JP2009135760A - 低放射ノイズ電子機器、プラグまたはアダプタ付伝送線路接続ケーブル、および電子機器の放射ノイズ除去方法 - Google Patents

低放射ノイズ電子機器、プラグまたはアダプタ付伝送線路接続ケーブル、および電子機器の放射ノイズ除去方法 Download PDF

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Abstract


【課題】
電子機器から放射するノイズを実質的に低減させ、クロック周波数拡散によるノイズ測定値の低減に頼らなくても良い、真の電磁環境のクリーン化をコモンモードチョークコイルを用いて実現する。
【解決手段】
本発明では、信号発生部を有する電子機器本体をシールドケースでシールドし、シールドケースを通過して信号を外部に取り出すポート、信号発生部とポートをつなぐ伝送線路に接続される放射ノイズ防止用のコモンモードチョークコイルを有する構成とし、コモンモードチョークコイルは、各ポートのシールド面の内側あるいは外側に、シールド面から信号周波数の波長の1/4未満の位置にある基板あるいはコネクタ内に配置し、前記コモンモードチョークコイルのコモンモードインピーダンスを377Ωと同等かそれ以上に設定して放射ノイズを低減させることにより、ノイズ低減電子機器を実現する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、低放射ノイズの電子機器、プラグまたはアダプタ付伝送線路接続ケーブル、
および電子機器の放射ノイズ除去方法に関する。
電子機器の放射ノイズは、自機への影響だけでなく、周辺にある他の機器にも影響を与えるため、放射ノイズ対策は電子デジタル化時代にあっては極めて重要な技術である。導体を流れる電流が変化すると導体から誘導される電界や磁界が変化し、その変化のエネルギーが空中に放射され、導体から離れた領域では電磁放射となる。従って、伝送線路はアンテナの性質を持つため、電子機器からの放射ノイズ対策は難しい課題となっている。
電子機器内でデジタル信号やインバータ信号などのディファレンシャル信号が周囲のインピーダンスの組み合わせによりコモンモードに変わり、コモンモード電圧が放射ノイズ源として働く。放射ノイズは、ノイズを放射するアンテナになる導体のインピーダンスが大きく変わるところで反射が起こり、進行波と反射波が重なり、定在波が立ち,その腹の周波数付近でアンテナ効率がよくなり,強力なノイズが放射される。
伝送線路の特性インピーダンスに比べ、より低いインピーダンスで伝送線路が終端された場合に,伝送線路に導体長さが1/4波長の偶数倍となる周波数付近で定在波の腹が発生し、ノイズが放射される。また、伝送線路が開放状態のように、伝送線路の特性インピーダンスに比べ高いインピーダンスで終端されている状態の場合には,導体の長さが1/4波長の奇数倍となる周波数付近に定在波の腹が発生し、放射ノイズが大きくなる。
こうした放射ノイズの特性をとらえ、デジタル電子機器の放射ノイズ低減策としていろいろな対策が取られており、ローパス型EMIフィルタ、フェライトリングコア、コモンモードチョークコイルが用いられている。しかし、それぞれ一長一短があり、放射ノイズが除去できても、信号の質が低下することも多く、信号の質が低下させないで放射ノイズを完全に削減することが課題になっている。
ローパス型EMIフィルタはノイズ除去能力と信号を維持する特性が裏腹の関係にあり、多くの場合、信号の質を維持するために十分に放射ノイズを除去することが出来ないケースが多い。
また、フェライトリングコアによる放射ノイズの対策では、十分なコモンモードのインピーダンスが得にくく、放射ノイズを満足のできるレベルまで低減させることが難しい。
一方、放射ノイズの低減にローパス型EMIフィルタを使う場合、グランドの取り方など特有な条件が付随する。グランドの取り方で効果が大きく変わることもあり、また、対策部品の定数が信号の質の劣化にも関係するため、経験をつんだ少数の技術者の試行錯誤に頼っている。経験のある技術者でも失敗する確率が高く、ノイズ対策の経験の少ない技術者では対策効果が出しにくい状況にある。
コモンモードチョークコイルに関しては、USB(Universal Serial Bus)のポートに100Ω程度のコモンモードインピーダンスを持つコモンモードチョークコイルが使われている例があるが、これは差動伝送の位相差による乱れによって生じる放射ノイズ対策である。コモンモードチョークコイルによる伝送線路からの放射ノイズの抑制は、定数の決め方がはっきりせず、有効で一般的な手段になっていない(非特許文献1参照)。
坂本幸夫著、間所新一、後藤祥正コラム執筆、『対策部品で行うEMI対策』p186〜188およびコラムp191〜192、ミマツコーポレーション出版。
一方、コモンモードチョークコイルは、差動伝送路上に入り込んだコモンモードノイズを除去するためのコイルとして一般的によく知られており、100Ω程度のインピーダンスの物が使われている。このインピーダンス100Ω程度の値は、送受信装置の耐ノイズ向上のため、伝送線インピーダンスに合わせたものである。
このコモンモードチョークコイルを用いたノイズ除去例としては、信号送受信回路をつなぐ伝送線路の両端で、コモンモードの信号を遮断するコモンモードチョークコイルを伝送路に挿入したものがある。これは、それぞれのコモンモードチョークコイルの入力側にコモンモード信号を通過させるチョークコイルを接続して、各チョークコイルを終端抵抗で終端させてコモンモードノイズを除去する方法である(特許文献1参照)。
特開平8−115820号公報(図8) このようにデジタル電子機器のポートにおける一般的な放射ノイズ対策は難しいものとなっている。このため、近年、デジタル機器に於いては、クロック周波数を中心値に対して上下に少し拡散させ、ノイズの測定値を下げるという方法が使われ始めている。
クロック周波数を拡散することによりノイズの測定値を下げる方法は、ノイズ対策の経験がなくても見掛け上、数デシベル、ノイズレベルを下げることが出来るため、普及し始めている。
しかし この方法は帯域の広い信号が使われるデジタル通信などに対しては実質的なノイズの低減対策にはなっていない。このため、無線機器のエラーレートが増加し、通信可能距離が縮小したり、通信速度が遅くなったり、受信感度が大きく低下するなど、社会問題にもなり始めている。
本発明は、電子機器から放射するノイズを実質的に低減させ、デジタル電子機器に使われるクロック周波数拡散によるノイズの測定値の低減に頼らなくても良い、電磁環境のクリーン化を実現する。
また、本発明は、ノイズ対策の経験のない技術者にでも出来る、失敗の少ない放射ノイズの低減策を提供し、ノイズ対策の効率化を図ることを目的とする。
本発明の第一の発明にかかる低放射ノイズ電子機器は、放射ノイズを、ポート部の放射インピーダンスに着眼して解決したものである。
つまり、信号発生部を有する電子機器本体と、前記電子機器本体をシールドするシールド材と、電子機器本体からシールド面を通過して伝送線路を導出させるポートと、信号発生部とポートを結ぶ伝送線路に接続されたコモンモードチョークコイルとからなり、前記コモンモードチョークコイルは、シールドされた電子機器の各ポートのシールド面の内側あるいは外側に、シールド面から信号周波数の波長の1/4未満の位置にある基板あるいはコネクタ内に実装され、前記コモンモードチョークコイルのコモンモードインピーダンスが377Ωと同等かそれ以上であることを特徴とする。
かかる構成によって、電子機器内でデジタル信号やインバータ信号などのディファレンシャル信号が周囲のインピーダンスの組み合わせによりコモンモードに変わり、放射ノイズ源となるコモンモードの電磁波が発生しても、このコモンモードの電磁波ノイズ信号を減衰させ、結果として電磁波放射を減衰させて放射ノイズを除去する。
この第一の発明において、コモンモードチョークコイルのコモンモードインピーダンスを377Ωと同等かそれ以上とした根拠を以下に説明する、
つまり、電子機器において、伝送線路がアンテナとして働くため、伝送線路を導出するポートが放射ノイズ源となる。ポートには、高周波数領域になると有限値の放射インピーダンスが存在し、その最大値はアンテナのように先端がどこにも接続されていない導体の場合で、放射インピーダンス(自由空間の波動インピーダンス)Zは、遠方電磁界の高周波数領域では、
Z=(μ1/2 =120×π=377Ω
と表すことができ、ポート4,5の放射インピーダンスは最大値377Ωと見積もられる。
ただし、
μ:真空の透磁率=4π×10−7 (H/m)
ε:真空の誘電率=1/(36π×109)(F/m)
(非特許文献2参照)
木下敏雄著、『EMCの基礎と実践』p36〜38およびp64〜65、日刊工業新聞社発行。
第二の発明は、前記記載の電子機器において、複数の伝送線路の場合に前記コモンモードチョークコイルをコモンモードチョークコイルアレイとした電子機器の構成とする。
第三の発明は、シールド材でシールドされるデジタル電子機器の伝送線路導出用各ポートに接続するプラグやアダプタであって、各ポートに接続時に各ポートのシールド面から信号周波数の波長の1/4未満に位置するコモンモードチョークコイルが単一もしくは複数個プラグやアダプタ内の伝送線路に接続され、そのコモンモードインピーダンスが377Ωと同等かそれ以上とした、電子機器のポート部から信号を外部に取り出すためのプラグまたはアダプタ付伝送線路接続ケーブルの構成とする。
第四の発明は、信号発生部を有する電子機器から放射される放射ノイズを除去する方法であって、信号発生部を有する電子機器本体と、前記電子機器本体をシールドするシールド材と、電子機器本体からシールド面を通過して伝送線路を導出させるポートと、信号発生部とポートを結ぶ伝送線路に接続されたコモンモードチョークコイルとからなり、前記コモンモードチョークコイルを、シールドされた電子機器の各ポートのシールド面の内側あるいは外側で、シールド面から信号周波数の波長の1/4未満の位置にある基板あるいはコネクタ内に実装し、前記コモンモードチョークコイルのコモンモードインピーダンスを各ポート部に存在する放射インピーダンスの値と同等かそれ以上として、コモンモード電磁波信号を減衰させることにより放射ノイズを除去する構成とする。
かかる構成によって、電子機器内でデジタル信号やインバータ信号などのディファレンシャル信号が周囲のインピーダンスの組み合わせによりコモンモードに変わり、放射ノイズ源となるコモンモードの電磁波が発生しても、このコモンモードの電磁波ノイズ信号を減衰させ、結果として電磁波放射を減衰させて放射ノイズを除去する方法である。
第五の発明は、信号発生部を有する電子機器から放射される放射ノイズを除去する方法であって、信号発生部を有する電子機器本体と、前記電子機器本体をシールドするシールド材と、電子機器本体からシールド面を通過して伝送線路を導出させるポートと、信号発生部とポートを結ぶ伝送線路に接続されたコモンモードチョークコイルとからなり、前記コモンモードチョークコイルを、シールドされた電子機器の各ポートのシールド面の内側あるいは外側で、シールド面から信号周波数の波長の1/4未満の位置にある基板あるいはコネクタ内に実装し、前記コモンモードチョークコイルのコモンモードインピーダンスを377Ωと同等かそれ以上として、コモンモード電磁波信号を減衰させることにより放射ノイズを除去する構成とする。
かかる構成によって、電子機器内でデジタル信号やインバータ信号などのディファレンシャル信号が周囲のインピーダンスの組み合わせによりコモンモードに変わり、放射ノイズ源となるコモンモードの電磁波が発生しても、このコモンモードの電磁波ノイズ信号を減衰させ、結果として電磁波放射を減衰させて放射ノイズを除去する方法である。
本発明により、放射ノイズ源となるコモンモード電磁波ノイズ信号を減衰させることができ、信号の質を落とさずに、実質的な効果のある放射ノイズの低減策を施したデジタル電子機器が提供でき、電磁環境の向上に貢献できる。
また、ノイズ対策の経験のない技術者であっても、デジタル信号を使う電子機器等から放射されるノイズを簡単に再現性よく低減でき、無駄な試行錯誤を解消でき、本発明により設計効率の大幅な改善やノイズ対策の効率化がはかれる。
また、ポート部に高インピーダンスのコモンモードチョークコイルが実装されることから、放射ノイズの低減効果だけでなく、他の機器からの放射電磁波も受け難くなり、電子機器のノイズ耐力も向上する。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の実施例を特徴的に示す概要図である。
電子機器を示す図1に於いて、1は低放射ノイズ電子機器を示し、信号発生部4を有する電子機器本体は、シールドケース2でシールドされ、内部に放射ノイズ防止用のコモンモードチョークコイル3、信号をシールドケース2の外部に取り出すポート5,6をシールドケース面に備えた構成とする。コモンモードチョークコイル3は、信号発生部とポートを結ぶ伝送線路に接続される。ポートは出力信号線、端子等の導体を意味し、ノイズもこの導体から放出、導入される。ポート5,6につながる伝送線路は、コネクタ7やプラグ8を通してケーブルで外部機器9に接続される。外部接続装置には外部記憶装置、サーバー、プリンター、プロジェクター、外部表示装置、プリンター、コピー機、ファクシミリ、インバータシステムなど多くの機器がある。
次に、この実施例の回路構成が示す作用および効果について説明する。
ポート5,6には、高周波数領域になると有限値の放射インピーダンスが存在している。アンテナのように先端がどこにも接続されていない導体が有する放射インピーダンス(自由空間の波動インピーダンス)Zは遠方電磁界の高周波数領域では、
Z=(μ1/2 =120×π=377Ω
として算出でき、ポート5,6の放射インピーダンスは最大値377Ωと見積もられる。
ただし、
μ:真空の透磁率=4π×10−7 H/m
ε:真空の誘電率=1/(36π×109) F/m
この実施例では、この放射インピーダンスに注目し、ポート5,6の放射インピーダンスを377Ωに設定した本実施例の構成の測定等価回路が図2である。コモンモードチョークコイル3のインピーダンスZを変えてノイズ発生源となるコモンモードの電磁波信号の減衰量を評価した。
結果を図3に示す。コモンモード信号源とアンテナになる導体の間に挿入するコモンモードチョークコイル3のインピーダンス値Zを変えると、ノイズ発生源となるコモンモードの電磁波信号Vは図3に示すように減衰することがわかった。コモンモードインピーダンス値Zが小さい時の減衰量は小さく、変化も小さいが、ノイズが半減する減衰量6dBのカットオフポイントのコモンモードインピーダンス値Zは377Ωになり、この付近から大きな減衰が得られることが判る。従って、377Ωと同等かそれ以上のインピーダンス値を持つコモンモードチョークコイル3を装着すれば、大きく放射ノイズを減衰させることが可能となる。
現実の電子機器では、アンテナになる導体とグランド間に、空間の波動インピーダンスと並列に新たな浮遊容量によるインピーダンスが加わったりする。この放射インピーダンスは最大値である377Ω以下の値になることも考えられるが、最大値である377Ωのコモンモードチョークコイルを信号発生部とポートを結ぶ伝送線路に接続すれば、たとえアンテナになる導体とグランド間に、空間の波動インピーダンスと並列に新たなインピーダンスが加わり、ポートに存在する放射インピーダンスが小さくなっても、377Ωと同等かそれ以上のコモンモードチョークコイルの挿入で、コモンモードチョークコイルのインピーダンスをポートに存在する放射インピーダンスと同等かそれ以上にする条件が満足され、電子機器からの放射ノイズを汎用的に減衰させることができる。
そしてまた、コモンモードチョークは原則ディファレンシャルインピーダンスが無いので、必要以上に大きいコモンモードインピーダンスのコモンモードチョークが使われても有効信号に悪い影響を与えることもない。本発明は電子機器からの放射ノイズを汎用的に減衰させる簡単な方法が提供できる。
コモンモードチョーク3を設置する位置を信号の1/4波長以上シールド面から外側に離すと、コモンモードチョークで伝送導体のインピーダンスが急に高くなるので、ノイズが除去されるまでに共振してノイズが放射され、ノイズ対策にならない。
また 信号の1/4波長以上シールド面から内側に離すと、ノイズ成分が除去されたシールド内の伝送線路が共振し、ノイズを再び拾いノイズ対策にならない。
したがって、コモンモードチョークの配置場所はシールド面の近くが好ましく、シールド面から使われる信号の波長の1/4未満の位置に設置するのが好ましい。
実施例2は実施例1と基本構成が同じであるが、複数の信号発生部14を有する電子機器本体と、複数の伝送線路にコモンモードチョークコイルアレイを実装した点に特徴がある実施例であり、その構成を図4に示す。
図4において、11は低放射ノイズ電子機器を示し、信号発生部14を有する電子機器本体は、シールドケース12でシールドされ、内部に放射ノイズ防止用のコモンモードチョークコイル13、信号をシールドケース12の外部に取り出すポート15a,15b,16a,16bをシールドケース面に備えた構成とする。コモンモードチョークコイルアレイ13は、信号発生部とポートを結ぶ伝送線路に接続される。ポート15a,15b,16a,16bは出力信号線、端子等の導体を意味し、ノイズもこの導体から放出、導入される。ポート15a,15b,16a,16bにつながる伝送線路は、コネクタ17やプラグ18を通してケーブルで外部機器19a,19bに接続される。
この構成の作用、効果は、実施例1と同じであり、377Ωと同等かそれ以上のインピーダンス値を持つコモンモードチョークコイルアレイ13を装着すれば、大きく放射ノイズを減衰させることが可能となる。
図5は本発明の実施例3を示す構成概略図である。図5において、コモンモードチョークコイル3をプラグ28内に設置し、コモンモードチョークコイル3が、シールドされた電子機器のポート5,6のシールド面の外側のシールド面から信号周波数の波長の1/4未満の位置に設置されるようプラグをポート5,6に接続した。その他の構成は実施例1と同じであり、同じ符号を付して説明を省略する。コモンモードチョークコイル3のインピーダンスを変えノイズ減衰量を評価したところ、図3と同様の結果が得られた。
この構成の作用、効果は、実施例1と同じであり、377Ωと同等かそれ以上のインピーダンス値を持つコモンモードチョークコイルアレイを装着すれば、大きく放射ノイズを減衰させることが可能となる。
図6は本発明の実施例4を示す構成概略図である。図6において、外部取り付けアダプタ38を用いている。このアダプタ38にコモンモードチョークコイル3を内蔵したものである。この構成においても、コモンモードチョークコイル3が、シールドされた電子機器のポート5,6のシールド面の外側のシールド面から信号周波数の波長の1/4未満の位置に設置されるようアダプタをポート5,6に接続した。その他の構成は実施例1と同じであり、同じ符号を付して説明を省略する。
コモンモードチョークコイルは原則、信号の質には全く影響せず、かつ電子機器の放射ノイズの除去能力に優れている。放射インピーダンスの上限である377Ω以上にコモンモードチョークコイル3のインピーダンスを設定することにより、経験の浅い技術者でも簡単に電子機器のノイズ対策ができるようになり、本発明は設計効率の大幅な改善にも寄与できる。
なお、この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、377Ωと同等かそれ以上のインピーダンス値になるよう複数のコモンモードチョークコイルを実装することができる。
伝送線路に装着されるコモンモードチョークコイルは、巻き線タイプやチップタイプのものでもよく、複数の伝送線路がある場合には、コモンモードチョークコイルアレイだけでなく複数の接続でも良い。
本発明は、クリーンな電磁環境の確保に貢献できるため、特にデジタル信号やインバータ信号を使う電子機器にとって重要なノイズ対策技術となる。今後、携帯電話、パソコン、ネットワークデジタルTV、LANモジュール、車載LANシステム、インバータシステム等電子機器の発展普及が予想され、本発明はこれら機器を含む電子機器に広く適応でき、産業上有用である。
デジタル電子機器のノイズ対策として使われだしているクロック周波数の拡散による放射ノイズの測定値の低下は10dB程度であり、この程度の放射ノイズの低減は本発明のコモンモードチョークコイルの挿入で簡単に得られ、産業上利用範囲は広い。
本発明の一実施例における電子機器の構成を示す概要図 同構成の評価のための測定等価回路の説明図 コモンモードチョークのインピーダンスとノイズ減衰量の関係を示すグラフ 本発明の他の実施例における複数の伝送線路を有する電子機器の構成を示す概要図 本発明のさらに他の実施例における電子機器のプラグの構成を示し、コモンモードチョークコイルがプラグに内蔵された概要図 本発明の別な実施例における電子機器のアダプタの構成を示し、コモンモードチョークコイルがアダプタに内蔵された概要図
符号の説明
1 低放射ノイズ電子機器
2 シールドケース
3 コモンモードチョークコイル
4 信号発生部
5、6、15a、15b、16a、16b ポート
7、17 コネクタ
8、28 プラグ
9、19a、19b 外部接続回路
38 アダプタ

Claims (5)

  1. 信号発生部を有する電子機器本体と、前記電子機器本体をシールドするシールド材と、電子機器本体からシールド面を通過して伝送線路を導出させるポートと、信号発生部とポートを結ぶ伝送線路に接続されたコモンモードチョークコイルとからなり、前記コモンモードチョークコイルは、シールドされた電子機器の各ポートのシールド面の内側あるいは外側に、シールド面から信号周波数の波長の1/4未満の位置にある基板あるいはコネクタ内に実装され、前記コモンモードチョークコイルのコモンモードインピーダンスが377Ωと同等かそれ以上であることを特徴とする低放射ノイズ電子機器。
  2. 請求項1に記載のデジタル電子機器において、前記コモンモードチョークコイルはコモンモードチョークコイルアレイであることを特徴とする低放射ノイズ電子機器。
  3. シールド材でシールドされる電子機器の伝送線路導出用各ポートに接続するプラグやアダプタであって、各ポートに接続時に各ポートのシールド面から信号周波数の波長の1/4未満に位置するコモンモードチョークコイルが単一もしくは複数個プラグやアダプタ内の伝送線路に接続され、そのコモンモードインピーダンスが377Ωと同等かそれ以上であることを特徴とするプラグまたはアダプタ付伝送線路接続ケーブル。
  4. 信号発生部を有する電子機器本体と、前記電子機器本体をシールドするシールド材と、電子機器本体からシールド面を通過して伝送線路を導出させるポートと、信号発生部とポートを結ぶ伝送線路に接続されたコモンモードチョークコイルとからなり、前記コモンモードチョークコイルを、シールドされた電子機器の各ポートのシールド面の内側あるいは外側に、シールド面から信号周波数の波長の1/4未満の位置にある基板あるいはコネクタ内に実装し、前記コモンモードチョークコイルのコモンモードインピーダンスを各ポート部に存在する放射インピーダンスの値と同等かそれ以上として、コモンモードの電磁波信号を減衰させることにより放射ノイズを除去することを特徴とする電子機器の放射ノイズ除去方法。
  5. 請求項4に記載の電子機器の放射ノイズ除去方法において、前記コモンモードチョークコイルのコモンモードインピーダンスを377Ωと同等かそれ以上としてコモンモードの電磁波信号を減衰させることにより放射ノイズを除去することを特徴とする電子機器の放射ノイズ除去方法。

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