JP2009135942A - 無線通信方法および無線通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】従来は送信アンテナ数が受信アンテナ数よりも多いと、各送信アンテナから同時に送信された異なる信号を受信側では分離できず、受信信号品質が大きく劣化する。
【解決手段】複数の情報信号から出力信号を生成し、この出力信号を複数のアンテナから通信相手側システムに送信する無線通信システムの無線通信方法で、一の情報信号に関する複数のアンテナに対応する第1のウエイトと、他の情報信号に関する複数のアンテナに対応する第2のウエイトを上記通信相手側システムに通知し、第1のウエイトを一の情報信号に乗じて第1の演算結果を、第2のウエイトを他の情報信号に乗じて第2の演算結果を生成し、第1、第2の演算結果から、複数のアンテナそれぞれに対応する複数の出力信号を生成し、通信相手側システムに送信する。
【選択図】図1

Description

この発明は、送受信に複数のアンテナを用いて信号伝送を行う無線通信方法および無線通信システムに関するものである。
近年、無線通信はその利便性により目覚ましく普及している。このため、利用周波数の逼迫対策が急がれている。この周波数を有効に利用する技術の一つとして、近年送受信機で複数のアンテナを用いて高速信号伝送を行うMIMO(Multi-Input Multi-Output)システムの研究が盛んに行われている。MIMOシステムでは、送受信機で複数のアンテナを用いることにより、送受信機が1アンテナの場合より高容量が達成できることが知られている。
MIMOシステムでは、複数の送信アンテナからそれぞれ個別に信号を送信し、受信側では信号処理を用いて各信号を抽出するSDM(Space Division multiplexing)伝送が多く研究されている。そこで、以下ではSDM伝送の代表的な文献 A.V.Zelst,R.V.Nee,and G.A.Awater,kako“Space Division Multiplexing (SDM) for OFDM Systems” IEEE Proc.of VTC2000 SPring,pp.1070-1074,2000 または黒崎、浅井、杉山、梅比良“MIMOチャンネルにより100Mbit/sを実現する広帯域移動通信用SDM-COFDMの提案”信学技報 RC2001-135,oct.2001 に基づき従来技術の説明を行う。
図32にSDM伝送を行う送受信機の構成を示す。SDM伝送では、送信機の各アンテナから個別に時系列の信号を送信し、受信機では個々の送信信号に対応するビーム形成を用いて信号受信する。この信号処理構成について、以下で説明を行う。なお、送信アンテナをN本、受信アンテナをM本、送信アンテナnから受信アンテナmへの伝搬係数を hmn、送受信局間の伝搬特性を行列 H=[ hmn ]として説明を進める。
図32に示すように送信機の端末A1ではN本の送信アンテナ3から時系列の送信信号sn(p)(p=1,・・・,N)を送信する。送信信号は伝搬路5を通って、M本の受信アンテナ4で信号受信される。受信機の端末B2では、受信信号に対し、アンテナ4でウエイトvを乗じて信号合成を行う。
以下では、この一連の過程を数式を用いて表す。受信アンテナ4での受信信号をx(p) とすると受信ベクトルx(p) =[ x1(p) ,・・・,xM(p) ]T ( T 転置)は次式で与えられる。
x(p) = Σn=1 Nnn(p)+z(p)
ここで、s1(p),・・・,sN(p) は送信信号、hn,=[h1n,・・・, hMn]T は送信アンテナ3からM本の受信アンテナ4への伝搬ベクトル、z(p),=[z1(p),・・・,zN(p)]T は雑音ベクトル、z(p) はアンテナ4での雑音成分を表す。
また、受信側の端末B2では送信アンテナ3からの信号sn(p)を受信するために適したウエイト vn=[vn1,・・・,vnM]T を決定する。信号合成後の出力y(p)は次式で与えられる。
(p)=vn Tx(p)
= Σn0=1 N(v n0)sn0(p)+vn Tz(p)
受信ウエイトvnにはさまざまな決定方法があるが、出力y(p)が信号sn(p)に近づくよう各受信ウエイトvnを決定する。たとえば、ZF(Zero Forcing)基準に基づくウエイト決定では、次式が満たされるようにウエイトvnを決定する。
n Tn0 = 1 n0 = nの場合
= 0 n0 = n以外の場合 (式1)
(式1)は、希望信号sn(p)が強く受信され、他の信号sn0(p) ( n0はn以外の整数)が抑圧される条件を示している。従って、希望信号のみを良好に受信することができる。また、異なるnに対して異なるウエイトvnを用いて信号受信することで、複数の信号を分離して取り出すことができ、空間的に多重伝送することができる。なお、ここでは一例としてZF基準に基づくウエイト決定法を述べたが、この他にMMSE合成法などの類似したウエイト演算法がある。いずれのウエイト演算法も基本的には(式1)と同様に、希望信号以外の信号を抑圧することを目的としている。
このように受信側の端末B2では複数の信号の中から希望信号以外の信号を抑圧することで、空間多重伝送方式(SDM;Space Division Multiplexing )実現できる。SDM伝送では、同時に複数の信号を伝送するため、送受信機が単一アンテナを用いる従来の伝送方式と比較して、高速な信号伝送が可能となる利点がある。
しかし、現実には(式1)は、信号多重数Nが受信アンテナ数M以下の場合(N<=M)に実現可能であるが、N>Mの場合には実現不可能となる。この内容を理解するため、より詳細な説明を行う。(式1)において、ベクトルv及びhn0はそれぞれM次元空間上の一つのベクトルとしてあらわすことができる。また、v Tn0はベクトルの内積でありv Tn0=0となるのは、vとhn0がM次元空間上で直交関係にある状態に相当する。ところで、M次元空間上でM−1個の独立なベクトルhn0と直交するベクトルvを設定することは可能であるが、M個以上の独立なベクトルhn0と直交するベクトルvを設定することは不可能である。従って、理論上M個以上の独立なベクトルhn0に対してv Tn0=0の関係を満たすことは不可能であり、N>Mの場合には(式1)は実現不可能となる。
その結果、信号多重数Nが受信アンテナ数Mよりも大きい場合、受信側ではいかなるウエイトvを用いても、他の信号の抑圧を十分行えない。そのため、受信信号品質は急速に劣化する。この状況を避けるためには、送信アンテナ数が受信アンテナ数よりも多い環境において、空間多重伝送を円滑に行う方法が必要とされるが、現在までにその解決策は示されていない。
A.V.Zelst,R.V.Nee,and G.A.Awater,"Space Division Multiplexing (SDM) for OFDM Systems" IEEE Proc.of VTC2000 Spring,pp.1070-1074,2000 黒崎、浅井、杉山、梅比良"MIMOチャンネルにより100Mbit/sを実現する広帯域移動通信用SDM-COFDMの提案"信学技報 RCS2001-135,oct.2001
従来手法のビーム形成法では送信アンテナ数が受信アンテナ数よりも少ない場合に円滑に空間多重伝送を行うことができる。しかし、現実の無線通信では、送信アンテナ数が受信アンテナ数より多くなる環境が多く存在する。この場合、従来の伝送方法を用いて、各送信アンテナから異なる信号を同時送信すると、受信側では互いの信号を分離できず、受信信号品質が大きく劣化する。従って、送信アンテナ数が受信アンテナ数よりも多い環境において、互いに信号を分離でき、高品質な信号伝送を行える方法が必要とされている。
また、送信アンテナ数が受信アンテナ数より少ない場合であっても、全ての送信アンテナを用いて信号を送信する方法が必ずしも伝送効率がよいとは限らない。例えば、2つの伝搬ベクトルhn0とhn1が互いに類似している場合には、一方の信号hn1を抑圧することによって、希望信号hn0も抑圧されてしまう場合もある。このような場合には、2つの信号を送信するよりも、一方の信号を停止する方が良好な信号伝送を行える場合も考えられる。
このように、信号の送信手法を制御することによって、より効率的な信号伝送が可能となる可能性がある。MIMOシステムにおいてより効率的な信号伝送を可能とする送受信間の制御方法及び通信方式が必要とされている。
この発明に係る無線通信方法は、複数の情報信号から出力信号を生成し、この出力信号を複数のアンテナから通信相手側システムに対して送信する無線通信システムにおける無線通信方法であり、
一の情報信号に関する上記複数のアンテナに対応する第1のウエイト、および、他の情報信号に関する上記複数のアンテナに対応する第2のウエイトを上記通信相手側システムに通知するウエイト通知ステップと、
上記第1のウエイトを上記一の情報信号に乗じて第1の演算結果を生成し、上記第2のウエイトを上記他の情報信号に乗じて第2の演算結果を生成する演算ステップと、
上記第1の演算結果と上記第2の演算結果とから、上記複数のアンテナそれぞれに対応する複数の出力信号を生成し、上記通信相手側システムに送信する送信ステップ
を備えるものである。
また、この発明に係る無線通信システムは、複数の情報信号から出力信号を生成し、この出力信号を複数のアンテナから通信相手側システムに対して送信する無線通信システムであり、
一の情報信号に関する上記複数のアンテナに対応する第1のウエイト、および、他の情報信号に関する上記複数のアンテナに対応する第2のウエイトを上記通信相手側システムに通知するウエイト通知手段と、
上記第1のウエイトを上記一の情報信号に乗じて第1の演算結果を生成し、上記第2のウエイトを上記他の情報信号に乗じて第2の演算結果を生成する演算手段と、
上記第1の演算結果と上記第2の演算結果とから、上記複数のアンテナそれぞれに対応する複数の出力信号を生成し、上記通信相手側システムに送信する送信手段
を備えるものである。
この発明による無線通信方法および無線通信システムでは、一の情報信号に関する複数のアンテナに対応する第1のウエイト、および、他の情報信号に関する複数のアンテナに対応する第2のウエイトを通信相手側システムに通知し、第1のウエイトを一の情報信号に乗じて第1の演算結果を生成し、第2のウエイトを他の情報信号に乗じて第2の演算結果を生成し、第1の演算結果と第2の演算結果とから、複数のアンテナそれぞれに対応する複数の出力信号を生成し、通信相手側システムに送信するので、通信相手側システムでは信号の分離を円滑に行うことができる信号を受信でき、伝送効率を向上することができる。
この発明の実施の形態1におけるMIMOシステム用送受信機の基本構成図。 実施の形態1における伝送制御法を示すフローチャート。 実施の形態1において端末Bから端末Aへ制御信号を伝送する状況を示す図。 実施の形態1において端末Aから端末Bへ制御信号を伝送する状況を示す図。 実施の形態1において用いるパイロット信号及び制御信号のフォーマット図。 実施の形態1における端末Bのパイロット信号検出部の構成図。 実施の形態2における送信信号判定部の概略を表す図。 実施の形態2における送信信号判定部での処理手順を示すフローチャート。 実施の形態3における送信信号判定部の概略を表す図。 実施の形態3における送信信号判定部での処理手順を示すフローチャート。 実施の形態4における送信信号判定部の構成を表す図。 実施の形態4における送信信号判定部での処理手順を示すフローチャート。 実施の形態4におけるSINR予測法を示す図。 実施の形態4における出力SINRと評価値の関係を表すテーブルの図。 実施の形態4における信号の組み合わせと評価値との対応を表すテーブルの図。 実施の形態5における送信信号判定部での処理手順を示すフローチャート。 実施の形態5における出力SINRと伝送フォ-マット及び評価値の関係を表すテーブルの図。 実施の形態5における出力SINRと評価値の関係を表すテーブルの図。 実施の形態5において用いる制御信号のフォ-マットの一例を示す図。 マルチキャリア通信システムの基本構成図。 実施の形態6におけるマルチキャリアSDM伝送の送受信機の構成図。 実施の形態7における送信信号判定部の構成を表す図。 実施の形態7における送信信号判定部での処理手順を示すフローチャート。 実施の形態7における平均出力SINRの算出方法を示す図。 実施の形態8におけるMIMOシステム用送受信機の基本構成図。 実施の形態8における伝送制御法を示すフローチャート。 実施の形態9におけるMIMOシステム用送受信機の概念図。 実施の形態9における伝送制御法を示すフローチャート。 実施の形態10における信号電力の組み合わせと評価値との対応を表すテーブルの図。 実施の形態10における送信信号判定部での処理手順を示すフローチャート。 実施の形態10において用いる制御信号のフォ-マットの一例を示す図。 従来技術におけるSDMA伝送時の送受信機構成図。 従来技術におけるSDMA伝送時の送受信機構成と受信ビーム形成を示す概念図。
実施の形態1.
本実施の形態は、複数の信号を空間多重(SDM)伝送するMIMOシステムにおける効率的な信号伝送および通信方式に関するものである。以下、説明するにあたって、情報信号の送信側を端末A、受信側を端末Bと呼ぶ。
図1は本実施の形態を表す最も基本的な送受信構成図である。図2は本実施の形態の制御手順を表すフローチャート、図3は端末Bから端末Aへ制御情報を通知する様子を示す。図4は端末Aから端末Bに対して情報信号を伝送する際の様子を示している。図5は(a)が端末Aから送信するパイロット信号を、(b)が端末Bから端末Aに伝送する制御情報(制御信号)を示している。図6は端末Bにおけるパイロット信号検出部の構成を表す。以下図1〜6を用いて本実施の形態を説明する。
本実施の形態は、いかなる送信アンテナ数を有するMIMOシステムに対しても適用可能な、高効率な信号伝送法である。
図2に従い本実施の形態の基本的な制御手順を説明する。まず、本実施の形態では、端末Aは情報信号を送信する前に、各アンテナからパイロット信号を送信する(S101)。端末Bはパイロット信号を受信すると、伝送関連情報として各信号の伝播ベクトルを推定する(S102)。具体的な伝播ベクトルの推定方法にはさまざまな方法があるが、その具体例は後述する。端末Bは推定伝播ベクトルに基づき、情報信号の送信に利用する信号を推定し(S103)、利用する送信信号を制御情報によって端末Aに通知する(S104)。制御情報を受けた端末Aは、利用する送信信号から利用アンテナを選択して端末Bへ情報信号を送信する(S105)。
このような手順に基づいて制御を行うことにより、伝播環境に応じて送信アンテナを選択でき、効率的な信号伝送を行うことが可能となる。本実施の形態はいかなる送受信アンテナ数に対しても適用可能であるが、特に送信アンテナ数Nが受信アンテナ数Mより多い場合には、送信に用いる送信アンテナ数を減らすことで、端末Bでの信号の分離受信を円滑に行うことが可能となる。
図1は本制御における送受信機の構成を示している。図中、端末A1は信号送信部6、制御情報受信部7、送信信号決定部8を備える。一方端末B2はパイロット信号検出部9、送信信号判定部10、制御情報伝送部11、情報信号受信部12を備える。
また、3は端末A1側のN本のアンテナ、4は端末B2側のM本のアンテナ、5は伝播特性を行列 H=[hmn]とする送受信間の伝播路である。
図1、図2に基づき本実施の形態の動作につき更に詳しく述べる。端末Aは情報信号を送信する前に、各アンテナからパイロット信号を送信する(S101)。端末Bのパイロット信号検出部9では、端末Aからのパイロット信号を検出し、各信号の伝播ベクトルを推定する(S102)。具体的な伝播ベクトルの推定方法にはさまざまな方法があるが、その具体例は後述する。送信信号判定部10では、推定伝播ベクトルに基づき、情報信号の送信に利用する信号を選定する。本実施の形態では情報伝送に用いる信号の組み合わせを選定する(S103)。制御情報伝送部11では、選定された情報の組み合わせを制御情報により端末Ajへ通知する(S104)。図3は端末Bから端末Aへの制御情報の送信を示している。端末Aは制御情報受信部7において端末Bから制御情報を受信し、送信信号決定部8ではその制御情報に基づき情報信号の選定を行う。その後、図4に示すように、端末Aは選定した情報信号から利用するアンテナを選定し、選定されたアンテナから信号を送信し(S105)、端末Bは情報信号受信部12において、情報信号を抽出する。
図5は本制御の送信信号として用いる(a)パイロット信号、(b)制御情報(制御信号)のフォーマットの一例である。端末Aは各アンテナからそれぞれ個別の異なるパイロット信号sn(p)を送信する。また、端末Bから端末Aへの制御情報では、アンテナ番号に対して送信を行う(「1」)、行わない(「0」)を通知する。なお、信号フォーマットにはさまざまな形式が考えられ、本フォーマットはその一例にすぎない。伝播ベクトル推定に用いることのできるパイロット信号、制御情報を通知できる制御信号であれば。いかなる信号フォーマットであっても構わない。
図6に、端末Bのパイロット信号検出部9において伝播ベクトル推定を行う構成を示す。伝播ベクトル推定は、受信したパイロット信号とパイロット信号検出部9に予め保存されている既知パイロット信号sn(p)との相関をアンテナ毎に求めることで得ることができる。
すなわち受信ベクトル x(p)=[x1(p),・・・,xM(p)]Tに対して、次式により伝播ベクトル hn=[h11, h21,・・・,hM1)]Tを推定できる。
hn= Σn=1 N x(p) sn(p)*
ここで*は複素共役である。通常、この操作は整合フィルタ(MF:Matched Filter)を用いて実現される。図6では伝播ベクトル推定を行う一例を示したが、これ以外にも受信信号からパイロット信号に関する伝送関連情報である伝搬情報を検出するものであれば、いかなる構成でも構わない。また伝播ベクトル以外であってもパイロット信号に関する有効な伝播情報であればいかなるパラメータでも構わない。
パイロット信号検出部9で伝播情報(伝播ベクトルの推定)が算出されると、送信信号判定部10ではその情報を用いて送信信号の選定を行う。送信信号の選定法としてはさまざまな方法が考えられる。以降、実施の形態2〜5では、この送信信号の選定方法に関していくつかの実施の形態を示す。ただし、この発明は実施の形態2〜5で述べる選定法の例に限られるものではなく、伝播関連情報である伝播情報を用いて情報信号の送信を制御し、伝送の効率化を行ういかなる選定法であってもよい。
実施の形態2.
本実施の形態は、複数の信号を空間多重(SDM)伝送するMIMOシステムにおける効率的な伝送制御法及び通信方式に関するものである。特に、実施の形態1における端末Bでの送信信号選定方法に関する具体的な一つの方法を示す。
図7は本実施の形態における送信信号判定部10を示しており、図8は送信信号判定部10における制御手順を示すフローチャートである。以下図7、図8を用いて本実施の形態における送信信号選定方法について説明する。
図7に示すように、送信信号判定部10は、複数の信号の中からなるべく電力の大きい信号をR個選定する。具体的には、端末Bの送信信号判定部10はパイロット信号検出部9からの伝播ベクトルhnを受け取ると、ノルム||hn||の大きい順にR個の信号を選択する(S201)。次に、選定した信号の番号nを制御情報伝送部11に通知する(S202)。
この選定によって伝播環境のよいチャネルを選んで利用できる。また、選定する信号数Rを受信アンテナ数Mよりも小さくすることにより、端末Bでは各信号を分離受信することも可能となる。
従って、本実施の形態に従えば、伝播環境のよい信号を選定して信号伝送を行うことができる。また、受信機での各信号の分離受信も円滑に行える。
実施の形態3.
本実施の形態は、複数の信号を空間多重(SDM)伝送するMIMOシステムにおける効率的な伝送制御法及び通信方式に関するものである。特に実施の形態1における端末Bでの送信信号選定方法に関する方法であり、実施の形態2とは異なる一つの方法を示す。
図9は本実施の形態における送信信号判定部10を示しており、図10は送信信号判定部10における制御手順を示すフローチャートである。以下図9、図10を用いて本実施の形態の送信信号判定方法について説明する。
図9に示すように、送信信号判定部10は、複数の送信信号の中から相互の空間相関がなるべく小さくなるようR個の信号を選定する。ここで、空間相関とは
|hn1 Hn2| / (|| hn1|| ||hn2 ||) もしくは |hn1 Hn2|
で定義されるパラメータであり、このパラメータが小さいほど、信号n1,n2は空間的に直交関係に近い状態といえる。相互の信号が直交関係に近いほど、端末Bでは2つの信号の分離は容易となる。従って、この選定によって相互に信号を抑圧しやすい環境で信号伝送を行うことができる。その結果、端末Bでは各信号の分離が容易となる。
具体的な制御手順として、端末Bのパイロット信号検出部9で伝播ベクトルhnが推定されると、まず送信信号判定部10はノルム ||hn|| が最大となる信号を選定する(S301)。次に、選定した信号nを変数n1のグループに加える(S302)。なお、初期状態ではn1のグループは要素を持たない。変数n1の要素がR個より少ない場合(S303)には、グループn1に属する信号と信号nとの空間相関の和
Σn1|hn Hn1| / (|| hn|| ||hn1| )
が最小となる信号nを変数n1のグループ以外から新たに選定し(S305)、グループn1に要素として加える(S302)。また、ステップS302終了時にn1の要素がR個以上の場合(S303)には、グループn1として選定した番号を制御情報伝送部11に通知して(S304)、処理を終了する。
このような一連の処理によって、相互に空間相関の小さい信号の組み合わせを選定でき、端末Bでは各信号の分離受信が円滑に行える。その結果、高効率信号伝送が可能となる。また、送信アンテナ数Nが受信アンテナ数Mよりも多い場合にも、選定する信号数Rを受信アンテナ数Mよりも小さくすることにより、端末Bでは各信号を分離受信することも可能となる。
実施の形態4.
本実施の形態は、複数の信号を空間多重(SDM)に伝送するMIMOシステムにおける効率的な伝送制御法及び通信方式に関するものである。特に、実施の形態1における端末Bでの送信信号選定方法に関する方法であり、実施の形態2、3とは異なる方法の一つを示す。
図11は本実施の形態における送信信号判定部10の構成を示しており、図12は送信信号判定部10における制御手順を示すフローチャートである。図13は本実施の形態で用いるSINR予測法の一例であり、図14は送信信号判定部10において評価値を決定するためのSINRと評価値の対応表である。図15はさまざまな信号の組み合わせに対して評価値を算出した結果を示している。以下図11〜15を用いて本実施の形態の送信信号判定方法について説明する。
図11に示すように、送信信号判定部10は、信号候補選定部31、出力信号対干渉雑音電力比(SINR:Signal to interference-plus-noise)算出部(以下出力SINR算出部と言う)32、伝送評価部33、利用信号決定部34から構成される。
送信信号判定部10では、まず信号候補選定部31が送信信号の組み合わせの候補を選定する(S401)。出力SINR算出部32ではその送信信号の組み合わせを送信した場合に得られる端末Bまでの出力SINRを予測する(S402)。具体的な予測方法の一例については後述する。伝送評価部33では、予測されたSINRの結果から、送信信号の組み合わせ候補に対する評価値を決定する(S403)。この評価は、送信信号のさまざまな組み合わせの候補全てに対して行われ(S404)、最終的に評価値の最も高かった送信信号の組み合わせを利用信号決定部34で選定し、制御情報伝送部11に通知する(S405).
図13は出力SINR算出部32においてステップS402で行う各信号の出力SINRの予測方法を示している。
予測SINRの算出にあたっては、推定伝播ベクトルhnを用いてまず受信ウエイトvnの計算が行われる。
例えばZF基準及びMMSE合成基準の場合、受信ウエイトvnは次式で与えられる。
n = (Σn0n0n0 H )-1n0 (ZF基準の場合)
n = (Σn0n0n0 H +PN I )-1n0 (MMSE合成基準の場合)
演算された受信ウエイトに対して、希望信号及び干渉雑音成分の電力を計算することにより、出力SINRを次の(式2)で求めることができる。
Γn = |hn H Vn(p)|2 / {Vn Hn0n0n0 H +PN I)vn −|hn H Vn(p)|2 } (式2)
ここで、PNは雑音電力であり、あらかじめ推定された値である。
なお、受信ウエイトvnはZF基準、MMSE合成基準以外のウエイト演算でも構わない。いかなるウエイトvnに対しても(式2)のSINR予測式を適用できる。
このように出力SINRが求められると、伝送評価部33ではSINRに基づいて伝送評価値を決定する。ここでは、具体的な一例として、SINRに応じて評価値を0と1にする方法を説明する。ただし、本実施の形態はSINRに基づく伝送評価法に限定されるものではなく、さまざまな評価基準に基づき信号の組み合わせを選定することができる、
また、この発明は、信号の組み合わせ候補を想定して伝送評価を行い、その結果を用いて伝送制御を行ういかなるMIMOシステムにも適用できる。
伝送評価部33は、図14に示すようなSINRに対して評価値を決定するテーブルを有している。ここでは、SINRが4dB以上の場合に評価値を1とし、それ以外は0としている。この評価を各信号の出力SINRに対しそれぞれ実行する。
図15はこの評価をさまざまな信号の組み合わせ51に対して行った結果を示している。本実施の形態では3個のアンテナにより送信を行う種々の組み合わせを信号の組み合わせとしている。ここでは、SINR予測52、各信号の評価値の算出53、総合評価値の算出54を行った結果をまとめている。このように、各信号の組み合わせに対して総合評価値54を算出し、利用信号決定部34において総合評価値54が最大となる信号の組み合わせ55を選定する。
図15の例ではアンテナ1,2を用い、アンテナ3を用いない場合に、評価値は最大となっており、この組み合わせ55が選定される。なお、最大評価値を達成する組み合わせが複数存在する場合には、そのうち任意の1つを選択する。選定された信号の組み合わせは、制御情報伝送部11を通して、端末Aに通知される。
このような制御方法に基づくと、さまざまな送信環境から伝送効率を評価し、その中で最も優れた伝送効率を有する信号の組み合わせを選定できる。その結果、伝送制御を行わない従来のMIMOシステムと比較して、伝送効率の高い通信システムが構築できる。
本実施の形態はいかなる送受信アンテナ数に対しても伝送効率の向上に利用することができる。特に、送信アンテナ数が受信アンテナ数よりも多い場合には、端末Bで信号分離が可能な状態を達成しつつ伝送速度の改善を同時に行えるため、適用効果は大きい。
実施の形態5.
本実施の形態は、複数の信号を空間多重(SDM)伝送するMIMOシステムにおける効率的な伝送制御法及び通信方式に関するものである。本実施の形態は実施の形態1と同様な送受信機の構成を有するが、端末Bから端末Aへ通知する制御情報が異なり、本実施の形態では伝送関連情報として、各信号の伝送フォーマットを通知する。
図16は本実施の形態における送信信号判定部10での制御手順のフローチャートを示している。図17は送信信号判定部10において評価値を決定するための出力SINRと評価値の対応表である。図18はさまざまな信号の組み合わせに対して評価値を算出した結果を示している。図19は端末Bから端末Aに伝送される制御情報のフレームフォーマットの一例である。以下図16〜19を用いて、本実施の形態の説明を行う。
本実施の形態の送信信号判定部10は実施の形態4と同様に図11の構成を有しており、信号候補選定部31、出力SINR算出部32、伝送評価部33、利用信号決定部34から構成される。制御手順として、まず信号候補選定部31が送信信号の組み合わせの候補を選定し(S501)、出力SINR算出部32ではその組み合わせに対する信号の出力SINRを予測する(S502)。伝送評価部33では、その出力SINRの結果に基づき評価値を決定する(S503)。この評価値は、信号のさまざまな組み合わせの候補全てに対して算出され(S504)、最終的に評価値の最も高かった送信信号の組み合わせを利用信号決定部34で選定する。この際、利用信号決定部34はその信号の組み合わせを送信するのに適した伝送フォーマットを決定し、その伝送フォーマットを制御情報伝送部11に通知する(S505)。
図17は出力SINR予測値に対して評価値を決定するためのテーブルである。本テーブルは、出力SINR予測値に対しても所定の通信品質を実現する伝送フォーマット及び伝送速度を示す。ここで、所定の通信品質とは、ビット誤り率(BER:Bit Error Rate)またはパケット誤り率(PER:Packet Error Rate)などに関する要求基準である。すなわち、要求基準のBERあるいはPERを満たす範囲でなるべく伝送速度が高くなるように、符号化方法(符号化率、拘束長など)、変調方式などのフォーマットを設定する。
図17ではあるSINR62のもとで用いるべき符号化率64、変調方式63などが記載されている。一般に、SINRが向上するほど、ビット誤りに強くなるので、符号化率を大きく設定できる。また、多値変調を用いることもできる。その結果、伝送速度65はSINRの向上とともに大きくなる。
本テーブルを用いると、あるSINRのもとで所定の要求品質を達成するための伝送フォーマットとその伝送速度を決定できる。また、伝送速度を評価値として扱えば、さまざまな信号の組み合わせに対して、評価値を算出することもできる。
図18はさまざまな信号の組み合わせの候補71に対して各信号の評価値73として伝送速度を用い、その評価値の合計74を算出した結果である。利用信号決定部34では、図18の中で評価値74が最大となる信号の組み合わせを選定する。本実施の形態では評価値合計が10.5になる信号の組み合わせ(1,1,0)が選定される。
評価値が最大となる組み合わせを選定することで、MIMOシステムにおいて要求品質基準を満たしつつ伝送速度の向上を行える。
このように信号の組み合わせが選定されると、その伝送フォーマットが図17を参照して決定され、制御情報伝送部11を通して端末Aに通知される。図19はその制御情報(制御信号)81の構成を示す一例であり、各信号毎に伝送フォーマットが指定されている。本図において「0」は送信信号として用いないことを示す。また、「8」、「15」、「6」は送信信号として用いる際の伝送フォーマットの番号を示し、これは図17に示すように本実施の形態では「1」〜「31」が選定される。
以上のように、端末Bは伝送関連情報として送信信号の組み合わせを用い、この送信信号の組み合わせに対応する伝送フォーマットを選定し、端末Aに通知する。通知を受けた端末Aは通知された伝送フォーマットに従い、情報信号の伝送を行う。
本手法に従うと、従来の伝送制御を行わないMIMOシステム及び前述の実施の形態1〜4と比較して、要求通信品質を満たしつつより伝送速度の高い通信を実現できる。このように、伝送フォーマットに自由度を加えることによりより綿密なシステム設計が可能となり、伝送速度を向上できる。
なお、以上の説明では伝送速度を評価値として用いたが、伝送速度以外のパラメータを評価値としても構わない。
実施の形態6.
本実施の形態は、複数の信号を空間多重(SDM)伝送するMIMOシステムにおける効率的な伝送制御法及び通信方式に関するものである。特に、マルチキャリア伝送を行うSDM伝送について示したものである。
図20は一般的なマルチキャリア伝送を説明するための基本構成図である。図21はマルチキャリア伝送にMIMOシステムを適用する場合の送受信の構成図である。以下、図20、21を用いて、本実施の形態の説明を行う。
最近無線通信では、より高速伝送、高速移動の可能なシステムへの要求が高く、広帯域な無線伝送を行う必要が生じている。広帯域信号の伝送に関しては、複数のキャリアを同時に用いて信号の並列伝送を行うマルチキャリア方式が特に注目を集めている。マルチキャリア伝送方式では、低速なデータを周波数上で並列に配置し、異なるキャリアを用いて同時に送信する。信号の並列伝送を行うことによって伝送速度の向上を図っている。
図20にマルチキャリア通信システムの基本構成図を示す。図に示すように、信号送信部91では複数の信号を異なる複数の周波数に多重(93〜96)し、信号伝送する。また、受信側の信号受信部92では異なる複数の周波数に多重(93〜96)した信号を分離し、各キャリアの受信信号とする。本図に示すように、マルチキャリア信号送信部91で多重された信号は複数の周波数に多重(93〜96)されて伝送される。この際、各キャリアで伝送される信号は独立に扱うことができる。すなわち、シングルキャリア伝送の場合と同じく、各キャリア毎に個別に信号処理を行うことができる。従って、実施の形態1〜5ではシングルキャリア伝送の場合を対象に説明したが、同様のアクセス制御法はマルチキャリア伝送方式でも適用できる。
図21にマルチキャリア伝送システムにこの発明のMIMOシステムを適用した信号処理の構成を示す。本図に示すように各キャリア毎に実施の形態1〜5に示すMIMOシステムを達成することにより、マルチキャリア伝送方式に対してもこの発明のMIMOシステムを適用することができる。
実施の形態7.
本実施の形態は、特にマルチキャリア伝送を行うSDM伝送について、実施の形態6とは異なる伝送制御法及び通信方式を示したものである。
実施の形態6で示したように各サブキャリアに対し独立して制御伝送を行うことで、シングルキャリアの場合と同様の制御を行うことができる。しかし、全てのサブキャリアに対して独立制御を行うと、制御量が大きくなるという問題がある。そこで、本実施の形態では、制御量を低減しつつ、MIMOシステムにおける効率的な信号伝送を可能とする方法について述べる。
図22は送信信号判定部10の構成図であり、図23は送信信号判定部10で行われる制御を示すフローチャートである。図24は送信信号判定部10で用いられる平均SINR算出法を示している。以下、図22〜24を用いて、本実施の形態の説明を行う。
実施の形態6では、サブキャリア毎に評価及び選定を行ったが,本実施の形態では全サブキャリアに対して1つの伝送評価及び信号の選定を行う。すなわち、全サブキャリアに対する評価値を設定し、その評価値に従って全サブキャリアの送信信号の選定を行う。評価値としては、平均信号電力、平均空間相関、平均SINRなどさまざまなパラメータを用いることができる。ここではその一つとして平均SINRを用いる場合について説明を進める。
図22は全サブキャリアに対して1つの伝送評価及び信号選定を行う場合の送信信号判定部10の構成である。本手法では、まず信号候補選定部31が送信信号の組み合わせの候補を選定し(S601)、平均出力SINR算出部35では平均出力SINRを予測する(S602)。平均出力SINRの予測算出方法については後述する。伝送評価部33では、平均出力SINRの予測結果から、送信信号の組み合わせの候補に対する評価値を決定する(S603)。この評価は、送信信号のさまざまな組み合わせ候補全てに対して行われ(S604)、最終的に評価値の最も高かった送信信号の組み合わせを利用信号決定部34で選定し、制御情報伝送部11に通知する(S605)。
本手法は出力SINRの代わりに平均出力SINRを用いる以外は実施の形態4と同様の構成である。また、実施の形態2,3,5に関しても平均信号電力、平均空間相関、平均SINRを用いることにより、マルチキャリア伝送時の本実施の形態の制御法に拡張できる。
図24は平均SINRの算出法を示している。ここでは、信号の候補に対して、実施の形態4と同時に各サブキャリアのSINRΓn,1 を(n:送信アンテナ番号,l:サブキャリア番号)算出する。その後、サブキャリア間でSINRを平均化することにより、全サブキャリアに対する平均SINRΓn を次式で計算する。
Γn = E1n,1]
ここで、E1[・] はlに関する平均を行うことを示す。
マルチキャリア伝送では通常複数サブキャリアにまたがって符号化・復号を行う場合が多い。この場合、マルチキャリア受信特性は平均SINRに大きく依存し、平均SINRによって伝送特性をほぼ把握できる。従って、マルチキャリア伝送では全サブキャリアに対する平均化パラメータを用いることにより、少ない制御量で効率的な信号選定を行うことができる。
本実施の形態では平均SINRを用いて利用する信号の組み合わせを選定し、その組み合わせを制御信号によって端末Aに通知する。この際、制御情報は全サブキャリアに対して共通であり、サブキャリア毎に制御方法を必要とする実施の形態6よりも制御量を大幅に軽減できる。
実施の形態8.
本実施の形態は、SDM伝送において実施の形態1〜7とは異なる端末Aでの信号送信法を示したものである。
実施の形態1〜7のSDM伝送では、端末Aは各アンテナからパイロット信号及び情報信号を送信していた。しかし、必ずしも各アンテナから個別に信号を送信する構成でなくても構わない。本実施の形態では、端末Aが送信ビームを用いてパイロット信号及び情報信号の伝送を行う場合について述べる。
図25は本実施の形態における送受信機の構成図であり、111〜113は送信ウエイト乗算器。117〜119は送信ビーム形成である。図26は本実施の形態における制御手順を示すフローチャートである。以下、図25,26を用いて本実施の形態の説明を行う。
本実施の形態では、端末Aは送信信号sn(p)に対してウエイトwn=[wn1,wn2,・・・,wnN]Tを乗じて各アンテナ3の信号とする。複数の送信信号がある場合には、それぞれ異なるウエイトwnを乗じて個別に各アンテナ3の信号を生成し、複数の信号を同時に送信する。この場合、端末Aの送信信号は指向性を有し送信ビーム117〜119が形成される。このように、端末Aは信号を各アンテナ3からでなく、各送信ビーム17〜119から送信することもできる。
送信ビーム形成を用いるMIMOシステムの伝送制御の手順について図26を参照して以下で説明する。端末Aはまず、各送信ビームからパイロット信号を送信する(S701)。端末Bはパイロット信号を受信すると、各信号の伝播ベクトルを推定する(S702)。また、端末Bは推定伝播ベクトルに基づき、利用する送信ビームを決定し(S703)、利用する送信ビームを制御情報によって端末Aに通知する(S704)。制御情報を受けた端末Aは、利用する送信ビームを選択して端末Bへ情報信号を送信する(S705)。
このように端末Aが送信ビームを用いて信号送信する場合にも、端末A,B間での伝送制御により、効率的なSDM伝送が可能となる。同様に、実施の形態1〜7の手法全てが送信ビームを用いる場合に拡張できる。
なお、送信ビームの数は送信アンテナの数と同一である必要はない。送信ビーム数はウエイト乗算器の数え決定され、送信アンテナ数より多くすることも少なくすることもできる。例えば、2アンテナを有する端末Aが、4つの送信ビームを用いて4つの信号を送信することも可能である。
実施の形態9.
本実施の形態は、SDM伝送において実施の形態1及び8の伝送制御方法の適用範囲をさらに拡張するものである。
実施の形態1及び8では、それぞれ
(1)端末Aが各アンテナから信号を伝送すること
(2)端末Aが各送信ビームから信号を伝送すること
を前提として伝送制御法を述べた。しかし、実際には、端末Bは(1)または(2)の状態のいずれであるかを認識しなくても、伝送制御を行うことができる。
図27は本伝送制御法の概念を示しており、図28は本実施の形態のフローチャートの一例を示している。端末Aは(1)または(2)のいずれかの状態でパイロット信号を送信する(S801)。このとき、端末Bは(1)または(2)のいずれかを認識しなくてもパイロット信号に対する伝播ベクトルを推定できる(S802)。また、信号電力、空間相関、出力SINRのいずれもパイロット信号の系列のみを知れば、端末Bは推定できる。さらに、その結果に基づいてパイロット信号に対応する適切な信号の選定を行うこともできる(S803)。また、端末Bは、利用するパイロット信号の番号を端末Aへ通知する(S804)ことにより、利用する信号を通知することもできる。制御情報を受けた端末Aは、情報信号をアンテナまたは送信ビームから端末Bへ送信する(S805)。
従って、端末Bはパイロット信号の系列のみを知れば、端末Aが(1)または(2)のいずれの状態であるかを認識しなくとも、全ての伝送制御を円滑に行うことができる。その結果、端末Aは端末Bとは無関係に、任意の送信ビーム等を用いても伝送制御において問題とならない。
以上の結果から、パイロット信号の系列のみを規格として予め送受信機間で決め、送信ビームの利用は各端末の自由な判断に委ねることができる。その結果、ビームの有無に関する認知及び通知を端末間行う必要はなく、端末Aは少ない制御量で送信ビーム形成を利用することができる。
実施の形態10.
本実施の形態は、複数の信号を空間多重(SDM)伝送するMIMOシステムにおける効率的な信号伝送法及び通信方式に関するものである。
本実施の形態は、端末Bから端末Aに送信する制御情報が実施の形態5と異なり、特に、端末Bが各信号の送信電力を決定し、伝送フォーマットに加えて送信電力をも端末Aに通知することを特徴とする。
図30は送信信号判定部10で用いる本実施の形態のフローチャートの一例を示している。図29は送信信号判定部10においてさまざまな信号の組み合わせに対して評価値を算出した結果を示している。図31は端末Bから端末Aに伝送される制御情報(制御信号)82のフレームフォーマットの一例である。以下図29〜31を用いて、本実施の形態の説明を行う。
本実施の形態の送信信号判定部10は図11と同様の構成を有しており、信号候補選定部31、SINR算出部32、伝送評価部33、利用信号決定部34から構成される。しかし、前述の実施の形態5とは伝送フォーマットに加えて送信電力も端末Bから端末Aに伝送される点が異なる。
制御手順として、まず信号候補選定部31が各信号の送信電力の組み合わせ75を選定し(S901)、出力SINR算出部32では端末Bでの出力SINR72を予測する(S902)。伝送評価部33では、各出力SINR72の予測結果から、送信信号の各候補に対する評価値73を算出し、送信信号の各候補に対する評価値73を合計して伝送評価値74を決定する(S903)。この評価は、信号の送信電力のさまざまな組み合わせ全てに対して行われ(S904)、最終的に評価値の最も高かった送信電力の組み合わせを利用信号決定部34で選定し、制御情報伝送部11に通知する(S905)。
図29はさまざまな信号電力の組み合わせ75に対して出力SINR72を予測し、評価値を算出した結果である。ここでは、パイロット信号の電力に対して情報信号の電力を変更したと想定し、出力SINR72を予測する。このSINR予測は(式2)と同様の演算法を用いて行うことができる。また、予測したSINRを用いて評価値を決定する。このように、さまざまな電力の組み合わせに対して評価値を算出し、最も評価値の高い組み合わせを選定することにより、送信電力の最適化を行うことができる。ただし、電力の、組み合わせを作成するに当たって、送信信号の総電力が所定の範囲内に収まるように電力の組み合わせを作成するものとする。
このように各信号の電力の大きさの組み合わせが選定されると、その組み合わせ伝送フォーマットが図17を参照して決定され送信電力と共に制御情報伝送部11を通して、端末Aに通知される。図31はその制御信号の構成を示す一例であり、各信号に対応した送信電力が現在のパイロット信号との比とし左欄に記述され、右欄の数字は伝送フォ-マットの番号を示している。まお、本制御信号の電力項において、送信信号に用いる際の送信電力規模として「0」〜「3」を規定し、伝送フォ-マットの番号「0」は送信信号として用いないことを示し、送信信号として用いる番号は、実施の形態5と同様に「1」〜「3」が選定される。
以上のように、端末Bは送信電力の組み合わせを選定し、端末Aに通知する。通知を受けた端末Aは通知された送信電力と伝送フォーマットに従い、情報信号の伝送を行う。
実施の形態1〜9では信号の送信電力の変更は考慮しなかったが、本実施の形態では各送信信号の電力の最適化を行うことができる。その結果、送信電力も考慮した上で、より効率的にMIMOシステムで信号伝送を行うことができる。
なお、本実施の形態では実施の形態5に対して電力の組み合わせを適用した場合を述べたが、同様に実施の形態1〜9に対しても同様の手法を適用できる。すなわち、本実施の形態で述べたSINRを用いる電力選定法は、この発明の一つの具体例にすぎず、端末Bが伝播情報をもとに電力を決定し、伝送制御を行うさまざまなMIMOシステムの構成が可能である。
実施の形態11.
本実施の形態は、MIMOシステムとCDMAシステムを組み合わせて用いる場合について示したものである。
DS−CDMA方式及びマルチキャリアCDMA方式とMIMOシステムを組み合わせて用いる場合には、符号拡散されたパイロット信号を端末Bで逆拡散した後に、実施の形態1〜10と同様の手法を適用できる。従って、実施の形態1〜10の伝送制御法はDS−CDMA方式、マルチキャリアCDMA方式などのCDMA方式と組み合わせて用いることもできる。
この発明の無線通信方法および無線通信システムは、一の情報信号に関し複数のアンテナに対応する第1のウエイト、および、他の情報信号に関する複数のアンテナに対応する第2のウエイトを上記通信相手側システムに通知し、第1のウエイトを一の情報信号に乗じた第1の演算結果とし、第2のウエイトを他の情報信号に乗じた第2の演算結果とから、複数のアンテナそれぞれに対応する複数の出力信号を生成して通信相手側システムに送信するので、通信相手側システムでは信号の分離を円滑に行うことができ、伝送効率を向上を図る無線通信装置に適用できる。
1,2;端末、3、4;アンテナ、5;伝播路、6;信号送信部、7;御情報受信部、8;送信信号決定部、端末B2、9;パイロット信号検出部、10;送信信号判定部、11;制御情報伝送部、12;制御情報受信部、31;信号候補選定部、32;出力SINR算出部、33;伝送評価部、34;利用信号決定部、35;平均出力SINR算出部、91、101、102、103;マルチキャリア信号送信部、92、104、105、106;マルチキャリア信号受信部、113;送信ウエイト乗算部、114、115、116、131、132、133;受信ウエイト乗算部。

Claims (4)

  1. 複数の情報信号から出力信号を生成し、この出力信号を複数のアンテナから通信相手側システムに対して送信する無線通信システムにおける無線通信方法であり、
    一の情報信号に関する上記複数のアンテナに対応する第1のウエイト、および、他の情報信号に関する上記複数のアンテナに対応する第2のウエイトを上記通信相手側システムに通知するウエイト通知ステップと、
    上記第1のウエイトを上記一の情報信号に乗じて第1の演算結果を生成し、上記第2のウエイトを上記他の情報信号に乗じて第2の演算結果を生成する演算ステップと、
    上記第1の演算結果と上記第2の演算結果とから、上記複数のアンテナそれぞれに対応する複数の出力信号を生成し、上記通信相手側システムに送信する送信ステップ
    を備えることを特徴とする無線通信方法。
  2. 上記送信ステップにおいて、
    上記第1の演算結果および第2の演算結果に対して異なる変調方式または符号化方式を適用して上記複数の出力信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信方法。
  3. 複数の情報信号から出力信号を生成し、この出力信号を複数のアンテナから通信相手側システムに対して送信する無線通信システムであり、
    一の情報信号に関する上記複数のアンテナに対応する第1のウエイト、および、他の情報信号に関する上記複数のアンテナに対応する第2のウエイトを上記通信相手側システムに通知するウエイト通知手段と、
    上記第1のウエイトを上記一の情報信号に乗じて第1の演算結果を生成し、上記第2のウエイトを上記他の情報信号に乗じて第2の演算結果を生成する演算手段と、
    上記第1の演算結果と上記第2の演算結果とから、上記複数のアンテナそれぞれに対応する複数の出力信号を生成し、上記通信相手側システムに送信する送信手段
    を備えることを特徴とする無線通信システム。
  4. 上記送信手段は、
    上記第1の演算結果および第2の演算結果に対して異なる変調方式または符号化方式を適用して上記複数の出力信号を生成する
    ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。
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