JP2009160731A - インクジェットヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】温度変化に応じてインク流路を適切に変形させるように調整しやすい。
【解決手段】副マニホールド流路105aからアパーチャ112を介してノズル108側へとインクが再充填される。アパーチャ112の内壁面を画定するダイアフラム151が設けられている。分岐流路141aはダイアフラム151を挟んでアパーチャ112に対向している。分岐流路141a内の空気の圧力を変化させるポンプが設けられており、インク流路内のインク温度に基づいて分岐流路141a内の圧力を変化させるようにポンプが制御される。これによって、インク温度が高いときにはアパーチャ112の流路抵抗が大きく、インク温度が低いときにはアパーチャ112の流路抵抗が小さくなるようにダイアフラム151を変形させることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクを吐出するインクジェットヘッドに関する。
インクを吐出する吐出口と、その吐出口にインクを供給するインク流路とが形成されたインクジェットヘッドにおいて、インクの吐出特性がインクの温度によって変化することがある。例えば、インク温度が高くなるとインク粘度が低下し、インクが流れやすくなる。また、インク温度が低くなるとインク粘度が上昇し、インクが流れにくくなるからである。
特許文献1は、インク温度に応じてインク流路を変形させることによって、インクの吐出特性を調整するものである。特許文献1においては、線膨張係数の小さい金属板と線膨張係数の大きい樹脂材料との2層構造によって流路の壁部が構成されている。インクの温度が変化すると、線膨張係数の違いにより壁部が変形し、流路断面積が変化する。特許文献1は、これによって、インクの吐出特性を調整している。
特開2006−306066号公報
ところで、インク吐出後にインク流路において吐出口側へとインクを再充填する能力がインク温度に応じて変化することがある。例えば、インク温度が高くなるとインクが流れやすくため、インクが再充填されやすくなる一方で、インク温度が低くなるとインクが流れにくくなるため、インクが再充填されにくくなる。インクの吐出特性の変化は、このようなインクを再充填する能力が変化することによって発生する場合がある。
例えば、インク温度が高いときにちょうどよい量のインクが再充填されるようにインク流路を設計すると、インク温度が低いときに再充填されるインク量が不足する。これによって、吐出口から吐出されるインクの量が不足するおそれがある。一方で、インク温度が低いときにちょうどよい量のインクが再充填されるようにインク流路を設計すると、インク温度が高いときに再充填されるインク量が過剰になる。これによって、吐出口から吐出されるインクの量が過剰になるおそれがある。
そこで、特許文献1を採用することによって、インクを再充填する能力が温度に応じて変化しないようにインク流路を変形させることも考えられる。しかし、特許文献1は、壁部自体の熱膨張を利用してインク流路を変形させている。この場合、インクの温度変化によってどのように壁部が変形するかは、壁部の材料、形状、壁部の支持方法等によって決定される。このため、温度変化に応じて適切に壁部が変形するように調整しにくい。
本発明の目的は、温度変化に応じてインク流路を適切に変形させるように調整しやすいインクジェットヘッドを提供することにある。
本発明のインクジェットヘッドは、インクを吐出する吐出口と、前記吐出口にインクを供給するインク流路と、前記吐出口からインクを噴射させる噴射エネルギーを前記インク流路内のインクに供給する噴射アクチュエータと、前記噴射エネルギーが供給される位置より前記インク流路に沿って前記吐出口から離隔した位置にある前記インク流路の内壁面を画定する壁部と、前記インク流路内のインクの温度を検出する温度センサと、前記温度センサの検出結果が示す温度が高いほど前記インク流路の流れ方向に直交する断面積が小さくなるように前記壁部を変形させる流路変形手段とを備えている。
本発明のインクジェットヘッドによると、インク流路内のインクの温度を温度センサで検出し、インクの温度に応じてインク流路の壁部を変形させる。そして、インクの温度が高いほどインク流路の断面積を小さくする。したがって、インク温度が高くインク粘度が低いときにはインクが流れやすくなる一方で、インク流路の断面積が小さくなるため吐出口へとインクが流れにくくなる。また、インク温度が低くインク粘度が高いときにはインクが流れにくくなる一方で、インク流路の断面積が大きくなるためインクが流れやすくなる。このように、インク流路において噴射エネルギーが付与される箇所へインクを再充填する性能を、温度変化に応じて適切に調整することができる。また、インクの温度の検出結果に基づいて壁部を変形させるように構成されているので、壁部を変形させる構成を決定すれば、後は検出結果に応じた壁部の変形量をどうするかの問題となる。このため、本発明は、壁部の材料、形状、壁部の支持方法等によって変形量を調整する場合と比べて、温度変化に応じて壁部を適切に変形させるように調整しやすい。
また、本発明においては、前記流路変形手段が、内壁面の一部が前記壁部に画定されており前記壁部を挟んで前記インク流路と対向した流体室と、前記壁部が変形するように前記流体室内の圧力を変化させる圧力変化手段とを有しており、前記温度センサの検出結果が示す温度が高いほど前記流体室内の圧力が大きくなるように前記圧力変化手段を制御する圧力制御手段をさらに備えていることが好ましい。これによると、壁部に接する流体室内の圧力を変化させて壁部を変形させているので、例えばポンプなどを利用することによって、簡易な構成で流路変形手段が実現する。
また、本発明においては、前記流体室に気体が充填されていてもよい。これによると、流体室内の気体の圧力を変化させることでインク流路を変形させることができる。
また、本発明においては、前記壁部が強磁性を有する材料からなり、前記流路変形手段が、前記壁部を変形させるような磁界を発生させる電磁石と、前記電磁石に電流を供給する電流供給手段とを有しており、前記温度センサの検出結果が示す温度が高いほど前記インク流路の流れ方向に直交する断面積が小さくなるように、前記電流供給手段が前記電磁石に供給する電流を制御する電流制御手段をさらに備えていてもよい。これによると、壁部の変形に電磁石を使用しているので、電磁石に供給する電流を調整することで簡易に壁部の変形量を調整することができる。なお、電流供給手段の制御内容には、電磁石に供給する電流量を変更することが含まれる。そして、電流量の変更には、電磁石に電流を供給するのを停止したり、電流の供給を停止した状態から電流の供給を開始したりすることも含まれる。
また、本発明においては、前記電磁石に電流が供給されていない状態において前記壁部が前記インク流路内に向かう方向とは逆方向に凸に撓んでおり、前記電磁石に電流が供給されると前記壁部が前記インク流路内に向かって凸に撓むような磁界が発生することが好ましい。これによると、磁界が発生していない場合にも壁部が撓んでいるため、磁界を発生させて壁部を逆方向に撓ませた場合の壁部の変形量を大きくすることができる。
また、本発明においては、前記噴射アクチュエータが、前記インク流路内のインクに圧力を印加することによって前記噴射エネルギーを供給するものであり、前記インク流路の一部が、前記噴射アクチュエータが前記インク流路内のインクに圧力を印加した際に発生した圧力波を反射させる絞り部であり、前記壁部が、前記絞り部の少なくとも一部の内壁面を画定していてもよい。これによると、インクの温度変化に応じて絞り部の断面積が変化するようになる。
また、本発明においては、前記壁部が、薄膜状の部材からなることが好ましい。これによると、壁部を撓みやすくすることができる。
以下、本発明の好適な一実施の形態について図を参照しつつ説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェットプリンタの全体的な構成を示す概略側面図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ101は、4つのインクジェットヘッド1を有するカラーインクジェットプリンタである。このインクジェットプリンタ101は、制御装置16を有しており、制御装置16はインクジェットプリンタ101の各部の動作を制御する。また、インクジェットプリンタ101には、図中左方に給紙部11が、図中右方に排紙部12がそれぞれ設置されている。
インクジェットプリンタ101の内部には、給紙部11から排紙部12に向かって用紙Pが搬送される用紙搬送経路が形成されている。給紙部11のすぐ下流側には、用紙を狭持搬送する一対の送りローラ5a、5bが配置されている。一対の送りローラ5a、5bは、用紙Pを給紙部11から図中右方に送り出すためのものである。用紙搬送経路の中間部には、2つのベルトローラ6、7と、両ローラ6、7の間に架け渡されるように巻き回されたエンドレスの搬送ベルト8と、搬送ベルト8によって囲まれた領域内においてインクジェットヘッド1と対向する位置に配置されたプラテン15とを含むベルト搬送機構13が設けられている。プラテン15は、インクジェットヘッド1と対向する領域において搬送ベルト8が下方に撓まないように搬送ベルト8を支持するものである。ベルトローラ7と対向する位置には、ニップローラ4が配置されている。ニップローラ4は、給紙部11から送りローラ5a、5bによって送り出された用紙Pを搬送ベルト8の外周面8aに押さえ付けるものである。
図示しない搬送モータがベルトローラ6を回転させることによって、搬送ベルト8が駆動される。これにより、搬送ベルト8が、ニップローラ4によって外周面8aに押さえ付けられた用紙Pを粘着保持しつつ排紙部12に向けて搬送する。なお、搬送ベルト8の表面には弱粘着性のシリコン樹脂層が形成されている。
用紙搬送経路に沿って搬送ベルト8のすぐ下流側には、剥離機構14が設けられている。剥離機構14は、搬送ベルト8の外周面8aに粘着されている用紙Pを外周面8aから剥離して、図中左方の右方の排紙部12に向けて送るように構成されている。
4つのインクジェットヘッド1は、4色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)に対応して、搬送方向に沿って4つ並べて固定されている。つまり、このインクジェットプリンタ101は、ライン式プリンタである。4つのインクジェットヘッド1は、その下端にヘッド本体2をそれぞれ有している。ヘッド本体2は、搬送方向に直交した方向に長尺な細長い直方体形状となっている。また、ヘッド本体2の底面が外周面8aに対向するインク吐出面2aとなっている。搬送ベルト8によって搬送される用紙Pが4つのヘッド本体2のすぐ下方側を順に通過する際に、この用紙Pの上面すなわち印刷面に向けてインク吐出面2aから各色のインクが吐出されることで、用紙Pの印刷面に所望のカラー画像を形成できるようになっている。
以下、インクジェットヘッド1についてより詳細に説明する。図2は、インクジェットヘッド1の一部縦断面を含む側面図である。
インクジェットヘッド1は、ヘッド本体2にインクを供給するリザーバユニット3を有している。リザーバユニット3内にはインク流路3aが形成されている。リザーバユニット3の上面にはインク流路3aの開口3bが形成されており、リザーバユニット3の下面にはインク流路3aの開口3cが複数形成されている。開口3bはインクチューブ31と連通しており、開口3cはヘッド本体2内に形成された後述のマニホールド流路105と連通している。インクチューブ31はインクタンク(不図示)と連通しており、インク流路3a内にはこのインクタンクから、インクチューブ31及び開口3bを通じてインクが供給される。インク流路3a内に供給されたインクは、さらにヘッド本体2へと供給される。
インク流路3a内には、温度センサ18が設置されている。温度センサ18は、インク流路3a内のインクの温度を検出し、検出結果を制御装置16へと送信する。制御装置16は、圧力制御部17(圧力制御手段)を有している。圧力制御部17は、温度センサ18からの検出結果に基づいて、ポンプ33の動作を制御する。なお、圧力制御部17の詳細な制御内容については後述する。
また、リザーバユニット3には、インク流路3aが形成されていない箇所に、空気流路3dが形成されている。リザーバユニット3の上面には空気流路3dの開口3eが、リザーバユニット3の下面には空気流路3dの開口3fがそれぞれ形成されている。開口3eにはエアチューブ32が連通しており、エアチューブ32にはポンプ33(圧力変化手段)が接続されている。開口3fは、ヘッド本体2内に形成された後述の空気流路141に連通している。ポンプ33は、エアチューブ32、空気流路3dを通じて、ヘッド本体2の空気流路141内の圧力を変化させる。ポンプ33として、シリンダポンプやチューブポンプ、ローラポンプなどの各種のポンプを用いることができる。
次に、図3〜図5を参照しつつ、ヘッド本体2について説明する。図3は、ヘッド本体2の平面図である。図4は、図3の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。なお、図4では説明の都合上、アクチュエータユニット21の下方にあって破線で描くべき圧力室110、アパーチャ112及びノズル108を実線で描いている。図5は、図4に示すIV−IV線に沿った部分断面図である。
図3に示すように、ヘッド本体2は、流路ユニット9とアクチュエータユニット21とを含んでいる。インクジェットヘッド1は、アクチュエータユニット21を駆動させる駆動信号を生成するドライバIC(不図示)をさらに有している。かかるドライバICからの信号は、信号線が配線されたフレキシブルプリントケーブルを通じてアクチュエータユニット21に供給される。なお、第1の実施形態に関する図面においてはフレキシブルプリントケーブルを図示していないが、第2の実施形態に関する図7においてフレキシブルプリントケーブル41として図示している。
ヘッド本体2は、流路ユニット9、及び、流路ユニット9の上面9aに固定された4つのアクチュエータユニット21を含んでいる。図4に示すように、流路ユニット9には、圧力室110等を含むインク流路と、空気が充填される空気流路とが内部に形成されている。アクチュエータユニット21は、各圧力室110に対応した複数のアクチュエータを含んでおり、圧力室110内のインクに選択的に噴射エネルギーを付与する機能を有する。以下、流路ユニット9内に形成されたインク流路について説明する。
流路ユニット9は、直方体形状となっている。流路ユニット9の上面9aには、リザーバユニット3側の開口3cに対応して、計10個のインク供給口105bが開口している。流路ユニット9の内部には、図3及び図4に示すように、インク供給口105bに連通するマニホールド流路105及びマニホールド流路105から分岐した複数の副マニホールド流路105aが形成されている。副マニホールド流路105aは、いずれもアクチュエータユニット21の下方において流路ユニット9の長手方向に平行に延びている。流路ユニット9の下面には、多数のノズル108の開口がマトリクス状に配置されたインク吐出面2aが形成されている。圧力室110も流路ユニット9におけるアクチュエータユニット21の固定面においてノズル108と同様マトリクス状に多数配列されている。
本実施形態では、等間隔に流路ユニット9の長手方向に並ぶ圧力室110の列が、短手方向に互いに平行に16列配列されている。各圧力室列に含まれる圧力室110の数は、後述のアクチュエータユニット21の外形形状(台形形状)に対応して、その長辺側から短辺側に向かって次第に少なくなるように配置されている。ノズル108も、これと同様の配置がされている。
また、流路ユニット9内には、副マニホールド流路105aから各圧力室110までのインク流路の一部を構成する複数のアパーチャ112が形成されている。アパーチャ112は、図4に示されるように、流路ユニット9の長手方向に平行に配列されたアパーチャ列121a〜121pを構成している。これらのうち、アパーチャ列121a〜121dは、平面視において副マニホールド流路105aが形成されている領域に互いに密集するように形成されている。また、アパーチャ列121e〜121h、アパーチャ列121i〜121l、アパーチャ列121m〜121pも、それぞれ平面視において副マニホールド流路105aが形成されている領域に密集するように形成されている。
流路ユニット9は、図5(a)に示すように、上から順に、キャビティプレート122、ベースプレート123、アパーチャプレート124、サプライプレート125、マニホールドプレート126、127、128、カバープレート129、及び、ノズルプレート130、という9枚のステンレス鋼等の金属プレートから構成されている。これらプレート122〜130は、主走査方向に長尺な矩形状の平面形状を有する。
キャビティプレート122には、インク供給口105bに対応する貫通孔、及び、圧力室110に対応する略菱形の貫通孔が多数形成されている。ベースプレート123には、各圧力室110について圧力室110とアパーチャ112との連絡孔及び圧力室110とノズル108との連絡孔が形成されていると共に、インク供給口105bとマニホールド流路105との連絡孔(図示せず)が形成されている。アパーチャプレート124には、各圧力室110についてアパーチャ112となる貫通孔及び圧力室110とノズル108との連絡孔が形成されていると共に、インク供給口105bとマニホールド流路105との連絡孔(図示せず)が形成されている。サプライプレート125には、各圧力室110についてアパーチャ112と副マニホールド流路105aとの連絡孔及び圧力室110とノズル108との連絡孔が形成されていると共に、インク供給口105bとマニホールド流路105との連絡孔(図示せず)が形成されている。マニホールドプレート126、127、128には、各圧力室110について圧力室110とノズル108との連絡孔、及び、積層時に互いに連結してマニホールド流路105及び副マニホールド流路105aとなる貫通孔が形成されている。カバープレート129には、各圧力室110について圧力室110とノズル108との連絡孔が形成されている。ノズルプレート130には、各圧力室110に対応するノズル108が形成されている。ノズルプレート130の下面には、ノズル108の開口108a(吐出口)が形成されている。
これらプレート122〜130を互いに位置合わせしつつ積層することによって、流路ユニット9内に、マニホールド流路105から副マニホールド流路105a、そして副マニホールド流路105aの出口からアパーチャ112及び圧力室110を経てノズル108に至る多数の個別インク流路132が形成される。このうち、アパーチャ112は、図5に示されているように、インクの流れ方向(個別インク流路132の延びる方向)に直交する方向に関する断面積が、個別インク流路132においてノズル108以外で最も小さい部分である。
次に、流路ユニット9におけるインクの流れについて説明する。リザーバユニットからインク供給口105bを介して流路ユニット9内に供給されたインクは、マニホールド流路105から副マニホールド流路105aに分岐される。副マニホールド流路105a内のインクは、各個別インク流路132に流れ込み、絞りとして機能するアパーチャ112及び圧力室110を介してノズル108に至る。
アクチュエータユニット21について説明する。図3に示すように、4つのアクチュエータユニット21は、それぞれ台形の平面形状を有しており、インク供給口105bを避けるよう千鳥状に配置されている。さらに、各アクチュエータユニット21の平行対向辺は流路ユニット9の長手方向に沿っており、隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士は流路ユニット9の幅方向(副走査方向)に関して互いにオーバーラップしている。
アクチュエータユニット21は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる複数の圧電シートが積層された積層構造を有している。圧電シートは、いずれも複数の圧力室110に跨るサイズを有した連続平板である。最上層の圧電シート上面における圧力室110に対向する位置には、個別電極(不図示)が配置されている。また、最上層の圧電シートの下面にはシート全面に形成された共通電極(不図示)が配置されている。
共通電極はすべての圧力室110に対応する領域において等しくグランド電位が付与されている。一方、個別電極は、ドライバICからの駆動信号が選択的に入力されるようになっている。つまり、アクチュエータユニット21において、個別電極と圧力室110とで挟まれた部分が、個別のアクチュエータ(噴射アクチュエータ)として働き、圧力室110の数に対応した複数のアクチュエータが作り込まれている。
ここで、アクチュエータユニット21の駆動方法について述べる。圧電シートはその厚み方向に分極されており、個別電極が配置された部分が活性層として働く。この活性層は、個別電極を共通電極と異なる電位にして、圧電シートに対してその分極方向に電界を印加すると、圧電シートの電界印加部分が圧電効果により歪む。例えば、分極方向と電界の印加方向とが同じであれば、活性部は分極方向に直交する方向(平面方向)に縮む。つまり、アクチュエータユニット21は、最上層の圧電シートを活性部を含む層とし、その下方の圧電シートを非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプのアクチュエータである。圧電シートは圧力室110を区画するキャビティプレート122の上面に固定されているため、最上層の圧電シートにおける電界印加部分とその下方の圧電シートとの間で平面方向への歪みに差が生じると、圧電シート全体が圧力室110側へ凸になるように変形(ユニモルフ変形)する。これにより圧力室110内のインクに圧力が付与され、ノズル108からインク滴が吐出される。つまり、圧力室110は、個別インク流路132の中で、開口108aからインクを噴射させるための噴射エネルギーがアクチュエータユニット21からインクへと供給される領域に相当する。
ここで、圧力室110と副マニホールド流路105aとの間にアパーチャ112が配置されていることによって個別インク流路132が絞られている。つまり、アパーチャ112は個別インク流路132の絞り部に相当する。したがって、圧力室110に圧力が付与された際に、個別インク流路132内のインクが副マニホールド流路105aへと逆流することなく、ノズル108に向かって流れやすくなっている。また、いわゆる引き打ち(fill before fire)方式によってインク滴が吐出される場合には、圧力室110内のインクに負圧が付与されることによって発生した圧力波がアパーチャ112において反射する。そして、その反射波が圧力室110に到達するタイミングに合わせて圧力室110内のインクに正圧が付与される。このように、アパーチャ112は圧力室110からの圧力波を反射させる機能も担っている。なお、ノズル108からインク滴が吐出された後は、副マニホールド流路105aから圧力室110へと、アパーチャ112を通じて、インクが再充填される。
次に、流路ユニット9内に形成された空気流路について説明する。図3に一部示されているように、流路ユニット9内には空気流路141が形成されている。空気流路141には空気が充填されている。流路ユニット9の上面には、空気流路141の開口141bが形成されている。開口141bは、リザーバユニット3側の開口3fに連通している。空気流路141は、流路ユニット9内の図示しない領域において複数の分岐流路141a(流体室)に分岐している。図4には、分岐流路141aの一部が示されている。分岐流路141aは、流路ユニット9の長手方向に平行に延びており、隣り合う2本のアパーチャ列に平面視において重なるように配置されている。例えば、図4に示されているように、アパーチャ列121i及び121jには一本の分岐流路141aが重なっており、アパーチャ列121k及び121lにも別の分岐流路141aが重なっている。これらの分岐流路141a同士は、複数の連通流路141cによって連通している。なお、図4には、図を見やすくするため、その他の分岐流路141aを図示していないが、アパーチャ列121a〜121d、アパーチャ列121e〜121h、及び、アパーチャ列121m〜121pに対しても同様の位置関係で分岐流路141aが形成されている。
分岐流路141aは、図5(a)に示すように、ベースプレート123の下面に開口するようにベースプレート123に形成されている。分岐流路141aとアパーチャ112との間には、ダイヤフラム151(壁部)が設置されている。ダイヤフラム151は、樹脂材料や金属材料等からなる薄膜状の部材であり、流路ユニット9を構成する他のプレートと比べて変形しやすいように構成されている。ダイヤフラム151は、平面視において分岐流路141aとアパーチャ112とが重なり合っている領域を含むような形状を有している。そして、ベースプレート123とアパーチャプレート124との間において、分岐流路141a内の空間とアパーチャ112内の空間とを完全に分離するように配置されている。これによって、ダイヤフラム151は、アパーチャ112の内壁面の一部を画定していると共に、分岐流路141aの内壁面の一部も画定している。また、分岐流路141aは、ダイヤフラム151を挟んでアパーチャ112に対向している。ダイヤフラム151の周縁は、ベースプレート123及びアパーチャプレート124のいずれか、又は両方に確実に接着されている。これによって、ダイヤフラム151が変形してもアパーチャ112から分岐流路141aへとインクが流出したり、分岐流路141aからアパーチャ112へと空気が流出したりすることがないように構成されている。
ダイヤフラム151は、分岐流路141a内の圧力とアパーチャ112内の圧力との差に応じて変形するように構成されている。例えば、分岐流路141a内の圧力とアパーチャ112内の圧力とが等しい場合には、ダイヤフラム151は図5(a)のように水平に延びた状態を取っている。一方、分岐流路141a内の圧力がアパーチャ112内の圧力より大きくなると、図5(b)のようにアパーチャ112内に向かって凸に撓んだ状態を取る。したがって、図5(b)の状態においては、インクの流れ方向(個別インク流路132に沿った方向)に直交する方向に関してアパーチャ112の断面積が、図5(a)の状態より小さくなる。つまり、図5(b)の状態におけるアパーチャ112の流路抵抗は、図5(a)の状態におけるアパーチャ112の流路抵抗より大きくなる。
ところで、上記のように、ノズル108からインクが吐出された後は、副マニホールド流路105aから圧力室110へと、アパーチャ112を通じてインクが再充填される。しかし、個別インク流路132を流れるインクの温度が変化すると、副マニホールド流路105aから圧力室110へとインクを再充填する能力に変化が生じるおそれがある。これは、インク温度が変化すると、これに応じてインクの粘度が変化するためである。つまり、インク温度が高くなるにつれてインク粘度が低下する。これによってインクが流れやすくなるため、副マニホールド流路105aから圧力室110へとインクが再充填されやすくなる。一方で、インク温度が低くなるにつれてインク粘度が上昇する。これによってインクが流れにくくなるため、副マニホールド流路105aから圧力室110へとインクが再充填されにくくなる。
また、インクを再充填する能力は、アパーチャ112の流路抵抗によっても変化する。流路抵抗が大きいとインクが流れにくくなり、流路抵抗が小さいとインクが流れやすくなるからである。そこで、例えば、アパーチャ112の流路抵抗がある一定の値になるようにアパーチャ112の形状や大きさを決定したとする。ここで、この流路抵抗の値は、インクがある温度になるときにちょうどよい量のインクが再充填されるように調整されているとする。この場合、インクが上記のある温度より高くなると、インク粘度が低下してインクが流れやすくなるため、再充填される量が過剰になってしまう。逆に、インクが上記のある温度より低くなると、インク粘度が上昇してインクが流れにくくなるため、再充填される量が不足してしまう。
そこで、本実施形態においては、圧力制御部17が以下のようにポンプ33を制御する(図2参照)。圧力制御部17は、ポンプ33の制御量をインク温度の値と関連付けた制御データを保持している。そして、温度センサ18からの検出結果に基づいて、インク温度に対応するポンプ33の制御量を制御データから取得する。圧力制御部17は、取得した制御量に基づいてポンプ33を制御し、空気流路141内の圧力を変化させる。一方で、ポンプ33が空気流路141内の圧力を変化させると、分岐流路141a内の圧力も変化する。これによって、ダイヤフラム151が図5(b)のように変形するため、アパーチャ112が変形し、アパーチャ112の流路抵抗が変化する。つまり、本実施形態のポンプ33、及び、空気流路141は、アパーチャ112(インク流路)の断面積が変化するようにダイヤフラム151(壁部)を変形させる本発明の流路変形手段を構成している。
ここで、上記の制御データは、インク温度が高くなればなるほどポンプ33によって空気流路141内の圧力が大きくなるように調整されている。つまり、インク温度が高いほど、分岐流路141a内の圧力によってダイヤフラム151が変形し、アパーチャ112の流路抵抗が大きくなるように調整されている。なお、アパーチャ112の流路抵抗は、副マニホールド流路105aから圧力室110へインクを再充填する能力がインク温度の変化に関わらず一定になるように変化することが好ましい。
したがって、インク温度が高くインク粘度が低いときには、インクが流れやすくなる一方で、アパーチャ112の流路抵抗が大きくなるように圧力制御部17がポンプ33を制御する。また、インク温度が低くインク粘度が高いときには、インクが流れにくくなる一方で、アパーチャ112の流路抵抗が小さくなるように圧力制御部17がポンプ33を制御する。このように、本実施形態によると、副マニホールド流路105aから圧力室110へインクを再充填する能力がインク温度に応じて変化しにくくなるような制御が実行される。
[第2の実施形態]
以下、本発明の他の実施形態の一例である第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態において第1の実施形態と同様の構成については、その説明を適宜省略する。また、以下において第1の実施形態の説明の際に用いたものと同じ符号は、第1の実施形態の構成と同じ構成を示すものとする。
第2の実施形態のインクジェットヘッド201は、図6に示すように、リザーバユニット203及びヘッド本体202を有している。リザーバユニット203には、リザーバユニット3と同様にインク流路3aが形成されているが、空気流路は設けられていない。また、インク流路3a内には温度センサ18が設けられており、その検出結果は制御部216へと送信される。インクジェットヘッド201は、電磁石233と電磁石233に電流を供給する電源部218(電流供給手段)とを有している。電磁石233は、ヘッド本体202の上面に設置されている。電源部218は、電磁石233に電流を流したり、電流を流すのを停止したりすることができる。また、電磁石233に流す電流量を調整することができる。制御部216は、電源部218が電磁石233に流す電流を制御する電流制御部217(電流制御手段)を有している。電流制御部217は、温度センサ18からの検出結果に基づいて電源部218から電磁石233への電流供給を制御する。
図7は、電磁石233及びヘッド本体202の平面図である。インクジェットヘッド201は、4つの電磁石233を有している。電磁石233は、磁心233bと磁心233bの周囲に巻かれた巻き線233aとを有している。磁心233bは、上面及び下面が水平に沿った角柱の形状を有している。磁心233bの上面及び下面は、いずれもアクチュエータユニット21の平面形状と同じ形状を有している。電磁石233は、平面視においてアクチュエータユニット21とほぼ重なり合うように、ヘッド本体202の上方に設置されている。なお、アクチュエータユニット21の上面には、アクチュエータユニット21を駆動する駆動信号を供給するフレキシブルプリントケーブル41が接続されている。電磁石233は、フレキシブルプリントケーブル41のさらに上方に配置されている。巻き線233aに電流が流れると、磁心233bを鉛直方向に貫通するような磁界が発生する。
図8は、第1の実施形態の図5に対応する図である。第2の実施形態の流路ユニット209において、ベースプレート123には、第1の実施形態と同様に空気流路141及びその分岐流路141aが形成されている。ただし、第2の実施形態においては空気流路141がポンプ等に連通しておらず、大気へと開放されている。分岐流路141aとアパーチャ112との間には、ダイヤフラム251が設置されている。ダイヤフラム251の形状や大きさ、配置はダイヤフラム151と同様である。ただし、ダイヤフラム251は、強磁性を有する材料、例えば、400系SUSから形成されている。一方で、流路ユニット209において、キャビティプレート122やベースプレート123等のその他の部分は、強磁性を有さない材料、例えば、300系SUSから形成されている。
したがって、電磁石233に電流を流すことによって磁界が発生した場合、キャビティプレート122は磁化されないが、ダイヤフラム251は磁化されることとなる。これによって、ダイヤフラム251は上方の電磁石233へと引き寄せられ、その結果、図8(b)のように分岐流路141a内に向かって凸に撓んだ状態を取る。電磁石233から磁界が発生していない場合、ダイヤフラム251は、図8(a)のように水平に延びた状態を取る。
電流制御部217は、電磁石233に流す電流値をインク温度の値と関連付けた制御データを保持している。そして、温度センサ18からの検出結果に基づいて、インク温度に対応する電流値を制御データから取得する。電流制御部217は、電源部218を制御し、取得した電流値の電流を電磁石233に供給させる。これによって、ダイヤフラム251が図8(b)のように変形し、アパーチャ112が変形してアパーチャ112の流路抵抗が変化する。つまり、本実施形態の電源部218、及び、電磁石233は、アパーチャ112(インク流路)の断面積が変化するようにダイヤフラム251(壁部)を変形させる本発明の流路変形手段を構成している。
ここで、上記の制御データは、インク温度が低くなればなるほど電磁石233に流れる電流が大きくなるように調整されている。つまり、インク温度が低いほど、電磁石233からの磁界が強くなってダイヤフラム251が大きく変形し、アパーチャ112の流路抵抗が小さくなるように調整されている。なお、アパーチャ112の流路抵抗は、副マニホールド流路105aから圧力室110へインクを再充填する能力がインク温度が変化しても一定になるように変化することが好ましい。
したがって、インク温度が高くインク粘度が低いときには、インクが流れやすくなる一方で、アパーチャ112の流路抵抗が大きくなるように電流制御部217が電磁石233に流れる電流を小さくしたり、電流供給を停止したりする。また、インク温度が低くインク粘度が高いときには、インクが流れにくくなる一方で、アパーチャ112の流路抵抗が小さくなるように電流制御部217が電磁石233に流れる電流を大きくしたり、停止していた電流供給を再開したりする。このように、第2の実施形態によると、第1の実施形態と同様に、副マニホールド流路105aから圧力室110へインクを再充填する能力がインク温度に応じて変化しにくくなるような制御が実行される。
[第3の実施形態]
以下、本発明のさらに他の実施形態の一例である第3の実施形態について図9を参照しつつ説明する。第3の実施形態は第2の実施形態と同様、電磁石233を用いてダイヤフラムを変形させるものである。第3の実施形態において第1、第2の実施形態と同様の構成については、その説明を適宜省略する。また、以下において第1、第2の実施形態の説明の際に用いたものと同じ符号は、第1、第2の実施形態の構成と同じ構成を示すものとする。
第3の実施形態のヘッド本体302は、流路ユニット309を有している。流路ユニット309において、ベースプレート323は、第1、第2の実施形態の空気流路141や分岐流路141aに相当する構造を有していない。一方で、第3の実施形態におけるサプライプレート325には、空気室341が形成されている。空気室341は、第1、第2の実施形態と異なり、流路ユニット309外に連通しておらず、密閉された空間を構成している。空気室341は、平面視において各アパーチャ112に重なるように形成されている。また、平面視において互いに隣り合う2つのアパーチャ112の間には、リブ部325aが形成されている。
空気室341とアパーチャ112との間には、ダイヤフラム351が設置されている。ダイヤフラム351は、強磁性を有する材料からなる薄膜状の部材である。ダイヤフラム351は、図9に示すように、複数のアパーチャ112に跨るように配置されている。ダイヤフラム351は、アパーチャ112の内壁面の一部を画定すると共に、空気室341の内壁面の一部も画定しており、空気室341内の空間とアパーチャ112内の空間とを完全に分離している。
流路ユニット309は、電磁石233から磁界が発生していない状態においてダイヤフラム351が空気室341内に向かって凸に撓んでいるように、以下のように構成されている。流路ユニット309のアパーチャプレート324は、サプライプレート325を形成する材料より膨張率が小さい材料から形成されている。これによって、ダイヤフラム351を挟んでリブ部325aと対向するリブ部324aは、リブ部325aより、図9の左右方向に関する線膨張率が小さくなるように構成されている。また、リブ部324aとリブ部325aとは、本実施形態の想定される使用環境より十分に高いある温度において図9の左右方向に関する幅が互いに等しくなるように設計されており、かかる温度において互いに接着されている。
したがって、実際の使用環境においては、リブ部325aは、図9の左右方向に関してリブ部324aより大きく収縮している。これによって、リブ部325aとリブ部324aとの間には撓みモーメントが発生する。この撓みモーメントは、ダイアフラム351においてリブ部325aとリブ部324aとに挟まれた領域を上方に向かって凸に撓ませるようなモーメントである。かかる撓みモーメントは、ダイヤフラム351においてリブ部324a及び325aの両端に隣接した領域に対しては、下方に向かって凸に撓ませるように作用する。これによって、ダイアフラム351は、図9(a)に示すように、空気室341内に向かって凸に撓んだ状態を取る。
また、空気室341内の圧力は、かかる撓んだ状態においてアパーチャ112側の圧力と等しいか、アパーチャ112側の圧力より小さくなるように調整されている。例えば、図9(a)のようにダイアフラム351が撓んだ状態において、アパーチャ112内と空気室341内とが大気圧になるように密閉されている。したがって、ダイアフラム351がアパーチャ112内に向かって撓もうとすると、空気室341内の圧力が低下し、これによって、空気室341内に向かって凸に撓んだ状態に引き戻す力がダイアフラム351に作用する。
流路ユニット309は、以上のように、電磁石233から磁界が発生していない状態において、ダイヤフラム351が確実に下方に向かって凸に撓むように構成されている。
そして、第3の実施形態にも第2の実施形態と同様の電流制御部217及び電源部218が設けられている。電流制御部217は、温度センサ18からの検出結果に基づいて電源部218を制御し、インク温度が高くなると電磁石233に流す電流を大きくする。これによって、図9(b)に示すように、ダイヤフラム351をアパーチャ112内に向かって凸に撓ませ、アパーチャ112の流路抵抗を大きくすることができる。したがって、第3の実施形態においても、副マニホールド流路105aから圧力室110へインクを再充填する能力がインク温度に応じて変化しにくくなるような制御を実行することが可能である。
また、第3の実施形態によると、電磁石233によって磁界が発生していない状態において、図9(a)のようにダイヤフラム351が空気室341内に向かって凸に撓んでいる。そして、電磁石233によって磁界を発生させると、ダイヤフラム351をアパーチャ112内に向かって凸に撓ませることができる。したがって、第2の実施形態と比べてダイヤフラム351を大きく変形させることができ、アパーチャ112の流路抵抗をより大きく変化させることが可能である。
<変形例>
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
例えば、上述の各実施形態においては、個別インク流路132を変形させるためのダイヤフラムがアパーチャ112の内壁面を確定するように設置されている。しかし、圧力室110と副マニホールド流路105aとの間であれば、いずれの場所にダイヤフラムを設置してもよい。
また、第1の実施形態において、空気流路141や分岐流路141aには空気が充填されていることとしたが、空気以外の気体やその他の流体が充填されてもよい。例えば、気体のみを充填するのではなく、液体を注入してもよい。
また、上述の各実施形態において、温度センサ18がリザーバユニット3のインク流路3a内に設置されているが、流路ユニット内のインク流路に設置されてもよい。
また、第1の実施形態において、インク温度に応じて分岐流路141a内の圧力を大きくすることが想定されている。この場合、インク温度に応じて連続的に圧力を変化させてもよいし、段階的に変化させてもよい。段階的に変化させる場合は、2段階であってもよいし3段階以上であってもよい。
また、第1の実施形態において、空気流路141内の圧力を大きくすることにより、ダイヤフラム151をアパーチャ112内に向かって凸に撓ませることが想定されている。しかし、空気流路141内の圧力を小さくすることにより、ダイヤフラム151を分岐流路141a内に向かって凸に撓ませてもよい。この場合には、インク温度が低いほどダイヤフラム151が大きく撓むようにポンプ33が制御されればよい。
また、第2、第3の実施形態において、インク温度に応じて電磁石233に供給する電流を変化させることが想定されている。この場合、インク温度に応じて連続的に電流を変化させてもよいし、段階的に変化させてもよい。段階的に変化させる場合は、2段階であってもよいし3段階以上であってもよい。例えば、電磁石233に電流を供給していない状態と電磁石233に一定の電流を供給する状態との2つの状態を、インク温度がある温度を超えたか否かに基づいて切り換えるといった制御が実行されてもよい。
本発明の一実施形態に係る第1の実施形態のインクジェットプリンタの概略構成図である。 図1のインクジェットヘッドの一部縦断面を含む側面図である。 図1のヘッド本体の平面図である。 図3の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。 図4に示すIV−IV線に沿った部分断面図である。 第2の実施形態のインクジェットヘッドの一部縦断面を含む側面図である。 第2の実施形態の電磁石及びヘッド本体の平面図である。 第2の実施形態の流路ユニットの部分断面図であり、第1の実施形態の図5に対応する図である。 第3の実施形態の流路ユニットの部分断面図であり、第1の実施形態の図5に対応する図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
2 ヘッド本体
3 リザーバユニット
9 流路ユニット
16 制御装置
17 圧力制御部
18 温度センサ
33 ポンプ
101 インクジェットプリンタ
108 ノズル
108a 開口
110 圧力室
112 アパーチャ
112 各アパーチャ
112 アパーチャ
132 個別インク流路
141 空気流路
141a 分岐流路
151 ダイヤフラム
201 インクジェットヘッド
202 ヘッド本体
203 リザーバユニット
209 流路ユニット
216 制御部
217 電流制御部
218 電源部
233 電磁石
251 ダイヤフラム
302 ヘッド本体
309 流路ユニット
341 空気室
351 ダイヤフラム

Claims (7)

  1. インクを吐出する吐出口と、
    前記吐出口にインクを供給するインク流路と、
    前記吐出口からインクを噴射させる噴射エネルギーを前記インク流路内のインクに供給する噴射アクチュエータと、
    前記噴射エネルギーが供給される位置より前記インク流路に沿って前記吐出口から離隔した位置にある前記インク流路の内壁面を画定する壁部と、
    前記インク流路内のインクの温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサの検出結果が示す温度が高いほど前記インク流路の流れ方向に直交する断面積が小さくなるように前記壁部を変形させる流路変形手段とを備えていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記流路変形手段が、内壁面の一部が前記壁部に画定されており前記壁部を挟んで前記インク流路と対向した流体室と、前記壁部が変形するように前記流体室内の圧力を変化させる圧力変化手段とを有しており、
    前記温度センサの検出結果が示す温度が高いほど前記流体室内の圧力が大きくなるように前記圧力変化手段を制御する圧力制御手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記流体室に気体が充填されていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記壁部が強磁性を有する材料からなり、
    前記流路変形手段が、前記壁部を変形させるような磁界を発生させる電磁石と、前記電磁石に電流を供給する電流供給手段とを有しており、
    前記温度センサの検出結果が示す温度が高いほど前記インク流路の流れ方向に直交する断面積が小さくなるように、前記電流供給手段が前記電磁石に供給する電流を制御する電流制御手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記電磁石に電流が供給されていない状態において前記壁部が前記インク流路内に向かう方向とは逆方向に凸に撓んでおり、前記電磁石に電流が供給されると前記壁部が前記インク流路内に向かって凸に撓むような磁界が発生することを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記噴射アクチュエータが、前記インク流路内のインクに圧力を印加することによって前記噴射エネルギーを供給するものであり、
    前記インク流路の一部が、前記噴射アクチュエータが前記インク流路内のインクに圧力を印加した際に発生した圧力波を反射させる絞り部であり、
    前記壁部が、前記絞り部の少なくとも一部の内壁面を画定していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記壁部が、薄膜状の部材からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
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JP2015044324A (ja) * 2013-08-27 2015-03-12 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの駆動方法

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