JP2009150280A - 圧縮着火式内燃機関の制御装置 - Google Patents

圧縮着火式内燃機関の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】失火を回避するとともに燃焼騒音を低減するための燃料噴射制御をより高精度に行う。
【解決手段】ステップS104において、吸気中の酸素濃度AOとその目標値AOTとの偏差|AO−AOT|が所定値ΔAO1よりも大きい場合は、燃料噴射(主噴射)による燃焼に起因する圧縮上死点後での筒内圧力ピーク値P2と、ピストン運動による筒内ガスの圧縮または主噴射前のパイロット噴射による燃焼に起因する圧縮上死点またはその付近での筒内圧力ピーク値P1との差をΔPとすると、ΔP=0が成立するように燃料噴射開始時期Tinjを制御する(ステップS106〜S109)。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料を筒内に噴射して自着火させる圧縮着火式内燃機関の制御を行う装置に関する。
この種の圧縮着火式内燃機関の制御装置の関連技術が下記特許文献1に開示されている。特許文献1においては、低負荷側の予混合燃焼領域で燃料を早期噴射するとともにEGR率を第1設定値以上として予混合圧縮着火燃焼とする一方、高負荷側の拡散燃焼領域ではディーゼル燃焼とするとともにEGR率を第1設定値よりも少ない第2設定値以下にしている。そして、拡散燃焼領域から予混合燃焼領域に移行する場合にEGR率が不足しているときは、膨張行程にて燃料を噴射することで、予混合燃焼が主体の燃焼状態としている。これによって、燃焼騒音レベルの低減を図っている。
特開2003−286880号公報
圧縮着火式内燃機関において、筒内に吸入される吸気中の酸素濃度が目標値に対して過大になると、燃焼が急峻になって燃焼騒音レベルが増大する。一方、筒内に吸入される吸気中の酸素濃度が目標値に対して過小になると、燃焼が緩慢になってトルク不足や失火を招きやすくなる。吸気中の酸素濃度が過大で燃焼騒音が問題となるときは、特許文献1のように膨張行程にて燃料を噴射して予混合燃焼が主体の燃焼状態とすることで、燃焼騒音レベルの低減を図れるが、予混合燃焼はもともと不安定な燃焼であるため、吸気中の酸素濃度の目標値に対する偏差に応じて燃料噴射時期を高精度に制御する必要がある。例えば、燃料噴射時期が少しでも遅角側にずれると、トルク不足や失火を招きやすくなる。一方、燃料噴射時期が少しでも進角側にずれると、燃焼騒音を低減する効果が得られなくなる。
また、燃焼騒音の低減及び失火の回避を図るために、燃焼状態として熱発生率を演算して、それに応じて燃料噴射時期をフィードバック制御する方法も考えられる。熱発生率dQ/dθについては、筒内圧力Pを用いた以下の(1)式により計算することが可能である。(1)式において、Aは定数、κは比熱比、θはクランク角度、Vは燃焼室容積(クランク角度θにより決まる)である。
dQ/dθ=A/(κ−1)・(V・dP/dθ+κ・P・dV/dθ) (1)
しかし、熱発生率dQ/dθに応じて燃料噴射時期をフィードバック制御する場合は、筒内圧力Pを用いて熱発生率dQ/dθを演算する際の演算量が増大するので、燃料噴射時期のフィードバック制御のために必要な演算量が増大する。また、筒内圧力Pを用いて熱発生率dQ/dθを演算する際には、筒内圧力の微分値dP/dθを計算する必要があるため、計算された熱発生率dQ/dθに含まれるノイズが多くなる。さらに、燃焼室容積Vをクランク角度θから求める際に、クランク角度センサの取り付け位置にずれが生じていると(検出したクランク角度θに誤差が生じていると)、燃焼室容積Vの値にも誤差が生じて熱発生率dQ/dθの値にも誤差が生じる。さらに、筒内圧力Pを検出する筒内圧力センサのばらつきや経時変化等により筒内圧力センサのゲイン(センサの出力信号レベルと実際の筒内圧力との比)にずれが生じていると、検出された筒内圧力Pに誤差が生じて熱発生率dQ/dθの値にも誤差が生じる。その結果、燃料噴射時期のフィードバック制御の精度が低下する。
本発明は、失火を回避するとともに燃焼騒音を低減するための燃料噴射制御をより高精度に行うことができる圧縮着火式内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る圧縮着火式内燃機関の制御装置は、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る圧縮着火式内燃機関の制御装置は、燃料を筒内に噴射して自着火させる圧縮着火式内燃機関の制御を行う装置であって、筒内圧力を検出する筒内圧力検出部と、吸気中の酸素濃度を取得する濃度取得部と、燃料の噴射制御を行う燃料噴射制御部と、を備え、燃料噴射制御部は、濃度取得部で取得された濃度と当該濃度の目標値との偏差が所定値よりも大きい場合は、燃料噴射による燃焼に起因する圧縮上死点後での筒内圧力ピーク値と、ピストン運動による筒内ガスの圧縮または前記燃料噴射前のパイロット噴射による燃焼に起因する圧縮上死点またはその付近での筒内圧力ピーク値との差をΔPとすると、筒内圧力検出部で検出された筒内圧力に基づいてΔP=0が略成立するように前記燃料噴射の時期を制御することを要旨とする。
本発明の一態様では、燃料噴射制御部は、濃度取得部で取得された濃度が当該濃度の目標値よりも高い場合は、ΔP=0が略成立するように前記燃料噴射の時期を遅角させることが好適である。また、本発明の一態様では、燃料噴射制御部は、濃度取得部で取得された濃度が当該濃度の目標値よりも低い場合は、ΔP=0が略成立するように前記燃料噴射の時期を進角させることが好適である。
本発明の一態様では、圧縮着火式内燃機関においては、燃焼後の排出ガスの一部をEGRガスとして吸気側へ供給する排気再循環が行われ、吸気側へ供給するEGRガス量を制御するEGR制御部を備えることが好適である。この態様では、濃度取得部は、吸気中の酸素濃度に代えて、吸気側へ供給されたEGRガス濃度を取得することが好適である。
本発明によれば、吸気中の酸素濃度と当該酸素濃度の目標値との偏差が所定値よりも大きい場合に、燃料噴射による燃焼に起因する圧縮上死点後での筒内圧力ピーク値と、ピストン運動による筒内ガスの圧縮または当該燃料噴射前のパイロット噴射による燃焼に起因する圧縮上死点またはその付近での筒内圧力ピーク値とが略等しくなるように当該燃料噴射の時期を制御することで、失火を回避するとともに燃焼騒音を低減するための燃料噴射制御をより高精度に行うことができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る制御装置の概略構成を圧縮着火式内燃機関10とともに示す図である。圧縮着火式内燃機関10は、例えばピストン−クランク機構を用いた周知のディーゼルエンジンにより構成可能である。圧縮着火式内燃機関10(ディーゼルエンジン)では、吸気行程にて吸気通路14から筒内に吸気が吸入され、圧縮行程にて筒内に吸入された吸気がピストン12により圧縮される。そして、例えばピストン12が圧縮上死点付近に位置するときに燃料を燃料噴射弁13から筒内に直接噴射することで、筒内の燃料が自着火して燃焼(ディーゼル燃焼)する。燃焼後の排出ガスは、排気行程にて排気通路15へ排出される。圧縮着火式内燃機関10においては、排気通路15と吸気通路14とを繋ぐ還流通路16が設けられており、燃焼後の排出ガスの一部が還流通路16を通って吸気通路14(吸気側)へEGRガスとして供給される排気再循環(EGR)が行われる。還流通路16にはEGR制御弁17が設けられており、EGR制御弁17の開度を制御することで、排気通路15から吸気通路14への排出ガス(EGRガス)の還流量が制御され、吸気側へ供給され筒内に吸入されるEGRガス量(EGR率)が制御される。
圧縮着火式内燃機関10には、筒内圧力Pを検出する筒内圧力センサ22と、クランク角度CAを検出するクランク角度センサ24と、筒内に吸入される吸気中の酸素(O2)濃度AOを検出する酸素濃度センサ26と、エンジン回転数Neを検出する回転数センサ27と、が付設されている。酸素濃度センサ26は、吸気通路14における排出ガス(EGRガス)が供給される位置よりも下流(筒内側)の位置にて吸気中の酸素濃度AOを検出する。そのため、吸気側へ供給されたEGRガス濃度(EGR率)が増大するにつれて、酸素濃度センサ26で検出される吸気中の酸素濃度AOが減少する。筒内圧力センサ22で検出された圧縮着火式内燃機関10の筒内圧力Pを示す信号、クランク角度センサ24で検出された圧縮着火式内燃機関10のクランク角度CAを示す信号、酸素濃度センサ26で検出された吸気中の酸素濃度AOを示す信号、及び回転数センサ27で検出されたエンジン回転数Neを示す信号は、電子制御装置(ECU)40に入力される。
電子制御装置40は、例えば図1に示す機能ブロックを含んで構成することができる。燃料噴射制御部42は、圧縮着火式内燃機関10の回転速度や負荷等の運転状態に基づいて生成した噴射制御信号を燃料噴射弁13へ出力することで、圧縮着火式内燃機関10の燃料の噴射制御を行う。圧縮着火式内燃機関10では、圧縮上死点付近にて燃料を筒内に直接噴射して筒内の燃料を自着火させる通常燃焼(拡散燃焼を主とする燃焼)だけでなく、筒内に形成した燃料と吸気との予混合気を自着火させる予混合圧縮着火燃焼(PCCI燃焼)を行うこともできる。この予混合圧縮着火燃焼を行う際には、吸気行程または圧縮行程にて燃料を燃料噴射弁13から筒内に直接噴射して燃料と吸気との予混合気を筒内に形成し、筒内の予混合気をピストン12により圧縮して自着火させる。燃料噴射制御部42は、圧縮着火式内燃機関10の回転速度や負荷等の運転状態に基づいて、燃料噴射時期を制御することで、通常燃焼を行うか予混合圧縮着火燃焼を行うかを選択することができる。
EGR制御部43は、圧縮着火式内燃機関10の回転速度や負荷等の運転状態に基づいて生成したEGR制御信号をEGR制御弁17へ出力することで、EGR制御弁17の開度を制御して吸気側へ供給するEGRガス量(EGR率)を制御する。予混合圧縮着火燃焼が行われる場合は、EGR制御部43は、EGRにより吸気側へ供給するEGRガス量(EGR率)を通常燃焼を行う場合よりも増大させることが好ましい。空気(新気)に比べて熱容量の大きいEGRガスを吸気中に多量に混在させ、予混合気中の燃料及び酸素の濃度を低下させることで、自着火遅れ時間を延長して予混合気の自着火タイミングを圧縮上死点近傍に制御することができる。しかも、その予混合気中では、燃料及び酸素の周囲に不活性なEGRガスが略均一に分散し、これが燃焼熱を吸収することになるので、窒素酸化物(NOx)の生成が大幅に抑制される。
EGRを行う場合は、EGRガスを吸気側へ供給するときの応答性が低いために、EGR率が目標値から外れて、吸気中の酸素濃度AOが目標値AOTからずれてくる運転状態が過渡的に生じる。EGR率が目標値よりも低く、吸気中の酸素濃度AOが目標値AOTに対して過大になると、燃料の自着火時期が早すぎることで、燃焼が急峻になって燃焼騒音レベルが増大する。一方、EGR率が目標値よりも高く、吸気中の酸素濃度AOが目標値AOTに対して過小になると、燃料の自着火時期が遅すぎることで、燃焼が緩慢になってトルク不足や失火を招きやすくなる。そこで、本実施形態では、吸気中の酸素濃度AOが目標値AOTからずれてくる運転過渡時には、燃料噴射時期を制御することで、燃焼騒音レベルを抑制するとともに失火を回避する。以下、電子制御装置40が実行する処理を図2のフローチャートに従って説明する。図2のフローチャートによる処理は、所定時間おきに繰り返して実行される。
ステップS101では、エンジン回転数Ne及び燃料噴射量Fu(エンジン負荷)が取得される。エンジン回転数Neについては回転数センサ27により検出することができ、燃料噴射量Fuについては電子制御装置40(燃料噴射制御部42)で演算された値(燃料噴射量の目標値)を用いることができる。ステップS102では、ステップS101で取得されたエンジン回転数Ne及び燃料噴射量Fu(エンジン負荷)に基づいて、吸気中の酸素濃度の目標値AOTが設定される。ここでは、例えば、エンジン回転数Ne及び燃料噴射量Fuと吸気酸素濃度の目標値AOTとの関係を表す特性マップを予め作成して電子制御装置40内の記憶装置に記憶しておく。電子制御装置40では、この特性マップにおいて、与えられたエンジン回転数Ne及び燃料噴射量Fuに対応する吸気酸素濃度の目標値AOTを演算することで、吸気中の酸素濃度の目標値AOTを設定することができる。
ステップS103では、筒内に吸入される実際の吸気中の酸素濃度AOが取得される。ここでは、酸素濃度センサ26により吸気中の酸素濃度AOを検出することができる。あるいは、筒内に吸入される吸気中の酸素濃度AOを推定することも可能である。その場合は、空燃比(A/F)から排気中の酸素濃度を推定し、EGR制御弁17の開度(EGR制御弁17へのEGR制御信号)からEGR率を推定し、EGRガス中の酸素濃度(=排気中の酸素濃度)と空気中の酸素濃度とEGR率とから吸気中の酸素濃度AOを推定することが可能である。
ステップS104では、ステップS103で取得された吸気中の酸素濃度AOとステップS102で設定された目標値AOTの偏差(絶対値)|AO−AOT|が所定値ΔAO1以下であるか否かが判定される。ここでの所定値ΔAO1については、正の値を設定することもできるし、0を設定することもできる。偏差|AO−AOT|が所定値ΔAO1以下である場合(ステップS104の判定結果がYESの場合)は、ステップS105に進み、エンジン回転数Ne及び燃料噴射量Fu(エンジン負荷)に基づいて、燃料噴射開始時期Tinjが燃料噴射制御部42により決定されることで、通常燃焼を行うか予混合圧縮着火燃焼を行うかが選択される。
一方、偏差|AO−AOT|が所定値ΔAO1よりも大きい場合(ステップS104の判定結果がNOの場合)は、ステップS106において、筒内圧力センサ22で検出された筒内圧力P及びクランク角度センサ24で検出されたクランク角度CAに基づいて、a=ΔP/ΔCAの値が燃料噴射制御部42により計算される。ここで、ΔPは、図3に示すように、燃料噴射(主噴射)による燃焼(熱発生)に起因する圧縮上死点後(膨張行程)での筒内圧力ピーク値P2と、ピストン運動による筒内ガスの圧縮または主噴射前のパイロット噴射による燃焼(熱発生)に起因する圧縮上死点またはその付近での筒内圧力ピーク値P1との差P2−P1である。そして、ΔCAは、図3に示すように、それぞれの筒内圧力ピーク値P2,P1に対応するクランク角度CA2,CA1の差CA2−CA1である。
ステップS107では、ステップS106で計算されたaの値が0になる条件(ΔP=0の条件)が成立するか否か(あるいはほぼ成立するか否か)が燃料噴射制御部42により判定される。a>0(ΔP>0)の場合は、ステップS108に進み、燃料噴射(主噴射)の開始時期Tinjを現在の開始時期よりも遅角させる。一方、a<0(ΔP<0)の場合は、ステップS109に進み、燃料噴射(主噴射)の開始時期Tinjを現在の開始時期よりも進角させる。また、図4に示すように、ΔP=0でありa=0の場合(あるいはΔP≒0でありa≒0の場合)は、現在の燃料噴射(主噴射)の開始時期Tinjを維持する。
なお、燃料噴射制御部42が燃料噴射制御を行う際には、必ずしもパイロット噴射を行う必要はない。パイロット噴射を行わない場合のΔPは、燃料噴射(主噴射)による燃焼(熱発生)に起因する圧縮上死点後(膨張行程)での筒内圧力ピーク値P2と、ピストン運動による筒内ガスの圧縮に起因する圧縮上死点での筒内圧力ピーク値P1との差P2−P1により表される。
図2のフローチャートの処理において、ステップS104の判定結果がNOの場合に、ステップS103で取得された吸気中の酸素濃度AOがステップS102で設定された目標値AOTよりも高いときは、燃焼が急峻になってΔP>0(P1<P2)となるが、燃料噴射制御部42がΔP=0(a=0)が成立する(あるいはほぼ成立する)ように燃料噴射(主噴射)の開始時期Tinjを遅角させることで、燃料の自着火時期を遅らせて燃焼騒音レベルを低減することができる。一方、ステップS104の判定結果がNOの場合に、ステップS103で取得された吸気中の酸素濃度AOがステップS102で設定された目標値AOTよりも低いときは、燃焼が緩慢になってΔP<0(P1>P2)となるが、燃料噴射制御部42がΔP=0(a=0)が成立する(あるいはほぼ成立する)ように燃料噴射(主噴射)の開始時期Tinjを進角させることで、燃料の自着火時期を早めてトルク不足及び失火を回避することができる。したがって、本実施形態によれば、吸気中の酸素濃度AOが目標値AOTからずれてくる運転過渡時に、失火を回避するとともに燃焼騒音を低減することができる。例えば、通常燃焼と予混合圧縮着火燃焼とを切り替えるとともにEGR率を変化させるときには、EGR率が目標値から過渡的にずれて吸気中の酸素濃度AOが目標値AOTから過渡的にずれやすくなるが、本実施形態によれば、失火を回避するとともに燃焼騒音を低減しながら、通常燃焼と予混合圧縮着火燃焼との切り替えを行うことができる。
さらに、本実施形態では、ΔP=0(a=0)を、燃料噴射(主噴射)の開始時期Tinjをフィードバック制御するときの条件とすることで、筒内圧力の微分値dP/dθ及び熱発生率dQ/dθを演算することなく燃料噴射開始時期Tinjをフィードバック制御することができる。したがって、燃料噴射開始時期Tinjのフィードバック制御のために必要な演算量を大幅に減少させて計算時間を大幅に短縮することができる。そして、クランク角度センサ24の取り付け位置にずれが生じていても、クランク角度CAの差にはセンサ取り付け位置のずれによる誤差はほとんど生じない。そのため、より検出しやすい筒内圧力ピーク値P2,P1にそれぞれ対応するクランク角度CA2,CA1の差ΔCAを演算することで、クランク角度センサ24の取り付け位置ずれにほとんど影響を受けない、精度の高い燃料噴射制御が可能になる。さらに、筒内圧力センサ22のばらつきや経時変化等により筒内圧力センサ22のゲイン(センサ22の出力信号レベルと実際の筒内圧力との比)にずれが生じて、筒内圧力センサ22で検出された筒内圧力Pに誤差が生じていても、筒内圧力ピーク値P2,P1の差ΔPが0となるように燃料噴射開始時期Tinjをフィードバック制御することで、筒内圧力センサ22のゲインずれにほとんど影響を受けない、精度の高い燃料噴射制御が可能になる。その結果、燃料噴射制御のロバスト性を向上させることができる。このように、本実施形態によれば、吸気中の酸素濃度AOが目標値AOTからずれてくる運転過渡時に、失火を回避するとともに燃焼騒音を低減するための燃料噴射制御をより高精度に行うことができる。
さらに、ΔP=0が成立する燃料噴射開始時期Tinjの条件では、燃費の向上及びNOx生成量の抑制も図ることができる。ここで、燃料噴射開始時期Tinjを変化させた場合における燃料消費率及び排出ガス中のNOx濃度の変化を実験により調べた結果を図5,6に示す。図5は、燃料噴射開始時期Tinjの変化に対する図示燃料消費率(ISFC)の変化を示す実験結果であり、図6は、燃料噴射開始時期Tinjの変化に対する排出ガス中のNOx濃度の変化を示す実験結果である。図5,6において、「ベース仕様」は、燃料噴射弁13の噴口径(直径)が0.11mmでスワール比が1.9である場合の実験結果であり、「***+低スワール仕様」は、燃料噴射弁13の噴口径(直径)が0.08mmでスワール比が1.3である場合の実験結果である。スワール比は、スワールの回転角速度のクランク軸角速度に対する比で表され、吸気通路14のシリンダに対する配置や、ヘリカルポートやタンジェンシャルポート等の吸気通路14の形状によりその値を調整することが可能である。
図5,6に示す実験結果においては、燃料噴射開始時期Tinjが圧縮上死点前7°(−7°ATDC)である場合にΔP=0(a=0)が成立する。そして、図5,6に示すように、燃料噴射開始時期Tinjが圧縮上死点前7°である場合(ΔP=0が成立する場合)は、燃料消費率及び排出ガス中のNOx濃度が抑制されていることがわかる。
さらに、燃料噴射弁13の噴口径及びスワール比を小さくすることで、HC生成量及びCO生成量の抑制も図ることができる。ここで、燃料噴射開始時期Tinjを変化させた場合における排出ガス中のHC濃度及びCO濃度の変化を実験により調べた結果を図7,8に示す。図7は、燃料噴射開始時期Tinjの変化に対する排出ガス中のHC濃度の変化を示す実験結果であり、図8は、燃料噴射開始時期Tinjの変化に対する排出ガス中のCO濃度の変化を示す実験結果である。図7,8においても、「ベース仕様」は、燃料噴射弁13の噴口径(直径)が0.11mmでスワール比が1.9である場合の実験結果であり、「***+低スワール仕様」は、燃料噴射弁13の噴口径(直径)が0.08mmでスワール比が1.3である場合の実験結果である。図7,8に示す実験結果においても、燃料噴射開始時期Tinjが圧縮上死点前7°(−7°ATDC)である場合にΔP=0(a=0)が成立する。そして、図7,8に示すように、燃料噴射開始時期Tinjが圧縮上死点前7°である場合(ΔP=0が成立する場合)は、「***+低スワール仕様」において排出ガス中のHC濃度及びCO濃度が抑制されていることがわかる。
本実施形態では、筒内に吸入される吸気中の酸素濃度AOの代わりに、EGR率(吸気側へ供給されたEGRガス濃度)を用いることもできる。ここでのEGR率については、例えば、排気中のNOx濃度と筒内に吸入される吸気中のNOx濃度とに基づいて演算することもできるし、排気中のCO2濃度と筒内に吸入される吸気中のCO2濃度とに基づいて演算することもできる。そして、EGR率の目標値は、例えばエンジン回転数Ne及び燃料噴射量Fu(エンジン負荷)に基づいて設定される。EGR率を用いる例においては、EGR率と目標値との偏差(絶対値)が所定値よりも大きい場合に、燃料噴射制御部42がΔP=0(a=0)が成立する(あるいはほぼ成立する)ように燃料噴射(主噴射)の開始時期Tinjを制御する。その場合に、EGR率が目標値よりも低いときは、燃焼が急峻になってΔP>0(P1<P2)となるが、燃料噴射制御部42がΔP=0(a=0)が成立する(あるいはほぼ成立する)ように燃料噴射(主噴射)の開始時期Tinjを遅角させることで、燃焼騒音レベルを低減することができる。一方、EGR率が目標値よりも高いときは、燃焼が緩慢になってΔP<0(P1>P2)となるが、燃料噴射制御部42がΔP=0(a=0)が成立する(あるいはほぼ成立する)ように燃料噴射(主噴射)の開始時期Tinjを進角させることで、トルク不足及び失火を回避することができる。その結果、EGR率が目標値からずれてくる運転過渡時に、失火を回避するとともに燃焼騒音を低減するための燃料噴射制御をより高精度に行うことができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の実施形態に係る制御装置の概略構成を圧縮着火式内燃機関とともに示す図である。 電子制御装置が実行する処理を説明するフローチャートである。 吸気中の酸素濃度AOが目標値AOTからずれてくる運転過渡時において燃料噴射の開始時期Tinjを制御する条件を説明する図である。 吸気中の酸素濃度AOが目標値AOTからずれてくる運転過渡時において燃料噴射の開始時期Tinjを制御する条件を説明する図である。 燃料噴射の開始時期Tinjを変化させた場合における燃料消費率の変化を実験により調べた結果を示す図である。 燃料噴射の開始時期Tinjを変化させた場合における排出ガス中のNOx濃度の変化を実験により調べた結果を示す図である。 燃料噴射の開始時期Tinjを変化させた場合における排出ガス中のHC濃度の変化を実験により調べた結果を示す図である。 燃料噴射の開始時期Tinjを変化させた場合における排出ガス中のCO濃度の変化を実験により調べた結果を示す図である。
符号の説明
10 圧縮着火式内燃機関、12 ピストン、13 燃料噴射弁、14 吸気通路、15 排気通路、16 還流通路、17 EGR制御弁、22 筒内圧力センサ、24 クランク角度センサ、26 酸素濃度センサ、27 回転数センサ、40 電子制御装置、42 燃料噴射制御部、43 EGR制御部。

Claims (5)

  1. 燃料を筒内に噴射して自着火させる圧縮着火式内燃機関の制御を行う装置であって、
    筒内圧力を検出する筒内圧力検出部と、
    吸気中の酸素濃度を取得する濃度取得部と、
    燃料の噴射制御を行う燃料噴射制御部と、
    を備え、
    燃料噴射制御部は、濃度取得部で取得された濃度と当該濃度の目標値との偏差が所定値よりも大きい場合は、燃料噴射による燃焼に起因する圧縮上死点後での筒内圧力ピーク値と、ピストン運動による筒内ガスの圧縮または前記燃料噴射前のパイロット噴射による燃焼に起因する圧縮上死点またはその付近での筒内圧力ピーク値との差をΔPとすると、筒内圧力検出部で検出された筒内圧力に基づいてΔP=0が略成立するように前記燃料噴射の時期を制御する、圧縮着火式内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関の制御装置であって、
    燃料噴射制御部は、濃度取得部で取得された濃度が当該濃度の目標値よりも高い場合は、ΔP=0が略成立するように前記燃料噴射の時期を遅角させる、圧縮着火式内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の圧縮着火式内燃機関の制御装置であって、
    燃料噴射制御部は、濃度取得部で取得された濃度が当該濃度の目標値よりも低い場合は、ΔP=0が略成立するように前記燃料噴射の時期を進角させる、圧縮着火式内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関の制御装置であって、
    圧縮着火式内燃機関においては、燃焼後の排出ガスの一部をEGRガスとして吸気側へ供給する排気再循環が行われ、
    吸気側へ供給するEGRガス量を制御するEGR制御部を備える、圧縮着火式内燃機関の制御装置。
  5. 請求項4に記載の圧縮着火式内燃機関の制御装置であって、
    濃度取得部は、吸気中の酸素濃度に代えて、吸気側へ供給されたEGRガス濃度を取得する、圧縮着火式内燃機関の制御装置。
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