JP2009155161A - 竪形焼成炉による塩焼き生石灰の製造法およびその方法によって製造された塩焼き生石灰 - Google Patents

竪形焼成炉による塩焼き生石灰の製造法およびその方法によって製造された塩焼き生石灰 Download PDF

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Abstract

【目的】添加塩と石灰石との接触効率を高め、多孔質生石灰の生成率の向上、塩消費量の抑制、排ガスによる塩分流失の抑止、排ガスの塩素濃度の低下、炉壁材の塩害軽減を実現できるようにした竪形焼成炉による塩焼き生石灰の製造法を提供する。
【解決手段】堆積する石灰石に接触させるべき添加塩35を、強制通風型焼成炉の炉体内に形成された予熱帯34の下層部からその上層部に向けて吹き込む。その際、添加塩35には、微粉生石灰ならびに炭素粉が混合された状態としておく。こうしておけば、石灰石の堆積層に塩を広範囲かつ可及的均一に供給し、石灰石層が予熱帯、焼成帯、冷却帯をたどる間に、石灰石から気孔率の高い塩焼き生石灰を生成させることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は竪形焼成炉による塩焼き生石灰の製造法およびその方法によって製造された塩焼き生石灰に係り、詳しくは、製鋼用造滓剤や漆喰用消石灰の原料さらには土質改良剤等ともなる生石灰の塩焼きによる機能品質向上を図るとともに、その大量生産を可能にした焼成法に関するものである。
石灰石を焼成して得られる生石灰は、溶鉄の精錬剤や非金属介在物除去剤としたり、粉土の発塵防止や土壌膨脹抑制ならびに酸性中和といった土質改良剤としたり、白壁用漆喰の消石灰製造原料とするなど、用途は極めて広い。焼成しやすくするために破砕された石灰石片CaCO3 を炉や窯に投入して加熱すればCO2 が抜け出てCaO(生石灰)となり、抜け跡や抜け通路が0.1μmといった程度ではあるが気孔を生じさせる。CaOは表面積が広くなるほど活性度が上がるので、多孔質性の向上を図るための幾多もの努力が払われてきている。
と言うのは、石灰石に熱を掛けるだけで生成された素焼き生石灰は、焼成が進むと結晶を融合させて収縮するので、焼成温度の上昇につれて気孔率を急激に低下させる。この焼き締まりを回避すべく生石灰の多孔質化を図った例として、石灰石粉の水練り造粒物を焼成した際に生じる水蒸気通過跡でもって多数の気孔を形成させたり(特開平5−294683号公報)、消石灰の低温度焼成による比表面積の増大化現象を利用することが挙げられる(特開平6−157083号公報)。その一方で、漆喰を製造するにあたり、古くから石灰石を塩焼きすることが知られており、これによって得た生石灰の気孔の大きさは1μmを超えることも明らかになっている。
すなわち、塩焼きすることによって結晶は大きくなるが結晶間の融着はなく、気孔率が高く焼き締まりの少ない生石灰になる。このような塩焼き生石灰の生成機構は必ずしも明らかでないが、生石灰結晶に塩の蒸気が作用することで結晶は各々独立して成長し、結晶間に生じる隙間が大きくなり、これが細孔化して多孔質な嵩密度の低い生石灰となると考えられている。
ちなみに、製鋼用生石灰は従来から言われているいわゆる軟焼生石灰だけでなく、太い細孔を持つ多孔質生石灰も有利であると指摘されている。このことは、塩焼き生石灰を安定して製造することができれば、工業的に重要な意義を有することを意味する。このような背景のもとに、素焼き石灰に代えて塩焼き生石灰を精錬用フラックス(造滓剤)として使用する提案もなされるようになってきている(特開2007−277664や特開2007−277666)。
ちなみに、白さを際立たせる漆喰は、不純物を可及的に除去した生石灰を原料として製造した消石灰により得られることが知られている。石灰石に含まれる不純物は主として鉄分等の金属であるが、石灰石を塩焼きすると塩化鉄などの塩化物が生成され、これが昇華すると、黒ずみ成分の排除された生石灰が得られるというのである。
このように塩焼き生石灰を製造するには、石灰石と塩の蒸気または融化した塩とが連続して接触している必要がある。その一方で、周囲環境や窯自体への塩の被害を抑える必要があり、古くから図5の(a)に示すような土中窯50が使用されてきた。これは自然通風用の空気取入口51を形成させやすくするため、しばしば懸崖部52に設けられる。窯蓋53を退避させて投入される石灰石54と燃料(石炭またはコークス)55は交互に堆積層を形成し、火入れ後は自然に上昇する向流空気56で燃焼が持続され、焼成が進むと下部の排出ゲートの操作によって順次降下される。塩として食塩もしくは工業塩が使用され、投入石灰石(原石)重量比0.2〜0.3%で48時間以上もの長い時間をかけて焼成されるのが極く一般的であると言われている。
この窯の内部は上から予熱帯、焼成帯、冷却帯を形成するが、その境界ははっきりしたものでない。塩57の投入は、塩作用の活性化向上、塩の過大拡散の防止の観点から通常焼成帯に対して行うのが好適であると言われているが、窯の構造からして窯頂投入せざるを得ず、最も温度の低い箇所からの供給となる。石灰石の投入と塩のふりかけで一つの石灰石層を形成するが、塩の融化や気化を促すまでに時間を要する。自然通風は燃料層の燃焼を穏やかなものとするので、塩の大気放散は少なくなるものの、上記した塩化物の生成速度は遅く、短時間に大量生産するには極めて不向きである。生産時間の短縮を図る場合には、塩の投入量が石灰石の原石重量比0.5%超も余儀なくされ、排ガス中の塩素濃度の増大は避け難い。
この土中窯の欠点は上記以外に空気の流れの偏りもある。窯内は整然と層をなすように見えるが、その実、石灰石も燃料も窯芯部での堆積が稠密となり、窯壁近傍が粗となることが知られている(特開昭57−58069号公報)。投入物が壁面との接触により重層性が弱まり、それゆえに上昇する空気は抵抗の大きい窯芯部を避けて壁面近くをたどる傾向となる。言うまでもなく焼きむらが生じ、また気流に乗る塩の微粒子や蒸気などと壁面との接触の機会が増え、窯壁保守作業の負担増を招く。
塩焼き生石灰は上記したように古くから消石灰用原料として取り扱われてきたが、自然通風型炉による焼成であるゆえ工業的な生産効率は著しく低い。そこで、近年、大量生産を指向すべく土中窯に代えて強制通風型炉による塩焼き生石灰の製造が試みられてきた。図5の(b)は自然通風による焼成の欠点を改善すべく導入された竪形焼成炉60の一例の概略断面を示すが、これは通常素焼き生石灰の製造に供されるものである。
この種の炉は、耐火物がライニングされるが、炉体自体は鋼鉄製であって大型化が可能であり、強制通風が容易な地上設置型となっている。炉内の堆積層の構成は予熱帯、焼成帯、冷却帯からなることに変わりはないが、冷却帯の下方から冷却用エア61を送り込むようにしているので、これが上昇する間に燃焼用エアにもなる。大きい炉体は原料や燃料の装入量を増やし、高い塔をなす炉体はガスの上昇を促し、焼成の迅速化と大量生産を可能にしている。
このような竪形焼成炉60に塩を供給して塩焼きすることは行われなくはないが、幾つかの問題を抱える。その一つに、塩の投入位置がある。符号62,63で与えた装入口を設けて塩57を供給すると、62の装入口では装入直後に排ガス64によって持ち去られやすくなる。63では降下する各堆積層によって石灰石の焼成帯域が移行し、焼成帯にある石灰石層を狙っての塩の安定した供給は困難を極める。
燃料層に供給することにでもなれば焼成帯にある石灰石と接触する前に気化させてしまい、ガスの流れ65に乗って消散することになる。それゆえ、冷却帯66もしくはその下方部位で塩57を炉体に供給せざるを得ない。前掲した特開2007−277664や特開2007−277666には、焼成帯に到る前の下方ゾーンにランスを上から差し込むなどして塩を吹き込めばよいと説明されているが、この図5の(b)の場合と同じく、冷却帯に供給することを意味しており、取り出し直前の生石灰に塩を添加することになる。冷却帯では塩の気化は殆ど期待できないから焼成帯に届く量は添加量の一部となり、塩の有効消費率が低くなることは否定できない。
また、このような強制通風型炉による塩焼き生石灰の製造は、生石灰生産量の増加に伴う焼成時間の短縮化に原因して、石灰石と塩との接触時間の減少を招く。さらには、焼成排ガスの流速増加による塩の炉外放散も無視できず、添加量は土中窯のそれより多い0.3〜0.5%程度までにもせざるを得ないという問題が生じる。この解決策として、結晶の大きな塩を使用することも検討されてきたが、焼成効率の低下を惹き起こし、焼成炉の能力増大に支障を与えたりして、結局は強制通風型炉による塩焼き生石灰の大量生産は捗々しくないのが現状である。
ところで、強制通風型竪形焼成炉としては、特開平10−72244号公報に記載されているベッケンバッハ炉や、特開2003−73151に記載されたメルツ炉がある。これらは、現在、横型焼成炉であるロータリキルンなどとともに素焼き生石灰を製造する装置の代表的なものとなっている。ベッケンバッハ炉やメルツ炉は上から順に予熱帯、焼成帯、冷却帯を形成する点で初期の竪形焼成炉と基本的な構成は変わっていない。しかし、炉体に装入されるのは石灰石であり、コークスなどの燃料は堆積層を形成しない。ベッケンバッハ炉では、炉壁の数箇所に設置された重油バーナや微粉炭バーナ等によりその前面にある各燃焼室で燃焼ガスを発生させて炉内へ送り出す。メルツ炉では液体・固体燃料を焼成開始域に供給して燃焼させ、いずれも焼成帯に到達した石灰石堆積層を熱ガスに曝して石灰石を焼成している。
このような竪形焼成炉で、その焼成帯に塩を供給して塩焼き生石灰を生成させる可能性を探ると、以下のことが言える。図6に示す丸型のメルツ炉を例にして説明する。これには例えば二つの円筒状シャフト71B,71Aがあり、一方は焼成稼働し、他方はその間待機状態におかれる。塩72の吹き込みは焼成帯の上部位で開口する燃料ランス73を通して微粉炭などの燃料とともに行われるか、いずれかのランスにより塩単独で焼成帯に吹き込まれる。炉頂近傍に供給された燃焼用エア74を用いて発生させた焼成ガス75と焼成帯76で徐々に下降する石灰石群とは並流状態で熱交換され、焼成排ガス77は待機状態にあるシャフト71Aに回される。一方のシャフトの焼成帯に位置した石灰石の焼成が済めば、燃焼用エアの通路切り替えによりシャフト71A内で待機している石灰石のうち焼成帯に位置するものの焼成が図られる。このように焼成は交互になされるが、下部の冷却帯へはいずれのシャフトでも常時冷却用エア67が供給され、焼成品は所定量ずつほとんど同時に順次排出され、熱効率も著しく改善される。
シャフト中段の焼成帯76で塩焼き生石灰が生成されることになるが、昇華した塩化物などは焼成排ガスに伴われ、サイドチャンネル78を経てシャフト71Aに送られる。その堆積層79を上昇してシャフトを抜け出ると、サイクロン80で除塵されるなどして大気へ放出される。焼成帯76に供給された塩は直ちに融化されるので、焼成中の石灰石への融着が先行し、焼成帯での塩の拡散が不十分となる。融化したものの塩焼きに寄与しなかった余剰塩は、生成された生石灰とともに冷却帯へ移行する。その一方で、塩と接触が不十分な箇所では塩焼き効果の薄い素焼き生石灰を生成させ、生石灰の製品としての品質安定性を著しく損なう。
このようなことから結局は強制通風型炉での塩焼きは、塩の添加量を増加させる以外に品質の安定と向上に有効な手立てを見い出せず、これが作業環境の悪化や炉体の周辺機器等の腐食による劣化や寿命低下を招来し、焼成現場ならびに周囲環境への塩害拡大を阻止する対策もままならず、広く普及するところまでには到っていない。
特開平10−72244号公報 特開2003−073151 特開2007−277664 特開2007−277666
本発明は上記した問題に鑑みなされたもので、その目的とするところは、投入された塩の早期の状態変化を鈍らせ、塩焼き環境の下地づくりを確固たるものにして石灰石との接触効率を高め、多孔質生石灰の生成率の向上、塩消費量の抑制、排ガスによる塩分流失の抑止、排ガスの塩素濃度の低下、炉壁材の塩害軽減を実現できるようにした竪形焼成炉による塩焼き生石灰の製造法およびその方法によって製造された塩焼き生石灰を提供することである。
本発明は、竪形焼成炉に装入した石灰石の堆積層に塩を供給し、石灰石層が予熱帯、焼成帯、冷却帯をたどる間に、石灰石から生石灰を生成させる生石灰製造法に適用される。その特徴とするところは、図1を参照して、焼却炉は強制通風型炉であり、炉内に堆積する石灰石17に接触させるべき添加塩10を、焼成の前段階にある帯域16の下層部に吹き込み、焼成排ガス13に伴われて帯域16の石灰石堆積層上層部に向けて流通させるようにしたことである。その際に、添加塩10は微粉生石灰11ならびに炭素粉12が混合された状態で吹き込まれるようにしておくとよい。
強制通風型の竪形焼成炉を図4に示すベッケンバッハ炉25としておき、添加塩35を焼成帯26と焼成の前段階にある帯域としての予熱帯34との境界部位の炉芯部37から焼成排ガスが上昇する予熱帯34の下層部に吹き込まれ、予熱帯34から焼成帯26に降下した石灰石層において、石灰石の脱炭酸反応時に塩焼き生石灰30が生成されるようにする。
なお、強制通風型の竪形焼成炉としては図1に示した複数のシャフト2A,2Bからなるメルツ炉1としておいてもよい。この場合、添加塩10を焼成稼働状態にあるシャフト2Bから待機状態にあるシャフト2Aへ到る焼成排ガス13の移動通路14を介して、焼成の前段階にある帯域16を形成する待機側シャフト内で焼成排ガスが上昇する蓄熱帯16Aの下層部に吹き込み、そのシャフトが待機状態から焼成稼働に切り替えられると、その焼成帯の石灰石層において、石灰石の脱炭酸反応時に塩焼き生石灰を生成させることができる。
添加塩10は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムまたは塩化カルシウムのいずれか一種もしくはその組み合わせとしておけばよい。その添加塩の装入石灰石重量比を0.005ないし0.5%としておく。そして、燃料を伴うことなくあるいは燃料または補助燃料とともに添加塩を吹き込むことができる。以上述べたいずれの製造法によっても、生産された生石灰は気孔率の高い塩焼き生石灰となる。
本発明によれば、添加塩を堆積する石灰石に接触させるべく、強制通風型焼成炉内における焼成の前段階にある帯域の下層部に吹き込み、焼成排ガスに伴われてその上層部に向けて流通させる。したがって、層内温度が焼成帯より低いその前段階にある帯域では、添加塩を瞬時に溶融させたり気化させることがない。その帯域を上昇する焼成排ガスは添加塩を石灰石層内で可及的に均一な拡散をさせるように機能して塩焼きの下地を醸成し、気化前の塩をガス流に乗せて炉外へ運び出すといったことは極めて少なくなる。排ガス中の塩分濃度や塩素濃度の低下はもとより、塩の有効消費率の向上は添加量の低減を促し、また炉耐火物に及ぼす塩害も抑制する。
焼成の前段階にある帯域の石灰石層で広範囲に拡散された添加塩は、焼成帯に到った時点で高温の燃焼ガスにより融化しさらには気化して石灰石との接触の機会が高められる。石灰石の分解初期の生石灰結晶に塩が直接的に働くことになるので、生石灰の結晶粒成長の促進、純度の向上ならびに気孔率の増大といった塩焼き効果の高い生石灰を高い生産性でもって製造することができる。塩焼き効果が高くなれば、焼成帯から持ち出される塩蒸気も少なくなる。
添加塩に微粉生石灰ならびに炭素粉を混合した状態で石灰石層に吹き込むようにすれば添加塩の層内拡散は円滑となる。すなわち、微粉生石灰は塩の吸湿作用を発揮して粒間凝集力を弱め、塩の石灰石層での分散性を高める。炭素粉は焼成の前段階にある帯域における石灰石層内での滑り特性を向上させて塩の拡散を助長する。いずれも摩擦抵抗率を低減するものであるから、気体燃料や固体燃料との混成体として吹き込むにしても、その操作は円滑なものとなる。添加塩と石灰石との接触率が高まれば、塩焼きむらも少なくなり、高い生産性が発揮される。
竪形焼成炉をベッケンバッハ炉とする場合には、添加塩を予熱帯と焼成帯の境界部位の炉芯部から予熱帯に向けて吹き込むようにすればよい。焼成排ガスの流れに乗って石灰石の堆積層を上昇しながら添加粉粒塩を拡散させる。予熱帯から焼成帯に降下した塩焼き環境の醸成された石灰石層においては、脱炭酸反応の際に付着塩や接触塩により生石灰の結晶粒成長の促進や純度向上ならびに気孔率の増大といった塩焼き作用が発揮される。
竪形焼成炉をメルツ炉とする場合には、添加塩を焼成稼働状態にあるシャフトから待機状態にあるシャフトへ到る焼成排ガスの移動通路を介して蓄熱帯の下層部に吹き込む。焼成排ガスの流れに乗って待機側シャフト内で高層をなす石灰石の堆積層を上昇しながら添加粉粒塩を拡散させる。待機状態から焼成稼働に切り替えられたシャフト内で、脱炭酸反応している石灰石が塩焼きされる。シャフト間を繋ぐ移動通路は焼成側シャフトの炉内圧よりも低い箇所であり、吹き込みエネルギの抑制も図られる。
添加塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムまたは塩化カルシウムのいずれかもしくはその組合せとすることができ、食塩や工業塩に限られず、炉の立地条件に鑑み入手が容易で安価な塩の選択が可能となる。
添加塩は、装入石灰石重量比を0.005ないし0.5%としておけばよい。0.02%の原石比が標準的であるが、大塊生石灰を製造する場合でも高々0.5%どまりとしておけば十分である。
添加塩は気体燃料や固体燃料などとともに吹き込むこともでき、燃料の混成率や供給量によって焼成帯における焼成温度制御も容易となる。
いずれの塩焼き生石灰の製造法によるも、それによって生産された気孔率の高い塩焼き生石灰は、各種の一般工業・化学工業関連産業、土木・建築関連産業、環境・農業関連産業等において、極めて幅広い分野に供して多様な機能を発揮させることができる。
以下に本発明に係る竪形焼成炉による塩焼生石灰の製造法およびその方法によって製造された塩焼生石灰を、その実施の態様を示した図面を参照して、詳細に説明する。図1は本発明が適用される角型メルツ炉1の断面図である。これは図6で説明した丸型と本質的に異なるところはないので、本発明は丸型にも適用することができるが、ここでは角型を例にして述べる。この強制通風型竪形焼成炉は蓄熱中のシャフト2Aと焼成中のシャフト2Bの二本の角筒状シャフトからなる例となっている。本例においては、石灰石を予熱して蓄熱状態に置くシャフト2Aの堆積層に塩を供給し、ブロア3から炉頂部に燃焼用エア4が供給される他方のシャフト2Bでは、蓄熱済みの石灰石層が予熱帯5より下降して焼成帯6、冷却帯7をたどる間に、石灰石8から気孔率の高い塩焼き生石灰9を生成させ、それを冷却して取り出すことができるようにしている。
本例における要点を述べると、添加塩10は微粉生石灰11ならびに炭素粉12を混合させた状態で、焼成稼働状態にあるシャフト2Bから待機状態にあるシャフト2Aへ到る焼成排ガス13の移動通路14を介して、焼成の前段階にある帯域を形成する待機側シャフト内の蓄熱帯16Aの下層部にブロア15によって吹き込まれる。焼成排ガス13の流れに乗って蓄熱帯16Aを形成する石灰石の堆積層17の下層部から上層部に向けて上昇する間に、石灰石に融着させることなく添加塩10を拡散させる。後述するようにシャフト2Aが待機状態から焼成稼働に切り替えられると、その焼成帯6A(図2を参照)の石灰石層においては、付着塩を融化させるとともに石灰石の脱炭酸反応時に塩焼き生石灰9を生成させることができるようになっている。
ここで、メルツ炉の通常の稼働を簡単に説明するが、構造と概略の操業手順は背景技術の項の図6のところで述べた丸型と大きく異なるところはない。図1を参照して、少なくとも2本あるシャフトのうちの一つのシャフト2Bの頂部から装入されて堆積する石灰石の上方空間に燃焼用エア4が供給され、この燃焼用エアは堆積上層部に形成される予熱帯5Bを経て堆積中層部に形成される焼成帯6Bに下降される。焼成帯の上端部である焼成開始域で開口する燃料ランス18から供給された重油、コークス粉またはオイルコークスもしくは各種ガスなどの気体燃料等を燃焼させることによって、焼成帯6Bの下端部までの石灰石を熱ガス23の並流接触により焼成する。生成された生石灰9は焼成排ガス13の流れと同方向に降下し、堆積下層部を形成する冷却帯7Bにまで下がると炉底から供給された冷却用エア19により冷却される。焼成排ガス13は焼成帯6Bと冷却帯7Bの境界部位から待機中のシャフト2Aの同一部位に導入されて上昇し、そのシャフト内に堆積する石灰石17を加熱する。
このようなメルツ炉においては、添加塩10を焼成稼働状態にあるシャフト2Bから待機状態にあるシャフト2Aへ到る焼成排ガス13の移動通路14に吹き込むと、焼成排ガスの流れに乗って待機側シャフト内で高層をなす石灰石の堆積層17を上昇しながら、石灰石に融着することなく可及的均一に拡散する。なお、待機側シャフト2Aは排ガスを引くための誘引送風機(図示せず)に通じており、待機側シャフトに入った添加塩はより拡散しやすい状態となっている。
図2のように、待機状態から焼成稼働に切り替えられたシャフト2Aの内部では、エア切換装置20によって燃焼用エア4が供給され、焼成帯6Aにおいては石灰石に付着している塩を融化させる。それとともに、脱炭酸反応の際に付着した塩や接触している塩によって、生石灰の結晶粒成長促進や純度向上ならびに気孔率の増大といった塩焼き作用が発揮される。すなわち、脱炭酸反応により生じた細孔に溶融塩を進行させ、さらに温度の高くなっている箇所では溶融塩を気化させて石灰石内の鉄等の金属分との接触ならびに反応を可能にし、生成された塩化物の昇華によって生石灰の純度向上と結晶粒成長の促進ならびにポーラス化の進行が図られる。
次に、添加塩10の吹き込みについて説明する。まず、図1の焼成稼働状態にあるシャフト2Bから待機状態にあるシャフト2Aへ到る焼成排ガスの移動通路14は、シャフト間に設けられたチャンネル21を利用して形成されたものであり、そこに吹込孔22が開口され、ブロア15を用いるなどして添加塩10が炉外から吹き込まれる。添加塩は食塩や工業塩であり、それらが主体をなして原則として燃料を伴うことなく吹き込まれる。もちろん、未燃カーボン12などの補助燃料を混合させて吹き込むことも差し支えない。
添加塩は単独であれ燃料との混合であれ、是非必要というのではないが、微粉石灰石11や炭素粉12とともに吹き込むとよい。微粉生石灰は塩を除湿する作用を発揮して粒間凝集力を弱め、塩の石灰石層での分散性を促す。炭素粉としては排ガスから捕集された煤すなわち未燃カーボンとしておけばよく、これは微細であることもあって安息角は元来小さく、焼成の前段階の帯域における石灰石層内での滑り特性を向上させ、塩の拡散を助長する。いずれも摩擦抵抗率を低減するものであるから、プロパンガスや天然ガスなどの気体燃料や微粉炭などの固体燃料との混成体での吹き込みも容易となる。添加塩と石灰石との接触率が高まれば、塩焼きむらも少なくなり、高い生産性が発揮される。なお、混入された炭素粉は焼成時点で燃焼し、塩焼きに支障をきたすようなことはなく、却って添加塩の融解を助長する。
ところで、添加塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムまたは塩化カルシウム、さらにはいずれかの組合せといったものでよく、原石重量比(装入石灰石重量比)で0.005ないし0.5%とすればよい。炉の立地条件に鑑み入手が容易で安価な塩の選択が可能となるが、通常は、0.02%あれば塩焼き効果は十二分に発揮される。大塊生石灰を製造する特殊な場合でも高々0.5%どまりで済む。なお、土中窯で採用される原石比の1/10以下である0.02%で嵩密度が素焼き生石灰の約1.5割減の塩焼き生石灰ができており、0.2%の塩添加で嵩密度3割減が得られ、しかも1チャージ中の塩焼き度合いのばらつきは、土中窯のそれに比べて大幅に少ないものであった。
ところで、原石重量比で0.005ないし0.5%としているのは、0.005%より少なければ、強制通風型竪形焼成炉といえども塩の添加による塩焼き生石灰の生成度合いが低く、また焼成むらを生じさせる。0.5%を超えると過剰添加となって焼成排ガスの塩素濃度が高まったり、アルミナ煉瓦やマグネシア煉瓦などの炉壁耐火物に悪影響を及ぼす。0.02%で大いなる成果の得られることはすでに述べたが、後述する特殊な生石灰を得ようとする場合には0.5%に及ぶこともあるとの配慮によっている。
ちなみに、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムの融点は塩化ナトリウム(岩塩)の810℃よりは少し低い700℃台であり、沸点は岩塩の1,400℃強より100ないし200℃高い程度であって、焼成排ガスに曝されて液状になることはあっても、焼成温度が極めて高くなっている部分以外では多くが気化するということはない。したがって、添加量が絞られれば環境への塩害は可及的に少なくなる。一方、炉壁の耐火物に与える塩害も、添加塩の拡散性の向上によって抑制され、炉の保守作業の軽減も図られる。
添加塩は焼成排ガスの移動通路を介して吹き込まれるから、その搬送エアが排ガスに混じると部分的にしても焼成排ガスが降温する。そのため投入された塩が直ちに融化したり気化することはない。焼成稼働側シャフトの頂部に供給される燃焼用エアの圧力は予熱帯5B(図1を参照)と焼成帯6Bを通過する間に減圧される。冷却帯7Bから上がってくる冷却用エア19で若干加圧されるものの、チャンネル21での圧力は焼成側シャフト2Bのそれより遙かに低くなっているので、この箇所での添加塩の吹き込みに要する動力消費は低くて済む利点がある。添加塩は1,000℃を超える焼成排ガスの流れに乗って待機側シャフト2Aに入るが、焼成の前段階にある帯域を形成する下層部から上層部に向けて流通する間に、焼成排ガス13の熱エネルギのかなりの部分が新たに装入された上層部分を含めて高層をなす堆積層17に蓄積される。ちなみに、待機側シャフトといえども冷却帯を形成するのは前回の焼成で生成された生石灰の層であり、言うまでもなく、焼成の前段階にある帯域に含まれるものでない。
上記したごとく焼成側シャフトで発生した焼成排ガスが待機側シャフトに回るが、この排ガスが供給されたばかりの添加塩を溶かすことがあるとしても、排ガスが最初に通過する深層部においてのみであり、それが気化しても排ガスは炉頂近くに到ると100℃超程度となるから、随伴されていた塩の蒸気は堆積層を通り抜けるまでに凝縮して石灰石に付着する。こうして、待機側シャフトにおいては塩が可及的均一に分散され、塩焼きに都合のよい下地が整えられる。焼成側シャフトでの焼成時間の十数分が経過すれば、シャフト2Aは図1の待機状態から図2の焼成稼働に切り替えられる。この切り替えの繰り返しにより、その都度焼成帯となるべき層で、石灰石が塩焼きされる。その脱炭酸反応の際に付着塩や接触塩によって、生石灰の結晶粒成長の促進や純度向上ならびに気孔率が増大される。
待機側シャフト2A内は焼成の前段階にある帯域としての蓄熱帯を形成しており、前回の焼成稼働の影響を受けて温度が高いといっても、添加塩の大部分を溶融させたり気化させることはない。それゆえ、塩をガス流に乗せて炉外へ運び出すことも可及的に少なくなる。排ガス中の塩分濃度や塩素濃度の低下はもちろんのこと、塩の有効消費率の向上は添加量の低減を促し、待機側シャフトの炉耐火物に及ぼす塩害も著しく抑制される。蓄熱帯の石灰石層に可及的広範囲かつ均一に拡散された添加塩は、焼成稼働に切り替えられた以降に高温の燃焼ガスによって融化しさらには気化する。とりわけ焼成帯と化した箇所では石灰石との接触の機会が多くなり、生成された生石灰の嵩密度を素焼き生石灰の2割ないし4割減少させるという塩焼き効果が発揮され、その生産性も高まる。塩焼き効果が顕著になればなるほど焼成帯から持ち出される塩分も少なく、また炉内外に及ぼす塩害も飛躍的に減少する。
塩焼きにより得られた生石灰は高ポーラスであるゆえに化学反応性が増し、気孔率の高い塩焼き生石灰は鉄鋼精錬用フラックスに好適である。すなわち、素焼き生石灰の場合に必要とした融化剤としてのCaF2 (蛍石)の添加は極めて僅かでよいか無くてもよいくらいで、優れた脱硫脱燐効果を発揮する。同様に、溶鉄中の非金属介在物除去剤としてもその効能は著しく改善されたものとなる。この塩焼き生石灰は素焼き生石灰に比べれば水和反応が遅くなるという面も備えるゆえ、膨れの少ない資質の土質改良剤ともなる。このようなことを初めとして、塩焼き生石灰は、ソーダ工業における副生物の回収剤、カーバイド原料、石油化学工業における鹸化反応・中和反応剤といった一般工業・化学工業関連産業において、漆喰用消石灰といった左官材料の原料、土質安定処理剤といった土木・建築関連産業において、水処理剤、農薬用石灰といった環境・農業関連産業においてと、極めて幅広い分野で多様な機能を発揮するものとなる。
ところで、添加塩は燃料を伴うことなく上記した微粉生石灰や炭素粉等の増量剤とともに、さらには気体燃料や固体燃料とともに吹き込むことができる。したがって、燃料の混成率や供給量によって、焼成帯における焼成温度制御も容易となる。このように、強制通風型焼成炉による石灰石の塩焼きは、土中窯におけるそれより格段に短時間で済み、添加塩の消費量の激減をもたらす。逆に言えば、時間を少し長くし、塩の添加量を増やし、焼成温度も上げられる余地すら生み出す。
例えば200ミリメートル大の塊状生石灰も、製造することができるようになる。このような大塊とはいえ、塩焼きゆえに焼成温度を高くしても素焼きのような焼き締まりは生じさせない。大塊にすれば表層の削り代を与えることにもなるので、異物が付着した外層部を除去すれば、高級漆喰用の消石灰の好適な原料にすることができる。このことから分かるように、投入石灰石の粒度を炉の生産能力に応じて変えることもでき、炉容量の選択や操業にもフレキシビリティを持たせることが可能となる。
ちなみに、本発明方法に基づき石灰石重量比を0.02%として製造された塩焼生石灰の走査型電子顕微鏡写真を素焼き品とともに図3に掲げる。(a)の塩焼き生石灰は(b)の素焼き品に比べ大きな細孔を分布させている。すなわち、素焼き生石灰では0.1μm以下の細孔を数多く見ることができるが、(a)では、1μmもしくはそれ以上の細孔で構成される多孔質低嵩密度品となっている。
図4はベッケンバッハ炉25に本発明を適用した例である。シャフトの頂部から装入した石灰石の堆積層中層部に形成される焼成帯26の上端部の焼成開始域に燃焼用エア27を供給し、焼成帯を下降させるようにしている。焼成帯中間上部に設けられた上段バーナ28および焼成帯中間下部に設けられた下段バーナ29における燃焼を促進させることによって、焼成帯上部および中間部の石灰石を燃焼ガスとの向流接触の熱交換により焼成する一方(向流焼成帯26Aを参照)、焼成帯下部の石灰石を燃焼ガスとの並流接触により焼成する(並流焼成帯26Bを参照)。生成された生石灰30を焼成帯下部で燃焼ガスの流れと同方向に降下させ、炉底から供給された冷却用エア31により堆積下層部を形成する冷却帯32に降下した生石灰を冷却して炉底から取り出す。焼成排ガス33は堆積上層部に形成される焼成の前段階にある帯域としての予熱帯34の下層部から上層部に向けて流通することで、この帯域に堆積する石灰石を予熱しておく構造となっている。
この竪形焼成炉においては、添加塩35がブロア36の搬送気流に乗せて予熱帯34と焼成帯26の境界部位の炉芯部37の幾つかの口から予熱帯34に向けて吹き込まれる。焼成排ガス33の流れに乗って予熱帯の下層部から上層部に向けて上昇しながら、石灰石に融着することなく可及的均一に拡散される。予熱帯34から焼成帯26に降下した石灰石層においては、添加塩を融化させるとともに石灰石の脱炭酸反応時に塩焼き生石灰の生成が図られる。
脱炭酸反応においては、それにより生じた細孔に添加塩を進行させ、さらに温度の高くなっている焼成帯に到ると溶融塩を一部気化させて石灰石中の鉄等の金属分との接触ならびに反応を活発化させ、生成された塩化物の昇華によって生石灰の純度向上が図られる。なお、ベッケンバッハ炉には内筒体38が配置されるが、図4の例はブリッジ39A,39Bに支えられた懸垂型となっている。図示しない自立型であっても略円錐形頂部40が形成されるので、その部分を添加塩の散布基体として利用しておくことができて都合がよい。
略円錐形頂部40から噴出された添加塩35は予熱帯に向けられており、予熱帯34から降下した塩焼き環境の醸成された石灰石層においては、脱炭酸反応の際に付着塩や接触塩により、生石灰の結晶粒成長の促進や純度向上ならびに気孔率の増大といった塩焼き作用が発揮される。この点については、先に述べたメルツ炉の場合と変わるものでない。
本発明の製造方法は石灰石の焼成が始まる箇所以降で塩の蒸発を生じさせるため、分解初期の生石灰結晶に塩を直接効果的に働かせることができる。これは塩の過剰添加を避けることにもなり、添加量を必要最小限にとどめる。このことが、過剰塩の蒸発や排ガスとともに飛散する塩分を従来法に比べ大幅に低減させていることは言うまでもない。
以上の説明では竪形焼成炉はメルツ炉やベッケンバッハ炉を例にしたが、これら以外の形式の炉であっても、堆積する石灰石に接触させるべき添加塩を焼成の前段階にある帯域の下層部に吹き込み、焼成排ガスに伴わせてその帯域の上層部に向けて流通させることができる強制通風型炉であれば、本発明を適用することができる。なお、添加塩を吹き込むにあたって、それに微粉生石灰または煤、未燃カーボンなどの炭素粉もしくはその両方を混合して吹き込む場合ばかりでなく、その混入の有無や量の多少をその都度適宜選択すれば、そして必要に応じて食塩または工業塩を水溶液または他の溶液にして投入したり噴霧することもでき、塩の供給形態にバラエティを持たせることができる。
本発明に係る竪形焼成炉による塩焼生石灰の製造法を実現する角型のメルツ炉における操業方法説明断面図。 待機側シャフトが焼成側シャフトに切り替えられた後の操業説明断面図。 (a)は塩焼き生石灰の3,000倍SEM像であり、(b)は素焼き石灰石の同像。 本発明をベッケンバッハ炉に適用した場合の操業説明断面図。 (a)は土中窯の操業説明図、(b)は石灰石・燃料重層状態となるよう装入されたシャフト炉における操業説明図。 丸型のメルツ炉における素焼き生石灰製造の操業方法説明図。
符号の説明
1…メルツ炉(竪形焼成炉)、2A,2B…シャフト、5,5A,5B…予熱帯、6,6A,6B…焼成帯、7,7A,7B…冷却帯、8…石灰石、9…塩焼き生石灰、10…添加塩、11…微粉生石灰、12…炭素粉、13…焼成排ガス、14…移動通路、16…焼成の前段階にある帯域、16A…蓄熱帯、17…堆積層(石灰石)、22…吹込孔、25…ベッケンバッハ炉、26…焼成帯、26A…向流焼成帯、26B…並流焼成帯、30…生石灰、33…焼成排ガス、34…予熱帯、35…添加塩、37…炉芯部。

Claims (8)

  1. 竪形焼成炉に装入した石灰石の堆積層に塩を供給し、石灰石層が予熱帯、焼成帯、冷却帯をたどる間に、石灰石から生石灰を生成させる生石灰製造法において、
    前記焼却炉は強制通風型炉であり、炉内に堆積する石灰石に接触させるべき添加塩を、焼成の前段階にある帯域の下層部に吹き込み、焼成排ガスに伴われて前記帯域の石灰石堆積層上層部に向けて流通させ、添加塩の可及的均一な層内拡散を図るようにしたことを特徴とする竪形焼成炉による塩焼き生石灰の製造法。
  2. 前記添加塩は、微粉生石灰ならびに炭素粉が混合された状態で吹き込まれるようにしたことを特徴とする請求項1に記載された竪形焼成炉による塩焼き生石灰の製造法。
  3. 強制通風型の前記竪形焼成炉はベッケンバッハ炉であり、添加塩は焼成帯と焼成の前段階にある帯域としての予熱帯との境界部位の炉芯部から焼成排ガスが上昇する予熱帯の下層部に吹き込まれ、予熱帯から焼成帯に降下した石灰石層において、石灰石の脱炭酸反応時に塩焼き生石灰の生成が図られるようにしたこと特徴とする請求項1または請求項2に記載された竪形焼成炉による塩焼き生石灰の製造法。
  4. 強制通風型の前記竪形焼成炉は複数のシャフトからなるメルツ炉であり、前記添加塩は焼成稼働状態にあるシャフトから待機状態にあるシャフトへ到る焼成排ガスの移動通路を介して、焼成の前段階にある帯域を形成する待機側シャフト内で焼成排ガスが上昇する蓄熱帯の下層部に吹き込まれ、当該シャフトが待機状態から焼成稼働に切り替えられると、その焼成帯の石灰石層において、石灰石の脱炭酸反応時に塩焼き生石灰の生成が図られるようにしたこと特徴とする請求項1または請求項2に記載された竪形焼成炉による塩焼き生石灰の製造法。
  5. 前記添加塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムまたは塩化カルシウムを含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載された竪形焼成炉による塩焼き生石灰の製造法。
  6. 前記添加塩は、装入石灰石重量比を0.005ないし0.5%としていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載された竪形焼成炉による塩焼き生石灰の製造法。
  7. 前記添加塩は燃料または補助燃料とともに吹き込まれることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載された竪形焼成炉による塩焼き生石灰の製造法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載された竪形焼成炉による塩焼き生石灰の製造法により生産されたことを特徴とする塩焼き生石灰。
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