JP2009138916A - バックラッシレスギヤ装置 - Google Patents
バックラッシレスギヤ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009138916A JP2009138916A JP2007319094A JP2007319094A JP2009138916A JP 2009138916 A JP2009138916 A JP 2009138916A JP 2007319094 A JP2007319094 A JP 2007319094A JP 2007319094 A JP2007319094 A JP 2007319094A JP 2009138916 A JP2009138916 A JP 2009138916A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gear
- helical
- spur gear
- helical gear
- teeth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Gears, Cams (AREA)
Abstract
【課題】回転動力伝達時以外にはバックラッシを確保することができ、回転動力伝達時にはバックラッシを無くすことができるバックラッシレスギヤ装置を提供する。
【解決手段】相手歯車3の歯3aが第1平歯車4の歯7に当接し、第1平歯車4が相手歯車3によって回動させられる際に、第1従動子17が第1カム溝16に沿って相対的に移動し、第1平歯車4が第2回転軸14に対して回動すると共に第2平歯車5側へ向かってスライドする。そして、第1平歯車4が第2平歯車5を第2回転軸14に対してスライド移動させ、第2平歯車5がバックラッシの分だけ第1平歯車4の第2回転軸14に対する回動角度よりも大きく回動し、第2平歯車5の歯18が第1平歯車4側から受けるスラストの分力で相手歯車3の歯3の隣りの歯3に押し付けられる。その結果、第1平歯車4及び第2平歯車5が第2回転軸14と一体となって相手歯車3によって回転させられる。
【選択図】図1
【解決手段】相手歯車3の歯3aが第1平歯車4の歯7に当接し、第1平歯車4が相手歯車3によって回動させられる際に、第1従動子17が第1カム溝16に沿って相対的に移動し、第1平歯車4が第2回転軸14に対して回動すると共に第2平歯車5側へ向かってスライドする。そして、第1平歯車4が第2平歯車5を第2回転軸14に対してスライド移動させ、第2平歯車5がバックラッシの分だけ第1平歯車4の第2回転軸14に対する回動角度よりも大きく回動し、第2平歯車5の歯18が第1平歯車4側から受けるスラストの分力で相手歯車3の歯3の隣りの歯3に押し付けられる。その結果、第1平歯車4及び第2平歯車5が第2回転軸14と一体となって相手歯車3によって回転させられる。
【選択図】図1
Description
本発明は、バックラッシを取り除くことができるバックラッシレスギヤ装置に関するものである。
従来から、内燃機関の動力伝達系のように、回転トルクの変動がある動力伝達系の軸に取り付けられるギヤ装置は、バックラッシに起因する振動や騒音を低減するため、バックラッシを取り除く様々な工夫が施されてきた。
(第1従来技術)
図19に示すバックラッシ防止歯車1000は、軸1001と一体に形成された第1歯車1002と、この第1歯車1002に対して相対回動可能に組み付けられる第2歯車1003と、第1歯車1002に対して第2歯車1003を一定の方向に常時回動付勢するばね1004とを備えており、噛み合う相手歯車1005の歯を第1歯車1002の歯と第2歯車1003の歯で挟み込むようになっている。このバックラッシ防止歯車1000は、第1歯車1002の歯と第2歯車1003の歯がばね1004のばね力で相手歯車1005の歯を挟むように常時相手歯車1005の歯に接触しているため、バックラッシを効果的に防止できるようになっている(特許文献1参照)。
図19に示すバックラッシ防止歯車1000は、軸1001と一体に形成された第1歯車1002と、この第1歯車1002に対して相対回動可能に組み付けられる第2歯車1003と、第1歯車1002に対して第2歯車1003を一定の方向に常時回動付勢するばね1004とを備えており、噛み合う相手歯車1005の歯を第1歯車1002の歯と第2歯車1003の歯で挟み込むようになっている。このバックラッシ防止歯車1000は、第1歯車1002の歯と第2歯車1003の歯がばね1004のばね力で相手歯車1005の歯を挟むように常時相手歯車1005の歯に接触しているため、バックラッシを効果的に防止できるようになっている(特許文献1参照)。
(第2従来技術)
また、図20に示すバックラッシ低減装置1100は、軸1101に一体回転可能に且つスライド不能に取り付けられた主歯車1102と、主歯車1102に相対回動可能に且つスライド可能に取り付けられた副歯車1103とを備えている。そして、主歯車1102の溝1104と副歯車1103の溝1105に跨って錘部材1106が配置されており、この錘部材1106がコイルばね1107で径方向外方へ向けて付勢され、錘部材1106が両溝1104,1105の傾斜面1108,1109に当接して、副歯車1103がコイルばね1107のばね力で主歯車1102から離れる方向へ軸1101に沿ってスライドするようになっている。そして、副歯車1103が軸1101に沿ってスライドすると、副歯車1103がパッドセレーション1110によって軸1101の周り(主歯車1102に対して)に回動させられるようになっている(特許文献2参照)。
実開昭62−174159号公報
特開昭62−35164号公報
また、図20に示すバックラッシ低減装置1100は、軸1101に一体回転可能に且つスライド不能に取り付けられた主歯車1102と、主歯車1102に相対回動可能に且つスライド可能に取り付けられた副歯車1103とを備えている。そして、主歯車1102の溝1104と副歯車1103の溝1105に跨って錘部材1106が配置されており、この錘部材1106がコイルばね1107で径方向外方へ向けて付勢され、錘部材1106が両溝1104,1105の傾斜面1108,1109に当接して、副歯車1103がコイルばね1107のばね力で主歯車1102から離れる方向へ軸1101に沿ってスライドするようになっている。そして、副歯車1103が軸1101に沿ってスライドすると、副歯車1103がパッドセレーション1110によって軸1101の周り(主歯車1102に対して)に回動させられるようになっている(特許文献2参照)。
しかしながら、図21に示すように、予め装置本体1200内に設置された駆動側歯車1201に対し、装置本体1200に交換用部品1202の被動側歯車1203を噛み合わせる場合、駆動側歯車1201又は被動側歯車1203が第1従来技術のバックラッシ防止歯車1000又は第2従来技術のバックラッシ低減装置1100であると、駆動側歯車1201と被動側歯車1203をバックラッシが無い状態で噛み合わせなくてはならず、交換用部品1202の装置本体1200への組み付け作業(一対の歯車1201,1203同士の噛み合わせ作業)が困難になるという問題を有している。
また、第1従来技術及び第2従来技術は、噛み合う各歯車がプラスチック材料で形成されたものである場合、ばね(1004,1107)のばね力が常時歯に作用するため、歯がクリープ変形を生じてしまうという問題を有していた。
そこで、本発明は、回転動力伝達時以外にはバックラッシを確保することができ、回転動力伝達時にはバックラッシを無くすことができるバックラッシレスギヤ装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明に係るバックラッシレスギヤ装置は、(1)回転軸に回動可能に取り付けられ、相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第1平歯車と、(2)前記第1平歯車の側面に当接した状態で前記回転軸に回動可能に取り付けられ、前記相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第2平歯車と、(3)前記第1平歯車と前記回転軸とを連繋する第1連繋手段と、(4)前記第2平歯車と前記回転軸とを連繋する第2連繋手段と、を備えている。この発明において、前記第1連繋手段は、(1)前記第1平歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1平歯車と前記回転軸のいずれか一方に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して所定のねじれ角(θ1)で延びる第1カム溝と、(2)前記第1平歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1平歯車と前記回転軸のいずれか他方に固定され、前記第1カム溝に沿ってスライドできるように前記第1カム溝に係合する第1従動子と、を有している。また、前記第2連繋手段は、(1)前記第2平歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第2平歯車と前記回転軸のいずれか一方に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して前記第1カム溝のねじれ方向と同一のねじれ方向で且つ前記第1カム溝のねじれ角(θ1)よりも大きなねじれ角(θ2)で形成された第2カム溝と、(2)前記第2平歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第2平歯車と前記回転軸のいずれか他方に固定され、前記第2カム溝に沿ってスライドできるように前記第2カム溝に係合する第2従動子と、を有している。そして、この発明に係るバックラッシレスギヤ装置は、前記第1平歯車と前記第2平歯車が被動側で使用される場合、前記相手歯車の歯が前記第1平歯車の歯に当接し、前記第1平歯車が前記相手歯車によって回動させられる際に、前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1平歯車が前記回転軸に対して回動すると共にスライドし、前記第1平歯車が前記第2平歯車を前記回転軸に対してスライド移動させ、前記第2平歯車がバックラッシの分だけ前記第1平歯車の前記回転軸に対する回動角度よりも大きく回動し、前記第2平歯車の歯が前記第1平歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられるようになっている。また、本発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1平歯車と前記第2平歯車が駆動側で使用される場合、前記第1平歯車の歯が相手歯車の歯に当接し、前記第1平歯車が前記相手歯車を回動させる際に、前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1平歯車が前記回転軸に対して回動すると共にスライドし、前記第1平歯車が前記第2平歯車を前記回転軸に対してスライド移動させ、前記第2平歯車がバックラッシの分だけ前記第1平歯車の前記回転軸に対する回動角度よりも大きく回動し、前記第2平歯車の歯が前記第1平歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させるようになっている。
請求項2の発明は、(1)回転軸に回動可能に取り付けられ、相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第1はすば歯車と、(2)前記第1はすば歯車の側面に当接した状態で前記回転軸に回動可能に取り付けられ、前記相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第2はすば歯車と、(3)前記第1はすば歯車と前記回転軸とを連繋する第1連繋手段と、(4)前記第2はすば歯車と前記回転軸とを連繋する第2連繋手段と、を備えたバックラッシレスギヤ装置に関するものである。この発明において、前記第1はすば歯車の歯は、前記第2はすば歯車側へ向かってスラストが作用するようなねじれ方向のねじれ角(θ3)で形成されている。また、前記第1連繋手段は、(1)前記第1はすば歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1はすば歯車と前記回転軸のいずれか一方に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に沿って延びる第1カム溝と、(2)前記第1はすば歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1はすば歯車と前記回転軸のいずれか他方に固定され、前記第1カム溝に沿ってスライドできるように前記第1カム溝に係合する第1従動子と、を有している。また、前記第2連繋手段は、(1)前記第2はすば歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第2はすば歯車と前記回転軸のいずれか一方に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して前記第1はすば歯車の歯のねじれ方向と反対のねじれ方向に所定のねじれ角(θ4)で延びる第2カム溝と、(2)前記第2はすば歯車と回転軸の係合部で且つ前記第2はすば歯車と前記回転軸のいずれか他方に固定され、前記第2カム溝に沿ってスライドできるように前記第2カム溝に係合する第2従動子と、を有している。そして、この発明に係るバックラッシレスギヤ装置は、前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が被動側で使用される場合、前記相手歯車の歯が前記第1はすば歯車の歯に当接し、前記第1はすば歯車が前記相手歯車によって回動させられる際に、前記第1はすば歯車の歯にスラストが作用して前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1はすば歯車が前記回転軸に対してスライドし、前記第1はすば歯車が前記第2はすば歯車を前記回転軸に対してスライド移動させ、前記第2はすば歯車が前記第1はすば歯車よりバックラッシの分だけ前記回転軸に対して大きく回動し、前記第2はすば歯車の歯が前記第1はすば歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1はすば歯車及び第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられるようになっている。また、本発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が駆動側で使用される場合、前記第1はすば歯車の歯が前記相手歯車の歯に当接し、前記第1はすば歯車が前記相手歯車を回動させる際に、前記第1はすば歯車の歯にスラストが作用して前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1はすば歯車が前記回転軸に対してスライドし、前記第1はすば歯車が前記第2はすば歯車を前記回転軸に対してスライド移動させ、前記第2はすば歯車が前記第1はすば歯車よりバックラッシの分だけ前記回転軸に対して大きく回動し、前記第2はすば歯車の歯が前記第1はすば歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1はすば歯車及び第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させるようになっている。
請求項3の発明は、(1)回転軸に回動可能に且つスライド移動可能に取り付けられ、相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第1平歯車と、(2)前記第1平歯車の側面との間に隙間が生じる状態で前記回転軸に回動可能に且つスライド移動できないように取り付けられ、前記相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第2平歯車と、(3)前記第1平歯車と前記回転軸とを連繋する第1連繋手段と、(4)前記第1平歯車と前記第2平歯車とを連繋する第2連繋手段と、を備えたバックラッシレスギヤ装置に関するものである。この発明において、前記第1平歯車は、前記第2平歯車が配置される側の側面から前記回転軸の軸心が延びる方向に沿って延び、且つ、前記回転軸の周囲に円筒状の隙間を生じさせる凹部が前記側面側に開口するように形成されている。また、前記第2平歯車は、前記第1平歯車の前記凹部に相対回動可能に収容される円筒状のボスが前記第1平歯車側に突出形成されている。また、前記第1連繋手段は、(1)前記第1平歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1平歯車と前記回転軸のいずれか一方に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して所定のねじれ角(θ5)で延びる第1カム溝と、(2)前記第1平歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1平歯車と前記回転軸のいずれか他方に固定され、前記第1カム溝に沿ってスライドできるように前記第1カム溝に係合する第1従動子と、を有している。また、前記第2連繋手段は、(1)前記ボスの外周面と前記凹部の内周面のいずれか一方側に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して前記第1カム溝のねじれ方向と逆のねじれ方向に前記第1カム溝と同じねじれ角(θ5)で形成された第2カム溝と、(2)前記ボスの外周面と前記凹部の内周面のいずれか他方側に固定され、前記第2カム溝に沿ってスライドできるように前記第2カム溝に係合する第2従動子と、を有している。そして、この発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1平歯車と前記第2平歯車が被動側で且つ正回転で使用される場合、前記相手歯車の歯が前記第1平歯車の歯に当接し、前記第1平歯車が前記相手歯車によって回動させられる際に、前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1平歯車が前記回転軸に対して回動すると共にスライドすると、前記第2従動子が前記第2カム溝内を相対移動し、前記第2平歯車を前記回転軸に対してバックラッシの分だけ前記第1平歯車より前記回転軸の周りに大きく回動させ、前記第2平歯車の歯が前記第1平歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられるようになっている。また、この発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1平歯車と前記第2平歯車が被動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられるようになっている。また、この発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1平歯車と前記第2平歯車が駆動側で且つ正回転で使用される場合、前記第1平歯車の歯が相手歯車の歯に当接し、前記第1平歯車が前記相手歯車を回動させる際に、前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1平歯車が前記回転軸に対して回動すると共にスライドすると、前記第2従動子が前記第2カム溝内を相対移動し、前記第2平歯車を前記回転軸に対してバックラッシの分だけ前記第1平歯車より前記回転軸の周りに大きく回動させ、前記第2平歯車の歯が前記第1平歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させるようになっている。また、この発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1平歯車と前記第2平歯車が駆動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させるようになっている。
請求項4の発明は、(1)回転軸に回動可能に且つスライド移動可能に取り付けられ、相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第1はすば歯車と、(2)前記第1はすば歯車の側面との間に隙間が生じる状態で前記回転軸に回動可能に且つスライド移動できないように取り付けられ、前記相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第2はすば歯車と、(3)前記第1はすば歯車と前記回転軸とを連繋する第1連繋手段と、(4)前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車とを連繋する第2連繋手段と、を備えたバックラッシレスギヤ装置に関するものである。この発明において、前記第1はすば歯車は、前記第2はすば歯車側の側面から前記回転軸の軸心が延びる方向に沿って延び、且つ、前記回転軸の周囲に円筒状の隙間を生じさせる凹部が前記側面側に開口するように形成され、前記歯が前記第2はすば歯車側へ向かうスラストを生じるさせるねじれ方向に形成されている。また、前記第2はすば歯車は、前記第1はすば歯車の前記凹部に相対回動可能に収容される円筒状のボスが前記第1はすば歯車側に突出形成されている。また、前記第1連繋手段は、(1)前記第1はすば歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1はすば歯車と前記回転軸のいずれか一方に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に沿って延びる第1カム溝と、(2)前記第1はすば歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1はすば歯車と前記回転軸のいずれか他方に固定され、前記第1カム溝に沿ってスライドできるように前記第1カム溝に係合する第1従動子と、を有している。また、前記第2連繋手段は、(1)前記ボスの外周面と前記凹部の内周面のいずれか一方側に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して前記第1はすば歯車の歯のねじれ方向と同じねじれ方向に前記第1はすば歯車の歯のねじれ角(θ6)と同じねじれ角(θ6)で延びる第2カム溝と、(2)前記ボスの外周面と前記凹部の内周面のいずれか他方側に固定され、前記第2カム溝に沿ってスライドできるように前記第2カム溝に係合する第2従動子と、を有している。そして、この発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が被動側で且つ正回転で使用される場合、前記相手歯車の歯が前記第1はすば歯車の歯に当接し、前記第1はすば歯車が前記相手歯車によって回動させられる際に、前記第1はすば歯車の歯にスラストが作用して前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1はすば歯車が前記回転軸に対して第2はすば歯車側へスライドし、前記第2従動子が前記第2カム溝内を相対移動し、前記第2はすば歯車を前記回転軸に対してバックラッシの分だけ前記回転軸の周りに回動させ、前記第2はすば歯車の歯が前記第1はすば歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1はすば歯車及び第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられる。また、この発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が被動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、前記第1はすば歯車及び第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられるようになっている。また、この発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が駆動側で且つ正回転で使用される場合、前記第1はすば歯車の歯が相手歯車の歯に当接し、前記第1はすば歯車が前記相手歯車を回動させる際に、前記第1はすば歯車の歯にスラストが作用して前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1はすば歯車が前記回転軸に対して第2はすば歯車側へスライドし、前記第2従動子が前記第2カム溝内を相対移動し、前記第2はすば歯車を前記回転軸に対してバックラッシの分だけ前記回転軸の周りに回動させ、前記第2はすば歯車の歯が前記第1はすば歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1はすば歯車及び前記第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させるようになっている。また、この発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が駆動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、前記第1はすば歯車及び前記第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させるようになっている。
請求項5の発明は、(1)回転軸に回動可能に且つスライド移動可能に取り付けられ、相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第1平歯車と、(2)前記第1平歯車の側面との間に隙間が生じる状態で前記回転軸に回動可能に且つスライド移動できないように取り付けられ、前記相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第2平歯車と、(3)前記第1平歯車と前記回転軸とを連繋する第1連繋手段と、(4)前記第1平歯車と前記第2平歯車とを連繋する第2連繋手段と、を備えたバックラッシレスギヤ装置に関するものである。この発明において、前記第1平歯車は、前記第2平歯車が配置される側の側面から前記回転軸の軸心が延びる方向に沿って延び、且つ、前記回転軸の周囲に円筒状の隙間を生じさせる凹部が前記側面側に開口するように形成されている。また、前記第2平歯車は、前記第1平歯車の前記凹部に相対回動可能に収容される円筒状のボスが前記第1平歯車側に突出形成されている。また、前記第1連繋手段は、(1)前記第1平歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1平歯車と前記回転軸いずれか一方に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して所定のねじれ角(θ7)で延びる第1カム溝と、(2)前記第1平歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1平歯車と前記回転軸のいずれか他方に固定され、前記第1カム溝に沿ってスライドできるように前記第1カム溝に係合する第1従動子と、を有している。また、前記第2連繋手段は、(1)前記ボスの外周面に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して前記第1カム溝のねじれ方向と逆のねじれ方向に前記第1カム溝と同じねじれ角(θ7)で形成されたボス側ヘリカルスプラインと、(2)このボス側ヘリカルスプラインに嵌合するように前記凹部の内周面に形成された凹部側ヘリカルスプラインと、を有している。そして、この発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1平歯車と前記第2平歯車が被動側で且つ正回転で使用される場合、前記相手歯車の歯が前記第1平歯車の歯に当接し、前記第1平歯車が前記相手歯車によって回動させられる際に、前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1平歯車が前記回転軸に対して回動すると共に第2平歯車側へスライドすると、前記凹部側ヘリカルスプラインと前記ボス側ヘリカルスプラインとが相対的にスライド移動し、前記第2平歯車を前記回転軸に対してバックラッシの分だけ前記第1平歯車より前記回転軸の周りに大きく回動させ、前記第2平歯車の歯が前記第1平歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられる。また、この発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1平歯車と前記第2平歯車が被動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられるようになっている。また、この発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1平歯車と前記第2平歯車が駆動側で且つ正回転で使用される場合、前記第1平歯車の歯が相手歯車の歯に当接し、前記第1平歯車が前記相手歯車を回動させる際に、前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1平歯車が前記回転軸に対して回動すると共に第2平歯車側へスライドすると、前記凹部側ヘリカルスプラインと前記ボス側ヘリカルスプラインとが相対的にスライド移動し、前記第2平歯車を前記回転軸に対してバックラッシの分だけ前記第1平歯車より前記回転軸の周りに大きく回動させ、前記第2平歯車の歯が前記第1平歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させる。また、この発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1平歯車と前記第2平歯車が駆動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させるようになっている。
請求項6の発明は、(1)回転軸に回動可能に且つスライド移動可能に取り付けられ、相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第1はすば歯車と、(2)前記第1はすば歯車の側面との間に隙間が生じる状態で前記回転軸に回動可能に且つスライド移動できないように取り付けられ、前記相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第2はすば歯車と、(3)前記第1はすば歯車と前記回転軸とを連繋する第1連繋手段と、(4)前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車とを連繋する第2連繋手段と、を備えたバックラッシレスギヤ装置に関するものである。この発明において、前記第1はすば歯車は、前記第2はすば歯車が配置される側の側面から前記回転軸の軸心が延びる方向に沿って延び、且つ、前記回転軸の周囲に円筒状の隙間を生じさせる凹部が前記側面側に開口するように形成され、前記歯が前記第2はすば歯車側へ向かうスラストを生じるさせるねじれ方向に形成されている。また、前記第2はすば歯車は、前記第1はすば歯車の前記凹部に相対回動可能に収容される円筒状のボスが前記第1はすば歯車側に突出形成されている。また、前記第1連繋手段は、(1)前記第1はすば歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1はすば歯車と前記回転軸のいずれか一方に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に沿って延びる第1カム溝と、(2)前記第1はすば歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1はすば歯車と前記回転軸のいずれか他方に固定され、前記第1カム溝に沿ってスライドできるように前記第1カム溝に係合する第1従動子と、を有している。また、前記第2連繋手段は、(1)前記ボスの外周面に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して前記第1はすば歯車の歯のねじれ方向と同じねじれ方向に前記第1はすば歯車の歯のねじれ角(θ8)と同じねじれ角(θ8)で延びるボス側ヘリカルスプラインと、(2)このボス側ヘリカルスプラインに嵌合するように前記凹部の内周面に形成された凹部側ヘリカルスプラインと、を有している。この発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が被動側で且つ正回転で使用される場合、前記相手歯車の歯が前記第1はすば歯車の歯に当接し、前記第1はすば歯車が前記相手歯車によって回動させられる際に、前記第1はすば歯車の歯にスラストが作用して前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1はすば歯車が前記回転軸に対して前記第2はすば歯車側へスライドし、前記凹部側ヘリカルスプラインと前記ボス側ヘリカルスプラインとが相対的にスライド移動し、前記第2はすば歯車を前記回転軸に対してバックラッシの分だけ前記回転軸の周りに回動させ、前記第2はすば歯車の歯が前記第1はすば歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1はすば歯車及び第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられる。また、この発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が被動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、前記第1はすば歯車及び第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられるようになっている。また、この発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が駆動側で且つ正回転で使用される場合、前記第1はすば歯車の歯が相手歯車の歯に当接し、前記第1はすば歯車が前記相手歯車を回動させる際に、前記第1はすば歯車の歯にスラストが作用して前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1はすば歯車が前記回転軸に対して前記第2はすば歯車側へスライドし、前記凹部側ヘリカルスプラインと前記ボス側ヘリカルスプラインとが相対的にスライド移動し、前記第2はすば歯車を前記回転軸に対してバックラッシの分だけ前記回転軸の周りに回動させ、前記第2はすば歯車の歯が前記第1はすば歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1はすば歯車及び第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させる。また、この発明のバックラッシレスギヤ装置は、前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が駆動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、前記第1はすば歯車及び第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させるようになっている。
請求項1の発明によれば、回転動力伝達時以外には噛み合う相手歯車の歯との間にバックラッシを確保することができ、回転動力伝達時には、第1平歯車の歯が接触している相手歯車の歯の隣りの歯に第2平歯車の歯が接触してバックラッシを無くすことができるようになっているため、非回転動力伝達時には噛み合う相手歯車との噛み合わせ作業が容易化すると共にクリープ変形を生じることがなく、回転動力伝達時にはトルク変動に起因する振動や騒音を低減することができる。
請求項2の発明によれば、回転動力伝達時以外には噛み合う相手歯車の歯との間にバックラッシを確保することができ、回転動力伝達時には第2はすば歯車が第1はすば歯車の歯が接触している相手歯車の歯の隣りの歯に接触してバックラッシを無くすことができるようになっているため、非回転動力伝達時には噛み合う相手歯車との噛み合わせ作業が容易化すると共にクリープ変形が生じることがなく、回転動力伝達時にはトルク変動に起因する振動や騒音を低減することができる。
請求項3の発明によれば、回転動力伝達時以外には噛み合う相手歯車の歯との間にバックラッシを確保することができ、回転動力伝達時には、第1平歯車の歯が接触している相手歯車の歯の隣りの歯に第2平歯車の歯が接触してバックラッシを無くすことができるようになっているため、非回転動力伝達時には噛み合う相手歯車との噛み合わせ作業が容易化すると共にクリープ変形を生じることがなく、回転動力伝達時にはトルク変動に起因する振動や騒音を低減することができる。また、本発明によれば、正回転後の逆回転時においても、バックラッシの無い状態で回転を伝達することができる。
請求項4の発明によれば、回転動力伝達時以外には噛み合う相手歯車の歯との間にバックラッシを確保することができ、回転動力伝達時には、第1はすば歯車の歯が接触している相手歯車の歯の隣りの歯に第2はすば歯車の歯が接触してバックラッシを無くすことができるようになっているため、非回転動力伝達時には噛み合う相手歯車との噛み合わせ作業が容易化すると共にクリープ変形を生じることがなく、回転動力伝達時にはトルク変動に起因する振動や騒音を低減することができる。また、本発明によれば、正回転後の逆回転時においても、バックラッシの無い状態で回転を伝達することができる。
請求項5の発明によれば、回転動力伝達時以外には噛み合う相手歯車の歯との間にバックラッシを確保することができ、回転動力伝達時には、第1平歯車の歯が接触している相手歯車の歯の隣りの歯に第2平歯車の歯が接触してバックラッシを無くすことができるようになっているため、非回転動力伝達時には噛み合う相手歯車との噛み合わせ作業が容易化すると共にクリープ変形を生じることがなく、回転動力伝達時にはトルク変動に起因する振動や騒音を低減することができる。また、本発明によれば、正回転後の逆回転時においても、バックラッシの無い状態で回転を伝達することができる。
請求項6発明によれば、回転動力伝達時以外には噛み合う相手歯車の歯との間にバックラッシを確保することができ、回転動力伝達時には、第1はすば歯車の歯が接触している相手歯車の歯の隣りの歯に第2はすば歯車の歯が接触してバックラッシを無くすことができるようになっているため、非回転動力伝達時には噛み合う相手歯車との噛み合わせ作業が容易化すると共にクリープ変形を生じることがなく、回転動力伝達時にはトルク変動に起因する振動や騒音を低減することができる。また、本発明によれば、正回転後の逆回転時においても、バックラッシの無い状態で回転を伝達することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1の断面図である。また、図2(a)は同バックラッシレスギヤ装置1の一部を切り欠いて示す左側面図であり、図2(b)が同バックラッシレスギヤ装置1の一部を切り欠いて示す右側面図である。
図1は、本発明の第1実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1の断面図である。また、図2(a)は同バックラッシレスギヤ装置1の一部を切り欠いて示す左側面図であり、図2(b)が同バックラッシレスギヤ装置1の一部を切り欠いて示す右側面図である。
これらの図に示すように、本実施形態のバックラッシレスギヤ装置1は、第1回転軸2と一体に回動する相手歯車(入力側の平歯車)3に第1平歯車4が噛み合うと共に、この第1平歯車4と並んで配置された第2平歯車5も相手歯車3に噛み合うようになっている。
第1平歯車4は、ウェブ6の外周側に歯7が複数形成され、ウェブ6の一方の側面8側に回転中心線L1と同心の円筒状のボス10が回転中心線L1に沿って突出するように形成され、ウェブ6の他方の側面11に回転中心線L1と同心の円筒状の突起12が回転中心線L1に沿って突出するように形成され、回転中心部にボス10から突起12までを貫通する軸穴13が形成されている。そして、第1平歯車4は、その軸穴13が第2回転軸(回転軸)14に回動可能に可能に且つスライド可能に嵌合されると共に、第1連繋手段15によって第2回転軸14に連繋されるようになっている。
第1連繋手段15は、第1平歯車4と第2回転軸14の係合部に配置されており、第2回転軸14の外表面側で且つ第1平歯車4の軸穴13の内周面に対向する部分に形成された第1カム溝16と、ボス10に固定されて第1カム溝16にスライド可能に係合する第1従動子17と、からなっている。ここで、第1従動子17は、軸穴13の内周面であって且つ第2回転軸14の外表面に対向する部分から径方向内方へ向けて突出するように固定された丸棒状のピンであり、ボス10に締め付け固定されるねじ又はボルトの軸部先端に対応している。また、第1カム溝16は、第2回転軸14の外表面に形成されており、第1平歯車4が相手歯車3によって回転させられる方向と同じねじれ方向で、且つ、第2回転軸14の軸心と同心の回転中心線L1(以下、単に回転中心線L1という)が延びる方向に対して所定のねじれ角(θ1)で形成されている(図3(a)参照)。また、この第1カム溝16は、第1平歯車4及び第2平歯車5が第2回転軸14に対して所望量移動(回動及びスライド移動)できる長さに形成されており、第1従動子17の移動を案内する部分の溝幅が一定となるように形成され、両端部が半円形に丸められており、その溝幅方向に沿って断面した第1カム溝16の断面形状が略矩形形状となるように形成されている(図3(d)参照)。なお、第1カム溝16の溝深さは、第1従動子17の先端が接触しない程度の一定の深さに形成されている。また、この第1カム溝16の溝幅は、第1従動子17との間に僅かな隙間が生じる程度の寸法に形成され、第1従動子17が円滑にスライド移動できるようになっている。なお、第1カム溝16は、図3において、その溝端部が回転動力伝達前の段階(相手歯車3と噛み合わせた組立段階)で第1従動子17との間に隙間が生じるように形成されている。これにより、第1平歯車4及び相手歯車3の製造誤差及び組立誤差等を吸収することが可能になり、第1平歯車4と相手歯車3との噛み合わせ作業が容易になる。
第2平歯車5は、第1平歯車4が動力伝達するためのものであるのに対し、相手歯車3の歯3aの動力伝達歯面3a1でない側の歯面(非動力伝達歯面3a2)に接触して、バックラッシを除去するように機能するものであり、主として動力伝達するためのものではないが、逆回転時に回転伝達歯車として機能させることができる(図4参照)。この第2平歯車5は、第1平歯車4と同様の歯18がウェブ20の外周に形成され、回転中心線L1と同心の円筒状のボス21が図1中の右側面22から回転中心線L1に沿って突出するように形成され、回転中心部に図1中の左側面23側から図1中のボス21側までを貫通する軸穴24が形成されている。この第2平歯車5は、その軸穴24が第2回転軸14に回動可能に可能に且つスライド可能に嵌合され、その左側面23側が第1平歯車4の突起12の先端に当接するように配置されると共に、第2連繋手段25によって第2回転軸14に連繋されるようになっている。なお、第2平歯車5は、正回転時に動力伝達するものではないため、第1平歯車4に比較して、ウェブ20の肉厚を薄くすると共に、歯幅寸法を第1平歯車4より小さくしている。また、相手歯車3の歯幅寸法は、第1平歯車4の歯幅寸法と第2平歯車5の歯幅寸法を合わせた寸法よりも大きな数値であり、第1平歯車4及び第2平歯車5が第2回転軸14に沿ってスライド移動しても、第1平歯車4及び第2平歯車5と噛み合うことができる十分な数値に形成されている。
第2連繋手段25は、第2平歯車5と第2回転軸14の係合部に配置されており、第2回転軸14の外表面側に形成された第2カム溝26と、ボス21に固定されて第2カム溝26にスライド可能に係合する第2従動子27と、からなっている。ここで、第2従動子27は、軸穴24の内周面であって且つ第2回転軸14の外表面に対向する部分から径方向内方へ向けて突出するように固定された丸棒状のピンであり、ボス21に締め付け固定されるねじ又はボルトの軸部先端に対応している。また、第2カム溝26は、第2回転軸14の外表面に形成されており、第2回転軸14の回転中心線L1が延びる方向に対して、第1カム溝16のねじれ方向と同一のねじれ方向で且つ第1カム溝16のねじれ角(θ1)よりも大きなねじれ角(θ2)で形成されている(図3(a)参照)。また、この第2カム溝26は、第1平歯車4及び第2平歯車5が第2回転軸14に対して所望量移動(回動及びスライド移動)できる長さに形成されており、第2従動子27の移動を案内する部分の溝幅が一定となるように形成され、両端部が半円形に丸められており、その溝幅方向に沿って断面した第2カム溝26の断面形状が矩形形状となるように形成されている(図3(b)参照)。なお、第2カム溝26の溝深さは、第2従動子27の先端が接触しない程度の一定の深さに形成されている。また、この第2カム溝26の溝幅は、第2従動子27との間に僅かな隙間が生じる程度の寸法に形成され、第2従動子27が円滑にスライド移動できるようになっている。また、第2平歯車5のボス21の外形寸法を第1平歯車4のボス10の外形寸法と同一の寸法とし、第2カム溝26の断面形状を第1カム溝16の断面形状と同一とし、第2従動子27を第1従動子17と同一のものを使用するようにしてもよい。なお、第2カム溝26は、図3において、その溝端部が回転動力伝達前の段階(相手歯車3と噛み合わせた組立段階)で第2従動子27との間に隙間が生じるように形成されている。これにより、第2平歯車5及び相手歯車3の製造誤差及び組立誤差等を吸収することが可能になり、第2平歯車5と相手歯車3との噛み合わせ作業が容易になる。
このような構成のバックラッシレスギヤ装置1は、第1平歯車4及び第2平歯車5が被動側で使用される場合、相手歯車3の歯3aが第1平歯車4の歯7に当接し、第1平歯車4が相手歯車3によって回動させられる際に、第1従動子17が第1カム溝16に沿って移動し、第1平歯車4が第2回転軸14に対して回動すると共にスライド移動する(図3(a)の回転中心線L1に沿って図中右側方向へ移動する)。すると、第1平歯車4に当接している第2平歯車5は、第1平歯車4によって押され、第2従動子27が第2カム溝26内を移動し、第2回転軸14に対してスライド移動し、第2平歯車5がバックラッシの分だけ第1平歯車4の第2回転軸14に対する回動角度よりも大きく回動する。そして、図4に示すように、第1平歯車4の歯7は相手歯車3の歯3aの動力伝達歯面3a1に当接し、第2平歯車5の歯18は第1平歯車4の歯7が接触する相手歯車3の歯3aの隣りの歯3aで且つ非動力伝達歯面3a2に当接する。この際、第2平歯車5の歯18は、第1平歯車4側からスラストの分力を受けて相手歯車3の歯3aに押し付けられる。これにより、第1平歯車4の歯7及び第2平歯車5の歯18と相手歯車3の歯3aとの間のバックラッシが無くなる。その結果、第1平歯車4及び第2平歯車5は、第2回転軸14と一体に、相手歯車3によってバックラッシが無い状態で回転させられる。
また、バックラッシレスギヤ装置1の第1平歯車4及び第2平歯車5が駆動側で使用される場合、第2回転軸14は、バックラッシレスギヤ装置1の第1平歯車4及び第2平歯車5が被動側で使用される場合と逆の方向に回転することになる。また、この場合、第1回転軸2は、バックラッシレスギヤ装置1の第1平歯車4及び第2平歯車5が被動側で使用される場合と逆の方向に回転させられるように使用される。この際、バックラッシレスギヤ装置1の第1平歯車4は、相手歯車3側の回転抵抗を受けるため、被動側で使用される場合と同様に、第2回転軸14と相対回動する(相手歯車3によって回動させられる)と共にスライド移動する。すなわち、バックラッシレスギヤ装置1の第1平歯車4及び第2平歯車5が駆動側で使用される場合、第1平歯車4の歯7が相手歯車3の歯3aに当接し、第1平歯車4が相手歯車3を回動させる際に、第1従動子17が第1カム溝16に沿って移動し(図3(a)の回転中心線L1に沿って図中右側方向へ移動し)、第1平歯車4が第2回転軸14に対して回動すると共にスライド移動する(図3(a)の回転中心線L1に沿って図中右側方向へ移動する)。すると、第1平歯車4に当接している第2平歯車5は、第1平歯車4によって押され、第2従動子27が第2カム溝26内を移動し、第2回転軸14に対してスライド移動し、第2平歯車5がバックラッシの分だけ第1平歯車4の第2回転軸14に対する回動角度よりも大きく回動する。そして、図4に示すように、第1平歯車4の歯7は相手歯車3の歯3aの動力伝達歯面3a1に当接し、第2平歯車5の歯18は第1平歯車4の歯7が接触する相手歯車3の歯3aの隣りの歯3aで且つ非動力伝達歯面3a2に当接する。この際、第2平歯車5の歯18は、第1平歯車4側からスラストの分力を受けて相手歯車3の歯3aに押し付けられる。これにより、第1平歯車4の歯7及び第2平歯車5の歯18と相手歯車3の歯3aとの間のバックラッシが無くなる。その結果、第1平歯車4及び第2平歯車5は、第2回転軸14と一体に、相手歯車3をバックラッシが無い状態で回転させる。これにより、本実施形態のバックラッシレスギヤ装置1は、第1回転軸2と第2回転軸14との間で、バックラッシの無い状態で回転を伝達することができる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1によれば、相手歯車3によって回動されない場合(非動力伝達時)、第1平歯車4の歯7と相手歯車3の歯3aに力が作用することがなく、また、第2平歯車5の歯18と相手歯車3の歯3aに力が作用することがない。したがって、第1平歯車4及び第2平歯車5と相手歯車3は、プラスチック材料で形成されたとしても、クリープ変形することがない。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1によれば、動力伝達時にバックラッシを取り除き、動力伝達しない状態ではバックラッシを許容する機構となっているため、相手歯車3との噛み合わせ作業が容易である。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1によれば、回転動力伝達時にはバックラッシを無くすことができるため、トルク変動に起因する振動や騒音を低減することができる。
なお、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1は、第2回転軸14側に第1従動子17を固定し、第1平歯車4の軸穴13側に第1カム溝16を形成するようにしてもよい。また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1は、第2回転軸14側に第2従動子27を固定し、第2平歯車5の軸穴24側に第2カム溝26を形成するようにしてもよい。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1は、第1カム溝16のねじれ角θ1と第2カム溝26のねじれ角θ2との関係がθ1<θ2であれば、θ1の値を第1従動子17の移動量に応じて変化させ、θ2の値を第2従動子27の移動量に応じて変化させてもよい。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1において、第1従動子17と第2従動子27は、ねじやボルトでボス10又はボス21に締め付け固定される場合に限定されるものではなく、棒状のピンをボス10又はボス21の穴に圧入して固定する態様や、ボス10の軸穴13又はボス21の軸穴24にキー溝を形成し、そのキー溝にキーを圧入して固定する態様が考えられる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1は、第1連繋手段15及び第2連繋手段25を第2回転軸14の周方向の同一位置に1箇所のみ配置する態様を例示したが、これに限られず、第1連繋手段15及び第2連繋手段25を第2回転軸14の周方向の複数箇所に配置するようにしてもよく、また、第1連繋手段15と第2連繋手段25とを第2回転軸14の周方向にずらして配置してもよい。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1の一部を切断して示す構造図である。
図5は、本発明の第2実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1の一部を切断して示す構造図である。
この図5に示すように、本実施形態のバックラッシレスギヤ装置1は、入力側のはすば歯車(相手歯車)30と噛み合う第1はすば歯車31と、この第1はすば歯車31と並んで配置されて相手歯車30と噛み合う第2はすば歯車32と、を備えている。本実施形態は、第1はすば歯車31及び第2はすば歯車32と噛み合う相手歯車30がはすば歯車である点が第1実施形態と相違し、また、第1連繋手段33及び第2連繋手段34の構成が第1実施形態と相違するが、その他の構成は第1実施形態と同様である。したがって、本実施形態の説明は、第1実施形態のバックラッシレスギヤ装置1に対応する部分には同一符号を付し、第1実施形態の説明と重複する説明を省略する。
第1はすば歯車31及び第2はすば歯車32は、相手歯車30の歯30aと噛み合うねじれ角の歯35,36が複数形成されている。このような第1はすば歯車31及び第2はすば歯車32は、動力伝達時に歯35,36のねじれ角に応じたスラストが生じるため、第1連繋手段33及び第2連繋手段34の構成が第1実施形態の第1連繋手段15及び第2連繋手段25と異なる(図3及び図6参照)。なお、第1はすば歯車31の歯35及び第2はすば歯車32の歯36は、第1はすば歯車31を第2はすば歯車32側に向かって第2回転軸14上をスライド移動させるようなスラスト(図6の回転中心線L1に沿って図中右向きのスラスト)が発生するねじれ方向に形成されている。
すなわち、第1連繋手段33は、その第1従動子17が第1実施形態の第1従動子17と同様であるが、第1カム溝37が第1実施形態の第1カム溝16と異なる(図1、図4、図5及び図6参照)。本実施形態における第1カム溝37は、第2回転軸14の外表面に、回転中心線L1に沿って形成されており、回転中心線L1の延びる方向に対してねじれ角を有していない(図6参照)。また、第2連繋手段34は、その第2従動子27が第1実施形態の第2従動子27と同様であるが、第2カム溝38が第1実施形態の第2カム溝26と異なる(図1、図4、図5及び図6参照)。本実施形態における第2カム溝38は、第2回転軸14の外表面に、第1はすば歯車31の歯35及び第2はすば歯車32の歯36のねじれ方向と反対方向で、且つ、回転中心線L1の延びる方向に対して所望のねじれ角(θ4)で形成されている(図5及び図6参照)。なお、第2カム溝38のねじれ角(θ4)は、第1はすば歯車31及び第2はすば歯車32のスライド許容寸法及びバックラッシの寸法等に応じて最適の値が設定される。
このような構成のバックラッシレスギヤ装置1は、第1はすば歯車31と第2はすば歯車32が被動側で使用される場合、相手歯車30の歯30aが第1はすば歯車31の歯35に当接し、第1はすば歯車31が相手歯車30によって回動させられる際に、第1はすば歯車31にスラスト(図5の回転中心線L1に沿って図中右側方向へ向かうスラスト)が作用するために、第1従動子17が第1カム溝37に沿って移動し、第1はすば歯車31が第2回転軸14に対して図5の図中右側方向へスライド移動する。すると、第2はすば歯車32は、第1はすば歯車31によって押され、第2従動子27が第2カム溝38内を移動し、第2回転軸14に対して図5の図中右側方向へスライド移動し、バックラッシの分だけ第2回転軸14に対して相対回動(第2回転軸14の回動方向へ相対回動)する。そして、図4に示すように、第1はすば歯車31の歯35は相手歯車30の歯30aの動力伝達歯面30a1に当接し、第2はすば歯車32の歯36は第1はすば歯車31の歯35が接触する相手歯車30の歯30aの隣りの歯30aで且つ非動力伝達歯面30a2に当接する。この際、第2はすば歯車32の歯36は、第1はすば歯車31側からスラストの分力を受けて相手歯車30の歯30aに押し付けられる。これにより、第1はすば歯車31の歯35及び第2はすば歯車32の歯36と相手歯車30の歯30aとの間のバックラッシが無くなる。その結果、第1はすば歯車31及び第2はすば歯車32は、第2回転軸14と一体に、相手歯車30によってバックラッシの無い状態で回転させられる。
また、バックラッシレスギヤ装置1は、第1はすば歯車31と第2はすば歯車32が駆動側で使用される場合、第2回転軸14は第1はすば歯車31及び第2はすば歯車32が被動側で使用される場合と逆の方向に回転し、第1回転軸2は第1はすば歯車31及び第2はすば歯車32が被動側で使用される場合と逆の方向に回転させられるように使用される。この際、バックラッシレスギヤ装置1の第1はすば歯車31は、相手歯車30側の回転抵抗を受けるため、第1はすば歯車31と第2はすば歯車32が被動側で使用される場合と同様に作動する。すなわち、バックラッシレスギヤ装置1は、第1はすば歯車31と第2はすば歯車32が被動側で使用される場合、第1はすば歯車31の歯35が相手歯車30の歯30aに当接し、第1はすば歯車31が相手歯車30を回動させる際に、第1はすば歯車31にスラスト(図5の回転中心線L1に沿って図中右側方向へ向かうスラスト)が作用するために、第1従動子17が第1カム溝37に沿って移動し、第1はすば歯車31が第2回転軸14に対して図5の図中右側方向へスライド移動する。すると、第2はすば歯車32は、第1はすば歯車31によって押され、第2従動子27が第2カム溝38内を移動し、第2回転軸14に対して図5の図中右側方向へスライド移動し、バックラッシの分だけ第1はすば歯車31より第2回転軸14に対して大きく相対回動(第2回転軸14の回動方向へ相対回動)する。そして、図4に示すように、第1はすば歯車31の歯35は相手歯車30の歯30aの動力伝達歯面30a1に当接し、第2はすば歯車32の歯36は第1はすば歯車31の歯35が接触する相手歯車30の歯30aの隣りの歯30aで且つ非動力伝達歯面30a2に当接する。この際、第2はすば歯車32の歯36は、第1はすば歯車31側からスラストの分力を受けて相手歯車30の歯30aに押し付けられる。これにより、第1はすば歯車31の歯35及び第2はすば歯車32の歯36と相手歯車30の歯30aとの間のバックラッシが無くなる。その結果、第1はすば歯車31及び第2はすば歯車32は、第2回転軸14と一体に、相手歯車30をバックラッシの無い状態で回転させる。これにより、本実施形態のバックラッシレスギヤ装置1は、第1回転軸2と第2回転軸14側との間で、バックラッシの無い状態で回転を伝達することができる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1によれば、相手歯車30によって回動されない場合(非動力伝達時)、第1はすば歯車31の歯35と相手歯車30の歯30aに力が作用することがなく、また、第2はすば歯車32の歯36と相手歯車30の歯30aに力が作用することがない。したがって、第1はすば歯車31及び第2はすば歯車32と相手歯車30は、プラスチック材料で形成されたとしても、クリープ変形することがない。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1によれば、動力伝達時にバックラッシを取り除き、動力伝達しない状態ではバックラッシを許容する機構となっているため、相手歯車30の噛み合わせ作業が容易である。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1によれば、回転動力伝達時にはバックラッシを無くすことができるため、トルク変動に起因する振動や騒音を低減することができる。
なお、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1は、第2回転軸14側に第1従動子17を固定し、第1はすば歯車31の軸穴13側に第1カム溝37を形成するようにしてもよい。また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1は、第2回転軸14側に第2従動子27を固定し、第2はすば歯車32の軸穴24側に第2カム溝38を形成するようにしてもよい。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1は、第2カム溝38のねじれ角θ3の値を第2従動子27の移動量に応じて変化させてもよい。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1において、第1従動子17と第2従動子27は、ねじやボルトでボス10又はボス21に締め付け固定される場合に限定されるものではなく、棒状のピンをボス10又はボス21の穴に圧入して固定する態様や、ボス10の軸穴13又はボス21の軸穴24にキー溝を形成し、そのキー溝にキーを圧入して固定する態様が考えられる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置1は、第1連繋手段33及び第2連繋手段34を第2回転軸14の周方向の同一位置に1箇所のみ配置する態様を例示したが、これに限られず、第1連繋手段33及び第2連繋手段34を第2回転軸14の周方向の複数箇所に配置するようにしてもよく、また、第1連繋手段33と第2連繋手段34とを第2回転軸14の周方向にずらして配置してもよい。
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101の断面図である。また、図8(a)は同バックラッシレスギヤ装置101の一部を切り欠いて左側面図であり、図8(b)は同バックラッシレスギヤ装置100の一部を切り欠いて示す右側面図である。
図7は、本発明の第3実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101の断面図である。また、図8(a)は同バックラッシレスギヤ装置101の一部を切り欠いて左側面図であり、図8(b)は同バックラッシレスギヤ装置100の一部を切り欠いて示す右側面図である。
これらの図に示すように、本実施形態のバックラッシレスギヤ装置100は、第1回転軸102と一体に回動する相手歯車(平歯車)103に第1平歯車104が噛み合うと共に、この第1平歯車104と並んで配置された第2平歯車105も相手歯車103と噛み合うようになっている。
第1平歯車104は、ウェブ106の外周側に歯107が複数形成され、ウェブ106の一方の側面108側に回転中心と同心の円筒状のボス110が回転中心線L1に沿って突出するように形成され、ウェブ106の他方の側面111側に回転中心線L1と同心の凹部112が形成されている。また、この第1平歯車104は、ウェブ106及びボス110の回転中心部に、ウェブ106の一方の側面108側(ボス110側)から他方の側面111(凹部112)側までを貫通する軸穴113が形成されており、その軸穴113が第2回転軸114に回動可能に且つスライド可能に嵌合されると共に、第1連繋手段115によって第2回転軸114に連繋されるようになっている。そして、第1平歯車104は、軸穴113に第2回転軸114が嵌合されると、第2回転軸114の外表面と凹部112の内周面112aとの間に円筒状の隙間が生じ、この円筒状の隙間に第2平歯車105の円筒状のボス116が相対回動可能に係合されている。なお、第1平歯車104の凹部112の深さ(第1平歯車104の他方の側面111から回転中心線L1に沿った方向の長さ)は、第1平歯車104が第2回転軸114上を第2平歯車105側へ向かって所定距離だけスライド移動しても、第2平歯車105のボス116が凹部112の底壁112bに当接しない程度の寸法に形成されている。
第1連繋手段115は、第1平歯車104と第2回転軸114の係合部に配置され、第2回転軸114の外表面に形成された第1カム溝117と、ボス110に固定されて第1カム溝117にスライド可能に係合する第1従動子118と、からなっている。ここで、第1従動子118は、軸穴113の内周面から径方向内方へ向けて突出するように固定された丸棒状のピンであり、ボス110に締め付け固定されるねじ又はボルトの軸部先端に対応している。また、第1カム溝117は、第2回転軸114の外表面に形成されており、ねじれ方向が被動側正回転方向と同方向であり、且つ、第2回転軸114の軸心(回転中心線L1と同心)が延びる方向に対して所定のねじれ角(θ5)で形成されている(図9参照)。また、この第1カム溝117は、第1平歯車104及び第2平歯車105が第2回転軸114に対して所望量移動(回動及びスライド移動)できる長さに形成されており、第1従動子118の移動を案内する部分の溝幅が一定となるように形成され、両端部が半円形に丸められており、その溝幅方向に沿って断面した第1カム溝117の断面形状が矩形形状となるように形成されている(図9参照)。なお、第1カム溝117の溝深さは、第1従動子118の先端が接触しない程度の一定の深さに形成されている。また、この第1カム溝117の溝幅は、第1従動子118との間に僅かな隙間が生じる程度の寸法に形成され、第1従動子118が円滑にスライド移動できるようになっている。
第2平歯車105は、第1平歯車104が動力伝達するためのものであるのに対し、相手歯車103の歯103aの動力伝達歯面103a1でない側の歯面(非動力伝達歯面103a2)に接触して、バックラッシを除去するように機能するものであり(図10参照)、主として動力伝達するためのものではないが、逆回転時に回転伝達歯車として機能させることができる。この第2平歯車105は、第1平歯車104と同様の歯120がウェブ121の外周に複数形成され、回転中心線L1と同心の円筒状のボス116が図7の左側面122から回転中心線L1に沿って突出するように形成されている。また、この第2平歯車105の回転中心部には、一方の側面側(ボス116の先端面116a)側から他方の側面(図7中の右側面123)側近傍まで延びる軸穴124が形成されると共に、第2回転軸114の先端側の小径軸部114aに嵌合され且つ第2回転軸114の先端側の段部125と軸用止め輪126との間に位置する鍔部127が形成されている。この第2平歯車105は、その軸穴124が第2回転軸(回転軸)114に回動可能に嵌合され、鍔部127が小径軸部114aに回動可能に嵌合されるが、第2回転軸114の段部125と軸用止め輪126の間に鍔部127が係合されることにより、第2回転軸114に対してスライド移動できないようになっている。ここで、第2平歯車105は、第1平歯車104が第2回転軸114上をスライド移動できるように、その左側面122が第1平歯車104の他方の側面111と十分な隙間を隔てて位置し、そのボス116の先端面116aが第1平歯車104の凹部112の底壁112bと十分な隙間を隔てて位置するように配置されている。そして、この第2平歯車105は、第2連繋手段128によって第1平歯車104に連繋されるようになっている。なお、第2平歯車105は、被動側正回転時に動力伝達するものではないため、第1平歯車104に比較して、ウェブ121の肉厚を薄くすると共に、歯幅寸法を小さくしている。また、相手歯車103の歯幅寸法は、第1平歯車104の歯幅寸法と第2平歯車105の歯幅寸法を合わせた寸法よりも大きな数値であり、第1平歯車104及び第2平歯車105が第2回転軸114に沿ってスライド移動しても、第1平歯車104及び第2平歯車105と噛み合うことができる十分な数値に形成されている。また、本実施形態に係る第2平歯車105は、図7に示される態様に限定されるものではなく、第1平歯車104の歯幅寸法と同様の歯幅寸法とし、全体の剛性を第1平歯車104と同等とすれば、被動側正回転時及び逆回転時に同様の動力伝達が可能になる。
第2連繋手段128は、ボス116の外表面に形成された第2カム溝130と、凹部112の内周面112aに固定されて第2カム溝130にスライド可能に係合する第2従動子131と、からなっている。ここで、第2従動子131は、凹部112の内周面112aから径方向内方へ向けて突出するように固定された丸棒状のピンであり、凹部112の内周面112aから径方向外方へ向けて形成されたピン嵌合穴132に圧入されている。また、第2カム溝130は、ボス116の外周面に形成され、回転中心線L1が延びる方向に対して第1カム溝117のねじれ方向と逆のねじれ方向に第1カム溝117と同じねじれ角(θ5)で形成されている(図9参照)。また、この第2カム溝130は、第1平歯車104が第2平歯車105及び第2回転軸114に対して所望量移動(回動及びスライド移動)できる長さに形成されており、第2従動子131の移動を案内する部分の溝幅が一定となるように形成され、図9中の右側端部が半円形に丸められており、その溝幅方向に沿って断面した第2カム溝130の断面形状が矩形形状となるように形成されている。なお、第2カム溝130の溝深さは、第2従動子131の先端が接触しない程度の一定の深さに形成されている。また、この第2カム溝130の溝幅は、第2従動子131との間に僅かな隙間が生じる程度の寸法に形成され、第2従動子131が円滑にスライド移動できるようになっている。
このような構成の本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101によれば、第1平歯車104と第2平歯車105が被動側で且つ正回転で使用される場合、相手歯車103の歯103aが第1平歯車104の歯107に当接し、第1平歯車104が相手歯車103によって回動させられる際に、第1従動子118が第1カム溝117に沿って移動し、第1平歯車104が第2回転軸114に対して回動すると共にスライド移動(第2平歯車105側へスライド移動)すると、第2従動子131が第2カム溝130内を移動し、第2平歯車105が第2回転軸114に対してバックラッシの分だけ第1平歯車104より第2回転軸114の周りに大きく回動させられる。そして、第2平歯車105の歯120は、第1平歯車104の歯107が接触している相手歯車103の歯103aの歯面130a1(動力伝達歯面)と隣り合う歯103aの歯面103a2(非動力伝達歯面)に第1平歯車104側からスラストの分力を受けて押し付けられる。これにより、第1平歯車104の歯107及び第2平歯車105の歯120と相手歯車103の歯103aとの間のバックラッシが無くなる(図10参照)。その結果、第1平歯車104及び第2平歯車105は、第2回転軸114と一体に、相手歯車103によってバックラッシが無い状態で回転させられる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101によれば、第1平歯車104と第2平歯車105が被動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、第1カム溝117の回転中心線L1に対するねじれ方向と第2カム溝130の回転中心線L1に対するねじれ方向が逆方向であり、第1カム溝117のねじれ角と第2カム溝130のねじれ角が同じであるため、第1平歯車104の歯107と第2平歯車105の歯120の位置関係が変化せず、第2平歯車105側から作用するスラストの分力で第1平歯車104の歯107が相手歯車103の歯103aの歯面103a1(非動力伝達歯面)に押し付けられる。これにより、第1平歯車104の歯107及び第2平歯車105の歯120と相手歯車103の歯103aとの間のバックラッシが無い状態を維持できる。その結果、第1平歯車104及び第2平歯車105は、第2回転軸114と一体に、相手歯車103によってバックラッシが無い状態で回転させられる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101の第1平歯車104と第2平歯車105が駆動側で且つ正回転で使用される場合、第2回転軸114は、バックラッシレスギヤ装置101の第1平歯車104と第2平歯車105が被動側で且つ正回転で使用される場合と逆の方向に回転することになる。また、この場合、第1回転軸102は、バックラッシレスギヤ装置101の第1平歯車104と第2平歯車105が被動側で且つ正回転で使用される場合と逆の方向に回転させられることになる。この際、バックラッシレスギヤ装置101の第1平歯車104は、相手歯車103側の回転抵抗を受けるため、第1平歯車104及び第2平歯車105が被動側で使用される場合と同様に、第2回転軸114と相対回動する。すなわち、第1平歯車104の歯107が相手歯車103の歯103aに当接し、第1平歯車104が相手歯車103を回動させる際に、第1従動子118が第1カム溝117に沿って移動し、第1平歯車104が第2回転軸114に対して回動すると共にスライド移動(第2平歯車105側へスライド移動)すると、第2従動子131が第2カム溝130内を移動し、第2平歯車105が第2回転軸114に対してバックラッシの分だけ第1平歯車104より第2回転軸114の周りに大きく回動させられる。そして、第2平歯車105の歯120は、第1平歯車104の歯107が接触している相手歯車103の歯103aの歯面130a1(動力伝達歯面)と隣り合う歯103aの歯面103a2(非動力伝達歯面)に第1平歯車104側からスラストの分力を受けて押し付けられる。これにより、第1平歯車104の歯107及び第2平歯車105の歯120と相手歯車103の歯103aとの間のバックラッシが無くなる(図10参照)。その結果、第1平歯車104及び第2平歯車105は、第2回転軸114と一体に、相手歯車103をバックラッシが無い状態で回転させる。これにより、本実施形態のバックラッシレスギヤ装置101は、第2回転軸114側から第1回転軸102側に、バックラッシの無い状態で回転を伝達することができる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101によれば、第1平歯車104と第2平歯車105が駆動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、第1カム溝117の回転中心線L1に対するねじれ方向と第2カム溝130の回転中心線L1に対するねじれ方向が逆方向であり、第1カム溝117のねじれ角と第2カム溝130のねじれ角が同じであるため、第1平歯車104の歯107と第2平歯車105の歯120の位置関係が変化せず、第2平歯車105側から作用するスラストで第1平歯車104の歯107が相手歯車103の歯103aの歯面103a1に押し付けられる。これにより、本実施形態のバックラッシレスギヤ装置101は、第2回転軸114側から第1回転軸102側に、バックラッシの無い状態で回転を伝達することができる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101によれば、相手歯車103によって回動されない場合(非動力伝達時)、第1平歯車104の歯107と相手歯車103の歯103aに力が作用することがなく、また、第2平歯車105の歯120と相手歯車103の歯103aに力が作用することがない。したがって、第1平歯車104及び第2平歯車105と相手歯車103は、プラスチック材料で形成されたとしても、クリープ変形することがない。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101によれば、動力伝達時にバックラッシを取り除き、動力伝達しない状態ではバックラッシを許容する機構となっているため、相手歯車103との噛み合わせ作業が容易である。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101によれば、回転動力伝達時にはバックラッシを無くすことができるため、トルク変動に起因する振動や騒音を低減することができる。
なお、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101は、第2回転軸114側に第1従動子118を固定し、第1平歯車104の軸穴113側に第1カム溝117を形成するようにしてもよい。また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101は、第2回転軸114側に第2従動子131を固定し、第2平歯車105の軸穴124側に第2カム溝130を形成するようにしてもよい。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101において、第1従動子118と第2従動子131は、ねじやボルトでボス110又はボス116に締め付け固定される場合に限定されるものではなく、棒状のピンをボス110又はボス116の穴に圧入して固定する態様や、ボス110の軸穴113又はボス116の軸穴124にキー溝を形成し、そのキー溝にキーを圧入して固定する態様が考えられる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101は、第1連繋手段115及び第2連繋手段128を第2回転軸114の周方向の同一位置に1箇所のみ配置する態様を例示したが、これに限られず、第1連繋手段115及び第2連繋手段128を第2回転軸114の周方向の複数箇所に配置するようにしてもよく、また、第1連繋手段115と第2連繋手段128とを第2回転軸114の周方向にずらして配置してもよい。
(第4実施形態)
図11は、本発明の第4実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101の一部を切断して示す構造図である。
図11は、本発明の第4実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101の一部を切断して示す構造図である。
この図11に示すように、本実施形態のバックラッシレスギヤ装置101は、入力側のはすば歯車(相手歯車)135と噛み合う第1はすば歯車136と、この第1はすば歯車136と並んで配置されて相手歯車135と噛み合う第2はすば歯車137とを備えている。本実施形態は、第1はすば歯車136及び第2はすば歯車137と噛み合う相手歯車135がはすば歯車である点が第3実施形態と相違し、また、第1連繋手段138及び第2連繋手段140の構成が第3実施形態の第1連繋手段115及び第2連繋手段128と相違するが、その他の構成は第3実施形態と同様である。したがって、本実施形態の説明は、第3実施形態の構成と対応する部分には同一符号を付し、第3実施形態の説明と重複する説明を省略する。
第1はすば歯車136及び第2はすば歯車137は、相手歯車135の歯135aと噛み合うねじれ角の歯141,142が形成されている。このような第1はすば歯車136及び第2はすば歯車137は、動力伝達時に歯141,142のねじれ角に応じたスラストが生じるため、上述のとおり、第1連繋手段138及び第2連繋手段128の構成が第3実施形態の第1連繋手段115及び第2連繋手段128と異なる。なお、第1はすば歯車136の歯141及び第2はすば歯車137の歯142は、被動側正回転で使用される場合に、第1はすば歯車136に第2はすば歯車137側へ向かうスラストが生じるねじれ方向となるように形成されている。
第1連繋手段136は、その第1従動子118が第3実施形態の第1従動子118と同様であるが、第1カム溝143が第3施形態の第1カム溝117と異なる。本実施形態における第1カム溝143は、第2回転軸114の外表面に、回転中心線L1に沿って形成されており、回転中心線L1の延びる方向に対してねじれ角を有していない(図12参照)。
また、第2連繋手段140は、その第2従動子131が第3実施形態の第2従動子131と同様であるが、第2カム溝144が第3実施形態の第2カム溝130と異なる。本実施形態における第2カム溝144は、第2回転軸114の外表面に、第1はすば歯車136の歯141及び第2はすば歯車137の歯142のねじれ方向と同一方向で、且つ、回転中心線L1の延びる方向に対して第1はすば歯車136の歯141及び第2はすば歯車137の歯142のねじれ角(θ6)と同じねじれ角(θ6)となるように形成されている(図11及び図12参照)。
このような構成の本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101によれば、第1はすば歯車136と第2はすば歯車137が被動側で且つ正回転で使用される場合、相手歯車135の歯135aが第1はすば歯車136の歯141に当接し、第1はすば歯車136が相手歯車135によって回動させられる際に、第1従動子118が第1カム溝143に沿って移動し、第1はすば歯車136が第2回転軸114に対してスライド移動すると、第2従動子131が第2カム溝144内を相対移動し、第2はすば歯車137が第2回転軸114に対してバックラッシの分だけ第1はすば歯車136より第2回転軸114の周りに大きく回動させられる。そして、第2はすば歯車137の歯142は、第1はすば歯車136の歯141が接触している相手歯車135の歯135aの歯面(動力伝達歯面)135a1と隣り合う別の歯135aの歯面(非動力伝達歯面)135a2に第1はすば歯車136側からスラストの分力を受けて押し付けられる。これにより、第1はすば歯車136の歯141及び第2はすば歯車137の歯142と相手歯車135の歯135aとの間のバックラッシが無くなる(図10参照)。その結果、第1はすば歯車136及び第2はすば歯車137が第2回転軸114と一体になって相手歯車135によって回転させられる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101によれば、第1はすば歯車136と第2はすば歯車137が被動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、第1はすば歯車136の歯141の回転中心線L1に対するねじれ方向と第2カム溝144の回転中心線L1に対するねじれ方向が同方向であり、第1はすば歯車136の歯141のねじれ角と第2カム溝144のねじれ角が同じであるため、第1はすば歯車136の歯141と第2はすば歯車137の歯142の位置関係が変化せず、第2はすば歯車137側から作用するスラストで第1はすば歯車136の歯141が相手歯車135の歯135aの歯面135a1に押し付けられる。これにより、第1はすば歯車136の歯141及び第2はすば歯車137の歯142と相手歯車135の歯135aとの間のバックラッシが無くなる(図10参照)。その結果、第1はすば歯車136及び第2はすば歯車137が第2回転軸114と一体になって相手歯車135によって回転させられる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101によれば、第1はすば歯車136と第2はすば歯車137が駆動側で且つ正回転で使用される場合、第1はすば歯車136の歯141が相手歯車135の歯135aに当接し、第1はすば歯車136が相手歯車135を回動させる際に、第1従動子118が第1カム溝143に沿って移動し、第1はすば歯車136が第2回転軸114に対してスライド移動すると、第2従動子131が第2カム溝144内を移動し、第2はすば歯車137を第2回転軸114に対してバックラッシの分だけ第1はすば歯車136より第2回転軸114の周りに大きく回動させる。そして、第2はすば歯車137の歯142は、第1はすば歯車136の歯141が接触している相手歯車135の歯135aの歯面(動力伝達歯面)135a1と隣り合う別の歯135aの歯面(非動力伝達歯面)135a2に第1はすば歯車136側から受けるスラストの分力で押し付けられる。これにより、第1はすば歯車136の歯141及び第2はすば歯車137の歯142と相手歯車135の歯135aとの間のバックラッシが無くなる(図10参照)。その結果、第1はすば歯車136及び第2はすば歯車137が第2回転軸114と一体になって相手歯車135を回転させる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101によれば、第1はすば歯車136と第2はすば歯車137が駆動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、第1はすば歯車136の歯141の回転中心線L1に対するねじれ方向と第2カム溝144の回転中心線L1に対するねじれ方向が同方向であり、第1はすば歯車136の歯141のねじれ角と第2カム溝144のねじれ角が同じであるため、第1はすば歯車136の歯141と第2はすば歯車137の歯142の位置関係が変化せず、第2はすば歯車137側から作用するスラストで第1はすば歯車136の歯141が相手歯車135の歯135aの歯面135a1に押し付けられる。これにより、第1はすば歯車136の歯141及び第2はすば歯車137の歯142と相手歯車135の歯135aとの間のバックラッシが無くなる(図10参照)。その結果、第1はすば歯車136及び第2はすば歯車137が第2回転軸114と一体になって相手歯車135を回転させる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101によれば、相手歯車135によって回動されない場合(非動力伝達時)、第1はすば歯車136の歯と相手歯車135の歯に力が作用することがなく、また、第2はすば歯車137の歯103aと相手歯車135の歯に力が作用することがない。したがって、第1はすば歯車136及び第2はすば歯車137と相手歯車135は、プラスチック材料で形成されたとしても、クリープ変形することがない。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101によれば、動力伝達時にバックラッシを取り除き、動力伝達しない状態ではバックラッシを許容する機構となっているため、相手歯車135の噛み合わせ作業が容易である。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置101によれば、回転動力伝達時にはバックラッシを無くすことができるため、トルク変動に起因する振動や騒音を低減することができる。
(第5実施形態)
図13は、本発明の第5実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201の断面図である。また、図14(a)は同バックラッシレスギヤ装置201の一部を切り欠いて示す左側面図であり、図14(b)は同バックラッシレスギヤ装置201の一部を切り欠いて示す右側面図である。
図13は、本発明の第5実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201の断面図である。また、図14(a)は同バックラッシレスギヤ装置201の一部を切り欠いて示す左側面図であり、図14(b)は同バックラッシレスギヤ装置201の一部を切り欠いて示す右側面図である。
これらの図に示すように、本実施形態のバックラッシレスギヤ装置201は、第1回転軸202と一体に回動する相手歯車(入力側平歯車)203に第1平歯車204が噛み合うと共に、この第1平歯車204と並んで配置された第2平歯車205も相手歯車203に噛み合うようになっている。
第1平歯車204は、ウェブ206の外周側に歯207が複数形成され、ウェブ206の一方の側面208側に回転中心線L1と同心の円筒状のボス210が回転中心線L1に沿って突出するように形成され、ウェブ206の他方の側面211側に回転中心線L1と同心の凹部212が形成されている。また、この第1平歯車204は、ウェブ206及びボス210の回転中心部に、ウェブ206の一方の側面208側(ボス210側)から他方の側面211側(凹部212側)までを貫通する軸穴213が形成されており、その軸穴213が第2回転軸214に回動可能に且つスライド可能に嵌合されると共に、第1連繋手段215によって第2回転軸214に連繋され、第2連繋手段216によって第2平歯車205に連繋されるようになっている。そして、第1平歯車204は、軸穴213に第2回転軸214が嵌合されると、第2回転軸214の外表面と凹部212の内周面212aとの間に円筒状の隙間が生じ、この円筒状の隙間に第2平歯車205の円筒状のボス217が係合されている。なお、第1平歯車204の凹部212の深さ(第1平歯車204の他方の側面211から回転中心線L1に沿った方向の長さ)は、第1平歯車204が第2回転軸214上を第2平歯車205側へ向かって所定距離だけスライド移動しても、第2平歯車205のボス217に当接しない程度の寸法に形成されている。
第1連繋手段215は、第2回転軸214の外表面側に形成された第1カム溝218と、ボス210に固定されて第1カム溝218にスライド可能に係合する第1従動子220と、からなっている。ここで、第1従動子220は、軸穴213の内周面から径方向内方へ向けて突出するように固定された丸棒状のピンであり、ボス210に締め付け固定されるねじ又はボルトの軸部先端に対応している。また、第1カム溝218は、ねじれ方向が第2回転軸214の回転方向に向いており、第2回転軸214の軸心(回転中心線L1)が延びる方向に対して所定のねじれ角(θ7)で形成されている(図15参照)。また、この第1カム溝218は、第1平歯車204が第2回転軸214に対して所望量移動(回動及びスライド移動)できる長さに形成されており、第1従動子220の移動を案内する部分の溝幅が一定となるように形成され、両端部が半円形に丸められており、その溝幅方向に沿って断面した第1カム溝218の断面形状が矩形形状となるように形成されている。なお、第1カム溝218の溝深さは、第1従動子220の先端が接触しない程度の一定の深さに形成されている。また、この第1カム溝218の溝幅は、第1従動子220との間に僅かな隙間が生じる程度の寸法に形成され、第1従動子220が円滑にスライド移動できるようになっている。
第2平歯車205は、第1平歯車204が動力伝達するためのものであるのに対し、相手歯車203の歯203aの動力伝達側の歯面(動力伝達歯面)203a1でない側の歯面(非動力伝達歯面)203a2に接触して、バックラッシを除去するように機能するものであり(図16参照)、主として動力伝達するためのものではないが、逆回転時に回転伝達歯車として機能させることができる。この第2平歯車205は、第1平歯車204と同様の歯221がウェブ222の外周に形成され、回転中心線L1と同心の円筒状のボス217が図13中の左側面223から回転中心線L1に沿って突出するように形成され、回転中心部にボス217の先端面側(図13中のボス217の左端面側)から図13中の右側面224側近傍まで延びる軸穴225が形成されると共に、第2回転軸214の先端側の小径軸部226に嵌合され且つ第2回転軸214の先端側の段部227と軸用止め輪228との間に位置するように鍔部230が形成されている。この第2平歯車205は、その軸穴225が第2回転軸214に回動可能に嵌合され、鍔部230が小径軸部226に回動可能に嵌合されるが、第2回転軸214の段部227と軸用止め輪228の間に鍔部230が係合されることにより、第2回転軸214に対してスライド移動できないようになっている。ここで、第2平歯車205は、第1平歯車204が第2回転軸214上をスライド移動できるように、その左側面223が第1平歯車204の他方の側面211と十分な隙間を隔てて位置し、そのボス217の先端面が第1平歯車204の凹部212の底壁212bと十分な隙間を隔てて位置するように配置されている。そして、この第2平歯車205は、第2連繋手段216によって第1平歯車204に連繋されるようになっている。なお、第2平歯車205は、正回転時に動力伝達するものではないため、第1平歯車204に比較して、ウェブ222の肉厚を薄くすると共に、歯幅寸法を小さくしている。また、相手歯車203の歯幅寸法は、第1平歯車204の歯幅寸法と第2平歯車205の歯幅寸法を合わせた寸法よりも大きな数値であり、第1平歯車204及び第2平歯車205が第2回転軸214に沿ってスライド移動しても、第1平歯車204及び第2平歯車205と噛み合うことができる十分な数値に形成されている。また、本実施形態に係る第2平歯車205は、図13に示される態様に限定されるものではなく、第1平歯車204の歯幅寸法と同様の歯幅寸法とし、全体の剛性を第1平歯車204と同等とすれば、正回転時及び逆回転時に同様の動力伝達が可能になる。
第2連繋手段216は、第2平歯車205のボス217の外表面側と第1平歯車204の凹部212の内周面212aとに跨って形成されたヘリカルスプラインであり、第2平歯車205のボス217がヘリカルスプライン軸232として機能し、第1平歯車204の凹部212がヘリカルスプライン穴233として機能する。このヘリカルスプライン216は、第2回転軸214の回転中心線L1が延びる方向に対して第1カム溝218のねじれ方向と逆のねじれ方向に第1カム溝218のねじれ角(θ7)と同じねじれ角(θ7)で形成されており、ボス側ヘリカルスプライン(ヘリカルスプライン軸232)に凹部側ヘリカルスプライン(ヘリカルスプライン穴233)がスライド可能に嵌合するようになっている。
このような構成の本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201によれば、第1平歯車204と第2平歯車205が被動側で且つ正回転で使用される場合、相手歯車203の歯203aが第1平歯車204の歯207に当接し、第1平歯車204が相手歯車203によって回動させられる際に、第1従動子220が第1カム溝218に沿って相対的に移動し、第1平歯車204が第2回転軸214に対して回動すると共に第2平歯車205へ近づくようにスライド移動すると、凹部212側のヘリカルスプライン穴233がボス217側のヘリカルスプライン軸232に押し込まれることによって、第2平歯車205がバックラッシの分だけ第1平歯車204より第2回転軸214の周りに大きく回動させられる。そして、第2平歯車205の歯221は、第1平歯車204の歯207が接触している歯203aの歯面(動力伝達歯面)203a1と隣り合う歯203aの歯面(非動力伝達歯面)203a2に第1平歯車204側から受けるスラストの分力で押し付けられる。これにより、第1平歯車204の歯207及び第2平歯車205の歯(動力伝達歯面)と相手歯車203の歯203aとの間のバックラッシが無くなる(図16参照)。その結果、第1平歯車204及び第2平歯車205が第2回転軸214と共にバックラッシの無い状態で一体になって回転させられる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201によれば、第1平歯車204と第2平歯車205が被動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、第1カム溝218の回転中心線L1に対するねじれ方向とヘリカルスプライン216の回転中心線L1に対するねじれ方向が逆方向であり、第1カム溝215のねじれ角とヘリカルスプライン216のねじれ角が同じであるため、第1平歯車204の歯207と第2平歯車205の歯221の位置関係が変化せず、第2平歯車205側から作用するスラストの分力で第1平歯車204の歯207が相手歯車203の歯203aの非動力伝達面である歯面203a1に押し付けられる。これにより、第1平歯車204の歯207及び第2平歯車205の歯221と相手歯車203の歯203aとの間のバックラッシが無くなる。その結果、第1平歯車204及び第2平歯車205がバックラッシの無い状態で第2回転軸214と一体になって相手歯車203によって回転させられる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201によれば、第1平歯車204と第2平歯車205が駆動側で且つ正回転で使用される場合、第1平歯車204の歯207が相手歯車203の歯203aに当接し、第1平歯車204が相手歯車203を回動させる際に、第1従動子220が第1カム溝218に沿って移動し、第1平歯車204が相手歯車203側の回転抵抗を受けて第2回転軸214に対して回動すると共に第2平歯車205に近づくようにスライド移動すると、ヘリカルスプライン軸232に押し込まれるヘリカルスプライン穴233によって、第2平歯車205がバックラッシの分だけ第1平歯車204より第2回転軸214の周りに大きく回動させられる。そして、第2平歯車205の歯221は、第1平歯車204の歯207が接触している相手歯車203の歯203aの歯面(動力伝達歯面)203a1と隣り合う別の歯203aの歯面(非動力伝達歯面)203a2に第1平歯車204側からスラストの分力を受けて押し付けられる。これにより、第1平歯車204の歯207及び第2平歯車205の歯221と相手歯車203の歯203aとの間のバックラッシが無くなる。その結果、第1平歯車204及び第2平歯車205がバックラッシの無い状態で第2回転軸214と一体になって相手歯車203を回転させる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201によれば、第1平歯車204と第2平歯車205が駆動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、第1カム溝218の回転中心線L1に対するねじれ方向とヘリカルスプライン216の回転中心線L1に対するねじれ方向が逆方向であり、第1カム溝218のねじれ角とヘリカルスプライン216のねじれ角が同じであるため、第1平歯車204の歯207と第2平歯車205の歯221の位置関係が変化せず、第2平歯車205側から作用するスラストの分力で第1平歯車204の歯207が相手歯車203の歯203aの歯面203a1に押し付けられる。これにより、第1平歯車204の歯207及び第2平歯車205の歯221と相手歯車203の歯203aとの間のバックラッシが無くなる。その結果、第1平歯車204及び第2平歯車205がバックラッシの無い状態で第2回転軸214と一体になって相手歯車203を回転させる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201によれば、相手歯車203によって回動されない場合(非動力伝達時)、第1平歯車204の歯207と相手歯車203の歯203aに力が作用することがなく、また、第2平歯車205の歯221と相手歯車203の歯203aに力が作用することがない。したがって、第1平歯車204及び第2平歯車205と相手歯車203は、プラスチック材料で形成されたとしても、クリープ変形することがない。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201によれば、動力伝達時にバックラッシを取り除き、動力伝達しない状態ではバックラッシを許容する機構となっているため、相手歯車203の噛み合わせ作業が容易である。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201によれば、回転動力伝達時にはバックラッシを無くすことができるため、トルク変動に起因する振動や騒音を低減することができる。
(第6実施形態)
図17は、本発明の第6実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201の一部を切断して示す構造図である。
図17は、本発明の第6実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201の一部を切断して示す構造図である。
この図17に示すように、本実施形態のバックラッシレスギヤ装置201は、第1回転軸202と一体に回動する相手歯車(はすば歯車)235と噛み合う第1はすば歯車236と、この第1はすば歯車236と並んで配置されて相手歯車235と噛み合う第2はすば歯車237とを備えている。本実施形態は、第1はすば歯車236及び第2はすば歯車237と噛み合う相手歯車235がはすば歯車である点が第5実施形態と相違し、また、第1連繋手段238及び第2連繋手段240の構成が第5実施形態の第1連繋手段215及び第2連繋手段216と相違するが、その他の構成は第5実施形態と同様である。したがって、本実施形態の説明は、第5実施形態のバックラッシレスギヤ装置201に対応する部分には同一符号を付し、第5実施形態の説明と重複する説明を省略する。
第1はすば歯車236及び第2はすば歯車237は、相手歯車235の歯235aと噛み合う歯242,243が複数形成されている。このような第1はすば歯車236及び第2はすば歯車237には、動力伝達時に歯242,243のねじれ角に応じたスラストが生じるため、上述のように、第1連繋手段238及び第2連繋手段240の構成が第5実施形態の第1連繋手段215及び第2連繋手段216と異なる。なお、第1はすば歯車236の歯242及び第2はすば歯車237の歯243は、第1はすば歯車236に第2はすば歯車237側へ向かうスラストが生じるようなねじれ方向に形成されている。
第1連繋手段238は、その第1従動子220が第5実施形態の第1従動子220と同様であるが、第1カム溝244が第5施形態の第1カム溝218と異なる。本実施形態における第1カム溝244は、第2回転軸214の外表面に、回転中心線L1に沿って形成されており、回転中心線L1の延びる方向に対してねじれ角を有していない(図18参照)。また、第2連繋手段240は、第5実施形態のヘリカルスプライン216と同様のヘリカルスプラインであり、そのヘリカルスプライン240のねじれ方向が第1はすば歯車236の歯242及び第2はすば歯車237の歯243のねじれ方向と同じ方向であり、そのヘリカルスプライン240のねじれ角が第1はすば歯車の歯242及び第2はすば歯車237の歯243のねじれ角(θ8)と同じねじれ角(θ8)となるように形成されている(図17及び図18参照)。
このような構成の本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201によれば、第1はすば歯車236と第2はすば歯車237が被動側で且つ正回転で使用される場合、相手歯車235の歯235aが第1はすば歯車236の歯235aに当接し、第1はすば歯車236が相手歯車235によって回動させられる際に、第1従動子220が第1カム溝244に沿ってスライド移動し、第1はすば歯車236が第2回転軸214上を第2はすば歯車237に近づくようにスライド移動すると、ヘリカルスプライン軸232に押し込まれるヘリカルスプライン穴233によって、第2はすば歯車237がバックラッシの分だけ第1はすば歯車236より第2回転軸214の周りに大きく回動させられる。そして、第2はすば歯車237の歯243は、第1はすば歯車236の歯242が接触している相手歯車235の歯235aの歯面(動力伝達歯面)235a1と隣り合う別の歯235aの歯面(非動力伝達歯面)235a2に第1はすば歯車236側からスラストの分力を受けて押し付けられる。これにより、第1はすば歯車236の歯242及び第2はすば歯車237と相手歯車235の歯235aとの間のバックラッシが無くなる(図16参照)。その結果、第1はすば歯車236及び第2はすば歯車237がバックラッシの無い状態で第2回転軸214と一体になって相手歯車235によって回転させられる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201によれば、第1はすば歯車236と第2はすば歯車237が被動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、第1はすば歯車236の歯242及び第2はすば歯車237の歯243のねじれ方向とヘリカルスプライン240のねじれ方向が同じであり、第1はすば歯車236の歯242及び第2はすば歯車237の歯243のねじれ角とヘリカルスプライン240のねじれ角が同じであるため、第1はすば歯車236の歯242と第2はすば歯車237の歯243の位置関係が変化せず、第2はすば歯車237側から作用するスラストで第1はすば歯車236の歯242が相手歯車235の歯235aの非動力伝達側の歯面235a1に押し付けられる。これにより、第1はすば歯車236の歯242及び第2はすば歯車237の歯243と相手歯車235の歯235aとの間のバックラッシが無くなる(図16参照)。その結果、第1はすば歯車236及び第2はすば歯車237がバックラッシの無い状態で第2回転軸214と一体になって相手歯車235によって回転させられる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201によれば、第1はすば歯車236と第2はすば歯車237が駆動側で且つ正回転で使用される場合、第1はすば歯車236の歯242が相手歯車235の歯235aに当接し、第1はすば歯車236が相手歯車235を回動させる際に、第1はすば歯車236にスラストが作用し、第1従動子220が第1カム溝244に沿って移動し、第1はすば歯車236が第2回転軸214上を第2はすば歯車237側へ近づくようにスライド移動すると、第1はすば歯車236のヘリカルスプライン穴233が第2はすば歯車237のヘリカルスプライン軸232に押し込まれ、第2はすば歯車237が第2回転軸214に対してバックラッシの分だけ第1はすば歯車236より第2回転軸214の周りに大きく回動させられる。そして、第2はすば歯車237の歯243は、第1はすば歯車236の歯242が接触している歯面(動力伝達側の歯面)235a1と隣り合う別の歯235aの歯面(非動力伝達側の歯面)235a2に第1はすば歯車236側からスラストの分力を受けて押し付けられる。これにより、第1はすば歯車236の歯242及び第2はすば歯車237の歯243と相手歯車235の歯235aとの間のバックラッシが無くなる。その結果、第1はすば歯車236及び第2はすば歯車237は、バックラッシが無い状態で第2回転軸214と一体になって相手歯車235を回転させる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201によれば、第1はすば歯車236と第2はすば歯車237が駆動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、第1はすば歯車236の歯242及び第2はすば歯車237の歯243のねじれ方向とヘリカルスプライン240のねじれ方向が同じであり、第1はすば歯車236の歯242及び第2はすば歯車237の歯243のねじれ角とヘリカルスプライン240のねじれ角が同じであるため、第1はすば歯車236の歯242と第2はすば歯車237の歯243の位置関係が変化せず、第2はすば歯車237側から作用するスラストの分力で第1はすば歯車236の歯242が相手歯車235の歯235aの非動力伝達側の歯面235a2に押し付けられる。これにより、第1はすば歯車236の歯242及び第2はすば歯車237の歯243と相手歯車235の歯235aとの間のバックラッシが無くなる。その結果、第1はすば歯車236及び第2はすば歯車237は、バックラッシが無い状態で第2回転軸214と一体になって相手歯車235を回転させる。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201によれば、相手歯車235によって回動されない場合(非動力伝達時)、第1はすば歯車236の歯242と相手歯車235の歯235aに力が作用することがなく、また、第2はすば歯車237の歯243と相手歯車235の歯235aに力が作用することがない。したがって、第1はすば歯車236及び第2はすば歯車237と相手歯車235は、プラスチック材料で形成されたとしても、クリープ変形することがない。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201によれば、動力伝達時にバックラッシを取り除き、動力伝達しない状態ではバックラッシを許容する機構となっているため、相手歯車235の噛み合わせ作業が容易である。
また、本実施形態に係るバックラッシレスギヤ装置201によれば、回転動力伝達時にはバックラッシを無くすことができるため、トルク変動に起因する振動や騒音を低減することができる。
1,101,201……バックラッシレスギヤ装置、3,103,203……相手歯車(平歯車)、3a,103a,203a……歯、4,104,204……第1平歯車、5,105,205……第2平歯車、7,18,107,120,207,221……歯、14,114,214……回転軸、15,115,215……第1連繋手段、16,117,218……第1カム溝、17,118,220……第1従動子、25,128,216……第2連繋手段、26,130,……第2カム溝、27,131……第2従動子、30,135,235……相手歯車、30a,135a,235a……歯、31,136,236……第1はすば歯車、32,137,237……第2はすば歯車、33,138,238……第1連繋手段、34,140,240……第2連繋手段、35,36,141,142,242,243……歯、37,143,244……第1カム溝、38,144……第2カム溝、L1……回転中心線(軸心)、232……ボス側ヘリカルスプライン、233……凹部側ヘリカルスプライン
Claims (6)
- 回転軸に回動可能に取り付けられ、相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第1平歯車と、
前記第1平歯車の側面に当接した状態で前記回転軸に回動可能に取り付けられ、前記相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第2平歯車と、
前記第1平歯車と前記回転軸とを連繋する第1連繋手段と、
前記第2平歯車と前記回転軸とを連繋する第2連繋手段と、を備えたバックラッシレスギヤ装置であって、
前記第1連繋手段は、(1)前記第1平歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1平歯車と前記回転軸のいずれか一方に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して所定のねじれ角(θ1)で延びる第1カム溝と、(2)前記第1平歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1平歯車と前記回転軸のいずれか他方に固定され、前記第1カム溝に沿ってスライドできるように前記第1カム溝に係合する第1従動子と、を有し、
前記第2連繋手段は、(1)前記第2平歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第2平歯車と前記回転軸のいずれか一方に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して前記第1カム溝のねじれ方向と同一のねじれ方向で且つ前記第1カム溝のねじれ角(θ1)よりも大きなねじれ角(θ2)で形成された第2カム溝と、(2)前記第2平歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第2平歯車と前記回転軸のいずれか他方に固定され、前記第2カム溝に沿ってスライドできるように前記第2カム溝に係合する第2従動子と、を有し、
前記第1平歯車と前記第2平歯車が被動側で使用される場合、前記相手歯車の歯が前記第1平歯車の歯に当接し、前記第1平歯車が前記相手歯車によって回動させられる際に、前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1平歯車が前記回転軸に対して回動すると共にスライドし、前記第1平歯車が前記第2平歯車を前記回転軸に対してスライド移動させ、前記第2平歯車がバックラッシの分だけ前記第1平歯車の前記回転軸に対する回動角度よりも大きく回動し、前記第2平歯車の歯が前記第1平歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられるようになっており、
前記第1平歯車と前記第2平歯車が駆動側で使用される場合、前記第1平歯車の歯が相手歯車の歯に当接し、前記第1平歯車が前記相手歯車を回動させる際に、前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1平歯車が前記回転軸に対して回動すると共にスライドし、前記第1平歯車が前記第2平歯車を前記回転軸に対してスライド移動させ、前記第2平歯車がバックラッシの分だけ前記第1平歯車の前記回転軸に対する回動角度よりも大きく回動し、前記第2平歯車の歯が前記第1平歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させるようになっている、
ことを特徴とするバックラッシレスギヤ装置。 - 回転軸に回動可能に取り付けられ、相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第1はすば歯車と、
前記第1はすば歯車の側面に当接した状態で前記回転軸に回動可能に取り付けられ、前記相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第2はすば歯車と、
前記第1はすば歯車と前記回転軸とを連繋する第1連繋手段と、
前記第2はすば歯車と前記回転軸とを連繋する第2連繋手段と、を備えたバックラッシレスギヤ装置であって、
前記第1はすば歯車の歯は、前記第2はすば歯車側へ向かってスラストが作用するようなねじれ方向のねじれ角(θ3)で形成され、
前記第1連繋手段は、(1)前記第1はすば歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1はすば歯車と前記回転軸のいずれか一方に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に沿って延びる第1カム溝と、(2)前記第1はすば歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1はすば歯車と前記回転軸のいずれか他方に固定され、前記第1カム溝に沿ってスライドできるように前記第1カム溝に係合する第1従動子と、を有し、
前記第2連繋手段は、(1)前記第2はすば歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第2はすば歯車と前記回転軸のいずれか一方に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して前記第1はすば歯車の歯のねじれ方向と反対のねじれ方向に所定のねじれ角(θ4)で延びる第2カム溝と、(2)前記第2はすば歯車と回転軸の係合部で且つ前記第2はすば歯車と前記回転軸のいずれか他方に固定され、前記第2カム溝に沿ってスライドできるように前記第2カム溝に係合する第2従動子と、を有し、
前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が被動側で使用される場合、前記相手歯車の歯が前記第1はすば歯車の歯に当接し、前記第1はすば歯車が前記相手歯車によって回動させられる際に、前記第1はすば歯車の歯にスラストが作用して前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1はすば歯車が前記回転軸に対してスライドし、前記第1はすば歯車が前記第2はすば歯車を前記回転軸に対してスライド移動させ、前記第2はすば歯車が前記第1はすば歯車よりバックラッシの分だけ前記回転軸に対して大きく回動し、前記第2はすば歯車の歯が前記第1はすば歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1はすば歯車及び第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられるようになっており、
前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が駆動側で使用される場合、前記第1はすば歯車の歯が前記相手歯車の歯に当接し、前記第1はすば歯車が前記相手歯車を回動させる際に、前記第1はすば歯車の歯にスラストが作用して前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1はすば歯車が前記回転軸に対してスライドし、前記第1はすば歯車が前記第2はすば歯車を前記回転軸に対してスライド移動させ、前記第2はすば歯車が前記第1はすば歯車よりバックラッシの分だけ前記回転軸に対して大きく回動し、前記第2はすば歯車の歯が前記第1はすば歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1はすば歯車及び第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させるようになっている、
ことを特徴とするバックラッシレスギヤ装置。 - 回転軸に回動可能に且つスライド移動可能に取り付けられ、相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第1平歯車と、
前記第1平歯車の側面との間に隙間が生じる状態で前記回転軸に回動可能に且つスライド移動できないように取り付けられ、前記相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第2平歯車と、
前記第1平歯車と前記回転軸とを連繋する第1連繋手段と、
前記第1平歯車と前記第2平歯車とを連繋する第2連繋手段と、を備えたバックラッシレスギヤ装置であって、
前記第1平歯車は、前記第2平歯車が配置される側の側面から前記回転軸の軸心が延びる方向に沿って延び、且つ、前記回転軸の周囲に円筒状の隙間を生じさせる凹部が前記側面側に開口するように形成され、
前記第2平歯車は、前記第1平歯車の前記凹部に相対回動可能に収容される円筒状のボスが前記第1平歯車側に突出形成され、
前記第1連繋手段は、(1)前記第1平歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1平歯車と前記回転軸のいずれか一方に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して所定のねじれ角(θ5)で延びる第1カム溝と、(2)前記第1平歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1平歯車と前記回転軸のいずれか他方に固定され、前記第1カム溝に沿ってスライドできるように前記第1カム溝に係合する第1従動子と、を有し、
前記第2連繋手段は、(1)前記ボスの外周面と前記凹部の内周面のいずれか一方側に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して前記第1カム溝のねじれ方向と逆のねじれ方向に前記第1カム溝と同じねじれ角(θ5)で形成された第2カム溝と、(2)前記ボスの外周面と前記凹部の内周面のいずれか他方側に固定され、前記第2カム溝に沿ってスライドできるように前記第2カム溝に係合する第2従動子と、を有し、
前記第1平歯車と前記第2平歯車が被動側で且つ正回転で使用される場合、前記相手歯車の歯が前記第1平歯車の歯に当接し、前記第1平歯車が前記相手歯車によって回動させられる際に、前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1平歯車が前記回転軸に対して回動すると共に第2平歯車側へスライドすると、前記第2従動子が前記第2カム溝内を相対移動し、前記第2平歯車を前記回転軸に対してバックラッシの分だけ前記第1平歯車より前記回転軸の周りに大きく回動させ、前記第2平歯車の歯が前記第1平歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられ、
前記第1平歯車と前記第2平歯車が被動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられるようになっており、
前記第1平歯車と前記第2平歯車が駆動側で且つ正回転で使用される場合、前記第1平歯車の歯が相手歯車の歯に当接し、前記第1平歯車が前記相手歯車を回動させる際に、前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1平歯車が前記回転軸に対して回動すると共に第2平歯車側へスライドすると、前記第2従動子が前記第2カム溝内を相対移動し、前記第2平歯車を前記回転軸に対してバックラッシの分だけ前記第1平歯車より前記回転軸の周りに大きく回動させ、前記第2平歯車の歯が前記第1平歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させ、
前記第1平歯車と前記第2平歯車が駆動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させるようになっている、
ことを特徴とするバックラッシレスギヤ装置。 - 回転軸に回動可能に且つスライド移動可能に取り付けられ、相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第1はすば歯車と、
前記第1はすば歯車の側面との間に隙間が生じる状態で前記回転軸に回動可能に且つスライド移動できないように取り付けられ、前記相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第2はすば歯車と、
前記第1はすば歯車と前記回転軸とを連繋する第1連繋手段と、
前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車とを連繋する第2連繋手段と、を備えたバックラッシレスギヤ装置であって、
前記第1はすば歯車は、前記第2はすば歯車側の側面から前記回転軸の軸心が延びる方向に沿って延び、且つ、前記回転軸の周囲に円筒状の隙間を生じさせる凹部が前記側面側に開口するように形成され、前記歯が前記第2はすば歯車側へ向かうスラストを生じるさせるねじれ方向に形成され、
前記第2はすば歯車は、前記第1はすば歯車の前記凹部に相対回動可能に収容される円筒状のボスが前記第1はすば歯車側に突出形成され、
前記第1連繋手段は、(1)前記第1はすば歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1はすば歯車と前記回転軸のいずれか一方に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に沿って延びる第1カム溝と、(2)前記第1はすば歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1はすば歯車と前記回転軸のいずれか他方に固定され、前記第1カム溝に沿ってスライドできるように前記第1カム溝に係合する第1従動子と、を有し、
前記第2連繋手段は、(1)前記ボスの外周面と前記凹部の内周面のいずれか一方側に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して前記第1はすば歯車の歯のねじれ方向と同じねじれ方向に前記第1はすば歯車の歯のねじれ角(θ6)と同じねじれ角(θ6)で延びる第2カム溝と、(2)前記ボスの外周面と前記凹部の内周面のいずれか他方側に固定され、前記第2カム溝に沿ってスライドできるように前記第2カム溝に係合する第2従動子と、を有し、
前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が被動側で且つ正回転で使用される場合、前記相手歯車の歯が前記第1はすば歯車の歯に当接し、前記第1はすば歯車が前記相手歯車によって回動させられる際に、前記第1はすば歯車の歯にスラストが作用して前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1はすば歯車が前記回転軸に対して第2はすば歯車側へスライドし、前記第2従動子が前記第2カム溝内を相対移動し、前記第2はすば歯車を前記回転軸に対してバックラッシの分だけ前記回転軸の周りに回動させ、前記第2はすば歯車の歯が前記第1はすば歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1はすば歯車及び第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられ、
前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が被動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、前記第1はすば歯車及び第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられるようになっており、
前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が駆動側で且つ正回転で使用される場合、前記第1はすば歯車の歯が相手歯車の歯に当接し、前記第1はすば歯車が前記相手歯車を回動させる際に、前記第1はすば歯車の歯にスラストが作用して前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1はすば歯車が前記回転軸に対して第2はすば歯車側へスライドし、前記第2従動子が前記第2カム溝内を相対移動し、前記第2はすば歯車を前記回転軸に対してバックラッシの分だけ前記回転軸の周りに回動させ、前記第2はすば歯車の歯が前記第1はすば歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1はすば歯車及び前記第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させ、
前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が駆動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、前記第1はすば歯車及び前記第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させるようになっている、
ことを特徴とするバックラッシレスギヤ装置。 - 回転軸に回動可能に且つスライド移動可能に取り付けられ、相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第1平歯車と、
前記第1平歯車の側面との間に隙間が生じる状態で前記回転軸に回動可能に且つスライド移動できないように取り付けられ、前記相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第2平歯車と、
前記第1平歯車と前記回転軸とを連繋する第1連繋手段と、
前記第1平歯車と前記第2平歯車とを連繋する第2連繋手段と、を備えたバックラッシレスギヤ装置であって、
前記第1平歯車は、前記第2平歯車が配置される側の側面から前記回転軸の軸心が延びる方向に沿って延び、且つ、前記回転軸の周囲に円筒状の隙間を生じさせる凹部が前記側面側に開口するように形成され、
前記第2平歯車は、前記第1平歯車の前記凹部に相対回動可能に収容される円筒状のボスが前記第1平歯車側に突出形成され、
前記第1連繋手段は、(1)前記第1平歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1平歯車と前記回転軸いずれか一方に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して所定のねじれ角(θ7)で延びる第1カム溝と、(2)前記第1平歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1平歯車と前記回転軸のいずれか他方に固定され、前記第1カム溝に沿ってスライドできるように前記第1カム溝に係合する第1従動子と、を有し、
前記第2連繋手段は、(1)前記ボスの外周面に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して前記第1カム溝のねじれ方向と逆のねじれ方向に前記第1カム溝と同じねじれ角(θ7)で形成されたボス側ヘリカルスプラインと、(2)このボス側ヘリカルスプラインに嵌合するように前記凹部の内周面に形成された凹部側ヘリカルスプラインと、を有し、
前記第1平歯車と前記第2平歯車が被動側で且つ正回転で使用される場合、前記相手歯車の歯が前記第1平歯車の歯に当接し、前記第1平歯車が前記相手歯車によって回動させられる際に、前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1平歯車が前記回転軸に対して回動すると共に第2平歯車側へスライドすると、前記凹部側ヘリカルスプラインと前記ボス側ヘリカルスプラインとが相対的にスライド移動し、前記第2平歯車を前記回転軸に対してバックラッシの分だけ前記第1平歯車より前記回転軸の周りに大きく回動させ、前記第2平歯車の歯が前記第1平歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられ、
前記第1平歯車と前記第2平歯車が被動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられるようになっており、
前記第1平歯車と前記第2平歯車が駆動側で且つ正回転で使用される場合、前記第1平歯車の歯が相手歯車の歯に当接し、前記第1平歯車が前記相手歯車を回動させる際に、前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1平歯車が前記回転軸に対して回動すると共に第2平歯車側へスライドすると、前記凹部側ヘリカルスプラインと前記ボス側ヘリカルスプラインとが相対的にスライド移動し、前記第2平歯車を前記回転軸に対してバックラッシの分だけ前記第1平歯車より前記回転軸の周りに大きく回動させ、前記第2平歯車の歯が前記第1平歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させ、
前記第1平歯車と前記第2平歯車が駆動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、前記第1平歯車及び第2平歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させるようになっている、
ことを特徴とするバックラッシレスギヤ装置。 - 回転軸に回動可能に且つスライド移動可能に取り付けられ、相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第1はすば歯車と、
前記第1はすば歯車の側面との間に隙間が生じる状態で前記回転軸に回動可能に且つスライド移動できないように取り付けられ、前記相手歯車に噛み合わされる歯が外周に形成された第2はすば歯車と、
前記第1はすば歯車と前記回転軸とを連繋する第1連繋手段と、
前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車とを連繋する第2連繋手段と、を備えたバックラッシレスギヤ装置であって、
前記第1はすば歯車は、前記第2はすば歯車が配置される側の側面から前記回転軸の軸心が延びる方向に沿って延び、且つ、前記回転軸の周囲に円筒状の隙間を生じさせる凹部が前記側面側に開口するように形成され、前記歯が前記第2はすば歯車側へ向かうスラストを生じるさせるねじれ方向に形成され、
前記第2はすば歯車は、前記第1はすば歯車の前記凹部に相対回動可能に収容される円筒状のボスが前記第1はすば歯車側に突出形成され、
前記第1連繋手段は、(1)前記第1はすば歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1はすば歯車と前記回転軸のいずれか一方に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に沿って延びる第1カム溝と、(2)前記第1はすば歯車と前記回転軸の係合部で且つ前記第1はすば歯車と前記回転軸のいずれか他方に固定され、前記第1カム溝に沿ってスライドできるように前記第1カム溝に係合する第1従動子と、を有し、
前記第2連繋手段は、(1)前記ボスの外周面に形成され、前記回転軸の軸心が延びる方向に対して前記第1はすば歯車の歯のねじれ方向と同じねじれ方向に前記第1はすば歯車の歯のねじれ角(θ8)と同じねじれ角(θ8)で延びるボス側ヘリカルスプラインと、(2)このボス側ヘリカルスプラインに嵌合するように前記凹部の内周面に形成された凹部側ヘリカルスプラインと、を有し、
前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が被動側で且つ正回転で使用される場合、前記相手歯車の歯が前記第1はすば歯車の歯に当接し、前記第1はすば歯車が前記相手歯車によって回動させられる際に、前記第1はすば歯車の歯にスラストが作用して前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1はすば歯車が前記回転軸に対して前記第2はすば歯車側へスライドし、前記凹部側ヘリカルスプラインと前記ボス側ヘリカルスプラインとが相対的にスライド移動し、前記第2はすば歯車を前記回転軸に対してバックラッシの分だけ前記回転軸の周りに回動させ、前記第2はすば歯車の歯が前記第1はすば歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1はすば歯車及び第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられ、
前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が被動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、前記第1はすば歯車及び第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車によって回転させられるようになっており、
前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が駆動側で且つ正回転で使用される場合、前記第1はすば歯車の歯が相手歯車の歯に当接し、前記第1はすば歯車が前記相手歯車を回動させる際に、前記第1はすば歯車の歯にスラストが作用して前記第1従動子が前記第1カム溝に沿って相対的に移動し、前記第1はすば歯車が前記回転軸に対して前記第2はすば歯車側へスライドし、前記凹部側ヘリカルスプラインと前記ボス側ヘリカルスプラインとが相対的にスライド移動し、前記第2はすば歯車を前記回転軸に対してバックラッシの分だけ前記回転軸の周りに回動させ、前記第2はすば歯車の歯が前記第1はすば歯車側から受けるスラストの分力で前記相手歯車の前記歯の隣りの歯に押し付けられると、前記第1はすば歯車及び第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させ、
前記第1はすば歯車と前記第2はすば歯車が駆動側で且つ正回転後に逆回転で使用される場合、前記第1はすば歯車及び第2はすば歯車が前記回転軸と共に一体となって前記相手歯車を回転させるようになっている、
ことを特徴とするバックラッシレスギヤ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007319094A JP2009138916A (ja) | 2007-12-11 | 2007-12-11 | バックラッシレスギヤ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007319094A JP2009138916A (ja) | 2007-12-11 | 2007-12-11 | バックラッシレスギヤ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009138916A true JP2009138916A (ja) | 2009-06-25 |
Family
ID=40869720
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007319094A Pending JP2009138916A (ja) | 2007-12-11 | 2007-12-11 | バックラッシレスギヤ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009138916A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104132113A (zh) * | 2014-07-31 | 2014-11-05 | 重庆大学 | 凸轮式电控消隙的齿轮副 |
JP2017032127A (ja) * | 2015-08-06 | 2017-02-09 | トヨタ自動車株式会社 | やまば歯車 |
US11859693B2 (en) * | 2020-03-06 | 2024-01-02 | Hamilton Sundstrand Corporation | Gear timing with helical spline and shims |
-
2007
- 2007-12-11 JP JP2007319094A patent/JP2009138916A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104132113A (zh) * | 2014-07-31 | 2014-11-05 | 重庆大学 | 凸轮式电控消隙的齿轮副 |
JP2017032127A (ja) * | 2015-08-06 | 2017-02-09 | トヨタ自動車株式会社 | やまば歯車 |
US11859693B2 (en) * | 2020-03-06 | 2024-01-02 | Hamilton Sundstrand Corporation | Gear timing with helical spline and shims |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3263937B1 (en) | Joint for torque transmission and worm reduction gear | |
JP6911892B2 (ja) | トルク伝達用継手及びウォーム減速機 | |
JP4888281B2 (ja) | 電動式パワーステアリング装置 | |
JP2009174577A (ja) | 車両用差動歯車装置 | |
JP2009108892A (ja) | トルク伝達用継手及び電動パワ−ステアリング装置 | |
JP6277895B2 (ja) | トルク伝達部材及び駆動軸と被駆動軸との結合部 | |
JP2009138916A (ja) | バックラッシレスギヤ装置 | |
JP2008173993A (ja) | 電動式パワーステアリング装置 | |
JP5181747B2 (ja) | 電動式パワーステアリング装置 | |
JP2009120094A (ja) | パワーステアリング装置及びその製造方法 | |
JP2012137113A (ja) | シャフト装置 | |
JP5256958B2 (ja) | 電動式パワーステアリング装置 | |
JP4632852B2 (ja) | 産業用ロボットの旋回部構造 | |
JP5553105B2 (ja) | 電動式パワーステアリング装置 | |
JP2018009638A (ja) | 遊星歯車装置 | |
JP4353955B2 (ja) | モータと減速装置の等速連結構造 | |
JP6350671B2 (ja) | ウォーム減速機およびウォーム減速機の組立方法 | |
KR102111294B1 (ko) | 스티어 바이 와이어식 조향장치 | |
JP6551522B2 (ja) | トルク伝達用継手及びウォーム減速機 | |
JP4924283B2 (ja) | 電動式パワーステアリング装置 | |
JP2023117778A (ja) | 遊星歯車装置 | |
JP2006143024A (ja) | 伝達比可変操舵装置 | |
JP2009097642A (ja) | 歯車装置 | |
WO2016056268A1 (ja) | ウォーム減速機およびウォーム減速機の組立方法 | |
JP2009275766A (ja) | 遊星差動式運動変換機構、並びにこれを具備する動力装置 |