JP2009126248A - 作業車両の独立型サスペンション - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御モードとして少なくとも、車高を所定の高さに保つ自動モードと、車高を車高設定手段411により設定された高さに保つ手動モードと、機体が水平となるよう車高を調節する機体水平モードと、を有し、前記制御モードのうちいずれか一つの制御モードを選択し、当該制御モードに基づく制御を行う制御部450と、制御部450が選択する制御モードを切り換える指示を出すモード切換手段412と、を具備し、制御部450は、モード切換手段412による指示に係る情報に基づいて、選択する制御モードを切り換えるよう構成した。
【選択図】図3
Description
つまり、走行時や作業時等に前記トラクタの前輪が地面の凹凸から受ける衝撃によりシリンダが伸縮する。前記シリンダは、前記ポートや油圧回路を構成する油路等を介して前記アキュムレータと連通接続されており、油圧回路内に満たされた作動油により前記シリンダが受けた衝撃は前記アキュムレータに伝達され吸収される。このようなサスペンションにより衝撃を吸収する機能を、以下では単に「サスペンション機能」と呼ぶ。
なお、本発明に係る作業車両は本実施例で説明する農業用車両であるトラクタに限らず、ローダやバックホー等の建設機械等の作業車両にも利用可能である。
また、以下の説明では図1における矢印X方向をトラクタ1の前方向、図2における矢印Y方向をトラクタ1の左方向として説明する。
エンジン10の上方にはエンジン10を覆う部材であるボンネット11が配置される。
また、クラッチ20によってエンジン10の出力軸とクラッチ20の伝達軸との連結を解くことが可能である。エンジン10の出力軸とクラッチ20の伝達軸との連結が解かれた場合、エンジン10の出力軸からクラッチ20の伝達軸への回転動力の伝達が断たれる。
トランスミッション30はクラッチ20の伝達軸と連結され、クラッチ20の伝達軸から伝達される回転動力を前記複数のギヤにより変速する。
左ブレーキペダル55Lはステアリングハンドル52の右方下方に配置される。左ブレーキペダル55Lはトラクタ1の左側の後車軸41を制動する左後車軸制動機構(図示せず)と連結される。オペレータにより左ブレーキペダル55Lが操作される(左ブレーキペダル55Lが踏み込まれる)と左後車軸制動機構によりトラクタ1の左側の後車軸41が制動され、ひいてはトラクタ1の左側の後輪42が制動される。
右ブレーキペダル55Rはステアリングハンドル52の右方下方であって左ブレーキペダル55Lの右方に配置される。右ブレーキペダル55Rはトラクタ1の右側の後車軸41を制動する右後車軸制動機構(図示せず)と連結される。オペレータにより右ブレーキペダル55Rが操作される(右ブレーキペダル55Rが踏み込まれる)と右後車軸制動機構によりトラクタ1の右側の後車軸41が制動され、ひいてはトラクタ1の右側の後輪42が制動される。
フェンダ56・56は後輪42・42の外周の前端から上端を経て上端の後方までを覆うように、キャビン50の左側面及び右側面にそれぞれ固設される。
バケットリフトシリンダ63・63のバケットリフトシリンダ本体63a・63a側の端部はそれぞれブラケット61・61の上下略中央部に上下に回動可能に支持される。
バケットリフトシリンダ63・63のバケットリフトシリンダロッド63b・63b側の端部はそれぞれバケットリフトアーム62・62の中途部に上下に回動可能に支持される。
バケットシリンダ65・65のバケットシリンダ本体65a・65a側の端部はそれぞれバケットリフトアーム62・62の前後略中央部に上下に回動可能に支持される。
バケットシリンダ65・65のバケットシリンダロッド65b・65b側の端部はそれぞれ中間リンク64・64の上後部に上下に回動可能に支持される。
また、図示せぬ操作部によりバケットシリンダロッド65b・65bを伸縮させることによりバケット67をバケットリフトアーム62・62に対して上下に回動させることができる。
上記操作とトラクタ1の前後進とを組み合わせることにより、フロントローダ60を用いた土砂の運搬や掘削等の作業を行うことができる。
昇降シリンダ本体72aは昇降シリンダロッド72bが後方に向かって伸縮可能となる向きで上部カバー71内に配置される。
リフトアーム軸73aの略中央部には棒状の連結部材73bの一端が前記リフトアーム軸73aに対して垂直に固設される。連結部材73bの他端は昇降シリンダロッド72bの端部と連結される。
昇降シリンダ72が油圧により昇降シリンダロッド72bを伸縮させることで、連結部材73bを介してリフトアーム軸73aを回動させ、ひいてはリフトアーム73・73の他端(後端)を上下に昇降させる。
リフトロッド74Lの一端(上端)はトラクタ1の左側のリフトアーム73の後端に連結される。
リフトロッド74Rの一端(上端)はトラクタ1の右側のリフトアーム73の後端に連結される。
リフトロッドシリンダ75が油圧によりリフトロッドシリンダロッド75bを伸縮させることで、リフトロッド74Lを長手方向に伸縮させることができる。
トラクタ1の左側のロワリンク76の中途部はリフトロッド74Lの下端に連結される。
トラクタ1の右側のロワリンク76の中途部はリフトロッド74Rの下端に連結される。
昇降シリンダ72が昇降シリンダロッド72bを伸縮させることで、リフトアーム73・73、リフトロッド74L・74R等を介してロワリンク76・76の後端が上下に昇降され、ひいてはトラクタ1に装着された作業機が上下に昇降される。
リフトロッドシリンダ75がリフトロッドシリンダロッド75bを伸縮させることで、トラクタ1の左側のロワリンク76がトラクタ1の右側のロワリンク76とは独立して昇降される。これにより油圧昇降機構70を介してトラクタ1に装着された作業機の左右方向の傾斜を変化させることが可能となる。
トランスミッション30により変速された回転動力は差動装置82及び前輪駆動軸83・83を介して最終減速装置84・84へ伝達される。最終減速装置84・84に伝達された回転動力は最終減速装置84・84により減速された後、前輪85・85へ伝達され、前輪85・85は回転される。前輪85・85が回転することによりトラクタ1は前進又は後進することができる。
なお、本実施例に係るトラクタ1においては、同じ構造の独立型サスペンション90・90(サスペンション油圧回路95を除く)がセンターケース81の左右両側に左右対称に設けられている。以下では一方(左側)の独立型サスペンション90についてのみ説明し、他方(右側)の独立型サスペンション90については説明を省略する。
ジョイント93の上部はアッパーアーム91の他端に前後及び上下に回動可能に支持される。
ジョイント93の下部はロワアーム92の他端に前後及び上下に回動可能に支持される。
ジョイント93の左側面には最終減速装置84が回動可能に設けられている。
上記の如く構成することにより、前輪85は最終減速装置84、ジョイント93、アッパーアーム91及びロワアーム92を介してトラクタ1の機体フレーム5及びセンターケース81に上下に回動可能に支持される。
サスペンションシリンダ94のサスペンションシリンダ本体94a側の端部は機体フレーム5の左側面にシリンダブラケット94cを介して上下に回動可能に支持される。
サスペンションシリンダ94のサスペンションシリンダロッド94b側の端部はロワアーム92の中途部に上下に回動可能に支持される。
トランスミッションケース31はトランスミッション30を構成する部材の一つであると同時に、サスペンション油圧回路95に用いられる作動油を貯溜するオイルタンクでもある。
オーバーロード用油路103の一端は第一油路100の中途部であってストップ弁101・101の間に連通接続される。オーバーロード用油路103の他端はトランスミッションケース31に連通接続される。
第一油路100内の圧力がオーバーロード弁104に予め設定された圧力以下である場合、オーバーロード弁104は閉じられオーバーロード用油路103は遮断される。
サスペンションシリンダ94・94に過大な負荷が加えられること等により第一油路100内の圧力がオーバーロード弁104に予め設定された圧力を超える場合、オーバーロード弁104が開かれることによりオーバーロード用油路103は連通され、第一油路100内の作動油をトランスミッションケース31へと流出させることでサスペンション油圧回路95の破損等を防止することができる。
なお、以下では説明の便宜上、第二油路200におけるトランスミッションケース31側を上流側、第一油路100側を下流側と定義し、当該定義に基づいて以下の説明を行う。
作動油が第二油路200の下流側から上流側へと流れる場合、絞り204bの前後の圧力差によって前記スプールが移動して圧力補償型流量制御弁204内の油路面積が変化する。つまり、圧力差が大きい場合には油路面積は縮小し、圧力差が小さい場合には油路面積は拡大する。このように圧力補償型流量制御弁204が作動することにより、絞り204bの前後の圧力差が変動しても作動油の流量を一定に保つことが可能となる。
第二油路200内(油圧ポンプ201と上昇電磁弁203aとの間)の圧力がリリーフ弁208に予め設定された圧力以下である場合、リリーフ弁208は閉じられリリーフ用油路207は遮断される。
サスペンション油圧回路95に異常が発生する等によって第二油路200内(油圧ポンプ201と上昇電磁弁203aとの間)の圧力がリリーフ弁208に予め設定された圧力を超える場合、リリーフ弁208が開かれることによりリリーフ用油路207は連通され、第二油路200内の作動油をトランスミッションケース31へと流出させることでサスペンション油圧回路95の破損等を防止することができる。
ここで「基準位置A」とはサスペンションシリンダロッド94b・94bの伸縮を判断する基準となる位置である。本実施例においてはサスペンションシリンダロッド94b・94bが伸縮可能なストローク範囲の略中央の位置を「基準位置A」と定義する。また、本実施例に係る独立型サスペンション90は、サスペンションシリンダロッド94b・94bが基準位置Aにある場合に、トラクタ1の機体が地面に対して略平行となるように構成する。
車高設定手段411はダイヤル状のスイッチ等により構成され、オペレータに操作されることによりサスペンションシリンダロッド94b・94bの基準位置からの伸縮量を無段階的に指示することができる。
制御部450は、具体的にはCPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。
制御部450には流通方向切換手段203、アンロード用電磁弁206等の動作を制御するための種々のプログラム及びデータが格納される。
制御部450は走行速度検出手段402に接続され、走行速度検出手段402によるトラクタ1の後車軸41の回転数の検出を検出信号として受信することが可能である。
制御部450は機体角度検出手段403に接続され、機体角度検出手段403によるトラクタ1の機体の前後方向の傾きの検出を検出信号として受信することが可能である。
制御部450は作業機検出手段404に接続され、作業機検出手段404による作業機の装着の検出を検出信号として受信することが可能である。
制御部450は車高設定手段411に接続され、車高設定手段411によるサスペンションシリンダロッド94b・94bの基準位置からの伸縮量の指示に係る情報を検出信号として受信することが可能である。
制御部450はメータパネル53に接続され、制御部450による制御の情報に係る信号をメータパネル53に送信することが可能である。
以下では制御部450による上記各制御モードに基づく制御について説明する。
図5に示すように、平均伸縮量EMが+Lより大きい値である(トラクタ1の機体前部の車高が、サスペンションシリンダロッド94b・94bが基準位置Aにある場合の車高よりも設定値L以上伸びている)場合、制御部450は下降電磁弁203bの作動に係る信号を下降電磁弁203bに送信する(図4、S130)。当該信号により下降電磁弁203bは作動し、第二油路200における下降電磁弁203bの下流側と上流側とを連通する。
下降電磁弁203bにより第二油路200が連通されると、サスペンションシリンダ94・94、第一油路100及び第三油路300内の作動油は下降電磁弁203b、圧力補償型流量制御弁204及び上昇電磁弁203aを介してトランスミッションケース31へと戻される。これによりサスペンションシリンダ94・94内の作動油を流出させ、サスペンションシリンダロッド94b・94bを縮めることが可能となる。
図6に示すように、平均伸縮量EMが−Lより小さい値である(トラクタ1の機体前部の車高が、サスペンションシリンダロッド94b・94bが基準位置Aにある場合の車高よりも設定値L以上縮んでいる)場合、制御部450は上昇電磁弁203a及びアンロード用電磁弁206の作動に係る信号を上昇電磁弁203a及びアンロード用電磁弁206にそれぞれ送信する(図4、S150)。当該信号により上昇電磁弁203aが作動し、第二油路200における上昇電磁弁203aの上流側と下流側とを連通すると共に、アンロード用電磁弁206が作動し、アンロード用油路205内の作動油の流れを遮断する。
上昇電磁弁203aにより第二油路200が連通されると、油圧ポンプ201の駆動によりトランスミッションケース31から吸い上げられた作動油は上昇電磁弁203a、圧力補償型流量制御弁204及び下降電磁弁203bを介して第一油路100へと圧送される。これによりサスペンションシリンダ94・94内へ作動油を圧送させ、サスペンションシリンダロッド94b・94bを伸ばすことが可能となる。
制御部450は平均伸縮量EMに基づいて、トラクタ1の機体前部の実際の車高を算出する。制御部450は当該車高の情報に係る信号をメータパネル53に送信し、メータパネル53にトラクタ1の機体前部の実際の車高を表示させる。
また、オペレータはメータパネル53の表示により、現在の制御モード及びトラクタ1の機体前部の車高を確認することが可能となる。
本実施例においてはトラクタ1の一方の後車軸41の回転数に基づいてトラクタ1の走行速度Vを算出するものとしたが、2つの後車軸41・41の回転数を検出し、当該回転数の平均値よりトラクタ1の走行速度Vを算出する構成とすることも可能である。
第三油路遮断弁302により第三油路300内の作動油の流れが遮断されると、サスペンションシリンダ94・94とアキュムレータ301・301との連通が遮断される。これにより、トラクタ1のサスペンション機能が停止する。
下降電磁弁203bにより第二油路200が連通されると、サスペンションシリンダ94・94、第一油路100内の作動油は下降電磁弁203b、圧力補償型流量制御弁204及び上昇電磁弁203aを介してトランスミッションケース31へと戻される。これによりサスペンションシリンダ94・94内の作動油を流出させ、サスペンションシリンダロッド94b・94bを縮めることが可能となる。
上昇電磁弁203aにより第二油路200が連通されると、油圧ポンプ201の駆動によりトランスミッションケース31から吸い上げられた作動油は上昇電磁弁203a、圧力補償型流量制御弁204及び下降電磁弁203bを介して第一油路100へと圧送される。これによりサスペンションシリンダ94・94内へ作動油を圧送させ、サスペンションシリンダロッド94b・94bを伸ばすことが可能となる。
基準走行速度VTとは予め制御部450に記憶される所定の走行速度の値であり、図示しない設定手段により変更可能としている。
トラクタ1が基準走行速度VT以下で走行している場合、制御部450は、車高設定手段411により指示可能な伸縮量の範囲(制限指示伸縮量EPRの最大値と最小値との差)が、走行速度Vがゼロである場合に指示可能な伸縮量の範囲(指示伸縮量EPの最大値と最小値との差)よりも小さくなるように制限する。
例えばα=0.6である場合、車高設定手段411により指示可能な伸縮量が、停車時制御においては基準位置を0%として+100%から−100%であるのに対して、低速時制御においては基準位置を0%として+60%から−60%までに制限する、という具合である。
このような制限を設けることにより、トラクタ1が基準走行速度VT以下で走行している際に設定可能な車高の範囲を、トラクタ1が停車している際に設定可能な車高の範囲よりも小さくする。
下降電磁弁203bにより第二油路200が連通されると、サスペンションシリンダ94・94、第一油路100及び第三油路300内の作動油は下降電磁弁203b、圧力補償型流量制御弁204及び上昇電磁弁203aを介してトランスミッションケース31へと戻される。これによりサスペンションシリンダ94・94内の作動油を流出させ、サスペンションシリンダロッド94b・94bを縮めることが可能となる。
上昇電磁弁203aにより第二油路200が連通されると、油圧ポンプ201の駆動によりトランスミッションケース31から吸い上げられた作動油は上昇電磁弁203a、圧力補償型流量制御弁204及び下降電磁弁203bを介して第一油路100へと圧送される。これによりサスペンションシリンダ94・94内へ作動油を圧送させ、サスペンションシリンダロッド94b・94bを伸ばすことが可能となる。
これにより、トラクタ1が基準走行速度VT以上(高速)で走行する際には制御部450は自動的に自動モードに基づく制御を開始し、車高設定手段411による指示にかかわらず安定した姿勢で走行することが可能となる。
制御部450は車高設定手段411による指示に係る情報を信号としてメータパネル53に送信し、メータパネル53に車高設定手段411による指示の内容を百分率(基準位置を0%として+100%から−100%まで)で表示させる。
制御部450は平均伸縮量EMに基づいて、トラクタ1の機体前部の実際の車高を算出する。制御部450は当該車高の情報に係る信号をメータパネル53に送信し、メータパネル53にトラクタ1の機体前部の実際の車高を表示させる。
オペレータはメータパネル53の表示により、現在の制御モード、車高設定手段411による指示の内容、及びトラクタ1の機体前部の車高を確認することが可能となる。
図14に示すように、下降電磁弁203bにより第二油路200が連通されると、サスペンションシリンダ94・94、第一油路100及び第三油路300内の作動油は下降電磁弁203b、圧力補償型流量制御弁204及び上昇電磁弁203aを介してトランスミッションケース31へと戻される。これによりサスペンションシリンダ94・94内の作動油を流出させ、サスペンションシリンダロッド94b・94bを縮めることが可能となる。
図15に示すように、上昇電磁弁203aにより第二油路200が連通されると、油圧ポンプ201の駆動によりトランスミッションケース31から吸い上げられた作動油は上昇電磁弁203a、圧力補償型流量制御弁204及び下降電磁弁203bを介して第一油路100へと圧送される。これによりサスペンションシリンダ94・94内へ作動油を圧送させ、サスペンションシリンダロッド94b・94bを伸ばすことが可能となる。
制御部450は平均伸縮量EMに基づいて、トラクタ1の機体前部の実際の車高を算出する。制御部450は当該車高の情報に係る信号をメータパネル53に送信し、メータパネル53にトラクタ1の機体前部の実際の車高を表示させる。
また、オペレータはメータパネル53の表示により、現在の制御モード及びトラクタ1の機体前部の車高を確認することが可能となる。
モード切換手段412は、トグルスイッチや押しボタンスイッチ、スライドスイッチ等の各種スイッチやタッチパネル等により構成することが可能である。
具体的には、制御部450が手動モードに基づく制御を行っている際にモード切換手段412が操作されると、制御部450は制御モードを手動モードから自動モードに切り換える。
制御部450が自動モードに基づく制御を行っている際にモード切換手段412が操作されると、制御部450は制御モードを自動モードから機体水平モードに切り換える。
制御部450が機体水平モードに基づく制御を行っている際にモード切換手段412が操作されると、制御部450は制御モードを機体水平モードから手動モードに切り換える。
例えば油圧昇降機構70を介して作業機を装着する場合、トップリンク77またはロアリンク76の後端に設けられた作業機検出手段404が作業機の装着を検出し、制御部450に当該検出に係る信号を検出信号として送信する。制御部450はトラクタ1の機体前部の車高が、機体後部に装着した作業機に応じた車高となるように制御する。具体的には、トラクタ1の機体後部に作業機を装着した場合には、機体前部の車高を下げて前輪85・85にかかる荷重を増加させたほうが、効率よく作業ができるようになる。
また、フロントローダ60を装着する場合、機体フレーム5のブラケット61取付部に設けられた作業機検出手段404がフロントローダ60の装着を検出し、制御部450に当該検出に係る信号を検出信号として送信する。制御部450はトラクタ1の機体前部の車高が、機体前部に装着した作業機(フロントローダ60)に応じた車高となるように制御する。具体的には、トラクタ1の機体前部に作業機を装着した場合には、機体前部の車高を上げてトラクタ1の機体後部に重心を移したほうが効率よく作業できるようになる。
なお、上記路上走行モード及び作業モードの切り換えは、モード切換手段412又はその他の切換スイッチ等を用いて手動で切り換えるように構成することも可能である。
また、走行速度Vが基準走行速度VT以上になった場合に手動モードから自動モードへ自動的に切り換えることができ、トラクタ1が高速で走行する際にはモード切換手段412による指示に関わらずトラクタ1を安定した姿勢に保つことが可能となる。
また、制御部450が制御モードを路上走行モードから作業モードに自動的に切り換えることにより、操作忘れや間違いがなく、確実に作業モードへの切換を行うことが可能となる。
また、オペレータはメータパネル53の表示により、現在の制御モードを確認することができ、モード切換手段412の操作により所望の制御モードに確実に切り換えることが可能となる。
制御モードとして少なくとも、車高を所定の高さに保つ自動モードと、車高を車高設定手段411により設定された高さに保つ手動モードと、機体が水平となるよう車高を調節する機体水平モードと、を有し、
前記自動モード及び前記機体水平モードは、路上走行モードと、車高をトラクタ1に装着される作業機に応じた車高に調節する作業モードと、をそれぞれ備え、
前記制御モードのうちいずれか一つの制御モードを選択し、当該制御モードに基づく制御を行う制御部450と、
制御部450が選択する制御モードを切り換える指示を出すモード切換手段412と、
を具備し、
制御部450は、
モード切換手段412による指示に係る情報に基づいて、選択する制御モードを切り換えるものである。
このように構成することにより、任意の制御モードを選択し、当該制御モードに基づく制御を行うことが可能となる。また、簡単な操作で各制御モードを瞬時に切り換えることが可能となり、トラクタ1の操作性を向上させることが可能となる。
トラクタ1に作業機が装着されたことを検出する作業機検出手段404を具備し、
制御部450は、
作業機検出手段404による検出に係る情報に基づいてトラクタ1に作業機が装着されたと判断した場合には、選択する制御モードを路上走行モードから作業モードに切り換えるものである。
このように構成することにより、トラクタ1に作業機が装着された場合、選択する制御モードを自動的に路上走行モードから作業モードに切り換えることが可能となる。これにより、煩雑な手動による操作をする必要がなく、制御モードを確実に作業モードへと切り換えることが可能となる。
トラクタ1の走行速度Vを検出する走行速度検出手段402を具備し、
制御部450は、手動モードに基づく制御を行っている際に、走行速度検出手段402による検出に係る情報に基づいてトラクタ1が所定の走行速度である基準走行速度VT以上で走行していると判断した場合には、選択する制御モードを手動モードから自動モードに切り換えるものである。
このように構成することにより、トラクタ1の走行速度Vが基準走行速度VT以上になった場合には自動的に手動モードから自動モードに切り換えることが可能となる。これにより、トラクタ1が高速で走行する際にはモード切換手段412による指示にかかわらずトラクタ1を安定した姿勢に保つことが可能となる。
制御部450が行う制御に係る情報を表示するメータパネル53を具備するものである。
このように構成することにより、制御部による制御に係る情報をオペレータが容易に確認することが可能となる。
例えば走行速度検出手段は対地センサ等であって、トラクタ1の走行速度Vを直接検出するものであってもよい。また、走行速度検出手段はエンジン10の回転数及びトラクタ1の減速比を検出し、制御部450は前記回転数及び減速比に基づいてトラクタ1の走行速度Vを算出するものであってもよい。つまり本発明に係る走行速度検出手段は、制御部450がトラクタ1の走行速度Vを得るための情報を検出するものであればよい。
53 メータパネル
70 油圧昇降機構(作業機装着装置)
90 独立型サスペンション
94 サスペンションシリンダ(油圧シリンダ)
402 走行速度検出手段
404 作業機検出手段
411 車高設定手段
412 モード切換手段
450 制御部
Claims (4)
- 制御モードとして少なくとも、車高を所定の高さに保つ自動モードと、車高を車高設定手段により設定された高さに保つ手動モードと、機体が水平となるよう車高を調節する機体水平モードと、を有し、
前記自動モード及び前記機体水平モードは、路上走行モードと、車高を作業車両に装着される作業機に応じた車高に調節する作業モードと、をそれぞれ備え、
前記制御モードのうちいずれか一つの制御モードを選択し、当該制御モードに基づく制御を行う制御部と、
前記制御部が選択する制御モードを切り換える指示を出すモード切換手段と、
を具備し、
前記制御部は、
前記モード切換手段による指示に係る情報に基づいて、選択する制御モードを切り換える作業車両の独立型サスペンション。 - 前記作業車両に作業機が装着されたことを検出する作業機検出手段を具備し、
前記制御部は、
前記作業機検出手段による検出に係る情報に基づいて前記作業車両に作業機が装着されたと判断した場合には、選択する制御モードを前記路上走行モードから前記作業モードに切り換える請求項1に記載の作業車両の独立型サスペンション。 - 前記作業車両の走行速度を検出する走行速度検出手段を具備し、
前記制御部は、前記手動モードに基づく制御を行っている際に、前記走行速度検出手段による検出に係る情報に基づいて前記作業車両が所定の走行速度以上で走行していると判断した場合には、選択する制御モードを前記手動モードから前記自動モードに切り換える請求項1又は請求項2に記載の作業車両の独立型サスペンション。 - 前記制御部が行う制御に係る情報を表示する表示部を具備する請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の作業車両の独立型サスペンション。
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