JP2009118391A - 音処理装置およびプログラム - Google Patents

音処理装置およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2009118391A
JP2009118391A JP2007291956A JP2007291956A JP2009118391A JP 2009118391 A JP2009118391 A JP 2009118391A JP 2007291956 A JP2007291956 A JP 2007291956A JP 2007291956 A JP2007291956 A JP 2007291956A JP 2009118391 A JP2009118391 A JP 2009118391A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
intensity
gain
intensity ratio
error signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007291956A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5003419B2 (ja
Inventor
Hiroshi Okumura
啓 奥村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP2007291956A priority Critical patent/JP5003419B2/ja
Priority to US12/291,107 priority patent/US8259961B2/en
Priority to EP08168560A priority patent/EP2058945B1/en
Priority to AT08168560T priority patent/ATE538533T1/de
Publication of JP2009118391A publication Critical patent/JP2009118391A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5003419B2 publication Critical patent/JP5003419B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03GCONTROL OF AMPLIFICATION
    • H03G3/00Gain control in amplifiers or frequency changers
    • H03G3/20Automatic control
    • H03G3/30Automatic control in amplifiers having semiconductor devices
    • H03G3/32Automatic control in amplifiers having semiconductor devices the control being dependent upon ambient noise level or sound level

Landscapes

  • Control Of Amplification And Gain Control (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Abstract

【課題】再生音の特性(例えば音量)を観測信号に応じて適切に制御する。
【解決手段】信号処理部12は、音響信号S0の音量をゲインGmで増幅した音響信号SOUTを放音機器54に供給する。適応フィルタ24は、誤差信号eの強度Emが最小となるように適応信号yを特定する。減算部22は、収音機器56が生成した観測信号zと適応信号yとの差分を誤差信号eとして生成する。強度比算定部32は、適応信号yと誤差信号eとの強度比Rmをフレーム毎に算定する。強度比平均部34は、複数のフレームの強度比Rmを平均することで平均強度比Rm_aveを算定する。制御部14は、強度比Rmが平均強度比Rm_aveを下回る場合に誤差信号eの強度Emに応じてゲインGmを可変に制御し、強度比Rmが平均強度比Rm_aveを上回る場合に、誤差信号eの強度Emに応じたゲインGmの上昇が抑制されるように音響信号S0の音量のゲインGmを制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、放音機器に供給される音響信号を処理する技術に関する。
放音機器に供給される音響信号の音量を、放音機器から収音機器に到達する観測音を収音した観測信号に応じて自動的に制御する技術が従来から提案されている。例えば特許文献1や特許文献2には、観測信号と適応信号との差分に相当する誤差信号の強度が最小となるように適応フィルタにて適応信号を生成し、音響信号の音量を誤差信号の強度に応じて制御する技術が開示されている。誤差信号は、理想的には、観測音の雑音成分に相当する。したがって、例えば誤差信号の強度が音量の制御の基準値を上回る場合(環境内の雑音が大きい場合)には放音機器からの再生音の音量が増加し、誤差信号の強度が基準値を下回る場合には再生音の音量が減少するように音響信号が制御される。
特開平1−248799号公報 特許第3286981号公報
しかし、特許文献1や特許文献2の技術においては、誤差信号の強度が現実の雑音成分の強度から乖離する場合がある。例えば、放音機器から収音機器に到達する音響の強度と比較して雑音成分の強度が極端に低い場合には、観測信号から適応信号を減算する減算器の能力の制限に起因して、観測信号のうち雑音成分以外の成分が誤差信号に残存する可能性がある。以上の誤差信号の強度が基準値を上回る場合、再生音の音量が増加するように音響信号が制御されるから、誤差信号の強度はさらに上昇する。したがって、放音機器による再生音が充分に大音量であるにも拘わらず、再生音の音量が増加し続ける。また、雑音成分以外の成分を含む誤差信号の強度は実際の雑音成分の強度を上回るから、音響信号の音量のゲインが本来よりも高目に設定されて本来の雑音成分に対応する最適値まで再生音の音量が低下しない(または低下に時間が掛かる)という問題もある。以上の事情を背景として、本発明は、再生音の特性(例えば音量)を観測信号に応じて適切に制御することを目的としている。
以上の課題を解決するために、本発明に係る音処理装置は、放音機器に供給される音響信号の音量を制御する信号処理手段と、誤差信号の強度が最小となるように適応信号を特定する適応フィルタと、収音機器が生成した観測信号と前記適応信号との差分を前記誤差信号として生成する減算手段と、前記観測信号または前記適応信号と前記誤差信号との強度比を時間軸上のフレーム毎に算定する強度比算定手段と、前記強度比が基準値を下回る場合に前記誤差信号の強度に応じて前記音響信号の音量のゲインを可変に制御し、前記強度比が基準値を上回る場合に、前記誤差信号の強度に応じたゲインの上昇が抑制されるように前記音響信号の音量のゲインを制御する制御手段とを具備する。なお、「誤差信号の強度に応じたゲインの上昇が抑制されるように音響信号の音量のゲインを制御する」処理は、誤差信号の強度のみに基づいて制御したならばゲインが上昇する場合において当該上昇を抑制するようにゲインを制御する処理と、誤差信号の強度のみに基づいて制御したならばゲインが低下する場合において当該低下を促進するようにゲインを制御する処理との少なくとも一方を含む。
以上の構成によれば、強度比が平均強度比を上回る場合(雑音成分の強度が低下した場合)に音響信号の音量のゲインの上昇が抑制される。したがって、雑音成分の強度が急激に低下した場合であってもゲインを迅速かつ確実に抑制することが可能である。また、雑音成分の強度の急激な上昇が停止した場合には当該停止後にゲインの上昇が抑制されるから、雑音成分の強度の上昇の停止後に音響信号の音量が上昇し続けるといった不具合が防止される。
本発明の好適な態様に係る音処理装置は、複数のフレームにおける前記観測信号または前記適応信号と前記誤差信号との平均強度比を算定する強度比平均手段を具備し、前記制御手段は、前記平均強度比を前記基準値として前記音響信号の音量のゲインを制御する。以上の態様によれば、複数のフレームにおける平均強度比に基づいてゲインが制御されるから、各フレームの強度比に応じた適切なゲインの制御が可能となる。
本発明の具体的な態様において、前記制御手段は、誤差信号の強度Eと当該強度Eの基準値Estdと強度比Rと平均強度比Raveと直前のゲインGm-1とから式(A)に基づいてゲインGmを算定する。
Gm=(Gm-1)θ(Em/Estd)η(Rave/Rm)ζ ……(A) (0≦θ≦1、0≦η≦1、Rm>Raveのときにζ=Ζ(Z>0)、Rm<Raveのときにζ=0)
本発明に係る音処理装置は、各処理に専用されるDSP(Digital Signal Processor)などのハードウェア(電子回路)によって実現されるほか、CPU(Central Processing Unit)などの汎用の演算処理装置とプログラムとの協働によっても実現される。本発明に係るプログラムは、放音機器に供給される音響信号の音量を制御する信号処理と、誤差信号の強度が最小となるように適応信号を特定する適応フィルタ処理と、収音機器が生成した観測信号と前記適応信号との差分を前記誤差信号として生成する減算処理と、前記観測信号または前記適応信号と前記誤差信号との強度比を時間軸上のフレーム毎に算定する強度比算定処理と、前記強度比が基準値を下回る場合に前記誤差信号の強度に応じて前記音響信号の音量のゲインを可変に制御し、前記強度比が基準値を上回る場合に、前記誤差信号の強度に応じたゲインの上昇が抑制されるように前記音響信号の音量のゲインを制御する制御処理とをコンピュータに実行させる。以上のプログラムによっても、本発明に係る音処理装置と同様の作用および効果が奏される。なお、本発明のプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で利用者に提供されてコンピュータにインストールされるほか、通信網を介した配信の形態で提供されてコンピュータにインストールされる。
<A:音処理装置の形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る音処理装置10の構成を示すブロック図である。音処理装置10には信号源52と放音機器54と収音機器56とが接続される。信号源52は音処理装置10に音響信号S0を供給する。音響信号S0は、音響(音声や楽音など各種の音)の時間軸上における波形を表す信号(デジタル信号)である。記録媒体から音響信号S0を取得して音処理装置10に出力する再生装置や、通信網を介して音響信号S0を受信して音処理装置10に出力する通信装置が信号源52として好適に採用される。
放音機器54(例えばスピーカ装置)は、音処理装置10から供給される音響信号SOUTに応じた音波を放射する。なお、実際には音響信号SOUTはD/A変換器や増幅器を介して放音機器54に供給されるが、D/A変換器や増幅器の図示は便宜的に省略されている。
収音機器56(例えばマイクロホン)は、周囲の音響に応じた観測信号zを生成して音処理装置10に供給する。観測信号zは、放音機器54から収音機器56までの音波の経路に応じた伝達関数を放音機器54からの再生音に付加した伝播成分yHと収音機器56の周囲にある雑音成分aとを加算した観測音の波形を表す(z=yH+a)。なお、実際には収音機器56からの出力信号が増幅器やA/D変換器を介してデジタルの観測信号zに変換されるが、増幅器やA/D変換器の図示は便宜的に省略されている。
音処理装置10は、観測信号zに基づいて音響信号S0から音響信号SOUTを生成する。音処理装置10は、記録媒体に格納されたプログラムを演算処理装置が実行することで構成される。音処理装置10の機能的な構成を以下に詳述する。
図1の信号処理部12は、音響信号S0の音量を調整(増幅)して音響信号SOUTを生成する。本形態の信号処理部12は、音響信号S0とゲインGmとの乗算の結果を音響信号SOUT(SOUT=S0×Gm)として出力する乗算器である。音響信号S0の音量のゲインGmは制御部14によって可変に制御される。なお、ゲインGmの制御については後述する。信号処理部12による処理後の音響信号SOUTが放音機器54に出力される。
減算部22は、収音機器56が生成した観測信号zから適応信号yを減算することで誤差信号eを生成する。適応フィルタ24は、信号処理部12による処理後の音響信号SOUTと減算部22が生成した誤差信号eとに基づいて適応信号yを生成する。適応フィルタ24は、誤差信号eの強度が最小となるように適応信号yを特定する。したがって、適応信号yは、伝播成分yHの波形を模擬(推定)した信号となる。適応フィルタ24の生成した適応信号yが減算部22による演算に使用される。
強度算定部26は、時間軸上に画定されたフレーム毎に観測信号zの強度(パワー)Zmを算定する(添字mはフレームの番号を示す自然数)。強度算定部28は、誤差信号eの強度Emをフレーム毎に算定する。各フレームの時間長は固定値および可変値の何れでもよい。また、時間軸上で相前後する各フレームが重複する構成も採用される。第m番目のフレームにおける信号x(x=z,e)の強度Xm(Xm=Zm,Em)は、例えば以下の式(1)で算定される。
Figure 2009118391

式(1)におけるNは、信号xを表すサンプル列のうちひとつのフレームに属するサンプルの個数であり、nは、ひとつのフレームにおける最後のサンプルの番号である。
図1の強度比算定部32は、強度算定部26が算定した観測信号zの強度Zmと強度算定部28が算定した誤差信号eの強度Emとの相対比(以下「強度比」という)Rmを算定する。すなわち、強度比Rmは、強度Zmを強度Emで除算した数値(Rm=Zm/Em)である。
強度比平均部34は、強度比算定部32がフレーム毎に算定した強度比Rmを複数のフレームについて平均化することで平均強度比Rm_aveを算定する。平均強度比Rm_aveは、例えば以下の式(2)に示すように、第(m−M+1)番目から第m番目までのM個のフレームにおける強度比Rmの相加平均として算定される。
Figure 2009118391
ただし、平均強度比Rm_aveを算定する方法は任意である。例えば、M個のフレームにわたる強度比Rmの相乗平均を平均強度比Rm_aveとする構成や、以下の式(3)を利用して平均強度比Rm_aveを算定する構成も好適である。
Figure 2009118391
制御部14は、信号処理部12による処理を制御する。さらに詳述すると、制御部14は、強度Emと強度比Rmと平均強度比Rm_aveとに基づいて式(4)の演算を実行することで、信号処理部12が音響信号S0の増幅に適用するゲインGmを算定する。
Figure 2009118391

式(4)のθは、ゼロから1までの範囲(0≦θ≦1)内で適宜に選定される。θが大きいほど直前のゲインGm-1の影響がゲインGmに反映され易い。式(4)におけるηは、ゼロを超えて1以下の範囲(0<η≦1)内で適宜に選定される。例えばθ=1−ηが成立する。さらに好適にはθはηを上回る数値に設定される。式(4)のEstdは強度Emの基準となる数値(以下「基準値」という)である。
式(4)におけるζmは、強度比Rmが平均強度比Rm_aveを上回る場合(Rm>Rm_ave)には所定値Ζに設定され、強度比Rmが平均強度比Rm_ave以下である場合(Rm≦Rm_ave)にはゼロに設定される。ただし、強度比Rmが平均強度比Rm_ave以下である場合のζmはゼロ以外の数値であってもよい。所定値Ζは、例えば所定の正数である。さらに好適には所定値Ζは1未満の数値(例えばΖ=0.7)に設定される。
強度比Rmが平均強度比Rm_ave以下である場合には式(4)の(Rm_ave/Rm)ζmが1となるから、誤差信号eの強度Emに応じてゲインGmが制御される。すなわち、強度Emが強度Estdに接近するようにゲインGmが制御される。例えば、強度Emが基準値Estdを上回る場合にはゲインGmは直前のゲインGm-1から増加し、強度Emが基準値Estdを下回る場合にはゲインGmは直前のゲインGm-1から減少する。一方、強度比Rmが平均強度比Rm_aveを上回る場合、式(4)における(Rm_ave/Rm)ζmは1未満の数値となるから、強度比Rmが平均強度比Rm_aveを下回る場合と比較してゲインGmの低下が促進される。
以上に説明したように本形態においては強度比Rmと平均強度比Rm_aveとの関係に応じてゲインGmが制御されるから、例えば強度Emのみに基づいてゲインGmを算定する構成(以下「対比例1」という)と比較してゲインGmを雑音信号aに応じて迅速かつ適切に制御することが可能である。以上の効果について図2から図5を参照して詳述する。対比例1は、例えばGm=Gm-1θ・(Em/Estd)ηという演算式でゲインGmが算定される構成である。
図2から図5は、観測信号zの強度Zmと誤差信号eの強度Emとが雑音信号aの強度Aに応じて経時的に変化する様子を示す概念図である。図2および図3においては雑音信号aの強度Aが時刻t1にて減少した場合を想定し、図4および図5においては雑音信号aの強度Aが時刻t1にて増加した場合を想定する。図2および図4は対比例1の特性に該当し、図3および図5は本形態の特性に該当する。図3および図5においては、強度比Rmの経時的な変動も併記されている。なお、図3および図5においては、平均強度比Rm_aveの変動を便宜的に省略している。
雑音成分aの強度Aが伝播成分yHの強度に対して極端に低下すると、適応フィルタ24や減算部22の能力の限界に起因して、伝播成分yHのうち減算部22にて減算し切れなかった成分が誤差信号eに残存する場合がある。すなわち、誤差信号eの強度Emは、図2のように時点t1の経過後に実際の雑音成分aの強度Aを上回る。したがって、対比例1においては、強度Aの低下に追随するように音響信号SOUTの音量を大幅に減少させるべきであるにも拘わらず、誤差信号eの強度Emが強度Aを上回る結果として音響信号SOUTの音量の減少は抑制される。すなわち、観測信号zの強度Zの変化は(音響信号SOUTに応じた再生音の音量の変化)は雑音成分aの強度Aの変化に対して遅延する。
ところで、平均強度比Rm_aveは第m番目のフレームの直前に位置する複数((M−1)個)のフレームの強度比Rmの平均値であるから、雑音成分aの強度Aが直前のフレームと比較して低下した直後には、図3に示すように強度比Rmが平均強度比Rm_aveを上回る。以上のように強度比Rmが平均強度比Rm_aveを上回る場合(強度Aが上昇した場合)、本形態においては式(4)の(Rm_ave/Rm)ζmが1未満の数値に設定される。すなわち、強度Emと基準値Estdとの相対比(Em/Estd)ηによるゲインGmの減少に(Rm_ave/Rm)ζmによるゲインGmの減少が累加される。したがって、図3に示すように、誤差信号eの強度比Emのみに応じてゲインGmを制御する対比例1と比較して、実際の雑音成分aの強度Aの低下に追随するように音響信号SOUTの音量(観測信号zの強度Zm)を迅速かつ確実に低下させることが可能である。
次に、雑音成分aの強度Aが時点t1にて急激に上昇する図4および図5の場合を検討する。強度Aに連動して誤差信号eの強度Emが上昇するとゲインGmは増加する。したがって、対比例1においては、時点t1の経過後に観測信号zの強度Zmが上昇し始める。観測信号zの強度Zmの変動は雑音成分aの強度Aの変動に対して遅延するため、強度Aの上昇が停止する時点t2の直後にも強度Zmは上昇する。そして、強度Zmに連動して誤差信号eの強度Emも上昇するから、図4に示すように、雑音成分aの増加が時点t2にて停止しているにも拘わらずゲインGm(観測成分zの強度Zm)は強度Emに応じて上昇する。さらに、観測信号zの強度Zmが充分に増加した段階では、減算部22の能力の限界に起因して、伝播成分yHのうち減算部22にて減算し切れなかった成分が誤差信号eに残存して強度Emが上昇する。強度Emの上昇はゲインGmを増加させるから、対比例1においては、図4に示すように音響信号SOUT(伝播成分yH)の音量が上限値に到達するまでゲインGmが上昇し続けるという問題がある。
時点t1の経過後に誤差信号eの強度Emが増加すると強度比Rmは時点t2の直前における平均強度比Rm_aveを下回る(Rm<Rm_ave)から、本形態の式(4)における(Rm_ave/Rm)ζmは1となる。したがって、観測信号zの強度Zmは、図4の対比例1と同様に強度Aに連動して時点t1の直後から上昇する。時点t2にて雑音成分aの強度Aの上昇が停止すると、誤差信号eの強度Emに対して相対的に観測成分zの強度Zmが上昇するから、図5に示すように強度比Rm(Rm=Zm/Em)は時点t2の経過後に上昇する。そして、強度比Rmが平均強度比Rm_aveを上回ると(Rm>Rm_ave)、式(4)から理解されるようにゲインGmは減少に転じて音響信号SOUTの音量は低下し始める。したがって、観測信号zの強度Zmの上昇は、雑音成分aの強度Aに追随するように時点t2の経過後に停止する。以上に説明したように本形態においては、強度比Rmと平均強度比Rm_aveとの大小に応じてゲインGmの演算式が変更される(強度比Rmが平均強度比Rm_aveを上回る場合にゲインGmが抑制される)から、強度Aの急激な上昇が時点t2にて停止した場合に、音響信号SOUTの音量を強度Aに良好に追随させることが可能である。したがって、音響信号SOUT(伝播成分yH)の音量が上限値まで到達するといった不具合を回避できる。
なお、以上の対比例1においては誤差成分eの強度Emのみに基づいてゲインGm(Gm=Gm-1θ・(Em/Estd)η)を算定したが、強度Emの代わりに強度比Rmを使用してゲインGmを算定する構成(以下「対比例2」という)も想定される。対比例2においては、例えば、強度比Rmが基準値Rstdに接近するようにゲインGmが制御される(例えばGm=Gm-1θ・(Rstd/Rm)η)。しかし、図2や図3を参照して前述した対比例1の問題は対比例2においても同様に発生する。すなわち、強度比Rmと平均強度比Rm_aveとの関係に応じてゲインGmが制御するという本形態は、強度比Rmを使用してゲインGmを算定する対比例2と比較しても格段に有効である。
<B:変形例>
以上の各形態には以下に例示するような様々な変形を加えることができる。なお、以下の例示から2以上の態様を任意に選択して組合わせてもよい。
(1)変形例1
以上の形態においては誤差信号eの強度Emと観測信号zの強度Zmとから強度比Rmを算定したが、誤差信号eの強度Emと適応信号yの強度Ymとから強度比Rmを算定する構成も採用される。図6に示す構成において、強度算定部26は適応信号yの強度Ymを式(1)と同様の方法で算定する。強度比算定部32は、強度Emに対する強度Ymの相対比を強度比Rm(Rm=Ym/Em)として算定する。図6の構成によっても図1の構成と同様の効果が奏される。
(2)変形例2
ゲインGmの演算式は式(4)から適宜に変更される。例えば、式(4)における平均強度比Rm_aveを所定の基準値Rstdに置換してもよい。また、以下の式(4a)でゲインGmを算定する構成も好適である。
Figure 2009118391

式(4a)におけるΛmは、強度比Rmが平均強度比Rm_aveを上回る場合(Rm>Rm_ave)には所定値λに設定され、強度比Rmが平均強度比Rm_ave以下である場合(Rm≦Rm_ave)には1に設定される。ただし、強度比Rmが平均強度比Rm_ave以下である場合のΛmは1以外の数値であってもよい。所定値λは1を下回る正数である。式(4a)を採用した場合にも式(4)の場合と同様の効果が奏される。以上に説明したように、強度比Rmが所定値(平均強度比Rm_aveや基準値Rstd)を下回る場合に誤差信号eの強度Emに応じてゲインGmが可変に制御され、強度比Rmが所定値を上回る場合に誤差信号eの強度Emに応じてゲインGmを低下させる構成が好適である。
(3)変形例3
以上の形態においては各フレームについて算定された強度比Rmから平均強度比Rm_aveを算定したが、複数のフレームに相当する期間について観測信号zの強度Z(または変形例1のように適応信号yの強度Y)と誤差信号eの強度Eとを算定し、強度Zと強度Eとの相対比を強度比平均部34が平均強度比Rm_ave(Rm_ave=Z/E)として算定する構成も採用される。
(4)変形例4
音処理装置10は、音響信号S0の処理に専用される電子回路(DSP)によっても実現される。また、音処理装置10の各要素は複数の集積回路で実現され得る。例えば、音処理装置10の一部を演算処理装置とプログラムとの協働で実現するとともに他の一部を専用の電子回路で実現した構成も採用される。
本発明の実施形態に係る音処理装置の構成を示すブロック図である。 雑音成分が低下した場合の対比例における制御を説明するための概念図である。 雑音成分が低下した場合の実施形態における制御を説明するための概念図である。 雑音成分が上昇した場合の対比例における制御を説明するための概念図である。 雑音成分が上昇した場合の実施形態における制御を説明するための概念図である。 変形例に係る音処理装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
10……音処理装置、12……信号処理部、14……制御部、22……減算部、24……適応フィルタ、26,28……強度算定部、32……強度比算定部、34……強度比平均部、52……信号源、54……放音機器、S0,SOUT……音響信号、56……収音機器、yH……伝播成分、a……雑音成分、z……観測信号、e……誤差信号、y……適応信号、Zm……観測信号の強度、Em……誤差信号の強度、Ym……適応信号の強度、Rm……強度比、Rm_ave……平均強度比、Gm……ゲイン。

Claims (4)

  1. 放音機器に供給される音響信号の音量を制御する信号処理手段と、
    誤差信号の強度が最小となるように適応信号を特定する適応フィルタと、
    収音機器が生成した観測信号と前記適応信号との差分を前記誤差信号として生成する減算手段と、
    前記観測信号または前記適応信号と前記誤差信号との強度比を時間軸上のフレーム毎に算定する強度比算定手段と、
    前記強度比が基準値を下回る場合に前記誤差信号の強度に応じて前記音響信号の音量のゲインを可変に制御し、前記強度比が基準値を上回る場合に、前記誤差信号の強度に応じたゲインの上昇が抑制されるように前記音響信号の音量のゲインを制御する制御手段と
    を具備する音処理装置。
  2. 複数のフレームにおける前記観測信号または前記適応信号と前記誤差信号との平均強度比を算定する強度比平均手段を具備し、
    前記制御手段は、前記平均強度比を前記基準値として前記音響信号の音量のゲインを制御する
    請求項1の音処理装置。
  3. 前記制御手段は、誤差信号の強度Eと当該強度Eの基準値Estdと強度比Rと平均強度比Raveと直前のゲインGm-1とから式(A)に基づいてゲインGmを算定する
    Gm=(Gm-1)θ(Em/Estd)η(Rave/Rm)ζ ……(A)
    (0≦θ≦1、0≦η≦1、Rm>Raveのときにζ=Ζ(Z>0)、Rm<Raveのときにζ=0)
    請求項2の音処理装置。
  4. 放音機器に供給される音響信号の音量を制御する信号処理と、
    誤差信号の強度が最小となるように適応信号を特定する適応フィルタ処理と、
    収音機器が生成した観測信号と前記適応信号との差分を前記誤差信号として生成する減算処理と、
    前記観測信号または前記適応信号と前記誤差信号との強度比を時間軸上のフレーム毎に算定する強度比算定処理と、
    前記強度比が基準値を下回る場合に前記誤差信号の強度に応じて前記音響信号の音量のゲインを可変に制御し、前記強度比が基準値を上回る場合に、前記誤差信号の強度に応じたゲインの上昇が抑制されるように前記音響信号の音量のゲインを制御する制御処理と
    をコンピュータに実行させるプログラム。
JP2007291956A 2007-11-09 2007-11-09 音処理装置およびプログラム Expired - Fee Related JP5003419B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007291956A JP5003419B2 (ja) 2007-11-09 2007-11-09 音処理装置およびプログラム
US12/291,107 US8259961B2 (en) 2007-11-09 2008-11-06 Audio processing apparatus and program
EP08168560A EP2058945B1 (en) 2007-11-09 2008-11-07 Audio processing apparatus and program
AT08168560T ATE538533T1 (de) 2007-11-09 2008-11-07 Audioverarbeitungsvorrichtung und -programm

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007291956A JP5003419B2 (ja) 2007-11-09 2007-11-09 音処理装置およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009118391A true JP2009118391A (ja) 2009-05-28
JP5003419B2 JP5003419B2 (ja) 2012-08-15

Family

ID=40263066

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007291956A Expired - Fee Related JP5003419B2 (ja) 2007-11-09 2007-11-09 音処理装置およびプログラム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8259961B2 (ja)
EP (1) EP2058945B1 (ja)
JP (1) JP5003419B2 (ja)
AT (1) ATE538533T1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8362921B2 (en) * 2010-09-15 2013-01-29 Bose Corporation Vehicle external warning sound generation system and method
US9538286B2 (en) * 2011-02-10 2017-01-03 Dolby International Ab Spatial adaptation in multi-microphone sound capture
ITMI20110985A1 (it) * 2011-05-31 2012-12-01 St Microelectronics Srl Circuito amplificatore audio e relativo metodo di funzionamento.
CN103746668A (zh) * 2013-12-31 2014-04-23 上海斐讯数据通信技术有限公司 音量控制方法及***
KR101855725B1 (ko) 2014-01-13 2018-06-20 삼성전자주식회사 오디오 출력 제어 방법 및 이를 지원하는 전자 장치
US9590580B1 (en) * 2015-09-13 2017-03-07 Guoguang Electric Company Limited Loudness-based audio-signal compensation
US11388533B2 (en) 2016-12-13 2022-07-12 QSIC Pty Ltd Sound management method and system
US11095981B2 (en) * 2019-06-06 2021-08-17 Mitek Corp., Inc. Root mean square adaptive filtering for ambient noise compensation systems

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06310962A (ja) * 1992-08-05 1994-11-04 Mitsubishi Electric Corp 自動音量調整装置
JP3286981B2 (ja) * 1991-03-29 2002-05-27 ソニー株式会社 音声出力装置
JP2005198093A (ja) * 2004-01-08 2005-07-21 Toshiba Corp 音声処理装置、音声処理方法および音声処理プログラム

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0832115B2 (ja) 1988-03-29 1996-03-27 ティーオーエー株式会社 拡声放送装置の自動音量調整装置
JP2877432B2 (ja) 1990-04-03 1999-03-31 三洋電機株式会社 製氷装置
US5434922A (en) 1993-04-08 1995-07-18 Miller; Thomas E. Method and apparatus for dynamic sound optimization
JP2760373B2 (ja) * 1995-03-03 1998-05-28 日本電気株式会社 雑音消去装置
US20040125962A1 (en) * 2000-04-14 2004-07-01 Markus Christoph Method and apparatus for dynamic sound optimization
DE60135739D1 (de) 2000-04-14 2008-10-23 Harman Int Ind Timierung
JP3727927B2 (ja) * 2003-02-10 2005-12-21 株式会社東芝 話者照合装置
EP1833163B1 (en) 2004-07-20 2019-12-18 Harman Becker Automotive Systems GmbH Audio enhancement system and method
DE602005015426D1 (de) 2005-05-04 2009-08-27 Harman Becker Automotive Sys System und Verfahren zur Intensivierung von Audiosignalen

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3286981B2 (ja) * 1991-03-29 2002-05-27 ソニー株式会社 音声出力装置
JPH06310962A (ja) * 1992-08-05 1994-11-04 Mitsubishi Electric Corp 自動音量調整装置
JP2005198093A (ja) * 2004-01-08 2005-07-21 Toshiba Corp 音声処理装置、音声処理方法および音声処理プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP5003419B2 (ja) 2012-08-15
ATE538533T1 (de) 2012-01-15
EP2058945A1 (en) 2009-05-13
EP2058945B1 (en) 2011-12-21
US8259961B2 (en) 2012-09-04
US20090122997A1 (en) 2009-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5003419B2 (ja) 音処理装置およびプログラム
JP4297055B2 (ja) カラオケ装置
JP5152799B2 (ja) 雑音抑圧装置およびプログラム
JP2006261967A (ja) ハウリング抑制装置および拡声装置
JP2010220087A (ja) 音響処理装置およびプログラム
WO2019044564A1 (ja) 信号処理装置、消音システム、信号処理方法、及びプログラム
JP3322479B2 (ja) オーディオ装置
JP5239359B2 (ja) ハウリング抑制装置
JP2008072600A (ja) 音響信号処理装置、音響信号処理プログラム、音響信号処理方法
JP2006324786A (ja) 音響信号処理装置およびその方法
JP2010020013A (ja) 雑音抑圧評価装置およびプログラム
JP2010226403A (ja) ハウリングキャンセラ
JP2018072723A (ja) 音響処理方法および音響処理装置
JP2006166375A (ja) ハウリングキャンセラ
JP2006126841A (ja) 周期信号増強システム
JP2008224816A (ja) カラオケ装置
JP2006262339A (ja) 拡声装置
JP2014175838A (ja) 音響装置、音響装置の制御方法およびプログラム
JP2009251533A (ja) デジタルノイズキャンセルヘッドホン
JP5975398B2 (ja) 音声強調装置
JP2005217769A (ja) デジタルリミッタ回路
JP5321171B2 (ja) 音処理装置およびプログラム
JP2008216469A (ja) 音声信号処理装置および音声信号処理方法ならびにプログラム
JP6930089B2 (ja) 音響処理方法および音響処理装置
JP2015004959A (ja) 音響処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101020

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120410

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120424

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120507

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees