JP2009130377A - 受信信号調整装置、及びエコーキャンセラ - Google Patents

受信信号調整装置、及びエコーキャンセラ Download PDF

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Abstract

【課題】エコーパスに発生する歪みに係わらず、安定的にエコーをキャンセルする。
【解決手段】エコーキャンセラ10は、エコーリターンロスERLを測定するERL測定器30、受信出力信号Routの周波数成分を分析する周波数分析器32、送信入力信号Sinの周波数成分を分析する周波数分析器34、エコーパスEPで歪みが起きているか否かを測定する歪み測定器36、及び受信入力信号Rinのゲインを調整するゲイン調整器38を備えている。歪み測定器36は、パワースペクトルSinP_f(k)及びエコーリターンロスERLとを加算すると共に、パワースペクトルRoutP_f(k)と判定用オフセット値δfとを加算した加算結果を各周波数成分(k=0〜127)毎に比較し、制御信号DISTを出力する。ゲイン調整器38は、制御信号DISTが「1」ならば所定の間隔でゲインを減らし、「0」ならば、微小な間隔でゲインを増やしていく。
【選択図】図1

Description

本発明は、受信信号調整装置、及びエコーキャンセラに関する。
一般に、電話回線において、加入者端の電話機に接続される加入者線は2線式構成が採用されるのに対し、交換機から先の基幹回線は4線式構成が採用される場合が多い。このような場合は、2線式と4線式との相互変換のために、ハイブリッドと呼ばれる機器が接続されるが、ハイブリッドにおけるインピーダンスの不整合によりエコーパスが形成され、ハイブリッドエコーが生じる。
また、ハンズフリー電話やテレビ会議システムでは、音響エコーパスが存在し、音響エコーが生じる。
ハイブリッドエコー及び音響エコーを含むエコーは通信品質を劣化させるため、音声通信において、エコーをキャンセルするエコーキャンセラは必要不可欠である。
特許文献1には、受信信号のレベルと、エコー信号を打ち消すための適応フィルタ及び減算器を通過した信号のレベルとを比較することにより、受信信号と送信信号とが略同時に入力された場合のダブルトーク状態を検出して、ダブルトーク状態の検出期間中に適応フィルタのエコーパス推定動作を停止させるダブルトーク検出回路について開示されている。特許文献1では、このダブルトーク検出回路への受信信号の入力タイミングを所定期間遅延するための遅延回路を設けることによって、ダブルトーク状態を逸早く検出できるようにして、適応フィルタの誤動作を防止することにより、エコーキャンセラの信頼性を高める技術が開示されている。
さらに、エコーの発生によって減衰した信号レベルを補償することで、通信の品質を向上させることが検討されている。
特許文献2には、受信側遠端からの受信信号がハイブリッドから送信側遠端にエコー信号として反射されるエコーリターンロスを測定し、測定したエコーリターンロスに基づいて受信信号がハイブリッドを通過した割合を計算し、ハイブリッドを通過した受信信号が所定のレベルになるように受信信号のゲインを制御することで、ハイブリッドで伝送信号が減衰しても所望の信号レベルを設定する技術が開示されている。
特開平5−102887号公報 特開2001−77729公報
ところで、過負荷に対するマージンが少ない装置等がエコーパスに存在する環境で、入力された信号のレベルが過大レベルであった場合は、エコーパスに非線形歪みが発生する。
また、エコーパスが、特定の周波数帯域の成分を持ち上げるといった極端な周波数特性を有する場合は、入力された信号のレベルが通常レベルであったとしても、特定の周波数域の成分を多く持つ信号が入力されたときに、エコーパスに非線形歪みが発生する。
しかしながら、従来のエコーキャンセラは、エコーパスは線形の特性を有するという前提で、線形の特性を有するフィルタを用いてエコーをキャンセルしている。このため、非線形歪みが発生すると、エコーパスの特性の推定に乱れが起こり、エコーのキャンセル量が劣化して、十分なエコーのキャンセルができなくなるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、エコーパスに発生する歪みに係わらず、エコーパスの歪みの発生を抑制する受信信号調整装置、及び安定的にエコーをキャンセルするエコーキャンセラを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の発明の受信信号調整装置は、受信信号と送信信号との状態がダブルトーク状態であるか否かを検出するダブルトーク検出手段と、前記ダブルトーク状態であることが検出されていないときの前記受信信号、及び前記送信信号に基づいてエコーリターンロス値を測定するエコーリターンロス測定手段と、前記受信信号の周波数分析を行い、周波数毎の前記受信信号の特性値を求める受信信号周波数分析手段と、前記送信信号の周波数分析を行い、周波数毎の前記送信信号の特性値を求める送信信号周波数分析手段と、各周波数毎に、前記受信信号の特性値と予め定められたオフセット値とを加算して受信特性値を求めると共に、前記送信信号の特性値と前記エコーリターンロス値とを加算して送信特性値を求める加算手段と、前記加算手段によって求められた前記受信特性値の大きさと前記送信特性値の大きさとを各周波数毎に比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づいて前記受信信号のレベルを調整する調整手段と、を含んで構成される。
第1の発明によれば、ダブルトーク検出手段は、受信信号と送信信号との状態がダブルトーク状態であるか否かを検出する。
ダブルトーク検出手段は、ダブルトーク状態であることを検出したときに、発生するエコーを推定する推定動作を禁止を指示する禁止信号を出力するようにしてもよい。
エコーリターンロス測定手段は、ダブルトーク状態であることが検出されていないときの前記受信信号、及び前記送信信号に基づいてエコーリターンロス値を測定する。すなわち、エコーリターンロス値は、ダブルトーク状態が検出されないときの受信信号、及び送信信号に基づいて測定される。
一方、受信信号周波数分析手段は、受信信号の周波数分析を行い、周波数毎の受信信号の特性値を求め、送信信号周波数分析手段は、送信信号の周波数分析を行い、周波数毎の送信信号の特性値を求める。
そして、加算手段は、各周波数毎に、受信信号の特性値と予め定められたオフセット値とを加算して受信特性値を求めると共に、送信信号の特性値とエコーリターンロス値とを加算して送信特性値を求める。
比較手段は、加算手段によって求められた受信特性値の大きさと送信特性値の大きさとを各周波数毎に比較し、調整手段が、比較手段による比較結果に基づいて受信信号のレベルを調整する。比較手段は、例えば減算によって比較を行う。また、除算によって比較を行うことも可能である。比較手段による比較によって、周波数毎にエコーに歪みがあるか否かが分かる。
このように、エコーリターンロス値を考慮した周波数毎の受信特性値の大きさと送信特性値の大きさとの比較に基づいて受信信号を調整することにより、エコーパスの歪みの発生を抑制することができると共に、エコーに歪みがないときにはゲインを増幅させることで通信品質を向上させることができる。
調整手段は、計数手段によって、送信特性値が受信特性値を超える周波数の個数、又は受信特性値が送信特性値以上である周波数の個数を計数して、判定手段によって計数手段による計数結果と予め定められた閾値とに基づいて、エコーパスに歪みが存在するか否かを判定して、ゲイン調整手段によって判定手段による判定結果に応じて受信信号のゲインを調整するようにするとよい。ゲイン調整手段は、例えば、送信特性値が受信特性値を超える周波数の個数が予め定められた閾値を超えた場合にはゲインを減衰させるように調整し、送信特性値が受信特性値を超える周波数の個数が予め定められた閾値以下の場合にはゲインを増幅させるように調整する。
また、ゲイン調整手段は、ゲインを予め定められた範囲内で調整するようにしてもよい。
さらに、ゲイン調整手段は、禁止信号が出力されたときは受信信号のゲインを増幅するように調整するようにしてもよい。
また、調整手段は、判定手段によって、比較結果に基づいて、エコー経路に歪みが存在するか否かを各周波数毎に判定して、減衰手段によって、受信信号から、判定手段によって歪みが存在すると判定された周波数成分を減衰させるようにしてもよい。これにより、受信信号を周波数成分毎に増幅、又は減衰をすることができる。
また、判定手段は、禁止信号により禁止が指示されたときは歪みが存在しないと判定するようにしてもよい。
第2の発明のエコーキャンセラは、第1の発明の受信信号調整装置と、受信信号に重畳されているエコー成分をキャンセルするキャンセル手段と、を含んで構成される。
これにより、エコーパスに非線形歪みが発生する環境であっても、エコーパスの特性の推定の乱れを防ぎ、エコーのキャンセル量を保ち、十分にエコーをキャンセルできる。
以上に説明したように、第1の発明は、エコーパスの歪みの発生を抑制することができると共に、通信品質を向上させることができる、という優れた効果を有する。
さらに、第2の発明は、エコーパスに発生する歪みに係わらず、エコーパスの特性の推定の乱れを防ぎ、エコーのキャンセル量を保ち、十分にエコーをキャンセルできる、という優れた効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るエコーキャンセラの構成を示している。
エコーキャンセラ10は、遠端から入力されたアナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ−ディジタル変換器(ADC)12、後述するエコーキャンセラ本体14、エコーキャンセラ本体14から出力されるディジタル信号Routをアナログ信号に変換するディジタル−アナログ変換器(DAC)16、コイルを含んで構成され、2線式構成と4線式構成との相互変換をするためのハイブリッド18、近端から入力されたアナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ−ディジタル変換器(ADC)20、及びエコーキャンセラ本体14から出力されるディジタル信号Soutをアナログ信号に変換するディジタル−アナログ変換器(DAC)22を含んで構成されている。
エコーキャンセラ本体14は、ADC12によりアナログ信号からディジタル信号に変換され、かつ後述するゲイン調整器38によってゲインが調整された受信入力信号Rinから擬似エコー信号を生成する適応フィルタ24、近端から入力されてディジタル信号Sinに変換された信号から適応フィルタ24から出力される擬似エコー信号を減算した送信音声データResを出力する減算器26、及びダブルトーク検出器28を含んで構成されている。
ADC12は、遠端より音声信号(アナログ信号)が入力されると、サンプリングを行って音声信号をディジタル信号に変換する。変換されたディジタル信号は、ゲイン調整器38でゲインが調整された後にエコーキャンセラ本体14の受信入力信号Rinとして出力される。エコーキャンセラ本体14は、受信入力信号Rinを入力する共に、受信出力信号Routを出力する。
DAC16は、受信出力信号Rout(ディジタル信号)をアナログ信号に変換する。
エコーパスEPは、ハイブリッド18のコイルのインピーダンスの不整合、及び図示を省略するスピーカとマイクロホンとの音響結合によって形成され、近端より入力される音声信号にエコー信号を加算して送信側に出力する。
ADC20は、サンプリングしてディジタル信号に変換した送信入力信号Sinをエコーキャンセラ本体14に与える。
適応フィルタ24は、エコーパスEPの特性を推定して、この推定した特性と受信入力信号Rinとに基づく演算によってエコー信号と推定される擬似エコー信号Sinhを生成すると共に、生成した擬似エコー信号Sinhを減算器26へ出力する。
減算器26は、送信入力信号Sinから擬似エコー信号Sinhを減算して残差信号Resを出力する。残差信号Resは、適応フィルタ24にフィードバックされる。適応フィルタ24はこの残差信号Resも用いて、残差信号Resが最小になるように適応推定動作を行うとともに、エコーキャンセラ本体10は送信出力信号SoutをDAC22に出力する。
適応フィルタ24の推定動作に用いられるアルゴリズムとしては、LMS(Least Mean Square)アルゴリズム、NLMS(Normalized LMS)アルゴリズム、及びRLS(Recursive Least Square)アルゴリズム等が広く知られている。
DAC22は、送信出力信号Sout(ディジタル信号)をアナログ信号に変換すると共に、遠端側へ出力する。
ところで、適応フィルタ24の適応推定動作は、遠端から入力された音声信号のみが存在するシングルトーク状態のときは正常に行われるが、遠端から入力された信号と近端から入力された信号とが同時に存在するダブルトーク状態のとき、あるいは遠端から入力された有効な信号が存在しない無音状態のときは乱れやすいという問題がある。
ダブルトーク検出器28は、この問題を回避するために設けられている。ダブルトーク検出器28は、受信入力信号Rinと残差信号Resとを入力してダブルトーク状態や無音状態を検出して、適応フィルタ24の適応推定動作を停止させる。具体的には、ダブルトーク状態、及び無音状態の何れかの状態であると判定したときには、適応フィルタ24における推定動作の更新の禁止、後述するERL測定器30の動作の禁止、及び後述する歪み測定器36が歪みと判定する動作の禁止をするための推定動作禁止信号INH=1を出力する。一方、シングルトーク状態であると判定したときには、推定動作禁止信号INH=0を出力して、上述の禁止を解除する。なお、ダブルトーク検出回路28は、残差信号Resの代わりに、送信入力信号Sinが入力される構成であってもよい。
エコーキャンセラ10は、上記の構成に加えて、後述するエコーリターンロスERLを測定するERL測定器30、受信出力信号Routの周波数成分を分析する周波数分析器32、送信入力信号Sinの周波数成分を分析する周波数分析器34、エコーパスEPで歪みが起きているか否かを測定する歪み測定器36、及び受信入力信号Rinのゲインを調整するゲイン調整器38を更に備えている。図1における受信出力信号調整装置40は、上記ERL測定器30、周波数分析器32,34、歪み測定器36、ゲイン調整器38の他にダブルトーク検出器28を含むものとして構成されている。
次に、ERL測定器30によるエコーリターンロスERLの測定について説明する。
ERL測定器30は、図2に示されるように、パワー計算器42に受信出力信号Routを、パワー計算器44に送信入力信号Sinを入力すると共に、推定動作禁止信号INHを入力する。
パワー計算器42は、受信出力信号Routの振幅からパワーRoutPを求める。パワー計算器44は、送信入力信号Sinの振幅からパワーSinPを求める。
各パワー計算器42,44の出力端は減算器46に接続されている。減算器46は移動平均器48に接続されている。
減算器46は、パワーRoutPとパワーSinPとのパワー差を求め、求めたパワー差を移動平均器48に出力する。移動平均器48は、パワー差の移動平均を求めて、平均パワーERLを求める。但し、無音状態のときは、パワーRoutPとパワーSinPとの比較精度が悪化して、正確にエコーリターンロスERLを測定することができない。また、送信信号に近端音声信号が含まれているときは送信入力信号Sinにエコー信号と近端音声信号が混在してしまい、正確にエコーリターンロスERLを測定することができない。そこで、本実施の形態に係るERL測定器30は、ダブルトーク検出器28が出力する推定動作禁止信号INHを入力する。すなわち、ERL測定器30は、推定動作禁止信号INH=0のときは、ERL測定動作を通常実行して平均パワーERLを求めると共に、求めた平均パワーERLを歪み測定器36へ出力する。一方、推定動作禁止信号INH=1のときは、ERL測定動作を停止して過去の値を保持すると共に、保持している値を歪み測定器36へ出力する。これにより、本実施の形態に係るERL測定器30は、シングルトーク状態のときのパワー差のみから移動平均を求めることができ、正確にエコーリターンロスERLを測定することができる。
次に、周波数分析器32,34による受信出力信号Rout及び送信入力信号Sinの周波数分析について説明する。
周波数分析器32,34は、入力信号に高速離散フーリエ変換(FFT)を施し、個々の単一周波数成分に分解することにより周波数分析を行う。例えば、256点のFFTを用いて、入力信号を周波数成分に変換する。サンプリング周波数を8kHzとし、256点のFFTを用いた場合には、入力信号の0〜4kHzの帯域に対し128個の分解能で各周波数成分を計算して、パワースペクトルRoutP_f(k)、及びパワースペクトルSinP_f(k)を求めることができる。「k」は、分解した周波数のうちの何番目の周波数かを表す整数であり、0≦k≦127の128個の値を取り得る。
図3は、周波数分析器32,34によって求められたパワースペクトルRoutP_f(k)、及びパワースペクトルSinP_f(k)を重ねて図示している。
次に、図4を参照して歪み測定器36の説明を行なう。
歪み測定器36は、パワースペクトルSinP_f(k)及びエコーリターンロスERLとを入力して加算する加算器50と、パワースペクトルRoutP_f(k)と判定用オフセット値δfとを入力して加算する加算器52を備えている。加算器50,52による加算結果はカウンタ内蔵比較器54に出力される。
カウンタ内蔵比較器54は、加算結果を各周波数成分(k=0〜127)毎に比較すると共に、比較結果が下記の式(1)の条件を満たせば「1」をカウントし、比較終了後にカウント結果C_Fを比較器56へ出力する。
RoutP_f(k)+δf<SinP_f(k)+ERL …(1)
図5に図示される場合であれば、例えば、k=3のときは、RoutP_f(3)+δfがSinP_f(3)+ERLよりも大きいためカウントされない。一方、k=125のときは、RoutP_f(125)+δfがSinP_f(125)+ERLよりも小さいため1がカウントされる。このような比較を本実施の形態の場合は128回繰返して、カウント結果C_Fを求める。
比較器56は、カウント結果C_Fと予め定められているカウント結果の閾値TH_DISTとを比較し、制御信号DISTを出力する。比較器56は、制御信号DISTを、C_F>TH_DISTの場合には「1」とし、C_F≦TH_DISTの場合には「0」とする。
また、歪み測定器36は、推定動作禁止信号INHの値に応じて制御信号DISTの出力を強制的に「0」に切り替えるスイッチ58を備えている。すなわち、スイッチ58は、推定動作禁止信号INHが「1」のときは、強制的に制御信号DIST=0が出力されるように切り替える。これにより、安定的に歪み測定を行うことができる。
なお、本実施の形態では、判定用オフセット値δfには、例えば6dBを適用し、カウント結果の閾値TH_DISTには、例えば10を適用するが、値は前記の値に限定されるものではない。
歪み測定器36から出力された制御信号DISTは、受信入力信号Rinの出力前にゲインの調整処理を行なうように配置されたゲイン調整器38に入力される。
ゲイン調整器38は、下記の式(2)に示されるように、制御信号DISTが「1」ならば所定の間隔でゲインを減らす。
GAIN_R=GAIN_R−δL … (2)
GAIN_R:ゲイン
δL:ステップ値
(制御信号DIST=1かつLIM_L≦GAIN_R−δLの場合)
LIM_L:ゲインの下限
反対に、制御信号DISTが「0」ならば、下記の式(3)に示されるように、微小な間隔でゲインを増やしていく。
GAIN_R=GAIN_R+δLS … (3)
δLS:微小なステップ値
(制御信号DIST=0かつLIM_H>GAIN_R+δLSの場合)
LIM_H:ゲインの上限
また、下記の式(4)、(5)に示されるように、ゲインの上限及び下限を設定する。これにより、ゲインの調整範囲を変更することができる。
GAIN_R=LIM_L … (4)
(制御信号DIST=1かつLIM_L>GAIN_R−δLの場合)
GAIN_R=LIM_H … (5)
(制御信号DIST=0かつLIM_H≦GAIN_R+δLSの場合)
ゲイン調整器38によってゲインを調整することにより、エコーパスEPに歪みが発生した場合には、設定したゲインの範囲内でゲインを徐々に下げることによってエコーパスEPの歪みを抑えることができる。これにより、エコーキャンセラ10の動作を安定させることができる。さらに、エコーパスEPに歪みが存在しない場合には、ゲインを微小な間隔で上げる。これにより、通信に必要な音声レベルを確保することができる。
このように、本実施の形態によれば、送信入力信号のパワースペクトルとエコーリターンロスとの加算結果と、受信出力信号のパワースペクトルと判定用オフセット値との加算結果算器を周波数毎に比較し、比較結果に応じてゲイン調整器のゲインを調整することにより、受信入力信号の信号レベルを歪みが発生しないレベルまで落とすことにより、エコーキャンセラのキャンセル量の劣化を防止することが可能であると共に、エコーパスに歪みが存在しない場合は、受信入力信号の信号レベルを上げることにより、通信の品質を上げることが可能である。
(第2の実施の形態)
続いて、本発明の第2の実施の形態に係るエコーキャンセラについて説明する。
第1の実施の形態では、受信入力信号のゲインを調整するゲイン調整器を配置する場合について説明したが、第2の実施の形態では、受信入力信号を周波数成分毎に減衰させるフィルタ群制御部を配置する場合について説明する。以下では、第1の実施の形態と対応する部分についての説明を省略し、第1の実施の形態との差異を主として説明する。
図6は、第2の実施の形態に係るエコーキャンセラ60の構成図であり、第2の実施の形態に係るエコーキャンセラ60は、ダブルトーク検出器14、ERL測定器30、周波数分析器32,34、周波数成分にゆがみが発生しているか否かを測定する歪み測定器62、及び受信入力信号Rinの周波数成分を減衰させるフィルタ群制御器64を含んで構成される受信出力信号調整装置66を備えている。
まず、図7を参照して歪み測定器62の説明を行なう。
歪み測定器62は、パワースペクトルSinP_f(k)及びエコーリターンロスERLとを入力して加算する加算器68と、パワースペクトルRoutP_f(k)と判定用オフセット値δfとを入力して加算する加算器70を備えている。加算器68,70による加算結果は減算器72に出力される。
減算器72は、各周波数成分(k=0〜127)毎に下記の式(6)で表されるフィルタ制御信号FC(k)を求める。
FC(k)=(SinP_f(k)+ERL)−(RoutP_f(k)+δf)
… (6)
また、歪み測定器62は、推定動作禁止信号INHの値に応じてフィルタ制御信号FC(k)の出力を強制的に「0」に切り替えるスイッチ74を備えている。すなわち、スイッチ74は、推定動作禁止信号INHが「1」のときは、強制的にフィルタ制御信号FC(k)=0が出力されるように切り替える。これにより、安定的に歪み測定を行うことができる。
歪み測定器62は、フィルタ制御信号FC(k)をフィルタ群制御器64へ出力する。
なお、本実施の形態では、判定用オフセット値δfには、例えば6dBを適用するが、これに限定されるものではない。
続いて、図8を参照してフィルタ群制御器64の説明を行なう。
周波数成分に歪みが存在する場合はフィルタ制御信号FC(k)の値は正となるため、フィルタ制御信号FC(k)の値が正の周波数成分は減衰させたい。一方、周波数成分に歪みが存在しない場合はフィルタ制御信号FC(k)の値はゼロ又は負となるため、フィルタ制御信号FC(k)の値がゼロ又は負の周波数成分は増幅させたい。従って、本実施の形態では、フィルタ制御信号FC(k)の値によって、減衰させたい周波数成分と増幅させたい周波数成分とに分ける。
フィルタ群制御器64は、フィルタ群76とフィルタ選択回路78とを含んで構成されている。
フィルタ群76は、図9に示されるような128個のバンドストップフィルタ(FILT(0)〜FILT(127))を含んでおり、各バンドストップフィルタは、周波数分析器での分解能に対応する各周波数成分を減衰させる特性を持っている。
フィルタ選択回路78は、FC(k)>0のときFILT(k)を有効とし、FC(k)≦0のときFILT(k)を無効として、挿入するバンドストップフィルタを選択する。フィルタ選択回路78により、減衰させたい周波数成分のみ減衰させることができる。
このように、第2の実施の形態によれば、歪み測定器により周波数成分毎の演算を行い、フィルタ群制御器で歪みが存在する周波数成分のみを減衰させるので、エコーパスの非線形歪みの発生を軽減することができ、安定したエコーキャンセラ動作が実現でき、さらに通信の信号レベルを確保することができるため、通信品質の向上が期待できる。
なお、フィルタ制御信号FC(k)の値に応じて減衰させる値を変えることのできるフィルタを挿入してもよい。
また、多数のバンドストップフィルタを選択することにより歪みの存在する周波数成分を減衰させたが、適応フィルタ等を使用して、同様の周波数特性を持つフィルタを達成してもよい。
さらに、FC(k)>0の場合は周波数成分を減衰させるフィルタを挿入し、FC(k)≦0の場合は周波数成分を増幅させるフィルタを挿入する構成であってもよく、周波数成分の減衰レベル及び増幅レベルはフィルタ制御信号FC(k)の大きさに比例させるとようにする。これにより、歪みの存在する周波数成分については必要なだけ減衰させ、歪みの存在しない周波数成分については必要なだけ増幅させることが可能になる。
また、フィルタ制御信号FC(k)は減算によって求めているが、除算によって求めることも可能である。この場合、FC(k)>1か、FC(k)≦1かによってフィルタを選択する。
さらに、上述した実施の形態では周波数分析にFFTを使用しているが、周波数分析の方法はFFTに限定されるものではなく、例えば、線形予測分析等を用いて、スペクトルパラメータを求めてもよい。
本発明のエコーキャンセラは、電子回路上で動作するハードウェアで実現してもよいし、マイクロコントローラやディジタル信号プロセッサ上で動作するソフトウェアでも適用可能である。
本発明の第1の実施の形態に係るエコーキャンセラの構成を示している。 ERL測定器の構成を示している。 周波数分析器によって求められたパワースペクトルを示している。 歪み測定器の構成を示している。 歪み測定器による処理の概念図である。 第2の実施の形態に係るエコーキャンセラの構成を示している。 歪み測定器の構成を示している。 フィルタ群制御器の構成を示している。 フィルタ群の概念図である。
符号の説明
10 エコーキャンセラ
14 エコーキャンセラ本体
18 ハイブリッド
24 適応フィルタ
26 減算器
28 ダブルトーク検出器
30 ERL測定器
32,34 周波数分析器
36 歪み測定器
38 ゲイン調整器
40 受信出力信号調整装置
42,44 パワー計算器
46 減算器
48 移動平均器
50,52 加算器
54 カウンタ内蔵比較器
56 比較器
58 スイッチ
60 エコーキャンセラ
62 歪み測定器
64 フィルタ群制御器
66 受信出力信号調整装置
68,70 加算器
72 減算器
74 スイッチ
76 フィルタ群
78 フィルタ選択回路

Claims (8)

  1. 受信信号と送信信号との状態がダブルトーク状態であるか否かを検出するダブルトーク検出手段と、
    前記ダブルトーク検出手段によってダブルトーク状態であることが検出されていないときの前記受信信号、及び前記送信信号に基づいてエコーリターンロス値を測定するエコーリターンロス測定手段と、
    前記受信信号の周波数分析を行い、周波数毎の前記受信信号の特性値を求める受信信号周波数分析手段と、
    前記送信信号の周波数分析を行い、周波数毎の前記送信信号の特性値を求める送信信号周波数分析手段と、
    各周波数毎に、前記受信信号の特性値と予め定められたオフセット値とを加算して受信特性値を求めると共に、前記送信信号の特性値と前記エコーリターンロス値とを加算して送信特性値を求める加算手段と、
    前記加算手段によって求められた前記受信特性値の大きさと前記送信特性値の大きさとを各周波数毎に比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較結果に基づいて前記受信信号のレベルを調整する調整手段と、
    を含む受信信号調整装置。
  2. 前記ダブルトーク検出手段は、ダブルトーク状態であることを検出したときに、発生するエコーを推定する推定動作の禁止を指示する禁止信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の受信信号調整装置。
  3. 前記調整手段は、
    前記受信特性値が前記送信特性値より大きくなる周波数の個数、又は前記送信特性値が前記受信特性値より大きくなる周波数の個数を計数する計数手段と、
    前記計数手段による計数結果と予め定められた閾値とに基づいて、エコーパスに歪みが存在するか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果に応じて前記受信信号のゲインを調整するゲイン調整手段と、
    を含む請求項2に記載の受信信号調整装置。
  4. 前記ゲイン調整手段は、前記ゲインを予め定められた範囲内で調整する請求項3に記載の受信信号調整装置。
  5. 前記ゲイン調整手段は、前記禁止信号により前記禁止が指示されたときは前記受信信号のゲインを増幅するように調整する請求項3又は請求項4に記載の受信信号調整装置。
  6. 前記調整手段は、
    前記比較結果に基づいて、エコー経路に歪みが存在するか否かを各周波数毎に判定する判定手段と、
    前記受信信号から、前記判定手段によって歪みが存在すると判定された周波数成分を減衰させる減衰手段と、
    を含む請求項2に記載の受信信号調整装置。
  7. 前記判定手段は、前記禁止信号により前記禁止が指示されたときは歪みが存在しないと判定する請求項6に記載の受信信号調整装置。
  8. 前記請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の受信信号調整装置と、
    前記受信信号に重畳されているエコー成分をキャンセルするキャンセル手段と、
    を含むエコーキャンセラ。
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