JP2009133850A - 偏光変調器及び計測装置 - Google Patents

偏光変調器及び計測装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009133850A
JP2009133850A JP2008286530A JP2008286530A JP2009133850A JP 2009133850 A JP2009133850 A JP 2009133850A JP 2008286530 A JP2008286530 A JP 2008286530A JP 2008286530 A JP2008286530 A JP 2008286530A JP 2009133850 A JP2009133850 A JP 2009133850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
crystal cell
polarizer
parallel alignment
polarization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008286530A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukitoshi Otani
幸利 大谷
Fumio Kobayashi
富美男 小林
Yoshinori Nakajima
吉則 中島
Masanosuke Tanaka
政之介 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo University of Agriculture and Technology NUC
Original Assignee
Tokyo University of Agriculture and Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo University of Agriculture and Technology NUC filed Critical Tokyo University of Agriculture and Technology NUC
Priority to JP2008286530A priority Critical patent/JP2009133850A/ja
Publication of JP2009133850A publication Critical patent/JP2009133850A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

【課題】環境温度の影響を受けることなく精度良く測定対象の旋光度を計測することが可能であり且つ装置の小型化が可能な計測装置及び計測方法を提供すること。
【解決手段】光の所定の偏光成分を透過させる第1の偏光子18と、透過した光を任意の偏光に変調する偏光変調器20と、偏光変調され測定対象30を透過した光の所定の偏光成分を透過させる第2の偏光子32と、透過した光を検出して電気信号に変換する検出部34とを含み測定対象の旋光度を計測する計測装置1に用いられる偏光変調器20であって、第1の液晶セル22及び第2の液晶セル24から構成される液晶素子21と、液晶素子21の温度を制御する温度制御部26と、記第1の液晶セル22及び第2の液晶セル24への印加電圧を制御する電圧制御部23、25とを含み、第1の液晶セル22と第2の液晶セル24は、ラビング方向が互いに異なることにより、主軸方位が互いに異なる。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象の旋光度を計測する計測装置に用いられる偏光変調器、及び測定対象の旋光度を計測する計測装置に関する。
従来から、糖類、アミノ酸など旋光性を有する物質の旋光度や濃度を測定するための旋光度計測装置が知られている。代表的な旋光度計測装置として、回転偏光子法やファラデー変調法による装置が知られている。しかしこれらの手法には、機械駆動を必要とするために装置が大型化するといった問題や、高電圧を必要とするといった問題があった。これらの問題点を解決する旋光度測定装置として、主軸方向をずらした2個の液晶素子を用いて試料に入射する直線偏光を変調させる偏光変調器を用いた装置がある。かかる技術として、例えば特開2007−93289号公報に開示される従来技術がある。
特開2007−93289号公報
しかしながら従来の旋光度計測装置では、2個の液晶素子の主軸方位を所定角度ずらすために2枚の液晶素子のいずれか一方を所定角度傾けて設置するという調整作業が必要であるため、2個の液晶素子を一体化することができず使い勝手が悪いといった問題点があった。また2個の液晶素子を一体化できない以上、2個の液晶素子の温度を一定に制御するための温度制御手段を液晶素子毎に設ける必要があり、このため装置が大型化するといった問題点があった。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液晶素子の主軸方位の調整が不要であり、環境温度の影響を受けることなく精度良く測定対象の旋光度を計測することが可能であり且つ装置の小型化が可能な計測装置、及び計測装置に用いられる偏光変調器を提供することにある。
(1)本発明は、所定の帯域成分を含む光の所定の偏光成分を透過させる第1の偏光子と、前記第1の偏光子を透過した光を任意の偏光に変調する偏光変調器と、前記偏光変調器を介して測定対象を透過した光の所定の偏光成分を透過させる第2の偏光子と、前記第2の偏光子を透過した光を検出して電気信号に変換する検出部とを含み、前記測定対象の旋光度を計測する計測装置に用いられる前記偏光変調器であって、
第1の並行配向液晶セル及び第2の並行配向液晶セルから構成される液晶素子と、
前記液晶素子の温度を制御する温度制御部と、
前記第1の並行配向液晶セル及び前記第2の並行配向液晶セルへの印加電圧を制御する電圧制御部とを含み、
前記第1の並行配向液晶セルと前記第2の並行配向液晶セルは、ラビング方向が互いに異なることにより、主軸方位が互いに異なることを特徴とする。
本発明において、ラビング方向とは、液晶を配向させるラビング処理の方向をいい、ラビング処理は、ラビング布によって配向膜をこする処理でもよいし、配向膜に高エネルギーの光を照射する処理でもよい。
本発明によれば、第1及び第2の並行配向液晶セルのラビング方向を互いに異ならせることで、第1及び第2の並行配向液晶セルのいずれか一方を所定角度傾けて設置するという主軸方位の調整作業が不要となるため、第1及び第2の並行配向液晶セルを平行に重ね合わせて一体化することができる。そして第1及び第2の並行配向液晶セルを一体化して構成した1の液晶素子により偏光変調器を構成することで、装置を小型化することができる。
また本発明によれば、温度制御部を用いて、液晶素子の温度を制御することで、環境温度の変化によって同じ印加電圧に対する複屈折位相差に誤差(変動)が生じることを防止することができる。また温度制御部を用いて第1及び第2の並行配向液晶セルから構成される1の液晶素子の温度を制御するようにすることで、1の液晶素子と温度制御部とを一体化して構成することができ、第1及び第2の並行配向液晶セルそれぞれについて温度制御部を設ける場合に比べて装置を小型化することができる。
(2)また本発明に係る偏光変調器では、
前記第1の平行配向液晶セルは、前記第1の偏光子の主軸方位に対して45°の奇数倍傾いた主軸方位を有し、
前記第2の平行配向液晶セルは、前記第1の偏光子の主軸方位に対して45°の偶数倍傾いた主軸方位を有することを特徴とする。
本発明によれば、第1及び第2の並行配向液晶セルのいずれか一方を傾けて設置することなく、2つの並行配向液晶セルの主軸方向を互いに45°ずらすことができる。
(3)また本発明に係る偏光変調器では、
前記温度制御部は、
前記液晶素子の基板上に設けられた温度センサを含むことを特徴とする。
本発明によれば、液晶素子の温度を正確に制御することができる。
(4)また本発明は、測定対象の旋光度を計測する計測装置であって、
所定の帯域成分を含む光の所定の偏光成分を透過させる第1の偏光子と、
前記第1の偏光子を透過した光を任意の偏光に変調する偏光変調部と、
前記偏光変調部を介して前記測定対象を透過した光の所定の偏光成分を透過させる第2の偏光子と、
前記第2の偏光子を透過した光を検出して電気信号に変換する検出部とを含み、
前記偏光変調部は、
第1の並行配向液晶セル及び第2の並行配向液晶セルから構成される液晶素子と、前記液晶素子の温度を制御する温度制御部と、前記第1の並行配向液晶セル及び前記第2の並行配向液晶セルへの印加電圧を制御する電圧制御部とを含み、
前記第1の並行配向液晶セルと前記第2の並行配向液晶セルは、ラビング方向が互いに異なることにより、主軸方位が互いに異なることを特徴とする。
本発明によれば、液晶素子の主軸方位の調整が不要であり、環境温度の影響を受けることなく精度良く測定対象の旋光度を計測することが可能であり且つ装置の小型化が可能な計測装置を提供することができる。
(5)また本発明に係る計測装置では、
前記検出部で検出した光強度に基づいて、前記測定対象の旋光度を算出する演算処理を行う演算処理部を更に含むことを特徴とする。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.計測装置の構成
図1は、本実施形態の計測装置の構成を説明するためのブロック図である。計測装置1は、測定対象である試料100の旋光度を計測する装置である。計測装置1は、光学系10と、制御装置40とを含む。制御装置40は演算処理部50を含み、演算処理部50では、光学系10に含まれる光学素子及び試料100を透過した光の光強度に基づき試料100の旋光度を算出する演算処理を行う。以下、計測装置1の装置構成について説明する。
1−1.光学系10
光学系10は、光源12と検出部34を含む。また光学系10は、ミラー14を介して光源12と検出部34とを結ぶ光路L上に設けられた、コリメートレンズ13、ミラー14、干渉フィルタ16、検光子18(第1の偏光子)、偏光変調部20(偏光変調器)、及び検光子32(第2の偏光子)を含む。これらの光学素子は、光源12から出射された光を、コリメートレンズ13、干渉フィルタ16、検光子18(第1の偏光子)、第1の液晶セル22、偏光変調部20を介して試料30に入射させ、試料30を透過した光を、検光子18を介して検出部34に入射させるように配列されている。以下、それぞれについて説明する。
光源12は、タングステンハロゲンランプなどの白色光源からなり、広域の波長成分を含む白色光を出射する。
コリメートレンズ13は、光ファイバによって導かれた光源12からの白色光を平行光に変換する。そしてミラー14はこの平行光を反射して干渉フィルタ16に入射させる。
干渉フィルタ16は、ミラー14によって反射された平行光の所定の波長成分を透過させる。本実施形態の干渉フィルタ16は、中心波長589nmの光を透過させる。
偏光子18は、干渉フィルタ16を透過した光を直線偏光とする入射側の偏光子である。すなわち偏光子18はその透過軸の方向(主軸方位)に偏光面を有する直線偏光を透過させる。本実施形態の偏光子18は、その主軸方位が水平0°となるように設置されている。
偏光変調部20は、偏光子18を透過した直線偏光を任意の偏光に変調する。偏光変調部20は、第1の液晶セル22(第1の並行配向液晶セル)及び第2の液晶セル24(第2の並行配向液晶セル)から構成される液晶素子21と、第1及び第2の液晶セル22、24への印加電圧をそれぞれ制御し、第1及び第2の液晶セル22、24の複屈折位相差δ、δを変化させる第1及び第2の電圧制御部23、25と、液晶素子21の温度を制御する温度制御部26とを含む。
光進方向手前に設置される第1の液晶セル22は、偏光子18の主軸方位(水平0°)に対して光進方向に向かって反時計回りに45°回転した方向に主軸を有する。また光進方向に向かって奥側に設置される第2の液晶セル24は、偏光子18の主軸方向(水平0°)に平行な主軸を有する。従って第1及び第2の液晶セル22、24は、その主軸方位が互いに45°ずれていることになる。
このように、主軸方位がそれぞれ45°及び0°であり、且つ複屈折位相差δ、δが可変である2つの液晶セル22、24を用いて位相変調することにより、偏光子18を透過した所定の直線偏光を、任意の直線偏光または楕円偏光又は円偏光に変えることができる。
図2(A)、図3(A)、及び図3(B)は、本実施形態の第1及び第2の液晶セル22、24から構成される液晶素子21を模式的に示す図である。図2(A)は、液晶素子21の上面図である。
図2(A)に示すように、第1、第2の液晶セル22、24は、それぞれ2枚の透明基板TSと、透明基板TSの内面に設けられた透明電極ELと、2枚の透明基板TS間に封入されたネマチック液晶LCにより構成される。また、第1の液晶セル22の透明基板TSとネマチック液晶LCの界面には配向膜AL1が設けられ、第2の液晶セル24の透明基板TSとネマチック液晶LCの界面には配向膜AL2が設けられている。そして、2つの液晶セル22、24は、透明基板TSにおいて重ね合わされて1の液晶素子21を構成している。ここで、2つの液晶セルが重ね合わされる部分の透明基板TSを1枚にして、図2(B)に示すように、液晶素子21を構成する透明基板TSを3枚とする構成としてもよい。このとき、中央の透明基板TSには、その両面に透明電極ELと配向膜ALが設けられることになる。
図3(A)は、液晶素子21の前面図(第1の液晶セル22の正面図)であり、図3(B)は、液晶素子21の背面図(第2の液晶セル24の正面図)である。
図3(A)に示すように、第1の液晶セル22は、ラビング方向(配向方向)RDが基準方向HDに対して45°となっており、これにより複屈折の主軸方向も45°となっている。また図3(B)に示すように、第2の液晶セル24は、ラビング方向(配向方向)RDが基準方向HDに対して0°となっており、これにより複屈折の主軸方向も0°となっている。すなわち第1の液晶セル22の配向膜AL1(図2(A)参照)に施されたラビング処理の方向は基準方向HDに対して45°となっており、第2の液晶セル24の配向膜AL2(図2(A)参照)に施されたラビング処理の方向は基準方向HDに対して0°となっている。なお第2の液晶セル24は、ラビング方向RDが基準方向HDに対して90°となるようにしてもよい。なお基準方向HDは、偏光子18の主軸方向(水平0°)と同一の方向である。
このように第1及び第2の液晶セル22、24のラビング方向をそれぞれ45°、0°(又は90°)とすることで、第1及び第2の液晶セル22、24のいずれか一方を他方に対して45°傾けて設置することなく、2つの液晶セル22、24の主軸方向を互いに45°ずらすことができる。従って第1及び第2の液晶セル22、24を平行に重ね合わせて一体化することができる。そして、第1及び第2の液晶セル22、24を一体化して構成した液晶素子21により偏光変調部20を構成することで装置を小型化することができる。
図4は、本実施形態の偏光変調部20(偏光変調器)を模式的に示す図である。
偏光変調部20は、液晶素子21の温度を制御する温度制御部26を含む。温度制御部26は、銅ケースCC、温度センサTH、ペルチェ素子PD、ヒートシンクHS及び冷却ファンCFとを含み、第1及び第2の液晶セル22、24を一体化して構成した液晶素子21の温度を一定に制御する。液晶素子21は、熱伝導に優れる銅を用いた銅ケースCC内に収められている。また、銅ケースCCに接する位置には、銅ケースCCの温度を検出するサーミスタ等の温度センサTHと、銅ケースCCを冷却(吸熱)又は加熱するためのペルチェ素子PD(熱電素子)が設けられ、ペルチェ素子PDに接する位置にはペルチェ素子PDの熱を放熱するためのヒートシンクHS(放熱板)が設けられ、ヒートシンクHSの下部にはヒートシンクHSの熱拡散能力を補うための冷却ファンCFが取り付けられている。銅ケースCCには、液晶素子21への入射光が通過する開口OMと、液晶素子21からの出射光が通過する開口OM(図示せず)とが設けられ、ペルチェ素子PD及びヒートシンクHSには、それぞれ液晶素子への入射光が通過する開口OMを有している。
図4に示すように、銅ケースCC、温度センサTH、ペルチェ素子PD、ヒートシンクHS及び冷却ファンCFから構成される温度制御部26を用いて、液晶素子21の温度を一定に制御することにより、環境温度の変化によって同じ印加電圧に対する第1及び第2の液晶セル22、24の複屈折位相差に誤差(変動)が生じることを防止することができる。また温度制御部26を用いて、第1及び第2の液晶セル22、24を一体化して構成した液晶素子21の温度を制御するようにすることで、液晶素子21と温度制御部26とを一体化して構成することができ、一体化されていない2個の液晶セルそれぞれについて温度制御部を設ける(各液晶セルの温度を個別に制御する)場合に比べて装置を小型化することができる。
図5は、恒温槽を用いて環境温度を20℃から35℃まで変化させたときの1及び第2の液晶セル22、24の温度を示す図である。なお図5では、横軸が環境温度を示し、縦軸が第1及び第2の液晶セル22、24の温度を示す。図5を見ると、環境温度の変化に対して2つの液晶セル22、24の温度が一定に保たれているのが分かる。このときの第1及び第2の液晶セル22、24の温度変化量はそれぞれ0.1℃以内であった。従って本実施形態の偏光変調器20では、環境温度に影響されずに第1、第2の液晶セル22、24の温度を一定に制御できることが分かった。なお液晶素子21の温度は、結露を防止するために環境温度より高い温度で一定となるように制御することが好ましい。
再び図1を参照すると、検光子32は、試料30を通過した光を直線偏光とする出射側の偏光子である。すなわち検光子32はその透過軸の方向(主軸方位)に偏光面を有する直線偏光を透過させる。本実施形態の偏光子32は、その主軸方位が水平45°となるように設置されている。
検出部34は、例えば光電センサからなり、検光子32からの出射光の光強度を検出し、電圧に変換して光強度情報として出力する。
1−2.制御装置40
制御装置40は、演算処置部50、制御信号生成部60、記憶部70とを含む。
演算処理部50は、検出部34から出力された光強度情報に基づいて試料30の旋光度を算出する演算処理を行う。
制御信号生成部60は、制御信号を生成して、第1及び第2の電圧制御部23、25(第1及び第2の液晶セル22、24の各液晶セルの液晶ドライバ)を制御し、第1及び第2の液晶セル22、24の複屈折位相差δ、δを変化させる。
また制御信号生成部60は、温度制御部26の動作を制御する。例えば図4に示す温度センサTHからの出力に基づき制御信号を生成して、図4に示すペルチェ素子PD又は冷却ファンCFの動作を制御する。
記憶部50は、種々のデータを一時記憶する機能を有し、例えば検出部34から出力された光強度情報を、第1及び第2の液晶セル22、24の複屈折位相差δ、δと対応付けて記憶する。
2.旋光度測定原理
次に、本実施形態の計測装置が採用する、旋光度測定原理を説明する。
2−1.検出部34が検出する光の光強度の理論式
偏光子18に入射する単色光のストークスパラメータをSinとし、試料30を透過して検光子32から出射する光のストークスパラメータをS’とすると、当該S’は次式で表すことができる。
Figure 2009133850
なお、Iは偏光子18に入射する単色光の光強度である。またP0°は、主軸方位が0°である偏光子18のミュラー行列である。またRδ1,45°は、主軸方位が45°であり複屈折位相差がδである第1の液晶セル22のミュラー行列である。またRδ2,0°は、主軸方位が0°であり複屈折位相差がδである第2の液晶セル24のミュラー行列である。またTφは旋光度がφである試料30のミュラー行列である。またA45°は、主軸方位が45°である検光子32のミュラー行列である。
ここで検出部34が検出する光の光強度をI(δ,δ,φ)とすると、当該I(δ,δ,φ)は、検光子32から出射する光のストークスパラメータのS’であるから、式(1)より、
Figure 2009133850
となる。
2−2.試料30の旋光度の算出原理
試料30の旋光度は、試料30への入射光の偏光状態を変化させながら試料30と検光子32を通過した光の光強度を測定し、以下のように求める。
例えば、第1及び第2の液晶セル22、24の複屈折位相差δ、δをδ=δ、δ=δ+π/2と設定し、δを0°から360°まで連続的に変化させる。このとき、検出部34が検出する光強度をI(δ,δ+π/2,φ)とすると、当該I(δ,δ+π/2,φ)は、式(2)より、
Figure 2009133850
となる。ここでa(=I/4sin2φ)及びb(=I/8cos2φ)は、それぞれフーリエ関数cosδ及びsin2δの係数を示す。式(3)からδを連続的に0°〜360°の範囲で変調させると、光強度I(δ,δ+π/2,φ)が周期的に変化することがわかる。従って検出部34が検出する光強度I(δ,δ+π/2,φ)の周期的変化をフーリエ解析し、係数a、bを求めることにより試料30の旋光度φは、
Figure 2009133850
により算出することができる。
また第1及び第2の液晶セル22、24の複屈折位相差δ、δを、それぞれ0、π/2、π、3π/2と4回変調させ、このとき検出部34が検出する4つの光強度の値から、試料30の旋光度φは、
Figure 2009133850
により算出することができる。ここでIは、第1及び第2の液晶セル22、24の複屈折位相差δ、δを0に設定したときの検出部34が検出する光強度である。またIは、複屈折位相差δ、δをπ/2に設定したときの検出部34が検出する光強度である。またIは、複屈折位相差δ、δをπに設定したときの検出部34が検出する光強度である。またIは、複屈折位相差δ、δを3π/2に設定したときの検出部34が検出する光強度である。この手法(位相変調法)によれば、第1及び第2の液晶セル22、24の複屈折位相差δ、δを4回変調するだけでよいため、旋光度φを高速に算出することが可能となる
3.測定結果
図6、図7に、本実施形態の計測装置の計測結果を示す。
図6は、環境温度を変化させて旋光度(旋光角)を計測した結果を示す。ここでは、恒温槽内に計測装置(光学系)を設置し、温度を26℃から34℃まで1℃おきに変化させ、各温度において試料30である水晶製標準旋光子(旋光度34.11°、20℃)の温度と旋光度を計測した。旋光度の算出は、32点サンプリングのフーリエ解析によって行った。図6では、横軸が水晶の温度を示し、縦軸が計測した旋光度を示す。使用した水晶製の試料は、図6において実線で示すように、温度に対して旋光度が線形に変化する。
図6において、黒塗り点はフーリエ解析による計測結果を示す。フーリエ解析により計測された旋光度は実線に示す旋光度に概ね等しく、計測精度は0.0004°であった。従って、本実施形態の計測装置により環境温度に影響されずに正確に水晶の旋光度を計測できることが分かる。
図7は、旋光物質の水溶液の濃度を変化させて旋光度を計測した結果を示す。試料30には、比旋光度60.3°のショ糖及び比旋光度20.7°のアスコルビン酸を使用した。図7では、横軸が水溶液の濃度を示し、縦軸が計測した旋光度を示す。
図7において、白抜き点はショ糖の測定結果を示し、黒塗り点はアスコルビン酸の測定結果を示す。また実線はショ糖の理論値を示し、破線はアスコルビン酸の理論値を示す。ショ糖、アスコルビン酸ともに計測結果は理論値と概ね等しい。従って本実施形態の計測装置により精度良く旋光物質の旋光度や濃度を測定できることが分かる。
4.変形例
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
例えば本実施形態では、液晶素子21の温度を制御する温度制御部26に含まれる温度センサの一例として、銅ケースCCに接する位置に設けたサーミスタ等の温度センサTHを用いる場合について説明したが(図4参照)、温度制御部26に含まれる温度センサとして液晶素子21の基板上に設けた熱電対を用いるようにしてもよい。
図8(A)に示す例では、液晶素子21を構成する第1の液晶セル22の透明基板TS上に熱電対TC(薄膜熱電対)を設けている。熱電対とは、熱電能の異なる二種類の金属を接合した温度センサであり、2つの接合点を異なる温度にすると一定の方向に電流が流れ、熱起電力が生じる現象(ゼーベック効果)を利用した温度センサである。
図8(B)は、透明基板TS上に設けられた熱電対TCの斜視図である。図8(B)に示すように、熱電対TCは、二種類の金属層(金属A、金属B)をそれぞれ真空蒸着法により透明基板TS上にパターン化させて形成することができる。なお二種類の金属としては、例えば銅とコンスタンタンを用いることができる。また熱電対TCのリード線(補償導線)は、熱電対TC上の取付位置IPに取り付ける。
図8(C)は、図8(A)のA−A線断面図である。図8(C)に示すように、熱電対TCと電極ELの間には絶縁層IL(シール剤)が形成されており、電極ELを流れる電流が熱電対TCに影響を与えないようにしている。
温度制御部26に含まれる温度センサとして熱電対TCを用いる場合、図1に示す制御信号生成部60は、熱電対TCからの出力に基づいて図4に示すペルチェ素子PD又は冷却ファンCFの動作を制御し、液晶素子21の温度を一定に制御する。
このように、液晶素子21の温度を制御する温度制御部26に含まれる温度センサとして、液晶素子21を構成する液晶セルの透明基板TS上に設けた熱電対TCを用いることにより、図4に示す銅ケースCCに接する位置に設けた温度センサTHを用いる場合と比較して、液晶素子21の温度をより正確に測定することができ、液晶素子21の温度をより正確に制御することができる。
なお図8(A)の例では、熱電対TCを第1の液晶セル22の透明基板TS上に設ける場合について説明したが、第2の液晶セル24の透明基板TS上に設けるようにしてもよい。また2つの熱電対TCを、それぞれ第1の液晶セル22の透明基板TS上と、第2の液晶セル24の透明基板TS上とに設けるようにしてもよい。この場合、制御信号生成部60は、2つの熱電対TCからの出力(例えば2つの熱電対TCからの出力値の平均値)に基づいてペルチェ素子PD又は冷却ファンCFの動作を制御する。
清涼飲料水、果実等の濃度計測だけでなく、タンパク質、アミノ酸、核酸等の分子構造の解析、薬品の品質管理などに利用することができる。また血糖値を測定する血糖値センサとして利用することができる。
本実施形態の計測装置の構成を説明するためのブロック図。 本実施形態の第1及び第2の液晶セルから構成される液晶素子を模式的に示す図。 本実施形態の第1及び第2の液晶セルから構成される液晶素子を模式的に示す図。 本実施形態の偏光変調部を模式的に示す図。 温度制御の検証結果を示す図。 本実施形態の計測装置による計測結果を示す図。 本実施形態の計測装置による計測結果を示す図。 変形例について説明するための図。
符号の説明
1 測定装置
10 光学系
12 光源
13 コリメートレンズ
14 ミラー
16 干渉フィルタ
18 偏光子
20 偏光変調部(偏光変調器)
21 液晶素子
22 第1の液晶セル
23 第1の電圧制御部
24 第2の液晶セル
25 第2の電圧制御部
26 温度制御部
30 試料
32 検光子
34 検出部
40 制御装置
50 演算処理部
60 制御信号生成部
70 記憶部

Claims (5)

  1. 所定の帯域成分を含む光の所定の偏光成分を透過させる第1の偏光子と、前記第1の偏光子を透過した光を任意の偏光に変調する偏光変調器と、前記偏光変調器を介して測定対象を透過した光の所定の偏光成分を透過させる第2の偏光子と、前記第2の偏光子を透過した光を検出して電気信号に変換する検出部とを含み、前記測定対象の旋光度を計測する計測装置に用いられる前記偏光変調器であって、
    第1の並行配向液晶セル及び第2の並行配向液晶セルから構成される液晶素子と、
    前記液晶素子の温度を制御する温度制御部と、
    前記第1の並行配向液晶セル及び前記第2の並行配向液晶セルへの印加電圧を制御する電圧制御部とを含み、
    前記第1の並行配向液晶セルと前記第2の並行配向液晶セルは、ラビング方向が互いに異なることにより、主軸方位が互いに異なることを特徴とする偏光変調器。
  2. 請求項1において、
    前記第1の平行配向液晶セルは、前記第1の偏光子の主軸方位に対して45°の奇数倍傾いた主軸方位を有し、
    前記第2の平行配向液晶セルは、前記第1の偏光子の主軸方位に対して45°の偶数倍傾いた主軸方位を有することを特徴とする偏光変調器。
  3. 請求項1又は2において、
    前記温度制御部は、
    前記液晶素子の基板上に設けられた温度センサを含むことを特徴とする偏光変調器。
  4. 測定対象の旋光度を計測する計測装置であって、
    所定の帯域成分を含む光の所定の偏光成分を透過させる第1の偏光子と、
    前記第1の偏光子を透過した光を任意の偏光に変調する偏光変調部と、
    前記偏光変調部を介して前記測定対象を透過した光の所定の偏光成分を透過させる第2の偏光子と、
    前記第2の偏光子を透過した光を検出して電気信号に変換する検出部とを含み、
    前記偏光変調部は、
    第1の並行配向液晶セル及び第2の並行配向液晶セルから構成される液晶素子と、前記液晶素子の温度を制御する温度制御部と、前記第1の並行配向液晶セル及び前記第2の並行配向液晶セルへの印加電圧を制御する電圧制御部とを含み、
    前記第1の並行配向液晶セルと前記第2の並行配向液晶セルは、ラビング方向が互いに異なることにより、主軸方位が互いに異なることを特徴とする計測装置。
  5. 請求項4において、
    前記検出部で検出した光強度に基づいて、前記測定対象の旋光度を算出する演算処理を行う演算処理部を更に含むことを特徴とする計測装置。
JP2008286530A 2007-11-09 2008-11-07 偏光変調器及び計測装置 Pending JP2009133850A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008286530A JP2009133850A (ja) 2007-11-09 2008-11-07 偏光変調器及び計測装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007291890 2007-11-09
JP2008286530A JP2009133850A (ja) 2007-11-09 2008-11-07 偏光変調器及び計測装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009133850A true JP2009133850A (ja) 2009-06-18

Family

ID=40865835

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008286530A Pending JP2009133850A (ja) 2007-11-09 2008-11-07 偏光変調器及び計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009133850A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105378455A (zh) * 2014-06-02 2016-03-02 株式会社爱宕 旋光度以及折射率的测定装置
JP2019002944A (ja) * 2018-10-16 2019-01-10 株式会社アタゴ 旋光度及び屈折率の測定装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08247853A (ja) * 1995-03-08 1996-09-27 Shimadzu Corp 液晶光変調器
WO2004088286A1 (ja) * 2003-03-28 2004-10-14 Citizen Watch Co., Ltd. 旋光度測定装置
WO2005080529A1 (ja) * 2004-02-20 2005-09-01 Asahi Glass Company, Limited 光学素子用液晶材料および光変調素子
JP2005265651A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Citizen Watch Co Ltd 濃度測定装置
JP2007093289A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Atago:Kk 偏光状態測定装置、円二色性測定装置及びその方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08247853A (ja) * 1995-03-08 1996-09-27 Shimadzu Corp 液晶光変調器
WO2004088286A1 (ja) * 2003-03-28 2004-10-14 Citizen Watch Co., Ltd. 旋光度測定装置
WO2005080529A1 (ja) * 2004-02-20 2005-09-01 Asahi Glass Company, Limited 光学素子用液晶材料および光変調素子
JP2005265651A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Citizen Watch Co Ltd 濃度測定装置
JP2007093289A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Atago:Kk 偏光状態測定装置、円二色性測定装置及びその方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105378455A (zh) * 2014-06-02 2016-03-02 株式会社爱宕 旋光度以及折射率的测定装置
EP3150990B1 (en) * 2014-06-02 2020-05-06 Atago Co., Ltd. Device for measuring polarization degree and refractive index
JP2019002944A (ja) * 2018-10-16 2019-01-10 株式会社アタゴ 旋光度及び屈折率の測定装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4480653B2 (ja) 偏光状態測定装置、円二色性測定装置及びその方法
US20090001979A1 (en) Magnetic field measuring apparatus
JPH0151933B2 (ja)
US7411675B2 (en) Optical rotation angle measuring apparatus
WO2019138795A1 (ja) ガス検出器用光源、ガス検出器
JP2009133850A (ja) 偏光変調器及び計測装置
Gisler et al. Achromatic liquid crystal polarization modulator
JP2009264744A (ja) 表面プラズモン共鳴測定装置
JP4879197B2 (ja) 測定対象の旋光度を計測する計測装置
JP4977671B2 (ja) 偏光変調器及び計測装置
JP6285547B2 (ja) 光ビームの偏光状態を調節するためのデバイスの位相シフトのドリフトを補償するためのデバイス
CN112432904B (zh) 一种新型液晶偏振调制器及其探测方法
JP4343743B2 (ja) 旋光度測定装置および濃度測定装置
JP2007040981A (ja) ウエハ温度測定方法及びウエハ温度測定装置
JP4094975B2 (ja) 濃度測定装置
JP2012215774A (ja) 光波面制御モジュール
JP2004198286A (ja) 旋光度測定装置
GB2447294A (en) Peltier-Seebeck detector
EP0356273B1 (fr) Dispositif à capteurs optiques principal et secondaire
JPS6055007B2 (ja) 赤外線検知装置
JP3951475B2 (ja) 分光光度計
Secundo et al. Uncooled FPA with optical reading: Reaching the theoretical limit
JP2008026179A (ja) 輻射熱センサーと輻射熱の測定方法
US20060088076A1 (en) Operational range designation and enhancement in optical readout of temperature
JP2005098710A (ja) 濃度測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD07 Notification of extinguishment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7427

Effective date: 20100827

A977 Report on retrieval

Effective date: 20101227

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20110126

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110325

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20110815

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20110823

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20111101

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20120228

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02