JP2009126248A - 作業車両の独立型サスペンション - Google Patents

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Abstract

【課題】所望の制御モードを選択し、当該制御モードに基づく制御を行うことができる作業車両の独立型サスペンションを提供する。
【解決手段】制御モードとして少なくとも、車高を所定の高さに保つ自動モードと、車高を車高設定手段411により設定された高さに保つ手動モードと、機体が水平となるよう車高を調節する機体水平モードと、を有し、前記制御モードのうちいずれか一つの制御モードを選択し、当該制御モードに基づく制御を行う制御部450と、制御部450が選択する制御モードを切り換える指示を出すモード切換手段412と、を具備し、制御部450は、モード切換手段412による指示に係る情報に基づいて、選択する制御モードを切り換えるよう構成した。
【選択図】図3

Description

本発明は、農作業、建築、運搬作業等に用いる作業車両に用いられる独立型サスペンションに関する。
従来、作業車両の独立型サスペンションに関する技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の技術の如くである。特許文献1に記載された技術は、トラクタの前方サスペンションに関するものである。
特開2002−137613号公報
上述した特許文献1に開示された構成では、走行時や作業時等にトラクタの前輪が地面の凹凸から受ける衝撃を、サスペンションを構成するシリンダやポート等を介してアキュムレータに伝達し吸収することができる。
つまり、走行時や作業時等に前記トラクタの前輪が地面の凹凸から受ける衝撃によりシリンダが伸縮する。前記シリンダは、前記ポートや油圧回路を構成する油路等を介して前記アキュムレータと連通接続されており、油圧回路内に満たされた作動油により前記シリンダが受けた衝撃は前記アキュムレータに伝達され吸収される。このようなサスペンションにより衝撃を吸収する機能を、以下では単に「サスペンション機能」と呼ぶ。
このような構成のサスペンションにおいて、制御装置を用いて前記シリンダの伸縮動作を制御する場合、作業車両の走行や作業内容に合わせた種々の制御モードを利用することが考えられる。複数の制御モードに基づく制御が可能な制御装置により前記サスペンションの制御を行う場合、前記作業車両の走行や作業内容に合わせて適切な制御モードを選択して実行する必要がある。しかし、走行状態や作業内容に応じてモードや高さを設定変更することは操作が面倒であり、また走行状態や作業内容が変わるとモード変更を忘れることがある。
そこで本発明は、所望の制御モードを選択し、当該制御モードに基づく制御を行うことができる作業車両の独立型サスペンションを提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、制御モードとして少なくとも、車高を所定の高さに保つ自動モードと、車高を車高設定手段により設定された高さに保つ手動モードと、機体が水平となるよう車高を調節する機体水平モードと、を有し、前記自動モード及び前記機体水平モードは、路上走行モードと、作業車両に装着される作業機に応じた車高に調節する作業モードと、をそれぞれ備え、前記制御モードのうちいずれか一つの制御モードを選択し、当該制御モードに基づく制御を行う制御部と、前記制御部が選択する制御モードを切り換える指示を出すモード切換手段と、を具備し、前記制御部は、前記モード切換手段による指示に係る情報に基づいて、選択する制御モードを切り換えるものである。
請求項2においては、前記作業車両に作業機が装着されたことを検出する作業機検出手段を具備し、前記制御部は、前記作業機検出手段による検出に係る情報に基づいて前記作業車両に作業機が装着されたと判断した場合には、選択する制御モードを路上走行モードから作業モードに切り換えるものである。
請求項3においては、前記作業車両の走行速度を検出する走行速度検出手段を具備し、前記制御部は、手動モードに基づく制御を行っている際に、前記走行速度検出手段による検出に係る情報に基づいて前記作業車両が所定の走行速度以上で走行していると判断した場合には、選択する制御モードを手動モードから自動モードに切り換えるものである。
請求項4においては、前記制御部が行う制御に係る情報を表示する表示部を具備するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1の如く構成することで、任意の制御モードを選択し、当該制御モードに基づく制御を行うことが可能となる。また、簡単な操作で各制御モードを瞬時に切り換えることが可能となり、作業車両の操作性を向上させることが可能となる。
請求項2の如く構成することで、作業車両に作業機が装着された場合、選択する制御モードを自動的に路上走行モードから作業モードに切り換えることが可能となる。これにより、煩雑な手動による操作をする必要がなく、制御モードを確実に作業モードへと切り換えることが可能となる。
請求項3の如く構成することで、作業車両の走行速度が所定の走行速度以上になった場合には自動的に手動モードから自動モードに切り換えることが可能となる。これにより、トラクタが高速で走行する際にはモード切換手段による指示にかかわらずトラクタを安定した姿勢に保つことが可能となる。
請求項4の如く構成することで、制御部による制御に係る情報をオペレータが容易に確認することが可能となる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
まず、本発明に係る作業車両の実施の一形態であるトラクタ1の全体構成について図1及び図2を用いて説明する。
なお、本発明に係る作業車両は本実施例で説明する農業用車両であるトラクタに限らず、ローダやバックホー等の建設機械等の作業車両にも利用可能である。
また、以下の説明では図1における矢印X方向をトラクタ1の前方向、図2における矢印Y方向をトラクタ1の左方向として説明する。
トラクタ1は種々の作業機(ロータリ、フロントローダ等)を装着し、装着した作業機を用いて種々の作業を行うものである。トラクタ1は主として機体フレーム5、エンジン10、クラッチ20、トランスミッション30、後車軸機構40、キャビン50、油圧昇降機構70、前車軸機構80等を具備する。また、本実施例におけるトラクタ1は作業機であるフロントローダ60を装着している。
機体フレーム5はトラクタ1の骨格となる部材である。機体フレーム5は略長方形の板状の部材を複数用いて形成される略箱状の部材である。
エンジン10はトラクタ1の車輪を駆動する回転動力を発生させるものである。エンジン10は機体フレーム5の前後方向の中途部に固設される。エンジン10により発生された回転動力はエンジン10に具備される出力軸(図示せず)より出力される。
エンジン10の上方にはエンジン10を覆う部材であるボンネット11が配置される。
クラッチ20はエンジン10により発生された回転動力を伝達するものである。クラッチ20はエンジン10の後部に配置される。クラッチ20はエンジン10の出力軸に連結され、出力軸から伝達されるエンジン10の回転動力をクラッチ20に連結される伝達軸(図示せず)へと伝達する。
また、クラッチ20によってエンジン10の出力軸とクラッチ20の伝達軸との連結を解くことが可能である。エンジン10の出力軸とクラッチ20の伝達軸との連結が解かれた場合、エンジン10の出力軸からクラッチ20の伝達軸への回転動力の伝達が断たれる。
トランスミッション30は入力された回転動力を変速(減速)するものである。トランスミッション30は機体フレーム5の後端部に固設される。トランスミッション30は略箱状の部材であるトランスミッションケース31と、トランスミッションケース31内に配置された複数のギヤ(図示せず)と、から構成される。
トランスミッション30はクラッチ20の伝達軸と連結され、クラッチ20の伝達軸から伝達される回転動力を前記複数のギヤにより変速する。
また、トランスミッションケース31の後面の略中央部には、後方へ向けてPTO軸32が突設される。PTO軸32の一端はトランスミッションケース31内に配置された複数のギヤに連結されており、トランスミッション30により変速された回転動力により回転する。
なお、本実施例におけるトランスミッションはギヤのみを用いて変速するもの以外に、油圧ポンプを駆動して発生させた油圧を油圧モータで回転力に変換するものや、摩擦により変速比を連続的に変化させるもの等を用いることも可能である。
後車軸機構40はトラクタ1を後輪42・42により支持すると共にトランスミッション30により変速された回転動力を後輪42・42へと伝達するものである。後車軸機構40は主として後車軸41、後輪42等を具備する。
後車軸41・41はトランスミッション30により変速された回転動力により回転するものである。後車軸41・41の一端はそれぞれトランスミッション30に連結され、トランスミッションケース31の左側面及び右側面からそれぞれ左方向及び右方向へ向けて突設される。
後輪42・42はトラクタ1を支持すると共にトラクタ1の駆動力を地面に伝達するものである。後輪42・42の中央部は後車軸41・41の他端にそれぞれ固設され、後車軸41・41が回転することにより後輪42・42も回転される。後輪42・42が回転することによりトラクタ1は前進又は後進することができる。
キャビン50はトラクタ1のオペレータが乗車する空間を覆うものである。キャビン50の内部にはシート51、ステアリングハンドル52、メータパネル53、クラッチペダル54、左ブレーキペダル55L、右ブレーキペダル55R等が具備される。
シート51はオペレータが着座するものである。シート51はキャビン50内の後部に配置される。
ステアリングハンドル52はオペレータがトラクタ1を操舵するために操作するものである。ステアリングハンドル52は略リング状の部材であり、キャビン50内の前部であってシート51に着座したオペレータにより操作することが可能な位置に配置される。ステアリングハンドル52は図示せぬ操舵機構に連結され、ステアリングハンドル52が操作されることによりトラクタ1の前輪85・85が操舵される。
メータパネル53はトラクタ1に関する情報を表示する表示部である。メータパネル53はシート51の前方に配置される。メータパネル53にはトラクタ1の走行速度やエンジン10の回転数、燃料の残量等の種々の情報を表示することができる表示部である。
クラッチペダル54はクラッチ20を操作するためのものである。クラッチペダル54はステアリングハンドル52の左方下方に配置される。クラッチペダル54はクラッチ20と連結される。オペレータによりクラッチペダル54が操作される(クラッチペダル54が踏み込まれる)とクラッチ20によるエンジン10の出力軸とクラッチ20の伝達軸との連結が解かれる。
左ブレーキペダル55L及び右ブレーキペダル55Rはトラクタ1を制動するための操作をするためのものである。
左ブレーキペダル55Lはステアリングハンドル52の右方下方に配置される。左ブレーキペダル55Lはトラクタ1の左側の後車軸41を制動する左後車軸制動機構(図示せず)と連結される。オペレータにより左ブレーキペダル55Lが操作される(左ブレーキペダル55Lが踏み込まれる)と左後車軸制動機構によりトラクタ1の左側の後車軸41が制動され、ひいてはトラクタ1の左側の後輪42が制動される。
右ブレーキペダル55Rはステアリングハンドル52の右方下方であって左ブレーキペダル55Lの右方に配置される。右ブレーキペダル55Rはトラクタ1の右側の後車軸41を制動する右後車軸制動機構(図示せず)と連結される。オペレータにより右ブレーキペダル55Rが操作される(右ブレーキペダル55Rが踏み込まれる)と右後車軸制動機構によりトラクタ1の右側の後車軸41が制動され、ひいてはトラクタ1の右側の後輪42が制動される。
また、キャビン50の外部にはフェンダ56・56が具備される。
フェンダ56・56は後輪42・42の外周の前端から上端を経て上端の後方までを覆うように、キャビン50の左側面及び右側面にそれぞれ固設される。
フロントローダ60はトラクタ1の前部に装着され、土砂の運搬や掘削等の作業に用いるものである。フロントローダ60は主としてブラケット61、バケットリフトアーム62、バケットリフトシリンダ63、中間リンク64、バケットシリンダ65、バケットリンク66、バケット67等を具備する。
ブラケット61はフロントローダ60を支持するものである。ブラケット61・61はボンネット11の左右両側にそれぞれ配置され、当該ブラケット61・61の下端はそれぞれ機体フレーム5の左右両側に固設される。
バケットリフトアーム62は前後中央部が両端を結ぶ直線より上方に屈曲して形成される板状の部材である。バケットリフトアーム62・62の後端部はブラケット61・61の上端にそれぞれ上下に回動可能に支持される。
バケットリフトシリンダ63はバケットリフトシリンダ本体63a、及びリフトシリンダ本体63aに摺動可能に挿入されたバケットリフトシリンダロッド63bからなる油圧シリンダである。
バケットリフトシリンダ63・63のバケットリフトシリンダ本体63a・63a側の端部はそれぞれブラケット61・61の上下略中央部に上下に回動可能に支持される。
バケットリフトシリンダ63・63のバケットリフトシリンダロッド63b・63b側の端部はそれぞれバケットリフトアーム62・62の中途部に上下に回動可能に支持される。
中間リンク64は略三角形状の板状の部材である。中間リンク64・64の下端部はそれぞれバケットリフトアーム62・62の前部に前後に回動可能に支持される。
バケットシリンダ65はバケットシリンダ本体65a、及びバケットシリンダ本体65aに摺動可能に挿入されたバケットシリンダロッド65bからなる油圧シリンダである。
バケットシリンダ65・65のバケットシリンダ本体65a・65a側の端部はそれぞれバケットリフトアーム62・62の前後略中央部に上下に回動可能に支持される。
バケットシリンダ65・65のバケットシリンダロッド65b・65b側の端部はそれぞれ中間リンク64・64の上後部に上下に回動可能に支持される。
バケットリンク66は丸棒状のものである。バケットリンク66・66の後端はそれぞれ中間リンク64・64の上前部に上下に回動可能に支持される。
バケット67はフロントローダ60の作業部となるものである。バケット67の後面下部はバケットリフトアーム62・62の前端に上下に回動可能に支持される。バケット67の後面上部はバケットリンク66・66の前端に上下に回動可能に支持される。
上記の如く構成されたフロントローダ60において、図示せぬ操作部によりバケットリフトシリンダロッド63b・63bを伸縮させることによりフロントローダ60の前側(バケット67側)を上下に昇降させることができる。
また、図示せぬ操作部によりバケットシリンダロッド65b・65bを伸縮させることによりバケット67をバケットリフトアーム62・62に対して上下に回動させることができる。
上記操作とトラクタ1の前後進とを組み合わせることにより、フロントローダ60を用いた土砂の運搬や掘削等の作業を行うことができる。
油圧昇降機構70はロータリ等の作業機を昇降可能に支持する作業機装着装置である。油圧昇降機構70は主として上部カバー71、昇降シリンダ72、リフトアーム73、リフトロッド74L・74R、リフトロッドシリンダ75、ロワリンク76、トップリンク77等を具備する。
上部カバー71は略箱状の部材である。上部カバー71はトランスミッションケース31の上部に配置される。
昇降シリンダ72は昇降シリンダ本体72a、及び昇降シリンダ本体72aに摺動可能に挿入された昇降シリンダロッド72bからなる油圧シリンダである。
昇降シリンダ本体72aは昇降シリンダロッド72bが後方に向かって伸縮可能となる向きで上部カバー71内に配置される。
リフトアーム73・73は板状の部材である。リフトアーム73・73の一端(前端)は上部カバー71の左側面と右側面とを貫通する孔に挿入された一本のリフトアーム軸73aの両端にそれぞれ固設される。
リフトアーム軸73aの略中央部には棒状の連結部材73bの一端が前記リフトアーム軸73aに対して垂直に固設される。連結部材73bの他端は昇降シリンダロッド72bの端部と連結される。
昇降シリンダ72が油圧により昇降シリンダロッド72bを伸縮させることで、連結部材73bを介してリフトアーム軸73aを回動させ、ひいてはリフトアーム73・73の他端(後端)を上下に昇降させる。
リフトロッド74L・74Rはリフトアーム73・73とロワリンク76・76とを連結するものである。リフトロッド74L・74Rは略棒状の部材である。
リフトロッド74Lの一端(上端)はトラクタ1の左側のリフトアーム73の後端に連結される。
リフトロッド74Rの一端(上端)はトラクタ1の右側のリフトアーム73の後端に連結される。
リフトロッドシリンダ75はリフトロッドシリンダ本体75a、及びリフトロッドシリンダ本体75aに摺動可能に挿入されたリフトロッドシリンダロッド75bからなる油圧シリンダである。リフトロッドシリンダ75はリフトロッド74Lの中途部に設けられる。
リフトロッドシリンダ75が油圧によりリフトロッドシリンダロッド75bを伸縮させることで、リフトロッド74Lを長手方向に伸縮させることができる。
ロワリンク76・76はトラクタ1に装着される作業機を支持するものである。ロワリンク76・76は板状の部材であり、ロワリンク76・76の一端(前端)はトランスミッションケース31の左側面の後部及び右側面の後部にそれぞれ上下に回動可能に支持される。
トラクタ1の左側のロワリンク76の中途部はリフトロッド74Lの下端に連結される。
トラクタ1の右側のロワリンク76の中途部はリフトロッド74Rの下端に連結される。
トップリンク77はトラクタ1に装着される作業機を支持するものである。トップリンク77の一端(前端)はトップリンクブラケット77aを介して上部カバー71に上下に回動可能に支持される。
ロワリンク76・76の後端及びトップリンク77の後端をロータリ等の作業機に連結させることで、油圧昇降機構70を介してトラクタ1に当該作業機が装着される。
昇降シリンダ72が昇降シリンダロッド72bを伸縮させることで、リフトアーム73・73、リフトロッド74L・74R等を介してロワリンク76・76の後端が上下に昇降され、ひいてはトラクタ1に装着された作業機が上下に昇降される。
リフトロッドシリンダ75がリフトロッドシリンダロッド75bを伸縮させることで、トラクタ1の左側のロワリンク76がトラクタ1の右側のロワリンク76とは独立して昇降される。これにより油圧昇降機構70を介してトラクタ1に装着された作業機の左右方向の傾斜を変化させることが可能となる。
また、トラクタ1に装着された作業機とPTO軸32とをユニバーサルジョイント等を用いて連結することで、回転動力を当該作業機に伝達することができる。
前車軸機構80はトラクタ1を前輪85・85により支持すると共にトランスミッション30により変速された回転動力を前輪85・85へと伝達するものである。前車軸機構80は主としてセンターケース81、差動装置82、前輪駆動軸83、最終減速装置84、前輪85、独立型サスペンション90等を具備する。
センターケース81は箱状の部材であり、機体フレーム5の前部であって機体フレーム5の下部に固設される。
差動装置82は回転動力を分配するものである。差動装置82はセンターケース81内に配置される。トランスミッション30により変速された回転動力は推進軸(図示せず)を介して差動装置82に伝達される。トランスミッション30から伝達された回転動力は差動装置82によってトラクタ1の左右両方向へと分配される。
前輪駆動軸83・83は回転動力を伝達するものである。前輪駆動軸83・83の一端は差動装置82に連結され、センターケース81の左側面及び右側面からそれぞれ左方向及び右方向へ向けて突設される。
最終減速装置84・84は入力された回転動力を減速して出力するものである。最終減速装置84・84は遊星歯車機構等で構成される。最終減速装置84・84の入力側はユニバーサルジョイント83a・83aを介して前輪駆動軸83・83の他端とそれぞれ連結される。
前輪85・85はトラクタ1を支持すると共にトラクタ1の駆動力を地面に伝達するものである。前輪85・85の中央部は最終減速装置84・84の出力側に連結される
トランスミッション30により変速された回転動力は差動装置82及び前輪駆動軸83・83を介して最終減速装置84・84へ伝達される。最終減速装置84・84に伝達された回転動力は最終減速装置84・84により減速された後、前輪85・85へ伝達され、前輪85・85は回転される。前輪85・85が回転することによりトラクタ1は前進又は後進することができる。
以下では図2から図3を用いて本発明に係る作業車両の独立型サスペンションの実施の一形態である独立型サスペンション90について説明する。
独立型サスペンション90・90はトラクタ1が前輪85・85を介して地面から受ける衝撃を和らげるものである。独立型サスペンション90は主としてアッパーアーム91、ロワアーム92、ジョイント93、サスペンションシリンダ94、サスペンション油圧回路95等を具備する。
なお、本実施例に係るトラクタ1においては、同じ構造の独立型サスペンション90・90(サスペンション油圧回路95を除く)がセンターケース81の左右両側に左右対称に設けられている。以下では一方(左側)の独立型サスペンション90についてのみ説明し、他方(右側)の独立型サスペンション90については説明を省略する。
アッパーアーム91はジョイント93を支持する部材である。アッパーアーム91の一端は機体フレーム5の左側面にアッパーアームブラケット91aを介して上下に回動可能に支持される。
ロワアーム92はジョイント93を支持する部材である。ロワアーム92の一端はセンターケース81の左下部に上下に回動可能に支持される。
ジョイント93は最終減速装置84を支持するものである。
ジョイント93の上部はアッパーアーム91の他端に前後及び上下に回動可能に支持される。
ジョイント93の下部はロワアーム92の他端に前後及び上下に回動可能に支持される。
ジョイント93の左側面には最終減速装置84が回動可能に設けられている。
上記の如く構成することにより、前輪85は最終減速装置84、ジョイント93、アッパーアーム91及びロワアーム92を介してトラクタ1の機体フレーム5及びセンターケース81に上下に回動可能に支持される。
サスペンションシリンダ94はサスペンションシリンダ本体94a、及びサスペンションシリンダ本体94aに摺動可能に挿入されたサスペンションシリンダロッド94bからなる油圧シリンダである。
サスペンションシリンダ94のサスペンションシリンダ本体94a側の端部は機体フレーム5の左側面にシリンダブラケット94cを介して上下に回動可能に支持される。
サスペンションシリンダ94のサスペンションシリンダロッド94b側の端部はロワアーム92の中途部に上下に回動可能に支持される。
サスペンション油圧回路95は独立型サスペンション90内の作動油の流れを制御するものである。サスペンション油圧回路95は主として第一油路100、第三油路300、第二油路200、制御機構400等を具備する。
第一油路100はトラクタ1の機体左右にそれぞれ設けられたサスペンションシリンダ94・94に連通接続され、サスペンションシリンダ94・94同士を連通接続するものである。第一油路100は主としてストップ弁101、圧力取り出しポート102、オーバーロード用油路103、オーバーロード弁104等を具備する。
ストップ弁101は油路を遮断することができるものである。ストップ弁101・101は第一油路100の中途部であってサスペンションシリンダ94・94の近傍にそれぞれ設けられる。サスペンションシリンダ94・94のメンテナンス時等にはストップ弁101・101を閉じることで第一油路100の連通を遮断し、第一油路100内の作動油の流出を防止することができる。
圧力取り出しポート102は第一油路100内の圧力を取り出すものである。圧力取り出しポート102は第一油路100の中途部であってストップ弁101・101の間に設けられる。不具合発生時等には、図3に示すように圧力取り出しポート102に圧力計102aを接続することで第一油路100内の圧力を確認することができる。
オーバーロード用油路103は第一油路100とトランスミッションケース31とを連通するものである。
トランスミッションケース31はトランスミッション30を構成する部材の一つであると同時に、サスペンション油圧回路95に用いられる作動油を貯溜するオイルタンクでもある。
オーバーロード用油路103の一端は第一油路100の中途部であってストップ弁101・101の間に連通接続される。オーバーロード用油路103の他端はトランスミッションケース31に連通接続される。
オーバーロード弁104は予め設定された圧力を超える圧力が加えられると開く弁である。オーバーロード弁104はオーバーロード用油路103の中途部に設けられる。
第一油路100内の圧力がオーバーロード弁104に予め設定された圧力以下である場合、オーバーロード弁104は閉じられオーバーロード用油路103は遮断される。
サスペンションシリンダ94・94に過大な負荷が加えられること等により第一油路100内の圧力がオーバーロード弁104に予め設定された圧力を超える場合、オーバーロード弁104が開かれることによりオーバーロード用油路103は連通され、第一油路100内の作動油をトランスミッションケース31へと流出させることでサスペンション油圧回路95の破損等を防止することができる。
第二油路200は第一油路100とトランスミッションケース31とを連通接続するものである。第二油路200の一端は第一油路100の中途部であってストップ弁101・101の間に連通接続される。第二油路200の他端はトランスミッションケース31に連通接続される。第二油路200は主として油圧ポンプ201、サクションフィルタ202、流通方向切換手段203、圧力補償型流量制御弁204、アンロード用油路205、アンロード用電磁弁206、リリーフ用油路207、リリーフ弁208等の間を連通する。
なお、以下では説明の便宜上、第二油路200におけるトランスミッションケース31側を上流側、第一油路100側を下流側と定義し、当該定義に基づいて以下の説明を行う。
油圧ポンプ201はエンジン10の回転動力を用いて作動油を圧送するものである。油圧ポンプ201は第二油路200の中途部に設けられる。油圧ポンプ201はエンジン10の動力により駆動される。油圧ポンプ201が駆動することによりトランスミッションケース31内の作動油は第二油路200のトランスミッションケース31側の一端から吸い上げられ、第一油路100側の他端へと圧送される。
サクションフィルタ202は作動油内に混入した不純物を除去するものである。サクションフィルタ202は第二油路200のトランスミッションケース31側の一端部に設けられる。第二油路200のトランスミッションケース31側の一端から吸い上げられる作動油は、サクションフィルタ202を通過する際に不純物を除去される。
流通方向切換手段203は第二油路200内の作動油の流通可能な方向を切り換え、又は作動油の流通を遮断するものである。流通方向切換手段203は第二油路200の中途部に設けられる。流通方向切換手段203は主として上昇電磁弁203a、下降電磁弁203b等から構成される。
上昇電磁弁203aは電磁力により作動する弁である。上昇電磁弁203aは第二油路200の中途部であって油圧ポンプ201の下流側に設けられる。
下降電磁弁203bは電磁力により作動する弁である。下降電磁弁203bは第二油路200の中途部であって上昇電磁弁203aの下流側に設けられる。
圧力補償型流量制御弁204は一方へ向かって通過する作動油の流量を一定に保つものである。圧力補償型流量制御弁204は第二油路200の中途部であって上昇電磁弁203aと下降電磁弁203bとの間に設けられる。圧力補償型流量制御弁204は主としてチェック弁204a、絞り204b、スプール(図示せず)等を具備する。
作動油が第二油路200の上流側から下流側へと流れる場合、作動油は圧力補償型流量制御弁204のチェック弁204aを通過する。
作動油が第二油路200の下流側から上流側へと流れる場合、絞り204bの前後の圧力差によって前記スプールが移動して圧力補償型流量制御弁204内の油路面積が変化する。つまり、圧力差が大きい場合には油路面積は縮小し、圧力差が小さい場合には油路面積は拡大する。このように圧力補償型流量制御弁204が作動することにより、絞り204bの前後の圧力差が変動しても作動油の流量を一定に保つことが可能となる。
アンロード用油路205は第二油路200の中途部とトランスミッションケース31とを連通接続するものである。アンロード用油路205の一端は第二油路200の中途部であって油圧ポンプ201と上昇電磁弁203aとの間に連通接続される。アンロード用油路205の他端はトランスミッションケース31と連通接続される。
アンロード用電磁弁206は電磁力により閉じられる弁である。アンロード用電磁弁206はアンロード用油路205の中途部に設けられる。
リリーフ用油路207は第二油路200の中途部とトランスミッションケース31とを連通接続するものである。リリーフ用油路207の一端は第二油路200の中途部であって油圧ポンプ201と上昇電磁弁203aとの間に連通接続される。リリーフ用油路207の他端はトランスミッションケース31と連通接続される。
リリーフ弁208は予め設定された圧力を超える圧力が加えられると開く弁である。リリーフ弁208はリリーフ用油路207の中途部に設けられる。
第二油路200内(油圧ポンプ201と上昇電磁弁203aとの間)の圧力がリリーフ弁208に予め設定された圧力以下である場合、リリーフ弁208は閉じられリリーフ用油路207は遮断される。
サスペンション油圧回路95に異常が発生する等によって第二油路200内(油圧ポンプ201と上昇電磁弁203aとの間)の圧力がリリーフ弁208に予め設定された圧力を超える場合、リリーフ弁208が開かれることによりリリーフ用油路207は連通され、第二油路200内の作動油をトランスミッションケース31へと流出させることでサスペンション油圧回路95の破損等を防止することができる。
第三油路300は第一油路100から分岐され、第一油路100と連通している。第三油路300の一端は第一油路100の中途部であってストップ弁101・101の間に連通接続される。第三油路300は主としてアキュムレータ301、第三油路遮断弁302等と連通している。
アキュムレータ301は作動油を介して伝達される衝撃を吸収するものである。アキュムレータ301・301は分岐点300aから2つに分岐された第三油路300の他端にそれぞれ連通接続される。
第三油路遮断弁302は電磁力により閉じられる弁である。第三油路遮断弁302は第三油路300の中途部であって、第三油路300が第一油路100と連通接続される一端と分岐点300aとの間に設けられる。
第三油路遮断弁302が開かれ第三油路300を連通している場合、前輪85・85が地面から受ける衝撃はサスペンションシリンダ94・94、第一油路100及び第三油路300内の作動油を介してアキュムレータ301・301に伝達され、アキュムレータ301・301によって吸収される。
なお、サスペンション油圧回路95に用いるアキュムレータ301の個数は1つ若しくは3つ以上でも良く、衝撃を吸収する機能を十分に果たすことができるだけの容量が確保されていればよい。
制御機構400は種々の入力信号に基づいてサスペンション油圧回路95に具備される電磁弁等を操作するものである。制御機構400は主としてポジションセンサ401、走行速度検出手段402、機体角度検出手段403、作業機検出手段404、車高設定手段411、制御部450等を具備する。
ポジションセンサ401はサスペンションシリンダロッド94bの伸び量(若しくは縮み量)を検出する伸縮量検出手段である。ポジションセンサ401・401はサスペンションシリンダ94・94にそれぞれ設けられている。ポジションセンサ401・401はサスペンションシリンダロッド94b・94bが基準位置Aから伸びた量(若しくは縮んだ量)を検出する。
ここで「基準位置A」とはサスペンションシリンダロッド94b・94bの伸縮を判断する基準となる位置である。本実施例においてはサスペンションシリンダロッド94b・94bが伸縮可能なストローク範囲の略中央の位置を「基準位置A」と定義する。また、本実施例に係る独立型サスペンション90は、サスペンションシリンダロッド94b・94bが基準位置Aにある場合に、トラクタ1の機体が地面に対して略平行となるように構成する。
走行速度検出手段402はトラクタ1の走行速度を検出するものである。具体的には、走行速度検出手段402はトラクタ1の後車軸41の近傍に設けられ、後車軸41の回転数を検出する。
機体角度検出手段403はトラクタ1の機体の前後方向の傾きを検出するものである。機体角度検出手段はトラクタ1に設けられ、トラクタ1の機体の前後方向の水平に対する傾きを検出する。機体角度検出手段403は加速度センサや振り子式傾斜センサ等で構成することができる。
作業機検出手段404はトラクタ1にロータリ耕耘装置や肥料撒布機、フロントローダ等の作業機が装着された事を検知するものである。作業機検出手段404は作業機の取付部分に設けられる。例えば油圧昇降機構70を介して作業機を装着する場合には、作業機検出手段404はトップリンク77またはロアリンク76の後端に設けられ、フロントローダを装着する場合には、機体フレーム5のブラケット61取付部に設けられる。作業機検出手段404は接触センサやスイッチ等で構成することができる。
車高設定手段411はサスペンションシリンダロッド94b・94bの基準位置からの伸縮量を指示するものである。車高設定手段411はキャビン50内のシート51近傍に設けられている。シート51周辺とは、シート51に着座してトラクタ1を運転しているオペレータから操作可能な位置である。
車高設定手段411はダイヤル状のスイッチ等により構成され、オペレータに操作されることによりサスペンションシリンダロッド94b・94bの基準位置からの伸縮量を無段階的に指示することができる。
制御部450は入力される種々の情報等に基づいて流通方向切換手段203、アンロード用電磁弁206等の作動を制御するものである。
制御部450は、具体的にはCPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。
制御部450には流通方向切換手段203、アンロード用電磁弁206等の動作を制御するための種々のプログラム及びデータが格納される。
制御部450はポジションセンサ401・401に接続され、ポジションセンサ401・401によるサスペンションシリンダロッド94b・94bの伸縮量の検出を検出信号として受信することが可能である。
制御部450は走行速度検出手段402に接続され、走行速度検出手段402によるトラクタ1の後車軸41の回転数の検出を検出信号として受信することが可能である。
制御部450は機体角度検出手段403に接続され、機体角度検出手段403によるトラクタ1の機体の前後方向の傾きの検出を検出信号として受信することが可能である。
制御部450は作業機検出手段404に接続され、作業機検出手段404による作業機の装着の検出を検出信号として受信することが可能である。
制御部450は車高設定手段411に接続され、車高設定手段411によるサスペンションシリンダロッド94b・94bの基準位置からの伸縮量の指示に係る情報を検出信号として受信することが可能である。
制御部450はメータパネル53に接続され、制御部450による制御の情報に係る信号をメータパネル53に送信することが可能である。
制御部450は流通方向切換手段203、アンロード用電磁弁206等の作動を制御する制御モードとして、自動モード、手動モード、機体水平モード等を有する。
以下では制御部450による上記各制御モードに基づく制御について説明する。
まず、図4から図6を用いて制御部450の自動モードに基づく制御について説明する。自動モードはトラクタ1の機体前部の車高を予め設定される所定の高さに保つ制御モードである。
制御部450はポジションセンサ401・401によるサスペンションシリンダロッド94b・94bの基準位置Aからの伸縮量の検出を検出信号として受信する。制御部450は当該検出信号に基づいて、サスペンションシリンダロッド94b・94bの基準位置Aからの伸縮量の平均値(平均伸縮量EM)を算出する(図4、S110)。平均伸縮量EMを算出するのは、サスペンションシリンダ94・94同士は連通接続されており、2つのサスペンションシリンダ94・94の伸縮量は必ずしも一致しないためである。
制御部450は平均伸縮量EMに基づいて、平均伸縮量EMが設定範囲内となるように上昇電磁弁203a、下降電磁弁203b、アンロード用電磁弁206等の動作を制御する。つまり、平均伸縮量EMが設定範囲(−L≦EM≦+L)に位置するように制御する。この設定範囲は図示しない設定機により任意に設定可能であり、設定値Lは、例えば、小さな凹凸や振動等でトラクタ1がハンチングしない値とする。即ち、前記設定範囲とは不感帯である。
図4に示すように、制御部450は平均伸縮量EMが+Lより大きい値であるか否か判断する(S120)。
図5に示すように、平均伸縮量EMが+Lより大きい値である(トラクタ1の機体前部の車高が、サスペンションシリンダロッド94b・94bが基準位置Aにある場合の車高よりも設定値L以上伸びている)場合、制御部450は下降電磁弁203bの作動に係る信号を下降電磁弁203bに送信する(図4、S130)。当該信号により下降電磁弁203bは作動し、第二油路200における下降電磁弁203bの下流側と上流側とを連通する。
下降電磁弁203bにより第二油路200が連通されると、サスペンションシリンダ94・94、第一油路100及び第三油路300内の作動油は下降電磁弁203b、圧力補償型流量制御弁204及び上昇電磁弁203aを介してトランスミッションケース31へと戻される。これによりサスペンションシリンダ94・94内の作動油を流出させ、サスペンションシリンダロッド94b・94bを縮めることが可能となる。
制御部450は平均伸縮量EMが+Lより大きい値でないと判断した場合(図4、S120)、平均伸縮量EMがA+Lより小さい値であるか否か判断する(図4、S140)。
図6に示すように、平均伸縮量EMが−Lより小さい値である(トラクタ1の機体前部の車高が、サスペンションシリンダロッド94b・94bが基準位置Aにある場合の車高よりも設定値L以上縮んでいる)場合、制御部450は上昇電磁弁203a及びアンロード用電磁弁206の作動に係る信号を上昇電磁弁203a及びアンロード用電磁弁206にそれぞれ送信する(図4、S150)。当該信号により上昇電磁弁203aが作動し、第二油路200における上昇電磁弁203aの上流側と下流側とを連通すると共に、アンロード用電磁弁206が作動し、アンロード用油路205内の作動油の流れを遮断する。
上昇電磁弁203aにより第二油路200が連通されると、油圧ポンプ201の駆動によりトランスミッションケース31から吸い上げられた作動油は上昇電磁弁203a、圧力補償型流量制御弁204及び下降電磁弁203bを介して第一油路100へと圧送される。これによりサスペンションシリンダ94・94内へ作動油を圧送させ、サスペンションシリンダロッド94b・94bを伸ばすことが可能となる。
制御部450は平均伸縮量EMが−Lより小さい値でないと判断した場合(図4、S120)、即ち、平均伸縮量EMが設定範囲内になった場合、下降電磁弁203b、上昇電磁弁203a及びアンロード用電磁弁206の作動に係る信号の送信を停止し(図4、S160)、再び上昇電磁弁203aにより第二油路200内の作動油の流れを遮断させ、アンロード用電磁弁206によりアンロード用油路205内を連通させる。
制御部450は自動モードに基づく制御を行っている際に、自動モードに基づく制御を行っている旨の信号をメータパネル53に送信し、メータパネル53に自動モードに基づく制御を行っている旨を表示させる。
制御部450は平均伸縮量EMに基づいて、トラクタ1の機体前部の実際の車高を算出する。制御部450は当該車高の情報に係る信号をメータパネル53に送信し、メータパネル53にトラクタ1の機体前部の実際の車高を表示させる。
上記の如く、制御部450が自動モードに基づく制御を行うことにより、トラクタ1の機体前部の車高を予め設定される所定の高さ(サスペンションシリンダロッド94b・94bが基準位置Aにある際の高さ)に保つことが可能となる。これにより、トラクタ1の作業機を脱着した際や、作業中に機体にかかる負荷が変化した際等にトラクタ1の機体前部にかかる荷重が変化した場合にもトラクタ1の機体前部の車高を一定に保つことができ、トラクタ1を安定した姿勢に保つことが可能となる。
また、オペレータはメータパネル53の表示により、現在の制御モード及びトラクタ1の機体前部の車高を確認することが可能となる。
以下では図7から図12を用いて制御部450の手動モードに基づく制御について説明する。手動モードはトラクタ1の機体前部の車高をオペレータにより随時設定される高さに保つ制御モードである。
制御部450は自動モードに基づく制御を行う場合と同様に、平均伸縮量EMを算出する(図7、S201)。
制御部450は走行速度検出手段402によるトラクタ1の後車軸41の回転数の検出を検出信号として受信する。制御部450は当該検出信号に基づいてトラクタ1の走行速度Vを算出する(図7、S202)。具体的には、後車軸41の回転数及び予め制御部450に記憶されている後輪42の直径(若しくは半径)に基づいてトラクタ1の走行速度Vを算出する。
本実施例においてはトラクタ1の一方の後車軸41の回転数に基づいてトラクタ1の走行速度Vを算出するものとしたが、2つの後車軸41・41の回転数を検出し、当該回転数の平均値よりトラクタ1の走行速度Vを算出する構成とすることも可能である。
制御部450は車高設定手段411によるサスペンションシリンダロッド94b・94bの基準位置からの伸縮量の指示に係る情報を検出信号として受信する。具体的には、車高設定手段411はサスペンションシリンダロッド94b・94bの伸縮量を、サスペンションシリンダロッド94b・94bが基準位置Aから伸縮可能なストローク範囲に対する百分率(基準位置を0%として+100%から−100%まで)で無段階に指示することが可能である。
制御部450は車高設定手段411による検出信号に基づいて指示伸縮量EPを算出する(図7、S203)。指示伸縮量EPはオペレータが車高設定手段411を操作することにより指示されるサスペンションシリンダロッド94b・94bの基準位置からの伸縮量である。
図7に示すように、制御部450は走行速度Vがゼロであるか否か判断する(S210)。
走行速度Vがゼロである(トラクタ1が停車している)場合、制御部450は以下で説明する停車時制御(S211からS215まで)を行う。
走行速度Vがゼロである場合、制御部450は第三油路遮断弁302の作動に係る信号を第三油路遮断弁302に送信する(S211)。
制御部450が送信する第三油路遮断弁302の作動に係る信号により、第三油路遮断弁302は作動し、第三油路300内の作動油の流れを遮断する(図9及び図10参照)。
第三油路遮断弁302により第三油路300内の作動油の流れが遮断されると、サスペンションシリンダ94・94とアキュムレータ301・301との連通が遮断される。これにより、トラクタ1のサスペンション機能が停止する。
次に、制御部450は平均伸縮量EMが指示伸縮量EPよりも大きい値か否か判断する(図7、S212)。
平均伸縮量EMが指示伸縮量EPよりも大きい場合、図9に示すように、制御部450は下降電磁弁203bの作動に係る信号を下降電磁弁203bに送信する(図7、S213)。
制御部450が送信する下降電磁弁203bの作動に係る信号により、下降電磁弁203bは作動し、第二油路200における下降電磁弁203bの下流側と上流側とを連通する。
下降電磁弁203bにより第二油路200が連通されると、サスペンションシリンダ94・94、第一油路100内の作動油は下降電磁弁203b、圧力補償型流量制御弁204及び上昇電磁弁203aを介してトランスミッションケース31へと戻される。これによりサスペンションシリンダ94・94内の作動油を流出させ、サスペンションシリンダロッド94b・94bを縮めることが可能となる。
制御部450は下降電磁弁203bを作動させることにより平均伸縮量EMを指示伸縮量EPと一致させると、下降電磁弁203bの作動に係る信号の送信を停止し、再び下降電磁弁203bにより第二油路200内の作動油の流れを遮断させる(図7、S216)。
平均伸縮量EMが指示伸縮量EPよりも大きくない場合、制御部450は平均伸縮量EMが指示伸縮量EPよりも小さい値か否か判断する(図7、S214)。
平均伸縮量EMが指示伸縮量EPよりも小さい場合、図10に示すように、制御部450は上昇電磁弁203a及びアンロード用電磁弁206の作動に係る信号を上昇電磁弁203a及びアンロード用電磁弁206にそれぞれ送信する。(図7、S215)。当該信号により上昇電磁弁203aが作動し、第二油路200における上昇電磁弁203aの上流側と下流側とを連通すると共に、アンロード用電磁弁206が作動し、アンロード用油路205内の作動油の流れを遮断する。
上昇電磁弁203aにより第二油路200が連通されると、油圧ポンプ201の駆動によりトランスミッションケース31から吸い上げられた作動油は上昇電磁弁203a、圧力補償型流量制御弁204及び下降電磁弁203bを介して第一油路100へと圧送される。これによりサスペンションシリンダ94・94内へ作動油を圧送させ、サスペンションシリンダロッド94b・94bを伸ばすことが可能となる。
制御部450は上昇電磁弁203aを作動させることにより平均伸縮量EMを指示伸縮量EPと一致させると、上昇電磁弁203aの作動に係る信号の送信を停止し、再び上昇電磁弁203aにより第二油路200内の作動油の流れを遮断させる(図7、S216)。
上記のような制御部450の制御により、トラクタ1の機体前部の車高をオペレータにより随時設定される高さ(サスペンションシリンダロッド94b・94bの伸縮量が指示伸縮量EPである際の高さ)に保つことが可能となる。これにより、トラクタ1が停車している場合は、トラクタ1の機体前部の車高を作業機の着脱やメンテナンス等を行い易い高さに調整することが可能となる。また、第三油路300を遮断することによりサスペンション機能を停止させ、作業機の着脱やメンテナンス等を行う際に不意にサスペンションシリンダ94・94が伸縮するのを防止することが可能となる。これにより、作業機の着脱やメンテナンス等の作業性を向上させることが可能となる。
走行速度Vがゼロでない場合、図8に示すように、制御部450は走行速度Vが基準走行速度VT以下であるか否か判断する(S220)。
基準走行速度VTとは予め制御部450に記憶される所定の走行速度の値であり、図示しない設定手段により変更可能としている。
走行速度Vが基準走行速度VT以下である場合(トラクタ1が基準走行速度VT以下で走行している場合)、制御部450は以下で説明する低速時制御(S221からS224まで)を行う。
走行速度Vが基準走行速度VT以下である場合、制御部450は平均伸縮量EMが制限指示伸縮量EPRよりも大きい値か否か判断する(S221)。
ここで制限指示伸縮量EPRとは、指示伸縮量EPに予め制御部450に記憶される所定の係数α(0<α<1)を乗じて算出される伸縮量である。
トラクタ1が基準走行速度VT以下で走行している場合、制御部450は、車高設定手段411により指示可能な伸縮量の範囲(制限指示伸縮量EPRの最大値と最小値との差)が、走行速度Vがゼロである場合に指示可能な伸縮量の範囲(指示伸縮量EPの最大値と最小値との差)よりも小さくなるように制限する。
例えばα=0.6である場合、車高設定手段411により指示可能な伸縮量が、停車時制御においては基準位置を0%として+100%から−100%であるのに対して、低速時制御においては基準位置を0%として+60%から−60%までに制限する、という具合である。
このような制限を設けることにより、トラクタ1が基準走行速度VT以下で走行している際に設定可能な車高の範囲を、トラクタ1が停車している際に設定可能な車高の範囲よりも小さくする。
平均伸縮量EMが制限指示伸縮量EPRよりも大きい場合、図11に示すように、制御部450は下降電磁弁203bの作動に係る信号を下降電磁弁203bに送信する(図8、S222)。当該信号により下降電磁弁203bは作動し、第二油路200における下降電磁弁203bの下流側と上流側とを連通する。
下降電磁弁203bにより第二油路200が連通されると、サスペンションシリンダ94・94、第一油路100及び第三油路300内の作動油は下降電磁弁203b、圧力補償型流量制御弁204及び上昇電磁弁203aを介してトランスミッションケース31へと戻される。これによりサスペンションシリンダ94・94内の作動油を流出させ、サスペンションシリンダロッド94b・94bを縮めることが可能となる。
制御部450は下降電磁弁203bを作動させることにより平均伸縮量EMを制限指示伸縮量EPRと一致させると、下降電磁弁203bの作動に係る信号の送信を停止し、再び下降電磁弁203bにより第二油路200内の作動油の流れを遮断させる(図8、S2225)。
平均伸縮量EMが制限指示伸縮量EPRよりも大きい場合、制御部450は平均伸縮量EMが制限指示伸縮量EPRよりも小さい値か否か判断する(図8、S223)。
平均伸縮量EMが制限指示伸縮量EPRよりも小さい場合、図12に示すように、制御部450は上昇電磁弁203a及びアンロード用電磁弁206の作動に係る信号を上昇電磁弁203a及びアンロード用電磁弁206にそれぞれ送信する(図8、S224)。当該信号により上昇電磁弁203aが作動し、第二油路200における上昇電磁弁203aの上流側と下流側とを連通すると共に、アンロード用電磁弁206が作動し、アンロード用油路205内の作動油の流れを遮断する。
上昇電磁弁203aにより第二油路200が連通されると、油圧ポンプ201の駆動によりトランスミッションケース31から吸い上げられた作動油は上昇電磁弁203a、圧力補償型流量制御弁204及び下降電磁弁203bを介して第一油路100へと圧送される。これによりサスペンションシリンダ94・94内へ作動油を圧送させ、サスペンションシリンダロッド94b・94bを伸ばすことが可能となる。
制御部450は上昇電磁弁203aを作動させることにより平均伸縮量EMを制限指示伸縮量EPRと一致させると、上昇電磁弁203aの作動に係る信号の送信を停止し、再び上昇電磁弁203aにより第二油路200内の作動油の流れを遮断させる(図8、S2225)。
上記のような制御部450の制御により、トラクタ1の機体前部の車高をオペレータの好みに応じた車高に調節し、トラクタ1による作業等を行うことができる。この際、車高設定手段411により指示可能な伸縮量の範囲を制限することにより、トラクタ1が停車している場合に比べて設定可能なトラクタ1の機体前部の車高の範囲が小さくなる。これにより、基準走行速度VT以下で走行している際には車高を大きく変化させることを防止し、オペレータの乗り心地やトラクタ1の機体の安定性を向上させることが可能となる。
走行速度Vが基準走行速度VT以上の場合(トラクタ1が基準走行速度VT以上で走行している場合)、制御部450は手動モードに基づく制御を終了し、自動モードに基づく制御を開始する(図8、S230)。
これにより、トラクタ1が基準走行速度VT以上(高速)で走行する際には制御部450は自動的に自動モードに基づく制御を開始し、車高設定手段411による指示にかかわらず安定した姿勢で走行することが可能となる。
制御部450は手動モードに基づく制御を行っている際に、手動モードに基づく制御を行っている旨の信号をメータパネル53に送信し、メータパネル53に手動モードに基づく制御を行っている旨を表示させる。
制御部450は車高設定手段411による指示に係る情報を信号としてメータパネル53に送信し、メータパネル53に車高設定手段411による指示の内容を百分率(基準位置を0%として+100%から−100%まで)で表示させる。
制御部450は平均伸縮量EMに基づいて、トラクタ1の機体前部の実際の車高を算出する。制御部450は当該車高の情報に係る信号をメータパネル53に送信し、メータパネル53にトラクタ1の機体前部の実際の車高を表示させる。
オペレータはメータパネル53の表示により、現在の制御モード、車高設定手段411による指示の内容、及びトラクタ1の機体前部の車高を確認することが可能となる。
以下では図13から図15を用いて制御部450の機体水平モードに基づく制御について説明する。機体水平モードはトラクタ1の機体前後の傾きを略水平に保つ制御モードである。
制御部450は機体角度検出手段403によるトラクタ1の機体の前後方向の水平に対する傾きの検出を検出信号として受信する。制御部450は当該検出信号に基づいてトラクタ1の機体の前後方向の水平に対する傾斜角δを算出する。傾斜角δは、トラクタ1の機体が前上がりに傾斜している場合を「正」、前下がりに傾斜している場合を「負」と定義する。
制御部450は傾斜角δが設定範囲内となるように上昇電磁弁203a、下降電磁弁203b、アンロード用電磁弁206等の動作を制御する。つまり、傾斜角δが設定範囲(−θ≦δ≦θ)内となるように制御する。この設定値θは図示しない設定器により任意に設定可能である。当該設定値θは、例えば地面の小さな凹凸や振動等でトラクタ1がハンチングしない値とする。即ち、前記設定範囲とは不感帯である。
図13に示すように、制御部450は傾斜角δが設定値θより大きい値であるか否か判断する(S310)。
傾斜角δが設定値θより大きい(トラクタ1の機体が前上がりに傾斜している)場合、制御部450は下降電磁弁203bの作動に係る信号を下降電磁弁203bに送信する(S320)。当該信号により下降電磁弁203bは作動し、第二油路200における下降電磁弁203bの下流側と上流側とを連通する。
図14に示すように、下降電磁弁203bにより第二油路200が連通されると、サスペンションシリンダ94・94、第一油路100及び第三油路300内の作動油は下降電磁弁203b、圧力補償型流量制御弁204及び上昇電磁弁203aを介してトランスミッションケース31へと戻される。これによりサスペンションシリンダ94・94内の作動油を流出させ、サスペンションシリンダロッド94b・94bを縮めることが可能となる。
制御部450は下降電磁弁203bを作動させることによりトラクタ1の機体が水平になると、下降電磁弁203bの作動に係る信号の送信を停止し(図13、S350)、再び下降電磁弁203bにより第二油路200内の作動油の流れを遮断させる。
傾斜角δが設定値θより大きい値でない場合、制御部450は傾斜角δが設定値−θより小さい値であるか否か判断する(図13、S330)
傾斜角δが設定値−θより小さい(トラクタ1の機体が前下がりに傾斜している)場合、制御部450は上昇電磁弁203a及びアンロード用電磁弁206の作動に係る信号を上昇電磁弁203a及びアンロード用電磁弁206にそれぞれ送信する(図13、S340)。当該信号により上昇電磁弁203aが作動し、第二油路200における上昇電磁弁203aの上流側と下流側とを連通すると共に、アンロード用電磁弁206が作動し、アンロード用油路205内の作動油の流れを遮断する。
図15に示すように、上昇電磁弁203aにより第二油路200が連通されると、油圧ポンプ201の駆動によりトランスミッションケース31から吸い上げられた作動油は上昇電磁弁203a、圧力補償型流量制御弁204及び下降電磁弁203bを介して第一油路100へと圧送される。これによりサスペンションシリンダ94・94内へ作動油を圧送させ、サスペンションシリンダロッド94b・94bを伸ばすことが可能となる。
制御部450は上昇電磁弁203aを作動させることによりトラクタ1の機体が水平になると、上昇電磁弁203aの作動に係る信号の送信を停止し(図13、S350)、再び上昇電磁弁203aにより第二油路200内の作動油の流れを遮断させる。
なお、地面が大きく傾斜している場合等、サスペンションシリンダロッド94b・94bが伸縮可能なストローク範囲内ではトラクタ1の機体を水平にすることができない場合、制御部450は機体水平モードに基づく制御を中止する。
制御部450は機体水平モードに基づく制御を行っている際に、機体水平モードに基づく制御を行っている旨の信号をメータパネル53に送信し、メータパネル53に機体水平モードに基づく制御を行っている旨を表示させる。
制御部450は平均伸縮量EMに基づいて、トラクタ1の機体前部の実際の車高を算出する。制御部450は当該車高の情報に係る信号をメータパネル53に送信し、メータパネル53にトラクタ1の機体前部の実際の車高を表示させる。
上記の如く、制御部450が機体水平モードに基づく制御を行うことにより、トラクタ1の機体前後の傾きを水平に保つことが可能となる。これにより、オペレータの乗り心地や安全性、及び作業精度等の作業性の向上を図ることが可能となる。
また、オペレータはメータパネル53の表示により、現在の制御モード及びトラクタ1の機体前部の車高を確認することが可能となる。
以下では図3を用いて上述した制御モード(自動モード、手動モード、機体水平モード)を切り換える方法について説明する。
制御機構400はモード切換手段412を具備する。モード切換手段412は制御モードの切り換えを指示するものである。モード切換手段412はキャビン50内のシート51近傍に設けられている。
モード切換手段412は、トグルスイッチや押しボタンスイッチ、スライドスイッチ等の各種スイッチやタッチパネル等により構成することが可能である。
制御部450はモード切換手段412に接続され、モード切換手段412による制御モードの切り換えの指示に係る情報を検出信号として受信することが可能である。
制御部450はオペレータによりモード切換手段412が操作される毎に、制御モードを切り換える。
具体的には、制御部450が手動モードに基づく制御を行っている際にモード切換手段412が操作されると、制御部450は制御モードを手動モードから自動モードに切り換える。
制御部450が自動モードに基づく制御を行っている際にモード切換手段412が操作されると、制御部450は制御モードを自動モードから機体水平モードに切り換える。
制御部450が機体水平モードに基づく制御を行っている際にモード切換手段412が操作されると、制御部450は制御モードを機体水平モードから手動モードに切り換える。
また上述したように、制御部450が手動モードに基づく制御を行っている際に、走行速度Vが基準走行速度VT以上になった場合、制御部450は制御モードを手動モードから自動モードに切り換える。
また、上記自動モード及び機体水平モードはさらに路上走行モード及び作業モードをそれぞれ有している。制御部450による路上走行モードに基づく制御は上述した自動モード及び機体水平モードに準ずるものであり、以下では説明を省略する。
作業モードはトラクタ1に装着される作業機の種類に基づいてトラクタ1の機体前部の車高を調節する制御モードである。
例えば油圧昇降機構70を介して作業機を装着する場合、トップリンク77またはロアリンク76の後端に設けられた作業機検出手段404が作業機の装着を検出し、制御部450に当該検出に係る信号を検出信号として送信する。制御部450はトラクタ1の機体前部の車高が、機体後部に装着した作業機に応じた車高となるように制御する。具体的には、トラクタ1の機体後部に作業機を装着した場合には、機体前部の車高を下げて前輪85・85にかかる荷重を増加させたほうが、効率よく作業ができるようになる。
また、フロントローダ60を装着する場合、機体フレーム5のブラケット61取付部に設けられた作業機検出手段404がフロントローダ60の装着を検出し、制御部450に当該検出に係る信号を検出信号として送信する。制御部450はトラクタ1の機体前部の車高が、機体前部に装着した作業機(フロントローダ60)に応じた車高となるように制御する。具体的には、トラクタ1の機体前部に作業機を装着した場合には、機体前部の車高を上げてトラクタ1の機体後部に重心を移したほうが効率よく作業できるようになる。
なお、上記路上走行モード及び作業モードの切り換えは、モード切換手段412又はその他の切換スイッチ等を用いて手動で切り換えるように構成することも可能である。
制御部450は制御モードを切り換える毎に、メータパネル53に現在選択している制御モードがどのモードであるかを表示させる。
上記の如く、制御部450がモード切換手段412の指示に基づいて制御モードを切り換えることにより、簡単な操作で各制御モードを瞬時に切り換えることが可能となる。これにより、トラクタ1の操作性を向上させることが可能となる。
また、走行速度Vが基準走行速度VT以上になった場合に手動モードから自動モードへ自動的に切り換えることができ、トラクタ1が高速で走行する際にはモード切換手段412による指示に関わらずトラクタ1を安定した姿勢に保つことが可能となる。
また、制御部450が制御モードを路上走行モードから作業モードに自動的に切り換えることにより、操作忘れや間違いがなく、確実に作業モードへの切換を行うことが可能となる。
また、オペレータはメータパネル53の表示により、現在の制御モードを確認することができ、モード切換手段412の操作により所望の制御モードに確実に切り換えることが可能となる。
以上の如く、本実施例の独立型サスペンション90は、
制御モードとして少なくとも、車高を所定の高さに保つ自動モードと、車高を車高設定手段411により設定された高さに保つ手動モードと、機体が水平となるよう車高を調節する機体水平モードと、を有し、
前記自動モード及び前記機体水平モードは、路上走行モードと、車高をトラクタ1に装着される作業機に応じた車高に調節する作業モードと、をそれぞれ備え、
前記制御モードのうちいずれか一つの制御モードを選択し、当該制御モードに基づく制御を行う制御部450と、
制御部450が選択する制御モードを切り換える指示を出すモード切換手段412と、
を具備し、
制御部450は、
モード切換手段412による指示に係る情報に基づいて、選択する制御モードを切り換えるものである。
このように構成することにより、任意の制御モードを選択し、当該制御モードに基づく制御を行うことが可能となる。また、簡単な操作で各制御モードを瞬時に切り換えることが可能となり、トラクタ1の操作性を向上させることが可能となる。
また、本実施例の独立型サスペンション90は、
トラクタ1に作業機が装着されたことを検出する作業機検出手段404を具備し、
制御部450は、
作業機検出手段404による検出に係る情報に基づいてトラクタ1に作業機が装着されたと判断した場合には、選択する制御モードを路上走行モードから作業モードに切り換えるものである。
このように構成することにより、トラクタ1に作業機が装着された場合、選択する制御モードを自動的に路上走行モードから作業モードに切り換えることが可能となる。これにより、煩雑な手動による操作をする必要がなく、制御モードを確実に作業モードへと切り換えることが可能となる。
また、本実施例の独立型サスペンション90は、
トラクタ1の走行速度Vを検出する走行速度検出手段402を具備し、
制御部450は、手動モードに基づく制御を行っている際に、走行速度検出手段402による検出に係る情報に基づいてトラクタ1が所定の走行速度である基準走行速度VT以上で走行していると判断した場合には、選択する制御モードを手動モードから自動モードに切り換えるものである。
このように構成することにより、トラクタ1の走行速度Vが基準走行速度VT以上になった場合には自動的に手動モードから自動モードに切り換えることが可能となる。これにより、トラクタ1が高速で走行する際にはモード切換手段412による指示にかかわらずトラクタ1を安定した姿勢に保つことが可能となる。
また、本実施例の独立型サスペンション90は、
制御部450が行う制御に係る情報を表示するメータパネル53を具備するものである。
このように構成することにより、制御部による制御に係る情報をオペレータが容易に確認することが可能となる。
なお、本実施の一形態において走行速度検出手段402は後車軸41の回転数を検出し、制御部450は検出された回転数に基づいてトラクタ1の走行速度Vを算出するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。
例えば走行速度検出手段は対地センサ等であって、トラクタ1の走行速度Vを直接検出するものであってもよい。また、走行速度検出手段はエンジン10の回転数及びトラクタ1の減速比を検出し、制御部450は前記回転数及び減速比に基づいてトラクタ1の走行速度Vを算出するものであってもよい。つまり本発明に係る走行速度検出手段は、制御部450がトラクタ1の走行速度Vを得るための情報を検出するものであればよい。
また、本発明に係る表示部は本実施例におけるメータパネル53に限るものではなく、メータパネル53とは独立したモニターやライト、若しくは発音機等を用いて構成することも可能である。
また、本実施の一形態において制御部450は制御モードとして自動モード、手動モード及び機体水平モードを有するものとしたが、本発明はこれに限らず、制御部450はさらに多数の制御モードを有するものであってもよい。
本発明の実施の一形態に係るトラクタの全体的な構成を示した全体側面図。 同じくトラクタの前車軸機構を示す正面拡大図。 同じくトラクタのサスペンション油圧回路を示す模式図。 自動モードに基づく制御の概要を示すフローチャート。 自動モードに基づく制御におけるサスペンション油圧回路を示す模式図。 自動モードに基づく制御におけるサスペンション油圧回路を示す模式図。 手動モードに基づく制御の概要を示すフローチャート。 手動モードに基づく制御の概要を示すフローチャート。 手動モードに基づく制御におけるサスペンション油圧回路を示す模式図。 手動モードに基づく制御におけるサスペンション油圧回路を示す模式図。 手動モードに基づく制御におけるサスペンション油圧回路を示す模式図。 手動モードに基づく制御におけるサスペンション油圧回路を示す模式図。 機体水平モードに基づく制御の概要を示すフローチャート。 機体水平モードに基づく制御におけるサスペンション油圧回路を示す模式図。 機体水平モードに基づく制御におけるサスペンション油圧回路を示す模式図。
符号の説明
1 トラクタ
53 メータパネル
70 油圧昇降機構(作業機装着装置)
90 独立型サスペンション
94 サスペンションシリンダ(油圧シリンダ)
402 走行速度検出手段
404 作業機検出手段
411 車高設定手段
412 モード切換手段
450 制御部

Claims (4)

  1. 制御モードとして少なくとも、車高を所定の高さに保つ自動モードと、車高を車高設定手段により設定された高さに保つ手動モードと、機体が水平となるよう車高を調節する機体水平モードと、を有し、
    前記自動モード及び前記機体水平モードは、路上走行モードと、車高を作業車両に装着される作業機に応じた車高に調節する作業モードと、をそれぞれ備え、
    前記制御モードのうちいずれか一つの制御モードを選択し、当該制御モードに基づく制御を行う制御部と、
    前記制御部が選択する制御モードを切り換える指示を出すモード切換手段と、
    を具備し、
    前記制御部は、
    前記モード切換手段による指示に係る情報に基づいて、選択する制御モードを切り換える作業車両の独立型サスペンション。
  2. 前記作業車両に作業機が装着されたことを検出する作業機検出手段を具備し、
    前記制御部は、
    前記作業機検出手段による検出に係る情報に基づいて前記作業車両に作業機が装着されたと判断した場合には、選択する制御モードを前記路上走行モードから前記作業モードに切り換える請求項1に記載の作業車両の独立型サスペンション。
  3. 前記作業車両の走行速度を検出する走行速度検出手段を具備し、
    前記制御部は、前記手動モードに基づく制御を行っている際に、前記走行速度検出手段による検出に係る情報に基づいて前記作業車両が所定の走行速度以上で走行していると判断した場合には、選択する制御モードを前記手動モードから前記自動モードに切り換える請求項1又は請求項2に記載の作業車両の独立型サスペンション。
  4. 前記制御部が行う制御に係る情報を表示する表示部を具備する請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の作業車両の独立型サスペンション。
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