JP2009124136A - 表示装置およびこれに用いるCu合金膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気抵抗率が従来のCu合金膜よりも低く、且つ、バリアメタルを形成せずとも透明導電膜との間で低コンタクト抵抗の直接接続を実現でき、液晶ディスプレイなどに適用した場合に高い表示品質を与えることのできる表示装置用Cu合金膜を提供する。
【解決手段】基板上にて、透明導電膜5,41に直接接続する表示装置用Cu合金膜25,26,34であって、該Cu合金膜は、Geを0.1〜0.5原子%含有し、かつNi、Zn、Fe、及びCoよりなる群から選択される1種以上を合計で0.1〜0.5原子%含有することを特徴とする表示装置用Cu合金膜。
【選択図】図2

Description

本発明は、表示装置およびこれに用いるCu合金膜に関するものであり、特に、表示装置の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと呼ぶことがある。)において、透明導電膜に直接接続する表示装置用Cu合金膜、および該Cu合金膜が上記薄膜トランジスタに用いられた、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(表示装置)、並びに上記Cu合金膜の形成に用いられるスパッタリングターゲットに関する。尚、以下では、表示装置のうち、液晶ディスプレイを例に説明するが、これに限定する意図ではない。
例えば液晶ディスプレイは、小型の携帯電話から30インチを超す大型テレビに至るまで様々な分野に用いられている。この液晶ディスプレイは、画素の駆動方法によって、単純マトリックス型液晶ディスプレイとアクティブマトリックス型液晶ディスプレイに分けられる。このうち、スイッチング素子としてTFTを組み込んだアクティブマトリックス型液晶ディスプレイは、画質が高品質で高速の動画にも対応できるため、液晶ディスプレイの主流となっている。
図1は、アクティブマトリックス型液晶ディスプレイに適用される代表的な液晶ディスプレイの構成を示したものである。この液晶ディスプレイの構成および動作原理を、図1を参照しながら説明する。
まず、液晶ディスプレイ100は、TFT基板1と、TFT基板1に対向して配置された対向基板2と、TFT基板1と対向基板2との間に配置され、光変調層として機能する液晶層3とを備えている。
TFT基板1は、絶縁性のガラス基板1a上に配置されたTFT4、画素電極(透明導電膜)5、走査線や信号線を含む配線部6を有している。
また、対向基板2は、ガラス板の全面に形成された共通電極7と、TFT基板1側の画素電極(透明導電膜)5に対向する位置に配置されたカラーフィルタ8と、TFT基板1上のTFT4および配線部6に対向する位置に配置された遮光膜9とを有している。対向基板2は更に、液晶層に含まれる液晶分子を所定の向きに配向させるための配向膜11を有している。
TFT基板1および対向基板2の外側(液晶層の反対側)には、それぞれ偏光板10a、10bが配置されている。
液晶ディスプレイ100では、各画素において、対向基板2と画素電極(透明導電膜)5との間の電界が、TFT4によって制御され、この電界によって液晶層3における液晶分子の配向が変化し、液晶層3を通過する光が変調(遮光や透光)される。これにより、対向基板2を透過する光の透過量が制御されて、画像として表示される。
液晶ディスプレイ100の下部にはバックライト22が設置され、この光が図1の下部から上部へと通過する。
また、TFT基板1は、TABテープ12を介して連結されたドライバ回路13および制御回路14によって駆動される。
図2は、図1中、Aの要部拡大図である。図2では、ガラス基板1a上に走査線(ゲート配線)25が形成されており、走査線25の一部はTFTのオン・オフを制御するゲート電極26として機能する。ゲート電極26を覆うようにしてゲート絶縁膜(SiN)27が形成されている。ゲート絶縁膜27を介して走査線25と交差するように信号線(ソース−ドレイン配線)34が形成され、信号線34の一部は、TFTのソース電極29として機能する。ゲート絶縁膜27上に、アモルファスシリコンチャネル層(活性半導体膜)33、信号線(ソース−ドレイン配線)34、層間絶縁膜(SiN)30が順次形成されている。このタイプは一般にボトムゲート型とも呼ばれる。
ゲート絶縁膜27上の画素領域には、例えば(In23)中に酸化錫(SnO)を10質量%程度含む酸化インジウム錫(ITO)膜や、(In23)中に酸化亜鉛を含むIZO膜によって形成された画素電極(透明導電膜)5が配置されており、図2において、TFTのドレイン電極28は、画素電極(透明導電膜)5に直接コンタクトして電気的に接続される構造となっている。
このTFT基板に、走査線を経由してゲート電極26にゲート電圧を印加すると、TFT4がオン状態となり、あらかじめ信号線に印加されていた駆動電圧がソース電極29からドレイン電極28を経由して画素電極(透明導電膜)5に印加される。そして、この様に画素電極(透明導電膜)5に所定レベルの駆動電圧が印加されると、対向基板2との間に十分な電位差を生じ、液晶層3に含まれる液晶分子が配向して光変調が生じる。
またTFT構造の上部には、輝度向上のために反射電極(図示せず)が設置される場合がある。
上記ソース−ドレイン配線34や走査線25、ゲート電極26は、加工が容易であるなどの理由により、Al−NdなどのAl合金(以下、これらをAl系合金と呼ぶ。)の薄膜から形成されている。
しかしながら、近年は、液晶ディスプレイの大型化や動作周波数が60kHzから120kHzへと変更する等の事情により、配線の電気抵抗の低減が必須課題となっており、より低い電気抵抗率を有する配線材料へのニーズが高まっている。そこで、純AlやAl合金などのAl系材料に比べて電気抵抗率が低く、また、ヒロック耐性に優れたCu系材料が注目されている(金属[バルク材]の電気抵抗率は、純Alが2.7×10-6Ω・cmであるのに対し、純Cuは1.8×10-6Ω・cm)。
しかし、Cu系材料を配線に適用した場合、耐酸化性が低いという技術課題が残されている。例えばCu系材料をゲート配線やソース−ドレイン配線に適用する場合、該ゲート配線はゲートパッドで透明導電膜(ITO膜)と接続され、またソース−ドレイン配線はソースパッドで透明導電膜(ITO膜)と接続される。該構造を形成する工程では、上記ゲート配線やソース−ドレイン配線の形成後に約300℃で大気に曝される工程があり、該工程で、ゲート配線やソース−ドレイン配線を構成するCu系配線の表面に酸化皮膜が形成される。この様な酸化皮膜が形成されたCu系配線上に、透明導電膜(ITO膜)を形成すると、該酸化皮膜がショットキーバリアとなるため、透明導電膜と良好なコンタクト性が得られないという課題がある。
またCu系材料を配線に適用した場合、ガラス基板(通常SiO2、Al23、BaO、B23を主成分とするガラス)や絶縁膜との密着性が悪いという課題もある。液晶ディスプレイのゲート配線はガラス基板上に、ソース−ドレイン配線は絶縁膜上に形成される。しかしこれら配線にCu系材料を使用すると、Cu系配線がガラス基板から剥離するため、Cu系配線を単独でゲート配線に適用できないという課題がある。
上記課題を解決するために、従来は、ソース電極29、ドレイン電極28、信号線34、ゲート電極26および走査線25の上部や下部に、それぞれMo、Cr、Ti、Wなどの高融点金属からなる薄膜(以下、バリアメタル層ということがある)が形成することが行われてきた。
しかしCu系配線/バリアメタル層のような2層構造では、電気抵抗率の高いバリアメタル(Mo等)があるため、2層全体として配線抵抗(実効的配線抵抗)が高くなるという問題がある。さらにこのような2層構造では、材質の異なる薄膜を積層しているため、(1)プロセスが複雑になる、(2)配線形状にパターニングする際のウェットエッチング(エッチングレートの確保、テーパー制御などの配線断面形状制御など)が難しくなるという問題があり、液晶ディスプレイの大量生産に伴う低コスト化が進むにつれて、バリアメタル層の形成にともなう製造コストの上昇や生産性の低下が軽視できなくなっている。そのため、バリアメタル層の形成を省略して、透明導電膜と直接接続し得る配線材料が切望されている。
これまでにも、バリアメタル層の形成を省略することのできるCu合金膜が提案されており、例えば特許文献1には、Znおよび/またはMgを総量で0.1〜3.0原子%含むか、Niおよび/またはMnを総量で0.1〜0.5原子%含むCu合金膜、更には、Feおよび/またはCoを総量で0.02〜1.0原子%とPを0.005〜0.5原子%含むCu合金膜が示されている。
しかし、上述した液晶ディスプレイの大型化等に伴うCu合金膜の更なる電気抵抗率低減に対応するには、Cu合金膜の成分組成について更に検討する必要がある。
また特許文献2では、大規模集積回路(LSI)の配線に用いるべくCu−Ge合金を提案し、その組成を規定している。LSI用配線としてはその実効電気抵抗率が5μΩ・cm以下のものが望ましく、この場合には、上記Cu−Ge合金でも該電気抵抗率を実現することができる。しかし、液晶ディスプレイの配線に用いる場合には、配線の実効電気抵抗率が2.5〜3.0μΩ・cm以下とより低いことが望まれるが、上記Cu−Ge合金では該低電気抵抗率を実現することが難しい。
さらに上記特許文献1および2は、Cu合金膜とガラス基板との密着性を向上させることは検討していない。
特開2007−017926号公報 特開2005−191363号公報
本発明は上記のような事情に着目してなされたものであり、本発明の第1の目的は、Cu合金膜の特徴である低電気抵抗率を更に改善し、バリアメタル層の形成を省略して透明導電膜(ITO膜,IZO膜など)と直接接続した場合に良好なコンタクト性の得られるCu合金膜を提供することにある。
本発明の第2の目的は、Cu合金膜の特徴である低電気抵抗率を維持しつつ、ガラス基板との密着性に優れ、ガラス基板との間のバリアメタル層を省略できる(即ち単層で使用できる)Cu合金膜を提供することにある。
さらに本発明は、(1)上記Cu合金膜をTFTに用いた、例えば液晶ディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイ(表示装置);および(2)上記の様な優れた性能を有するCu合金膜を形成するためのスパッタリングターゲット;を提供することも目的とする。
第1の目的を達成し得た本発明の表示装置用Cu合金膜とは、基板上にて、透明導電膜に直接接続する表示装置用Cu合金膜であって、Geを0.1〜0.5原子%(at%)含有し、かつNi、Zn、Fe、及びCoよりなる群から選択される1種以上を合計で0.1〜0.5原子%含有するところに特徴を有する。
本発明は、前記Cu合金膜が、薄膜トランジスタに用いられていることを特徴とする表示装置も含むものであり、その態様として、前記Cu合金膜が、薄膜トランジスタのゲート電極および走査線に用いられ、透明導電膜に直接接続されているものや、前記Cu合金膜が、薄膜トランジスタのソース電極および/またはドレイン電極並びに信号線に用いられ、透明導電膜に直接接続されているものが挙げられる。
前記透明導電膜としては、酸化インジウム錫(ITO)または酸化インジウム亜鉛(IZO)で形成されているものが挙げられる。
また本発明には、前記Cu合金膜の形成に用いるスパッタリングターゲットであって、Geを0.1〜0.5原子%含むと共に、Ni、Zn、Fe、及びCoよりなる群から選択される1種以上を合計で0.1〜0.5原子%含むCu合金からなることを特徴とするスパッタリングターゲットも含まれる。
第2の目的を達成し得た本発明の表示装置用Cu合金膜とは、ガラス基板と直接接続する表示装置用Cu合金膜であって、該Cu合金膜は、(1)GeおよびNiを合計で0.2〜1原子%(即ち、Geが0原子%またはNiが0原子%である場合を含まない);又は(2)GeおよびZnを合計で0.2〜1原子%(即ち、Geが0原子%またはZnが0原子%である場合を含まない);含有するところに特徴を有する。
本発明は、前記Cu合金膜が、薄膜トランジスタに用いられていることを特徴とする表示装置も含むものであり、その態様として、前記薄膜トランジスタがボトムゲート型構造を有するものであって、前記Cu合金膜が、該薄膜トランジスタのゲート電極および走査線に用いられ、ガラス基板に直接接続されているものが挙げられる。
また本発明には、前記Cu合金膜の形成に用いるスパッタリングターゲットであって、(1)GeおよびNiを合計で0.2〜1原子%含有する(即ち、Geが0原子%またはNiが0原子%である場合を含まない)Cu合金;又は(2)GeおよびZnを合計で0.2〜1原子%含有する(即ち、Geが0原子%またはZnが0原子%である場合を含まない)Cu合金;からなることを特徴とするスパッタリングターゲットも含まれる。
本発明によれば、液晶ディスプレイの大型化や動作周波数の高域化に対応することのできる低電気抵抗率のCu合金膜を有する表示装置を実現できる。また第1の目的を達成し得た本発明(以下「第1発明」と略称することがある)によれば、Cu合金膜とITOやIZOなどの透明導電膜を、低い接触抵抗で直接コンタクトさせることができる。さらに第2の目的を達成し得た本発明(以下「第2発明」と略称することがある)によれば、Cu合金膜とガラス基板とを直接接続させることができる。その結果、高融点金属薄膜(バリアメタル層)の省略を可能にした高性能の表示装置を安価に提供できる。
まず第1発明から説明する。本発明者らは、Cu合金膜の特徴である低電気抵抗率が更に改善されると共に、バリアメタル層を省略して透明導電膜(ITO膜,IZO膜など)と直接接続した場合も、良好なコンタクト性の得られるCu合金膜、およびこれをTFTに用いた表示装置を実現すべく鋭意研究を行った。
まず、耐酸化性に優れ、透明導電膜(ITO膜,IZO膜など)と直接接続した場合に良好なコンタクト性の得られるCu−Ge合金膜に着目した。Cu−Ge合金膜は、特許文献2に記載の通り、As−deposited状態(スパッタリングで形成した直後の状態をいう。以下同じ)では、CuにGeが均一に固溶しており、Geの濃度分布は厚み方向にわたって均一である。しかし、このCu−Ge合金膜を、酸素分圧が存在する状態で加熱すると、GeがCu薄膜表面に拡散・濃化し、表面に強固な酸化皮膜(GeO2含有比率の高い酸化皮膜)を形成する。そしてこの酸化皮膜が、酸素の拡散バリア性に極めて優れていることから、高温(300℃程度)大気暴露後に、Cu合金膜表面に厚い酸化皮膜が形成されず(結果としてショットキーバリアが形成されず)、透明導電膜との良好なコンタクト性を確保することができる。そこで、この様に高温耐酸化性を実現できると共に、ある程度の低電気抵抗率も実現することのできるCu−Ge合金膜をベースに、電気抵抗率を更に低下させることのできる第3元素の種類と含有量の検討を行った。その結果、第3元素として、Ni、Zn、Fe、Coを採用することが有効であることを見出した。
以下、低電気抵抗率を確保できると共に、透明導電膜と直接接続させたときに良好なオーミックコンタクト性の得られる本発明のCu合金膜の成分・組成を規定した理由について詳述する。
まず、本発明のCu合金膜はGeを必須成分とする。このGeを含有させることにより、上述の通り、純Cuの場合やGe以外の元素を含む2元系Cu合金と比較して、耐酸化性が著しく向上し、例えば300℃程度の大気暴露工程を経た後でも、Cu合金膜の上部に形成された透明導電膜との良好なオーミックコンタクト性を確保することができる。
この様な効果を十分に発揮させるには、Geを0.1原子%以上含有させる。Cu薄膜に対するGeの絶対量が少ないと、上記酸化皮膜(GeO2)を均一に連続膜として形成することが困難となり、結果として、酸素の拡散バリア層として有効に作用せず、高温耐酸化性が十分に発揮されないからである。好ましくはGeを0.2原子%以上含有させる。Geの含有量が多いほどCu合金膜の高温耐酸化性は向上するが、Cu合金膜の電気抵抗率が増加することから、Geの含有量は0.5原子%以下(好ましくは0.3原子%以下)に抑える必要がある。
しかしCu−Geの2元系Cu合金膜は、Ge含有量が増加するほど電気抵抗率が増加する傾向にあり、純Cu膜と比較して電気抵抗率が高い。しかもCu−Ge合金膜は、熱処理(好ましくは450℃以下、より好ましくは400℃以下)を施した場合にも電気抵抗率の低下傾向が小さく、熱履歴による低電気抵抗率化を期待することもできない。
そこで、第3元素として、Ni、Zn、Fe、及びCoよりなる群から選択される1種以上(以下、Xと称することがある)を、合計で0.1〜0.5原子%を含有させ、Cu−Ge−X合金膜とすれば、該合金膜を熱処理したときに、Geの析出が促進されて、電気抵抗率がCu−Ge合金膜よりも十分に低くなることが分かった。
この様にCu−Ge−X合金膜を熱処理することで電気抵抗率が低下するのは、例えばCu−Ge−Ni合金膜の場合には、Ni3GeやNiGeが析出し、Cu−Ge−Zn合金膜の場合にはCu15Ge4Znが析出し、Cu−Ge−Fe合金膜の場合には、Fe2Ge、FeGe2が析出し、またCu−Ge−Co合金膜の場合には、Co2Ge、CoGe、Co2Ge3、CoGe2がそれぞれ析出して、Geおよび第3元素の固溶量が低減するためと考えられる。
複数のXを組み合わせたものとしては、Cu−Ge−Ni−Zn、Cu−Ge−Zn−Co、Cu−Ge−Ni−Coが挙げられるが、この様に複数のXを組み合わせた場合にも、上記XとGeの析出物がそれぞれ形成される。よって、この場合も、それぞれの元素添加の効果が相殺されることなく電気抵抗率低減効果が発揮される。
上記効果を発揮させるには、Xの含有量を総量で0.1原子%以上とするのがよい。好ましくは0.2原子%以上である。しかし総量が0.5原子%を超えると、Ge含有量以上に第3元素が過剰に存在することとなり、Geと反応しきれない第3元素(Geと反応して金属間化合物を形成しきれない第3元素)が余剰元素(Cu合金膜中への固溶元素)として残り、Cu合金膜の電気抵抗率をかえって増加させてしまうので好ましくない。この様な観点からは、Ge含有量(原子%)/X含有量(原子%)の比率が1〜2であることが好ましいと考えられる。
次に第2発明を説明する。第2発明のCu合金膜も、第1発明のCu合金膜と同様に、Cu−Ge−X(第3元素)合金からなるが、XとしてNiまたはZnを選択している点で第1発明と相違する。
第2の目的を達成する、即ち、Cu合金膜の特徴である低電気抵抗を確保しつつ、Cu配線とガラス基板との密着性を向上させるには、Cu配線とガラス基板との間で結合エネルギーの大きな化学的な結合を形成させることが望ましい。つまり、「物理吸着などによる物理的な結合」に比べて、結合エネルギー(結合力)が大きい「化学吸着や界面反応層の形成などによる化学的な結合」を形成させることができれば、より強い密着力を実現できる。しかし、Cu配線とガラス基板とは化学的な結合が形成しにくいことから、Cu配線はガラス基板との密着性が劣る。
そこで本発明者らは、Cuに所定の合金元素を添加し、該合金元素とガラス基板の構成元素の間で化学的な結合を形成させることによって、ガラス基板との密着性を向上させることを着想した。この化学的な結合の形成には、Geが有効に作用する。Geは酸素との親和性が強く(酸化物を形成しやすく)、ガラス基板の主成分であるSiO2と反応し、ガラス基板界面で酸素を介した結合(Si−O−Ge)を形成できる。また、GeはCu中での拡散係数が大きいため、Cu膜中に少量添加してもガラス基板界面に拡散濃化し、界面で酸素を介した結合を形成し、密着性を飛躍的に向上させる。
このような密着性向上作用を有するGeに加えて、NiまたはZnを複合添加することによって、ガラス基板へのCu合金膜の密着性はさらに向上する。この(Ge,Ni)または(Ge,Zn)複合添加の作用は明確ではないが、Cu中にNiまたはZnを添加することによって、Geの界面への拡散濃化が促進されるものと考えられる。
また、通常Cu中に合金元素を添加すると電気抵抗率の増加を招くが、Cu中にNiまたはZnを添加しても、Cu合金の電気抵抗率をほとんど増加させない。Cu−Ni合金は全率固溶系であり、NiはCuに全率固溶するため、電気抵抗率増加の寄与が少ないと思われる。一方、Cu−Zn合金は包晶系であるが、Cu中でのZnの固溶限が約30%と広いことから、電気抵抗率増加の寄与が少ないと思われる。さらに上述したように、Cu−Ge−Ni合金では熱処理によってNi3Ge、NiGeを、Cu−Ge−Zn合金配線では熱処理によってCu15Ge4Znを金属間化合物として析出することから、Cu−Ge合金中へのNiまたはZnの添加は、電気抵抗率の低減にも有効に作用する。
上述のようなガラス基板との良好な密着性および低い電気抵抗率を両立するために、(Ni,Ge)または(Zn,Ge)の合計量は、いずれも、0.2原子%以上(好ましくは0.3原子%以上)、1原子%以下(好ましくは0.6原子%以下)である。これらの合計量が少なすぎると、合金元素のガラス基板界面への濃化の程度も少なく、界面での化学結合形成の程度も小さくなり、高密着性を良好に発揮できなくなる。またこれらの合計量が過剰になると、密着性は向上するが、Cu合金膜自体の電気抵抗率が増加する。また第2発明における好ましいGe含有量(原子%)/X含有量(原子%)の比率は、0.5〜2.0である。
第2発明において、Cu合金膜の高温耐酸化性を向上させて透明導電膜との良好なコンタクト性を実現し、その上さらに電気抵抗率を低減するためには、第1発明の元素量の要件も満たすことが好ましい。即ち第2発明でも、Ge量は、好ましくは0.1原子%以上(より好ましくは0.2原子%以上)、好ましくは0.5原子%以下(より好ましくは0.3原子%以下)であり、Ni、Znの各量は、好ましくは0.1原子%以上(より好ましくは0.2原子%以上)、好ましくは0.5原子%以下(より好ましくは0.4原子%以下)である。
上記(即ち第1発明および第2発明の)Cu−Ge−X合金膜は、上記規定量のGeおよび第3元素(X)を含み、残部Cuおよび不可避不純物である。前記不可避不純物としては、酸素、窒素、炭素、アルゴン等が挙げられ、これらは合計で0.1原子%以下である。また他の特性(例えば耐食性など)を向上させるために、Cu−Ge−X合金膜にさらに他の元素を含有させても良い。
上記Cu−Ge−X合金膜の形成には、スパッタリング法を採用することが望ましい。スパッタリング法とは、真空中にAr等の不活性ガスを導入し、基板とスパッタリングターゲット(以後、ターゲットと称する場合がある)との間でプラズマ放電を形成し、該プラズマ放電によりイオン化したArを上記ターゲットに衝突させて、該ターゲットの原子をたたき出し基板上に堆積させて薄膜を作製する方法である。イオンプレーティング法や電子ビーム蒸着法、真空蒸着法で形成された薄膜よりも成分や膜厚の膜面内均一性に優れた薄膜を容易に形成でき、かつAs−deposited状態で合金元素が均一に固溶した薄膜を形成できるため、高温耐酸化性などを効果的に発現できるからである。スパッタリング法としては、例えばDCスパッタリング法、RFスパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、反応性スパッタリング法等のいずれのスパッタリング法を採用してもよく、その形成条件は、適宜設定すればよい。
また上記スパッタリング法で、上記Cu−Ge−X合金膜を形成するには、所望のCu−Ge−X合金膜と同一の成分・組成のCu−Ge−X合金スパッタリングターゲットを用いれば、組成ズレすることなく、所望の成分・組成のCu−Ge−X合金膜を形成することができる。即ち、第1発明のCu−Ge−X合金膜を形成するには、Geを0.1〜0.5原子%、およびNi、Zn、Fe、及びCoよりなる群から選択される1種以上を0.1〜0.5原子%含有するCu合金からなるものであって、所望のCu−Ge−X合金膜と同一の成分・組成のCu−Ge−X合金スパッタリングターゲットを用いればよい。また第2発明のCu−Ge−X合金膜を形成するには、(1)GeおよびNiを合計で0.2〜1原子%含有するCu合金;または(2)GeおよびZnを合計で0.2〜1原子%含有するCu合金;からなるものであって、所望のCu−Ge−X合金膜と同一の成分・組成のCu−Ge−X合金スパッタリングターゲットを用いればよい。
ターゲットの形状は、スパッタリング装置の形状や構造に応じて任意の形状(角型プレート状、円形プレート状、ドーナツプレート状など)に加工したものが含まれる。
上記ターゲットの製造方法としては、溶解鋳造法や粉末焼結法、スプレイフォーミング法で、Cu基合金からなるインゴットを製造して得る方法や、Cu基合金からなるプリフォーム(最終的な緻密体を得る前の中間体)を製造した後、該プリフォームを緻密化手段により緻密化して得られる方法などが挙げられる。
上記Cu−Ge−X合金膜をスパッタリング法などで形成した後に、熱処理を施すことが望ましい。熱処理によって第1発明のCu合金膜では電気抵抗率(配線抵抗)が低減し、第2発明のCu合金膜では、ガラス基板との密着性が向上するとともに、電気抵抗率も低減する。これらのCu合金膜で電気抵抗率が低減するのは、上述したようにNi3Ge等が析出して、Geおよび第3元素(X)の固溶量が低減するためであると考えられる。また第2発明のCu合金膜でガラス基板との密着性が向上するのは、熱処理(熱エネルギー)により、Cu合金膜およびガラス基板界面への合金元素の濃化が促進され、界面での化学的な結合の形成も促進されるためであると考えられる。
熱処理温度が高く、熱処理時間(保持時間)が長いほど、電気抵抗率の低減および密着性の向上に有効であると考えられる。しかし熱処理の温度および時間が過剰であると、ガラス基板に悪影響を及ぼしたり、生産性が低下する。従って熱処理温度は、好ましくは350℃以上、好ましくは450℃以下(より好ましくは400℃以下)であり、熱処理時間は、好ましくは30分以上、好ましくは120分以下である。
本発明のCu−Ge−X合金膜は、表示装置のTFTに特に用いられるものである。
その中でも第1発明のCu−Ge−X合金膜を、特に
・TFTのゲート電極および走査線、および/または
・ソース電極および/またはドレイン電極、並びに信号線
に用いると、その特性が十分に発揮されるのでよい。
また第2発明のCu−Ge−X合金膜が、バリアメタル層を省略して、特にボトムゲート型構造を有する前記TFTのゲート電極および走査線に、単層で用いられていることが好ましい。
尚、本発明のCu−Ge−X合金膜が、上記TFTのゲート電極および走査線、ソース電極および/またはドレイン電極、並びに信号線の複数に用いられる場合には、これらを構成するCu−Ge−X合金膜の成分・組成が一致していてもよいし、また規定範囲内で成分・組成が相違していてもよい。
以下、図面を参照しながら、本発明の表示装置の好ましい実施形態を説明する。以下では、アモルファスシリコンTFT基板を備えた液晶表示装置を代表的に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
前記図2において、ソース電極29やドレイン電極28、信号線(図2に表示されていない)、および/または走査線(ゲート配線)25やゲート電極26を、本発明のCu合金膜(例えばCu−0.3原子%Ge−0.3原子%Ni合金)とすることが一態様として挙げられる。
本実施形態(第1発明)によれば、従来のように、ソース−ドレイン電極の上部にMo等からなるバリアメタル層を介在させることなく、Cu合金膜を透明導電膜と直接接続することができ、従来のTFT基板と同程度以上の良好なTFT特性を実現できる(後記する実施例を参照)。また第2発明によれば、走査線(ゲート配線)やゲート電極の下部にバリアメタル層を介在させることなく、Cu合金膜をガラス基板と直接接続することができる。
次に、図3〜7を参照しながら、図2に示す本実施形態に係るTFT基板の製造方法を説明する。図3〜7には図2と同じ参照符号を付している。
まず、図3に示すように、ガラス基板(透明基板)1aに、スパッタリング法を用いて厚さ200nm程度のCu合金膜(例えば、Cu−0.3原子%Ge−0.3原子%Ni合金)を成膜する。この膜をパターニングすることにより、ゲート電極26および走査線25を形成する。このとき、後記する図4において、ゲート絶縁膜27のカバレッジが良くなる様に、上記積層薄膜の側面を傾斜角約30°〜60°のテーパー状にエッチングしておくのがよい。
次いで、図4に示すように、例えばプラズマCVD法などの方法を用いて、約300nm程度のゲート絶縁膜(SiN)27を形成する。プラズマCVD法の成膜温度は、約350℃とすればよい。
続いて、図5に示す様に、例えばプラズマCVD法などの方法を用いて、ゲート絶縁膜(SiN)27の上に、厚さ200nm程度のアンドープト水素化アモルファスシリコン膜(a−Si:H)、および厚さ50nm程度のリンをドーピングしたn+型水素化アモルファスシリコン膜(n+a−Si:H)からなるアモルファスシリコンチャネル膜(活性半導体膜)33を形成し、この膜33をパターニングする。そしてその上に、スパッタリング法を用いて、厚さ300nm程度のCu合金膜(例えば、Cu−0.3原子%Ge−0.3原子%Ni合金)を形成してからパターニングすることにより、図6に示す様に、信号線と一体のソース電極29と、画素電極(透明導電膜)5に直接接続されるドレイン電極28とが形成される。尚、上記スパッタリングの成膜温度は約150℃とすればよい。
次に、図7に示すように、例えばプラズマCVD装置などを用いて、厚さ300nm程度の層間絶縁膜30を形成する。次いで、層間絶縁膜30上にフォトレジスト(図示せず)を形成した後、層間絶縁膜30をパターニングし、例えばドライエッチング等によって層間絶縁膜30にコンタクトホールを形成する。同時に、パネル端部のゲート電極上のTABとの接続に当たる部分にコンタクトホールを形成する。
そして最後に、例えば保管時間(8時間程度)の範囲内で、前記図2に示すように、例えば厚さ40nm程度のITO膜を成膜し、ウェットエッチングによるパターニングを行うことによって画素電極(透明導電膜)5を形成する。同時に、パネル端部のゲート電極のTABとの接続部分に、TABとのボンディングのためのITO膜41をパターニングすると、TFTアレイ基板1が完成する。
このようにして作製されたTFT基板は、ドレイン電極28と画素電極(透明導電膜)5が直接コンタクトされており、また走査線25とTAB接続用のITO膜も直接コンタクトされている。
上記では、画素電極(透明導電膜)5として、ITO膜を用いたが、IZO膜(InOx−ZnOx系導電性酸化膜)を用いてもよい。また、活性半導体膜として、アモルファスシリコンの代わりにポリシリコンを用いてもよい。
このようにして得られるTFT基板を使用し、例えば、以下に記載の方法によって、前述した図1に示す液晶ディスプレイを作製する。
まず、上記のようにして作製したTFT基板1の表面に、例えばポリイミドを塗布し、乾燥してからラビング処理を行って配向膜を形成する。
一方、対向基板2は、ガラス基板上に、例えばCrをマトリックス状にパターニングすることによって遮光膜9を形成する。次に、遮光膜9の間隙に、樹脂製の赤、緑、青のカラーフィルタ8を形成する。遮光膜9とカラーフィルタ8上に、ITO膜のような透明導電性膜を共通電極7として配置することによって対向電極を形成する。そして、対向電極の最上層に例えばポリイミドを塗布し、乾燥した後、ラビング処理を行って配向膜11を形成する。
次いで、TFT基板1と対向基板2の配向膜11が形成されている面と夫々対向するように配置し、樹脂製などのシール材16により、液晶の封入口を除いてTFT基板1と対向基板2とを貼り合わせる。このとき、TFT基板1と対向基板2との間には、スペーサー15を介在させるなどして2枚の基板間のギャップを略一定に保つ。
このようにして得られる空セルを真空中におき、封入口を液晶に浸した状態で徐々に大気圧に戻していくことにより、空セルに液晶分子を含む液晶材料を注入して液晶層を形成し、封入口を封止する。最後に、空セルの外側の両面に偏光板10a、10bを貼り付けて液晶パネルを完成させる。
次に、前記図1に示したように、液晶ディスプレイを駆動するドライバ回路13を液晶ディスプレイに電気的に接続し、液晶ディスプレイの側部あるいは裏面部に配置する。そして、液晶ディスプレイの表示面となる開口を含む保持フレーム23と、面光源をなすバックライト22と導光板20と保持フレーム23によって液晶ディスプレイを保持し、液晶ディスプレイを完成させる。
本発明の表示装置は、配線・電極部が規定のCu合金膜で形成されているため、格段に優れた性能と信頼性を実現することが可能である。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
〈第1発明〉
まず実験例1および2によって、第1発明を説明する。
(試料の作製)
DCマグネトロンスパッタリング法(成膜条件は下記の通り)によって、室温にて、ガラス基板(コーニング社製 Eagle#2000、直径50mm×厚さ0.7mm)上に、所定成分・組成のCu合金膜を0.3μm形成した。この際、スパッタリングターゲットとして、真空溶解法で作製した種々の組成のCu−Ge合金ターゲットを用いて、Cu−Ge合金膜を形成した。また、前記Cu−Ge合金ターゲット上に、第3元素:Xの純金属チップまたはX以外の第3元素(Nb、Hf、ZrまたはSb)を含むチップを設置して組成調整を行い、種々の成分・組成のCu−Ge−X合金膜やCu−Ge−(X以外の第3元素)合金膜を形成した。
得られたCu−Ge合金膜やCu−Ge−X合金膜、Cu−Ge−(X以外の第3元素)合金膜の組成は、ICP発光分光分析装置(島津製作所製のICP発光分光分析装置「ICP−8000型」)を用いて定量分析した。
(成膜条件)
・背圧:1.0×10-6Torr以下
・Arガス圧:2.0×10-3Torr
・Arガス流量:30sccm
・スパッタパワー:3.2W/cm2
・極間距離:50mm
・基板温度:室温
[実験例1]
上記種々のCu−Ge合金膜、Cu−Ge−X合金膜またはCu−Ge−(X以外の第3元素)合金膜を用いて、下記に示す通り電気抵抗率を測定し、その評価を行った。
(電気抵抗率の測定)
Cu−Ge合金膜またはCu−Ge−X合金膜に対して、フォトリソグラフィーおよびウェットエッチングを施し、幅100μm、長さ10mmのストライプ状パターン(電気抵抗率測定用パターン)に加工してから、該パターンの電気抵抗率を、プローバーを使用した直流4探針法で室温にて測定した。
尚、電気抵抗率の測定は、As−deposited状態のストライプ状パターン、および、Cu合金膜成膜後の熱処理を模擬して、真空中(≦1×10-6Torr)にて400℃で30分間の熱処理を上記Cu合金膜に施した後のストライプ状パターンについて行った。
(Cu−Ge合金膜の電気抵抗率)
Ge含有量を変えた種々のCu−Ge合金膜について、上記電気抵抗率を測定した結果を図8にまとめた。
図8は、Cu−Ge合金膜の電気抵抗率とGe含有量の関係を、As−deposited状態と400℃真空熱処理後のそれぞれについて示したものである。この図8より、Cu−Ge合金膜の電気抵抗率は、As−deposited状態では、Ge含有量の増加に伴いほぼ直線的に増加していく。上記熱処理を施した試料は、As−deposited状態の試料と比較して電気抵抗率の絶対値は若干低下するが、上記熱処理を施した試料についても、電気抵抗率は、Ge含有量の増加に伴い直線的に増加する傾向を示すことがわかる。
(Cu−0.1原子%Ge−X合金膜の電気抵抗率)
X含有量を変えた種々のCu−0.1原子%Ge−X合金膜について、上記電気抵抗率を測定した結果を図9にまとめた。
図9は、Cu−0.1原子%Ge−X合金膜の電気抵抗率とX含有量の関係を、As−deposited状態と400℃真空熱処理後のそれぞれについて示したものである。この図9より次の様に考察できる。即ち、Cu−0.1原子%Ge−X合金膜の電気抵抗率は、As−deposited状態のものは、第3元素:Xの含有量の増加に伴いほぼ直線的に増加し、電気抵抗率の増加に及ぼす影響は、第3元素:Xの種類(Co,Fe,Ni,Zn)によって異なり、Co>Fe>Ni>Znの順に電気抵抗率増加に及ぼす影響が大きくなることがわかる。
一方、400℃真空熱処理後の試料の電気抵抗率は、同一X含有量においてAs−deposited状態のものよりも著しく小さく、上記第3元素:Xの添加に伴い、Cu−0.1原子%Ge合金膜の電気抵抗率よりも低下または維持する傾向が認められる。400℃真空熱処理後の電気抵抗率の絶対値は、第3元素:Xの種類(Co,Fe,Ni,Zn)や含有量によって異なるが、Cu−0.1原子%Ge2元系成分に第3元素として(Co,Fe,Ni,Zn)のいずれかを0.5原子%まで添加した場合には、Cu−0.1原子%Ge合金膜よりも低い電気抵抗率を示すことがわかる。
(Cu−0.3原子%Ge−X合金膜の電気抵抗率)
X含有量を変えた種々のCu−0.3原子%Ge−X合金膜について、上記電気抵抗率を測定した結果を図10にまとめた。
図10は、Cu−0.3原子%Ge−X合金膜の電気抵抗率とX含有量の関係を、As−deposited状態と400℃真空熱処理後のそれぞれについて示したものである。この図10より次の様に考察できる。即ち、Cu−0.3原子%Ge−X合金膜の電気抵抗率は、As−deposited状態のものは、第3元素:Xの含有量の増加に伴いほぼ直線的に増加していく。このとき、電気抵抗率の増加に及ぼす影響は、第3元素:Xの種類(Co,Fe,Ni,Zn)によって異なり、Co>Fe>Zn>Niの順に電気抵抗率増加に及ぼす影響が(特にCoとFeで)大きくなることがわかる。
一方、400℃真空熱処理後の試料の電気抵抗率は、同一X含有量においてAs−deposited状態のものよりも著しく小さく、上記第3元素:Xの添加に伴い、Cu−0.3原子%Ge合金膜の電気抵抗率よりも低下または維持する傾向が認められる。400℃真空熱処理後の電気抵抗率の絶対値は、第3元素:Xの種類(Co, Fe, Ni, Zn)や含有量によって異なるが、Cu−0.3原子%Ge2元系成分に第3元素として(Co,Fe,Ni,Zn)のいずれかを0.5原子%まで添加した場合には、Cu−0.3原子%Ge合金膜よりも低い電気抵抗率を示すことがわかる。
(Cu−0.5原子%Ge−X合金膜の電気抵抗率)
X含有量を変えた種々のCu−0.5原子%Ge−X合金膜について、上記電気抵抗率を測定した結果を図11にまとめた。
図11は、Cu−0.5原子%Ge−X合金膜の電気抵抗率とX含有量の関係を、As−deposited状態と400℃真空熱処理後のそれぞれについて示したものである。この図11より次の様に考察できる。即ち、Cu−0.5原子%Ge−X合金膜の電気抵抗率は、As−deposited状態のものは、第3元素:Xの含有量の増加に伴いほぼ直線的に増加していく。このとき、電気抵抗率の増加に及ぼす影響は、第3元素:Xの種類(Co,Fe,Ni,Zn)によって異なり、Co>Fe>Ni>Znの順に電気抵抗率増加に及ぼす影響が(特にCoとFeで)大きくなることがわかる。
一方、400℃真空熱処理後の試料の電気抵抗率は、同一X含有量においてAs−deposited状態のものよりも著しく小さく、上記第3元素:Xの添加に伴い、Cu−0.5原子%Ge合金膜の電気抵抗率よりも低下または維持する傾向が認められる。400℃真空熱処理後の電気抵抗率の絶対値は、第3元素:Xの種類(Co, Fe, Ni, Zn)や含有量によって異なるが、Cu−0.5原子%Ge2元系成分に第3元素として(Co,Fe,Ni,Zn)のいずれかを0.5原子%まで添加した場合には、Cu−0.5原子%Ge合金膜よりも低い電気抵抗率を示すことがわかる。
比較例として、第3元素にX以外の元素(Nb、Hf、Zr、Sb)を用いた場合についても調べた。図12は、Cu−0.5原子%Ge−(X以外の第3元素)合金膜の電気抵抗率とX以外の第3元素の含有量との関係を、As−deposited状態と400℃真空熱処理後のそれぞれについて示した図である。この図12より、400℃での真空熱処理を行なうことで電気抵抗率は下がっているが、前記図8に示すCu−0.5原子%Ge合金膜の電気抵抗率と同程度もしくはこれより大きくなっており、X以外の元素を第3元素として添加しても、第3元素の添加による電気抵抗率の低減効果が得られないことがわかる。
[実験例2]
上記種々のCu−Ge合金膜またはCu−Ge−X合金膜を用いて、下記に示す通りコンタクト抵抗を測定して、透明導電膜(ITO膜)との直接接続によるオーミックコンタクト性を評価した。
(コンタクト抵抗の測定)
まず、図13に示す様なケルビンパターンを以下の通り作製した。詳細には、種々のCu−Ge合金膜またはCu−Ge−X合金膜に対してフォトリソグラフィーおよびウェットエッチングを施し、図13に示す形状のパターン(ケルビンパターンの下部配線パターン)に加工した。次に、CVD法によって、SiN薄膜(膜厚:0.3μmの絶縁膜)を形成し、フォトリソグラフィーおよびドライエッチングにより該パターン上にサイズ:10μm角のコンタクトホール(接続孔)を形成した。次に、その上部に透明導電膜(ITO膜)を、DCマグネトロンスパッタリング法により室温で0.2μm形成し、フォトリソグラフィーおよびウェットエッチングにより、図13に示す形状のパターン(ケルビンパターンの上部配線パターン)に加工した。
このようにして作製したケルビンパターン(評価素子)を用いて、Cu合金膜とITO膜の界面の電気抵抗(コンタクト抵抗)を測定した。
コンタクト抵抗の測定には、四端子のマニュアルプローバーと半導体パラメータアナライザー「HP4156A」(ヒューレットパッカード社製)を用いた。この測定では、図13に示す様に、Cu合金膜の1端子(I1)とITOの1端子(I2)の間に電流Iを流し、V1−V2間の電圧Vをモニターすることにより、接続部Cのコンタクト抵抗Rを[R=V/I]として求めた。
尚、コンタクト抵抗の測定は、As−deposited状態のケルビンパターン、および、Cu合金膜成膜後の熱処理を模擬してケルビンパターン(評価素子)の作製において、コンタクトホール(接続孔)の形成後で透明導電膜(ITO膜)形成前に、大気酸化処理(250℃×5分)を行ったケルビンパターンについて行った。
(Cu−Ge合金膜とITO膜の界面のコンタクト抵抗)
Ge含有量を変えた種々のCu−Ge合金膜について、上記ITO膜との界面のコンタクト抵抗を測定した結果を図14にまとめた。
図14は、Cu−Ge合金膜のITO膜との界面におけるコンタクト抵抗と、Ge含有量との関係を、大気酸化熱処理なしの場合と大気酸化熱処理後のそれぞれについて示したものである。
この図14より、大気酸化処理を行わない場合には、Ge含有量がゼロであってもコンタクト抵抗は約20Ωと小さい。大気酸化処理を行わない場合、Ge含有量が増加するにしたがってコンタクト抵抗は更に低下していき、Cu−0.5原子%Ge合金膜ではコンタクト抵抗は約6Ωまで低下する。一方、大気酸化処理を施した場合、Ge含有量がゼロのCu膜(純Cu膜)ではコンタクト抵抗が約138Ωと大きい。しかし、Geを添加することによってコンタクト抵抗は著しく低下し、Cu−0.5原子%Ge合金膜ではコンタクト抵抗は約76Ωにまで低下する。
このことから、Cu合金膜成膜後の熱処理を模擬して大気酸化処理を行った場合でも、Cu膜にGeを少量添加し合金化することによって、高温耐酸化性が向上し、透明導電膜との良好なコンタクト性が確保できることがわかる。
(Cu−Ge−X合金膜とITO膜の界面のコンタクト抵抗)
本発明にかかるCu合金膜は、Geを規定量含むことにより、優れたオーミックコンタクト性を確保できるものであるが、第3元素を含有させた場合にも、Cu−Geと同等もしくはそれ以上の優れたコンタクト抵抗性を確保できることを確認する実験を行った。
Ge含有量およびXの種類と含有量を変えた種々のCu−Ge−X合金膜について、上記の通り上記ITO膜との界面のコンタクト抵抗を測定した。尚、この実験では、いずれの場合にも、ケルビンパターン(評価素子)の作製において、コンタクトホール(接続孔)の形成後で透明導電膜(ITO膜)形成前に、大気酸化処理(250℃×5 分)を行った。
図15は、Cu−Ge−X合金膜のITO膜との界面におけるコンタクト抵抗と、Ge含有量との関係を、Xの種類・含有量別に示したものである。
この図15より次の様に考察できる。即ち、Cu−Ge合金膜に第3元素;XとしてFe、Co、Znをそれぞれ0.1原子%、0.2原子%、0.3原子%添加した場合のコンタクト抵抗は、Ge量が同一である場合、上記第3元素を添加しない場合(Cu−Ge合金膜)のコンタクト抵抗と同等かもしくはやや低めとなっている。これに対し、Cu−Ge合金膜に第3元素としてNiを0.5原子%添加した場合には、コンタクト抵抗値は著しく低下し、Cu−Ge合金膜に比べて、良好なオーミックコンタクト性を示すことがわかる。
〈第2発明〉
次に実験例3〜6によって、第2発明を説明する。
(試料の作製)
DCマグネトロンスパッタリング法(成膜条件は上記(実験例1及び2)の通り)によって、室温で、ガラス基板(コーニング社製 Eagle#2000上に、所定成分・組成のCu合金配線薄膜を0.3μm形成した。この際、ターゲットとして、純Cuに添加元素をチップオンしたスパッタリングターゲットを用いて、Cu合金膜を成膜した。成膜後に真空雰囲気中で350℃×30分の熱処理を行い、試料を作製した。得られたCu合金膜の組成は、ICP発光分光分析装置(島津製作所製のICP発光分光分析装置「ICP−8000型」)を用いて定量分析した。
[実験例3]
Cu−Ge−Ni合金膜とガラス基板との密着性を、テープ剥離試験で評価した。詳しくは、まずCu合金膜表面に、カッター・ナイフを用いて1mm間隔で碁盤目状の切り込みを入れた。次いで、3M社製黒色ポリエステルテープ(製品番号8422B)を上記成膜表面上にしっかりと貼り付け、上記テープの引き剥がし角度が60°になるように保持しつつ、上記テープを一挙に引き剥がした。そして上記テープにより剥離しなかった碁盤目の区画数をカウントし、全区画との比率(密着率=膜残存率)を得た。なお比較のために、純Cu膜、Cu−Ge合金膜およびCu−Ni合金膜の密着性も評価した。
As−deposited状態および成膜後に熱処理(350℃×30分)した純Cu膜および上記Cu合金膜の密着率を、それぞれ図16および図17にまとめた。なおこの実験例では、Ge添加量およびNi添加量を、それぞれ0〜1.0原子%の範囲で変化させた。この図16および図17から、本発明の要件を満たすCu−Ge−Ni合金膜は、熱処理を施すことによって、As−deposited状態のものよりも、20%以上と格段に優れた密着性を示すことがわかる。
[実験例4]
実験例3と同様の方法により、Cu−Ge−Zn合金膜とガラス基板との密着性を、テープ剥離試験で評価した。As−deposited状態および成膜後に熱処理(350℃×30分)した上記Cu合金膜の密着率を、それぞれ図18および図19にまとめた。なおこの実験例では、Ge添加量およびZn添加量を、それぞれ0〜1.0原子%の範囲で変化させた。この図18および図19から、本発明の要件を満たすCu−Ge−Zn合金膜は、熱処理を施すことによって、As−deposited状態のものよりも、20%以上と格段に優れた密着性を示すことがわかる。
[実験例5]
Cu−Ge−Ni合金膜の電気抵抗率を、実験例1と同様の方法によって測定した。なお比較のために、純Cu膜、Cu−Ge合金膜およびCu−Ni合金膜の電気抵抗率も測定した。As−deposited状態および成膜後に熱処理(350℃×30分)した上記Cu合金膜の電気抵抗率を、それぞれ図20および図21にまとめた。電気抵抗率は合金元素の添加総量に比例して増加する傾向が認められる。また、As−deposited状態に比べて熱処理後の状態では、電気抵抗率が低減しており、本発明の要件を満たすCu−Ge−Ni合金膜は、熱処理後に、4.5μΩcm以下という低い電気抵抗率を示していることがわかる(図21)。
[実験例6]
Cu−Ge−Zn合金膜の電気抵抗率を、実験例1と同様の方法によって測定した。As−deposited状態および成膜後に熱処理(350℃×30分)した上記Cu合金膜の電気抵抗率を、それぞれ図22および図23にまとめた。電気抵抗率は合金元素の添加総量に比例して増加する傾向が認められる。また、As−deposited状態に比べて熱処理後の状態では、電気抵抗率が低減しており、本発明の要件を満たすCu−Ge−Zn合金膜は、熱処理後に、4.5μΩcm以下という低い電気抵抗率を示していることがわかる(図23)。
図1は、アモルファスシリコンTFT基板が適用される代表的な液晶ディスプレイの構成を示す概略断面拡大説明図である。 図2は、本発明の実施形態に係るTFT基板の構成を示す概略断面説明図であり、図1中のAの要部拡大図である。 図3は、図2に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。 図4は、図2に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。 図5は、図2に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。 図6は、図2に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。 図7は、図2に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。 図8は、Cu−Ge合金膜の電気抵抗率とGe含有量の関係を、As−deposited状態と400℃真空熱処理後のそれぞれについて示した図である。 図9は、Cu−0.1原子%Ge−X合金膜の電気抵抗率とX含有量の関係を、As−deposited状態と400℃真空熱処理後のそれぞれについて示した図である。 図10は、Cu−0.3原子%Ge−X合金膜の電気抵抗率とX含有量の関係を、As−deposited状態と400℃真空熱処理後のそれぞれについて示した図である。 図11は、Cu−0.5原子%Ge−X合金膜の電気抵抗率とX含有量の関係を、As−deposited状態と400℃真空熱処理後のそれぞれについて示した図である。 図12は、Cu−0.5原子%Ge−(X以外の第3元素)合金膜の電気抵抗率とX以外の第3元素の含有量との関係を、As−deposited状態と400℃真空熱処理後のそれぞれについて示した図である。 図13は、Cu−Ge合金膜またはCu−Ge−X合金膜と透明導電膜との間のコンタクト抵抗の測定に用いたケルビンパターンを示す図である。 図14は、Cu−Ge合金膜のITO膜との界面におけるコンタクト抵抗と、Ge含有量との関係を、大気酸化熱処理の有無別に示した図である。 図15は、Cu−Ge−X合金膜のITO膜との界面におけるコンタクト抵抗と、Ge含有量との関係を、Xの種類・含有量別に示した図である。 図16は、As−deposited状態のCu−Ge−Ni合金膜について、組成と密着率との関係を示した図である。 図17は、350℃真空熱処理後のCu−Ge−Ni合金膜について、組成と密着率との関係を示した図である。 図18は、As−deposited状態のCu−Ge−Zn合金膜について、組成と密着率との関係を示した図である。 図19は、350℃真空熱処理後のCu−Ge−Zn合金膜について、組成と密着率との関係を示した図である。 図20は、As−deposited状態のCu−Ge−Ni合金膜について、組成と電気抵抗率との関係を示した図である。 図21は、350℃真空熱処理後のCu−Ge−Ni合金膜について、組成と電気抵抗率との関係を示した図である。 図22は、As−deposited状態のCu−Ge−Zn合金膜について、組成と電気抵抗率との関係を示した図である。 図23は、350℃真空熱処理後のCu−Ge−Zn合金膜について、組成と電気抵抗率との関係を示した図である。
符号の説明
1 TFT基板
1a ガラス基板
2 対向基板(対向電極)
3 液晶層
4 薄膜トランジスタ(TFT)
5 画素電極(透明導電膜)
6 配線部
7 共通電極
8 カラーフィルタ
9 遮光膜
10a、10b 偏光板
11 配向膜
12 TABテープ
13 ドライバ回路
14 制御回路
15 スペーサー
16 シール材
17 保護膜
18 拡散板
19 プリズムシート
20 導光板
21 反射板
22 バックライト
23 保持フレーム
24 プリント基板
25 走査線(ゲート配線)
26 ゲート電極
27 ゲート絶縁膜
28 ドレイン電極
29 ソース電極
30 層間絶縁膜
33 アモルファスシリコンチャネル膜(活性半導体膜)
34 信号線(ソース−ドレイン配線)
41 接続用ITO膜

Claims (11)

  1. 基板上にて、透明導電膜に直接接続する表示装置用Cu合金膜であって、該Cu合金膜は、Geを0.1〜0.5原子%含有し、かつNi、Zn、Fe、及びCoよりなる群から選択される1種以上を合計で0.1〜0.5原子%含有することを特徴とする表示装置用Cu合金膜。
  2. ガラス基板と直接接続する表示装置用Cu合金膜であって、該Cu合金膜は、GeおよびNiを合計で0.2〜1原子%含有することを特徴とする表示装置用Cu合金膜。
  3. ガラス基板と直接接続する表示装置用Cu合金膜であって、該Cu合金膜は、GeおよびZnを合計で0.2〜1原子%含有することを特徴とする表示装置用Cu合金膜。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置用Cu合金膜が、薄膜トランジスタに用いられていることを特徴とする表示装置。
  5. 請求項1に記載の表示装置用Cu合金膜が、薄膜トランジスタのゲート電極および走査線に用いられ、透明導電膜に直接接続されている請求項4に記載の表示装置。
  6. 請求項1に記載の表示装置用Cu合金膜が、薄膜トランジスタのソース電極および/またはドレイン電極並びに信号線に用いられ、透明導電膜に直接接続されている請求項4または5に記載の表示装置。
  7. 前記透明導電膜が、酸化インジウム錫(ITO)または酸化インジウム亜鉛(IZO)である請求項4〜6のいずれかに記載の表示装置。
  8. 請求項4に記載の薄膜トランジスタがボトムゲート型構造を有するものであって、
    請求項2または3に記載の表示装置用Cu合金膜が、薄膜トランジスタのゲート電極および走査線に用いられ、ガラス基板に直接接続されている請求項4に記載の表示装置。
  9. 請求項1に記載のCu合金膜の形成に用いるスパッタリングターゲットであって、Geを0.1〜0.5原子%含むと共に、Ni、Zn、Fe、及びCoよりなる群から選択される1種以上を合計で0.1〜0.5原子%含むCu合金からなることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  10. 請求項2に記載のCu合金膜の形成に用いるスパッタリングターゲットであって、GeおよびNiを合計で0.2〜1原子%含有するCu合金からなることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  11. 請求項3に記載のCu合金膜の形成に用いるスパッタリングターゲットであって、GeおよびZnを合計で0.2〜1原子%含有するCu合金からなることを特徴とするスパッタリングターゲット。
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