JP2009150815A - 角速度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 マス部の励振方向の励振が検出手段の検出結果に影響を及ぼすのを抑制する技術を提供すること。
【解決手段】 角速度センサ100のビーム70a,70b,70c,70dは、検出方向(y軸方向)よりも励振方向(x軸方向)にバネ定数が小さいフォールディッド型ビーム73と、励振方向(x軸方向)よりも検出方向(y軸方向)にバネ定数が小さいストレート型ビーム75を有している。フォールディッド型ビーム73は、ストレート型ビーム75よりもマス部40側に配置されている。検出手段60は、フォールディッド型ビーム73よりも反マス部40側のビーム70bに設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コリオリ力を利用する角速度センサに関する。
一般的に、コリオリ力を利用する角速度センサは、基板と、マス部と、マス部を励振方向に励振させる励振手段と、一端がマス部に連結しているとともに他端が基板に固定されているビームと、マス部の振動を検出する検出手段とを備えている。ビームは、励振方向と検出方向の双方に弾性変形が可能であり、マス部が励振方向と検出方向の双方に変位可能となるようにマス部を支持している。
励振手段は、櫛歯電極で構成されていることが多い。櫛歯電極は、マス部側に設けられている可動電極と、基板側に設けられている固定電極とを備えている。この櫛歯電極に交流電圧を印加すると、マス部側の可動電極と基板側の固定電極の間に静電引力が発生し、マス部を励振方向に励振させることができる。
検出手段は、マス部側に設けられている平板電極と基板側に設けられている平板電極で構成されたコンデンサであることが多い。マス部側の平板電極と基板側の平板電極は、検出方向に対向している。
この種の角速度センサでは、マス部を励振方向に励振させているときに、マス部に角速度が加わると、マス部の励振方向と角速度の回転軸方向の両方に直交する方向(検出方向)にコリオリ力が発生し、マス部が検出方向に振動する。マス部が検出方向に振動すると、検出手段のコンデンサを構成しているマス部側の平板電極と基板側の平板電極の間の距離が変動し、コンデンサの静電容量が変動する。角速度センサは、この静電容量の変動からマス部の検出方向の振動を検出し、その検出結果から角速度センサに加わった角速度を換算する。この種の角速度センサは、特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特開平10−170276号公報 特開2005−292125号公報
上記したように、この種の角速度センサでは、検出手段がマス部に対して直接的に設けられているのが一般的である。このため、マス部を励振方向に励振すると、マス部の励振によって検出手段の平板電極間の対向面積が変動する等の不具合が発生し、大きな検出誤差の原因になってしまう。一般的に、マス部を励振方向に励振する振幅の大きさは、マス部がコリオリ力によって検出方向に振動する振幅よりも圧倒的に大きい。このため、検出手段がマス部に対して直接的に設けられていると、マス部の励振方向の励振が検出手段の検出結果に悪影響を及ぼしてしまう。
本発明は、マス部の励振方向の励振が検出手段の検出結果に影響を及ぼすのを抑制する技術を提供することを目的としている。
本明細書で開示される技術は、検出手段がビームに設けられていることを特徴としている。マス部がコリオリ力によって検出方向に振動するときは、ビームもまた検出方向に振動している。したがって、ビームの検出方向の振動を検出すれば、マス部の検出方向の振動を間接的に検出することができる。さらに、本明細書で開示される技術では、ビームが、バネ定数の異なる複数の部分に区画されていることを特徴としている。本明細書で開示される技術では、ビームは、検出方向よりも励振方向にバネ定数が小さい第1部分と、励振方向よりも検出方向にバネ定数が小さい第2部分を有している。さらに、第1部分が第2部分よりもマス部側に配置されており、検出手段がその第1部分よりも反マス部側のビームに設けられていることを特徴としている。このようなビームによると、マス部が励振方向に励振したときに、第1部分が優先的に励振方向に弾性変形する。このため、第1部分よりも反マス部側のビームでは、マス部の励振振幅の影響が低減されており、第1部分よりも反マス部側のビームは、安定した状態を保つことができる。したがって、第1部分よりも反マス部側のビームに設けられている検出手段は、マス部の励振振幅の影響が低減された状態で検出動作を行うことができる。また、マス部がコリオリ力によって検出方向に振動したときは、第2部分が優先的に検出方向に弾性変形する。このため、マス部がコリオリ力によって検出方向に振動したときは、ビーム全体が検出方向に沿って振動することができる。この結果、ビームに設けられている検出手段は、ビームの検出方向の振動を検出することができ、ひいてはマス部の検出方向の振動を間接的に検出することができる。このようなビームと検出手段の配置を採用することによって、角速度センサに加わる角速度を正確に検出することができる。
即ち、本明細書で開示される角速度センサは、基板と、マス部と、マス部を励振方向に励振させる励振手段と、一端がマス部に連結しているとともに他端が基板に固定されており、少なくとも励振方向と励振方向に直交する第1検出方向とに変位可能にマス部を支持しているビームと、ビームに設けられているとともに第1検出方向のビームの変位を検出する第1検出手段とを備えている。本明細書で開示される角速度センサでは、ビームが、第1検出方向よりも励振方向にバネ定数が小さい第1部分と、励振方向よりも第1検出方向にバネ定数が小さい第2部分を有していることを特徴としている。さらに、第1部分が第2部分よりもマス部側に配置されており、第1検出手段が第1部分よりも反マス部側のビームに設けられていることを特徴としている。なお、ここでいう第1検出方向は、基板に対して平行な方向でもよく、基板に対して垂直な方向でもよい。
本明細書で開示される角速度センサでは、励振方向と第1検出方向が、基板の表面に対して平行であることが好ましい。
この角速度センサによると、第1検出手段は、基板の表面に対して垂直方向を回転軸方向とする角速度を検出することができる。
励振方向と第1検出方向が基板の表面に対して平行である場合、本明細書で開示される角速度センサでは、第1部分が第1検出方向に沿って往復する一対のビームを有するフォールディッド型ビームであり、第2部分が励振方向に沿って伸びているビームを有するストレート型ビームであることが好ましい。
フォールディッド型ビームでは、一対のビームが励振方向に弾性変形することができるとともに、第1検出方向の弾性変形が規制されている。ストレート型ビームでは、ビームが検出方向に弾性変形するとともに励振方向の弾性変形が規制されている。フォールディッド型ビームとストレート型ビームを組合せて用いると、本明細書で開示される技術を簡単に実現することができる。
励振方向と第1検出方向が基板の表面に対して平行である場合、本明細書で開示される角速度センサでは、基板の表面に対して垂直な第2検出方向のマス部の振動を直接的又は間接的に検出する第2検出手段をさらに備えていることが好ましい。
この角速度センサによると、第1検出手段が基板の表面に対して垂直方向を回転軸方向とする角速度を検出し、第2検出手段が基板の表面に対して平行方向を回転軸方向とする角速度を検出することができる。第1検出手段と第2検出手段の双方が設けられていると、1つの角速度センサで2軸の角速度を検出することができる。
第2検出手段は、第1アームと第2アームを有していても良い。第1アームは、マス部から基板の上方に向けて伸びているとともに、基板の一部の表面との間に間隙を形成する。第2アームは、基板からマス部の上方に向けて伸びているとともに、マス部の一部の表面との間に間隙を形成する。第1アームと基板の一部の表面は第1コンデンサを構成しており、第2アームとマス部の一部の表面は第2コンデンサを構成している。この第2検出手段によると、基板の表面の垂直方向にマス部が変位すると、第1コンデンサと第2コンデンサのうちの一方の間隙が拡大するとともに他方の間隙が縮小する。
この第2検出手段では、第2検出方向にマス部が変位したときに、第1コンデンサの間隙の距離が増大(又は減少)すると、第2コンデンサの間隙の距離が減少(又は増大)する。例えば、定常状態における第1コンデンサの対向面積及び距離と第2コンデンサの対向面積及び距離を一致させておくと、第2検出方向にマス部が変位したときに、第1コンデンサの静電容量の増大(又は減少)と第2コンデンサの静電容量の減少(又は増大)を一致させることができる。このため、第1コンデンサの静電容量の変動と第2コンデンサの静電容量の変動の差分を求めると、静電容量の変動を2倍の感度で検出することができる。
本明細書で開示される角速度センサでは、ビームの第1部分の第2検出方向のバネ定数がビームの第2部分の第2検出方向のバネ定数よりも大きく構成されていても良い。この場合、第2検出手段は、第1部分よりも反マス部側のビームに設けられていることが好ましい。
このようなビームによると、マス部が励振方向に励振したときは、第1部分が優先的に励振方向に弾性変形する。このため、第1部分よりも反マス部側のビームに設けられている第2検出手段は、マス部の励振振幅の影響が低減された状態で検出動作を行うことができる。一方、マス部がコリオリ力によって第2検出方向に振動したときは、第2部分が優先的に第2検出方向に弾性変形する。このため、マス部がコリオリ力によって第2検出方向に振動したときは、ビーム全体が第2検出方向に沿って振動することができる。この結果、第1部分よりも反マス部側のビームに設けられている第2検出手段は、ビームの第2検出方向の振動を検出することができ、ひいてはマス部の第2検出方向の振動を間接的に検出することができる。
第2検出手段が第1部分よりも反マス部側のビームに設けられている場合、第2検出手段は、第3アームと第4アームを有しているのが好ましい。第3アームは、第1部分よりも反マス部側のビームから基板の上方に向けて伸びているとともに、基板の一部の表面との間に間隙を形成する。第4アームは、基板から第1部分よりも反マス部側のビームの上方に向けて伸びているとともに、第1部分よりも反マス部側のビームの一部の表面との間に間隙を形成する。第3アームと前記基板の一部は第3コンデンサを構成しており、前記第4アームと前記第1部分よりも反マス部側のビームの一部は第4コンデンサを構成している。この第2検出手段によると、第2検出方向に第1部分よりも反マス部側のビームが変位すると、第3コンデンサと第4コンデンサのうちの一方の間隙が拡大するとともに他方の間隙が縮小する。
本明細書で開示される角速度センサでは、マス部とビームで決定される励振方向の励振共振周波数をfxとし、マス部とビームで決定される第1検出方向の共振周波数をfyとし、マス部とビームで決定される第2検出方向の共振周波数をfzとすると、fy<fx<fz又はfz<fx<fyの関係が成立していることが好ましい。
励振共振周波数fxに対して、コリオリ力が発生する方向の共振周波数fy及び共振周波数fzが不一致になっていると、角速度センサの応答性が向上する。上記態様では、共振周波数fy及び共振周波数fzの双方が励振共振周波数fxと不一致であり、2軸の角速度センサのいずれの方向においても応答性が向上する。さらに、共振周波数fyと共振周波数fzが励振共振周波数fxを間に挟んだ状態で設定されており、共振周波数fyと共振周波数fzもまた不一致となっている。このため、共振周波数fyに対応する第1検出方向の振動が共振周波数fzに対応する第1検出方向の振動に影響を及ぼすことも低減されており、極めて良好な特性の2軸の角速度センサが実現される。
本明細書で開示される角速度センサでは、励振共振周波数fxと共振周波数fyの差の絶対値をΔfxyとし、励振共振周波数fxと共振周波数fzの差の絶対値をΔfxzとすると、ΔfxyとΔfxzが略一致していることが好ましい。
この2軸の角速度センサによると、マス部の励振に対して双方の検出方向の振動が共通した影響を受けるので、2軸のそれぞれに設けられる容量検出回路の回路定数を同一にできる。
本明細書で開示される技術によると、マス部の検出方向の変位をビームの検出方向の変位から間接的に検出することができる。検出手段は、励振方向のバネ定数が小さい第1部分よりも反マス部側のビームに設けられているので、マス部の励振方向の励振振幅の影響が抑制された状態で、ビームの検出方向の振動を検出することができる。この結果、マス部に印加された角速度を正確に検出することができる。
本明細書で開示される技術の特徴を列記する。
(第1特徴) 検出手段には、コンデンサの静電容量の変動を検出するものの他に、磁界変化、光位相変化、光強度変化等を用いることができる。
(第2特徴) 共振周波数の関係は、fy<fx<fzであるのが好ましい。この場合、マス部と半導体下層の間でスティッキング現象が発生するのを防止するのに有効である。
(第3特徴) ビームは、第1部分(例えば、フォールディッド型ビーム)と第2部分(例えば、ストレート型ビーム)の間に、検出方向と励振方向のいずれにもバネ定数が大きい連結部分(例えば、ビーム連結部)を備えている。検出手段は、その連結部分に設けられている。
(第4特徴) 第3特徴において、基板と平行なy軸方向を検出方向とする検出手段が、連結部分に設けられている。
(第5特徴) 第3特徴において、基板と垂直なz軸方向を検出方向とする検出手段が、連結部分に設けられている。
(第1実施例)
図1〜図3に、角速度センサ100の形態を模式的に示す。図1は、角速度センサ100の平面図である。図2は、図1のII-II線に対応した角速度センサ100の断面図である。図3は、図1のIII-III線に対応した角速度センサ100の断面図である。図1〜図3に示すように、角速度センサ100は、SOI(Silicon on Insulator)基板を利用して形成されている。SOI基板は、半導体下層10と絶縁層20と半導体上層30が積層した構造を有している。半導体下層10には単結晶シリコンが用いられており、絶縁層20には酸化シリコンが用いられており、半導体上層30には単結晶シリコンが用いられている。半導体上層30には不純物が高濃度に含まれており、半導体上層30は導電性を有している。後述するように、角速度センサ100は、エッチング技術を利用して、絶縁層20と半導体上層30の一部を除去することによって形成されている。
図1に示すように、角速度センサ100は、半導体下層10と、マス部40と、マス部40を励振方向(x軸方向)に励振させる励振手段50aと、マス部40を変位可能に支持している複数のビーム70a,70b,70c,70dと、ビーム70bに設けられている検出手段60とを備えている。角速度センサ100は、コリオリ力を利用して角速度を検出するタイプである。即ち、角速度センサ100は、励振手段50aを利用してマス部40を励振方向(x軸方向)に励振させ、そのときに半導体下層10の表面に対して垂直方向を回転軸方向(z軸方向)とする角速度がマス部40に加わると、マス部40の励振方向(x軸方向)と角速度の回転軸方向(z軸方向)の両方に直交する検出方向(y軸方向)にコリオリ力が発生する現象を利用する。角速度センサ100は、コリオリ力によるマス部40の検出方向(y軸方向)の振動を検出することによって、その検出結果から角速度センサ100に加わった角速度を換算する。
以下、図面を参照して角速度センサ100の各構成を詳細に説明する。
図2に示すように、マス部40と半導体下層10の間の絶縁層20は除去されており、マス部40は半導体下層10上にフローティング状態で支持されている。マス部40は、半導体上層30の一部を利用して形成されている。
図1に示すように、励振手段50aは、マス部40の一側面に設けられている。図4に、励振手段50aの拡大平面図を示す。励振手段50aは、可動電極51と固定電極52と固定電極端子53とを備えている。可動電極51と固定電極52は、エッチング技術を利用して、絶縁層20及び半導体上層30の一部を加工することによって形成されている。可動電極51の一端は、マス部40に連結している。可動電極51と半導体下層10の間の絶縁層20は除去されており、可動電極51はマス部40に伴って半導体下層10上にフローティング状態で支持されている。可動電極51は、半導体上層30の一部を利用して形成されている。固定電極52と半導体下層10の間の絶縁層20は除去されておらず、固定電極52は絶縁層20の一部を介して半導体下層10に固定されている。固定電極端子53は、半導体上層30上に設けられている。
可動電極51は、9本の可動電極指51a−51iを備えている。固定電極52は、10本の固定電極指52a−52jを備えている。可動電極51の可動電極指51a−51iと固定電極52の固定電極指52a−52jは、交互に噛み合うように配置されており、櫛歯電極を構成している。
固定電極端子53に交流電圧を印加すると、可動電極51の可動電極指51a−51iと固定電極52の固定電極指52a−52jの間に静電引力が発生し、マス部40を励振方向(x軸方向)に励振させることができる。
また、図1に示すように、角速度センサ100は、マス部40を挟んで励振手段50aに対向する位置に励振振幅検出手段50bを備えている。励振振幅検出手段50bは、励振手段50aと同一構造を備えている。励振振幅検出手段50bは、マス部40の励振振幅を櫛歯電極の静電容量の変化から検出しており、その検出結果を励振手段50aにフィードバックしている。励振手段50aは、励振振幅検出手段50bで得られた検出結果に基づいて、印加する交流電圧を調整し、マス部40の励振を制御している。
図1に示すように、ビーム70a,70b,70c,70dのそれぞれは、マス部40の隅部にそれぞれ設けられている。図3に示すように、ビーム70b,70cと半導体下層10の間の絶縁層20の一部が除去されている。ビーム70b,70cは、一端がマス部40の隅部に連結するとともに、他端が絶縁層20の一部22,24を介して半導体下層10に固定されている。なお、他のビーム70a,70dも同様の形態を備えている。これにより、ビーム70a,70b,70c,70dは、マス部40を半導体下層10上にフローティング状態で支持している。ビーム70a,70b,70c,70dは、半導体上層30の一部を利用して形成されている。
また、図1及び図3に示すように、ビーム70bの端部表面には、接地電極端子77が設けられている。接地電極端子77は、接地電位に固定されている。前記したように、半導体上層30には不純物が高濃度に含まれており、半導体上層30は導電性を有している。これにより、半導体上層30全体の電位が接地電位に固定されている。なお、ワイヤ配線等との接触を良好に行うために、接地電極端子77の表面積を大きく確保したい場合は、ビーム70bの端部の面積を大きくする、又は接地電極端子77を設けるための土台をビーム70bの端部近傍に設ければよい。
図5に、ビーム70aの拡大平面図を示す。なお、他のビーム70b,70c,70dも同様の形態を備えている。図5に示すように、ビーム70aは、フォールディッド型ビーム73(第1部分の一例)と、ストレート型ビーム75(第2部分の一例)と、フォールディッド型ビーム73とストレート型ビーム75を連結するビーム連結部74を有している。
フォールディッド型ビーム73は、検出方向(y軸方向)に沿って往復する一対のx軸ビーム71、72で構成されている。フォールディッド型ビーム73は、励振方向(x軸方向)に弾性変形するとともに検出方向(y軸方向)の弾性変形が規制されている。
ストレート型ビーム75は、励振方向(x軸方向)に沿って伸びているy軸ビームで構成されている。ストレート型ビーム75は、検出方向(y軸方向)に弾性変形するとともに励振方向(x軸方向)の弾性変形が規制されている。
したがって、フォールディッド型ビーム73の励振方向(x軸方向)のバネ定数は、ストレート型ビーム75の励振方向(x軸方向)のバネ定数よりも小さい。一方、ストレート型ビーム75の検出方向(y軸方向)のバネ定数は、フォールディッド型ビーム73の検出方向(y軸方向)のバネ定数よりも小さい。
ビーム連結部74は、励振方向(x軸方向)に沿って伸びているビームで構成されている。ビーム連結部74のビームは、ストレート型ビーム75のy軸ビームよりもy軸方向の幅が幅広である。このため、ビーム連結部74は、励振方向(x軸方向)と検出方向(y軸方向)の双方のバネ定数が非常に大きく、双方への弾性変形が規制されている。即ち、ビーム連結部74は、励振方向(x軸方向)のバネ定数がフォールディッド型ビーム73のバネ定数よりも大きく、検出方向(y軸方向)のバネ定数がストレート型ビーム75のバネ定数よりも大きい。ビーム70aの一方端には固定部76が設けられており、固定部76は絶縁層の一部を介して半導体下層10に固定されている。
図1に示すように、検出手段60は、ビーム70bに設けられている。図6に、検出手段60の拡大平面図を示す。検出手段60は、可動電極61と固定電極62と固定電極端子63とを備えている。可動電極61と固定電極62は、エッチング技術を利用して、絶縁層20及び半導体上層30の一部を加工することによって形成されている。可動電極61の一端は、ビーム70bのビーム連結部74に連結している。可動電極61と半導体下層10の間の絶縁層20は除去されており、可動電極61はビーム70bに伴って半導体下層10上にフローティング状態で支持されている。可動電極61は、半導体上層30の一部を利用して形成されている。固定電極62と半導体下層10の間の絶縁層20は除去されておらず、固定電極62は絶縁層20の一部を介して半導体下層10に固定されている。固定電極端子63は、半導体上層30上に設けられている。
可動電極61は、6本の可動電極指61a−61fを備えている。可動電極指61a−61fは、2本を一組としてy軸方向に沿って等間隔で並んでいる。固定電極62は、6本の固定電極指62a−62fを備えている。固定電極指62a−62fは、2本を一組としてy軸方向に沿って等間隔に並んでいる。
可動電極61のx軸の負の向きに伸びる可動電極指61a,61b,61cと、固定電極62のx軸の正の向きに伸びる固定電極指62a,62b,62cは、交互に噛み合うように配置されている。可動電極61のx軸の正の向きに伸びる可動電極指61d,61e,61fと、固定電極62のx軸の負の向きに伸びる固定電極指62d,62e,62fも、交互に噛合うように配置されている。
図6に示すように、可動電極指61fと固定電極指62fの間の距離(図中のA)は、可動電極指61fと固定電極指62eの間の距離(図中のB)に比較して狭い。同様の距離関係が、全ての可動電極指61a−61fと固定電極指62a−62fの間に存在している。このため、可動電極61と固定電極62間の静電容量は、対向距離が狭い可動電極指61a−61fと固定電極指62a−62f間の静電容量の和のみによって決まるとみなすことができる。
マス部40が検出方向(y軸方向)に振動するときは、ビーム70bも検出方向(y軸方向)に振動する。したがって、検出手段60は、直接的にはビーム70bの検出方向(y軸方向)の振動を検出するが、間接的にはマス部40の検出方向(y軸方向)の振動を検出することができる。検出手段60では、固定電極62が半導体下層10に固定されているので、ビーム70bの振動に伴って可動電極61が振動すると、可動電極指61a−61fと固定電極指62a−62f間の静電容量が変動する。検出手段60では、この静電容量の変動を固定電極端子63を介して容量検出回路で検出する。得られた静電容量の変動からビーム70bの検出方向(y軸方向)の振動振幅、ひいてはマス部40の検出方向(y軸方向)の振動振幅が換算される。
図7に、角速度センサ100に接続されている回路の構成を示す。図中の番号53,54,63は、図1に示すように、励振手段50aの固定電極端子53と、励振振幅検出手段50bの固定電極端子54と、検出手段60の固定電極端子63を示している。以下、図7を参照して、角速度センサ100の動作を説明する。
まず、励振手段50aによるマス部40の励振に関して説明する。励振手段50aの固定電極端子53には、自励振回路から振幅制御回路を介して交流電圧が印加され、マス部40が励振方向(x軸方向)に励振する。前記したように、励振振幅検出手段50bは、容量検出回路を利用して、マス部40の励振方向(x軸方向)の励振振幅を櫛歯電極の静電容量の変化から検出している。この容量検出回路の検出結果は、自励振回路にフィードバックされ、自励振回路は上記検出結果に基づいて自励振信号を生成する。振幅制御回路は、自励振信号に基づいてマス部40の励振振幅が一定となるように交流電圧を制御する。これらの構成により、常時適切な周波数で適切な励振振幅でマス部40を励振方向(x軸方向)に励振することができる。
前記したように、ビーム70a,70b,70c,70dは、フォールディッド型ビーム73を有している。このため、マス部40が励振方向(x軸方向)に励振したときは、フォールディッド型ビーム73が優先的に励振方向(x軸方向)に沿って弾性変形する。このため、フォールディッド型ビーム73よりも反マス部40側のビーム連結部74及びストレート型ビーム75では、マス部40の励振振幅の影響が低減されており、ビーム連結部74及びストレート型ビーム75は、安定した状態を保つことができる。したがって、ビーム連結部74に設けられている検出手段60は、マス部40の励振振幅の影響が低減された状態で検出動作を行うことができる。
マス部40が励振方向(x軸方向)に励振している状態で回転軸方向(z軸方向)の角速度がマス部40に加わると、マス部40の励振方向(x軸方向)と角速度の回転軸方向(z軸方向)の両方に直交する検出方向(y軸方向)にコリオリ力が発生する。マス部40は、このコリオリ力を受けて検出方向(y軸方向)に振動する。
フォールディッド型ビーム73は、検出方向(y軸方向)のバネ定数が大きく、検出方向(y軸方向)の弾性変形が規制されている。したがって、マス部40が検出方向(y軸方向)に振動すると、ストレート型ビーム75が優先的に検出方向(y軸方向)に弾性変形する。ストレート型ビーム75が検出方向(y軸方向)に弾性変形すると、ビーム70a,70b,70c,70d全体が検出方向(y軸方向)に振動する。
ビーム70bが検出方向(y軸方向)に振動すると、ビーム連結部74に連結している検出手段60の可動電極61も検出方向(y軸方向)に振動する。検出手段60では、固定電極62が半導体下層10に固定されているので、ビーム70bの振動に伴って可動電極61が振動すると、可動電極指61a−61fと固定電極指62a−62f間の静電容量が変動する。容量検出回路は、検出手段60の固定電極端子63から静電容量の変動を検出し、その検出結果を同期検波回路に供給する。同期検波回路は、静電容量の変動のうち自励振回路が生成する交流電圧の周期と一致するものを抽出する。コリオリ力によるマス部40の振動の周期は、自励振回路によるマス部40の励振の周期と一致し、位相がπ/2進むので、抽出された静電容量の変動は、コリオリ力によるマス部40の振動を反映している。同期検波回路はさらに、抽出された静電容量の変動から角速度を換算し、角速度表示部に供給する。角速度表示部は、入力した角速度を表示する。角速度センサ100は、このような手順を経て、マス部40に印加されたz軸方向を回転軸とする角速度を正確に検出することができる。
(第2実施例)
図8及び図9に、角速度センサ110の形態を模式的に示す。図8は、角速度センサ110の平面図である。図9は、図8のIX−IX線に対応した角速度センサ110の断面図である。なお、第1実施例の角速度センサ100と同一の構成要素に関しては同一符号を付し、その説明を省略する。
角速度センサ110は、マス部40のz軸方向の振動を直接的に検出する第2検出手段80を備えていることを特徴としている。角速度センサ110によると、第2検出手段80を利用して、y軸方向を回転軸とする角速度も検出することができる。このため、角速度センサ110は、第1検出手段60と第2検出手段80の双方が設けられているので、2軸の角速度を検出することが可能になる。
図9に示すように、第2検出手段80は、不純物拡散領域82と固定電極端子84とを備えている。不純物拡散領域82は、半導体下層10の表面に不純物が高濃度に導入された領域であり、導電性を有している。不純物拡散導入領域82は、マス部40に対向している。固定電極端子84は、半導体下層10の表面に設けられており、不純物拡散領域82に電気的に接続している。
図10に、角速度センサ110に接続されている回路の構成を示す。図中の番号53,54,63,84は、図8に示すように、励振手段50aの固定電極端子53と、励振振幅検出手段50bの固定電極端子54と、第1検出手段60の固定電極端子63と、第2検出手段80の固定電極端子84を示している。なお、図7に示す回路構成との相違は、第2検出手段80における静電容量の変動を検出する容量検出回路、角速度に換算するための同期検波回路、角速度を表示するための角速度表示部が追加された点であり、基本的な動作は図7の場合と同一である。
マス部40が励振方向に励振している状態でy軸方向を回転軸とする角速度がマス部40に加わると、マス部40の励振方向(x軸方向)と角速度の回転軸方向(y軸方向)の両方に直交するz軸方向にコリオリ力が発生する。マス部40は、このコリオリ力を受けてz軸方向に振動する。マス部40がz軸方向に振動すると、マス部40と不純物拡散領域82の間の静電容量が変動する。容量検出回路は、第2検出手段80の固定電極端子84から静電容量の変動を検出し、その検出結果を同期検波回路に供給する。同期検波回路は、静電容量の変動のうち自励振回路が生成する交流電圧の周期と一致するものを抽出する。同期検波回路はさらに、抽出された静電容量の変動から角速度を換算し、角速度表示部に供給する。角速度表示部は、入力した角速度を表示する。角速度センサ110は、このような手順を経て、マス部40に印加されたy軸方向を回転軸とする角速度を正確に検出することができる。
角速度110によると、第1検出手段60がz軸方向を回転軸とする角速度を検出し、第2検出手段80がy軸方向を回転軸とする角速度を検出することができる。角速度センサ110は、第1検出手段60と第2検出手段80の双方が設けられているので、2軸の角速度を同時に検出することができる。
(x,y,z軸振動系の共振曲線)
次に、角速度センサ110におけるビーム70a,70b,70c,70dの好ましい形態に関して考察する。図11に、x,y,z軸振動系の共振曲線を示す。角速度センサ110では、マス部40が励振共振周波数fxで励振されているので、マス部40に角速度が印加されると、励振振動Vと角速度Ωの双方に垂直な方向に振動が発生する。この振動の周波数は励振共振周波数fxと同一である。
y軸振動系の拡大率Ayは、y軸振動系の共振振動周波数fyにおいて最大となる。共振周波数fyから離れるにつれて拡大率Ayは減少していく。x軸の励振共振周波数fxとy軸の共振周波数fyの差の絶対値をΔfxyと表すと、Δfxyが小さいほど拡大率Ayが増加し、角速度センサ110のセンサ感度が向上する。センサ感度を決定する主要素はΔfである。Δfxyが0のときにセンサ感度が最大であるが、fxとfyが完全に一致すると、励振振動のモードと検出振動のモードがカップリングし、それぞれの振動モードを安定に保つことが困難になる。即ち、コリオリ力を印加していない場合でも励振振動の一部が検出振動方向に発生し、ノイズ成分となってしまう。このため、センサ特性を安定させるためには、Δfxyを少なくともfxの1%以上に設定するのが好ましい。より好ましくは、Δfxyをfxの5%以上に設定することで、センサ特性が極めて安定化される。なお、z軸振動系についてもy軸振動系と同様である。
角速度センサ110は、2軸の角速度を検出するので、この2つの検出軸(y軸方向とz軸方向)に関する検出感度がほぼ等しいことが望まれている。それぞれの検出軸に関するセンサ感度をほぼ等しく設定すると、角速度センサ110に接続されているy軸方向の容量検出回路とz軸方向の容量検出回路の回路定数を同一にできる。また、印加される角速度に対するセンサ出力が検出軸に関わらず等しくなるので、2軸角速度センサを利用したシステム構築が容易となる。
前記したように、センサ感度を決定する主要因はΔfである。したがって、y軸及びz軸のセンサ感度をほぼ等しくするためには、Δfxy≒Δfxzとするのが望ましい。この条件を実現するためには、励振共振周波数fxが2つの検出軸の共振周波数間にある必要がある。このため、励振共振周波数fxと共振周波数fyと共振周波数fzの間の関係を、fy<fx<fz、又は、fz<fx<fyと設定することが望ましい。
なお、上記共振周波数の関係は、fy<fx<fzの方が望ましい。この理由を以下に説明する。
本実施例の角速度センサ110は、MEMS技術を利用して作製されており、半導体下層10の表面にセンサ構造体が作り込まれている。このような場合、例えば、半導体下層10とマス部40の間の距離が非常に微小であり、且つ半導体下層10とマス部40の対向する面積が大きくなる傾向にある。このため、マス部40が半導体下層10に接触して付着するという現象(スティッキング現象)が起こり得る。
そこで、スティッキング現象を回避するために、ビーム70a,70b,70c,70dのz軸方向のバネ剛性を高めることが望ましい。ビーム70a,70b,70c,70dのz軸方向のバネ剛性を高めると、z軸方向の共振周波数が高くなる。この結果、共振周波数の関係が、fy<fx<fzに設定される。換言すれば、共振周波数の関係がfy<fx<fzに設定されていると、スティッキング現象を回避するとともに、上述したようにセンサ特性をも向上させることができる。
次に、角速度センサ110のビーム70a,70b,70c,70dに関して具体的に考察する。角速度センサ110のビーム70a,70b,70c,70dにおいて、共振周波数の関係をfy<fx<fzに設定する一例を以下に例示する。図12(A)に、フォールディッド型ビーム73の要部拡大斜視図を示す。図12(B)に、ストレート型ビーム75の要部拡大斜視図を示す。
ここで、フォールディッド型ビーム73のx軸ビームとストレート型ビーム75のy軸ビーム形状を以下のように定義する。
E:シリコンのヤング率
Txx:x軸ビームのx軸方向の幅
Txz:x軸ビームのz軸方向の厚み
Lx:x軸ビームのy軸方向の長さ
Tyy:y軸ビームのy軸方向の幅
Tyz:y軸ビームのz軸方向の厚み
Ly:y軸ビームのx軸方向の長さ
M:質量(マス部40の質量で代表する)
(マス部40のz軸方向の振動をフォールディッド型ビーム73で実現する場合)
フォールディッド型ビーム73のx軸ビームに関しては、厚みTxzを幅Txxよりも大きくし、x軸ビームのz軸方向のバネ定数をx軸方向のバネ定数よりも大きくするのが望ましい。具体的な寸法は、Txx:Txz=1:1.1以上とする。
ストレート型ビーム75のy軸ビームに関しては、z軸方向の剛性をy軸方向の剛性よりも十分に大きくし、y軸ビームがz軸方向に振動しないようにするのが望ましい。具体的な寸法は、Tyy:Tyz=1:5以上とする。
以下、フォールディッド型ビーム73のバネ定数の計算方法を示す。
フォールディッド型ビーム73のx軸ビームのx軸方向のバネ定数をkxxとし、z軸方向のバネ定数をkxzとすると、バネ定数kxx,kxzは次式で表すことができる。なお、y軸方向のバネ定数は極めて大きいので、変位に関与しない。
Figure 2009150815

バネ定数kxzとバネ定数をkxxの比を求めると、以下のようになる。
Figure 2009150815

Txx:Txz=1:1.1に設定されていれば、バネ定数の比は以下のようになる。
Figure 2009150815

ここで、バネ定数と共振周波数の関係は、次の式で表すことができる。
Figure 2009150815

マス部40の質量Mは3つの軸に関してほぼ共通と見なせるので、励振共振周波数fx、共振周波数fy、共振周波数fzとすると、fz:fx=1.1:1となる。Txx:Txz=1:1.1以上に設定すると、共振周波数fzを励振共振周波数fxよりも10%以上高くすることができる。励振共振周波数fxは、フォールディッド型ビーム73のx軸ビームの寸法を選ぶことで、共振周波数fyと共振周波数fzの中心になるように設定することができる。この結果、共振周波数の関係をfy<fx<fzであり、Δfxy=Δfyxを実現することができる。
以下、ストレート型ビーム75のバネ定数の計算方法を示す。
ストレート型ビーム75のy軸ビームのy軸方向のバネ定数をkyyとし、z軸方向のバネ定数をkyzとすると、バネ定数kyy,kyzは次式で表すことができる。なお、x軸方向のバネ定数は極めて大きいので、変位に関与しない。
Figure 2009150815

バネ定数kyyとバネ定数をkyzの比を求めると、以下のようになる。
Figure 2009150815

Tyy:Tyz=1:5以上に設定されていれば、Tyy/Tyzが25以上となり、ストレート型ビーム75のy軸ビームのz軸方向への振動がほぼ0とみなすことができる。
(マス部40のz軸方向の振動をストレート型ビーム75で実現する場合)
フォールディッド型ビーム73のx軸ビームに関しては、z軸方向の剛性をx軸方向の剛性よりも十分に大きくし、x軸ビームの両端部のz軸方向の変位差がほぼ0となるようにするのが望ましい。具体的な寸法は、Txx:Txz=1:5以上とする。
ストレート型ビーム75のy軸ビームに関しては、厚みTyzを幅Tyyよりも大きくし、y軸ビームのz軸方向へのバネ定数をy軸方向のバネ定数よりも大きくするのが望ましい。具体的な寸法は、Tyy:Tyz=1:1.1以上とする。
以下、フォールディッド型ビーム73のバネ定数の計算方法を示す。
フォールディッド型ビーム73のx軸ビームのx軸方向のバネ定数をkxxとし、z軸方向のバネ定数をkxzとすると、バネ定数kxx,kxzは次式で表すことができる。なお、y軸方向のバネ定数は極めて大きいので、変位に関与しない。
Figure 2009150815


バネ定数kxxとバネ定数をkxzの比を求めると、以下のようになる。
Figure 2009150815

Txx:Txz=1:5以上に設定されていれば、Txx/Txzが25以上となり、フォールディッド型ビーム73のx軸ビームのz軸方向への振動がほぼ0とみなすことができる。
以下、ストレート型ビーム75のバネ定数の計算方法を示す。
ストレート型ビーム75のy軸ビームのy軸方向のバネ定数をkyyとし、z軸方向のバネ定数をkyzとすると、バネ定数kyy,kyzは次式で表すことができる。なお、x軸方向のバネ定数は極めて大きいので、変位に関与しない。
Figure 2009150815

バネ定数kyyとバネ定数をkyzの比を求めると、以下のようになる。
Figure 2009150815

Tyy:Tyz=1:1.1に設定されていれば、バネ定数の比は以下のようになる。
Figure 2009150815

ここで、バネ定数と共振周波数の関係は、次の式で表すことができる。
Figure 2009150815

マス部40の質量Mは3つの軸に関してほぼ共通と見なせるので、励振共振周波数fx、共振周波数fy、共振周波数fzとすると、fz:fy=1.1:1となる。Tyy:Tyz=1:1.1以上に設定すると、共振周波数fzを励振共振周波数fyよりも10%以上高くすることができる。励振共振周波数fxは、フォールディッド型ビーム73のx軸ビームの寸法を選ぶことで、共振周波数fyと共振周波数fzの中心になるように設定することができる。この結果、共振周波数の関係をfy<fx<fzであり、Δfxy=Δfyxを実現することができる。
図13(A)に、フォールディッド型ビーム73の変形例の要部拡大斜視図を示す。図13(B)に、ストレート型ビーム75の変形例の要部拡大斜視図を示す。
これらの変形例は、フォールディッド型ビーム73のx軸ビームが2枚板で構成されており、ストレート型ビーム75のy軸ビームも2枚板で構成されていることを特徴としている。このような構成のビーム形状であっても、図中に示す寸法の定義を上述の各数式に当て嵌めることによって、上記の共振周波数の関係をfy<fx<fz、又はfy<fx<fzを実現することができる。
さらに、ビーム形状が2枚板で構成されていると、ビームが平行板バネとなるので、マス部40がy軸方向及びz軸方向に対して平行に振動することができる。この結果、検出手段60において、可動電極61の可動電極指61a−61fと固定電極62の固定電極指62a−62fが、常時平行に対向することができる。ビーム形状が2枚板で構成されていると、マス部40の振動に基づく微小な静電容量の変動を精度良く検出することができる。
(第3実施例)
図14〜図16に、角速度センサ120の形態を模式的に示す。図14は、角速度センサ120の平面図である。図15は、図14のXV−XV線に対応した角速度センサ120の断面図である。図16は、図14のXVI−XVI線に対応した角速度センサ120の断面図である。なお、第1実施例の角速度センサ100と実質的に同一の構成要素に関しては同一符号を付し、その説明を省略する。
角速度センサ120は、マス部40のz軸方向の振動を直接的に検出する第2検出手段180が差動電極で構成されていることを特徴としている。角速度センサ120はさらに、ビーム70cに、第1検出手段60aに類似した第1類似検出電極60bが設けられていることも特徴としている。第1類似検出電極60bもまた、第1検出電極60aと組合せて用いられることで差動電極として機能する。
図15及び図16に示すように、角速度センサ120のマス部40は、半導体下層10と絶縁層20と半導体上層30の一部が積層して構成されており、この点において実施例1の角速度センサ100及び実施例2の角速度センサ110と相違している。マス部40の周囲には、半導体下層10と絶縁層20を貫通する第1トレンチ42が形成されている。第1トレンチ42は、マス部40の周囲を一巡しており、マス部40を周囲の半導体下層10及び絶縁層20から分離している。マス部40の半導体下層10には不純物が高濃度に含まれており、マス部40の半導体下層10は導電性を有している。
図14〜図16に示すように、角速度センサ120の第2検出手段180は、第1アーム181と、第1貫通電極182と、第1延伸電極183と、第1固定電極端子184と、分離基板電極185と、第2アーム186と、第2延伸電極187と、第2固定電極端子188を備えている。
図15に示すように、第1アーム181は、半導体上層30の一部を利用して形成されている。第1アーム181は、マス部40から分離基板電極185の上方に向けて伸びているとともに、分離基板電極185の表面との間に間隙を形成する。第1アーム181と分離基板電極185は、この間隙を利用して、第1コンデンサC1を構成している。
分離基板電極185は、半導体下層10の一部を利用して形成されている。分離基板電極185の周囲には、半導体下層10と絶縁層20を貫通する第2トレンチ43が形成されている。第2トレンチ43は、第1トレンチ42に連結している。第1トレンチ42と第2トレンチ43は、分離基板電極185の周囲を一巡しており、分離基板電極185を周囲の半導体下層10及び絶縁層20から分離している。分離基板電極185には不純物が高濃度に含まれており、分離基板電極185は導電性を有している。
第1貫通電極182は、絶縁層20と半導体上層30を貫通しており、分離基板電極185と第1延伸電極183を電気的に接続している。第1延伸電極183は、半導体上層30の一部を利用して形成されている。第1延伸電極183には不純物が高濃度に含まれており、第1延伸電極183は導電性を有している。第1延伸電極183の端部には、第1固定電極端子184が設けられている。これらの構成によって、分離基板電極185は、第1固定電極端子184に電気的に接続されている。
図16に示すように、第2アーム186は、半導体上層30の一部を利用して形成されている。図14に示すように、第2アーム186が設けられている位置は、マス部40の半導体上層30及び絶縁層20の一部が除去された領域であり、その除去された領域に第2アーム186が配置されている。図16に示すように、第2アーム186は、マス部40の周囲からマス部40の上方に向けて伸びているとともに、マス部40の半導体下層10の表面との間に間隙を形成する。第2アーム186とマス部40の半導体下層10は、この間隙を利用して、第2コンデンサC2を構成している。第2アーム186は、第2延伸電極187の一部でもある。第2延伸電極187には不純物が高濃度に含まれており、第2延伸電極187は導電性を有している。第2延伸電極187の端部には、第2固定電極端子188が設けられている。
図14及び図16に示すように、マス部40は、マス部40の絶縁層20と半導体上層30を貫通する貫通電極41を備えている。貫通電極41は、マス部40の半導体下層10と半導体上層30を電気的に接続している。前記したように、マス部40の半導体上層30は、ビーム70bに設けられた接地電極端子77を介して接地電位に固定されている。したがって、マス部40の半導体下層10も接地電位に固定されている。
第2検出電極180では、第1コンデンサC1を構成している第1アーム181と分離基板電極185の対向面積と第2コンデンサC2を構成している第2アーム186とマス部40の半導体下層10の対向面積が一致している。さらに、第1コンデンサC1と第2コンデンサC2は、いずれも絶縁層20を除去して形成されているので、第1コンデンサC1を構成している第1アーム181と分離基板電極185の対向距離と第2コンデンサC2を構成している第2アーム186とマス部40の半導体下層10の対向距離も一致している。
したがって、第2検出手段180では、マス部40がz軸方向に振動すると、第1コンデンサC1の静電容量の増大(又は減少)と第2コンデンサC2の静電容量の減少(又は増大)が一致する。例えば、マス部40がz軸方向の正の向きに変位すると、第1コンデンサC1の対向距離が増大し、静電容量は減少する。このとき、第2コンデンサC2の対向距離は減少し、静電容量は増大する。一方、マス部40がz軸方向の負の向きに変位すると、第1コンデンサC1の対向距離が減少し、静電容量が増大する。このとき、第2コンデンサC2の対向距離は増大し、静電容量は減少する。このため、第1コンデンサC1の静電容量の変動と第2コンデンサC2の静電容量の変動の差分を求めると、静電容量の変動を2倍の感度で検出することができる。
図14に示すように、第1類似検出電極60bは、可動電極指と固定電極指の噛み合う配置が、第1検出手段60aのそれと比較すると、y軸方向に1つづれて配置されていることを特徴としている。このため、マス部40がy軸方向に振動したときに、第1検出電極60aの可動電極指と固定電極指の間の距離が減少すると、第1類似検出電極60bの可動電極指と固定電極指の間の距離が増加する。一方、第1検出電極60aの可動電極指と固定電極指の間の距離が増加すると、第1類似検出電極60bの可動電極指と固定電極指の間の距離が減少する。第1検出電極60bと第1類似検出電極60bは、可動電極指と固定電極指の噛み合う配置が異なっているだけで、他の形態は同一である。したがって、マス部40がy軸方向に振動すると、第1検出手段60aの静電容量の増大(又は減少)と第1類似検出手段60bの静電容量の減少(又は増大)が一致する。このため、第1検出手段60aの静電容量の変動と第1類似検出手段60bの静電容量の変動の差分を求めると、静電容量の変動を2倍の感度で検出することができる。
図17に、角速度センサ120に接続されている回路の構成を示す。図中の番号53,54,63a,63b,184,188は、図14に示すように、励振手段50aの固定電極端子53と、励振振幅検出手段50bの固定電極端子54と、第1検出手段60aの固定電極端子63aと、第1類似検出電極60bの固定電極端子60bと、第2検出手段80の第1固定電極端子184と、第2検出手段の第2固定電極端子188を示している。なお、図10に示す回路構成との相違は、差動増幅回路が追加された点であり、基本的な動作は図10の場合と同一である。
マス部40が励振方向に励振している状態でz軸方向を回転軸とする角速度がマス部40に加わると、マス部40の励振方向(x軸方向)と角速度の回転軸方向(z軸方向)の両方に直交するy軸方向にコリオリ力が発生する。マス部40は、このコリオリ力を受けてy軸方向に振動する。マス部40がy軸方向に振動すると、第1検出手段60aの静電容量が増大するときは第1類似検出手段60bの静電容量が減少し、第1検出手段60aの静電容量が減少するときは第1類似検出手段60bの静電容量が増大する。前記したように、第1検出手段60aの静電容量の増大分(又は減少分)と第1類似検出手段60bの静電容量の減少分(又は増大分)は一致しているので、差動増幅回路でそれらの差分を求めると、静電容量の変動を2倍の感度で検出することができる。増幅された静電容量の変動は、同期検波回路に供給され、同期検波回路は静電容量の変動のうち自励振回路が生成する交流電圧の周期と一致するものを取捨選択する。これにより、マス部40に印加されたz軸方向を回転軸とする角速度を高感度に検出することができる。検出された角速度は、角速度表示部で表示される。
また、マス部40が励振方向に励振している状態でy軸方向を回転軸とする角速度がマス部40に加わると、マス部40の励振方向(x軸方向)と角速度の回転軸方向(y軸方向)の両方に直交するz軸方向にコリオリ力が発生する。マス部40は、このコリオリ力を受けてz軸方向に振動する。マス部40がz軸方向に振動すると、第2検出手段180では、第1コンデンサC1の静電容量が増大するときは第2コンデンサC2の静電容量が減少し、第1コンデンサC1の静電容量が減少するときは第2コンデンサC2の静電容量が増大する。前記したように、第1コンデンサC1の静電容量の増大分(又は減少分)と第2コンデンサC2の静電容量の減少分(又は増大分)は一致しているので、差動増幅回路でそれらの差分を求めると、静電容量の変動を2倍の感度で検出することができる。増幅された静電容量の変動は、同期検波回路に供給され、同期検波回路は静電容量の変動のうち自励振回路が生成する交流電圧の周期と一致するものを取捨選択する。これにより、マス部40に印加されたy軸方向を回転軸とする角速度を高感度に検出することができる。検出された角速度は、角速度表示部で表示される。
(第3実施例の変形例)
図18に、第3実施例の変形例の角速度センサ130の形態を模式的に示す。図18は、角速度センサ130の平面図である。
角速度センサ130は、第2検出電極180がビーム70a,70bに設けられていることを特徴としている。第2検出手段180の第2アーム186と第2延伸電極187と第2固定電極端子188は、ビーム70aのビーム連結部74に設けられている。第2検出電極180の第1アーム181と第1貫通電極182と第1延伸電極183と第1固定電極端子184と分離基板電極185は、ビーム70dのビーム連結部74に設けられている。なお、角速度センサ130は、第2検出電極180がビーム70a,70bに設けられている点において図17の角速度センサ120と相違するものの、基本的な技術思想は図17の角速度センサ120と同一である。
角速度センサ130では、マス部40のz軸方向の振動をストレート型ビーム75で実現している。即ち、ビーム70a,70b,70c,70dのフォールディッド型ビーム73のz軸方向のバネ定数は、ストレート型ビーム75のz軸方向のバネ定数よりも大きい。この種のビーム70a,70b,70c,70dの一例は、本実施例の段落[0055]等に記載されている。
角速度センサ130では、マス部40が励振方向(x軸方向)に励振したときは、フォールディッド型ビーム73が優先的に励振方向(x軸方向)に沿って弾性変形する。このため、ビーム連結部74に設けられている第2検出手段180は、マス部40の励振振幅の影響が低減された状態で検出動作を行うことができる。マス部40が励振方向(x軸方向)に励振している状態で回転軸方向(y軸方向)の角速度がマス部40に加わると、マス部40の励振方向(x軸方向)と角速度の回転軸方向(y軸方向)の両方に直交する検出方向(z軸方向)にコリオリ力が発生する。マス部40は、このコリオリ力を受けて検出方向(z軸方向)に振動する。
フォールディッド型ビーム73は、検出方向(z軸方向)のバネ定数が大きく、検出方向(z軸方向)の弾性変形が規制されている。したがって、マス部40が検出方向(z軸方向)に振動すると、ストレート型ビーム75が優先的に検出方向(z軸方向)に弾性変形する。ストレート型ビーム75が検出方向(z軸方向)に弾性変形すると、ビーム70a,70b,70c,70d全体が検出方向(z軸方向)に振動する。したがって、第2検出電極180は、ビーム連結部74のz軸方向の振動から、マス部40のz軸方向の振動を間接的に検出することができる。変形例の角速度センサ130は、ビーム連結部74に第2検出手段60が設けられていることによって、マス部40の励振振幅の影響が低減された状態で検出動作を行うことができる。
(第4実施例)
図19に、角速度センサ140の形態を模式的に示す。図19は、角速度センサ140の平面図である。なお、第3実施例の角速度センサ120と実質的に同一の構成要素に関しては同一符号を付し、その説明を省略する。
角速度センサ140は、ビーム70aに第1検出手段60aと同様の構造を有する第1y軸振動振幅制御手段60dが設けられており、ビーム70dに第1類似検出手段60bと同様の構造を有する第2y軸振動振幅制御手段60cが設けられていることを特徴としている。さらに、角速度センサ140は、第2検出手段180と同様の構造を有するz軸振動振幅制御手段190を備えていることを特徴としている。
第1y軸振動振幅制御手段60dと第2y軸振動振幅制御手段60cは、マス部40がy軸方向に振動振幅しないように交流電圧が印加される。z軸振動振幅制御手段190は、マス部40がz軸方向に振動振幅しないように交流電圧が印加される。
図19に、角速度センサ140に接続されている回路の構成を示す。図中の番号53,54,63a,63b,63c,63d,184,188,194,198は、図18に示すように、励振手段50aの固定電極端子53と、励振振幅検出手段50bの固定電極端子54と、第1検出手段60aの固定電極端子63aと、第1類似検出電極60bの固定電極端子60bと、第2y軸振動振幅制御手段60cの固定電極端子63cと、第1y軸振動振幅制御手段60dの固定電極端子63dと、第2検出手段80の第1固定電極端子184と、第2検出手段の第2固定電極端子188と、z軸振動振幅制御手段190の第1固定電極端子194と、z軸振動振幅制御手段190の第2固定電極端子198とを示している。なお、図17に示す回路構成との相違は、変位制御回路が追加された点であり、基本的な動作は図17の場合と同一である。
角速度センサ140では、同期検波回路で検出されたy軸方向の振動に係る結果は、変位制御回路に供給され、変位制御回路は、この結果に基づいてマス部40のy軸方向の変位が零になるように、第1y軸振動振幅制御手段60d及び第2y軸振動振幅制御手段60cに印加する交流電圧を制御する。また、マス部40のy軸方向の変位が零になるのに必要な交流電圧から角速度を換算し、角速度表示部で表示する。
同様に、角速度センサ140では、同期検波回路で検出されたz軸方向の振動に係る結果は、変位制御回路に供給され、変位制御回路は、この結果に基づいてマス部40のz軸方向の変位が零になるように、z軸振動振幅制御手段190に印加する交流電圧を制御する。また、マス部40のz軸方向の変位が零になるのに必要な交流電圧から角速度を換算し、角速度表示部で表示する。
角速度センサ140では、零位法を採用することにより、極めて高精度に角速度を検出することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
第1実施例の角速度センサの平面図を示す。 図1のII-II線に対応した断面図を示す。 図1のIII-III線に対応した断面図を示す。 励振手段の要部拡大図を示す。 ビームの要部拡大図を示す。 検出手段の要部拡大図を示す。 第1実施例の角速度センサに接続される回路の構成を示す。 第2実施例の角速度センサの平面図を示す。 図8のIX-IX線に対応した断面図を示す 第2実施例の角速度センサに接続される回路の構成を示す。 x,y,z軸振動系の共振曲線を示す。 (A)フォールディッド型ビームの要部拡大斜視図を示す。(B)ストレート型ビームの要部拡大斜視図を示す。 (A)変形例のフォールディッド型ビームの要部拡大斜視図を示す。(B)変形例のストレート型ビームの要部拡大斜視図を示す。 第3実施例の角速度センサの平面図を示す。 図14のXV-XV線に対応した断面図を示す。 図14のXVI-XVI線に対応した断面図を示す。 第3実施例の角速度センサに接続される回路の構成を示す。 第3実施例の変形例の角速度センサの平面図を示す。 第4実施例の角速度センサの平面図を示す。 第4実施例の角速度センサに接続される回路の構成を示す。
符号の説明
10:半導体下層
20:絶縁層
30:半導体上層
40:マス部
50a:励振手段
50b:励振振幅検出手段
60:検出手段
60a:第1検出手段
60b:第1類似検出手段
70a−70d:ビーム
71,72:x軸ビーム
73:フォールディッド型ビーム
74:ビーム連結部
75:ストレート型ビーム(y軸ビーム)
76:固定部
80,180:第2検出手段
181:第1アーム
186:第2アーム

Claims (9)

  1. 基板と、
    マス部と、
    マス部を励振方向に励振させる励振手段と、
    一端がマス部に連結しているとともに他端が基板に固定されており、少なくとも励振方向と励振方向に直交する第1検出方向とに変位可能にマス部を支持しているビームと、
    ビームに設けられているとともに第1検出方向のビームの振動を検出する第1検出手段と、を備えており、
    ビームは、第1検出方向よりも励振方向にバネ定数が小さい第1部分と、励振方向よりも第1検出方向にバネ定数が小さい第2部分を有しており、
    第1部分は、第2部分よりもマス部側に配置されており、
    第1検出手段は、第1部分よりも反マス部側のビームに設けられている角速度センサ。
  2. 励振方向と第1検出方向は、基板の表面に対して平行であることを特徴とする請求項1の角速度センサ。
  3. 第1部分は、第1検出方向に沿って往復する一対のビームを有するフォールディッド型ビームであり、
    第2部分は、励振方向に沿って伸びているビームを有するストレート型ビームであることを特徴とする請求項2の角速度センサ。
  4. 基板の表面に対して垂直な第2検出方向のマス部の振動を直接的又は間接的に検出する第2検出手段をさらに備えていることを特徴とする請求項2又は3の角速度センサ。
  5. 第2検出手段は、
    マス部から基板の上方に向けて伸びているとともに、基板の一部の表面との間に間隙を形成する第1アームと、
    基板からマス部の上方に向けて伸びているとともに、マス部の一部の表面との間に間隙を形成する第2アームと、を有しており、
    前記第1アームと前記基板の一部は第1コンデンサを構成しており、
    前記第2アームと前記マス部の一部は第2コンデンサを構成しており、
    第2検出方向にマス部が変位すると、第1コンデンサと第2コンデンサのうちの一方の間隙が拡大するとともに他方の間隙が縮小することを特徴とする請求項4の角速度センサ。
  6. ビームの第1部分の第2検出方向のバネ定数は、ビームの第2部分の第2検出方向のバネ定数よりも大きく、
    第2検出手段は、第1部分よりも反マス部側のビームに設けられていることを特徴とする請求項4の角速度センサ。
  7. 第2検出手段は、
    第1部分よりも反マス部側のビームから基板の上方に向けて伸びているとともに、基板の一部の表面との間に間隙を形成する第3アームと、
    基板から第1部分よりも反マス部側のビームの上方に向けて伸びているとともに、第1部分よりも反マス部側のビームの一部の表面との間に間隙を形成する第4アームと、を有しており、
    前記第3アームと前記基板の一部は第3コンデンサを構成しており、
    前記第4アームと前記第1部分よりも反マス部側のビームの一部は第4コンデンサを構成しており、
    第2検出方向に第1部分よりも反マス部側のビームが変位すると、第3コンデンサと第4コンデンサのうちの一方の間隙が拡大するとともに他方の間隙が縮小することを特徴とする請求項6の角速度センサ。
  8. マス部とビームで決定される励振方向の励振共振周波数をfxとし、
    マス部とビームで決定される第1検出方向の共振周波数をfyとし、
    マス部とビームで決定される第2検出方向の共振周波数をfzとすると、
    fy<fx<fz又はfz<fx<fyの関係が成立していることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載の角速度センサ。
  9. 励振共振周波数fxと共振周波数fyの差の絶対値をΔfxyとし、
    励振共振周波数fxと共振周波数fzの差の絶対値をΔfxzとすると、
    ΔfxyとΔfxzが略一致していることを特徴とする請求項8の角速度センサ。

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