JP2009154151A - 脱臭装置及び脱臭方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】堆肥化装置から発生する高濃度の臭気成分を含む臭気ガスを、脱臭することが可能な脱臭方法を提供する。
【解決手段】堆肥化装置11から排出される、アンモニアと二酸化炭素とが含まれる臭気ガス及び水分を含む排気を、熱交換器12で冷却して水分を凝縮させて排気を臭気ガスと凝縮水とに分離し、分離した臭気ガスと凝縮水とを充填塔14,15,16で接触させることにより、臭気ガスの脱臭を行う。
【選択図】図1
【解決手段】堆肥化装置11から排出される、アンモニアと二酸化炭素とが含まれる臭気ガス及び水分を含む排気を、熱交換器12で冷却して水分を凝縮させて排気を臭気ガスと凝縮水とに分離し、分離した臭気ガスと凝縮水とを充填塔14,15,16で接触させることにより、臭気ガスの脱臭を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、畜産***物の堆肥化装置内から発生する臭気ガスを脱臭するための脱臭装置及び脱臭方法に係わる。
この臭気ガスに含まれる臭気成分は、例えば悪臭防止法に定められる悪臭物質であり、具体的にはアンモニアや硫黄化合物、有機酸等が該当するが、ここでは、特に、畜産***物の堆肥化装置内から発生する臭気ガスの主成分であるアンモニアの脱臭方法に関する。
この臭気ガスに含まれる臭気成分は、例えば悪臭防止法に定められる悪臭物質であり、具体的にはアンモニアや硫黄化合物、有機酸等が該当するが、ここでは、特に、畜産***物の堆肥化装置内から発生する臭気ガスの主成分であるアンモニアの脱臭方法に関する。
家禽、豚、牛そのほかの家畜の飼養がなされる畜産場、これら畜産場から出てくる家畜の***物や飼料等の廃棄物の集積場、また、これら***物等を用いて堆肥生産を行う作業場、工場等から発生する悪臭は、近隣住民とのトラブルの原因ともなり、近隣住民の生活に影響を及ぼす大きな問題となっている。
特に、昨今、郊外への住宅地の進出によって、畜産場や工場と民家との距離が接近する傾向にあり、異臭、悪臭の完全な脱臭の必要性が高まっている。
一般に、養豚場における豚1頭で、人間10人分の***物が発生するといわれており、多くの豚を扱う養豚場では、その発する悪臭に対する近隣住民からの苦情に対する対応に苦慮しているのが現実である。
一般に、養豚場における豚1頭で、人間10人分の***物が発生するといわれており、多くの豚を扱う養豚場では、その発する悪臭に対する近隣住民からの苦情に対する対応に苦慮しているのが現実である。
また、畜産***物の多くは堆肥化されるが、この堆肥生産を行う工場や作業場から発生する強烈な悪臭に関しても、近隣住民からの苦情が寄せられており、その脱臭は必須のものとなっている。
この脱臭方法及び脱臭装置としては、例えば微生物を使ったいわゆる生物脱臭法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この脱臭方法及び脱臭装置としては、例えば微生物を使ったいわゆる生物脱臭法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載された脱臭方法は、臭気成分を含んだ気体を所要の濃度に調製された微生物培養液中に送り込み、これをバブリングさせて臭気成分を除去する方法である。
この方法では、微生物培養液内で臭気成分を除去する際に、微生物の脱臭作用によって微生物が減少した微生物培養液にエネルギー源を供給して微生物培養液中の微生物を培養増殖させることができる。
そして、この培養増殖によって所要の濃度に回復された微生物培養液を脱臭装置内に循環させることで、常に微生物の培養増殖によって所要の濃度に回復された微生物培養液により臭気成分を含んだ臭気ガスの脱臭を行うことができる。
この方法では、微生物培養液内で臭気成分を除去する際に、微生物の脱臭作用によって微生物が減少した微生物培養液にエネルギー源を供給して微生物培養液中の微生物を培養増殖させることができる。
そして、この培養増殖によって所要の濃度に回復された微生物培養液を脱臭装置内に循環させることで、常に微生物の培養増殖によって所要の濃度に回復された微生物培養液により臭気成分を含んだ臭気ガスの脱臭を行うことができる。
しかしながら、微生物を用いた脱臭方法では、臭気ガスに含まれるアンモニアの濃度が高い場合には、処理が困難である。このため、家畜糞尿の堆肥化装置として、縦型急速発酵装置のような高温かつ高濃度のアンモニアを含む臭気ガスが大風量で発生する装置を用いた場合には、適用することができない。
また、微生物を用いた脱臭方法は、脱臭効果が気温の影響をうけるため、微生物の好適な生育範囲の15〜35℃の間で処理しなければ、極端に脱臭効率が悪くなるという問題がある。
上述した問題の解決のため、本発明においては、堆肥化装置から発生する高濃度の臭気成分を含む臭気ガスを、脱臭することが可能な脱臭装置及び脱臭方法を提供するものである。
本発明の脱臭装置は、アンモニア及び二酸化炭素を含む臭気ガスと水分とが排出される堆肥化装置と堆肥化装置からの排気を冷却して水分を凝縮させる熱交換器と、熱交換器で凝縮された水と、臭気ガスとを接触させる充填塔とを備えることを特徴とする。
また、本発明の脱臭方法は、堆肥化装置から排出される、アンモニアと二酸化炭素とが含まれる臭気ガス及び水分を含む排気を、熱交換器で冷却して水分を凝縮させて排気を臭気ガスと凝縮水とに分離し、この分離した臭気ガスと凝縮水とを充填塔で接触させることを特徴としている。
本発明の脱臭装置及び脱臭方法によれば、堆肥化装置から排出される、水分を熱交換器により凝縮する。そして、堆肥化装置から排出される臭気ガスと熱交換器により凝縮した水を充填塔で接触させる。これにより、臭気ガスに含まれるアンモニアと二酸化炭素が凝縮水中に溶解する。そして、臭気ガスに含まれるアンモニアがほとんど凝縮水中に溶解するため、充填塔からの排気はアンモニアをほぼ含まないものとなり、臭気ガスを脱臭することができる。
従って、例えば縦型急速発酵装置のような高濃度のアンモニアが発生する堆肥化装置において、堆肥化装置から発生するアンモニアを、同じく堆肥化装置から発生する二酸化炭素と水とを使用して回収することができる。つまり、堆肥化装置から発生する臭気ガスから、臭気の主成分であるアンモニアを回収し、水中の二酸化炭素又は炭酸と反応させることにより、高濃度の炭酸アンモニウム溶液が得られる。このため、この脱臭装置及び脱臭方法により、臭気の主成分であるアンモニアがほとんど含まれない排気とすることができる。
本発明によれば、臭気の主成分であるアンモニアと水中の二酸化炭素又は炭酸と反応させることにより、堆肥化装置から排出されるアンモニアを含む臭気ガスを極めて効果的に脱臭することができる。
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を用いて説明する。
図1に本発明の一実施の形態の脱臭装置のブロック図を示す。
図1に示す脱臭装置10は、堆肥化装置11、熱交換器12、第1の貯水槽13、第1の充填塔14、第2の充填塔15、第3の充填塔16、及び、第2の貯水槽17とを備える。
図1に本発明の一実施の形態の脱臭装置のブロック図を示す。
図1に示す脱臭装置10は、堆肥化装置11、熱交換器12、第1の貯水槽13、第1の充填塔14、第2の充填塔15、第3の充填塔16、及び、第2の貯水槽17とを備える。
堆肥化装置11は、外部から空気が供給され、装置内で畜産***物(有機廃棄物)を発酵させて堆肥化させる装置である。この堆肥化装置11としては、例えば、畜産***物を連続的、好気的に発酵させる縦型急速発酵装置が用いられる。
堆肥化装置11は、上部に形成される畜産***物の投入口と、この投入口から投入された畜産***物を常時又は定期的に撹拌する撹拌機と、装置内に外部から空気を供給するための送風管と、送風管の途中部位に設置される空気加熱用の電気ヒータ等を含んで構成される。
堆肥化装置11の上部には、ガス送管31が接続される。ガス送管31は、堆肥化装置11からブロア25を介して熱交換器12に接続されている。
堆肥化装置11は、上部に形成される畜産***物の投入口と、この投入口から投入された畜産***物を常時又は定期的に撹拌する撹拌機と、装置内に外部から空気を供給するための送風管と、送風管の途中部位に設置される空気加熱用の電気ヒータ等を含んで構成される。
堆肥化装置11の上部には、ガス送管31が接続される。ガス送管31は、堆肥化装置11からブロア25を介して熱交換器12に接続されている。
この堆肥化装置11内において、家畜***物を発酵及び乾燥させる際に、アンモニアを主成分とし、その他各種の有機酸を微量に含む臭気ガスが発生するとともに、二酸化炭素及び家畜***物の乾燥による多量の水分が発生する。そして、ブロア25を駆動することにより、堆肥化装置11内で発生した臭気ガス、二酸化炭素、水分等を含む排気が、ガス送管31を通じて熱交換器12に供給される。
そして、この熱交換器12において、堆肥化装置11から供給されたアンモニア及び二酸化炭素を含む臭気ガスや、水分等を含む排気を冷却することにより、排気中に含まれる水分を凝縮させる。これにより、堆肥化装置11から供給された排気が、アンモニアや二酸化炭素等による気体と凝縮水とに分離される。
熱交換器12には、配管32とガス送管34が接続されている。配管32は、熱交換器12から第1の貯水槽13に接続されている。この配管32は、堆肥化装置11から供給された排気から分離された凝縮水を、第1の貯水槽13に送る。ガス送管34は、熱交換器12から第1の充填塔14の下部に接続されている。
熱交換器12には、配管32とガス送管34が接続されている。配管32は、熱交換器12から第1の貯水槽13に接続されている。この配管32は、堆肥化装置11から供給された排気から分離された凝縮水を、第1の貯水槽13に送る。ガス送管34は、熱交換器12から第1の充填塔14の下部に接続されている。
第1の貯水槽13は、熱交換器12内の凝縮水を配管32を通して回収する。
第1の貯水槽13には、配管37、配管38、及び、ガス送管33が接続されている。
配管37は、ブロア18を介して外部からの空気を第1の貯水槽13内に供給する。配管38は、第1の貯水槽13から第3の充填塔16の上部に設けられたスプレイノズル20に接続されている。ガス送管33は、第1の貯水槽13からガス送管34に接続されている。
また、第1の貯水槽13に回収された凝縮水のうち、第3の充填塔16に供給された残りは、オーバーフローにより排水される。
第1の貯水槽13には、配管37、配管38、及び、ガス送管33が接続されている。
配管37は、ブロア18を介して外部からの空気を第1の貯水槽13内に供給する。配管38は、第1の貯水槽13から第3の充填塔16の上部に設けられたスプレイノズル20に接続されている。ガス送管33は、第1の貯水槽13からガス送管34に接続されている。
また、第1の貯水槽13に回収された凝縮水のうち、第3の充填塔16に供給された残りは、オーバーフローにより排水される。
第1の貯水槽13に回収された凝縮水には、堆肥化装置11の排気に含まれるアンモニア及び二酸化炭素が溶解している。このため、ブロア18を駆動することにより、第1の貯水槽13に接続された配管37から空気を供給し、第1の貯水槽内に回収されている凝縮水を空気で曝気する。このように第1の貯水槽内で凝縮水が曝気されるため、凝縮水中に含まれるアンモニア及び二酸化炭素等がガス送管33を通してガス送管34に供給される。
ガス送管34は、熱交換器12及びガス送管33からのアンモニア及び二酸化炭素を含む臭気ガスを、第1の充填塔14の下部へ供給する。
ガス送管34は、熱交換器12及びガス送管33からのアンモニア及び二酸化炭素を含む臭気ガスを、第1の充填塔14の下部へ供給する。
第1の充填塔14、第2の充填塔15、及び、第3の充填塔16は、それぞれ配管により直列に接続されている。これらは上方から下方へ凝縮水が供給され、下方から上方へ臭気ガスが供給される向流接触型の充填塔である。
第1の充填塔14は、塔内に充填材26が設けられている。また、第1の充填塔14の充填材26の上部には、スプレイノズル24が配置されている。また、第1の充填塔14の下部には、循環水タンク45が設置されている。
第1の充填塔14には、ガス送管34、ガス送管35、オーバーフロー配管41が接続されている。また、循環水タンク45には、循環パイプ48が接続されている。ガス送管35は、第1の充填塔14の上部から第2の充填塔15の下部に接続されている。オーバーフロー配管41は、第1の充填塔14の下部において、循環水タンク45の上部から第2の貯水槽17に接続されている。また、第1の充填塔14の上部に配置されたスプレイノズル24には、配管40が接続されている。また、配管40には、循環水タンク45からの循環パイプ48が接続されている。
第1の充填塔14には、ガス送管34、ガス送管35、オーバーフロー配管41が接続されている。また、循環水タンク45には、循環パイプ48が接続されている。ガス送管35は、第1の充填塔14の上部から第2の充填塔15の下部に接続されている。オーバーフロー配管41は、第1の充填塔14の下部において、循環水タンク45の上部から第2の貯水槽17に接続されている。また、第1の充填塔14の上部に配置されたスプレイノズル24には、配管40が接続されている。また、配管40には、循環水タンク45からの循環パイプ48が接続されている。
第2の充填塔15は、塔内に充填材27が設けられている。また、第2の充填塔15の充填材27の上部には、スプレイノズル22が配置されている。また、第2の充填塔15の下部には、循環水タンク44が設置されている。
第2の充填塔15には、ガス送管35、ガス送管36、配管40が接続されている。また、循環水タンク44には、循環パイプ47が接続されている。ガス送管36は、第2の充填塔15の上部から第3の充填塔16の下部に接続される。配管40は、第2の充填塔15の下部からポンプ23を介して、第1の充填塔14に配置されたスプレイノズル24に接続されている。
また、第2の充填塔15の上部に配置されたスプレイノズル22には、配管39が接続されている。また、配管39には、循環水タンク44からの循環パイプ47が接続されている。
第2の充填塔15には、ガス送管35、ガス送管36、配管40が接続されている。また、循環水タンク44には、循環パイプ47が接続されている。ガス送管36は、第2の充填塔15の上部から第3の充填塔16の下部に接続される。配管40は、第2の充填塔15の下部からポンプ23を介して、第1の充填塔14に配置されたスプレイノズル24に接続されている。
また、第2の充填塔15の上部に配置されたスプレイノズル22には、配管39が接続されている。また、配管39には、循環水タンク44からの循環パイプ47が接続されている。
第3の充填塔16は、塔内に充填材28が設けられている、また、第3の充填塔16の充填材28の上部には、スプレイノズル20が配置されている。また、第3の充填塔16の下部には、循環水タンク43が設置されている。
第3の充填塔16には、ガス送管36、配管39、排気管42が接続されている。また、循環水タンク43には、循環パイプ46が接続されている。配管39は、ポンプ21を介して第2の充填塔15に配置されたスプレイノズル22に接続されている。また、第3の充填塔16の上部に配置されたスプレイノズル20には、配管38が接続されている。また、配管38には、循環水タンク46からの循環パイプ47が接続されている。
排気管42は、第1の充填塔14から第3の充填塔16までを通過し、臭気成分の濃度が充分に低下した気体が排気される。
第3の充填塔16には、ガス送管36、配管39、排気管42が接続されている。また、循環水タンク43には、循環パイプ46が接続されている。配管39は、ポンプ21を介して第2の充填塔15に配置されたスプレイノズル22に接続されている。また、第3の充填塔16の上部に配置されたスプレイノズル20には、配管38が接続されている。また、配管38には、循環水タンク46からの循環パイプ47が接続されている。
排気管42は、第1の充填塔14から第3の充填塔16までを通過し、臭気成分の濃度が充分に低下した気体が排気される。
第2の貯水槽17は、第1の充填塔14の下部からオーバーフロー配管41を通して排出された水が蓄えられる。第2の貯水槽17に蓄えられる水は、充填塔内で気液接触により、臭気ガスに含まれるアンモニアと二酸化炭素を溶解した水である。また、この水には、溶解した炭酸とアンモニアとの反応物である炭酸アンモニウムが含まれている。
上述したように、脱臭装置10では、充填塔でアンモニアを回収する際に、堆肥化装置11から発生する二酸化炭素と、同じく堆肥化装置11から発生する水分を凝縮させている。このため、外部からの水分や、臭気ガスに含まれる臭気成分を吸収するための物質を加えずに、堆肥化装置11から発生する臭気成分の主成分であるアンモニアを回収することができる。
次に、上述の脱臭装置10を用いて臭気ガスから、臭気成分の主成分であるアンモニアを脱臭する方法について説明する。なお、以下の説明では、脱臭装置10の構成について、図1で用いた符号と同じ符号を付して説明する。
まず、堆肥化装置11からの排気は、ブロア25を駆動することによりガス送管31を通して熱交換器12に供給される。この熱交換器12に供給された堆肥化装置11からの排気は、熱交換器12により冷却されるため排気中に含まれる水分が凝縮される。すなわち、堆肥化装置11からの排気は、通常外気温よりも高い温度で排出されるが、熱交換器12ではこの高い温度の排気が外気温まで下げられるため、その結果、排気に含まれる水分を凝縮することができるのである。
次に、熱交換器12により水分を除去された臭気ガスが、ガス送管34により熱交換器12から排出される。そして、熱交換器12で凝縮された水分が、配管32を通して第1の貯水槽13に回収される。続いて、第1の貯水槽に回収された水をブロア18により曝気し、この水に溶解しているアンモニアと二酸化炭素を気体として取り出すようにする。この曝気により取り出されたアンモニア及び二酸化炭素を、ガス送管33を通して、ガス送管34に供給する。
次に、ガス送管34により、熱交換器12及び第1の貯水槽13で分離されたアンモニア及び二酸化炭素を含む臭気ガスを、第1の充填塔14に充填材26の下部、且つ、循環水タンク45の上方から供給する。そして、供給した臭気ガスは、充填材26を通過し、第1の充填塔14の上部に接続されたガス送管35から排出される。
ガス送管35から排出した臭気ガスは、第2の充填塔15に、充填材27の下部、且つ、循環水タンク44の上方から供給される。そして、供給した臭気ガスは、充填材27を通過し、第2の充填塔15の上部に接続されたガス送管36から排出される。
ガス送管36から排出した臭気ガスは、第3の充填塔16に、充填材28の下部、且つ、循環水タンク43の上方から供給される。そして、供給した臭気ガスは、充填材28を通過し、第3の充填塔16の上部に接続された排気管42から大気中に排出される。
ガス送管35から排出した臭気ガスは、第2の充填塔15に、充填材27の下部、且つ、循環水タンク44の上方から供給される。そして、供給した臭気ガスは、充填材27を通過し、第2の充填塔15の上部に接続されたガス送管36から排出される。
ガス送管36から排出した臭気ガスは、第3の充填塔16に、充填材28の下部、且つ、循環水タンク43の上方から供給される。そして、供給した臭気ガスは、充填材28を通過し、第3の充填塔16の上部に接続された排気管42から大気中に排出される。
また、第1の貯水槽13で回収した凝縮水は、ポンプ19を介して配管38により第3の充填塔16の充填材28の上部に配置されたスプレイノズル20に供給される。そして、スプレイノズル20に供給された凝縮水を、充填材28の上部から下方に向けて噴射する。また、スプレイノズル20から噴射された凝縮水が、循環水タンク43内に蓄えられる。そして、ポンプ19を駆動することにより、循環水タンク43内に蓄えられた凝縮水が循環パイプ46から配管38に供給され、再びスプレイノズル20から第3の充填塔16に噴射される。このように、第1の貯水槽13から第3の充填塔16に供給された凝縮水は、第3の充填塔16内を循環する。
また、スプレイノズル20で凝縮水を噴射することにより、充填材28にほぼ均一に凝縮水を供給することができる。
また、スプレイノズル20で凝縮水を噴射することにより、充填材28にほぼ均一に凝縮水を供給することができる。
また、循環水タンク43に蓄えられた凝縮水は、第3の充填塔16の下部に接続された配管39から排出される。そして、配管39から排出された凝縮水を、ポンプ21を介して第2の充填塔15の充填材27の上部に配置されたスプレイノズル22に供給する。このスプレイノズル22に供給された凝縮水は、充填材27の上部から下方に向けて噴射する。また、スプレイノズル22から噴射された凝縮水が、循環水タンク44内に蓄えられる。そして、ポンプ21を駆動することにより、循環水タンク44内に蓄えられた凝縮水が循環パイプ47から配管39に供給され、再びスプレイノズル22から第2の充填塔15に噴射される。このように、第3の充填塔16から供給された凝縮水は、循環水タンク44、循環パイプ47、配管39、及び、スプレイノズル22によって第2の充填塔15内を循環する。
また、循環水タンク44に蓄えられた凝縮水は、第2の充填塔15の下部に接続された配管40から排出される。そして、配管40から排出された凝縮水を、ポンプ23を介して第1の充填塔14の充填材26の上部に配置されたスプレイノズル24に供給する。このスプレイノズル24に供給された凝縮水は、充填材26の上部から下方に向けて噴射する。また、スプレイノズル24から噴射された凝縮水が、循環水タンク45内に蓄えられる。そして、ポンプ23を駆動することにより、循環水タンク45内に蓄えられた凝縮水が循環パイプ48から配管40に供給され、再びスプレイノズル20から第2の充填塔15に噴射される。このように、第2の充填塔15から供給された凝縮水は、循環水タンク45、循環パイプ48、配管40、及び、スプレイノズル24によって第1の充填塔14内を循環する。
スプレイノズル24から噴射され、循環水タンク45に蓄えられた凝縮水は、第1の充填塔14の下部において、循環水タンク45の上部に接続されたオーバーフロー配管41からオーバーフローにより排出される。そして、オーバーフロー配管41から排出される凝縮水を、第2の貯水槽17で回収する。
上述のように、臭気ガスを充填塔の下部から供給し、凝縮水を充填塔のスプレイノズルから供給することにより、充填塔内で臭気ガスと凝縮水が接触する。また、充填塔には充填材が設けられているため、この充填材により、臭気ガスと凝縮水との接触面積が大きくなり、気液接触の効率が向上し、臭気ガスに含まれるアンモニア及び二酸化炭素を効率的に、凝縮水に溶解させることができる。
第1の充填塔14の下部にガス送管34通じて供給される臭気ガスは、堆肥化装置11から排気された臭気ガスと、ほぼ同じ濃度のアンモニアと二酸化炭素を含む。このガス送管34から供給される臭気ガスのアンモニア及び二酸化炭素を、スプレイノズル24から供給される凝縮水で吸収する。スプレイノズル24から供給される凝縮水は、第3の充填塔16及び第2の充填塔15において臭気ガスとの接触している。このため、凝縮水中には、既にアンモニア及び二酸化炭素が溶解している。
第1の充填塔14に供給された臭気ガスは、上述のスプレイノズル24から供給される凝縮水と接触することにより、アンモニア及び二酸化炭素が凝縮水中に溶解する。このため、第1の充填塔14の上部から、ガス送管35により排出される臭気ガスは、ガス送管34内の臭気ガスよりも、臭気成分であるアンモニアの濃度が低下している。
また、スプレイノズル24から供給される凝縮水は、第1の充填塔14内で臭気ガスと接触することにより、アンモニア及び二酸化炭素を溶解する。そして、循環水タンク45に蓄えられた後、循環パイプ48、配管40から再び第1の充填塔14内に供給されることにより、凝縮水中に溶解するアンモニア及び二酸化炭素を濃縮することができる。このため、第1の充填塔14の下部からオーバーフロー配管41により排出される凝縮水は、第2の充填塔15から供給される凝縮水よりも、多くのアンモニア及び二酸化炭素が溶解している。
また、スプレイノズル24から供給される凝縮水は、第1の充填塔14内で臭気ガスと接触することにより、アンモニア及び二酸化炭素を溶解する。そして、循環水タンク45に蓄えられた後、循環パイプ48、配管40から再び第1の充填塔14内に供給されることにより、凝縮水中に溶解するアンモニア及び二酸化炭素を濃縮することができる。このため、第1の充填塔14の下部からオーバーフロー配管41により排出される凝縮水は、第2の充填塔15から供給される凝縮水よりも、多くのアンモニア及び二酸化炭素が溶解している。
また、上述の第1の充填塔14と同様に、第2の充填塔15において、第2の充填塔15の下部から供給される臭気ガスと、スプレイノズル22から供給される凝縮水とが接触する。このため、第2の充填塔15からガス送管36により排出される臭気ガスは、ガス送管35により供給される臭気ガスよりも、臭気成分であるアンモニアの濃度が低下している。また、第2の充填塔15から、配管40により排出される凝縮水は、循環水タンク44に蓄えられた後、循環パイプ47、配管39から再び第2の充填塔15内に供給されることにより、凝縮水中に溶解するアンモニア及び二酸化炭素を濃縮することができる。このため、第3の充填塔16から供給される凝縮水よりも、多くのアンモニア及び二酸化炭素が溶解している。
また、第3の充填塔16において、第3の充填塔16の下部から供給される臭気ガスと、スプレイノズル20から供給される凝縮水とが接触する。このスプレイノズル20から供給される凝縮水は、第1の貯水槽13において曝気された凝縮水である。このため、この凝縮水には、ほとんどアンモニアが溶解していない。そして、スプレイノズル20から供給される凝縮水が、第3の充填塔16内でガス送管36から供給される臭気ガスと接触し、臭気ガスに含まれる、アンモニア及び二酸化炭素が凝縮水に溶解する。さらに、循環水タンク43に蓄えられた後、循環パイプ46、配管38から再び第3の充填塔16内に供給されることにより、凝縮水中に溶解するアンモニア及び二酸化炭素を濃縮する。このため、第3の充填塔16の下部から配管39により排出される凝縮水は、第1の貯水槽13から供給される凝縮水よりも、多くのアンモニア及び二酸化炭素が溶解している。
また、第3の充填塔16から排気管42により排出される気体は、気液接触により臭気ガスに含まれる臭気成分であるアンモニアが凝縮水に溶解したことにより、臭気成分の濃度が充分に低下している。
また、第3の充填塔16から排気管42により排出される気体は、気液接触により臭気ガスに含まれる臭気成分であるアンモニアが凝縮水に溶解したことにより、臭気成分の濃度が充分に低下している。
また、第1の充填塔14の下部に設置された循環水タンク45の上部から、オーバーフロー配管41によって第2の貯水槽17が接続されている。そして、第1の充填塔14内でアンモニア及び二酸化炭素を高濃度で溶解した凝縮水が、第1の充填塔14の下部からオーバーフロー配管41から排出されて、第2の貯水槽17に回収される。第2の貯水槽17に回収された凝縮水は、高濃度の炭酸アンモニウム溶液である。また、この凝縮水には、臭気ガスに含まれていたアンモニア、二酸化炭素、及び、アンモニウムイオン、炭酸イオンが溶解している。
このように、第1の充填塔14から第3の充填塔16を用いて、臭気ガスと凝縮水とを多段階式に向流接触させることにより、臭気ガスに含まれるアンモニアを凝縮水により吸収することができる。この結果、脱臭装置10からの排気には、臭気成分の主成分であるアンモニアがほとんど含まれないため、堆肥化装置から発生する高濃度の臭気成分を含む臭気ガスを脱臭することができる。
堆肥化装置11から排出される臭気ガスには、臭気成分の主成分としてアンモニアを含む。また、堆肥化装置11から排出される排気には、アンモニアの約10倍程度の二酸化炭素が含まれる。
通常、水にアンモニアのみを溶解した場合には、アンモニアの溶解度以上には溶解しない。しかし、臭気ガスには、アンモニアの10倍程度の二酸化炭素が含まれているため、臭気ガスに含まれるアンモニアは、水に溶解することにより、水酸化アンモニウム(アンモニウムイオン)となる。また、二酸化炭素は、水に溶解することにより、溶解した二酸化炭素の一部が炭酸(炭酸イオン)となる。そして、アンモニアと二酸化炭素とを水に溶解させることで、水酸化アンモニウムと炭酸とによる、酸と塩基の中和反応が起こり、炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニウム、及び、その類似塩が生成する。
このように、水に溶解したアンモニアが、水酸化アンモニウムを経て炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニウム、及び、その類似塩となることにより、水中のアンモニア濃度が低下する。そして、水中のアンモニア濃度が低下した分、臭気ガス中のアンモニアが水に溶解することができる。
また、二酸化炭素も同様に、炭酸を経て炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニウムとなることにより、水中の炭酸濃度が低下する。そして、水中の炭酸濃度が低下した分、臭気ガス中の二酸化炭素が水に溶解することができる。また、臭気ガスには、二酸化炭素がアンモニアの約10の濃度で存在するため、臭気ガス中のアンモニアは、二酸化炭素に対してガス中及び水中での余剰分が発生しない。
このように、アンモニア、二酸化炭素の水への溶解と、炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニウムの発生が連続して起こることにより、臭気ガス中のアンモニアを水に効率的に溶解することができる。
このように、臭気ガスに含まれる二酸化炭素をアンモニアと同時に、充填塔において水に溶解させることで、アンモニアの水への溶解度以上に、アンモニアを溶解させ、回収することができる。
また、二酸化炭素も同様に、炭酸を経て炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニウムとなることにより、水中の炭酸濃度が低下する。そして、水中の炭酸濃度が低下した分、臭気ガス中の二酸化炭素が水に溶解することができる。また、臭気ガスには、二酸化炭素がアンモニアの約10の濃度で存在するため、臭気ガス中のアンモニアは、二酸化炭素に対してガス中及び水中での余剰分が発生しない。
このように、アンモニア、二酸化炭素の水への溶解と、炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニウムの発生が連続して起こることにより、臭気ガス中のアンモニアを水に効率的に溶解することができる。
このように、臭気ガスに含まれる二酸化炭素をアンモニアと同時に、充填塔において水に溶解させることで、アンモニアの水への溶解度以上に、アンモニアを溶解させ、回収することができる。
また、堆肥化装置から排出される臭気ガスの臭気成分として、例えば、硫化水素、メチルメルカプタン等の硫黄化合物臭気成分や、有機酸等の臭気成分を含有している場合にも、凝縮水に溶解したアンモニアとの中和反応により、効率的に回収することができる。このため、臭気ガスが硫黄化合物臭気成分及び有機酸等の臭気成分を含んでいた場合にも、脱臭することが可能である。
なお、上述の実施の形態において、脱臭装置から排気されるアンモニア濃度を充分に低下させるため、脱臭装置を構成するための充填塔の数及び充填塔の構成を、臭気ガス中のアンモニア濃度や二酸化炭素濃度に応じて変更することが可能である。
例えば、充填塔の充填剤の材料や比表面積又は充填率を変化させることや、充填塔の数を変更することが可能である。また、充填塔での凝縮水と臭気ガスとの気液接触は、並流接触又は向流接触のいずれの構成でもよい。このように、脱臭装置の構成を必要に応じて変更することにより、凝縮水によるアンモニア及び二酸化炭素の吸収を最適化し、脱臭装置から排気されるアンモニア濃度を充分に低下させることが可能である。
例えば、充填塔の充填剤の材料や比表面積又は充填率を変化させることや、充填塔の数を変更することが可能である。また、充填塔での凝縮水と臭気ガスとの気液接触は、並流接触又は向流接触のいずれの構成でもよい。このように、脱臭装置の構成を必要に応じて変更することにより、凝縮水によるアンモニア及び二酸化炭素の吸収を最適化し、脱臭装置から排気されるアンモニア濃度を充分に低下させることが可能である。
また、循環水タンク43,44,45内に蓄えられた凝縮水内に、マイクロバブル又はエアーストーンにより二酸化炭素を供給してもよい。循環水タンク43,44,45内に蓄えられた凝縮水中にマイクロバブル又はエアーストーンにより二酸化炭素を溶解させることにより、凝縮水の二酸化炭素濃度を高めることができる。このため、充填塔内でのアンモニアとの気液接触による、アンモニアの凝縮水への溶解を効率よく行うことができる。
上述の循環水タンク43,44,45内への二酸化炭素の供給は、例えば、堆肥化装置11からの排気に含まれる二酸化炭素を供給することができる。また、外部から循環水タンク43,44,45内に、二酸化炭素ボンベ、また、二酸化炭素を排出するボイラーやエンジン等を接続することにより、二酸化炭素を供給することができる。
上述の循環水タンク43,44,45内への二酸化炭素の供給は、例えば、堆肥化装置11からの排気に含まれる二酸化炭素を供給することができる。また、外部から循環水タンク43,44,45内に、二酸化炭素ボンベ、また、二酸化炭素を排出するボイラーやエンジン等を接続することにより、二酸化炭素を供給することができる。
以下、実験例により本発明を具体的に説明する。
実験に用いた脱臭装置を図2に示す。図2に示す脱臭装置50は、アンモニアボンベ59、二酸化炭素ボンベ61、第1の充填塔62、第2の充填塔63、及び、循環水タンク64を備える。
実験に用いた脱臭装置を図2に示す。図2に示す脱臭装置50は、アンモニアボンベ59、二酸化炭素ボンベ61、第1の充填塔62、第2の充填塔63、及び、循環水タンク64を備える。
アンモニアボンベ59からアンモニアガスを脱臭装置50に供給し、また、二酸化炭素ボンベ61から二酸化炭素ガスを脱臭装置50に供給することで、擬似的に堆肥化装置として用いた。アンモニアボンベ59から供給されたアンモニアガスと、二酸化炭素ボンベ61から供給された二酸化炭素ガスは、送管52内で混合され、第1の充填塔62に上部から供給される。
第1の充填塔62は、内部に充填材67を備える。また、充填材67の上部にスプレイノズル65を備える。
第1の充填塔62は、充填材67の上部に設けられたガス送管52からアンモニアを含む気体が供給され、同じく充填材67の上部に設けられたスプレイノズル65から循環水が供給される並流接触型の充填塔である。充填材67として、裁断した不織布を塔内に充填した。
第1の充填塔62は、充填材67の上部に設けられたガス送管52からアンモニアを含む気体が供給され、同じく充填材67の上部に設けられたスプレイノズル65から循環水が供給される並流接触型の充填塔である。充填材67として、裁断した不織布を塔内に充填した。
また、第1の充填塔62の充填材67の下部には、ガス送管53と配管54が接続されている。ガス送管53は、第1の充填塔62の下部から第2の充填塔63の上部に接続される。また、第1の充填塔62の上部から供給されて充填材67を通過した気体が、ガス送管53を通り第2の充填塔63の上部に供給される。配管54は、第1の充填塔62の下部から循環水タンク64に接続される。また、スプレイノズル65から供給された循環水が第1の充填塔62の下部から配管54を通り、循環水タンク64に回収される。
第2の充填塔63は、内部に充填材68を備える。また、充填材68の上部にスプレイノズル66を備える。
第2の充填塔63は、充填材68の上部に設けられたガス送管53から、第1の充填塔62から排出されたアンモニアを含む気体が供給され、同じく充填材68の上部に設けられたスプレイノズル66から循環水が供給される並流接触型の充填塔である。
充填材68として、裁断した不織布を塔内に充填した。
また、第2の充填塔63の下部には、配管55が接続されている。配管55は、第2の充填塔63の下部から循環水タンク64に接続される。また、第2の充填塔63の上部から供給された気体と循環水とが配管55を通り、循環水タンク64で回収される。
第2の充填塔63は、充填材68の上部に設けられたガス送管53から、第1の充填塔62から排出されたアンモニアを含む気体が供給され、同じく充填材68の上部に設けられたスプレイノズル66から循環水が供給される並流接触型の充填塔である。
充填材68として、裁断した不織布を塔内に充填した。
また、第2の充填塔63の下部には、配管55が接続されている。配管55は、第2の充填塔63の下部から循環水タンク64に接続される。また、第2の充填塔63の上部から供給された気体と循環水とが配管55を通り、循環水タンク64で回収される。
循環水タンク64は、循環水が蓄えられている。
また、循環水タンク64には、配管57が接続されている。配管57は、ポンプ69を介して循環水を、第1の充填塔62の上部に配置されたスプレイノズル65に供給する。また、循環水タンク64には、配管58が接続されている。配管58は、ポンプ60を介して循環水を、第2の充填塔63の上部に配置されたスプレイノズル66に供給する。
また、循環水タンク64には、配管56が接続されている。配管56は、ブロア51を駆動することにより、第2の充填塔63の下部から配管55を通り循環水タンク64内に回収された気体が、循環水タンク64の外部に排出される。
また、循環水タンク64には、配管57が接続されている。配管57は、ポンプ69を介して循環水を、第1の充填塔62の上部に配置されたスプレイノズル65に供給する。また、循環水タンク64には、配管58が接続されている。配管58は、ポンプ60を介して循環水を、第2の充填塔63の上部に配置されたスプレイノズル66に供給する。
また、循環水タンク64には、配管56が接続されている。配管56は、ブロア51を駆動することにより、第2の充填塔63の下部から配管55を通り循環水タンク64内に回収された気体が、循環水タンク64の外部に排出される。
まず、一般的に使用されている堆肥化装置から排出された臭気ガスに含まれるアンモニアの濃度及び二酸化炭素の濃度を測定した結果を図3A,Bに示す。図3Aは、時間(h)毎の堆肥化装置から排出される臭気ガスのアンモニア濃度(ppm)、及び、臭気ガスが排出される配管の温度(℃)を示すグラフである。また、図3Bは、時間(h)毎の堆肥化装置から排出される臭気ガスの二酸化炭素濃度(ppm)、及び、臭気ガスが排出される配管の温度(℃)の関係を示すグラフである。
図3Aに示すように、堆肥化装置から排出された臭気ガスに含まれるアンモニアは、測定開始時の1000ppm付近から、時間経過と共に上昇し、2000ppm付近の濃度で安定した。また、図3Bに示すように、堆肥化装置から排出された臭気ガスに含まれる二酸化炭素は、10000ppm付近から20000ppm付近まで間の濃度を推移した。この結果から、堆肥化装置からはアンモニアの約10倍の濃度の二酸化炭素が排出されていることがわかった。
また、堆肥化装置から排出された臭気ガスの温度は、測定開始時には40℃程度であるが、時間経過と共に上昇し、50℃から60℃の間で安定した。
また、堆肥化装置から排出された臭気ガスの温度は、測定開始時には40℃程度であるが、時間経過と共に上昇し、50℃から60℃の間で安定した。
次に、図2に示した脱臭装置50を用いて、アンモニアを含む臭気ガスを循環水により吸収する実験を行った。この実験の結果を図4及び図5に示す。
この実験では、脱臭装置として、第1の充填塔62及び第2充填塔63の直径が150mm、各充填塔62,63の充填材67,68として、2cm×2cm×120cmの大きさに裁断した不織布を塔内に充填した。また、循環水タンク64には50Lの循環水を準備した。
各充填塔62,63のスプレイノズル65,66からの循環水の散布は、毎分4.5Lで行った。
また、第1の充填塔62に供給されるアンモニア濃度が平均2000ppmとなるように、アンモニアボンベ59からのアンモニアの流量を設定した。さらに、二酸化炭素ボンベ61の流量を、アンモニアボンベ59からのアンモニアの流量の10倍となるように設定した。これにより、擬似的に堆肥化装置から排出される臭気ガスを作製した。二酸化炭素ボンベ61より、アンモニアの10倍程度の濃度となるように二酸化炭素を供給した。
なお、アンモニア濃度及び二酸化炭素濃度は、上述の図2に示した脱臭装置50の測定箇所において検知管を用いて測定した。
この実験では、脱臭装置として、第1の充填塔62及び第2充填塔63の直径が150mm、各充填塔62,63の充填材67,68として、2cm×2cm×120cmの大きさに裁断した不織布を塔内に充填した。また、循環水タンク64には50Lの循環水を準備した。
各充填塔62,63のスプレイノズル65,66からの循環水の散布は、毎分4.5Lで行った。
また、第1の充填塔62に供給されるアンモニア濃度が平均2000ppmとなるように、アンモニアボンベ59からのアンモニアの流量を設定した。さらに、二酸化炭素ボンベ61の流量を、アンモニアボンベ59からのアンモニアの流量の10倍となるように設定した。これにより、擬似的に堆肥化装置から排出される臭気ガスを作製した。二酸化炭素ボンベ61より、アンモニアの10倍程度の濃度となるように二酸化炭素を供給した。
なお、アンモニア濃度及び二酸化炭素濃度は、上述の図2に示した脱臭装置50の測定箇所において検知管を用いて測定した。
図4Aは、時間(h)毎の脱臭装置からの排気中に含まれるアンモニア濃度(ppm)を示すグラフである。また、図4Bは、時間(h)毎の循環水中の窒素含有量(ppm)及びpHを示すグラフである。
図4Aに示すように、配管56から排気されるアンモニアの濃度は、実験開始直後は、200ppm程度であるが、時間経過と共に1000〜1400ppmまで上昇している。
また、図4Bに示す結果からわかるように、実験開始直後の循環水中の窒素含有量は500〜1000ppm程度であるが、実験開始後から循環水中の窒素含有量が除々に上昇し、12時間経過後には4000ppm以上まで上昇した。
また、図4Bに示すように、二酸化炭素を供給したことにより、循環水に溶解したアンモニアと二酸化炭素が反応して炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニウムが発生し、循環水のpHが下降した。
また、図4Bに示すように、二酸化炭素を供給したことにより、循環水に溶解したアンモニアと二酸化炭素が反応して炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニウムが発生し、循環水のpHが下降した。
次に、上述の実験を入気のアンモニア濃度と排気のアンモニア濃度が同じになるまで継続した結果を図5A,Bに示す。
図5Aは、時間(h)毎の脱臭装置に供給される臭気ガス中のアンモニア濃度(ppm)及び排気中に含まれるアンモニアの濃度(ppm)を示すグラフである。また、図5Bは、時間(h)毎の循環水中の窒素含有量(ppm)及びpHを示すグラフである。
図5Aは、時間(h)毎の脱臭装置に供給される臭気ガス中のアンモニア濃度(ppm)及び排気中に含まれるアンモニアの濃度(ppm)を示すグラフである。また、図5Bは、時間(h)毎の循環水中の窒素含有量(ppm)及びpHを示すグラフである。
図5Aに示すように、脱臭装置50に入気される臭気ガスのアンモニア濃度と、脱臭装置50からの排気中のアンモニアの濃度とが、時間経過により1500ppm程度で同じになった。図5Bに示すように脱臭装置50に入気される臭気ガスと、脱臭装置50からの排気に含まれるアンモニア濃度が同じになったときの循環水中の窒素含有量は、8000ppm程度まで上昇した。
上述の図4B及び図5Bより、充填塔を用いてアンモニア濃度の10倍程度の濃度の二酸化炭素が臭気ガス中のアンモニアと反応することで、最大8000ppm程度まで循環水中の窒素含有量を上昇させることができるという結果が得られた。
次に、上述の図2に示した脱臭装置50で、アンモニアのみを用いて循環水への溶解を行った場合の結果を図6A,Bに示す。
この実験では、第1の充填塔62に供給されるアンモニア濃度が平均1500ppmとなるように、アンモニアボンベ59からのアンモニアの流量を設定した。また、二酸化炭素ボンベ61からの二酸化炭素の供給を行わなかった。これらの条件以外は、上述のアンモニアを循環水により吸収する実験と同じ条件で行った。
図6Aは、時間(h)毎の第2の充填塔63へ供給される臭気ガスに含まれるアンモニア濃度(ppm)及びpHを測定したグラフである。また、図6Bは、時間(h)毎の図2に示した脱臭装置50の第2の充填塔63から排出される循環水の窒素含有量(ppm)を示すグラフである。
この実験では、第1の充填塔62に供給されるアンモニア濃度が平均1500ppmとなるように、アンモニアボンベ59からのアンモニアの流量を設定した。また、二酸化炭素ボンベ61からの二酸化炭素の供給を行わなかった。これらの条件以外は、上述のアンモニアを循環水により吸収する実験と同じ条件で行った。
図6Aは、時間(h)毎の第2の充填塔63へ供給される臭気ガスに含まれるアンモニア濃度(ppm)及びpHを測定したグラフである。また、図6Bは、時間(h)毎の図2に示した脱臭装置50の第2の充填塔63から排出される循環水の窒素含有量(ppm)を示すグラフである。
図6Aに示すように、実験の開始直後は、第2の充填塔63へ供給される臭気ガスに含まれるアンモニア濃度に対し、第2の充填塔63から排出される臭気ガスに含まれるアンモニア濃度に大きな差がある。しかし、第2の充填塔63に供給される臭気ガスに含まれるアンモニア濃度がほぼ同じ値となった。
実験開始直後は、第1の充填塔62内で循環水と臭気ガスとが接触することにより、アンモニアが循環水中に溶解し、循環水中のpHが上昇し続けアンモニアが飽和状態となったため、循環水と臭気ガスとが接触した場合にも、アンモニアが循環水中に溶解せず、臭気ガスに含まれるアンモニアの量が減らなかったと考えられる。
また、図6Bに示すように、循環水中の窒素含有量は、実験開始直後は、第1の充填塔62及び第2の充填塔63共に上昇する。循環水中のアンモニアが飽和状態となったことを意味していると考えられる。
なお、図5Bに示すように、第1の充填塔62及び第2の充填塔63から排出される循環水の窒素含有量は、1400ppm程度が上限である。
実験開始直後は、第1の充填塔62内で循環水と臭気ガスとが接触することにより、アンモニアが循環水中に溶解し、循環水中のpHが上昇し続けアンモニアが飽和状態となったため、循環水と臭気ガスとが接触した場合にも、アンモニアが循環水中に溶解せず、臭気ガスに含まれるアンモニアの量が減らなかったと考えられる。
また、図6Bに示すように、循環水中の窒素含有量は、実験開始直後は、第1の充填塔62及び第2の充填塔63共に上昇する。循環水中のアンモニアが飽和状態となったことを意味していると考えられる。
なお、図5Bに示すように、第1の充填塔62及び第2の充填塔63から排出される循環水の窒素含有量は、1400ppm程度が上限である。
上述の実験結果から、アンモニアの吸収に二酸化炭素を用いることにより、効率的にアンモニアを水で回収することができることがわかる。
二酸化炭素を用いずに、アンモニアのみを水で回収した場合には、実験開始から8時間程度で飽和し、循環水中の窒素濃度が1400ppm程度で上限となった。これに対し、アンモニアの10倍程度の濃度の二酸化炭素を用いることにより、循環水中の窒素濃度を8000ppm以上にすることができた。また、脱臭装置から排出される排気に含まれるアンモニア濃度を400ppm程度まで低下させることができる。従って、脱臭装置から排出される排気には臭気成分の主成分であるアンモニアをほとんど除去することができ、臭気ガスを脱臭することができた。
二酸化炭素を用いずに、アンモニアのみを水で回収した場合には、実験開始から8時間程度で飽和し、循環水中の窒素濃度が1400ppm程度で上限となった。これに対し、アンモニアの10倍程度の濃度の二酸化炭素を用いることにより、循環水中の窒素濃度を8000ppm以上にすることができた。また、脱臭装置から排出される排気に含まれるアンモニア濃度を400ppm程度まで低下させることができる。従って、脱臭装置から排出される排気には臭気成分の主成分であるアンモニアをほとんど除去することができ、臭気ガスを脱臭することができた。
本発明は、上述の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
10,50 脱臭装置、11 堆肥化装置、12 熱交換器、13 第1の貯水槽、14,62 第1の充填塔、15,63 第2の充填塔、16 第3の充填塔、17 第2の貯水槽、18,25,51 ブロア、19,21,23,60,69 ポンプ、20,22,24,65,66 スプレイノズル、26,27,28,67,68 充填材、31,33,34,35,36,52,53 ガス送管、32,38,39,40,54,55,56,57,58 配管、41 オーバーフロー配管、42 排気管、43,44,45 循環水タンク、46、47,48 循環パイプ、59 アンモニアボンベ、61 二酸化炭素ボンベ
Claims (4)
- アンモニア及び二酸化炭素を含む臭気ガスと水分とが排出される堆肥化装置と、
前記堆肥化装置からの排気を冷却して前記水分を凝縮させる熱交換器と、
前記熱交換器で凝縮された水と、前記臭気ガスとを接触させる充填塔とを備える
ことを特徴とする脱臭装置。 - 前記堆肥化装置が縦型急速発酵装置であることを特徴とする請求項1に記載の脱臭装置。
- 前記充填塔の充填剤が裁断された不織布であることを特徴とする請求項1に記載の脱臭装置。
- 堆肥化装置から排出される、アンモニアと二酸化炭素とが含まれる臭気ガス及び水分を含む排気を、熱交換器で冷却して前記水分を凝縮させて前記排気を前記臭気ガスと凝縮水とに分離し、この分離した前記臭気ガスと前記凝縮水とを充填塔で接触させることを特徴とする脱臭方法。
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2008
- 2008-12-04 JP JP2008310148A patent/JP2009154151A/ja active Pending
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