JP2009142482A - ラケット用ガット - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のラケット用ガットに比べて耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を備えたラケット用ガットの提供。
【解決手段】フッ素系樹脂以外の熱可塑性樹脂(好ましくはポリエステル系またはポリアミド系樹脂)90〜99重量%およびフッ素系樹脂(好ましくはエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)1〜10重量%を含有する樹脂組成物からなる直径が0.1〜1.5mmの範囲にあるモノフィラメントを、ガットの少なくとも一部に使用してなることを特徴とするラケット用ガット。
【選択図】なし

Description

本発明は、テニス、バドミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに張設するラケット用ガットに関するものである。さらに詳しくは、従来のラケット用ガットに比べて耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を兼ね備えたラケット用ガットに関するものである。
一般に、ラケット用ガットに求められる機能としては、耐久性、打球性、および張設性の3つがある。すなわち、耐久性とは、張設後の応力緩和による弛みの程度や打球毎の摩耗による切断のし易さなどを言い、打球性とは、反発性、制球性、ボールへの回転の掛け易さなどのほか、打球時の感覚や打球音などの打球感を言い、さらに張設性とは、ラケットへの張り易さを言う。
そして、この3つの性能は重要度が異なり、打球性、耐久性、張設性の順に重要度が位置付けされるが、打球性、耐久性がいかに優れていても、張設性に問題があれば実用性に欠けたラケット用ガットとなる。
テニス、バドミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに張設するガットとして、古くから羊腸、鯨筋などに代表される動物繊維から得られる天然ガットが用いられてきた。
しかし、天然ガットは反発性、制球性および耐衝撃性などに優れているが、耐水性に劣ることから使用寿命が短く、しかも高価であるため、近年では耐久性、量産性、経済性などに優れた合成樹脂製ガットが数多く使用されている。
合成樹脂のモノフィラメントまたはマルチフィラメントを使用した合成樹脂製ガットとしては、例えば芯糸および巻糸の両方にポリアミドを使用したガット(例えば、特許文献1参照)や、ポリエステルモノフィラメントを使用したガット(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
これらの合成樹脂製ガットは、天然ガットに比べ耐久性に優れており、材料の安定供給も可能であるなどの長所を有するが、天然ガット並のソフトな打球感が得られにくいといった問題があった。
また、ガットの耐久性をより向上させる方法として、ラケットに張設されたガットの両面にフッ素樹脂等のコーティング剤を塗布する方法(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
この方法は、コーティング剤を塗布するだけでガットを保護する効果が継続するとされているが、実際に使用すると、数回の使用でコーティング層が破れ、耐久性の低下に繋がるといった問題を抱えていた。
このように、従来のラケット用ガットには、耐久性、打球性、および張設性の3つの特性をバランス良く兼ね備え、天然ガット並の性能を有するものが得られにくかったため、その実現が強く望まれていた。
特開平07−178203号公報 特許第2826055号公報 特開2003−180882号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、従来のラケット用ガットに比べて、耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を備えたラケット用ガットを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明によれば、フッ素系樹脂以外の熱可塑性樹脂90〜99重量%およびフッ素系樹脂1〜10重量%を含有する樹脂組成物からなる直径が0.1〜1.5mmのモノフィラメントを、ガットの少なくとも一部に使用してなることを特徴とするラケット用ガットが提供される。
なお、本発明のラケット用ガットにおいては、
ラケット用ガットに使用するモノフィラメントの引張強度が2.0〜9.0cN/dtexの範囲にあること、
前記フッ素系樹脂以外の熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂もしくはポリアミド系樹脂であること、
前記フッ素系樹脂がエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体であること、
前記モノフィラメントの直径が0.5〜1.5mmの範囲にあり、このモノフィラメントの単線からなるラケット用ガットであること、
前記モノフィラメントの直径が0.5〜1.0mmの範囲にあり、このモノフィラメントを芯線として用いてなるラケット用ガットであること、および
前記モノフィラメントのフッ素系樹脂含有量が1〜5重量%、直径が0.1〜0.5mmの範囲にあり、このモノフィラメントを巻線として用いてなるラケット用ガットであること
が、いずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たすことでさらに優れた効果を取得することができる。
本発明によれば以下に説明するとおり、従来のラケット用ガットに比べて耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を備えたラケット用ガットが提供される。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明のラケット用ガットは、フッ素系樹脂以外の熱可塑性樹脂90〜99重量%およびフッ素系樹脂1〜10重量%を含有する樹脂組成物からなる直径が0.1〜1.5mm、さらには直径0.15〜1.4mmの範囲にあるモノフィラメントを、ガットの少なくとも一部に使用してなることを特徴とするラケット用ガットである。
上記樹脂組成物におけるフッ素系樹脂の含有量は、モノフィラメントの使用用途により、適正値は異なるが、1〜10重量%、特に2〜8重量%の範囲とする。
フッ素系樹脂の含有量が1重量%未満の場合は、耐久性向上や打球感の改善効果を十分に発揮できないため好ましくない。一方、モノフィラメントを単線もしくは芯線として用いたラケット用ガットの場合に、フッ素系樹脂が10重量%を越える場合には、フッ素系樹脂が糸中で異物として働き、強力低下を引き起こし、実用上の強力が得られないため好ましくない。なお、モノフィラメントを巻線として用いたラケット用ガットの場合には、その糸径が0.1〜0.5mmと細いことから、フッ素系樹脂の含有量が5重量%以下であることが好ましい。
本発明において樹脂組成物の主成分として使用するフッ素系樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系樹脂もしくはポリアミド系樹脂が好適に用いられる。
ポリエステル系樹脂は、溶融紡糸可能であれば特に限定はされないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ポリエステル、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートを代表とする脂肪族ポリエステルなどを挙げることができる。
ポリアミド系樹脂は、溶融紡糸可能であれば特に限定はされないが、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12およびこれらの各種ナイロンの相互共重合体などを挙げることができる。
一方、本発明で使用するフッ素系樹脂は、溶融紡糸可能であれば特に限定はされないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体などを挙げることができる。この中でもフッ素系樹脂以外の熱可塑性樹脂との溶融紡糸性から見て、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体が好適に用いられる。
さらに、本発明においては、上述の熱可塑性樹脂に、各種着色剤、結晶化抑制剤、耐光剤、充填剤、帯電防止剤、難燃剤および可塑剤などの添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で添加することも可能である。
本発明のモノフィラメントを使用したラケット用ガットの態様としては、モノフィラメントを単線として使用したガット、モノフィラメントを芯線としてこれに他のモノフィラメントを巻線したガット、他のモノフィラメントを芯線としてこれに本発明のモノフィラメントを巻線したガット、および本発明のモノフィラメントを芯線としてこれに本発明のモノフィラメントを巻線したガットなどが挙げられ、これらの各態様別にモノフィラメント直径の最適値が存在する。
モノフィラメントを単線としてラケット用ガットとする場合において、直径が1.5mmを上回ると打球性が低下しやすくなり、また0.5mm未満では、実用上の強力が得られない傾向となる。
また、モノフィラメントを芯線として用いてラケット用ガットとする場合において、直径が1.0mmを上回ると、打球性が低下しやすくなり、直径が0.5mm未満では、所定の太さにするために巻線が増え、打球性が低下しやすい傾向となる。
さらに、モノフィラメントを巻線として用いてラケット用ガットとする場合において、直径が0.5mmを上回ると、ガットへの巻線加工ができなくなり、0.1mm未満では、線径斑が大きくなり、ガットへの巻線加工ができなくなる傾向となる。
ラケット用ガットを構成する本発明のモノフィラメントの引張強度は、2.0〜9.0cN/dtex、特に3.0〜7.0cN/dtexの範囲にあることが好ましい。
つまり、本発明のモノフィラメントを単線もしくは芯線としてラケット用ガットに使用する場合、引張強度が上記範囲を下回ると実用上の強度が得られずにラケット用ガットとしての本来の機能が果たせず、逆に上記範囲を上回ると、高倍率で延伸されたモノフィラメントが用いられているため、破断伸度が少なくなり、張設時にガットが破断しやすくなる傾向となる。
また、本発明のモノフィラメントを巻線としてラケット用ガットに使用する場合、引張強度が上記範囲を下回ると実用上の強度が得られずにガットへの巻線加工が難しくなり、逆に上記範囲を上回ると、高倍率で延伸されたモノフィラメントが用いられているため、破断伸度が少なくなり、ガットの巻線加工が難しくなる傾向となる。
フッ素系合成樹脂が含有されているため、モノフィラメントのすべりがよくなり、面圧保持性が上がり、耐久性が得られる。そのためモノフィラメントをガットの外周部に用いることで、好適に効果を発揮する。
また、モノフィラメントの断面形状については特に限定はされないが、円形を始めとして、三角、四角などの多角形や三葉、五葉などの多葉断面など、ラケット用ガットに要求される機能に応じて適宜選ぶことができる。
本発明のラケット用ガットは、以下に説明する方法により効率的に製造することができる。
まず、モノフィラメントを溶融紡糸するに際しては、公知の紡糸機を使用することができ、またその条件としては、例えば、ポリマー温度200〜350℃、押出圧力1〜50MPa、口金孔径0.1〜5mm、紡糸速度0.3〜200m/分などといった通常の条件を採用することができる。
初めに、フッ素系樹脂以外の熱可塑性樹脂とフッ素系樹脂の混合樹脂組成物を紡糸機に供給し、紡糸機内で溶融混練した後、紡糸機のダイ内で口金から紡出する。
その後、紡出したモノフィラメントは、短い気体ゾーンを通過した後、冷却浴内で冷却されるが、ここでの冷却温度は、冷却浴内におけるモノフィラメントの蛇行を防止し、モノフィラメントの真円性を高められることから、5〜90℃とすることが好ましい。
なお、冷却媒体としては、ポリマーに不活性な液体、通常は水、ポリエチレングリコールおよびグリセリンなどを挙げることができる。
次に、冷却固化されたモノフィラメントは、引き続き1段乃至2段の延伸行程に送られる。ここで、高強度かつ耐久性に優れたモノフィラメントを得るためには、1段目の延伸を比較的低温かつ低倍率の条件で行うことが好ましく、具体的には、60〜120℃の温度で2.0〜4.5倍に延伸することが好ましい。
さらに、延伸工程を経たモノフィラメントは、延伸歪みを除去することなどを目的として、適度な定長および/または弛緩熱処理を行っても良い。
なお、延伸工程および定長/弛緩熱処理工程における雰囲気(浴)としては、温水、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびシリコーンオイルなどの加熱した熱媒体浴、乾熱気体浴および水蒸気浴などを使用することができる。
こうして得られた本発明のラケット用ガットは、従来のラケット用ガットに比べて耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を備えたものであるため、テニス、バドミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに使用した場合には、これらの効果を如何なく発揮する。
以下、本発明のラケット用ガットをさらに具体的に説明するが、本発明のラケット用ガットはその主旨を越えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、評価用のテニスラケットは、フェース面積115インチのテニスラケット用のフレームに、得られたラケット用ガットを60Lbのテンションで張設したものを使用し、次の基準に従って評価を行った。
[糸直径]
アンリツ(株)製レーザー外径測定機を用いて測定した。
[引張強度]
JIS L1013の規定に準じて測定した。
[ラケット用ガット特性の評価]
A.面圧保持性
面圧測定機(スイス製RaTest)を使用して、張設直後と張設後1週間後の面圧を測定し、張設直後の面圧に対する保持率(%)で評価した。保持率が大きいほど面圧保持性に優れていることを示す。
B.耐久性
テニスラケットのフェースに、時速100Km、打ち出し間隔15回/分、打ち出し距離50cm、かつ打ち出し角度40度の条件でテニスボールを衝突させ、ガットが切断するまでの打ち出し回数で耐久性を評価した。
C.打球性
上級レベルのテニスプレーヤーにテニスラケットを使用して実際にテニスボールを試打してもらい、天然ガットおよび従来のポリエステル樹脂製ガットを使用したテニスラケットと比較して、制球性、反発性および耐衝撃性を次の3段階で感応評価した。
◎:天然ガットと同等のものであった。
○:天然ガットより劣るが、ポリエステル樹脂製ガットと同等のものであった。
×:ポリエステル樹脂製ガットより劣るものであった。
D.張設性
ラケット用ガットを張設してテニスラケットを制作する際の張設のしやすさについて、天然ガットを張設する場合と比較して、次の2段階で評価した。
○:良好であった。
×:劣っていた。
[実施例1]
主成分のポリエチレンテレフタレート(三井化学製 J055・・以下PETと呼ぶ)93重量%と、フッ素系樹脂のエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(旭硝子製 「フルオンETFE」C−55AXP・・以下ETFEと呼ぶ)7重量%とのブレンドをした。
まず、これらのブレンド原料をエクストルーダー型紡糸機に供給して300℃で溶融混練した後、孔径4.5mmの口金を通して紡出し、さらに70℃の温水浴中で冷却固化して、未延伸糸を得た。
次に、この未延伸糸を90℃の温水浴中で3.2倍に延伸し、さらに220℃の乾熱浴中で延伸を行った。
引き続いて、250℃の乾熱浴中でリラックス倍率0.95倍の熱処理を行い、直径1.25mmのモノフィラメントを得た。そして、このモノフィラメントを単線としてラケット用ガットとして使用した。
[実施例2]
主成分のナイロン6(東レ製 M1041)95重量%と、フッ素系樹脂の上記ETFE5重量%とのブレンドをした。
まず、これらのブレンド原料をエクストルーダー型紡糸機に供給して280℃で溶融混練した後、孔径2.5mmの口金を通して紡出し、さらに30℃の温水浴中で冷却固化して、未延伸糸を得た。
次に、この未延伸糸を100℃の水蒸気延伸浴中で3.6倍に延伸し、さらに300℃の乾熱浴中で延伸を行った。
引き続いて、250℃の乾熱浴中でリラックス倍率0.90倍の熱処理を行い、直径0.9mmのモノフィラメントを得た。
一方、ナイロン6(東レ製 M1021)原料をエクストルーダー型紡糸機に供給して280℃で溶融混練した後、孔径0.6mmの口金を通して紡出し、さらに10℃の冷水浴中で冷却固化して、未延伸糸を得た。
次に、この未延伸糸を100℃の水蒸気延伸浴中で3.6倍に延伸し、さらに200℃の乾熱浴中で延伸を行った。
引き続いて、180℃の乾熱浴中でリラックス倍率0.90倍の熱処理を行い、直径0.16mmのモノフィラメントを得た。
次いで、直径0.9mmのモノフィラメントを芯糸として、直径0.16mmのモノフィラメント12本を等間隔に配置し、巻き付け角35度で螺旋状に巻き付け接着剤で固定することにより、直径1.35mmのラケット用ガットを製造した。
[実施例3]
ナイロン6(東レ製 M1041)原料をエクストルーダー型紡糸機に供給して280℃で溶融混練した後、孔径2.5mmの口金を通して紡出し、さらに30℃の温水浴中で冷却固化して、未延伸糸を得た。
次に、この未延伸糸を100℃の水蒸気延伸浴中で3.6倍に延伸し、さらに300℃の乾熱浴中で延伸を行った。
引き続いて、250℃の乾熱浴中でリラックス倍率0.90倍の熱処理を行い、直径0.9mmのモノフィラメントを得た。
一方、主成分のナイロン6(東レ製 M1021)98重量%と、フッ素系樹脂の上記ETFE2重量%とのブレンドをした。
そして、これらのブレンド原料をエクストルーダー型紡糸機に供給して280℃で溶融混練した後、孔径0.6mmの口金を通して紡出し、さらに10℃の冷水浴中で冷却固化して、未延伸糸を得た。
次に、この未延伸糸を100℃の水蒸気延伸浴中で3.6倍に延伸し、さらに200℃の乾熱浴中で延伸を行った。
引き続いて、180℃の乾熱浴中でリラックス倍率0.90倍の熱処理を行い、直径0.16mmのモノフィラメントを得た。
次いで、直径0.9mmのモノフィラメントを芯糸として、直径0.16mmのモノフィラメント12本を等間隔に配置し、巻き付け角35度で螺旋状に巻き付け接着剤で固定することにより、直径1.35mmのラケット用ガットを製造した。
[比較例1]
ブレンド割合を主成分のPETが99.5重量%と、上記ETFEが0.5重量%とした以外は、実施例1と同じ条件でラケット用ガットを製造して、使用した。
[比較例2]
ブレンド割合を主成分のナイロン6が99.5重量%と、上記ETFEが0.5重量%とした以外は、実施例2と同じ条件でラケット用ガットを製造した。
[比較例3]
ブレンド割合を主成分のPETが87重量%と、上記ETFEが13重量%とした以外は、実施例1と同じ条件でラケット用ガットを製造して、使用した。
[比較例4]
ブレンド割合を主成分のナイロン6が87重量%と、上記ETFEが13重量%のブレンドとした以外は、実施例2と同じ条件でラケット用ガットを製造した。
[比較例5]
上記ETFEの代わりにポリエチレンナフタレート(帝人化成製TN8065S)を使用した以外は、実施例1と同じ条件でラケット用ガットを製造した。
これらのラケット用ガットの評価結果を表1に示す。
Figure 2009142482
表1の結果から明らかなように、本発明の条件を満たすラケット用ガット(実施例1〜3)は、本発明の条件を満たさないラケット用ガット(比較例1〜5)に比べて、いずれも耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を兼ね備えたものであることが分かる。
特に、フッ素系樹脂の代わりに主成分と同じポリエステル系樹脂を用いてなるラケット用ガット(比較例5)は、60Lbのテンションで張設しようとすると、剛直であり、極めて張設性に欠けるばかりか、反発性、制球性および耐衝撃性が悪く、実用性の低いラケット用ガットであった。
本発明のラケット用ガットは、従来のラケット用ガットに比べて耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を備えたものであるため、テニス、バドミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに使用した場合にはこれらの効果を如何なく発揮することができる。

Claims (8)

  1. フッ素系樹脂以外の熱可塑性樹脂90〜99重量%およびフッ素系樹脂1〜10重量%を含有する樹脂組成物からなる直径が0.1〜1.5mmのモノフィラメントを、ガットの少なくとも一部に使用してなることを特徴とするラケット用ガット。
  2. 前記モノフィラメントのJIS L1013の規定に準じて測定した引張強度が2.0〜9.0cN/dtexの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のラケット用ガット。
  3. 前記フッ素系樹脂以外の熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のラケット用ガット。
  4. 前記フッ素系樹脂以外の熱可塑性樹脂がポリアミド系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のラケット用ガット。
  5. 前記フッ素系樹脂がエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のラケット用ガット。
  6. 前記モノフィラメントの直径が0.5〜1.5mmの範囲にあり、このモノフィラメントの単線からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のラケット用ガット。
  7. 前記モノフィラメントの直径が0.5〜1.0mmの範囲にあり、このモノフィラメントを芯線として用いてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のラケット用ガット。
  8. 前記モノフィラメントのフッ素系樹脂含有量が1〜5重量%、直径が0.1〜0.5mmの範囲にあり、このモノフィラメントを巻線として用いてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のラケット用ガット。
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