JP2009125902A - 重切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 - Google Patents

重切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 Download PDF

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Abstract

【課題】高切込み・高送りの重切削加工で、硬質被覆層がすぐれた層間付着強度および耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具を提供する。
【解決手段】工具基体表面に、硬質被覆層として、少なくとも、Ti化合物層と酸化アルミニウム層を化学蒸着で形成してなる表面被覆切削工具において、工具基体とTi化合物層の間に、組成式:W(C1−X)を満足するWの炭窒化物(Xは原子比で、0.005≦X≦0.1)を主体とする下地層を介在形成し、また、下地層についてオージェ電子分光分析した場合、Ti化合物層と下地層の界面近傍に、Co濃度の最高点が存在する。
【選択図】なし

Description

この発明は、工具基体表面に、少なくとも、Ti化合物層からなる硬質被覆層を蒸着形成した表面被覆切削工具において、工具基体表面とTi化合物層の間に、タングステンの炭窒化物を主体とする下地層を介在形成したことにより、切刃部に高負荷が作用する各種鋼や鋳鉄等の重切削加工においても、硬質被覆層がすぐれた層間密着性を有し、その結果、チッピング、剥離、欠損等を発生することなく長期の使用にわたってすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具(以下、被覆工具という)に関するものである。
従来、一般に、炭化タングステン基(以下、WC基で示す)超硬合金または炭窒化チタン基(以下、TiCN基で示す)サーメットで構成された基体(以下、これらを総称して工具基体という)の表面に、少なくとも、Ti化合物層と酸化アルミニウム層からなる硬質被覆層を蒸着形成した表面被覆切削工具において、工具基体表面とTi化合物層の間に、タングステンの炭化物(以下、WCで示す)層を蒸着形成した被覆工具が知られている。
例えば、WC基超硬合金基体表面に、Ti化合物層(TiC層、TiN層、TiCN層)と酸化アルミニウム層(以下、Al23層で示す)からなる硬質被覆層を蒸着形成した被覆工具において、工具基体表面とTi化合物層の間に、WC層を下地層として介在形成した被覆工具が知られており、そして、この被覆工具は、靭性の低下が防止され、すぐれた皮膜密着性と耐摩耗性を備えることが知られている。
また、例えば、WC基超硬合金あるいはTiCN基サーメット基体表面に、TiN層、TiCN層、TiC層、TiCN層、TiCNO層等のTi化合物層とAl23層からなる硬質被覆層を蒸着形成した被覆工具において、工具基体表面とTi化合物層の間に、縦方向羽毛状成長組織を有するWC層を下地層として介在形成した被覆工具が知られており、そして、この被覆工具は、すぐれた高温強度、耐機械的衝撃性を有することから、すぐれた耐チッピング性を発揮することが知られている。
特開平6−173009号公報 特開平2006−231422号公報 特開平2006−231423号公報
近年の切削装置の高性能化はめざましく、一方で切削加工に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要求は強く、これに伴い、切削加工は一段と過酷な条件下で行われる傾向にあるが、上記の従来被覆工具においては、これを各種鋼、鋳鉄等の通常条件の切削加工に用いた場合には問題はないが、特にこれを、切刃部に高負荷が作用する高切込み・高送りの重切削加工に用いた場合には、前記硬質被覆層の層間付着強度が十分でなく、また、Ti化合物層自身の高温強度も十分でないため、チッピング、層間剥離、欠損、偏摩耗等が発生しやすく、これらが原因で比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、少なくとも、Ti化合物層からなる硬質被覆層を蒸着形成した表面被覆切削工具において、硬質被覆層の層間付着強度の改善およびTi化合物層自身の高温強度の改善を目的として、鋭意研究を行った結果、以下の知見を得た。
(a)上記の従来被覆工具は、WC基超硬合金あるいはTiCN基サーメット基体表面上に、通常の化学蒸着装置にて、例えば、
反応ガス組成:容量%で、WF 0.5〜5%,C 0.5〜10%,H 10〜35%、Ar:残り、
反応雰囲気温度:500〜900℃、
反応雰囲気圧力:5〜30kPa、
の条件でWC層からなる下地層を化学蒸着し、
あるいは、
WC基超硬合金あるいはTiCN基サーメット基体表面上に、
反応ガス組成:容量%で、WF 0.04〜0.4%,CHCN 0.04〜0.4%,H 40〜80%、Ar:残り、
反応雰囲気温度:920〜1050℃、
反応雰囲気圧力:5〜30kPa、
の条件でWC層(以下、従来WC層という)からなる下地層を化学蒸着し、
その後、下地層表面に、通常条件でTi化合物層、Al23層を化学蒸着することにより、従来WC層からなる下地層と、Ti化合物層、Al23層からなる硬質被覆層を有する被覆工具が形成されること。
(b)しかし、上記従来WC層の形成条件を変更し、WC基超硬合金あるいはTiCN基サーメット基体表面上に、通常の化学蒸着装置にて、例えば、
反応ガス組成:容量%で、WF:0.5〜3%、CHCN:0.5〜5%、
:2〜10%、H2:40〜50%、Ar:残り、
反応雰囲気温度:980〜1100℃、
反応雰囲気圧力:5〜20kPa、
の条件、即ち、上記従来の下地層(WC層)形成条件と比べると、反応ガス成分として、CHCNの割合を高くし、Nガスを添加含有させた条件、で下地層を蒸着形成し、その後、通常条件でTi化合物層、Al23層を蒸着形成すると、工具基体表面とTi化合物層の間には、
組成式:W(C1−X
で表した場合、0.005≦X≦0.1(ただし、Xは原子比)を満足する組成を有するWの炭窒化物(以下、改質WCNという)を主体とする下地層(以下、改質WCN層という)が形成され、そして、この改質WCN層は、工具基体との密着強度にすぐれること。
(c)さらに、上記改質WCN層について、オージェ電子分光分析によりその成分及び濃度を測定したところ、Ti化合物層と改質WCN層との界面近傍にはCo成分濃度の最高点が形成され、そして、改質WCN層中にこのようなCo成分の高濃度最高点が存在することによって、改質WCN層上に蒸着形成されるTi化合物層の核形成密度が高くなり、微細なTi化合物層が形成されるため、改質WCN層上に形成されて成長するTi化合物層の結晶粒の微細化が図られ、Ti化合物層はすぐれた高温強度を備えたものとなり、さらに、改質WCN層はTi化合物層とすぐれた密着強度を有するようになること。
(d)したがって、Ti化合物層とAl23層を備えた表面被覆切削工具において、工具基体とTi化合物層との間に下地層として上記改質WCN層を介在形成すると、切刃部に高負荷が作用する重切削加工に用いた場合にも、改質WCN層がすぐれた層間付着強度を有し、かつ、Ti化合物層がすぐれた高温強度を備え、また、Al23層がすぐれた高温硬さと耐熱性を備えることから、硬質被覆層にチッピング、剥離、欠損、偏摩耗等が生じることはなく、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮するようになること。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、
「 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に、硬質被覆層として、少なくとも、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちから選ばれた1層または2層以上からなるTi化合物層と酸化アルミニウム層を化学蒸着で形成してなる表面被覆切削工具において、
工具基体とTi化合物層の間に、0.05〜2μmの平均層厚を有するWの炭窒化物を主体とする下地層を化学蒸着で介在形成し、
上記下地層は、Wの炭窒化物を、
組成式:W(C1−X
で表した場合、0.005≦X≦0.1(ただし、Xは原子比)を満足する組成を有し、また、上記下地層をオージェ電子分光分析した場合、Ti化合物層と下地層の界面近傍に、Co濃度の最高点が存在することを特徴とする表面被覆切削工具。」
に特徴を有するものである。
以下に、この発明の被覆工具の硬質被覆層の構成層に関し、詳細に説明する。
(a)下地層
下地層(改質WCN層)の主体を構成する改質WCNは、既に述べたとおり、
組成式:W(C1−X
で表した場合、0.005≦X≦0.1(ただし、Xは原子比)を満足する組成を有するが、Cとの合量に占めるNの含有割合X(原子比)については、Xの値が0.005未満では、Ti化合物層と改質WCN層の界面近傍にCo成分濃度の最高点を形成することができないため、改質WCN層上に成長するTi化合物層の結晶粒微細化を図ることができず、一方、Xの値が0.1を超えると改質WCN層自体の靭性が低下し、さらに、Ti化合物層あるいは工具基体との熱膨張差が拡大し、密着強度低下するため、Nの含有割合Xの値(原子比)を0.005〜0.1と定めた。
また、改質WCN層について、オージェ電子分光分析によりその成分及び濃度を測定したところ、Ti化合物層と改質WCN層の界面近傍には、Co成分濃度の最高点が存在することが確認された。
従来被覆工具における下地層である従来WC層においては、基体表面と従来WC層の界面近傍にCo濃度の最高点が形成されていたが、本発明では、下地層の成分として微量の窒素成分を含有させることにより、Co濃度の最高点形成位置を、改質WCN層とTi化合物層との界面近傍に形成することができた。微量のNを含有する改質WCN層を蒸着形成することによって、Co濃度の最高点形成位置が変化する機構は明らかではないが、少なくとも、これによって改質WCN層上でのTi化合物層の核形成密度が高くなり、その結果、Ti化合物層の結晶粒の微細化が促進され、すぐれた高温強度を備えたTi化合物層が形成されるという好ましい結果が得られている。
さらに、改質WCN層は、工具基体およびTi化合物層のいずれとも強固な密着強度を有しており、層間付着強度を向上させることができる。
改質WCN層の層厚について、その平均層厚が0.05μm未満では、前記作用を十分に発揮させることができず、一方前記作用は2μmまでの平均層厚で十分であることから、その平均層厚を0.05〜2μmと定めた。
(b)Ti化合物層、Al
Ti化合物層としては、TiN層、TiC層、TiCN(粒状結晶、縦長成長結晶)層、TiCO層、TiCNO層のいずれかの単層、あるいは、これらの2層以上からなる複層を用いることができ、また、Ti化合物層の上には、Al層を蒸着形成する。なお、Ti化合物層の上には、Al層ばかりでなく他の硬質膜を蒸着形成することも勿論可能である。
具体的な硬質被覆層の層構造としては、例えば、
(イ)改質WCN層上に、粒状TiN,TiC,TiCNのいずれか1層又は2層以上−縦長成長結晶組織のTiCN層−TiCO,TiCNOのいずれか1層又は2層−Al層を蒸着形成する、
(ロ)改質WCN層上に、TiC層とTiN層の交互積層を蒸着形成し、その上にAl層を蒸着形成する、
(ハ)改質WCN層上に、縦長成長結晶組織のTiCN層−TiCO,TiCNOのいずれか1層又は2層−Al層を蒸着形成する、
等を挙げることができる。
改質WCN層上に蒸着形成された上記の各層は、基本的に、被覆工具として必要とされる硬さと強度を担保するが、改質WCN層が工具基体との間に介在形成されることによって、硬質被覆層を構成するTi化合物層の結晶粒が微細化されるため、より一段とすぐれた高温強度を有するようになり、その結果、切刃部に高負荷が作用する高切込み・高送りの重切削という厳しい切削条件であっても、硬質被覆層のチッピング、剥離、欠損、偏摩耗等を生じることなく、長期の使用に亘って、すぐれた耐摩耗性を発揮する。
なお、改質WCN層の上に蒸着形成されるTi化合物層の層厚、Al層の層厚(あるいは別の硬質膜との合計層厚)等は、所要の耐摩耗性を保持し、かつ、チッピング、偏摩耗を発生させないという観点から層種別に応じて定めればよく、特に限定されるものではない。
この発明の被覆工具は、工具基体とTi化合物層との間に、下地層として改質WCN層を介在形成しているので、工具基体−改質WCN層−Ti化合物層での層間付着強度が一段と向上し、さらに、Ti化合物層自身の高温強度が改善されるので、切刃部に高負荷が作用する各種鋼や鋳鉄等の高切込み・高送りの重切削加工においても、チッピング、剥離、欠損、偏摩耗等を発生することなく、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮し、使用寿命の一層の延命化を可能とするものである。
つぎに、この発明の被覆工具を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも1〜3μmの平均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、VC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr32粉末、TiN粉末、およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、98MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を5Paの真空中、1370〜1470℃の範囲内の所定の温度に1時間保持の条件で真空焼結し、焼結後、切刃部にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO・CNMG120408に規定するスローアウエイチップ形状をもったWC基超硬合金製の工具基体A〜Fをそれぞれ製造した。
また、原料粉末として、いずれも0.5〜2μmの平均粒径を有するTiCN(質量比で、TiC/TiN=50/50)粉末、Mo2 C粉末、ZrC粉末、NbC粉末、TaC粉末、WC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これら原料粉末を、表2に示される配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、98MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を1.3kPaの窒素雰囲気中、温度:1540℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO規格・CNMG120408のチップ形状をもったTiCN基サーメット製の工具基体a〜fを形成した。
ついで、これらの工具基体A〜Fおよび工具基体a〜fのそれぞれを、通常の化学蒸着装置に装入し、
まず、表3に示される条件にて、表5に示される目標平均組成、目標層厚の改質WCN層を硬質被覆層の下地層として蒸着形成し、
ついで、表4(表4中のl−TiCNは特開平6−8010号公報に記載される縦長成長結晶組織をもつTiCN層の形成条件を示すものであり、これ以外は通常の粒状結晶組織の形成条件を示すものである)に示される条件にて、表5に示される目標層厚の各種Ti化合物層、Al層を蒸着形成することにより、本発明被覆工具1〜13をそれぞれ製造した。
また、比較の目的で、工具基体とTi化合物層の間に、表3に示される条件にて従来WC層からなる下地層を蒸着形成し、それ以外は本発明被覆工具1〜13と同条件で目標層厚の各種Ti化合物層、Al層を蒸着形成することにより、表6に示される従来被覆工具1〜13をそれぞれ製造した。
ついで、上記の本発明被覆工具1〜13および従来被覆工具1〜13の工具基体、下地層を構成する改質WCN層および従来WC層、Ti化合物層について、オージェ電子分光分析器を用いて、厚さ方向の各位置における各成分の濃度を測定し、下地層全体にわたるN平均濃度およびCo濃度の最高点を求め、これらの値を表5、表6に示した。なお、Co濃度の最高点を示す位置については、Ti化合物層と下地層との界面からの距離として表5、表6にそれぞれ示した。
表5、表6からも明らかなように、本発明被覆工具1〜13では、Co濃度の最高点は、改質WCN層とTi化合物層との界面近傍に形成されているのに対して、従来被覆工具1〜13では、Co濃度の最高点は、すべて、工具基体側であって、かつ、従来WC層と工具基体表面の界面近傍に形成されていることがわかる。
また、上記の本発明被覆工具1〜13および従来被覆工具1〜13の硬質被覆層を構成する各層(改質WCN層、従来WC層を含む)について、その平均層厚を走査型電子顕微鏡を用いて測定(縦断面測定)したところ、いずれも目標層厚と実質的に同じ平均層厚(5点測定の平均値)を示した。
つぎに、上記の本発明被覆工具1〜13および従来被覆工具1〜13各種の被覆工具について、いずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、
被削材:JIS・S10Cの丸棒、
切削速度: 200 m/min.、
切り込み: 1.5 mm、
送り: 1.0 mm/rev.、
切削時間: 10 分、
の条件(切削条件Aという)での炭素鋼の乾式高送り切削試験(通常の送りは、0.3mm/rev.)、
被削材:JIS・SCM440の丸棒、
切削速度: 200 m/min.、
切り込み: 1.5 mm、
送り: 0.9 mm/rev.、
切削時間: 10 分、
の条件(切削条件Bという)での合金鋼の乾式高送り切削試験(通常の送りは、0.3mm/rev.)、
被削材:JIS・FCD500の丸棒、
切削速度: 200 m/min.、
切り込み: 7 mm、
送り: 0.25 mm/rev.、
切削時間: 10 分、
の条件(切削条件Cという)でのダクタイル鋳鉄の乾式高切込み切削試験(通常の切込みは、1.5mm/rev.)、
を行い、いずれの切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この測定結果を表7に示した。
Figure 2009125902
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Figure 2009125902
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Figure 2009125902
Figure 2009125902
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表5〜7に示される結果から、本発明被覆工具1〜13は、いずれも工具基体とTi化合物層の間に、改質WCN層が介在形成されていることにより、工具基体−改質WCN層−Ti化合物層間の層間付着強度が一段と高まり、かつ、Ti化合物層自身の高温強度も改善されるため、切刃部に高負荷が作用する各種鋼や鋳鉄等の高切込み・高送りの重切削加工においても、チッピング、剥離、欠損、偏摩耗等を発生することなく、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮するのに対して、工具基体とTi化合物層の間に、従来WC層が介在形成されている従来被覆工具1〜13においては、切刃部に偏摩耗、剥離、欠損等が生じやすく、かつ、摩耗進行も早いため、重切削加工では比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。
上述のように、この発明の被覆工具は、各種の鋼や鋳鉄などの通常条件での切削加工は勿論のこと、切刃部に高負荷が作用する各種鋼や鋳鉄等の重切削加工においても、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮するものであるから、切削装置の高性能化並びに切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。

Claims (1)

  1. 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に、硬質被覆層として、少なくとも、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちから選ばれた1層または2層以上からなるTi化合物層と酸化アルミニウム層を化学蒸着で形成してなる表面被覆切削工具において、
    工具基体とTi化合物層の間に、0.05〜2μmの平均層厚を有するWの炭窒化物を主体とする下地層を化学蒸着で介在形成し、
    上記下地層は、Wの炭窒化物を、
    組成式:W(C1−X
    で表した場合、0.005≦X≦0.1(ただし、Xは原子比)を満足する組成を有し、また、上記下地層をオージェ電子分光分析した場合、Ti化合物層と下地層の界面近傍に、Co濃度の最高点が存在することを特徴とする表面被覆切削工具。
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