JP2009123259A - ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】周波数追従型のフィルタにおけるピークフィルタの中心周波数を所望の周波数域内に束縛しつつも、計算量を軽減することが可能なディスク装置を提供する。
【解決手段】磁気ディスク装置1は、ピークフィルタ61の入力信号ynおよび出力信号pnに基づき、ピークフィルタ61の中心周波数と、外乱の周波数との大小関係を求める周波数推定部63と、この周波数推定部63に入力される入力信号yn(または出力信号pn)の周波数域を制限するバンドパスフィルタ69とを備えており、このバンドパスフィルタ69の伝達関数の実部が通過帯域で正の値とされている。
【選択図】図3
【解決手段】磁気ディスク装置1は、ピークフィルタ61の入力信号ynおよび出力信号pnに基づき、ピークフィルタ61の中心周波数と、外乱の周波数との大小関係を求める周波数推定部63と、この周波数推定部63に入力される入力信号yn(または出力信号pn)の周波数域を制限するバンドパスフィルタ69とを備えており、このバンドパスフィルタ69の伝達関数の実部が通過帯域で正の値とされている。
【選択図】図3
Description
本発明は、ディスク装置に関する。
ハードディスクなどの磁気ディスク装置では、ディスク媒体に形成されたトラックに沿ってサーボデータが記録されており、ディスク媒体上を浮遊するヘッドによってサーボデータが読み出される。このため、磁気ディスク装置は、ディスク媒体に対してヘッドを相対移動させるアクチュエータを、ヘッドが読み出したサーボデータに応じて制御するヘッドの位置制御系を有している。
このようなヘッドの位置制御系には、様々な要因によって生じる周期的な外乱に対する対策が施される。ところが、ヘッドの位置制御系に作用する外乱には、例えば、磁気ディスク装置が外部から受ける振動など、予めその周波数を特定しにくいものや、周波数が時間的に変動していくものがあり、こうした外乱を十分に抑制することが困難である。
そこで、こうした外乱を十分に抑制するための技術として、周波数追従型のフィルタが知られている。
特許文献1には、ピークフィルタの中心周波数を反復的に更新し、外乱の周波数に収束させることで、外乱を除去する周波数追従型ピークフィルタが開示されている。
また、非特許文献1には、この周波数追従型ピークフィルタを応用した周波数追従型ノッチフィルタが開示されている。
これらの技術には、ピークフィルタの入力信号および出力信号に基づいてピークフィルタの中心周波数と外乱の周波数との大小関係を求めるアルゴリズムが利用されている。
特開2003−109335号公報
木坂 正志, "周波数追従型ピークフィルタを使った適応ノッチフィルタ",電気学会研究会資料, IIC-06-136, 2006
ところで、ヘッドの位置制御系に作用する外乱には、例えば、ある温度条件で発生するなど、所定の環境下で発生するものがある。こうした所定の環境下で発生する外乱を抑制の対象とする場合、周波数追従型のフィルタでは、対象となる外乱が発生していないときに、ピークフィルタの中心周波数が、この外乱の周波数付近から離れて、他の微小な外乱に収束してしまうことがある。そして、対象となる外乱が発生したときに、ピークフィルタの中心周波数が、この外乱の周波数から離れすぎていて、収束するまでに時間を要してしまう。このため、ピークフィルタの中心周波数を、抑制を意図する外乱の周波数付近に留めておくことが求められる。
そこで、周波数追従型のフィルタにおけるピークフィルタの中心周波数を所望の周波数域内に束縛するための方法として、ピークフィルタの中心周波数と外乱の周波数との大小関係を求めるアルゴリズムで利用されるピークフィルタの入力信号および出力信号の両方に対し、周波数域の制限を設ける方法がある。これは、例えば、所望の周波数域の信号成分を通過させ、他の周波数域の信号成分を抑制するバンドパスフィルタにより実現することができる。
しかしながら、ピークフィルタの入力信号および出力信号の両方に対してバンドパスフィルタを設けると、フィルタリングのための計算量が過大になり、実用上困難を伴う。
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであり、周波数追従型のフィルタにおけるピークフィルタの中心周波数を所望の周波数域内に束縛しつつも、計算量を軽減することが可能なディスク装置を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するため、本発明のディスク装置は、ディスク媒体に対してヘッドを相対移動させるアクチュエータの制御系を有するディスク装置であって、前記制御系は、ピークフィルタと、前記ピークフィルタの入力信号および出力信号に基づき、前記ピークフィルタの中心周波数と、前記制御系に作用する外乱の周波数との大小関係を求めて、前記ピークフィルタの中心周波数を設定する周波数推定部と、前記周波数推定部に入力される前記入力信号または前記出力信号を帯域制限する制限フィルタと、を含み、前記制限フィルタの伝達関数は、通過帯域において実部が正の値とされる、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様では、前記周波数推定部により設定される前記中心周波数が、前記制限フィルタの伝達関数の通過帯域内に含まれるように、前記中心周波数が設定される範囲に制限を設ける。
次に、本発明のディスク装置は、ディスク媒体に対してヘッドを相対移動させるアクチュエータの制御系を有するディスク装置であって、前記制御系は、ノッチフィルタと、前記ノッチフィルタの伝達関数の一部であって、入出力の関係がピークフィルタの伝達関数と同じになる伝達関数における入力信号および出力信号に基づき、前記ノッチフィルタの中心周波数と、前記制御系に作用する外乱の周波数との大小関係を求めて、前記ノッチフィルタの中心周波数を設定する周波数推定部と、前記周波数推定部に入力される前記入力信号または前記出力信号を帯域制限する制限フィルタと、を含み、前記制限フィルタの伝達関数は、通過帯域において実部が正の値とされる、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様では、前記周波数推定部により設定される前記中心周波数が、前記制限フィルタの伝達関数の通過帯域内に含まれるように、前記中心周波数が設定される範囲に制限を設ける。
本発明者が検討を重ねた結果、周波数推定部に入力されるピークフィルタの入力信号および出力信号のうち、一方に対して制限フィルタを設ける場合であっても、制限フィルタの伝達関数の実部を通過帯域で正の値とすれば、ピークフィルタの中心周波数と外乱の周波数との大小関係を求められることが判明した。このため、上記本発明では、ピークフィルタの中心周波数を所望の周波数域内に束縛しつつも、計算量を軽減することができる。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置1の構成例を示す。磁気ディスク装置1は、筐体9内に、磁気ディスク2、スピンドルモータ3、磁気ヘッド4、サスペンションアーム5、キャリッジ6、ボイスコイルモータ7およびヘッドアンプ14を収納している。
また、磁気ディスク装置1は、筐体9外の基板に、主制御回路10、リードライトチャネル(R/Wチャネル)13およびモータドライバ17を有している。
磁気ディスク2は、スピンドルモータ3により回転駆動される。磁気ディスク2には、同心円状に配列する複数のトラック21が形成されている。また、各トラック21には、周方向に沿って所定の周期で配列するサーボデータ領域21sと、それらの間に位置するユーザデータ領域21uとが形成されている。
サーボデータ領域21sには、サーボデータが記録されている。サーボデータは、アドレスデータと、バースト信号とを含む。また、ユーザデータ領域21uには、ユーザデータが記録される。
磁気ヘッド4は、サスペンションアーム5の先端部に取付けられて、磁気ディスク2上に支持されている。サスペンションアーム5は、筐体9に支承されたキャリッジ6に基端側が取付けられている。ボイスコイルモータ7は、キャリッジ6を旋回駆動することで、磁気ヘッド4を磁気ディスク2上で略半径方向に移動させる。
主制御回路10は、マイクロプロセッシングユニット(MPU)と、ROMやRAMなどのメモリとを含む。主制御回路10は、メモリに格納されたプログラムを読み出し、実行することによって、磁気ヘッド4の位置制御やデータの記録再生制御など、種々の制御を実現する。本実施形態においては、主制御回路10が、位置制御回路として機能する。
また、主制御回路10は、ハードディスクコントローラ(HDC)と、バッファメモリとを含む。このHDCは、インターフェースコントローラ、エラー訂正回路、バッファコントローラなどを有している。
磁気ヘッド4の位置制御において、主制御回路10は、R/Wチャネル13から入力されるサーボデータから磁気ヘッド4の現在位置を特定するとともに、磁気ヘッド4を目標トラック上に位置させるための制御信号を生成し、モータドライバ17へ出力する。モータドライバ17は、制御信号をアナログ変換し、増幅して、ボイスコイルモータ7に出力する。
データの記録再生制御において、主制御回路10は、磁気ディスク2に記録すべきユーザデータを外部ホストから受信すると、このユーザデータをR/Wチャネル13へ出力する。また、主制御回路10は、復調されたユーザデータがR/Wチャネル13から入力されると、このユーザデータを外部ホストへ送信する。また、主制御回路10は、ユーザデータをバッファメモリに一時的に格納させる。
R/Wチャネル13は、主制御回路10からユーザデータが入力されると、このユーザデータを変調して、ヘッドアンプ14へ出力する。また、R/Wチャネル13は、増幅された再生信号がヘッドアンプ14から入力されると、この再生信号をデジタルデータに変換し、復調して、主制御回路10へ出力する。また、R/Wチャネル13は、再生信号から所定のサンプリング周期でサーボデータを抽出して、主制御回路10へ出力する。
ヘッドアンプ14は、変調されたユーザデータがR/Wチャネル13から入力されると、このユーザデータを記録信号に変換して、磁気ヘッド4へ出力する。また、ヘッドアンプ14は、磁気ディスク2から読み出された再生信号が磁気ヘッド4から入力されると、この再生信号を増幅して、R/Wチャネル13へ出力する。
磁気ヘッド4は、ヘッドアンプ14から記録信号が入力されると、この記録信号に応じた記録磁界を磁気ディスク2に印加する。これにより、磁気ディスク2に、ユーザデータを表す磁化が記録される。また、磁気ヘッド4は、磁気ディスク2に記録されている磁化から漏れ出る磁界を再生信号として読み出して、この再生信号をヘッドアンプ14へ出力する。
[周波数追従型ピークフィルタ]
以下、周波数追従型ピークフィルタを用いた磁気ディスク装置1の実施形態について説明する。図2に、周波数追従型ピークフィルタ40を有する主制御回路10の機能構成例を示す。
以下、周波数追従型ピークフィルタを用いた磁気ディスク装置1の実施形態について説明する。図2に、周波数追従型ピークフィルタ40を有する主制御回路10の機能構成例を示す。
主制御回路10は、MPUのソフトウェア的な動作によって、誤差信号生成回路31、コントローラ33、加算部35および周波数追従型ピークフィルタ40を機能的に含み、磁気ヘッド4の位置制御系(ボイスコイルモータ7の制御系)30Aを形成している。
誤差信号生成回路31は、外部ホストからの記録命令または再生命令に基づいて決定される磁気ヘッド4の目標トラックと、R/Wチャネル13から入力されるサーボデータにより特定される磁気ヘッド4の現在位置との差分を求めて、磁気ヘッド4の位置誤差を表す誤差信号PES(Position Error Signal)を生成する。この誤差信号PESは、サーボデータに含まれるバースト信号から生成される。
コントローラ33は、誤差信号生成部31により生成された誤差信号PESに基づいて、ボイスコイルモータ7を駆動するための制御信号SCを生成し、加算部35へ出力する。この制御信号SCは、磁気ヘッド4の位置誤差を抑制し、位置制御系30Aを安定化する。
周波数追従型ピークフィルタ40は、誤差信号生成回路31から入力される誤差信号PESをフィルタリングし、これにより得られる信号SPを加算部35へ出力する。周波数追従型ピークフィルタ40の構成については、後に詳しく述べる。
加算部35は、コントローラ33から出力された制御信号SCと、周波数追従型ピークフィルタ40から出力された信号SPとを加算して得られる制御信号SC’を、上記モータドライバ17を介してボイスコイルモータ7へ出力する。
ここで、コントローラ33から出力される信号SCは、磁気ヘッド4を目標トラックに追従させるための信号であり、他方、周波数追従型ピークフィルタ40から出力される信号SPは、位置制御系30に作用する外乱の影響をキャンセルするための信号である。これにより、加算器35から出力される制御信号SC’は、誤差信号PESに含まれていた外乱による成分を抑制することになる。
図3および図4に、周波数追従型ピークフィルタ40の第1構成例および第2構成例を示す。周波数追従型ピークフィルタ40は、ピークフィルタ(共振フィルタ)61、周波数推定部63、制限フィルタとしてのバンドパスフィルタ69を含んでいる。
ピークフィルタ61は、入力信号ynのうち、中心周波数(ピーク周波数)の周波数成分を増幅した出力信号pnを生成して出力する。ここで、入力信号ynは誤差信号生成部31から入力される誤差信号PESであり、出力信号pnは加算部35へ出力される信号SPである。
このピークフィルタ61は、周波数推定部63が出力する更新信号fによって、内部変数が更新され、これにより中心周波数が設定される。
周波数推定部63には、ピークフィルタ61の入力信号ynおよび出力信号pnが入力される。この周波数推定部63は、例えば上記特許文献1にも記載されているように、ピークフィルタ61の入力信号ynの位相と、出力信号pnの位相とを比較することで、ピークフィルタ61の中心周波数と、位置制御系30に作用する外乱の周波数との大小関係を求める。
また、周波数推定部63は、求めた大小関係に応じて、ピークフィルタ61の中心周波数を設定するための更新信号fを、ピークフィルタ61に出力する。これにより、ピークフィルタ61の中心周波数が、位置制御系30に作用する外乱の周波数に漸近する。
なお詳しくは、図3に示す第1構成例において、周波数推定部63には、ピークフィルタ61の出力信号pnをバンドパスフィルタ69によりフィルタリングした信号unが入力される。他方、図4に示す第2構成例において、周波数推定部63には、ピークフィルタ61の入力信号ynをバンドパスフィルタ69によりフィルタリングした信号vnが入力される。
このバンドパスフィルタ69は、入力される信号のうち、所定の周波数域(通過帯域)の信号成分を通過させ、その他の周波数域(制限帯域)の信号成分を抑制することで、通過する信号の帯域制限を行う。これにより、ピークフィルタ61の中心周波数を、バンドパスフィルタ69の通過帯域内に束縛することができる。
以下、上記のようにバンドパスフィルタ69がピークフィルタ61の入力信号ynおよび出力信号pnの一方の側に設けられた場合であっても、周波数推定部63が正しく動作することを説明する。
まず、ピークフィルタ61の伝達関数P(z)は、下記数式1で表される。この数式1において、ω0は中心周波数を表す。
また、ピークフィルタ61の入力信号ynと出力信号pnの関係は、下記数式2で表される。この数式2において、k(N)は、中心周波数ω0をN時点毎に更新する場合の値を表す。
この数式2のz変換は、下記数式3で表される。この数式3において、Y(z)はynのz変換を表し、P(z)はpnのz変換を表す。
一方、周波数推定部63の周波数推定の更新式は、一般的には、下記数式4で表される。この数式4において、Eは、ピークフィルタ61の入力信号ynと出力信号pnの積の時間平均を表す評価関数である。この評価関数Eの符号(+,−)により、ピークフィルタ61の中心周波数と外乱の周波数との大小関係を判定することができる。
ここで、図3に示す第1構成例では、周波数推定部63に、ピークフィルタ61の出力信号pnをバンドパスフィルタ69によりフィルタリングした信号unが入力されるので、評価関数Eは、E(ynun)となる。また、unのz変換は、U(z)=B(z)P(z)となる。B(z)は、バンドパスフィルタ69の伝達関数である。
他方、図4に示す第2構成例では、周波数推定部63に、ピークフィルタ61の入力信号ynをバンドパスフィルタ69によりフィルタリングした信号vnが入力されるので、評価関数Eは、E(vnpn)となる。また、vnのz変換は、V(z)=B(z)Y(z)となる。B(z)は、バンドパスフィルタ69の伝達関数である。
これより、第1構成例の評価関数E(ynun)と第2構成例の評価関数E(vnpn)は、等しくなり、下記数式5で表される。なお、この数式5では、ピークフィルタ61の入力信号ynをサイン波としたときに、出力信号pnが大きさA、角周波数ω1のサイン波になるとする。また、サンプル時間をtSとする。
ここで、ピークフィルタ61の中心周波数ω0を外乱の周波数に収束させるためには、上記数式4の更新式において、評価関数Eを含む右辺第2項が、バンドパスフィルタ69の伝達関数Bがある場合とない場合とで同符号である必要がある。
すなわち、上記数式5の評価関数Eにおいて、ピークフィルタ61の中心周波数と外乱の周波数との大小関係を判定できるのは、「(cosω1−k(N))」の部分の符号であるので、バンドパスフィルタ69の伝達関数Bの実部「Re(B(ejω1tS))」によって評価関数Eの符号が変化してしまうと、大小関係を正しく判定することができない。
このため、バンドパスフィルタ69の伝達関数Bの実部「Re(B(ejω1tS))」には、評価関数Eの符号を変化させないことが求められる。すなわち、「Re(B(ejω1tS)))」は、正の値である必要がある。以上より、下記数式6の条件が得られる。
このように、バンドパスフィルタ69の伝達関数Bは、通過帯域において実部が正の値とされる。
そして、この数式6を常に成り立たせる為には、k(N)(=cosω0)の値に上限および下限を設定することが好適である。これにより、ピークフィルタ61の中心周波数ω0が、バンドパスフィルタ69の通過帯域から外れることがなくなる。
以上により、バンドパスフィルタ69がピークフィルタ61の入力信号ynおよび出力信号pnの一方の側に設けられた場合であっても、上記数式6を満たすようにすれば、周波数推定部63が正しく動作することがわかる。
なお、参考のため、ピークフィルタの入力信号および出力信号の両方にバンドパスフィルタを設けた場合の周波数推定の更新式を、下記数式7に表す。
この数式7によれば、評価関数Eを含む右辺第2項が、バンドパスフィルタの伝達関数Bがある場合とない場合とで同符号である。すなわち、評価関数Eには、バンドパスフィルタの伝達関数Bの絶対値の2乗|B(ejω1tS)|2が含まれるので、評価関数Eの符号が変化することがない。このため、上記本実施形態のように数式6を満たさなくても、ピークフィルタの中心周波数と外乱の周波数との大小関係を判定できる。
[周波数追従型ノッチフィルタ]
以下、周波数追従型ノッチフィルタを用いた磁気ディスク装置1の実施形態について説明する。図5に、周波数追従型ノッチフィルタ50を有する主制御回路10の機能構成例を示す。なお、上記実施形態と重複する構成については、同番号を付すことで詳細な説明を省略する。
以下、周波数追従型ノッチフィルタを用いた磁気ディスク装置1の実施形態について説明する。図5に、周波数追従型ノッチフィルタ50を有する主制御回路10の機能構成例を示す。なお、上記実施形態と重複する構成については、同番号を付すことで詳細な説明を省略する。
主制御回路10は、MPUのソフトウェア的な動作によって、誤差信号生成回路31、コントローラ33および周波数追従型ノッチフィルタ50を機能的に含み、磁気ヘッド4の位置制御系(ボイスコイルモータ7の制御系)30Bを形成している。
周波数追従型ノッチフィルタ50は、コントローラ33から入力される制御信号SCをフィルタリングし、これにより得られる信号SC’を、上記モータドライバ17を介してボイスコイルモータ7へ出力する。
ここで、周波数追従型ノッチフィルタ50は、コントローラ33から入力される制御信号SCのうち、中心周波数の信号成分を抑制し、これにより得られる制御信号SC’を出力する。中心周波数が外乱の周波数に収束している場合には、制御信号SCに含まれる外乱が抑制される。
図6および図7に、周波数追従型ノッチフィルタ50の第1構成例および第2構成例を示す。周波数追従型ノッチフィルタ50は、ノッチフィルタ50n、周波数推定部63、制限フィルタとしてのバンドパスフィルタ69を含んでいる。
ノッチフィルタ50nの伝達関数Q(z)は、例えば上記非特許文献1にも記載されているように、下記数式8で表すことができる。この数式8において、ω0は中心周波数を表し、lはノッチの帯域を決める正の数である。
この数式8は、下記数式9のように変形することができる。
但し、この数式9に含まれるP(z)は下記数式10で表され、A(z)は下記数式11で表される。
この数式10に表されるP(z)は、上記数式1に示したピークフィルタ61の伝達関数P(z)と同じであることから、ノッチフィルタ50nには、ピークフィルタ61が含まれていることがわかる。また、ノッチフィルタ50nには、1/(1+l)を表すブロック65と、lAを表すブロック67とが含まれる。
ここで、ノッチフィルタ50n内の信号の関係は、下記数式12ないし数式14で表される。
また、周波数推定部63には、ノッチフィルタ50nに含まれるピークフィルタ61の入力信号ynおよび出力信号pnが入力される。この入力信号ynは、周波数追従型ノッチフィルタ50から出力される制御信号SC’である。
なお詳しくは、図6に示す第1構成例において、周波数推定部63には、ピークフィルタ61の出力信号pnをバンドパスフィルタ69によりフィルタリングした信号unが入力される。他方、図7に示す第2構成例において、周波数推定部63には、ピークフィルタ61の入力信号ynをバンドパスフィルタ69によりフィルタリングした信号vnが入力される。
このように、周波数追従型ノッチフィルタ50は、ピークフィルタ61を含んでおり、ピークフィルタ61と周波数推定部63の関係が上記周波数追従型ピークフィルタ40と同様である。このため、バンドパスフィルタ69がピークフィルタ61の入力信号ynおよび出力信号pnの一方の側に設けられた場合であっても、上記数式6を満たすようにすれば、周波数推定部63が正しく動作することがわかる。
1 磁気ディスク装置(ディスク装置の一例)、2 磁気ディスク(ディスク媒体の一例)、3 スピンドルモータ、4 磁気ヘッド(ヘッドの一例)、5 サスペンションアーム、6 キャリッジ、7 ボイスコイルモータ(アクチュエータの一例)、9 筐体、10 主制御回路、13 R/Wチャネル、14 ヘッドアンプ、17 モータドライバ、21 トラック、21s サーボデータ領域、21u ユーザデータ領域、30A,30B 磁気ヘッドの位置制御系(アクチュエータの制御系の一例)、31 誤差信号生成部、33 コントローラ、35 加算部、40 周波数追従型ピークフィルタ、50 周波数追従型ノッチフィルタ、50n ノッチフィルタ、61 ピークフィルタ、63 周波数推定部、65 lAを表すブロック、67 1/(1+l)を表すブロック、69 バンドパスフィルタ(制限フィルタの一例)。
Claims (4)
- ディスク媒体に対してヘッドを相対移動させるアクチュエータの制御系を有するディスク装置であって、
前記制御系は、
ピークフィルタと、
前記ピークフィルタの入力信号および出力信号に基づき、前記ピークフィルタの中心周波数と、前記制御系に作用する外乱の周波数との大小関係を求めて、前記ピークフィルタの中心周波数を設定する周波数推定部と、
前記周波数推定部に入力される前記入力信号または前記出力信号を帯域制限する制限フィルタと、
を含み、
前記制限フィルタの伝達関数は、通過帯域において実部が正の値とされる、
ことを特徴とするディスク装置。 - 請求項1に記載のディスク装置であって、
前記周波数推定部により設定される前記中心周波数が、前記制限フィルタの伝達関数の通過帯域内に含まれるように、前記中心周波数が設定される範囲に制限を設ける、
ことを特徴とするディスク装置。 - ディスク媒体に対してヘッドを相対移動させるアクチュエータの制御系を有するディスク装置であって、
前記制御系は、
ノッチフィルタと、
前記ノッチフィルタの伝達関数の一部であって、入出力の関係がピークフィルタの伝達関数と同じになる伝達関数における入力信号および出力信号に基づき、前記ノッチフィルタの中心周波数と、前記制御系に作用する外乱の周波数との大小関係を求めて、前記ノッチフィルタの中心周波数を設定する周波数推定部と、
前記周波数推定部に入力される前記入力信号または前記出力信号を帯域制限する制限フィルタと、
を含み、
前記制限フィルタの伝達関数は、通過帯域において実部が正の値とされる、
ことを特徴とするディスク装置。 - 請求項3に記載のディスク装置であって、
前記周波数推定部により設定される前記中心周波数が、前記制限フィルタの伝達関数の通過帯域内に含まれるように、前記中心周波数が設定される範囲に制限を設ける、
ことを特徴とするディスク装置。
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US10553248B1 (en) | 2018-09-18 | 2020-02-04 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Magnetic disk device and head position control method |
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