JP2009124133A - 接着部材、半導体素子搭載用支持部材及び半導体装置 - Google Patents

接着部材、半導体素子搭載用支持部材及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な熱時接着力及び吸湿接着力を有し、実装時のワイヤボンディングによる熱履歴後でも支持部材の表面に形成された凹凸の凹部への充填性に優れ、耐はんだリフロー性に優れた信頼性を有する接着部材を提供する。
【解決手段】接着剤層を有する接着部材であって、前記接着剤層を170℃で3時間硬化させた後、動的粘弾性測定により、変位10μm、振幅10Hzの条件で測定した、接着剤層硬化物の265℃における貯蔵弾性率が3.0MPa未満であり、前記接着剤層面を半導体パッケージ用有機基板に貼付し170℃で3時間硬化させた後、温度121℃、2気圧、湿度100%、保持時間20時間の条件下でプレッシャークッカテスト処理し、処理前後の前記半導体パッケージ用有機基板に対する接着剤層硬化物の265℃におけるダイシェア強度の比(処理後のダイシェア強度/処理前のダイシェア強度)が0.90以上である、ことを特徴とする接着部材。
【選択図】なし

Description

本発明は、接着部材、半導体素子搭載用支持部材及び半導体装置に関する。
近年、情報端末機器の軽量化・小型化に伴い、より高密度実装の可能なCSP(チップサイズパッケ−ジ、Chip Size Package)やμBGA(ボ−ルグリッドアレイ、Ball Grid Array)と呼ばれる小型パッケージの開発・実用化が進められてきた。CSPの中でも、F−BGAやBOC等のパッケージは特に注目されているパッケージ構造の一つである。
また、実装基板の接続信頼性は、最も重要な項目の一つであるが、CSPでは接続信頼性を確保するために、多くの構造が提案されて実用化されている。例えばμBGAでは半導体チップとインターポーザと呼ばれる配線基板との間に熱膨張率差から生じる熱応力を低減するための絶縁性の接着剤が用いられている。
さらに近年、鉛フリー化の動きが特に活発になっている。環境対応の一環である鉛フリー化の進行には、はんだ材質の変更が不可欠であり、様々な鉛代替えのはんだ材料が提案されている。しかしながら、これら新規なはんだ材料は接続時の温度条件が高温になるため、パッケージに対しても高いレベルの耐熱性を要求する事となる。当然、接着剤に関しても高温領域でも充分な接着性、フィルム強度を確保できる対応は不可欠となっており、F−BGA、BOC等のパッケージにおいても、耐はんだリフロー性の要求は大きくなっている。
鉛フリー対応のパッケージにおいては、JEDEC LEVEL1の吸湿条件(85℃、85%RH、処理時間168時間)において265℃での耐はんだリフロ−性を要求される場合も少なくなく、非常にレベルの高い要求値となっている。
また、一般的なCSPでは、基板とチップの電気的接続を目的にワイヤーボンディング作業が行われる。このワイヤーボンディング作業は高温条件で、正確な位置にリード線を接続することが要求され、高温条件下での接着部材の剛性確保が要求される。
F−BGA、BOC構造のCSP半導体パッケ−ジにおいて、耐はんだリフロー性を十分に確保できる事を目指して、従来の接着剤を適用しようとしてきたが下記の様な問題点を生じた。例えば、F−BGA構造のCSPにおいて、サーキットアウトタイプで配線基板の配線パターンのない平滑面と半導体チップ間に接着剤を介在させる構造では、85℃、85RH%、12時間の吸湿処理後にパッケージの耐はんだリフロー性試験を評価した際に、接着剤と配線基板間で剥離を多発した。この原因としては、ワイヤボンディングによる熱履歴により接着剤層の反応が促進し硬化するため、配線基板の凹凸の凹部への充填性が低下したため十分な接着強度が発現しなかったことが考えられる。また、リフロ−処理前の吸湿処理段階で吸湿処理後の高温接着力が著しく低下する事により、接着剤と配線基板間での剥離を生じていることが確認された。
特開平10−12773号公報
本発明は、半導体素子等の電子部品とリードフレームや絶縁性支持基板などの支持部材とを接着する接着材料として、良好な熱時接着力及び吸湿接着力を有し、実装時のワイヤボンディングによる熱履歴後でも支持部材の表面に形成された凹凸の凹部への充填性に優れ、耐はんだリフロー性に優れた信頼性を有する接着部材を提供することを目的とする。
本発明は、(1)接着剤層を有する接着部材であって、前記接着剤層を170℃で3時間硬化させた後、動的粘弾性測定により、変位10μm、振幅10Hzの条件で測定した、接着剤層硬化物の265℃における貯蔵弾性率が3.0MPa未満であり、前記接着剤層面を半導体パッケージ用有機基板に貼付し170℃で3時間硬化させた後、温度121℃、2気圧、湿度100%、保持時間20時間の条件下でプレッシャークッカテスト処理し、処理前後の前記半導体パッケージ用有機基板に対する接着剤層硬化物の265℃におけるダイシェア強度の比(処理後のダイシェア強度/処理前のダイシェア強度)が0.90以上である、ことを特徴とする接着部材に関する。
また、本発明は、(2)前記プレッシャークッカテスト処理前の、半導体パッケージ用有機基板に対する接着剤層硬化物の265℃におけるダイシェア強度が、4.0MPa以上である前記(1)記載の接着部材に関する。
また、本発明は、(3)前記接着剤層が、熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の接着部材に関する。
また、本発明は、(4)前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂であることを特徴とする前記(3)に記載の接着部材に関する。
また、本発明は、(5)前記エポキシ樹脂の軟化点が50℃以上であることを特徴とする前記(4)に記載の接着部材に関する。
また、本発明は、(6)前記接着剤層が、硬化剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の接着部材に関する。
また、本発明は、(7)前記硬化剤が、吸水率2質量%以下のフェノール樹脂である前記(6)記載の接着部材に関する。
また、本発明は、(8)前記接着剤層が、硬化促進剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の接着部材に関する。
また、本発明は、(9)前記接着剤層が、エポキシ基含有アクリル系共重合体を含有することを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の接着部材に関する。
また、本発明は、(10)前記エポキシ基含有アクリル系共重合体が、グリシジル(メタ)アクリレ−トを2〜6重量%含み、Tg(ガラス転移温度)が−10℃以上で、かつ、重量平均分子量が20万以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体であることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の接着部材に関する。
また、本発明は、(11)前記接着剤層が、フィラーを含有することを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の接着部材に関する。
また、本発明は、(12)前記接着剤層が、カップリング剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の接着部材に関する。
また、本発明は、(13)フィルム状に形成されてなる前記(1)〜(12)のいずれか一項に記載の接着部材に関する。
また、本発明は、(14)半導体素子搭載用支持部材の半導体素子搭載面に、前記(1)〜(13)のいずれか一項に記載の接着部材を備えてなる半導体素子搭載用支持部材に関する。
また、本発明は、(15)配線基板と半導体素子間に接着部材を備えてなる半導体装置であって、前記接着部材が前記(1)〜(13)のいずれか一項に記載の接着部材である半導体装置に関する。
本発明の接着部材は、半導体素子等の電子部品とリードフレームや絶縁性支持基板などの支持部材とを接着する接着材料として、良好な熱時接着力及び吸湿接着力を有し、実装時のワイヤボンディングによる熱履歴後でも支持部材の表面に形成された凹凸の凹部への充填性に優れ、耐はんだリフロー性に優れた信頼性を有する。従って、リードフレーム及び絶縁性支持基板などの支持部材のダイボンド材として好適に使用できる。また、本発明の接着部材は、CSP用の接着部材として特に好適に用いることができる。
本発明の接着部材は、接着剤層を有する接着部材であって、前記接着剤層を170℃で3時間硬化させた後、動的粘弾性測定により、変位10μm、振幅10Hzの条件で測定した、接着剤層硬化物の265℃における貯蔵弾性率が3.0MPa未満であり、前記接着剤層面を半導体パッケージ用有機基板に貼付し170℃で3時間硬化させた後、温度121℃、2気圧、湿度100%、保持時間20時間の条件下でプレッシャークッカテスト処理し、処理前後の前記半導体パッケージ用有機基板に対する接着剤層硬化物の265℃におけるダイシェア強度の比(処理後のダイシェア強度/処理前のダイシェア強度)が0.90以上であることを特徴とする。
本発明の接着部材を構成する接着剤層は、動的粘弾性測定により、変位10μm、振幅10Hzの条件で測定した、接着剤層硬化物の265℃における貯蔵弾性率が3.0MPa未満であり、好ましくは2.9〜1.5MPa、より好ましくは2.9〜1.0MPaである。前記貯蔵弾性率が3.0MPa以上であると、基板の凹凸の凹部への充填性が悪くなり、また、半導体素子などの電子部品と支持部材との熱膨張係数の差によって発生する熱応力を緩和させる効果が小さくなり、接着面に剥離やクラックを発生し、耐はんだリフロー性が劣る可能性がある。
ここで265℃における貯蔵弾性率は、接着剤層を170℃で3時間硬化させた後、動的粘弾性測定装置(レオロジ社製、DVE−V4)を使用し、接着剤層硬化物に引張り荷重をかけて、変位10μm、振幅10Hz、昇温速度5〜10℃/minの条件で−50℃から300℃まで測定する温度依存性測定モードにて測定した。
接着剤層硬化物の265℃における貯蔵弾性率を3.0MPa未満にする方法として、例えば、接着剤層を構成する成分であるエポキシ基含有アクリル系共重合体の配合量やフィラーの配合量を調整する等が挙げられる。
本発明の接着部材は、接着剤層面を半導体パッケージ用有機基板に貼付し170℃で3時間硬化させた後、温度121℃、2気圧、湿度100%、保持時間20時間の条件下でプレッシャークッカテスト処理し、処理前後の前記半導体パッケージ用有機基板に対する接着剤層硬化物の265℃におけるダイシェア強度の比(処理後のダイシェア強度/処理前のダイシェア強度)が0.90以上であり、好ましくは0.91以上である。前記ダイシェア強度の比が0.9未満では、耐はんだリフロー性に劣り、接着剤層と基板間で剥離を多発してしまう。前記ダイシェア強度は接着力の指標であり、ダイシェア強度の比が大きいほど耐はんだリフロー性が良好であり信頼性に優れていることを示す。
ここで265℃におけるダイシェア強度の比は、以下のようにして測定した。接着部材の接着剤層面を半導体パッケージ用有機基板に貼付し、接着剤層を170で3時間硬化してサンプルを作製した。このサンプルについて、温度121℃、2気圧、湿度100%、保持時間20時間の条件下でのプレッシャークッカテスト処理を行なった。半導体パッケージ用有機基板に対する接着剤層硬化物の265℃におけるダイシェア強度を、プレッシャークッカテスト処理前と処理後のサンプルについて、265℃にて放置した後、測定速度50μm/秒の条件でダイシェアを行い測定した。265℃におけるダイシェア強度の比は、プレッシャークッカテスト処理後のダイシェア強度/プレッシャークッカテスト処理後のダイシェア強度により算出した。
接着剤層硬化物の265℃におけるダイシェア強度の比を0.90以上にする方法として、例えば、接着剤層を構成する成分である硬化剤として吸水率2質量%以下のフェノール樹脂を用いることや硬化促進剤の配合量を調整すること等が挙げられる。
本発明の接着部材は、前記プレッシャークッカテスト処理前の、半導体パッケージ用有機基板に対する接着剤層硬化物の265℃におけるダイシェア強度が、4.0MPa以上であることが好ましく、4.0〜8.0MPaであることがより好ましい。前記ダイシェア強度が4.0MPa以上であると吸湿後でもダイシェア強度が低下せず接着性に優れ、信頼性が向上する傾向にある。
ここで、半導体パッケ−ジ用有機基板とは、ガラスエポキシ基板に有機レジストをコートしたものを示す。
本発明の接着部材は、接着剤層を有するものであり、接着剤層のみの単層構造でも、他の部材との積層構造でもよく、一例として接着部材1の断面図を図1(I)〜(V)に示す。図1(I)は接着剤層2のみからなる単層構造の接着部材1を示す。図1(II)は、接着剤層2の片面に基材層3を有し、図1(III)は、接着剤層2の片面に基材層3を、前記接着剤層2の他方の面に保護層4を有し、図1(IV)は、コア材5の両面に接着剤層2を有し、図1(V)は、コア材5の両面に接着剤層2を有し、さらに接着剤層2を保護する保護層4を有する積層構造の接着部材1を示す。
以下、本発明の接着部材を構成する接着剤層について説明する。
本発明の接着部材における接着剤層は接着剤組成物から構成され、良好な接着力を持たせるために、熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリールフタレート樹脂、シリコーン樹脂、レゾルシノールホルムアルデヒド樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、トリアリールシアヌレート樹脂、ポリイソシアネート樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラートを含有する樹脂、トリアリールトリメリタートを含有する樹脂、シクロペンタジエンから合成された樹脂、芳香族ジシアナミドの三量化による熱硬化性樹脂等が挙げられる。前記熱硬化性樹脂は単独で用いても二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記熱硬化性樹脂のなかでも、高温において優れた接着力を持たせることができる点で、エポキシ樹脂、シアネート樹脂及びビスマレイミド樹脂が好ましく、エポキシ樹脂がより好ましい。
本発明で用いられるエポキシ樹脂は、特に制限されないが、接着剤層の取り扱いの観点から環球式で測定した軟化点が50℃以上であるエポキシ樹脂が好ましく、例えば、油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコート1001、1002、1003、1055、1004、1004AF、1007、1009、1003F、1004F、ダウケミカル日本株式会社製、商品名:D.E.R.661、662、663U、664、664U、667、642U、672U、673MF、668、669等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成株式会社製、商品名:YDF−2004等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製、商品名:EPPN−201等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコート180S65、チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名:アラルダイトECN1273、1280、1299、東都化成株式会社製、商品名:YDCN−701、702、703、704、日本化薬株式会社製、商品名:EOCN−1020、102S、103S、104S、住友化学工業株式会社製、商品名:ESCN−195X、200L、220等のクレゾールノボラックエポキシ樹脂、油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:Epon1031S、エピコート1032H60、157S70、日本化薬株式会社製、商品名:EPPN501H、502H等の多官能エポキシ樹脂、チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名:アラルダイトPT810等の複素環含有エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明において熱硬化性樹脂を使用する場合、硬化剤を併用することが好ましく、さらに硬化促進剤を併用することが好ましい。
本発明で使用される硬化剤としては、熱硬化性樹脂の硬化剤として通常用いられている硬化剤であれば特に限定されず、例えば、アミン類、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSのようなフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有するビスフェノール類、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂などのフェノール樹脂などが挙げられる。本発明では、吸湿後の接着力の観点から、一般式(1)で表されるフェノール樹脂が好ましく、温度85℃、湿度85%の恒温恒湿槽に48時間投入後の吸水率が2質量%以下であるフェノール樹脂がより好ましい。前記吸水率が2質量%以下のフェノール樹脂は、熱重量分析計(TGA)で測定した350℃での加熱質量減少率(昇温速度:5℃/分、雰囲気:窒素)が5質量%未満であるものが特に好ましい。かかるフェノール樹脂の市販品としては、三井化学株式会社製、商品名:ミレックスXLC−シリーズ、XLシリーズなどがある。
Figure 2009124133
(一般式(1)中、Rは水素原子、直鎖、分岐または環状アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、水酸基、アリール基、アルコキシ基、あるいはハロゲン原子を示し、lは1〜3の整数を示し、繰り返し単位の数を示す。mは0〜50の範囲の整数を示す。)
上記一般式(1)で表されるフェノール樹脂は、フェノール化合物と2価の連結基であるキシリレン化合物を、無触媒または酸触媒の存在下に反応させて得られる。
一般式(1)で表されるフェノール樹脂の製造に用いられるフェノール化合物としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−n−プロピルフェノール、m−n−プロピルフェノール、p−n−プロピルフェノール、o−イソプロピルフェノール、m−イソプロピルフェノール、p−イソプロピルフェノール、o−n−ブチルフェノール、m−n−ブチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、o−イソブチルフェノール、m−イソブチルフェノール、p−イソブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、2,4−キシレノール、2,6−キシレノール、3,5−キシレノール、2,4,6−トリメチルフェノール、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、o−アリルフェノール、p−アリルフェノール、o−ベンジルフェノール、p−ベンジルフェノール、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、p−ブロモフェノール、o−ヨードフェノール、p−ヨードフェノール、o−フルオロフェノール、m−フルオロフェノール、p−フルオロフェノール等を挙げることが出来る。これらのフェノール化合物は、単独で、または二種類以上混合して用いられる。上記フェノール化合物のなかでも、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等が好ましい。
一般式(1)で表されるフェノール樹脂の製造に用いられる2価の連結基であるキシリレン化合物としては、次に示すキシリレンジハライド、キシリレンジグリコールおよびその誘導体が用いられる。すなわち、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジブロモ−p−キシレン、α,α’−ジブロモ−m−キシレン、α,α’−ジブロモ−o−キシレン、α,α’−ジヨード−p−キシレン、α,α’−ジヨード−m−キシレン、α,α’−ジヨード−o−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−m−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−o−キシレン、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ−o−キシレン、α,α’−ジエトキシ−p−キシレン、α,α’−ジエトキシ−m−キシレン、α,α’−ジエトキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−n−プロポキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−n−プロポキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−n−プロポキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−イソプロポキシ−p−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−m−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−o−キシレン、α,α’−ジイソブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジイソブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジイソブトキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−o−キシレンなどを挙げることが出来る。これらキシリレン化合物は、一種類を単独で、あるいは二種以上を混合して用いられる。これらキシリレン化合物のなかでも、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−m−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−o−キシレン、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ−o−キシレンなどが好ましい。
上記フェノール化合物とキシリレン化合物の反応は、無触媒または酸触媒の存在下に行なわれる。酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸等の鉱酸類;ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機カルボン酸類;トリフロロメタンスルホン酸等の超強酸類;アルカンスルホン酸型イオン交換樹脂のような強酸性イオン交換樹脂類;パーフルオロアルカンスルホン酸型イオン交換樹脂の様な超強酸性イオン交換樹脂類(Du Pont社製、商品名:ナフィオン);天然および合成ゼオライト類;活性白土(酸性白土)類等が用いられる。反応は、50〜250℃において実質的に原料であるキシリレン化合物が消失し、且つ反応組成が一定になるまで行なわれる。反応時間は原料や反応温度にもよるが、おおむね1時間〜15時間程度であり、実際には、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)等により反応組成を追跡しながら決定すればよい。尚、例外的に、α,α’−ジクロロ−p−キシレンのようなハロゲノキシレン誘導体を用いる場合は、対応するハロゲン化水素ガスを生じながら無触媒にて反応が進行するため、酸触媒は必要としない。その他の場合は、酸触媒の存在下において反応が進行し、対応する水またはアルコールが生じる。尚、フェノール化合物とキシリレン化合物との反応モル比は、通常フェノール化合物を過剰に用い、反応後、未反応フェノール化合物を回収する。この時フェノール化合物の量により平均分子量が決定し、フェノール化合物がより多く過剰にあるほど平均分子量の低いフェノール樹脂が得られる。尚、フェノール化合物部分がアリールフェノールであるフェノール樹脂の場合は、アリール化されていないフェノール樹脂にアリールハライドを反応させ、アリールエーテルを経て、クライゼン転移によりアリール化する方法により得ることができる。
エポキシ樹脂と硬化剤の配合割合は、それらの合計を100重量部とした場合に、エポキシ樹脂が25〜75重量部、硬化剤が75〜25重量部の割合であることが好ましく、エポキシ樹脂が35〜65重量部、硬化剤が65〜35重量部の割合であることがより好ましい。前記エポキシ樹脂と硬化剤の割合が上記の範囲に無い場合、接着力が低下する傾向にある。
また、硬化剤としてフェノール樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の配合割合は、エポキシ基当量と水酸基当量の当量比(エポキシ基当量/水酸基当量)で、0.70/0.30〜0.30/0.70となることが好ましく、0.65/0.35〜0.35/0.65となることがより好ましく、0.60/0.40〜0.40/0.60となることがさらにより好ましく、0.55/0.45〜0.45/0.55となることが特に好ましい。前記当量比が上記範囲外である場合は、接着剤層の硬化性に劣る可能性がある。
また、本発明で使用される硬化促進剤としては、特に制限が無く、例えば、例えば、4級ホスホニウム塩類、4級アンモニウム塩類、イミダゾール類、DBU脂肪酸塩類、金属キレート類、金属塩類、トリフェニルフォスフィン類等を用いることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いられる。これら硬化促進剤のなかでも、イミダゾール類が好ましく、その具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等が挙げられる。
硬化促進剤の添加量は、エポキシ樹脂及び硬化剤との総量100重量部に対して、好ましくは0.001〜0.1重量部、より好ましくは0.002〜0.005重量部である。前記硬化促進剤の添加量が、0.001重量部未満である場合は接着剤層の硬化性が劣る傾向があり、0.1重量部を超える場合は接着剤組成物の保存安定性が低下する傾向がある。
本発明の接着部材における接着剤層は、エポキシ基含有アクリル系共重合体を含有することが好ましい。エポキシ基含有アクリル系共重合体は、熱硬化性と熱可塑性の両方を持ち合わせるため、接着剤としての接着力と、緩衝剤としての応力緩和性に優れており、接着剤層に含有させることにより配線基板の凹凸への充填性および接着力に優れる利点がある。また、エポキシ基含有アクリル系共重合体は、エポキシ樹脂と硬化剤の硬化反応後も接着剤の貯蔵弾性率を低く保つことが出来るため、接着剤層に含有させることにより、半導体素子搭載用支持部材の凹凸の凹部への充填性に優れる利点がある。
エポキシ基含有アクリル系共重合体としては、グリシジル(メタ)アクリレートを含み、かつ重量平均分子量が20万以上であるものが好ましく、なかでもグリシジル(メタ)アクリレートを2〜6重量%含むものがより好ましく、さらにTg(ガラス転移温度)が−10℃以上であるものが特に好ましい。
前記エポキシ基含有アクリル系共重合体の重量平均分子量は、好ましくは20万以上、より好ましくは30万〜300万、さらにより40万〜200万、特に好ましくは40万〜80万である。前記重量平均分子量が20万未満である場合は、シート状、フィルム状での強度や可とう性の低下やタック性が増大する可能性があり、300万を超えると、フロー性が小さく配線の回路充填性が低下する可能性がある。
前記エポキシ基含有アクリル共重合体に含まれるグリシジル(メタ)アクリレートの含有量は、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%、とくに好ましくは1〜3重量%である。前記含有量が1重量%未満である場合は、接着力が低下する傾向にあり、10重量%を越える場合は配線基板の凹凸への充填性が低下する傾向にある。
前記エポキシ基含有アクリル共重合体のTg(ガラス転移温度)は、好ましくは−10℃以上、より好ましくは0〜70℃、とくに好ましくは10〜50℃である。前記Tgが−10℃未満である場合は、接着強度の低下及び接着剤層の取り扱い性の低下の可能性がある。
このようなエポキシ基含有アクリル系共重合体としては、帝国化学産業株式会社から市販されている商品名HTR−860P−3を使用することができる。
エポキシ基含有アクリル系共重合体の添加量は、エポキシ樹脂及び硬化剤との総量100重量部に対して、好ましくは400〜1200重量部、より好ましくは600〜1000重量部である。前記エポキシ基含有アクリル系共重合体の添加量が、400重量部未満である場合は、貯蔵弾性率の低減及び成形時のフロー性抑制効果が少ない傾向があり、1200重量部を超えると、高温での取り扱い性が低下する傾向がある。
本発明の接着部材における接着剤層は、フィラーを含有することが好ましい。フィラーとしては、金属フィラー、無機フィラー、有機フィラーなどが挙げられ、これらフィラーは、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記フィラーは所望する機能に応じて使い分けることができる。例えば、金属フィラーは、接着剤層に導電性、熱伝導性、チキソ性等を付与する目的で添加され、非金属無機フィラーは、接着部材に熱伝導性、低熱膨張性、低吸湿性等を付与する目的で添加され、有機フィラーは接着部材に靭性等を付与する目的で添加される。これらフィラーのなかでも、半導体装置に求められる特性を付与できる点で、金属フィラー、無機フィラーが好ましい。
本発明で使用される金属フィラーとしては、例えば、銀粉、金粉、銅粉、ニッケル粉等が挙げられ、有機フィラーとしては、例えば、カーボン、ゴム系フィラー等等が挙げられる。無機フィラーとしては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ、酸化チタン、ガラス、酸化鉄、セラミックなどが挙げられる。熱伝導性向上のためには、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。溶融粘度の調整やチキソトロピック性の付与の目的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカなどが好ましい。
フィラーの平均粒径は、適宜選択されるが、通常、0.005μm〜0.1μmの範囲であり、前記範囲外である場合は接着性が低下する可能性がある。
フィラーの添加量は、エポキシ樹脂及び硬化剤との総量100重量部に対して、好ましくは5〜60重量部、より好ましくは10〜40重量部である。前記フィラーの添加量が5重量部未満である場合は、接着力が低下する傾向にあり、60重量部を越える場合は配線基板の凹凸への充填性が低下する傾向にある。
また、フィラーの添加量は、接着剤層を構成する接着剤組成物100重量部に対して、1〜20重量部であることが好ましい。前記フィラーの添加量が、1重量部未満である場合は、フィラーの添加効果が充分では無く、20重量部を超えると、接着剤層の貯蔵弾性率の上昇、接着性の低下、ボイド残存による電気特性の低下等の問題を起こす可能性がある。
本発明の接着部材における接着剤層は、異種材料間の界面結合を良くするために、カップリング剤を含有することが好ましい。カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などが挙げられるが、シラン系カップリング剤が最も好ましい。
シラン系カップリング剤としては、特に制限は無く、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、メチルトリ(メタクリロイルオキエトキシ)シラン等のメタクリロイルシラン類;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、メチルトリ(グリシジルオキシ)シラン等のエポキシ基含有シラン類;N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ−エトキシ)シラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノプロピル−トリメトキシシラン、3−4,5−ジヒドロイミダゾール−1−イル−プロピルトリメトキシシラン、アミルトリクロロシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピル−メチルジメトキシシラン等のメルカプトシラン類;3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン等の尿素結合含有シラン類;トリメチルシリルイソシアネート、ジメチルシリルイソシアネート、メチルシリルトリイソシアネート、ビニルシリルトリイソシアネート、フェニルシリルトリイソシアネート、テトライソシアネートシラン、エトキシシランイソシアネート等のイソシアネート基含有シラン類;3−クロロプロピル−メチルジメトキシシラン、3−クロロプロピル−ジメトキシシラン、3−シアノプロピル−トリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,o−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシランなどを使用することができる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
チタン系カップリング剤としては、特に制限は無く、例えば、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリス(n−アミノエチル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、テトラメチルオルソチタネート、テトラエチルオルソチタネート、テタラプロピルオルソチタネート、テトライソブチルオルソチタネート、ステアリルチタネート、クレシルチタネートモノマー、クレシルチタネートポリマー、ジイソプロポキシ−ビス(2,4−ペンタジオネート)チタニウム(IV)、ジイソプロピル−ビス−トリエタノールアミノチタネート、オクチレングリコールチタネート、テトラ−n−ブトキシチタンポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートなどを使用することができる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
アルミニウム系カップリング剤としては、特に制限は無く、例えば、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムモノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−n−ブトキシド−モノ−エチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−イソ−プロポキシド−モノ−エチルアセトアセテート等のアルミニウムキレート化合物、アルミニウムイソプロピレート、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム−sec−ブチレート、アルミニウムエチレート等のアルミニウムアルコレートなどを使用することができる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
カップリング剤の添加量は、その効果や耐熱性およびコストなどの観点から、エポキシ樹脂及び硬化剤との総量100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部である。
本発明の接着部材における接着剤層は、イオン性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性をよくするために、イオン捕捉剤を添加することもできる。イオン捕捉剤としては、特に制限が無く、銅がイオン化して溶け出すのを防止するため銅害防止剤として知られる化合物、例えば、トリアジンチオール系化合物、ビスフェノール系還元剤などを使用することができ、また、ジルコニウム系化合物、アンチモンビスマス系化合物、マグネシウムアルミニウム系化合物等の無機イオン吸着剤を使用することもできる。
イオン捕捉剤の添加量は、添加による効果や耐熱性、コストなどの観点から、エポキシ樹脂及び硬化剤との総量100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは3〜5重量部である。前記イオン捕捉剤の添加量が1重量部未満である場合は、十分なイオン補足効果を得る事が出来ない傾向にあり、10重量部を越える場合は接着力の低下及び配線基板の凹凸への充填性が低下する傾向にある。
本発明の接着部材における接着剤層に含まれる成分の好ましい組成は、エポキシ樹脂と硬化剤の総重量を100重量部とした場合にエポキシ樹脂を25〜75重量部及び硬化剤を75〜25重量部の割合で含有し、さらに前記エポキシ樹脂及び硬化剤の総重量100重量部に対して、グリシジル(メタ)アクリレ−トを2〜6重量%含むTgが−10℃以上でかつ重量平均分子量が20万以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体300〜500重量部、硬化促進剤0.1〜5重量部、カップリング剤0.1〜10重量部、フィラ−10〜60重量部である。また、本発明の接着部材における接着剤層に含まれる成分のより好ましい組成は、エポキシ樹脂と硬化剤の総重量を100重量部とした場合にエポキシ樹脂を1〜30重量部及び硬化剤を5〜15重量部の割合で含有し、さらに前記エポキシ樹脂及び硬化剤の総重量100重量部に対して、グリシジル(メタ)アクリレ−トを2〜6重量%含むTg(ガラス転移温度)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が20万以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体65〜85重量部、硬化促進剤0.003〜0.005重量部、カップリング剤0.5〜1.5重量部、フィラ−4〜8重量部である。
本発明の接着部材における接着剤層のBステージ状態の厚さは、好ましくは5〜250μm、より好ましくは5〜100μm、特に好ましくは5〜40μmである。また、前記接着剤層の厚さが5μm未満では、応力緩和効果が乏しくなる傾向があり、250μmを超えると経済性に劣る可能性がある。
本発明の接着部材は、図1(I)に示すように接着剤層2のみからなる単層構造でも、図1(II)〜図1(V)に示すように接着剤層2と基材層3、保護層4又はコア材5等の他の部材との積層構造でもよい。例えば、本発明の接着部材は、図1(II)に示すように、接着剤層2の片面に基材層3を有していてもよく、接着剤層2を構成する接着剤組成物を溶剤に溶解あるいは分散してワニスとし、基材層3上に塗布、加熱し溶剤を除去することによって得ることができる。
基材層として使用できる材料としては特に制限は無く、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルアミドフィルム、ポリエーテルアミドイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミドフィルムなどのプラスチックフィルムを使用することができる。また、必要に応じて、これらプラスチックフィルムはプライマー塗布、UV処理、コロナ放電処理、研磨処理、エッチング処理、離型処理等の表面処理を行っても良い。基材層は、使用時に剥離して接着剤層のみを使用することもできるし、基材層と接着剤層が積層した状態で使用し、後で基材層を除去することもできる。
また、本発明の接着部材は、図1(III)に示すように上記接着剤層2の他方の面に保護層4を有していてもよく、保護層の厚さは、好ましくは1〜500μmであり、より好ましくは5〜200μmであり、特に好ましくは10〜100μmである。保護層の厚さが1μm未満では接着剤層を作製する場合に伸ばされてしまい、平滑な接着剤層を得ることが出来ない可能性があり、500μmを超えると接着剤層の引き剥がしに不具合が生じる可能性がある。
上記保護層として使用できる材料としては特に制限が無く、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルアミドフィルム、ポリエーテルアミドイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルムを使用できる。また、必要に応じて、プライマー塗布、UV処理、コロナ放電処理、研磨処理、エッチング処理、離型処理等の表面処理を行っても良い。
また、本発明の接着部材は、図1(IV)に示すように、コア材5の両面に接着剤層2を有していてもよく、接着剤層2を構成する接着剤組成物を溶剤に溶解あるいは分散してワニスとし、コア材5の両面に塗布、加熱し溶剤を除去することによって得ることができる。さらに、本発明の接着部材は、図1(V)に示すように、接着剤層2を保護する保護層4を有していてもよい。コア材の厚さは、好ましくは1〜200μmであり、より好ましくは5〜100μmであり、特に好ましくは10〜50μmである。コア材の厚さが1μm未満では接着剤層を作製する場合に伸ばされてしまい、平滑な接着剤層を得ることが出来ない可能性があり、200μmを超えると経済性に劣る可能性がある。
上記コア材として使用できる材料としては特に制限が無く、有機物、無機物どちらも制限なく使用することができる。有機物のコア材としては、好ましくは耐熱性熱可塑フィルムであり、更に好ましくは軟化点温度が265℃以上の耐熱性熱可塑フィルムである。軟化点温度が265℃未満の耐熱性熱可塑フィルムをコア材に用いると、はんだリフローなどの高温時に接着剤層が剥離する可能性がある。更に、液晶ポリマーを用いた耐熱性熱可塑フィルム、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、全芳香族ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンとテトラフルオロエチレンとのコポリマー、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンのコポリマー、パーフルオロアルコキシエチレンとテトラフルオロエチレンのコポリマー、パーフルオロアルキルビニルエーテルとテトラフルオロエチレンのコポリマー等のコポリマーなどの有機物のコア材が好適に用いられる。また、耐熱性熱可塑フィルムは、接着剤層の貯蔵弾性率低減のため、多孔質フィルムを用いることもできる。また、無機物のコア材としては、例えばシリコンウェハ、シリコンチップ、ガラス等が挙げられる。有機物のコア材は樹脂フィルムの形状であることが好ましく、無機物のコア材は平板状のものを用いることが好ましい。
コア材の両面に形成された接着剤層同士がブロッキングしないように、接着剤層の表面を保護する目的で用いる保護層としては、前述と同様のものを使用することが出来る。
本発明の接着部材において、接着剤層を基材層又はコア材に積層する方法は、接着剤層を構成する成分を溶剤に溶解あるいは分散してワニスとし、基材層又はコア材に塗布、加熱し溶剤を除去することによって得ることができる。
前記ワニスの調製に用いる溶剤としては、各成分を均一に溶解、混練又は分散できるものであれば制限は無く、従来公知のものを使用することができる。このような溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−エトキシエタノール、トルエン、キシレン、ブチルセルソルブ、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノールなど比較的低沸点の溶剤を使用するのが好ましい。また、塗膜性を向上させるなどの目的で、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノンなど比較的高沸点の溶剤を加えることもできる。
接着剤層を構成する成分として無機フィラーを含む場合のワニスの調製は、無機フィラーの分散性を考慮して、らいかい機、3本ロール、ボールミル及びビーズミルなどを使用するのが好ましく、これらを組み合せて使用することもできる。また、無機フィラーと低分子量物すをあらかじめ混合した後、高分子量物を配合することによって、混合する時間を短縮することも可能となる。また、ワニスとした後、真空脱気等によってワニス中の気泡を除去することもできる。
基材層又はコア材にワニスを塗布する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
また、本発明の接着部材における接着剤層は、所望の厚さを得るために、2枚以上を貼り合わせることもできる。この場合には、接着剤層同士の剥離が発生しないような貼り合わせ条件が必要である。
また、図1(II)に示す接着剤層2の片面に基材層3を有してなる接着部材を2枚作製し、接着剤層2をコア材5の両面に貼り合せることによりコア材5の両面に接着剤層2を形成した接着部材を作製することもできる。この場合には、基材層3を保護層4の替わりに用いることもできる。
本発明の半導体素子搭載用支持部材としては、ダイパットを有するリードフレーム、セラミック基板や有機基板など基板材質に限定されることなく用いることができる。セラミック基板としては、アルミナ基板、窒化アルミ基板などを用いることができる。有機基板としては、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含漬させたFR−4基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂を含漬させたBT基板、さらにはポリイミドフィルムを基材として用いたポリイミドフィルム基板などを用いることができる。基板上には配線が形成されていてもよく、配線の形状としては、片面配線、両面配線、多層配線いずれの構造でも良く、必要に応じて電気的に接続された貫通孔、非貫通孔を設けても良い。さらに、配線が半導体装置の外部表面に現れる場合には、保護樹脂層を設けることが好ましい。
本発明の接着部材を半導体素子搭載用支持部材へ張り付ける方法としては、接着部材を所定の形状に切断し、その切断された接着部材を半導体素子搭載用支持部材の所望の位置に熱圧着する方法が一般的ではあるが、これを限定するものではない。
本発明の半導体装置は、配線基板と半導体素子間に本発明の接着部材を備えてなる半導体装置である。かかる半導体装置の構造としては、半導体素子の電極と配線基板とがワイヤーボンディングで接続されている構造、半導体素子の電極と配線基板とがテープオートメーテッドボンディング(TAB)のインナーリードボンディングで接続されている構造等があるが、これらに限定されるものではなく、何れの場合でも効果がある。
半導体素子としては、IC、LSI、VLSI等一般の半導体素子を使用することができる。
半導体素子と配線基板の間に発生する熱応力は、半導体素子と配線基板の面積差が小さい場合に著しいが、本発明の半導体装置は低弾性率の接着部材を用いることによりその熱応力を緩和して信頼性を確保する。これらの効果は、半導体素子の面積が、配線基板の面積の70%以上である場合に非常に有効に現れるものである。また、このように半導体素子と配線基板の面積差が小さい半導体装置においては、外部接続端子はエリア状に設けられる場合が多い。
また、本発明の接着部材の特性として、前記接着部材を配線基板の所望の位置に熱圧着する工程や、ワイヤーボンディングで接続する工程等、加熱される工程において、接着剤層からの揮発分を抑制できる。
本発明で用いられる配線基板としては、セラミック基板や有機基板など基板材質に限定されることなく用いることができる。セラミック基板としては、アルミナ基板、窒化アルミ基板などを用いることができる。有機基板としては、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含漬させたFR−4基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂を含漬させたBT基板、さらにはポリイミドフィルムを基材として用いたポリイミドフィルム基板などを用いることができる。
配線の形状としては、片面配線、両面配線、多層配線いずれの構造でも良く、必要に応じて電気的に接続された貫通孔、非貫通孔を設けても良い。さらに、配線が半導体装置の外部表面に現れる場合には、保護樹脂層を設けることが好ましい。接着部材を配線基板へ張り付ける方法としては、接着部材を所定の形状に切断し、その切断された接着部材を配線基板の所望の位置に熱圧着する方法が一般的ではあるが、これを限定するものではない。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
エポキシ樹脂としてYDCN−703(東都化成株式会社製商品名、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210、軟化点75〜85℃)55重量部、フェノール樹脂としてミレックスXLC−LL(三井化学株式会社製商品名、フェノール樹脂、水酸基当量175、吸水率1.8%、350℃における加熱質量減少率4%)45重量部、シランカップリング剤としてNUC A−1160(日本ユニカー株式会社製商品名、γ―ウレイドプロピルトリエトキシシラン)4.0重量部、フィラーとしてアエロジルR972(日本アエロジル株式会社製商品名、シリカ、平均粒径0.016μm)30重量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、さらにビーズミルを用いて90分混練した。これにグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート2〜6重量%を含むアクリルゴムHTR−860P−3(帝国化学産業株式会社製商品名、重量平均分子量100万)を400重量部、硬化促進剤としてキュアゾール2PZ−CN(四国化成株式会社製商品名、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)0.2重量部を配合した後、真空脱気して、不揮発分0.1%のワニスを得た。
ワニスを、基材層として厚さ75μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、膜厚が75μmのBステージ状態の接着剤層を形成し、基材層を備えた接着部材を作製した。
実施例2
エポキシ樹脂として、YDCN−703を55重量部用いる代わりにEpon 1031S(油化シェルエポキシ株式会社製商品名、多官能エポキシ樹脂、エポキシ当量200、軟化点92℃)を51重量部用いたこと以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、接着部材を作製した。
実施例3
アエロジルR972の添加量を20重量部としたこと以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、接着部材を作製した。
比較例1
アクリルゴムHTR−860P−3の添加量を200重量部としたこと以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、接着部材を作製した。
比較例2
硬化剤として、ミレックスXLC−LLを45重量部用いる代わりにプライオーフェンLF2882(大日本インキ化学株式会社製商品名、ビスフェノールAノボラック樹脂、水酸基当量118、吸水率4.4%、350℃における加熱質量減少率18%)を37重量部用いたこと以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、接着接着部材を作製した。
比較例3
キュアゾール2PZ−CNの添加量を0.05重量部としたこと以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、接着接着部材を作製した。
比較例4
アエロジルR972の添加量を60重量部としたこと以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、接着接着部材を作製した。

前記実施例1〜3、比較例1〜4で得られた各接着接着部材に関し、以下の項目について評価を行ない、結果を表1に示した。
(1)貯蔵弾性率(265℃)
接着部材の接着剤層を170℃で3時間硬化させた後、動的粘弾性測定装置(レオロジ社製、DVE−V4)を用い、接着剤層硬化物に引張り荷重をかけて、変位10μm、振幅10Hz、昇温速度5〜10℃/minの条件で−50℃から300℃まで測定する温度依存性測定モードで測定した。
(2)ダイシェア強度
接着部材の接着層面を半導体チップ(10mm×10mm)に、温度70℃、圧力0.3MPa、速度0.3m/分の条件でホットロールラミネーターを用いて貼りあわせた後、基材層を剥離した。次いで、半導体チップと対向する接着層面を100℃、0.2MPaの条件で5μmの凹凸を有する配線基板(15mm×15mm×厚み0.3mmの配線基板)に貼付した後、170℃で3時間硬化した。その後、エポキシ樹脂を用いて樹脂封止を行い、評価用パッケージを作製した。
この評価用パッケージについて、温度121℃、2気圧、湿度100%、保持時間20時間の条件下でのプレッシャークッカテスト処理を行なった。配線基板に対する接着剤層硬化物の265℃におけるダイシェア強度を、前記プレッシャークッカテスト処理前と処理後の評価用パッケージについて、265℃にて放置した後、測定速度50μm/秒の条件でダイシェアを行い測定した。265℃におけるダイシェア強度の比は、プレッシャークッカテスト処理後のダイシェア強度/プレッシャークッカテスト処理後のダイシェア強度により算出した。
(3)充填性
配線基板の凹凸の凹部への充填性の評価として、上記(2)で作製した評価用パッケージ50個について、初期の充填性を目視観察した。凹部に接着剤層が隙間無く充填されている状態を初期の充填性が良好であると判定し、充填性が良好なパッケージの個数/評価用パッケージの総個数を表1に示す。
(4)耐はんだリフロー性
前記(3)の充填性の評価で、初期の充填性が良好であると判定した評価用パッケージについて、85℃、湿度85%、保持時間12時間の条件で吸湿処理した後に、265℃条件下での耐はんだリフロー性を評価した。接着剤層と配線基板間に剥離が生じているか否かを目視観察し、剥離が生じたパッケージの個数/評価用パッケージの総個数を表1に示す。
Figure 2009124133
実施例1〜3は、接着剤層の加熱硬化後の265℃での貯蔵弾性率が3.0mPa未満であり、かつ、ダイシェア強度の比が0.90以上であり、充填性に優れるとともに耐はんだリフロー性についても良好な結果が得られた。一方、接着剤層の加熱硬化後の265℃での貯蔵弾性率が高い比較例1及び4は、充填性及び耐はんだリフロー性に劣り、ダイシェア強度の比が小さい比較例2及び3は、充填性でよい結果が得られても耐はんだリフロー性は劣ることが分った。
図1(I)〜(V)は本発明の接着部材1の断面図である。
符号の説明
1:接着部材
2:接着剤層
3:基材層
4:保護層
5:コア材

Claims (15)

  1. 接着剤層を有する接着部材であって、
    前記接着剤層を170℃で3時間硬化させた後、動的粘弾性測定により、変位10μm、振幅10Hzの条件で測定した、接着剤層硬化物の265℃における貯蔵弾性率が3.0MPa未満であり、
    前記接着剤層面を半導体パッケージ用有機基板に貼付し170℃で3時間硬化させた後、温度121℃、2気圧、湿度100%、保持時間20時間の条件下でプレッシャークッカテスト処理し、処理前後の前記半導体パッケージ用有機基板に対する接着剤層硬化物の265℃におけるダイシェア強度の比(処理後のダイシェア強度/処理前のダイシェア強度)が0.90以上である、
    ことを特徴とする接着部材。
  2. 前記プレッシャークッカテスト処理前の、半導体パッケージ用有機基板に対する接着剤層硬化物の265℃におけるダイシェア強度が、4.0MPa以上である請求項1記載の接着部材。
  3. 前記接着剤層が、熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の接着部材。
  4. 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の接着部材。
  5. 前記エポキシ樹脂の軟化点が50℃以上であることを特徴とする請求項4に記載の接着部材。
  6. 前記接着剤層が、硬化剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着部材。
  7. 前記硬化剤が、吸水率2質量%以下のフェノール樹脂である請求項6記載の接着部材。
  8. 前記接着剤層が、硬化促進剤を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の接着部材。
  9. 前記接着剤層が、エポキシ基含有アクリル系共重合体を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の接着部材。
  10. 前記エポキシ基含有アクリル系共重合体が、グリシジル(メタ)アクリレ−トを2〜6重量%含み、Tg(ガラス転移温度)が−10℃以上で、かつ、重量平均分子量が20万以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の接着部材。
  11. 前記接着剤層が、フィラーを含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の接着部材。
  12. 前記接着剤層が、カップリング剤を含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の接着部材。
  13. フィルム状に形成されてなる請求項1〜12のいずれか一項に記載の接着部材。
  14. 半導体素子搭載用支持部材の半導体素子搭載面に、請求項1〜13のいずれか一項に記載の接着部材を備えてなる半導体素子搭載用支持部材。
  15. 配線基板と半導体素子間に接着部材を備えてなる半導体装置であって、前記接着部材が請求項1〜13のいずれか一項に記載の接着部材である半導体装置。
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