JP2009155212A - C−フェニル1−チオグルシト−ル化合物を有効成分とする糖尿病治療剤 - Google Patents

C−フェニル1−チオグルシト−ル化合物を有効成分とする糖尿病治療剤 Download PDF

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浩行 柿沼
Yohei Kobashi
陽平 小橋
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隆宏 大井
Yuko Hashimoto
優子 橋本
Hitomi Takahashi
仁美 高橋
Risa Kitajima
理沙 北島
Fusayo Io
房代 井尾
Shinichiro Kumeta
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Abstract

【課題】SGLT1の活性を阻害しグルコース等の吸収を抑制することで、糖尿病を予防する、もしくは糖尿病における食後高血糖を抑制する糖尿病の予防又は治療剤を提供する。
【解決手段】下記式(I)で表される化合物。
Figure 2009155212

[式中、Xは、水素原子、又はC1-6アルキル基であり、Yは、C1-6アルキレン基、又は−O−(CH2)n−(nは1から5の整数を示す)であり、Zは、−CONHRA又は−NHCONHRB(ただし、Zが−NHCONHRBを示すときにnは1ではない)を示す。ただし、RAは、水酸基および−CONH2からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基であり、RBは、水素原子、又は水酸基および−CONH2からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基を示す]
【選択図】なし

Description

本発明は、小腸上皮でのグルコース等の吸収に関わるナトリウム依存性グルコ−ス共輸送体1(SGLT1)活性阻害、あるいはその作用に加えて腎臓でのグルコ−ス再吸収に関わるナトリウム依存性グルコ−ス共輸送体2(SGLT2)活性阻害を有するC−フェニル 1−チオグルシト−ル化合物を有効成分として含有することを特徴とする糖尿病の予防又は治療剤に関する。
糖尿病に罹患すると、空腹時の血糖値は126mg/dL以上を示す。また、空腹時の血糖値が正常であっても、食事の後に140〜200mg/dLという高い血糖値を示す場合には、耐糖能異常(以下、IGT(impaired glucose tolerance)という。)と診断される。IGTから糖尿病の発症を遅らせることは、心血管障害のリスクを低減させると考えられ、それを示す幾つかの知見が得られている。例えば、1997年に中国で行われたDa Qing IGT and Diabetes Studyでは、ダイエットや運動を行うことでIGTから2型糖尿病への移行を有意に抑制したと報告されている(非特許文献1参照)。また、薬剤治療が有効な例として、糖の加水分解酵素を阻害し、小腸からの糖の吸収を遅延させるα−グルコシダ−ゼ阻害剤アカルボ−スを投与すると、IGTから2型糖尿病への移行を抑制し、さらに高血圧の発症も有意に抑制することが報告されている(非特許文献2参照)。
以上のことから、糖尿病の発症を抑えるには、食事療法、運動及び薬物療法によってIGTをコントロ−ルすることが重要である。
それにも関わらず、糖尿病を発症した場合には、随時、血糖コントロ−ルが必要になってくる。糖尿病治療の基本は食事療法と運動療法であるが、これらを行っても充分な効果が得られない場合には薬物療法を採択する必要がある。
哺乳動物の小腸上皮には高い頻度でナトリウム依存性グルコ−ス共輸送体1(SGLT1)が発現している。このSGLT1は小腸において、ナトリウムに依存し、グルコ−ス又はガラクト−スの能動輸送を司っていることが知られている。そこで、食事由来のグルコ−ス吸収を抑制し、IGTの予防または治療を行うというコンセプトに基づき、SGLT1活性を阻害するピラゾ−ル誘導体が報告されている(特許文献1〜6参照)。
また、腎臓には高頻度にナトリウム依存性グルコ−ス共輸送体2(SGLT2)が発現しており、糸球体で一旦濾過されたグルコ−スはSGLT2を介して再吸収される(非特許文献3参照)。そして、SGLT2阻害剤を糖尿病ラットに投与すると、尿への糖***を促進し、血糖低下作用を招来し、SGLT2特異的阻害剤は新たな糖尿病治療薬の標的分子と考えられるようになった(非特許文献4参照)。このような背景から、SGLT2阻害剤が研究され様々なO−アリ−ル グリコシド誘導体が提供されている(特許文献7及び8参照)。
したがって、SGLT1及びSGLT2活性を同時に阻害できれば、SGLT1阻害に基づく食後高血糖抑制作用とSGLT2阻害に基づく随時血糖低下作用を併有する新しいタイプの糖尿病治療薬を提供できると考えられる。
これまで、SGLT2に選択的な阻害活性を有するC−フェニル グルシトール誘導体については報告されているが(特許文献9参照)、SGLT1及びSGLT2の双方を強力に阻害するC−フェニル 1−チオグルシトール誘導体についての報告はない。
国際公開第WO2002/098893号パンフレット 国際公開第WO2004/014932号パンフレット 国際公開第WO2004/018491号パンフレット 国際公開第WO2004/019958号パンフレット 国際公開第WO2005/121161号パンフレット 国際公開第WO2004/050122号パンフレット 欧州特許出願公開第0850948号明細書 国際公開第WO2001/068660号パンフレット 国際公開第WO2001/027128号パンフレット Pan XR, et al. Diabets Care, 第20巻, 534項, 1997年 J.−L. Chiasson, et al. Lancent, 第359巻, 2072項, 2002年 E. M. Wright, Am. J. Physiol. Renal. Physiol. , 第280巻, F10項, 2001年 G. Toggenburger, et al. Biochem. Biophys. Acta., 第688巻, 557項, 1982年
本発明は、SGLT1の活性を阻害しグルコース等の吸収を抑制することで、糖尿病を予防する、もしくは糖尿病における食後高血糖を抑制するC−フェニル 1−チオグルシト−ル化合物を有効成分として含有する糖尿病の予防又は治療剤を提供することを課題とする。さらに本発明は、SGLT1及びSGLT2の双方の活性を阻害し、グルコ−ス等の吸収抑制と尿糖***作用を併有する糖尿病予防剤、糖尿病治療剤として期待されるC−フェニル 1−チオグルシト−ル化合物を有効成分として含有することを特徴とする糖尿病の予防又は治療剤を提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究した結果、アグリコンの末端に特異な側鎖を導入したC−フェニル 1−チオグルシト−ル化合物(以下、「本発明化合物」という)が、優れたSGLT1活性阻害作用、あるいはその作用に加えてSGLT2活性阻害作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記式(I)で表されるC−フェニル 1−チオグルシト−ル化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有することを特徴とする糖尿病の予防又は治療剤である。
Figure 2009155212
式中、Xは、水素原子、又はC1-6アルキル基であり、
Yは、C1-6アルキレン基、又は−O−(CH2)n−(nは1から5の整数を示す)であり、
Zは、−CONHRA又は−NHCONHRB
(ただし、Zが−NHCONHRBを示すときにnは1ではない)を示す。
ただし、
Aは、水酸基および−CONH2からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基であり、
Bは、水素原子、又は、水酸基および−CONH2からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基を示す。
本発明の他の態様は、Yが、C1-6アルキレン基であり、RBが水素原子、又は水酸基で置換されたC1-6アルキル基である前記C−フェニル 1−チオグルシト−ル化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有することを特徴とする糖尿病の予防又は治療剤である。
本発明により、SGLT1活性阻害、あるいはその作用に加えてSGLT2活性阻害を有するC−フェニル 1−チオグルシト−ル化合物を有効成分として含有することを特徴とする糖尿病の予防又は治療剤を提供することが可能となった。
本発明において使用する用語を以下に定義する。
「C1-6アルキル基」とは、炭素原子を1−6個有する直鎖状又は分枝状のアルキル基を意味する。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられる。
「C1-6アルキレン基」とは、C1-6アルキル基の炭素原子からさらに水素を1個除いた2価基を意味する。例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基等が挙げられる。
「水酸基および−CONH2からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基」とは、C1-6アルキル基上の水素原子が、1〜3個の水酸基、及び−CONH2の少なくとも1種によって置換されたアルキル基を示す。例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル基、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル基、1,3−ジヒドロキシ−2−ヒドロキシメチルプロパン−2−イル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基が挙げられる。
また、「製薬学的に許容される塩」とは、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウム、アルキルアンモニウムなどとの塩、鉱酸又は有機酸との塩であり、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、アルミニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ぎ酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、エチルコハク酸塩、ラクトビオン酸塩、グルコン酸塩、グルコヘプトン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、アジピン酸塩、システインとの塩、N−アセチルシステインとの塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、よう化水素酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、ピクリン酸塩、チオシアン酸塩、ウンデカン酸塩、アクリル酸ポリマーとの塩、カルボキシビニルポリマーとの塩を挙げることができる。
「水和物」とは、本発明化合物又はその塩の製薬学的に許容される水和物である。本発明の化合物又はその塩は、大気にさらされ、あるいは再結晶することなどにより、水分を吸収し、吸着水がつく場合や、水和物となる場合がある。本発明における水和物には、そのような水和物も含まれる。
本発明化合物及び中間体の一部はキラル中心を有するので、ジアステレオマー又はエナンチオマーで存在する場合がある。また、本発明化合物及び中間体の一部は、例えばケト−エノール互変異性体として存在する場合がある。また、本発明化合物及び中間体の一部は、幾何異性体(E、Z体)として存在する場合がある。したがって、本発明化合物及び中間体は、上記全ての個々の異性体並びにこれらの混合物を包含する。
本発明化合物の好ましい態様を以下にあげる。
Xの好ましい態様は、水素原子である。
Yの好ましい態様は、C1-6アルキレン基であり、より好ましくはC2-4アルキレン基である。
Zが−CONHRAのとき、RAの好ましい態様は、水酸基および−CONH2からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-4アルキル基である。また、Zが−NHCONHRBのとき、RBの好ましい態様は1〜3個の水酸基で置換されたC1-4アルキル基であり、より好ましくは水酸基で置換されたC1-4アルキル基である。
以下に、本発明化合物(I)の製造方法を例をあげて詳細に説明するが、例示されたものに特に限定されない。
製造法1
本発明化合物(I)において、Xが水素原子、又はC1-6アルキル基であり、YがC2-6アルキレン基であり、Zが−CONHRAである化合物は以下の方法で合成することができる。
ただし、Y1は単結合又はC1-4アルキレン基を示し、R1、R2は、同一または異なって水素原子またはC1-4アルキル基を示し、Aは塩素原子または臭素原子を示し、その他の記号は前記と同義である。
Figure 2009155212
(1)工程1(Heck反応)
化合物(II)とオレフィンカルボン酸(III)をパラジウム触媒とホスフィンリガンド、及び適当な塩基の存在下、Heck反応を行うことにより化合物(IV)を合成することができる。このとき用いるパラジウム触媒としては、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジベンジリデンアセトンパラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムジクロリド、パラジウム活性炭等が挙げられる。ホスフィンリガンドとしてはトリフェニルホスフィンやトリス(2−メチルフェニル)ホスフィン等が挙げられる。また、塩基にはトリエチルアミン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム、カリウムt−ブトキシド等が用いられる。反応に用いられる溶媒としては、アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。反応温度は0℃から還流温度であるが、マイクロウェ−ブを用いることもある。
(2)工程2(アミド基への変換)
化合物(IV)をアミン(RANH2)にて脱水縮合し、化合物(V)が得られる。この反応に使用する溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド等が好ましく、脱水縮合剤としては、N,N´−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−エチル−N´−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(WSC)、1、1´−カルボニルジイミダゾ−ル(CDI)、WSC/1−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル1水和物等が好ましい。ここでの反応温度は0℃〜60℃である。
(3)工程3(還元、脱保護)
上記で得られた化合物(V)をパラジウム活性炭、水酸化パラジウム、又は白金−パラジウム活性炭等の触媒を用いて水素雰囲気下にて接触水素添加することにより、オレフィンの還元と脱ベンジル化を同時に行い、発明化合物(I)を得ることができる。中でもパラジウム活性炭、水酸化パラジウムが触媒として好ましい。この反応に使用する溶媒としては、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル、酢酸エチル、酢酸、およびこれらの混合溶媒が挙げられる。反応温度は室温から還流温度であるが、室温が好ましい。
また、脱ベンジル化においては、BCl3、BCl3・Me2S、BBr3、AlCl3、CF3COOH、TfOH等の酸を用いることもできる。この反応に使用する溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトニトリル、ジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフィド、アニソ−ル等が挙げられる。中でも、CF3COOH、TfOH、エタンジチオ−ルをジメチルスルフィド中で用いる方法が好ましい。反応温度は−78℃〜40℃がよい。
製造法2
本発明化合物(I)において、Xが水素原子、又はC1-6アルキル基であり、YがC2-6アルキレン基であり、Zが−NHCONHRBである化合物は以下の方法で合成できる。
ただし、式中の記号は前記と同義である。
Figure 2009155212
(4)工程4(Heck反応)
化合物(II)とアルケニル尿素誘導体(VI)を工程1に記載したHeck反応によって、化合物(VII)へ導くことができる。
(5)工程5(還元、脱保護)
上記で得られた化合物(VII)を工程3に記載した接触水素添加又はルイス酸による脱保護を行うことによって、本発明化合物(I)を得ることができる。
製造法3
本発明化合物(I)において、Xが水素原子、又はC1-6アルキル基であり、Yが−O−(CH2)n−であり、Zが−CONHRAである化合物は以下の方法で合成できる。
ただし、R3はC1-6アルキル基を示し、その他の記号は前記と同義である。
Figure 2009155212
(6)工程6(カップリング)
ハロゲン化アリールにn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の有機金属試薬を用いてアリ−ルリチウム試薬(IX)を調製することができる。これに、中間体化合物(VIII)を加えることで化合物(X)を得ることができる。反応に用いられる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエ−テル、トルエン等が挙げられる。反応温度は−80℃から室温であり、好ましくは−78℃〜−25℃である。また、1当量の金属マグネシウムを用いてGrignard試薬(IX)を製造することもできる。反応に用いられる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエ−テル、ジグリム等が挙げられる。
(7)工程7(還元、脱保護)
上記で得られた化合物(X)とEt3SiH、i−Pr3SiH、t−BuMe2SiH又はPh2SiHClを、ルイス酸の存在下で反応させ、化合物(XI)を製造することができる。この反応に使用するルイス酸としては、BF3・Et2O、CF3COOH、InCl3等が挙げられ、溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトニトリル又はそれらの混合溶媒が挙げられ、好ましいのはアセトニトリル−クロロホルム、アセトニトリル−ジクロロメタン等のアセトニトリルとの混合溶媒である。ここでの反応温度は−60℃〜25℃、好ましくは−30℃〜25℃である。
(8)工程8(アルキル化)
化合物(XI)と試薬(XII)を塩基性条件下、反応させ化合物(XIII)を得ることができる。この反応に使用する塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、ピリジン、トリエチルアミン等が好ましい。溶媒としては、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等があげられる。また、反応温度は20〜100℃が好ましい。
(9)工程9(加水分解、アミド化)
化合物(XIII)を塩基性条件下でエステルを加水分解し対応するカルボン酸へと変換することができる。この反応に使用する塩基としては炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン等が好ましく、溶媒としては、メタノール、エタノール、酢酸エチル、またはこれらと水との混合溶媒があげられる。また、反応温度は20〜100℃が好ましい。
ここで得られたカルボン酸とRANH2を上記工程2に記載した方法により縮合し、化合物(XIV)へと導くことができる。
(10)工程10(脱保護)
化合物(XIV)を工程3に記載した方法により表題化合物(I)へと導くことができる。
製造法4
本発明化合物(I)において、Xが水素原子、又はC1-6アルキル基であり、Yが−O−(CH2)n−であり、Zが−NHCONHRBである化合物は以下の方法で合成できる。
ただし、式中、Y2はC2-5アルキレン基を示し、その他の記号は前記と同義である。
Figure 2009155212
(11)工程11(カップリング)
化合物(XV)(国際公開第WO06/073197号パンフレットに準じて製造することができる。)と(XVI)から工程6と同様な方法で化合物(XVII)を合成することができる。
(12)工程12(還元、脱保護)
化合物(XVII)の水酸基の還元と保護基の除去を工程7と同様な方法で行うことによって、化合物(XI)を合成することができる。化合物(XI)は上記工程7でも合成することができる。
(13)工程13(置換反応)
化合物(XI)と試薬(XVIII)を塩基性条件下、反応させ化合物(XIX)を得ることができる。この反応に使用する塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、ピリジン、トリエチルアミン等が好ましい。溶媒としては、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等があげられる。また、反応温度は20〜100℃が好ましい。
(14)工程14(脱フタルイミド)
化合物(XIX)とヒドラジン水和物やメチルヒドラジンを適当な溶媒中反応させることで、アミン(XX)を得ることができる。ここで用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、水、およびこれらの混合溶媒が好ましい。反応温度は室温〜100℃であり、好ましくは室温〜60℃である。
(15)工程15(ウレア化)
化合物(XX)をカルボニル化試薬とNH2Bを用いて化合物(XXI)を合成することができる。ここで用いるカルボニル化試薬としては、1,1′−カルボニルジイミダゾール、p−ニトロフェニルクロロフォルメート、トリホスゲン等である。この反応には、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン等の塩基を用いると良い。ここで用いる溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等であり、これらの混合溶媒を用いても良い。好ましい混合溶媒は、クロロホルム/N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム/ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン/N,N−ジメチルホルムアミドである。また、反応温度としては室温〜80℃であり、反応の進行が遅い場合、温度を上げる事ができる。
(16)工程16(脱保護)
化合物(XXI)から工程3と同様な方法で脱保護し、表題化合物(I)を合成することができる。
製造法5
中間体(II)の製造法
本発明化合物(I)の製造に必要な中間体(II)および(VIII)の製造法を以下に示す。ただし、D1はLi又はMgBrを示し、その他の記号は前記と同義である。
Figure 2009155212
(17)工程17(カップリング)
中間体化合物(XXII)にn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の有機金属試薬を用いてアリ−ルリチウム試薬を調製することができる。これに、チオラクトン(XVI)を加えることで化合物(XXIII)を得ることができる。このとき反応に用いられる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエ−テル、トルエン等が挙げられる。反応温度は−80℃から室温であり、好ましくは−78℃〜−25℃である。
(18)工程18(酸加水分解)
化合物(XXIII)中のアセタ−ル基を、塩酸、p−トルエンスルホン酸1水和物等を用いて加水分解することで、化合物(VIII)を製造することができる。このとき用いられる溶媒としては、テトラヒドロフラン、エタノ−ル、メタノ−ル、水、又はこれらの混合溶媒が好ましい。反応温度は4℃から室温であり、室温が好ましい。また、反応時間は反応温度により異なるが、1時間〜24時間である。
(19)工程19(カップリング)
4−ハロ−ブロモベンゼン誘導体に対し、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等を1当量用いてモノリチウム化合物(XXIV)を製造することができる。反応に用いられる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエ−テル、トルエン等が挙げられる。反応温度は−80℃から室温であり、好ましくは−78℃〜−25℃である。反応時間は5分から30分が好ましい。また、1当量の金属マグネシウムを用いてGrignard試薬(XXIV)を製造することもできる。反応に用いられる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエ−テル、ジグリム等が挙げられる。次に、化合物(XXIV)に中間体化合物(VIII)を加えることで、化合物(XXV)を製造することができる。反応温度は−80℃から室温であり、好ましくは−78℃〜−25℃である。
(20)工程20(水酸基の還元)
上記で得られた化合物(XXV)を工程7の条件で反応させることにより表題化合物(II)を製造することができる。
製造法6
チオラクトン(XVI)の製造法
化合物(XVI)はYuasa, H., et al. J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1, 2763項,1990年に記載の方法で合成することができる。あるいは、以下のスキームにしたがって製造することもできる。
Figure 2009155212
(21)工程21(水酸基の保護)
化合物(XVIa)(国際公開第WO04/106352号パンフレットに準じて製造することができる)の1位水酸基を塩基性条件に耐性で、中性若しくは酸性条件で脱保護可能な保護基で保護する。例えば、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(3,4−DHP)とp−トルエンスルホン酸1水和物、ピリジニウム-トルエンスルホン酸(PPTS)を用いてテトラヒドロピラニル基で保護し化合物(XVIb)を合成する。この反応で使用する溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン等が挙げられる。
(22)工程22(脱保護、保護)
次に、アセチル基を除去する。アセチル基の除去は、ナトリウムメトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン等の塩基を用いて行うことができ、溶媒にはメタノール、エタノール、含水メタノール等を用いることができる。次に、臭化ベンジル、または塩化ベンジルを適当な塩基を用いて作用させ化合物(XVIc)を得ることができる。塩基としては、トリエチルアミン、N−エチル−N、N−ジイソプロピルアミン、ピリジン、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、t−BuOK等が挙げられ、好ましくは、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウムである。この反応で使用する溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等が挙げられ、反応温度は−20℃〜25℃である。
(23)工程23(脱保護)
次に、1位の保護基を脱保護し化合物(XVId)を得る。例えば、化合物(XVIc)をメタノールまたはエタノール中p−トルエンスルホン酸1水和物、またはPPTSで処理することで、THP基を除去できる。
(24)工程24(酸化)
最後に、化合物(XVId)を適当な酸化剤で処理しチオラクトン(XVI)を製造することができる。この反応に使用する酸化剤としては、ジメチルスルホキシド−無水酢酸、Dess-Martin periodinane、IBX等が好ましく、反応温度は0℃〜40℃である。
本発明化合物は、SGLT1活性を阻害し消化管からのグルコ−ス吸収を抑制する。あるいは、SGLT1及びSGLT2の双方の活性を阻害し、グルコ−ス吸収抑制に加え尿糖***作用により、IGTを改善し、糖尿病の予防又は治療を行うことができる。
よって、本発明の化合物は、SGLT1若しくはSGLT2阻害剤、又は、糖尿病、糖尿病関連疾患及び糖尿病合併症の予防又は治療剤の有効成分として用いることができる。
ここで、「糖尿病」には、1型糖尿病、2型糖尿病の他、特定の原因によるその他の型の糖尿病が含まれる。
ここで、「糖尿病関連疾患」とは、肥満、高インスリン血症、糖代謝異常、高脂質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常、高血圧、うっ血性心不全、浮腫、高尿酸血症、痛風などが挙げられる。
ここで、「糖尿病合併症」は、急性合併症及び慢性合併症に分類される。
「急性合併症」には、高血糖(ケトアシドーシスなど)、感染症(皮膚、軟部組織、胆道系、呼吸系、***など)などが挙げられる。
「慢性合併症」には、細小血管症(腎症、網膜症)、動脈硬化症(アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、下肢動脈閉塞など)、神経障害(感覚神経、運動神経、自律神経など)、足壊疽などが挙げられる。
主要な合併症は、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害である。
本発明化合物は、該化合物の作用の増強または該化合物の投与量の低減などを目的として、SGLT1及びSGLT2活性阻害薬以外のことなった作用機序の糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗肥満剤、利尿剤、抗血栓剤などの薬剤(以下、併用薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。この際、本発明化合物と併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。さらに、本発明化合物と併用薬剤とは、それぞれの活性成分を含む2種類の製剤として投与されてもよいし、両方の活性成分を含む単一の製剤として投与されてもよい。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬剤の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば、投与対象がヒトである場合、本発明化合物1質量部に対し、併用薬剤を0.01〜100質量部用いればよい。
なお、糖尿病治療剤としては、例えばインスリン製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌またはイーストを用い、遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤;インスリン亜鉛; プロタミンインスリン亜鉛; インスリンのフラグメントまたは誘導体(例、INS−1等)、経口インスリン製剤)、インスリン抵抗性改善剤(例、ピオグリタゾンまたはその塩(好ましくは塩酸塩)、ロシグリタゾンまたはその塩(好ましくはマレイン酸塩) 、リボグリタゾン(Rivoglitazone) (CS−011)(R−119702)、シポグリタザール(Sipoglitazar)(TAK−654)、メタグリダセン(Metaglidasen)(M B X−1 0 2)、ナベグリタザール(Naveglitazar)(L Y−519818)、MX−6054、バラグリタゾン(Balaglitazone) (NN−2344)、T - 1 3 1(AMG131)、P P A Rγ アゴニスト、P P A Rγアンタゴニスト、P P A Rγ/αデュアルアゴニスト、α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート)、ビグアナイド剤(例、フェンホルミン、メトホルミン、ブホルミンまたはそれらの塩(例、塩酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩))、インスリン分泌促進剤(スルホニルウレア剤(例、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド、グリピザイド、グリブゾール等)、レパグリニド、セナグリニド、ナテグリニド、ミチグリニドまたはそのカルシウム塩水和物)、GPR40アゴニスト、GPR40アンタゴニスト、GLP−1受容体アゴニスト(例、GLP−1、GLP−1MR剤、リラグルチド(Liraglutide)(NN−2211)、Exenatide(AC−2993) (exendin−4)、Exenatide LAR、BIM51077、A i b (8,35) hGLP−1(7,37) NH2、CJC-1 1 3 1、AVE0010、GSK-716155)、アミリンアゴニスト(例、プラムリンチド) 、フォスフォチロシンフォスファターゼ阻害剤(例、バナジン酸ナトリウム) 、ジペプチジルペプチダーゼI V 阻害剤( 例、WO02/038541に記載の化合物、NVP−DPP−278、PT−100、P32/98、ビルダグリプチン(Vildagliptin)(LAF−237)、P93/01、シタグリプチン(Sitagliptin)(MK−431)、サクサグリプチン(Saxagliptin)(BMS−477118)、SYR−322、MP−513、T−6666、GRC−8200等)、β3アゴニスト(例、AJ−9677、AZ40140等) 、糖新生阻害剤(例、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤、フルクトース−1, 6−ビスホスファターゼ阻害剤)、SGLT (sodium−glucose cotransporter) 阻害剤(例、WO04/014931、WO04/089967、WO06/073197に記載の化合物、T−1095、Sergliflozin(GSK−869682)、GSK−189075、KGT−1251、KGT−1681、KGA−2727、BMS−512148、AVE2268、SAR7226等)、1 1β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害薬(例、WO06/051662)に記載の化合物、BVT-3498、INCB13739)、GPR119アゴニスト(例、PSN−632408、APD−668)、アディポネクチンまたはその作動薬、I K K阻害薬(例、AS−2868)、AMPK活性化薬、レプチン抵抗性改善薬、ソマトスタチン受容体作動薬、グルコキナーゼ活性化薬(例、Ro−28−1675)、膵リパーゼ阻害薬(例、オルリスタット、ATL- 9 6 2)、DGAT−1阻害薬が挙げられる。
糖尿病性合併症治療剤としては、例えばアルドース還元酵素阻害剤(例、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、ミナルレスタット、フィダレスタット、CT−112)、神経栄養因子およびその増加薬(例、NGF、NT−3、BDNF、ニューロトロフィン産生・分泌促進剤)、神経再生促進薬(例、Y−128)、PKC阻害剤(例、ルボキシスタウリンメシレート(ruboxistaurin mesylate; LY−333531))、AGE阻害剤(例、ALT946、ピマゲジン、ピラトキサチン、N−フェナシルチアゾリウムブロマイド(ALT766)、ALT−711、EXO- 2 2 6、ピリドリン(Pyridorin)、ピリドキサミン)、活性酸素消去薬(例、チオクト酸)、脳血管拡張剤(例、チアプリド、メキシレチン)、ソマトスタチン受容体作動薬(例、B I M 2 3 1 9 0)、アポトーシスシグナルレギュレーティングキナーゼ−1(ASK−1) 阻害薬が挙げられる。
抗高脂血症剤としては、例えばスタチン系化合物(例、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、イタバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチンまたはそれらの塩( 例、ナトリウム塩、カルシウム塩)) 、スクアレン合成酵素阻害剤( 例、TAK−475)、フィブラート系化合物(例、ベザフィブラート、クロフィブラート、シムフィブラート、クリノフィブラート)、ACAT阻害剤(例、アバシマイブ(Avasimibe)、エフルシマイブ(Eflucimibe))、陰イオン交換樹脂(例、コレスチラミン)、プロブコール、ニコチン酸系薬剤(例、ニコモール(nicomol)、ニセリトロール(niceritrol))、イコサペント酸エチル、植物ステロール(例、ソイステロール(soysterol)、ガンマオリザノール(γ−oryzanol))、CETP阻害薬(例、Torcetrapib、JTT−705、JTT-302、FM-VP4等)、コレステロール吸収抑制薬(例、エゼチミブ(Ezetimibe)等)が上げられる。
降圧剤としては、例えばアンジオテンシン変換酵素阻害剤(例、カプトプリル、エナラプリル、デラプリル) 、アンジオテンシンI I拮抗剤( 例、カンデサルタン シレキセチル、ロサルタン、エプロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタン、アジルザルタン(TAK−536))、カルシウム拮抗剤(例、マニジピン、ニフェジピン、アムロジピン、エホニジピン、ニカルジピン)、カリウムチャンネル開口薬(例、レブクロマカリム、L−2 7 1 5 2、A L0 6 7 1、N I P−1 2 1)、クロニジンが挙げられる。
抗肥満剤としては、例えば中枢性抗肥満薬(例、デキスフェンフルラミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン、クロベンゾレックス;MCH受容体拮抗薬(例、WO06/035967に記載の化合物、SB−568849; SNAP−7941、T−226296);ニューロペプチドY拮抗薬(例、CP−422935);カンナビノイド受容体拮抗薬( 例、リモナバント(Rimonabant)(SR−141716)、SR−147778) ; グレリン拮抗薬; 1 1β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害薬( 例、BVT−3498、INCB13739))、膵リパーゼ阻害薬(例、オルリスタット、ATL- 962)、DGAT−1阻害薬、β3アゴニスト(例、AJ−9677、AZ40140)、ペプチド性食欲抑制薬(例、レプチン、CNTF( 毛様体神経栄養因子))、コレシストキニンアゴニスト(例、リンチトリプト、FPL−15849)、摂食抑制薬(例、P−57)が挙げられる。
利尿剤としては、例えば、キサンチン誘導体( 例、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン)、チアジド系製剤(例、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチアジド)、抗アルドステロン製剤(例、スピロノラクトン、トリアムテレン)、炭酸脱水酵素阻害剤(例、アセタゾラミド)、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤(例、クロルタリドン、メフルシド、インダパミド)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミドが挙げられる。
抗血栓剤としては、例えば、ヘパリン(例、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、ダルテパリンナトリウム(dalteparin sodium)、AVE−5026) 、ワルファリン(例、ワルファリンカリウムなど) 、抗トロンビン薬(例、アルガトロバン(argatroban)、キシメラガトラン(Ximelagatran)、ダビガトラン(Dabigatran)、Odiparcil、Lepirudin、bivalirudin、Desirudin、ART−123、Idraparinux、SR−123781、AZD−0837、MCC−977、TGN−255、TGN−167、RWJ−58436、LB−30870、MPC−0920、Pegmusirudin、Org-426751等)、血栓溶解薬( 例、ウロキナーゼ(urokinase)、チソキナーゼ(tisokinase)、アルテプラーゼ(alteplase)、ナテプラーゼ(nateplase)、モンテプラーゼ(monteplase)、パミテプラーゼ(pamiteplase)等)、血小板凝集抑制薬( 例、塩酸チクロピジン(ticlepidine hydrochloride)、シロスタゾール(cilostazol)、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム(beraprost sodium)、塩酸サルポグレラート(sarpogrelate hydrochloride)など)、抗Xa阻害薬(例、Fondaparinux、BAY−59−7939、DU−176b、YM−150、SR−126517、Apixaban、Razaxaban、LY−517717、MLN−102、Octaparine、Otamixaban、EMD−503982、TC−10、CS−3030、AVE−3247、GSK−813893、KFA−1982等)、血漿中カルボキシペプチターゼB(または活性型thrombin−activatable fibrinolysis inhibitor [TAFIa]としても知られている)阻害薬(例、AZD−9684、EF−6265、MN−462)などが挙げられる。
本発明化合物を医薬として提供する場合、固形剤、液剤等の種々の態様の製剤形態を適宜に採択することができる。その際、製薬学的に許容される担体を配合することも可能である。そのような担体の例としては、一般的な賦形剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、被覆剤、糖衣剤、pH調整剤、溶解剤又は水性若しくは非水性溶媒などが挙げられる。本発明の化合物とこれらの担体から、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、散剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤等を調製することができる。
また、本発明化合物は、α、β若しくはγ−シクロデキストリン又はメチル化シクロデキストリン等に包接させて、その溶解性を改善することも可能である。
本発明化合物の投与量は、疾患、症状、体重、年齢、性別、投与経路等により異なってくるが、成人に対し、1日当たり0.1〜1000mg/kg体重であり、0.1〜200mg/kg体重が好ましく、0.1〜10mg/kg体重がより好ましい。これを1日1回から数回に分けて投与することができる。
以下に、参考例、実施例及び試験例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。
参考例1
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコノ−1,5−ラクトン(化合物(XVI))の製造
Figure 2009155212
(1)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノースの製造
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(2.0g,5.49mmoL)のクロロホルム(40mL)溶液に3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(1.5mL,16.5mmoL)とp−トルエンスルホン酸1水和物(104mg,0.549mmoL)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し、淡黄色アモルファスの表題化合物(2.56g)を得た。
(2)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル 2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコピラノースの製造
次に、テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(2.5g)のメタノール(40mL)溶液に25wt% ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.11mL, 0.55mmoL)を加え3時間攪拌した。少量のドライアイスを加えて反応液を中和した後に、反応液を濃縮した。得られた残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解した。この溶液を、水素化ナトリウム(1.3g、 32.9mmol;60% oil)とN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)の懸濁液に、氷冷下滴下した。反応液を室温で20分攪拌した後に、4℃に冷却し、臭化ベンジル(5.6g、32.9mmoL)を加えた。反応液を室温で12時間攪拌し、メタノール(5mL)を加え、30分攪拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)にて精製し、表題化合物(3.36g、96%;2工程)を得た。
(3)2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコピラノースの製造
テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル 2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコピラノース(3.30g、5.15mmoL)、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸(518mg、2.06mmoL)及びエタノール(58mL)の混合物を80℃で2時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、溶媒を濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルに溶解した。この溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し、無色結晶の表題化合物(2.89g、quant.)を得た。
13C NMR (125 MHz, CHLOROFORM-d) δ 41.3,67.8, 71.6, 73.0, 73.2, 75.6, 76.2, 81.9, 82.9, 84.4, 127.5, 127.7, 127.8, 127.9, 128.0, 128.3, 128.4, 128.5, 137.8, 138.3, 138.8.
(4)2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコノ−1,5−ラクトンの製造
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコピラノース(2.82g、5.07mmoL)、ジメチルスルホキシド(47mL)及び無水酢酸(39mL)の混合物を室温で12時間攪拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)にて精製し、無色油状の表題化合物(2.3g、82%)を得た。
1H NMR (200 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 3.70 (d, J=4.8 Hz, 2 H) 3.86 - 4.02 (m, 2 H) 4.09 - 4.22 (m, 2 H) 4.40 - 4.68 (m, 7 H) 4.83 (d, J=11.4 Hz, 1 H) 7.12 - 7.41 (m, 20 H).
参考例2
2−[4−(ベンジルオキシ)−5−ブロモ−2−メチルフェニル]−1,3−ジオキソラン(化合物(XXII))の製造
Figure 2009155212
(1)1−[4−(ベンジルオキシ)−2−メチルフェニル]エタノンの製造
4’−ヒドロキシ−2’−メチルアセトフェノン(3.06g、20mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)溶液に炭酸カリウム(3.66g、26.4mmol)、ベンジルブロミド(2.7mL、22.4mmol)及びn−Bu4NI(0.75g、2.03mmol)を加え室温で14時間攪拌した。氷冷下、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、次いで水及び酢酸エチルを加えて有機層を分離後、有機層を20wt.%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=8:1→6:1)にて精製し、無色粉末として表題化合物(5.05g、quant.)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM−d) δppm 2.55 (s, 3 H) 2.57 (s, 3 H) 5.11 (s, 2 H) 6.78 − 6.86 (m, 2 H) 7.30 − 7.47 (m, 5 H) 7.75 (dd, J=7.93, 1.09 Hz, 1 H).
(2)4−(ベンジルオキシ)−5−ブロモ−2−メチルベンゾイックアシッドの製造
1−[4−(ベンジルオキシ)−2−メチルフェニル]エタノン(20.9g、87.1mmol)のアセトン(300mL)溶液にNaBr(9.86g、95.9mmol)の水溶液(100mL)、水(200mL)及びオキソン(登録商標、オキソン一過硫酸塩化物、アルドリッチ)(59.0g、95.9mmol)を加えて室温にて2.5時間攪拌した。氷冷下、反応液に亜硫酸ナトリウム(20g)の水溶液(50mL)を加え、次いで水及び酢酸エチルを加えて有機層を分離した。その有機層を20wt.%亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去して、1−[4−(ベンジルオキシ)−5−ブロモ−2−メチルフェニル]エタノンと1−[4−(ベンジルオキシ)−3−ブロモ−2−メチルフェニル]エタノンの混合物(27.2g)を得た。これに5%次亜塩素酸ナトリウム溶液(300mL、255mmol)と水酸化カリウム(4.80g、85.3mmol)の水溶液(10mL)を加え、120℃にて1時間攪拌した後、室温まで冷却し析出した不溶物を濾別した。この不溶物に2N塩酸を加えて酢酸エチルで抽出後、有機層を2N塩酸、飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をメタノ−ルで洗浄し、無色粉末状の表題化合物(16.6g、59%、2工程)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO−D6) δ ppm 2.45 − 2.57 (m, 3 H) 5.28 (s, 2 H) 7.18 (s, 1 H) 7.31 − 7.54 (m, 5 H) 8.03 (s, 1 H) 12.83 (brs, 1 H).
(3)2−[4−(ベンジルオキシ)−5−ブロモ−2−メチルフェニル]−1,3−ジオキソランの製造
4−(ベンジルオキシ)−5−ブロモ−2−メチルベンゾイックアシッド(16.6g、51.7mmol)のクロロホルム(80mL)懸濁液にオキザリルクロリド(5mL、56.9mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(6滴)を加え、室温にて1時間攪拌した後、反応液を濃縮し4−(ベンジルオキシ)−5−ブロモ−2−メチルベンゾイルクロリドを得た。次にN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(5.55g、56.9mmol)とトリエチルアミン(15mL、103mmol)のクロロホルム(60mL)懸濁液に、氷冷下、4−(ベンジルオキシ)−5−ブロモ−2−メチルベンゾイルクロリドのクロロホルム(60mL)溶液を滴下し、室温にて1時間攪拌した。氷冷下、水及びクロロホルムを加えて有機層を分離後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去して、4−(ベンジルオキシ)−5−ブロモ−N−メトキシ−N−ジメチルベンズアミドを得た。このTHF(150mL)溶液に−10℃にて水素化リチウムアルミニウム(1.96g、51.7mmol)を加え、同温にて1時間攪拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルを加えて有機層を分離後、有機層を1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水にて洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去して、4−(ベンジルオキシ)−5−ブロモ−2−メチルベンズアルデヒドを得た。このトルエン(120mL)溶液にエチレングリコ−ル(30mL、517mmol)とp−トルエンスルホン酸一水和物(0.50g、2.58mmol)を加えDean−Stark装置を用いて1.5時間加熱還流した。反応液に酢酸エチルを加えて有機層を分離後、有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水にて洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製した。さらにNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム)にて精製し、無色粉末として表題化合物(12.8g、71%、3工程)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM−d) δ ppm 2.34 (s, 3 H) 3.92 − 4.19 (m, 4 H) 5.15 (s, 2 H) 5.87 (s, 1 H) 6.74 (s, 1 H) 7.27 − 7.51 (m, 5 H) 7.72 (s, 1 H).
ESI m/z = 348, 350 (M+2).
参考例3
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−ブロモベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの製造
Figure 2009155212
(1)2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[2−(ベンジルオキシ)−5−(1,3−ジオキソラン−2−イル) −4−メチルフェニル]−5−チオ−D−グルコピラノースの製造
2−[4−(ベンジルオキシ)−5−ブロモ−2−メチルフェニル]−1,3−ジオキソラン(12.9g、36.9mmol)のTHF(100mL)溶液に窒素雰囲気下、−78℃にて2.67Mn−ブチルリチウムへキサン溶液(14.5mL、36.9mmol)を滴下し、同温にて30分間攪拌した。次いで2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコノ−1,5−ラクトン(9.77g、17.6mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)溶液を滴下し、同温にて15分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=3:1→2:1)にて精製し、無色透明のアモルファスとして表題化合物(10.6g、73%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.39 (s, 3 H) 3.46 - 3.72 (m, 2 H) 3.86 - 4.22 (m, 8 H) 4.43 - 5.00 (m, 8 H) 5.10 (s, 2 H) 5.92 (s, 1 H) 6.66 - 6.90 (m, 3 H) 7.00 - 7.38 (m, 23 H) 7.57 (brs, 1 H).
ESI m/z = 847 (M+Na).
(2)2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[2−(ベンジルオキシ)−5−ホルミル−4−メチルフェニル]−5−チオ−D−グルコピラノースの製造
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[2−(ベンジルオキシ)−5−(1,3−ジオキソラン−2−イル) −4−メチルフェニル]−5−チオ−D−グルコピラノース(11.1g、13.5mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、氷冷下、6N塩酸(100mL)を加え、室温にて12時間攪拌した。氷冷下、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、淡黄色油状化合物として表題化合物(10.1g、quant.)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.64 (s, 3 H) 3.51 - 3.70 (m, 2 H) 3.84 - 4.29 (m, 4 H) 4.46 - 4.97 (m, 8 H) 5.04 - 5.24 (m, 2 H) 6.62 - 6.82 (m, 3 H) 6.99 - 7.38 (m, 23 H) 7.60 (brs, 1 H) 10.05 (s, 1 H).
ESI m/z = 803 (M+Na).
(3)(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−ブロモベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの製造
1,4−ジブロモベンゼン(6.08g、25.8mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に窒素雰囲気下、−78℃にて2.67Mn−ブチルリチウムへキサン溶液(10.0mL、25.8mmol)を滴下した。次いで2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[2−(ベンジルオキシ)−5−ホルミル−4−メチルフェニル]−5−チオ−D−グルコピラノース(10.0g、13.0mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液を滴下し、同温にて15分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=3:1→2:1)にて精製し、黄色アモルファスを粗化合物(8.89g)として得た。
この粗化合物(8.89g)のアセトニトリル(60mL)溶液に、窒素雰囲気下−10℃にてEt3SiH(4.6mL、28.4mmol)とBF3・Et2O(2.88mL、22.7mmol)を加え、同温で20分間攪拌した。反応溶液を室温まで昇温し、クロロホルム(30mL)を加えて3時間半攪拌した。氷冷下、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=15:1→10:1)にて精製し、無色透明のアモルファスとして表題化合物(2.34g、20%;2steps)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.14 (s, 3 H) 3.05 - 3.18 (m, 1 H) 3.55 (t, J=8.63 Hz, 1 H) 3.64 - 4.10 (m, 7 H) 4.48 - 4.69 (m, 5 H) 4.81 - 5.13 (m, 5 H) 6.71 - 6.95 (m, 4 H) 7.03 - 7.52 (m, 27 H).
ESI m/z = 922 (M+NH4), 924 (M+2+NH4).
参考例4
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−クロロ−2−メチルベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの製造
Figure 2009155212
2−ブロモ−5−クロロトルエン(2.59g、12.6mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液にアルゴン雰囲気下、−78℃にて2.64Mn−ブチルリチウムへキサン溶液(4.6mL、12.2mmol)を滴下した。次いで2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[2−(ベンジルオキシ)−5−ホルミル−4−メチルフェニル]−5−チオ−D−グルコピラノース(3.19g、4.08mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を滴下した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム)にて精製し、黄色アモルファスを粗化合物(3.44g)として得た。
この粗化合物(3.44g)のアセトニトリル−クロロホルム(1:1、76mL)溶液に、窒素雰囲気下0℃にてEt3SiH(1.8mL、11.4mmol)とBF3・Et2O(0.53mL、4.16mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。氷冷下、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製し、無色透明のアモルファスとして表題化合物(1.39g、39%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.15 (s, 3 H) 2.21 (s, 3 H) 3.06 - 3.18 (m, 1 H) 3.48 - 3.61 (m, 1 H) 3.62 - 3.92 (m, 6 H) 3.95 - 4.07 (m, 1 H) 4.45 - 4.64 (m, 5 H) 4.73 - 4.94 (m, 3 H) 5.00 - 5.14 (m, 2 H) 6.52 - 6.65 (m, 1 H) 6.75 - 6.89 (m, 3 H) 6.95 - 7.50 (m, 26 H).
参考例5
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−((1E)−3−カルボキシプロパ−1−エン−1−イル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
Figure 2009155212
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−ブロモベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトール(1.0g,1.10mmol)のアセトニトリル(11mL)溶液にビニル酢酸(227mg、2.64mmol)、酢酸パラジウム(II)(49mg、0.218mmol)、トリ−O−トリルホスフィン(135mg、0.218mmol)、トリエチルアミン(558mg、5.51mmol)を加え、biotage社製マイクロウェ−ブを用いて120℃、20分間反応を行った。反応液を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→1:1→1:2)にて精製し、橙黄色アモルファスとして表題化合物(598mg、60%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.15 (s, 3 H) 3.00 - 3.34 (m, 3 H) 3.35 - 4.18 (m, 8 H) 4.45 - 4.68 (m, 5 H) 4.82 - 4.95 (m, 3 H) 4.97 - 5.16 (m, 2 H) 6.00 - 6.26 (m, 1 H) 6.33 - 6.50 (m, 1 H) 6.68 - 7.51 (m, 31 H).
ESI m/z = 909 (M-H).
参考例6
N−アリル−N´−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ウレアの製造
Figure 2009155212
アリルアミン(1.5g、26.3mmol)のクロロホルム(60mL)溶液にトリエチルアミン(4.9mL、35.5mmol)を加え、4℃にて4−ニトロフェニル クロロホルメ−ト(6.09g、30.2mmol)を加え1時間攪拌した。この反応液に同温にて2−アミノ−2−メチルプロパノ−ル(2.58g、28.9mmol)のクロロホルム(3mL)溶液を加えて、室温で一晩攪拌した。反応溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(へキサン:酢酸エチル=1:1→クロロホルム:メタノ−ル=10:1)にて精製し、黄色油状化合物として表題化合物(1.09g、24%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.26 (s, 6 H) 3.55 (s, 2 H) 3.71 - 3.80 (m, 2 H) 4.85 - 5.08 (m, 2 H) 5.08 - 5.24 (m, 2 H) 5.77 - 5.91 (m, 1 H).
ESI m/z = 195 (M+Na).
実施例1
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[2−ヒドロキシ−5−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブチル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
Figure 2009155212
(1)(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブタ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−((1E)−3−カルボキシプロパ−1−エン−1−イル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシト−ル(410mg,0.449mmol)のクロロホルム(4.5mL)溶液に2−アミノ−2−メチル−1−プロパノ−ル(100mg、1.12mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル1水和物(114mg、0.846mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(162mg、0.846mmol)を加え、一晩攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:2)で精製し、橙黄色の油状化合物として表題化合物(200mg、45%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.26 (s, 6 H) 2.16 (s, 3 H) 3.05 - 3.16 (m, 3 H) 3.49 - 3.61 (m, 3 H) 3.64 - 3.98 (m, 6 H) 4.00 - 4.13 (m, 1 H) 4.49 - 4.65 (m, 5 H) 4.81 - 4.94 (m, 3 H) 4.99 - 5.11 (m, 2 H) 5.55 - 5.62 (m, 1 H) 6.04 - 6.20 (m, 1 H) 6.39 - 6.49 (m, 1 H) 6.71 - 6.83 (m, 3 H) 6.92 - 7.46 (m, 28 H).
ESI m/z = 1005 (M+Na).
(2)(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[2−ヒドロキシ−5−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブチル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブタ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ル(190mg、0.193mmol)のエタノール(6mL)溶液に水酸化パラジウム(200mg)を加え、水素雰囲気下、室温にて一晩攪拌した。反応液をセライト濾過後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム:メタノール=5:1)にて精製し、無色粉末として表題化合物(86mg、83%)を得た。NMRデータ及びMSデータを表1−1に示す。
実施例2
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−{2−ヒドロキシ−5−[4−(4−{[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−1−メチルエチル]アミノ}−4−オキソブチル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
Figure 2009155212
(1)(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O −ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−((1E)−4−{[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−1−メチルエチル]アミノ}−4−オキソブタ−1−エン−1−イル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノ−ルの代わりに2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオ−ルを用いて実施例1(1)と同様の方法で淡黄色のアモルファスとして表題化合物(310mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.18 (s, 3 H) 2.17 (s, 3 H) 3.06 - 3.19 (m, 3 H) 3.48 - 4.12 (m, 12 H) 4.49 - 4.64 (m, 5 H) 4.81 - 5.11 (m, 5 H) 5.99 - 6.22 (m, 2 H) 6.42 - 6.52 (m, 1 H) 6.72 - 6.85 (m, 3 H) 6.93 - 7.03 (m, 2 H) 7.06 - 7.44 (m, 26 H).
ESI m/z = 1021 (M+Na).
(2)(1S)−1,5−アンヒドロ−1−{2−ヒドロキシ−5−[4−(4−{[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−1−メチルエチル]アミノ}−4−オキソブチル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブタ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ルの代わりに(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O −ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−((1E)−4−{[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−1−メチルエチル]アミノ}−4−オキソブタ−1−エン−1−イル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシト−ルを用いて実施例1(2)と同様の方法で無色粉末として表題化合物(62mg、36%)を得た。NMRデータ及びMSデータを表1−1に示す。
実施例3
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−{2−ヒドロキシ−5−[4−(4−{[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}−4−オキソブチル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
Figure 2009155212
(1)(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−((1E)−4−{[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}−4−オキソブタ−1−エン−1−イル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノ−ルの代わりにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを用いて実施例1(1)と同様の方法で淡黄色粉末として表題化合物(290mg、70%)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.19 (s, 3 H) 3.06 - 3.23 (m, 3 H) 3.47 - 4.05 (m, 15 H) 4.45 - 4.69 (m, 5 H) 4.79 - 4.94 (m, 3 H) 4.97 - 5.11 (m, 2 H) 6.09 - 6.23 (m, 1 H) 6.48 (d, J=17.88 Hz, 1 H) 6.64 - 6.84 (m, 4 H) 6.92 - 7.02 (m, 2 H) 7.09 - 7.44 (m, 25 H).
ESI m/z = 1036 (M+Na).
(2)(1S)−1,5−アンヒドロ−1−{2−ヒドロキシ−5−[4−(4−{[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}−4−オキソブチル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブタ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ルの代わりに(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−((1E)−4−{[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}−4−オキソブタ−1−エン−1−イル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシト−ルを用いて実施例1(2)と同様の方法で無色粉末として表題化合物(45mg、28%)を得た。NMRデータ及びMSデータを表1−1に示す。
実施例4
(1S)−1−[5−(4−{4−[(2−アミノ−1,1−ジメチル−2−オキソエチル)アミノ]−4−オキソブチル}ベンジル)−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル]−1,5−アンヒドロ−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
Figure 2009155212
(1)(1S)−1−[5−(4−{(1E)−4−[(2−アミノ−1,1−ジメチル−2−オキソエチル)アミノ]−4−オキソブタ−1−エン−1−イル}ベンジル)−2−(ベンジルオキシ)−4−メチルフェニル]−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノ−ルの代わりに2−アミノ−2−メチルプロピオンアミドを用いて実施例1(1)と同様の方法で無色油状化合物として表題化合物(183mg、45%)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.57 (s, 6 H) 2.15 (s, 3 H) 3.12 (d, J=7.34 Hz, 3 H) 3.46 - 4.02 (m, 8 H) 4.06 (d, J=11.46 Hz, 1 H) 4.46 - 4.73 (m, 5 H) 4.78 - 4.96 (m, 3 H) 4.96 - 5.13 (m, 2 H) 6.04 - 6.26 (m, 2 H) 6.39 - 6.56 (m, 2 H) 6.67 - 6.85 (m, 3 H) 6.90 - 7.03 (m, 2 H) 7.08 - 7.43 (m, 26 H).
ESI m/z = 1017 (M+Na).
(2)(1S)−1−[5−(4−{4−[(2−アミノ−1,1−ジメチル−2−オキソエチル)アミノ]−4−オキソブチル}ベンジル)−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル]−1,5−アンヒドロ−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブタ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ルの代わりに(1S)−1−[5−(4−{(1E)−4−[(2−アミノ−1,1−ジメチル−2−オキソエチル)アミノ]−4−オキソブタ−1−エン−1−イル}ベンジル)−2−(ベンジルオキシ)−4−メチルフェニル]−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−チオ−D−グルシト−ルを用いて実施例1(2)と同様の方法で無色粉末として表題化合物(59mg、59%)を得た。NMRデータ及びMSデータを表1−1に示す。
実施例5
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[2−ヒドロキシ−5−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブチル}−2−メチルベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
Figure 2009155212
(1)(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブタ−1−エン−1−イル}−2−メチルベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−クロロ−2−メチルベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトール(661mg、0.755mmol)の1,4−ジオキサン(10mL)溶液にビニル酢酸(0.15mL、1.81mmol)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムジクロリド(172mg、0.233mmol)、炭酸セシウム(836mg、2.57mmol)を加え、biotage社製マイクロウェ−ブを用いて160℃で2時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤およびパラジウム触媒をセライト濾過後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、淡黄色アモルファスとして粗化合物(577mg)を得た。
さらに、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−((1E)−3−カルボキシプロパ−1−エン−1−イル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシト−ルの代わりに得られた粗化合物(324mg)を用いて実施例1(1)と同様の方法で表題化合物(43mg、10%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.26 (s, 6 H) 2.17 (s, 3 H) 2.25 (s, 3 H) 3.03 - 3.19 (m, 3 H) 3.46 - 3.65 (m, 3 H) 3.63 - 3.94 (m, 6 H) 3.97 - 4.10 (m, 1 H) 4.43 - 4.71 (m, 5 H) 4.74 - 4.95 (m, 3 H) 4.98 - 5.17 (m, 2 H) 5.64 - 5.73 (m, 1 H) 6.04 - 6.24 (m, 1 H) 6.43 (d, J=14.77 Hz, 1 H) 6.55 - 7.54 (m, 30 H).
(2)(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[2−ヒドロキシ−5−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブチル}−2−メチルベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブタ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ルの代わりに(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブタ−1−エン−1−イル}−2−メチルベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ル(43mg)を用いて実施例1(2)と同様の方法で表題化合物(22mg、93%)を得た。NMRデータ及びMSデータを表1−1に示す。
実施例6
(1S)−1−{5−[4−(3−{[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル]アミノ}プロピル)ベンジル]−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル}−1,5−アンヒドロ−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
Figure 2009155212
(1)(1S)−1−{5−[4−((1E)−3−{[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル]アミノ}プロパ−1−エン−1−イル)ベンジル]−2−(ベンジルオキシ)−4−メチルフェニル}−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−ブロモベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトール(318mg、0.351mmol)のアセトニトリル(3.5mL)溶液にN−アリル−N´−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ウレア(181mg、1.05mmol)、酢酸パラジウム(II)(20mg、0.0912mmol)、トリ−O−トリルホスフィン(70mg、0.231mmol)、トリエチルアミン(0.24mL、1.75mmol)を加え、biotage社製マイクロウェ−ブを用いて120℃で20分間攪拌した。反応溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム→クロロホルム:メタノ−ル=50:1)にて精製した。さらにNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム→クロロホルム:メタノ−ル=50:1)にて精製し、淡黄色アモルファスとして表題化合物(137mg、40%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.21 (s, 6 H) 2.14 (s, 3 H) 3.06 - 3.18 (m, 1 H) 3.45 - 3.62 (m, 2 H) 3.62 - 3.99 (m, 8 H) 4.01 - 4.13 (m, 1 H) 4.32 - 4.70 (m, 5 H) 4.79 - 5.17 (m, 6 H) 5.52 - 5.65 (m, 1 H) 5.96 - 6.12 (m, 1 H) 6.31 - 6.43 (m, 1 H) 6.70 - 6.84 (m, 3 H) 6.89 - 7.46 (m, 28 H).
ESI m/z = 997 (M+H).
(2)(1S)−1−{5−[4−(3−{[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル]アミノ}プロピル)ベンジル]−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル}−1,5−アンヒドロ−1−チオ−D−グルシト−ルの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブタ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ルの代わりに(1S)−1−{5−[4−((1E)−3−{[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル]アミノ}プロパ−1−エン−1−イル)ベンジル]−2−(ベンジルオキシ)−4−メチルフェニル}−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−チオ−D−グルシト−ルを用いて実施例1(2)と同様の方法で無色粉末として表題化合物(20mg、30%)を得た。NMRデータ及びMSデータを表1−1に示す。
実施例7
(1S)−1−[5−(4−{3−[(アミノカルボニル)アミノ]プロピル}ベンジル)−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル]−1、5−アンヒドロ−1−チオ−D−グルシトールの製造
Figure 2009155212
(1)(1S)−1−[5−(4−{3−[(アミノカルボニル)アミノ]プロピル}ベンジル)−2−(ベンジルオキシ)−4−メチルフェニル]−1、5−アンヒドロ−2、3、4、6−テトラ−O−ベンジル−1−チオ−D−グルシトールの製造
N−アリル−N´−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ウレアの代わりにアリルウレアを用いて実施例6(1)と同様の方法で黄色の油状化合物として表題化合物(200mg、53%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.15 (s, 3 H) 3.06 - 3.18 (m, 1 H) 3.42 - 4.13 (m, 10 H) 4.32 - 4.75 (m, 5 H) 4.78 - 5.22 (m, 5 H) 5.94 - 6.12 (m, 1 H) 6.39 (d, J=16.16 H, 1 H) 6.67 - 6.84 (m, 3 H) 6.86 - 7.46 (m, 28 H).
ESI m/z = 947 (M+Na).
(2)(1S)−1−[5−(4−{3−[(アミノカルボニル)アミノ]プロピル}ベンジル)−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル]−1、5−アンヒドロ−1−チオ−D−グルシトールの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブタ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ルの代わりに(1S)−1−[5−(4−{3−[(アミノカルボニル)アミノ]プロピル}ベンジル)−2−(ベンジルオキシ)−4−メチルフェニル]−1、5−アンヒドロ−2、3、4、6−テトラ−O−ベンジル−1−チオ−D−グルシトールを用いて実施例1(2)と同様の方法で無色粉末として表題化合物(51mg、52%)を得た。NMRデータ及びMSデータを表1−2に示す。
実施例8
(1S)-1,5−アンヒドロ−1−[2−ヒドロキシ−5−(4−{5−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−5−オキソペンチル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの製造
Figure 2009155212
(1)(1S)―1、5−アンヒドロ−2、3、4、6−テトラ−O−ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−((1E)−4−カルボキシブタ−1−エン−1−イル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシトールの製造
ビニル酢酸のかわりに4−ペンテノイックアシッドを用いて参考例5と同様の方法で褐色油状物質として表題化合物(470mg、92%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.20 (s, 3 H) 2.33 - 2.55 (m, 4 H) 3.02 - 5.13 (m, 19 H) 5.45 - 5.93 (m, 2 H) 6.70 - 7.46 (m, 31 H).
ESI m/z = 923 (M-H).
(2)(1S)−1、5−アンヒドロ−2、3、4、6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−5−[(2−ヒドロキシ−1、1−ジメチルエチル)アミノ]−5−オキソペンタ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−((1E)−3−カルボキシプロパ−1−エン−1−イル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシト−ルの代わりに(1S)―1、5−アンヒドロ−2、3、4、6−テトラ−O−ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−((1E)−4−カルボキシブタ−1−エン−1−イル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシトールを用いて、実施例1(1)と同様の方法で淡褐色油状物質として表題化合物(410mg、81%)を
得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.28 (s, 6 H) 2.12 - 2.54 (m, 7 H) 2.85 - 5.15 (m, 21 H) 5.39 - 5.90 (m, 2 H) 6.71 - 7.47 (m, 31 H).
ESI m/z = 1018 (M+Na).
(3)(1S)-1,5−アンヒドロ−1−[2−ヒドロキシ−5−(4−{5−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−5−オキソペンチル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブタ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ルの代わりに(1S)−1、5−アンヒドロ−2、3、4、6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−5−[(2−ヒドロキシ−1、1−ジメチルエチル)アミノ]−5−オキソペンタ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールを用いて、実施例1(2)と同様の方法で無色粉末として表題化合物(92mg、41%)を得た。NMRデータ及びMSデータを表1−2に示す。
実施例9
(1S)−1、5−アンヒドロ−1−[2−ヒドロキシ−5−(4−{3−[(2−ヒドロキシ−1、1−ジメチルエチル)アミノ]−1−メチル−3−オキソプロピル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの製造
Figure 2009155212
(1)(1S)−1、5−アンヒドロ−2、3、4、6−テトラ−O−ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−((E)−2−カルボキシ−1−メチルエテニル)ベンジル]−4−メチルフェニル}}−1−チオ−D−グルシトールの製造
ビニル酢酸のかわりにクロトニックアシッドを用いて参考例5と同様の方法で表題化合物を含む粗混合物(280mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.17 (s, 3 H) 2.47 - 2.54 (m, 3 H) 3.06 - 4.11 (m, 11 H) 4.44 - 5.12 (m, 10 H) 6.05 - 6.09 (m, 1 H) 6.71 - 7.46 (m, 31 H).
ESI m/z = 933 (M+Na).
(2)(1S)−1、5−アンヒドロ−2、3、4、6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−3−[(2−ヒドロキシ−1、1−ジメチルエチル)アミノ]−1−メチル−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−((1E)−3−カルボキシプロパ−1−エン−1−イル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシト−ルの代わりに(1S)−1、5−アンヒドロ−2、3、4、6−テトラ−O−ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−((E)−2−カルボキシ−1−メチルエテニル)ベンジル]−4−メチルフェニル)}−1−チオ−D−グルシトールを用いて、実施例1(1)と同様の方法で無色油状物質として表題化合物(120mg、15%(2工程))を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.33 (s, 6 H) 2.19 (s, 3 H) 2.40 - 2.52 (m, 3 H) 3.07 - 3.17 (m, 1 H) 3.48 - 4.07 (m, 10 H) 4.44 - 4.63 (m, 5 H) 4.83 - 5.10 (m, 5 H) 5.48 (brs, 1 H) 5.81 - 5.86 (m, 1 H) 6.73 - 6.81 (m, 3 H) 6.97 - 7.46 (m, 28 H).
ESI m/z = 1004 (M+Na).
(3)(1S)−1、5−アンヒドロ−1−(2−ヒドロキシ−5−(4−(3−((2−ヒドロキシ−1、1−ジメチルエチル)アミノ)−1−メチル−3−オキソプロピル)ベンジル)−4−メチルフェニル)−1−チオ−D−グルシトールの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブタ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ルの代わりに(1S)−1、5−アンヒドロ−2、3、4、6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−3−[(2−ヒドロキシ−1、1−ジメチルエチル)アミノ]−1−メチル−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールを用いて、実施例1(2)と同様の方法で無色粉末として表題化合物(31mg、48%)を得た。NMRデータ及びMSデータを表1−2に示す。
実施例10
(1S)−1、5−アンヒドロ−1−[2−ヒドロキシ−5−(4−{3−[(2−ヒドロキシ−1、1−ジメチルエチル)アミノ]−3−オキソプロピル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの製造
Figure 2009155212
(1)(1S)−1、5−アンヒドロ−2、3、4、6−テトラ−O−ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−((E)−2−カルボキシエテニル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシトールの製造
ビニル酢酸のかわりにアクリル酸を用いて、参考例5と同様の方法で淡黄色粉末として表題化合物を(365mg、74%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.16 (s, 3 H) 3.05 - 3.19 (m, 1 H) 3.47 - 4.12 (m, 7 H) 4.52 (s, 6 H) 4.80 - 5.12 (m, 5 H) 6.25 - 6.38 (m, 1 H) 6.73 - 6.82 (m, 3 H) 6.95 - 7.47 (m, 28 H) 7.60 - 7.73 (m, 1 H).
(2)(1S)−1、5−アンヒドロ−2、3、4、6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−3−[(2−ヒドロキシ−1、1−ジメチルエチル)アミノ]−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−((1E)−3−カルボキシプロパ−1−エン−1−イル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシト−ルの代わりに(1S)−1、5−アンヒドロ−2、3、4、6−テトラ−O−ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−((E)−2−カルボキシエテニル)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシトールを用いて、実施例1(1)と同様の方法で無色粉末として表題化合物(342mg、88%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.36 (s, 6 H) 2.16 (s, 3 H) 3.05 - 3.19 (m, 1 H) 3.48 - 4.09 (m, 10 H) 4.34 - 5.12 (m, 10 H) 6.23 (d, J=16.32 Hz, 1 H) 6.75 (s, 3 H) 6.95 - 7.59 (m, 29 H).
(3)(1S)−1、5−アンヒドロ−1−[2−ヒドロキシ−5−(4−{3−[(2−ヒドロキシ−1、1−ジメチルエチル)アミノ]−3−オキソプロピル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブタ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ルの代わりに(1S)−1、5−アンヒドロ−2、3、4、6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−3−[(2−ヒドロキシ−1、1−ジメチルエチル)アミノ]−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールを用いて、実施例1(2)と同様の方法で無色粉末として表題化合物(84mg、46%)を得た。NMRデータ及びMSデータを表1−2に示す。
実施例11
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[2−ヒドロキシ−5−(4−{2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ-D-グルシトールの製造
Figure 2009155212
(1)2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[2−(ベンジルオキシ)−5−{ヒドロキシ[4−(メトキシメトキシ)フェニル]メチル}−4−メチルフェニル]−5−チオ−α−D−グルコピラノースの製造
1−ブロモ−4−(メトキシメトキシ)ベンゼン(1.55g、7.13mmol)のテトラヒドロフラン(7.5mL)溶液に窒素雰囲気下、−60℃にて2.67Mn−ブチルリチウムへキサン溶液(2.58mL、6.9mmol)を滴下した。次いで2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[2−(ベンジルオキシ)−5−ホルミル−4−メチルフェニル]−5−チオ−D−グルコピラノース(1.80g、2.30mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を滴下し、−78℃にて10分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=3:1→1:1)にて精製し、黄色アモルファスとして表題化合物(1.2g、57%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.19 (br. s., 3 H) 3.46 (s, 7 H) 3.89 - 4.03 (m, 2 H) 4.47 - 4.56 (m, 2 H) 4.64 (d, J=11.35 Hz, 1 H) 4.73 - 4.97 (m, 4 H) 4.99 - 5.22 (m, 5 H) 5.79 - 5.95 (m, 1 H) 6.66 - 7.39 (m, 31 H).
ESI m/z = 942 (M+Na).
(2)(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの製造
上記で得られた2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[2−(ベンジルオキシ)−5−{ヒドロキシ[4−(メトキシメトキシ)フェニル]メチル}−4−メチルフェニル]−5−チオ−α−D−グルコピラノース(410mg)のアセトニトリル溶液に−15℃にてEt3SiH(0.214mL、1.34mmol)とBF3・Et2O(0.062mL、0.491mmol)を加え、同温で10分間攪拌した。反応液にクロロホルムを加え、0℃に昇温後、BF3・Et2O(0.062mL、0.491mmol)を加えて30分間攪拌した。氷冷下、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、無色油状物質として表題化合物(0.420g、40%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.17 (s, 3 H) 3.06 - 3.18 (m, 1 H) 3.75 - 3.98 (m, 4 H) 4.09 - 4.15 (m, 1 H) 4.43 - 4.66 (m, 5 H) 4.68 - 4.74 (m, 1 H) 4.80 - 4.95 (m, 3 H) 4.98 - 5.11 (m, 2 H) 6.52 - 7.47 (m, 31 H).
(3)(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−(2−メトキシ−2−オキソエトキシ)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシトールの製造
上記で得られた(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトール(256mg、0.304mmol)、炭酸カリウム(147mg、1.06mmol)のDMF(2.5mL)懸濁液にブロモ酢酸メチル(139mg、0.912mmol)、テトラブチルアンモニウムヨージド(5mg)を加え、室温で7時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、無色油状物質として表題化合物(0.230g、83%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.16 (s, 3 H) 3.06 - 3.17 (m, 1 H) 3.45 - 4.13 (m, 10 H) 4.34 - 4.72 (m, 7 H) 4.79 - 4.96 (m, 3 H) 4.96 - 5.11 (m, 2 H) 5.19 - 5.24 (m, 1 H) 6.55 - 7.49 (m, 31 H).
ESI m/z = 933 (M+NH4).
(4)(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの製造
上記で合成した(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−{2−(ベンジルオキシ)−5−[4−(2−メトキシ−2−オキソエトキシ)ベンジル]−4−メチルフェニル}−1−チオ−D−グルシトール(210mg、0.229mmol)のTHF(1mL)溶液に2M NaOHを加え、50℃で3時間撹拌した。4℃に冷却後、反応液を1NHClで中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別、溶媒を減圧下留去し無色液体の残渣(230mg)を得た。
(5)得られた残渣のクロロホルム(2.0mL)溶液に2−アミノ−2−メチル−1−プロパノ−ル(31mg、0.344mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル1水和物(53mg、0.344mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(66mg、0.344mmol)を順次加え、2時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、無色の油状化合物として表題化合物(150mg、67%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.31 (s, 6 H) 2.17 (s, 3 H) 3.07 - 3.16 (m, 1 H) 3.49 - 3.63 (m, 3 H) 3.64 - 4.09 (m, 7 H) 4.25 - 4.69 (m, 7 H) 4.84 (s, 2 H) 4.91 (d, J=10.72 Hz, 1 H) 5.01 - 5.11 (m, 2 H) 6.51 - 6.82 (m, 5 H) 6.90 - 7.46 (m, 26 H).
ESI m/z = 945 (M+Na).
(6)(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[2−ヒドロキシ−5−(4−{2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ-D-グルシトールの製造
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{(1E)−4−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−オキソブタ−1−エン−1−イル}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシト−ルの代わりに(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−{2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}ベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールを用いて、実施例1(2)と同様の方法で無色粉末として表題化合物(40mg、50%)を得た。NMRデータ及びMSデータを表1−2に示す。
Figure 2009155212
Figure 2009155212
製剤実施例
製造方法
薬物(本発明化合物)を乳糖一水和物、結晶セルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−スカルシウム及びヒドロキシプロピルセルロ−スと混合し、この混合物を粉砕機で粉砕する。粉砕された混合物を撹拌造粒機で1分間混合し、その後、水で4〜8分間造粒する。得られた造粒物を70℃、40分間乾燥する。造粒乾燥末を500μmの篩で篩過する。篩過後の造粒乾燥末とステアリン酸マグネシウムを、V型混合機を用いて30rpmで3分間混合する。ロ−タリ−式打錠機を用いて得られた打錠用顆粒を圧縮成形し製錠し、錠剤重量が200mgであり、錠径が8mm(円形)の錠剤を得る。それぞれの使用量は表2の通りである。
Figure 2009155212
試験例1
(1)ヒトSGLT1とヒトSGLT2のクローニングと発現ベクターへの導入
ヒト小腸由来mRNAからヒトSGLT1配列(NM_000343)を逆転写の後増幅し、pCMV−tag5A(ストラタジーン社)に導入した。また、ヒトSGLT2配列(NM_003041)はヒト腎由来mRNAから同様な方法で調製し、pcDNA3.1+hygro(インビトロジェン社)に導入した。それぞれのクローンの配列が、報告されている配列と一致することを確認した。
(2)ヒトSGLT1及びヒトSGLT2を安定に発現するCHO−k1細胞の作成
ヒトSGLT1およびヒトSGLT2発現ベクターを、リポフェクトアミン2000(インビトロジェン社)を用いてCHO−K1細胞へトランスフェクションした。SGLT発現細胞は、500μg/mLの濃度のジェネティシン(SGLT1)またはハイグロマイシンB(SGLT2)の存在下で培養し耐性株を選択し、下記に示す系により糖取り込み比活性を指標に取得した。
(3)細胞におけるナトリウム依存的糖取り込み阻害試験
ヒトSGLT1又はヒトSGLT2を安定に発現する細胞をナトリウム依存的グルコース取り込み活性阻害試験に用いた。
前処理用緩衝液(140mM 塩化コリン、2mM KCl、1mM CaCl2、1mM MgCl2、10mM HEPES/5mM Tris、pH7.4)200μLをヒトSGLT1発現細胞に又は2mLをヒトSGLT2発現細胞に加え、20分間インキュベーションした。前処理用緩衝液を除去し、試験化合物を含む取り込み用緩衝液([14C]メチル α−D−グルコピラノシドを含むメチル α−D−グルコピラノシド(1mM)、145mM NaCl、2mM KCl、1mM CaCl2、1mM MgCl2、10mM HEPES/5mM Tris、pH7.4)を75μL(SGLT1の場合)又は200μL(SGLT2の場合)加え、37℃にて30分(SGLT1の場合)又は1時間(SGLT2の場合)取り込み反応を行った。反応後細胞を洗浄用緩衝液(10mM メチル α−D−グルコピラノシド、140mM 塩化コリン2mM KCl、1mM CaCl2、1mM MgCl2、10mM HEPES/5mM Tris、pH7.4)200μL(SGLT1の場合)又は2mL(SGLT2の場合)で2回洗浄し、0.2M NaOH溶液75μL(SGLT1の場合)又は400μL(SGLT2の場合)に溶かした。液体シンチレーター(パーキンエルマー社)を加えよく混和した後、microBETA(SGLT1の場合)又は液体シンチレーションカウンター(SGLT2の場合)(ベックマンコールター社)で放射活性を測定した。対照群として試験化合物を含まない取り込み用緩衝液を調製した。また基礎取り込み用としてNaClに代えて塩化コリンを含む取り込み用緩衝液を調製した。
IC50値を求めるにあたり、適当な6濃度の試験化合物を用い、対照群の糖取り込み量(100%)に対し、糖取り込み量が50%阻害される試験化合物濃度(IC50値)を算出した。試験結果を表3に示す。
Figure 2009155212
試験例2
ストレプトゾトシン糖尿病モデルラットにおける血糖値上昇抑制作用確認試験
(1)糖尿病モデルラットの作製
7週齢のSD/IGSラット(日本チャールスリバー株式会社,雄性)について約16時間の絶食後、エーテル麻酔下でストレプトゾトシン(STZ)50mg/kgを尾静脈内投与し、糖尿病モデルラットを作製した.同様にエーテル麻酔下,1.25mmol/Lクエン酸生理食塩液1mL/kgを尾静脈内投与し、正常対照ラットを作製した。STZまたは1.25mmol/Lクエン酸生理食塩液投与1週後(8週齢)、経口グルコース負荷試験に供した。
(2)経口グルコース負荷試験
ラットを約16時間の絶食後、薬物投与群には、0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液に懸濁した薬物(1mg/kg)を,対照群には0.5%CMC水溶液のみ経口投与した。薬物投与5分後に、グルコース溶液(2g/kg)を経口投与し、薬物投与前(0time)、及び、経口投与0.25、0.5、1、2時間後の計5点で採血した。
採血は、エーテル麻酔下でラット眼窩静脈洞よりヘパリンコート採血管を用いて行い、遠心分離後、血漿を分取した。血漿中グルコース濃度の定量は、グルコースCIIテストワコー(和光純薬株式会社)を用いて測定した。血糖値上昇抑制作用強度は、各薬物投与群の0から1時間までの血糖値より台形法を用いて血糖値-時間曲線下面積(AUC)を算出し、basalを差し引いた血糖増加面積(ΔAUC)として表記し、対照群のそれに対する降下の割合で表記した。結果を表4に示す。
Figure 2009155212
本発明により、小腸上皮に発現するSGLT1(ナトリウム依存性グルコ−ス共輸送体1)の活性を阻害することでグルコ−ス等の吸収抑制作用を有する、C−フェニル 1−チオグルシト−ル化合物を有効成分として含有する糖尿病の予防又は治療剤を提供することが期待される。さらに本発明により、SGLT1活性阻害に加えて腎臓に発現するSGLT2(ナトリウム依存性グルコ−ス共輸送体2)の活性を阻害することで、SGLT1活性阻害に基づく作用に加えて、SGLT2活性阻害に基づく尿糖***作用を併有する、C−フェニル 1−チオグルシト−ル化合物を有効成分として含有する糖尿病の予防又は治療剤を提供することが期待される。

Claims (2)

  1. 下記式(I)で表されるC−フェニル 1−チオグルシト−ル化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有することを特徴とする糖尿病の予防又は治療剤。
    Figure 2009155212
    式中、Xは、水素原子、又はC1-6アルキル基であり、
    Yは、C1-6アルキレン基、又は−O−(CH2)n−(nは1から5の整数を示す)であり、
    Zは、−CONHRA又は−NHCONHRB
    (ただし、Zが−NHCONHRBを示すときにnは1ではない)を示す。
    ただし、
    Aは、水酸基および−CONH2からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基であり、
    Bは、水素原子、又は、水酸基および−CONH2からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基を示す。
  2. Yが、C1-6アルキレン基であり、RBが水素原子、又は水酸基で置換されたC1-6アルキル基である請求項1記載のC−フェニル 1−チオグルシト−ル化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有することを特徴とする糖尿病の予防又は治療剤。
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