JP2009141382A - 半導体レーザ装置およびそれを用いた光ピックアップ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高出力動作状態における発光効率の飽和が抑制され、安定した基本横モード発振を行うことが可能な半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】基板上に形成された、第1の導電型クラッド層と、活性層と、第2の導電型クラッド層とを備え、キャリアを注入するためのストライプ構造を有する。半導体レーザの共振器長をL、前端面の反射率をRf、後端面の反射率をRrとするとき、Rf<Rrの関係を満たし、L1が前端面からL×Loge(Rf)/Loge(Rf×Rr)で表される位置とすると、ストライプの幅が共振器方向に対して距離L1から200μm以内の距離まで直線的に狭くなった後、後端面側のリッジ幅は一定である。
【選択図】図3

Description

本発明は、高出力動作状態における発光効率の飽和が抑制された半導体レーザ装置、およびそれを用いた光ピックアップ装置に関する。
半導体レーザ装置(以下、半導体レーザ、ともいう)は、様々な分野で幅広く使用されている。例えば、AlGaInP系半導体レーザは、波長650nm帯の赤色レーザ光を得ることができるため、DVDに代表される光ディスクシステムの分野において光源として広く使用されている。半導体レーザの構造の一例としては、活性層と、その活性層を狭持する2つのクラッド層とを含むダブルヘテロ構造を有し、一方のクラッド層がメサ状のリッジを形成している構造(例えば、特許文献1参照)が知られている。
図10に、このような構造を有するAlGaInP系半導体レーザの一例を示す。なお、以下に示す各層の組成比は省略する。図10に示す半導体レーザでは、(100)面から[011]方向に15°傾けた面を主面とするn形GaAs基板101上に、n形GaAsバッファ層102、n形GaInPバッファ層103、n形(AlGa)InPクラッド層104が順に積層され、さらにその上に、歪量子井戸活性層105、p形(AlGa)InP第1クラッド層106、p形(またはノンドープ)GaInPエッチングストップ層107、p形(AlGa)InP第2クラッド層108、p形GaInP中間層109、およびp形GaAsキャップ層110が積層されている。ここで、p形(AlGa)InP第2クラッド層108、p形GaInP中間層109、p形GaAsキャップ層110は、p形GaInPエッチングストップ層107上に、順メサ形状を有するリッジとして形成されている。また、p形GaInPエッチングストップ層107上および上記リッジの側面上に、n形GaAs電流ブロック層111が形成され、このn形GaAs電流ブロック層111とリッジ上部に位置するp形GaAsキャップ層110上に、p形GaAsコンタクト層112が積層されている。なお、歪量子井戸活性層105は、(AlGa)InP層およびGaInP層から構成されている。
図10に示す半導体レーザでは、p形GaAsコンタクト層112から注入された電流はn形GaAs電流ブロック層111によりリッジ部のみに狭窄され、リッジ底部近傍の歪量子井戸活性層105に集中して注入される。このようにして、数十mAという少ない注入電流に関わらず、レーザ発振に必要なキャリアの反転分布状態が実現される。このとき、キャリアの再結合により光が発生するが、歪量子井戸活性層105と垂直な方向に対しては、n形(AlGa)InPクラッド層104、p形(AlGa)InP第1クラッド層106の両クラッド層により光の閉じ込めが行われ、歪量子井戸活性層105と平行な方向に対しては、GaAs電流ブロック層111が発生した光を吸収するために光の閉じ込めが行われる。この結果、注入された電流により生じた利得が、歪量子井戸活性層105内の導波路における損失を上回るとレーザ発振が生じる。
このような半導体レーザにおいて、高速に光ディスクを書き換えるためにはできるだけ高い光出力が要望される。例えば、4倍速以上の高速でDVDの光ディスクを書き換えるためには光出力として100mW以上の高出力が必要とされる。このような高出力を得るためには、高出力時に半導体レーザの端面が自らの光出力により溶融破壊されるCOD(Catastrophic Optical Damage)を防ぐ必要がある。CODを防ぐためには、レーザの共振器端面内部の光密度を低減し、発熱を抑えることが有効である。このためには、レーザ光を取り出す半導体レーザの前端面を、SiO2、Al23、アモルファスSiといった誘電体でコーティングし、前面の反射率を下げることが有効である。
一般的にAlGaInP系材料やAlGaAs系材料からなる半導体レーザの共振器端面の反射率は、端面コーティングされていない場合約30%となる。この場合、共振器端面において約30%のレーザ光が反射して共振器内部にフィードバックされ、約70%の光が前端面よりとりだされることになる。これに対し、例えば、前面の反射率が10%となるように誘電体膜をコーティングすると、共振器端面において10%のレーザ光が反射して共振器内部にフィードバックされ、90%の光が前端面よりとりだされることになる。すなわち、前端面から取り出される光出力が同じ場合、前面の反射率を1/3とすれば、共振器端面の光密度も1/3とすることができる。従って、前面の反射率を低減することはCODレベルの増大につながり、高出力レーザを得るための有効な手段である。さらに、レーザ光を取り出す共振器面とは逆の側である後端面反射率を高く設定すれば、半導体レーザの前面からの光の取り出し効率をさらに高めることができる。そこで、一般的に高出力半導体レーザにおいては、前面の反射率を低減し、後面の反射率は逆に高反射率とする端面コート条件が、広く用いられている。
特開2001−196694号公報
上述のとおり、高出力レーザを得るためには、前面の反射率を低減し、後面の反射率を高めるようにすることがCODレベルの向上と、光の取り出し効率の向上に有効である。しかしながら、前面の反射率を低くしすぎると、共振器内部でフェードバックされるレーザ光が低減されるために発振しきい電流値の増大を招くことになる。また、半導体レーザを光ディスクへ応用する場合、前面の反射率を低くすると光ディスクからの反射戻り光により雑音(戻り光誘起雑音)を発生しやすくなる。そこで、通常高出力レーザにおいては、高い光の取り出し効率を得るとともに、戻り光誘起雑音を低減するために、前端面の反射率は5〜10%程度となるように端面コートされている。また、後面の反射率はできるだけ高反射率となるようにコーティングされ、一般的には95%から100%程度の高反射率コートとなるように設定されている。
このように、高出力レーザにおいては、前端面と後端面の反射率の大きさが大きく異なることになる。この場合、活性層を伝播する共振器方向の光分布強度は共振器に対して前後対象ではなく、図2に示すように、前端面側の光分布強度が高い前後非対称な光分布強度となっている。図2には、一例として、共振器長1100μm、前端面、後端面反射率が7%、95%とした素子の共振器方向の光分布が示されている。
この場合、光分布強度が高い前端面側では後端面側に比べてより強い誘導放出が生じるために、後端面側に比べてより多くの電子-正孔対を活性層に注入する必要がある。特に、高出力動作状態において、前端面側では活性層中の電子-正孔対が不足することになり、発光効率の飽和の一因となる。こういった発光効率の飽和は、200〜300mW以上の高出力レーザを得る場合、温度特性の劣化をもたらし重大な支障をきたすことになる。
本発明は、高出力動作状態における発光効率の飽和が抑制され、安定した基本横モード発振を行うことが可能な半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
本発明の半導体レーザ装置は、基板上に形成された、第1の導電型クラッド層と、活性層と、第2の導電型クラッド層とを備え、キャリアを注入するためのストライプ構造を有する。
上記課題を解決するため、第1の構成によれば、前記半導体レーザの共振器長をL、前端面の反射率をRf、後端面の反射率をRrとするとき、Rf<Rrの関係を満たし、L1が前端面からL×Loge(Rf)/Loge(Rf×Rr)で表される位置とすると、前記ストライプの幅が共振器方向に対して距離L1から200μm以内の距離まで直線的に狭くなった後、後端面側の前記リッジ幅は一定であることを特徴とする。
第2の構成によれば、前記半導体レーザの共振器長をL、前端面の反射率をRf、後端面の反射率をRrとするとき、Rf<Rrの関係を満たし、L1が前端面からL×Loge(Rf)/Loge(Rf×Rr)で表される位置とすると、前記ストライプの幅が共振器方向に対して距離L1の距離まで直線的に狭くなるように変化し、L1から後端面側の前記リッジ幅は一定であることを特徴とする。
本発明の光ピックアップ装置は、上記構成の半導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装置から出射した光が反射されてきた反射光を受光する受光部とを備える。
上記構成の半導体レーザは、熱飽和レベルが高く、高出力まで基本横モード発振が可能である。
また、上記構成の半導体レーザ装置を用いることによって、FFPの光軸が安定化され、高出力まで基本横モード発振による動作が可能な光ピックアップ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態において、同一の部分については同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における半導体レーザ装置(以下、半導体レーザともいう)の構造について説明する。
図1は、本実施の形態における半導体レーザ装置の一例を示す断面図である。図1に示す半導体レーザ装置は、(100)面から[011]方向に10°傾けた面を主面とするn形GaAs基板10上に形成されている。n形GaAs基板10上には、n形GaAsバッファ層11、n形(AlGa)InP第1クラッド層12、活性層13、p形(AlGa)InP第2クラッド層14、p形GaInP保護層15が順に積層されている。それにより、活性層13が、2つのクラッド層12、14によって狭持されたダブルヘテロ構造が形成されている。
また、p形(AlGa)InP第2クラッド層14によって、活性層13上に、順メサ形状を有するリッジが形成されている。さらに、上記リッジの側面を覆うように、n形AlInP電流ブロック層16が形成され、このn形AlInP電流ブロック層16とリッジ上部に位置するp形GaInP保護層15上に、p形GaAsコンタクト層17が積層されている。活性層13は、(AlGa)InP第1ガイド層31、GaInP第1ウェル層w1、(AlGa)InP第1バリア層b1、GaInP第2ウェル層w2、(AlGa)InP第2バリア層b2、GaInP第3ウェル層w3および(AlGa)InP第2ガイド層g2によって構成される歪量子井戸活性層である。なお、上記各層における組成比の一例については、後述する。
図1に示す半導体レーザ装置では、p形GaAsコンタクト層17から注入された電流は、n形AlInP電流ブロック層16によりリッジ部のみに狭窄され、それにより、リッジの底部近傍の活性層13に集中して注入される。このため、レーザ発振に必要なキャリアの反転分布状態が、数十mA程度の注入電流により実現できる。この時、キャリアの再結合により発光した光は、活性層13の主面と垂直な方向に対しては、n形(AlGa)InP第1クラッド層12およびp形(AlGa)InP第2クラッド層14の両クラッド層によって閉じ込められることになる。また、活性層13の主面と平行な方向に対しては、p形(AlGa)InP第2クラッド層14よりも屈折率が小さいn形AlInP電流ブロック層16によって閉じ込められることになる。そのため、リッジを導波路とする(リッジ導波型)、基本横モード発振が可能な半導体レーザ素子とすることができる。
また、図1に示す半導体レーザ装置は、動作電流密度を低減し温度特性を向上させるために、共振器長が例えば1100μmである。レーザ光を取り出す前端面側の共振器端面には7%の低反射率コートが施され、後端面側には95%の高反射率コートが施されている。共振器方向の光分布強度は、図2に示すように、共振器内部で前後非対称となり、前端面側が後端面側に比べて約2倍高くなる。この場合、光密度の高い前端面部では、光密度の低い後端面部に比べてより多くの誘導放出光が必要となる。より多くの誘導放出光を生じさせるためには、より多数の電子−正孔対が活性層に必要となる。従って、前端面部の活性層では、後端面部の活性層中に比べてより多数の電子−正孔対が必要となる。
リッジ幅が共振器方向に対して一定の場合、共振器方向に対して電流は均一に注入されることになる。この結果、高出力状態においては、低反射率コートされた前端面部ではより多くの電子−正孔対が必要となり、光出力がある値以上になると前端面部の活性層では電子−正孔対の供給が追いつかなくなり、利得が飽和することになる。
これに対して、リッジ幅を共振器方向に対して変化させ、より多くの電子−正孔対を必要とする部分のリッジ幅を広くし、より多くの電流が注入され易いようにする構造について検討する。一般的に、前端面、後端面の反射率をそれぞれRf、Rr、共振器長をLとすると、共振器方向に対して最も光密度が小さくなる点は、前端面よりL×Loge(Rf)/Loge(Rf×Rr)の距離となる。一例としては、共振器長1100μmの素子に対し、前端面に7%の低反射率コート、後端面に95%の高反射率コートを施すと、図2に示すように前端面から共振器方向に1079μmの位置の光密度が最も小さくなる。この光分布強度に応じて、共振器方向のリッジの幅も変化させ、光密度が小さくなれば、リッジの幅も狭くなるように設定する。
リッジ幅の共振器方向の変化は、図3(a)に示すように、共振器方向のリッジ幅の変化率が微分連続となるように変化させてもよく、また図3(b)に示すように、直線的に変化させてもよい。図3(a)、図3(b)では、光密度が最も小さくなる個所よりも後端面側のリッジ幅は一定としている。光密度が最も小さくなる位置(P1)が、後端面から200μm以内の距離にあれば、P1と後端面との間のリッジ幅は一定であってもよい。
レーザ共振器をへき開により作製する場合、リッジの幅をレーザ端面から共振器内部に向かって一定の領域を設ければ、へき開位置のバラツキによるレーザ端面部でのリッジ幅のバラツキを抑えることが可能になる。リッジの幅はレーザ光の放射角の大きさに影響するために、レーザ端面から共振器内部に向かって一定の領域を設けることにより、レーザ光の放射角の安定化させることができる。へき開位置の精度は一般的には数ミクロンであるため、レーザ端面部にリッジ幅一定の領域を5μm以上設ければ、へき開位置のバラツキによるレーザ放射角の変動を抑えることが可能となる。
ここで、前端面部のリッジ低部の幅が3μm、前端面、後端面の反射率がそれぞれ7%、95%の場合、共振器方向の光分布強度が最も小さくなる部分のリッジの幅(Ws)を変えた場合の、電流−光出力における微分効率の変化を図4に示す。後端面部のリッジ底部の幅は、Wsと同一としている。図4に示すようにWsを小さくするほど、微分効率が向上することが分かる。
本実施の形態に基づく実施例では、前端面部のリッジ低部の幅を3μmとし、前端面から共振器方向に1079μmの位置のリッジ低部幅を2.3μm、後端面部のリッジ低部の幅を2.3μmとした。また、リッジ幅は、図3(b)に示すように、直線的に変化させた。
図1に示す半導体レーザ装置において、各層の厚さ、組成、組成比、導電形などは、通常実施される範囲で、どのように設定することもできる。半導体レーザ装置として必要な特性に基づき、任意に設定すればよい。例えば、各層を以下に示す厚さ、組成および組成比とすることができる。なお、括弧内に示す数値は各層の厚さであり、判り易くするために図1と同じ参照番号を付して示す。
各層の組成比および厚さの一例は、n形GaAsバッファ層11(0.5μm)、n形(Al0.7Ga0.30.51In0.49P第1クラッド層12(1.2μm)、p形(Al0.7Ga0.30.51In0.49P第2クラッド層14、p形Ga0.51In0.49P保護層15(50nm)、p形GaAsコンタクト層17(3μm)である。活性層13の一例としては、(Al0.5Ga0.50.51In0.49P(50nm)第1ガイド層g1、Ga0.48In0.52P(5nm)第1ウェル層w1、(Al0.5Ga0.50.51In0.49P(5nm)第1バリア層b1、Ga0.48In0.52P(5nm)第2ウェル層w2、(Al0.5Ga0.50.51In0.49P(5nm)第2バリア層b2、Ga0.48In0.52P(5nm)第3ウェル層w3および(Al0.5Ga0.50.51In0.49P(50nm)第2ガイド層g2からなる歪量子井戸活性層を形成する。
p形(Al0.7Ga0.30.51In0.49P第2クラッド層14は一例として、リッジの上部にあるp形GaInP保護層15と活性層13との間の距離が1.2μm、図1に示すリッジの底部と活性層との距離dpが0.2μmになるように設定する。n形AlInP電流ブロック層16の厚さの一例は、0.7μmである。なお、この例において、リッジの上面の幅は、リッジの底部の幅に比べて約1μmほど小さくなる。
活性層13は、上記の例に示すような歪量子井戸活性層に限定されない。例えば、無歪の量子井戸活性層やバルクの活性層を用いてもよい。また、活性層13の導電形は特に限定されない。p形であってもn形であってもよい。アンドープの活性層であってもよい。
また、上述の例のように、発振したレーザ光に対して透明な電流ブロック層を用いれば、導波路損失を低減することができ、動作電流値を低減することも可能になる。また、この場合、導波路を伝播する光の分布が電流ブロック層に大きくしみ出すことができるため、ストライプ領域の内外における実効屈折率の差(Δn)を10-3オーダーとすることも可能である。また、Δnを、図1に示すリッジの底部と活性層との距離dpを調節することによって、細かく制御することが可能であり、動作電流値を低減させた、高出力まで安定した発振が可能な半導体レーザ装置とすることができる。なお、Δnの範囲としては、例えば、3×10-3〜7×10-3の範囲を採ることができる。上記範囲において、高出力まで安定した基本横モード発振を行うことができる。
本実施の形態の半導体レーザ装置では、リッジ底部の最も狭い部分の幅と、リッジ底部の幅の最大値との差が、0.5μm以下であってもよい。このような構成とすることによって、光強度の分布が変化することに伴う導波路損失の増大が抑制され、より導波路損失が低減された半導体レーザ装置とすることができる。
また本実施の形態の半導体レーザ装置では、端面の近傍における活性層が、不純物の拡散により無秩序化されていてもよい。このような構成とすることによって、端面の近傍における活性層のバンドギャップを増大し、レーザ光に対してより透明な端面窓構造を得ることができる。そのため、より高い光出力でも端面破壊(いわゆる、C.O.D.)を起しにくい半導体レーザ装置とすることができる。
拡散させる不純物としては、例えば、Si、Zn、Mg、Oなどを用いればよい。不純物の拡散量(ドープ量)としては、例えば、1×1017cm-3〜1×1020cm-3の範囲とする。拡散は、半導体レーザ素子の端面から、例えば、10μm〜50μmの範囲であればよい。
次に、図1に示す例と同様の断面構造および組成比を有する半導体レーザ装置について、パルス駆動時の最大光出力とリッジ底部の最小幅との関係を調べた。その結果を図5に示す。なお、レーザ光を発振する条件は、半導体レーザ装置の温度を75℃、パルス幅を100ns、デューティ比率を50%とした。
図5に示すように、リッジの底部の最小幅Wsが2.4μmを超えた場合、最大光出力はキンクが発生する光出力によって決まり、また、Wsが大きいほど、より低い光出力においてキンクが発生することが判る。一方、Wsが2.4μm以下になると、キンクは発生しないものの熱飽和により光出力が制限される。Wsが2.2μmとなるまで、熱飽和する光出力が増大することが分かる。Wsが2.2μmより小さくなると、微分抵抗Rsが増大するため、熱飽和する光出力が小さくなる傾向にあることが判る。これらの結果から、Wsが2.6μm以下、1.6μm以上の範囲において、キンクの発生が抑制され、熱飽和レベルの高い半導体レーザ装置が得られることが判る。
本実施の形態の半導体レーザ装置では、リッジ底部の最小幅Wsが、1.6μm以上2.5μm以下の範囲とすることができる。このような構成とすることによって、リッジの底部の幅が最も狭い領域において、キャリアの空間的ホールバーニングの発生をより抑制することができる。そのため、より高出力までキンクの発生が抑制された半導体レーザ装置とすることができる。
また、本実施の形態の半導体レーザ装置では、リッジ底部の幅の最も広い部分の幅が、2.4μm以上3μm以下とすることができる。このような構成とすることによって、リッジ底部の幅が最も広い領域において、微分抵抗Rsの増大を抑制しながら、高次横モードをより効果的にカットオフすることができるため、より高出力まで基本横モード発振が可能な半導体レーザ装置とすることができる。
図6に、本実施の形態に基づく一実施例における半導体レーザ装置について、室温、CWにおける電流-光出力特性を線aで示す。共振器長1100μm、リッジ幅が共振器方向に対して2.8μmで一定の従来の半導体レーザ装置の場合を線bで示す。従来の半導体レーザ装置の場合には、120mW程度でキンクが生じているが、本発明の一実施例の半導体レーザ装置は、200mW以上まで直線性に優れた電流-光出力特性を示している。これは、リッジの幅を共振器方向に対して変化させ、共振器方向の光分布強度が最小となる場所のリッジ幅を狭めため、光密度の高い部分の活性層には、より多くの電子-正孔対が注入されることになり、高出力まで利得の飽和が生じ難く高い熱飽和レベルを得ることができることと、リッジ幅の狭い部分が高次横モードの発振を抑制しキンク発生を抑制するためである。
上述の構成を有する半導体レーザ装置の製造方法について、図7に示す、製造方法の各工程の一例を示す断面図を参照して説明する。
まず図7(a)に示すように、(100)面から[011]方向に10°傾けた面を主面とするn形GaAs基板10上に、n形GaAsバッファ層11(0.5μm)、n形(AlGa)InP第1クラッド層12(1.2μm)、活性層13、p形(AlGa)InP第2クラッド層14、p形GaInP保護層15(50nm)を形成する。括弧内の数字は、各層の厚さを示している。各層の組成比の記載は省略するが、例えば、実施の形態1に示した例と同様の組成比であればよい。。活性層13としては、例えば、実施の形態1に示した歪量子井戸活性層の例と同様の活性層を形成すればよい。各層の形成にあたっては、例えば、MOCVD法やMBE法を用いることができる。
次に図7(b)に示すように、上記各層からなる積層体の最上層であるp形GaInP保護層15上に、酸化シリコン膜18を堆積させる。堆積は、例えば、熱CVD法(大気圧、370℃)により行えばよい。また、その厚さは、例えば、0.3μmである。
次に、酸化シリコン膜18の端面近傍の領域(例えば、端面から50μmの幅の領域)を除去し(図示せず)、p形GaInP保護層15を露出させる。続いて、この露出部にZnなどの不純物原子を熱拡散させ、活性層13の端面近傍の領域を無秩序化させる。
次に図7(c)に示すように、酸化シリコン膜18を所定の形状にパターニングする。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィー法とドライエッチング法とを組み合わせて行えばよい。所定の形状とは、例えば、実施の形態1に示した半導体レーザ装置におけるリッジの形状と同一であればよい。すなわち、例えば図3(a)あるいは図3(b)に示すリッジの形状に酸化シリコン膜18をパターニングすればよい。続いて、所定の形状にパターニングした酸化シリコン膜18をマスクとして、塩酸系エッチャントなどを用いてp形GaInP保護層15を選択的にエッチングし、更に硫酸系または塩酸系エッチング液などを用いてp形AlGaInP第2クラッド層14を選択的にエッチングし、メサ状のリッジを形成する。
次に図7(d)に示すように、酸化シリコン膜18をマスクとして、p形AlGaInP第2クラッド層14上にn形AlInP電流ブロック層16を選択的に成長させる。厚さは、例えば、0.7μmとする。成長させる方法としては、例えば、MOCVD法を用いればよい。
次に図7(e)に示すように、弗酸系エッチング液などを用いて酸化シリコン膜18を除去する。次に図7(f)に示すように、MOCVD法あるいはMBE法などを用いて、p形GaAsコンタクト層17を堆積する。最後に素子を所望の共振器長にへき開後、前端面、後端面にアモルファスSi,SiO2、Al23等の誘電体膜を、所望の反射率となるようにコーティングすればよい。
(実施の形態2)
実施の形態2における光ピックアップ装置について、図8および図9を参照して説明する。本実施の形態のピックアップ装置は、上述した実施の形態における半導体レーザ装置と、半導体レーザ装置から出射した光が記録媒体において反射した反射光を受光する受光部とを備えている。
図8は、本実施の形態における光ピックアップ装置の一例を示す断面図である。この光ピックアップ装置は、半導体レーザ装置20が設置された基板21に、受光素子22が形成された構造を有する。基板21は段差部を有し、その低部表面に、台座23を介して半導体レーザ装置20が固定されている。段差部の斜面に光学素子24が形成されている。基板21の高部表面に、受光素子22が形成されている。
光学素子24は、半導体レーザ装置20から出射したレーザ光25を、基板21の表面の法線方向に反射する。光学素子24は、例えば、基板21の表面をウェットエッチングにより結晶の面方位がでるように加工することにより形成される。受光素子22としては、例えば、フォトダイオードを用いればよい。半導体レーザ装置20を台座23の上に配置するのは、レーザ光25が基板21の表面で反射する影響を抑制するためである。
この光ピックアップ装置では、受光部22と発光部である半導体レーザ装置20とが同一基板21上に集積化されているため、光ピックアップ装置を小型化することが容易である。また、半導体レーザ装置20は、FFPの光軸が安定化され、高出力まで基本横モード発振が可能であるため、DVDなどの様々なフォーマットの光ディスクに対応した光ピックアップ装置に適している。
図9は、本実施の形態における光ピックアップ装置の他の例を示す断面図である。この光ピックアップ装置では、基板26の表面は平坦であり、半導体レーザ装置20は、受光素子22が形成された面と同一面上に配置されている。半導体レーザ装置20と受光素子22の間の基板26上に、半導体レーザ装置20から出射したレーザ光25を、基板26の表面の法線方向に反射する反射ミラー27が配置されている。このような光ピックアップ装置の構成により、図8に示した光ピックアップ装置と同様の効果を得ることができる。
以上のように、本実施の形態における光ピックアップ装置の構成により、FFPの光軸が安定化され、高出力まで基本横モード発振による動作を可能とすることができる。
また、本実施の形態の光ピックアップ装置において、記録媒体により反射された反射光を分岐する光分岐部をさらに備え、受光部が、光分岐部によって分岐された反射光を受光するようにしてもよい。
また、半導体レーザ装置と受光部とは、同一の基板上に配置されていなくともよいが、同一の基板上に配置されていた方が、光ピックアップ装置をより小型にすることができる。また、半導体レーザ装置から出射した光を基板の表面の法線方向に反射する光学素子を基板上に設けることも必須ではない。
なお、以上の実施の形態では、GaAlInP系半導体レーザ装置の場合を例として説明を行ったが、リッジ導波路型の半導体レーザ装置であれば、その他の組成、構造であっても本発明を適用することができる。
本発明に係る半導体レーザ装置は、高出力かつ高信頼性を有するので、DVDやCD等の記録用途光ディスク装置への適用に有用である。
本発明の実施の形態1における半導体レーザ装置を示す断面図 本発明の実施の形態における半導体レーザ装置の共振器方向の光分布強度を示す図 (a)一実施例の半導体レーザ装置の共振器方向に沿ったリッジ底部の幅の分布を示す図、(b)他の実施例の半導体レーザ装置の共振器方向に沿ったリッジ底部の幅の分布を示す図 リッジ底部の最小幅と電流−光出力特性における微分効率との関係を示す図 本発明の実施の形態の半導体レーザ装置におけるリッジ底部の最小幅と最大光出力との関係を示す図 本発明および従来の半導体レーザ装置における電流−光出力特性の一例を示す図 本発明の実施の形態1における半導体レーザ装置を製造する方法を示す断面図 本発明の実施の形態2における光ピックアップ装置を示す断面図 同実施の形態における他の構成の光ピックアップ装置を示す断面図 従来例の半導体レーザ装置を示す断面図
10 n形GaAs基板
11 n形GaAsバッファ層
12 n形(AlGa)InP第1クラッド層
13 活性層
14 p形(AlGa)InP第2クラッド層
15 p形GaInP保護層
16 n形AlInP電流ブロック層
17 p形GaAsコンタクト層
18 酸化シリコン膜
20 半導体レーザ装置
21、26 基板
22 受光素子
23 台座
24 光学素子
25 レーザ光
27 反射ミラー
101 n形GaAs基板
102 n形GaAsバッファ層
103 n形GaInPバッファ層
104 n形(AlGa)InPクラッド層
105 歪量子井戸活性層
106 p形(AlGa)InP第1クラッド層
107 p形GaInPエッチングストップ層
108 p形(AlGa)InP第2クラッド層
109 p形GaInP中間層
110 p形GaAsキャップ層
111 n形GaAs電流ブロック層
112 p形GaAsコンタクト層
b1 (AlGa)InP第1バリア層
b2 (AlGa)InP第2バリア層
g1 (AlGa)InP第1ガイド層
g2 (AlGa)InP第2ガイド層
w1 GaInP第1ウェル層
w2 GaInP第2ウェル層
w3 GaInP第3ウェル層

Claims (10)

  1. 基板上に形成された、第1の導電型クラッド層と、活性層と、第2の導電型クラッド層とを備え、キャリアを注入するためのストライプ構造を有する半導体レーザにおいて、
    前記半導体レーザの共振器長をL、前端面の反射率をRf、後端面の反射率をRrとするとき、Rf<Rrの関係を満たし、L1が前端面からL×Loge(Rf)/Loge(Rf×Rr)で表される位置とすると、前記ストライプの幅が共振器方向に対して距離L1から200μm以内の距離まで直線的に狭くなった後、後端面側の前記リッジ幅は一定であることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 基板上に形成された、第1の導電型クラッド層と、活性層と、第2の導電型クラッド層とを備え、キャリアを注入するためのストライプ構造を有する半導体レーザにおいて、
    前記半導体レーザの共振器長をL、前端面の反射率をRf、後端面の反射率をRrとするとき、Rf<Rrの関係を満たし、L1が前端面からL×Loge(Rf)/Loge(Rf×Rr)で表される位置とすると、前記ストライプの幅が共振器方向に対して距離L1の距離まで直線的に狭くなるように変化し、L1から後端面側の前記リッジ幅は一定であることを特徴とする半導体レーザ装置。
  3. 前記前端面および後端面の近傍において、前記前端面および前記後端面から共振器内部に向かって、前記ストライプの幅が一定である領域を有する請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記キャリアを注入するためのストライプ構造がリッジ構造を有し、前記リッジ底部の幅の最小値が1.6μm以上、2.5μm以内である請求項1から3に記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記リッジの底部の幅の最大値と最小値の差が0.5μm以内である請求項4に記載の半導体レーザ装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装置から出射した光が反射されてきた反射光を受光する受光部とを備えた光ピックアップ装置。
  7. 前記反射光を分岐する光分岐部をさらに備え、前記受光部は、前記光分岐部によって分岐された前記反射光を受光する請求項6に記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記半導体レーザ装置と前記受光部とが、同一の基板上に形成されている請求項6または7に記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記半導体レーザ装置から出射した光を前記基板の表面の法線方向に反射する光学素子を前記基板上に備えた請求項6に記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記光学素子が反射ミラーである請求項9に記載の光ピックアップ装置。
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