方に配設され、
前記オイルポンプは、前記クランク軸とその後方の前記変速機との間の下方位置に配設され、
前記オイルフィルタは、車幅方向で前記クランク軸内に配設されることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の潤滑構造。 - 前記オイルポンプ駆動軸の一端に設けられるオイルポンプ被動スプロケットが、その側面を前記オイルフィルタの底壁に対面させて配置されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関の潤滑構造。
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