JP2009115738A - 読取装置および診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池状態検知装置の電池データを読み取ることができる読取装置を提供する。
【解決手段】鉛電池20は電池状態を検知するAIユニットを有しており、AIユニットは、鉛電池20の電圧、温度等の特性値を測定する測定部、測定部で測定された特性値に基づいて鉛電池20の電池状態を判定する演算部、IDを記憶するとともに、測定部で測定された特性値のうち少なくとも一部を電池データとして記憶するEEPROM、EEPROMに記憶されたIDおよび電池データを読取装置に送信するLED4〜7を備えており、読取装置は、LED4〜7で送信されたIDおよび電池データを受信する受光素子19を有する受光部19、受光部19で受信したIDおよび電池データを記憶するRAM、RAMに記憶されたIDおよび電池データを送信するための通信部を備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は読取装置および診断装置に係り、特に、鉛電池の電池状態を検知する電池状態検知装置に格納された電池データを読み取る読取装置および該読取装置から受信した電池データに基づいて鉛電池の診断を行う診断装置に関する。
内部抵抗、放電電圧、開回路電圧、残容量、充電状態などが電池状態を表すパラメータまたは電池状態を演算するための測定パラメータとして用いられてきている。自動車、携帯機器などの高性能化に伴ってそれらに使用される電池の負荷が大きくなるに従い、このような電池状態の監視と電池状態制御は近年その重要性がますます大きくなってきている。
自動車用の電池においては、排ガスの削減のために行われているアイドルストップ・スタート(ISS)、回生充電などに対応するため、これらの用途に適した電池状態に電池を保つ技術が望まれている。鉛電池はこれらの用途に応用できる電池の代表的なもののひとつである。車両用ではないが、産業用では電波を使って遠隔監視するシステムが実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
また、車両を使った電池点検方法として、スタータモータを回した状態での電圧を評価する方法がある。エンジン始動不能になった車両に対してスタータとバッテリのどちらが原因か調べるためのバッテリチェックの方法として古くから用いられてきた。オシロスコープを使わず時間応答性の遅い簡単な電圧計の測定が一般的であり、突入電流後比較的電圧が安定した時の電圧が9V程度以上であれば正常と判断する。エンジンに燃料の供給をしないような措置をするなどして、スタータモータが回っても実際にエンジンが始動しないような条件にすると、正常な車両でも時間的に安定した電圧が得られ、バッテリ点検できる。
特許3345793
従来の電池点検方法では、点検時の1回の測定データを基に診断を行う。これでも通常の点検方法としては問題ない。しかしながら、複数回の測定データを基に診断を行えばより正確な診断結果を得ることができる。このような場合、過去の点検時の測定データと合わせて診断を行うことが合理的であり、より正確で適切なアドバイスができる。
本発明は上記事案に鑑み、電池状態検知装置に格納された電池データを読み取る読取装置および該読取装置から受信した電池データに基づいて鉛電池の診断を行う診断装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、鉛電池の電池状態を検知する電池状態検知装置に格納された電池データを読み取る読取装置であって、前記電池状態検知装置は、少なくとも前記鉛電池の電圧値を含む特性値を測定する測定手段と、前記測定手段で測定された特性値に基づいて前記鉛電池の電池状態を判定する状態判定手段と、IDを記憶するとともに、前記測定手段で測定された特性値のうち少なくとも一部を電池データとして記憶する不揮発性記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたIDおよび電池データを前記読取装置に送信する送信手段と、を備え、前記読取装置は、前記送信手段から送信されたIDおよび電池データを受信する受信手段と、前記受信手段で受信したIDおよび電池データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたIDおよび電池データを送信するための通信手段と、を備える。
第1の態様では、電池状態検知装置は、測定手段により少なくとも鉛電池の電圧値を含む特性値が測定され、状態判定手段により測定手段で測定された特性値に基づいて鉛電池の電池状態が判定され、IDを記憶した不揮発性記憶手段により、測定手段で測定された特性値のうち少なくとも一部が電池データとして記憶され、送信手段により記憶手段に記憶されたIDおよび電池データが読取装置に送信される。一方、読取装置は、受信手段により電池状態検知装置の送信手段から送信されたIDおよび電池データが受信され、記憶手段により受信手段で受信したIDおよび電池データが記憶され、通信手段により記憶手段に記憶されたIDおよび電池データが送信される。通信先としては、データベースや鉛電池の電池状態を診断する診断装置を挙げることができる。通信先では、IDに基づいて電池データが蓄積される。
第1の態様において、送信手段と受信手段との間の送受信が、発光素子の点滅による光通信、音響カプラによる音声通信、または電波による無線通信であることが好ましい。また、送信手段は発光素子を有し、受信手段は発光素子の数より多い受光素子が一列または複数列に配設された受光部を有することが好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様は、第1の態様の読取装置から受信した電池データに基づいて鉛電池の診断を行う診断装置であって、前記通信手段から送信されたIDおよび電池データを受信する受信手段と、前記受信手段により前記読取装置から1回もしくは複数回受信したID毎の電池データの履歴を管理するデータ管理手段と、前記データ管理手段で管理された電池データの履歴に基づいて鉛電池の状態を診断する診断手段と、前記診断手段により診断された診断結果を鉛電池の情報として提供する情報提供手段と、を備える。
第2の態様では、受信手段により読取装置の通信手段から送信されたIDおよび電池データが受信され、データ管理手段により受信手段による読取装置からの1回もしくは複数回受信したID毎の電池データの履歴が管理され、診断手段によりデータ管理手段で管理された電池データの履歴に基づいて鉛電池の状態が診断され、情報提供手段により診断手段で診断された診断結果が鉛電池の情報として提供される。
さらに、上記課題を解決するために、本発明の第3の態様は、通信ネットを介して端末コンピュータから受信した電池データに基づいて鉛電池の診断を行う診断装置であって、前記端末コンピュータは、請求項1に記載の読取装置の通信手段から前記IDおよび電池データを受信し、該受信したIDおよび電池データを通信ネットを介して前記診断装置に送信し、前記診断装置は、前記端末コンピュータから送信されたIDおよび電池データを受信する受信手段と、前記受信手段により前記端末コンピュータから1回もしくは複数回受信したID毎の電池データの履歴を管理するデータ管理手段と、前記データ管理手段で管理された電池データの履歴に基づいて鉛電池の状態を診断する診断手段と、前記診断手段により診断された診断結果を鉛電池の情報として提供する情報提供手段と、を備える。
第3の態様では、端末コンピュータが、第1の態様の読取装置の通信手段からIDおよび電池データを受信し、該受信したIDおよび電池データを通信ネットを介して診断装置に送信する。診断装置側では、受信手段により端末コンピュータから送信されたIDおよび電池データが受信され、データ管理手段により受信手段による端末コンピュータからの1回もしくは複数回受信したID毎の電池データの履歴が管理され、診断手段によりデータ管理手段で管理された電池データの履歴に基づいて鉛電池の状態が診断され、情報提供手段により診断手段で診断された診断結果が鉛電池の情報として提供される。
第3の態様において、情報提供手段は、インターネットのホームページ、電子メール、FAX、郵便、宅配便のいずれかにより鉛電池の情報を提供するようにしてもよい。また、読取装置による電池点検を実施する団体名または前記団体名を入手するための情報を通信ネットのホームページで提供する団体名情報提供手段をさらに備えるようにしてもよい。
本発明の第1の態様によれば、読取装置は、受信手段で電池状態検知装置のIDおよび鉛電池の電池データを受信して、受信したIDおよび電池データを記憶手段に記憶するので、電池状態検知装置の不揮発性メモリに格納されたIDと電池データを読み取ることができるとともに、不揮発性メモリに格納された情報は読取装置に読み取られ、既に読み取られた情報を不揮発性メモリに保存しておく必要はないため、電池状態検知装置の不揮発性メモリの容量を小さくすることができる、という効果を得ることができる。
本発明の第2の態様によれば、データ管理手段によりID毎の電池データの履歴が管理され、診断手段によりデータ管理手段で管理された電池データの履歴に基づいて鉛電池の状態が診断されるので、過去の電池データも使用することで鉛電池の診断で利用するデータ量を増やすことでき、鉛電池の診断を適正に行うことができる、という効果を得ることができる。
本発明の第3の態様によれば、上記第2の態様による効果に加え、診断装置は通信ネットを介して端末コンピュータからIDおよび電池データを受信するので、診断装置の設置場所を任意の場所に配置することができる、という効果を得ることができる。
本実施形態では、電池状態検知装置からIDと電池データを送信し、読取装置で受信する。電圧と温度の測定データから電池状態を検知する回路構成が低コストであり、望ましい回路の形態である。電池状態検知のアルゴリズムによっては電流や電解液の液面位置の情報が必要な場合があるので、その場合は電流センサや液面センサのデータも測定する。放電回路を有し放電回路で電池を放電させたときの電圧変化から内部抵抗を測定し電池状態を検知するアルゴリズムもあり、その場合は放電回路を有していてもよい。
IDと電池データは電池状態検知装置内のEEPROMなどの不揮発性メモリに記録される。測定した全てのデータが不揮発メモリに記録されることが望ましいが、自動車用の鉛電池は3年〜9年程度使用されるため200Gバイト程度のメモリ容量が必要となる。これを低コストの自動車用鉛電池に搭載して商品性のある価格設定を維持することは困難であり、コスト上の制約から最低電圧、最高温度などごくわずかなデータしか記録できない。しかしながら、1回で読み取るデータがわずかであっても、IDを使って過去のデータを参照することができれば、より多くの情報をユーザに提供することができる。このため、読取装置で受信したIDと電池データは、読取装置からさらにパーソナルコンピュータに送信され、IDと電池データを受信したコンピュータで管理されるか、または、このコンピュータから通信ネットを介してさらに診断サイトのコンピュータで管理される。このとき、電池状態検知装置のIDを除き、送信済の電池状態検知装置の不揮発性メモリに格納された電池データを消去したり、不要なデータとして識別するようにしてもよい。ユーザの要望に応じて、そのユーザの鉛電池に取り付けられている電池状態検知装置のIDのデータを検索して、抽出されたデータを基に診断した結果をユーザに提供する。その際、異なる日付で同じIDのデータが複数組入っていれば、複数組のデータを元に診断する。
ユーザから電池診断結果提供の依頼があった際に、ユーザの名前や住所、電話番号、E−メールアドレス、生年月日などのユーザ情報から、そのユーザの持つ鉛電池に搭載された電池状態検知装置のIDがわかる必要がある。ユーザとIDを対応させるための方法としては、例えば、ユーザ登録の際に、ユーザの所有する鉛電池の表面に記入されたシリアルナンバを記入してもらい、そのシリアルナンバをIDとして使用するか、事前に記録しておいたシリアルナンバと電池状態検知装置のIDの対応表からIDを特定する方法がある。別の方法として、最初に読取装置を使った点検を行う際にユーザにユーザ情報を提供してもらい、読取装置で読み取ったIDとユーザ情報を対応させる表を作成する方法、電池状態検知装置のIDが印刷された紙や電子データをユーザに渡して電池診断結果提供の依頼時にはユーザに電池状態検知装置のIDを提示または入力してもらう方法がある。後者の場合必ずしもユーザ情報を管理する必要がないため、データの管理が簡単にできる。
鉛電池のシリアルナンバをIDとして使用する場合は、読取装置の読み取り時に自動的に読み取ることができないので、読み取りの前または後で、図5に示すように、読取装置でシリアルナンバを入力して電池データと一緒に管理する。
なお、ここでのユーザ情報は必ずしも個人を特定できる情報ではないが、個人を特定できる情報の場合は個人情報保護法でいうところの個人情報とみなされるため、ユーザ情報を取り扱う業者は個人情報保護法の規定に従い個人情報取扱事業者として同法の適用を受ける必要がある。
診断は同じIDで検索して得られる1組または複数組のデータを基に行われるが、IDを利用する利点は過去のデータを呼び出せる点と、過去に複数回読取装置で読み取った複数組のデータを基に、より正確で適切なアドバイスを行うことができる点にある。また、トレイサビリティを高いレベルで確保できる利点もある。
読取装置はフォトダイオードやフォトトランジスタ、CCDなどの受光素子からなる受光部で電池状態検知装置の発光素子の点滅による送信データを受信する。電池側の発光素子の個数は何個でも構わないが、例えば、鉛電池の良好、要交換、過充電の状態を点灯して表示する3個のLEDと、要充電と要注意の状態を点灯ないし点滅して表示する1個のLEDの合計4個のLEDを用いることができる。一方、読取装置の受光素子の数は少なくとも電池状態検知装置の発光素子の数と同じかそれ以上であることが好ましい。
以下、図面を参照して、本発明を、通信ネットを介して受信した電池データにより鉛電池の診断を行う診断システムに適用した実施例について説明する。図9に示すように、本実施例の診断システムは、読取装置50で読み取った電池状態検知装置としてのAIユニット30のIDおよび鉛電池20の電池データを店舗PC60に無線送信し、店舗PC60は受信したIDおよび電池データをインターネットを介して診断サイトの診断装置70に送信し、診断装置70は、受信した電池データをID毎にデータベースサーバに蓄積するとともに、データベースサーバに蓄積された電池データをもとに鉛電池20の電池状態を診断し、診断結果をユーザに提供するものである。
(鉛電池およびAIユニット)
図1に示すように、鉛電池20は、電池容器となる略角型の電槽を有しており、電槽内には合計6組の極板群が収容された自動用バッテリ(型式:65B24R)である。電槽の材質には、例えば、ポリエチレン(PE)等の高分子樹脂を用いることができる。各極板群は複数枚の負極板および正極板がセパレータを介して積層されており、セル電圧は2.0Vである。このため、鉛電池20の公称電圧は12Vとされている。電槽の上部は、電槽の上部開口を密閉するPE等の高分子樹脂製の上蓋に接着ないし溶着されている。なお、電槽の略中央部には、サーミスタ等の温度センサが埋設されている。
上蓋には、鉛電池20を自動車用電源として外部へ電力を供給するための正極端子1および負極端子2が立設されている。また、上蓋には、鉛電池20の電池状態(充電状態(SOC)および健康状態(SOH))を判定するAIユニット30が収容(内蔵)されている。
図2に示すように、AIユニット30は、A/Dコンバータ、基準電源等で構成され鉛電池20の電圧を測定する電圧測定部33と、上述した温度センサ、A/Dコンバータ等で構成され鉛電池20の温度を測定する温度測定部34と、マイクロプロセッサ(以下、MPと略称する。)、ROM、RAM等を有して構成された演算部31と、不揮発性メモリのEEPROM32と、スイッチボタン(以下、スイッチと略称する。)3(図1も参照)、発光素子としての発光ダイオード(以下、LEDという。)4〜7、D/Aコンバータ、トランジスタ、抵抗等を有して構成されLED4〜7を点灯ないし点滅させて鉛電池20の電池状態を表示するとともに読取装置50との光通信に供される操作表示部35と、コイル式のブザー、ブザーを作動させるためのD/Aコンバータ、トランジスタ、抵抗等を有して構成され警告音を発生させる報知部36と、を備えている。
これら各部は、基板25(図8参照)の両面に実装されている。この基板25には、EEPROM32への外部からの書き込みを行うためのコネクタピンが立設されている。また、AIユニット30は上蓋内で不図示の接続導体により正極端子1および負極端子2に接続されており、作動電源は鉛電池20から供給される。
図1および図8に示すように、操作表示部35を構成するLEDは、右から順に、鉛電池20の健康状態が良好であることを示す緑色LED7、要注意であること(鉛電池20の劣化が進んでいること)または要充電を示す黄色LED6、要交換であることを示す赤色LED5、過充電状態にあることを示す赤色LED4の順にピッチ5.2mmで配設されており、これらのLED4〜7は板状の半透明樹脂カバー23で覆われている。このため、LEDからの光は散乱してカバー23を透過することにより、鉛電池20の斜め方向からの点灯ないし点滅の視認性が高められている。なお、鉛電池20の上蓋にはシール22(図8参照)が貼られているが、カバー23が位置する部分は透明で光を透過し、LED4〜7の表示・通信機能が損なわないようにされている。従って、LED4〜7の上に位置するシール22の部分は、透明ではなく切り欠きを形成するだけでもよい。
電池状態を表示する場合、黄色LED6以外の3つのLED4、5、7は点灯するのみであるが、黄色LED6は、鉛電池20の健康状態が要注意であることを示すときは点灯し、要充電であることを示すときに点滅する。
表1に示すように、これらのLEDは、エンジン停止後、鉛電池20の電池状態を表示するために、LED7を除き、自動的に約30秒間点灯ないし点滅するが、スイッチ3が押下されたときにも5秒間点灯ないし点滅する。また、LED5〜7は、読取装置50との光通信にも供されるが、その動作等については後述する。
Figure 2009115738
なお、上蓋のAIユニット30のブザーが実装された位置にはブザー放音孔17が形成されており、AIユニット30の操作表示部35の上面は上蓋の上面と略同一平面を形成している。
(読取装置)
図4に示すように、AIユニット30のLED5〜7から送信された光信号は、鉛電池の販売や点検を行う(電池メーカの)協力会社(図9参照)に配備された読取装置50で読み取られる。読取装置50は、本体部8と、本体部8に接続された受光部15とで構成されており、より具体的には、図7に示すように、後述する入力部から入力されたユーザの指令を制御するための入力制御部52、液晶表示装置(以下、LCDという。)14の表示制御を行うLCD制御部53、プリンタ13の印刷制御を行うプリンタ制御部54、店舗PC60(図9参照)と無線通信を行うための通信部55、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等を有する演算部51、上述した受光部15、および、読取装置50の電源となる電源部56で構成されている。なお、診断サイトとの通信を行うために、通信部55には携帯電話端末も装備されている。
本体部8には、電源ボタン9、十字ボタン10、クリアボタン11、確定ボタン12の各ボタンを有する入力部、プリンタ13、LCD14および上述した各制御部が配設されている。
一方、受光部15には、図6に示すように、フォトトランジスタ等の受光素子19が、横方向にピッチ2.6mmで9列、縦方向にピッチ2mmで3列、合計27個配設されている。本実施例では縦方向に3列配置しているが、1列でもかまわない。図8に示すように、受光部15の受光素子19は、鉛電池20(AIユニット30)のLED4〜7と対向するように鉛電池20の上蓋に載置される。受光部15のLED4〜7の対向側周部は受光素子19より突出した突出部が形成されており(図8も参照)、突出部を鉛電池20の上蓋上面に当接させて、鉛電池20(AIユニット30)と光通信を行う(LED5〜7の光信号を受信する)構成である(図4に示す状態)。
本実施例では、受光素子19の数がLED5〜7の数より多いが、これによって受光素子と発光素子が同数の構成よりも位置ズレによる通信エラーが起きにくくなる。図6の横方向の受光素子19の数は光通信に供するLED5〜7の数の2倍以上であることが望ましい。
また、図4に示すように、受光部15の受光素子19が配設された反対側の面(受光部15の上部)には、鉛電池20(AIユニット30)から光通信で受信したデータの受信状態を表示する2つのLED16が配設されている。一方のLED16はデータを1/2受信したときに点灯し、他方のLED16はデータの受信が完了したときに点灯する。
受信部15の載置方向は鉛電池20の上面から見て上下2通りあるが、いずれの載置方向でも正常に読み取ることができる。本実施例の読取装置50は、等時間間隔で発光するクロック信号の位置を検出することで受信部15の向きを検知する。クロック信号以外のLED(光通信に使用されないLED4を含む。)により、LEDの点滅の特徴からどのLEDか識別して受光部15の向きを特定するようにしてもよい。LED5によるモード信号は本発明では必ずしも必要な信号でないので、例えば、モード信号をなくし、4つのLEDの内側2つと外側2つの信号を同じにすることで、受信側の読取装置50のソフトウエアに受信部15の向きを特定するための処理を付加することなく、受光部15の向きに対応させるようにしてもよい。
(店舗PC)
協力会社には店舗PC60が配備されている。店舗PC60は、パーソナルコンピュータで構成されており、読取装置50から送信されたAIユニット30のIDおよび鉛電池20の電池データを受信するための通信部を有している。通信部は店舗PC60の周辺機器であり、インターフェースを介して店舗PC60に接続されている。また、店舗PC60は、直接、または、公衆回線およびプロバイダを介して間接的にインターネットに接続される。なお、本実施例では読取装置50と店舗PC60との通信を無線LANで行う例を示すが、有線接続するようにしてもよい。
(診断サイト)
診断サイトは、情報サービス事業者によって運用されている。ここで想定している情報サービス事業者は電池メーカの社内の一部門であるが、電池メーカ社外の事業者でもよい。診断サイトはインターネットに接続されており、ファイアウォールを介して、Webサーバ71、ID毎に鉛電池の電池データを蓄積するデータベースサーバ73、データベースサーバ73に蓄積された電池データを基に鉛電池の診断を行う端末PC72、診断結果をユーザに報知するメールサーバ74等がLANで接続されている。
(動作)
次に、本実施例の診断システムを構成する各要素の動作について、AIユニット30の作動モードに従い説明する。
<AIユニット>
AIユニット30は、電圧測定部33で測定された検査用電圧の値等を、LEDを点滅させて送信する検査モード、表1に示したように、鉛電池20の電池状態を、LEDを点灯ないし点滅させて表示する通常モード、および、EEPROM32に格納された鉛電池20の電池データをLEDを点滅させて読取装置50に送信する履歴読出モードの3つの作動モードを有している。
検査モードは、主に、AIユニット30が鉛電池20の上蓋に収容される前の、AIユニット30の(製造)検査時に実行されるモードであり、この検査に合格したAIユニット30が鉛電池20の上蓋に組み込まれる。なお、本実施例では、説明を簡単にするために、上述した読取装置50を用いた検査例を示すが、実際の製造検査では読取装置50を含む専用検査治具により検査がなされる。通常モードは、AIユニット30を収容した鉛電池20が自動車に搭載された後に実行されるモードであり、上述したように、鉛電池20の電池状態に応じてLEDが点灯ないし点滅する。履歴読出モードは、主に、鉛電池20の診断や点検が必要な場合に、鉛電池20がどのような履歴を有するかまたはどのような履歴で劣化したかを把握するためのモードである。以下、これらのモード順に説明する。
<検査モード>
AIユニット30の接続導体に検査用作動電源が投入されると、ROMに格納されたプログラム、プログラムデータをRAMに展開する初期設定処理が行われる。MPは、接続導体(電圧測定部33)に所定の電圧波形を形成する電圧が引加されるまで待機し、接続導体に所定の電圧波形が引加されたときは、検査モードへの移行指令があったものと判断する。所定の電圧波形としては、例えば、600ms以内に15V以上への電圧上昇が5回、7V以下への電圧降下が5回行われる矩形波状電圧波形を用いることができる。
AIユニット30の検査では、電圧測定部33の電圧測定精度を確認する電圧検査、温度測定部34の温度測定精度を確認する温度検査、ROMに格納されたプログラムのバージョンを確認するバージョン検査、EEPROM32に書き込まれた文字を確認する書き込み検査、その他形式検査等が行われる。なお、この検査では、通常モード(後述)で詳述するように、MPがエンジン始動、エンジン起動中、エンジン停止を判定可能かの確認やブザーの作動検査等も行われる。
検査モードでは、例えば、(A)電圧測定部33で測定した検査用電圧の値、(B)温度測定部34で測定した検査用温度の値、(C)EEPROM32に検査用に(外部から)書き込んだ文字の情報、(D)AIユニット30のID(ユニークなシリアル番号)、および、(E)チェックサム、がLED5〜7を高速点滅させること(光通信)で順に送信される。
図3に示すように、この検査モードでは、LED7は、0.5ms間点灯、0.5ms間消灯を繰り返すクロック生成用LEDとして用いられる。また、LED6は、上述した(A)〜(E)のデータを2値で(1msの間点灯または消灯することにより)シリアル送信するデータ送信用LEDとして用いられる。シリアル送信のため、上記(A)〜(E)のデータ送信の間には、例えば、LED6が消灯する5msの送信休止時間が存在する。さらに、LED5は、検査モードのときは発光し(2値の「1」)、後述する履歴読出モードのときは消灯(2値の「0」)する。なお、LED4は、通常モードのみで使用され、検査モードおよび履歴読出モードでは使用されない。
検査モードにおける検査では、書込ユニット(不図示)のコネクタを上述したコネクタピンに接続し、書込ユニットで、例えば、「AAAA」、「5555」をEEPROM32に書き込む。次に、例えば、6V〜16Vの電圧を段階的に生成可能な電圧生成装置(不図示)で、上述した所定の電圧波形を生成して接続導体を介して電圧測定部33に引加することで、AIユニット30を検査モードに移行させる。
検査モードに移行した後、上記電圧生成装置で生成された所定の検査用電圧を電圧測定部33に引加する。さらに、例えば、小型恒温チャンバを有し、チャンバ内を−10°C〜50°Cに段階的に(例えば、30°C単位で)変更可能な温度生成装置(不図示)のチャンバ内に温度測定部34の温度センサを挿入して、チャンバ内を所定の検査用温度に設定する。MPは、電圧測定部33を介して検査用電圧をデジタル値として取り込み、温度測定部34を介して検査用温度をデジタル値として取り込み、取り込んだ検査用電圧および検査用温度の測定データを送信するために、DAコンバータを介してトランジスタのゲートにハイレベル信号ないしローレベル信号を出力することで、LED5〜7を点灯ないし消灯(点滅)させる。これにより、LED5〜7は、上述した(A)〜(E)のデータを読取装置50に送信する。なお、電圧生成装置による検査用電圧および温度生成装置による検査用温度は所定時間毎に変更される。
読取装置50は、LED5〜7にそれぞれ近接配置された27個の受光素子19でLED5〜7の点滅による送信信号を受光し、LCD14に上述した(A)〜(E)のデータを表示する。これにより、バージョン検査、EEPROM32の書き込み検査、(A)〜(F)のすべてのデータを受信可能かの形式検査等が行われる。また、電圧検査および温度検査では、検査用電圧(複数)と(A)電圧測定部33で測定した検査用電圧の値(複数)とがそれぞれ所定の公差範囲内にあるか、検査用温度(複数)と(B)温度測定部34で測定した検査用温度の値(複数)がそれぞれ所定の公差範囲内にあるかの確認が行われる。
MPは、検査モードにおいて、5秒以内にスイッチ3が3回押下されたか、および、検査モードへの移行指令から10分が経過したかを判断しており、両者とも否定判断のときは検査モードにおける処理ルーチンを続行し、いずれかが肯定判断のときは、EEPROM32に格納されたAIユニット30のID以外のデータを初期化して、検査モードにおける処理ルーチンを終了する。
<通常モード>
通常モードにおけるMPの主要動作は、鉛電池20の電圧を監視(測定)し、鉛電池20の電池状態(SOH、SOC)が予め設定された判定しきい値より低下したと判定したときに、エンジン停止後に、LEDおよびブザーでユーザ(ドライバ)に警告を与えるものであるが、詳しくは以下の通りである。
MPは、所定時間(例えば、2ms)毎に、電圧測定部33を介して鉛電池20のデジタル電圧値を取り込んでおり、取り込んだ電圧値に基づいて鉛電池20のSOC、SOHを決定(算出)する。また、MPは温度測定部34を介して所定時間(例えば、1秒)毎に、鉛電池20の温度測定を行い、取り込んだ温度値により、例えば、室温(25°C)におけるSOC、SOHに温度補正する。
SOCを決定するのには、開回路電圧(OCV)を測定するのが簡単である。このためには、各SOCの鉛電池についてOCVのデータを予め取得し、OCVとSOCとの関係式ないしマップを作成しておき、電圧測定部33を介して測定したOCVから関係式ないしマップを利用してSOCを逆算する。
また、SOHは鉛電池の内部抵抗値と強い相関がある。鉛電池の内部抵抗測定にはいわゆる直流法を用いることができる。直流法は鉛電池のOCVおよびエンジン始動時の最低電圧値をそれぞれ測定し、これらの差から内部抵抗値を求める方法である。内部抵抗値からSOHを決定するためには、SOCを決定する場合と同様に、各SOHの鉛電池について内部抵抗値のデータを予め取得しておき、関係式ないしマップを利用して、測定された電池の内部抵抗値からSOHを計算するようにすればよい。この詳細は、例えば、上述した特許文献1に開示されている。
一方、AIユニット30は、測定した鉛電池20の電圧に基づいてエンジン状態を検知する機能を有している。すなわち、MPは、鉛電池20の電圧を常時監視(測定)し、測定した電圧の変化より、エンジン始動、エンジン起動中、エンジン停止のエンジン状態を判定する。
<エンジン始動>
一般に、ガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車等の内燃機関を有する車両では、鉛電池から電力を供給しセルモータを回して、エンジンを始動する。この際、大電流が流れるが、それに伴い、鉛電池20の端子間電圧は大きく降下する。このときの電圧降下および電流の時間変化を測定すると、セルモータに電流が流れ始めた直後に、鋭いピーク状の大電流が流れ、同時に鉛電池20の端子間電圧は鋭い谷状の電圧降下を示す。このときの最低電圧値Vstが上述したようにSOHを決定するときのデータとなる。
このため、MPは、鉛電池20の放電開始後X(1〜100)ms以内にY(0.50〜3.0)V以上の電圧降下(例えば、15ms以内に1.5V以上の電圧降下)があり、かつ、その後にある所定値a(a:鉛電池20のOCVの109〜121%の電圧値)以上になったか否かを判断し、肯定判断のときにはエンジン始動があったものと判定する。なお、鉛電池20の放電開始に測定された最初の最低電圧値、かつ、鉛電池20の放電開始後15ms以内に測定された最低電圧値を、上述したようにSOHを決定するための最低電圧値Vstとして算出する。一方、否定判断のときにはカーエアコンやカーナビゲーション等の車載電装品を起動させたものとみなす(エンジンは始動していないとみなす)。
このエンジン始動に関連して、MPは、初めて、鉛電池20の放電開始後X(1〜100)ms以内にY(0.50〜3.0)V以上の電圧降下(例えば、15ms以内に1.5V以上の電圧降下)があり、かつ、その後にある所定値a(a:鉛電池20のOCVの109〜121%の電圧値)以上と判断したときに、鉛電池20が自動車に搭載されたものとみなし、通常モードへの移行指令がなされたものと判断する。通常モードに移行すると、内部時計による計時を開始するとともに、EEPROM32にこのときの鉛電池20のエンジン始動時の最低電圧値Vst0(鉛電池20の無劣化状態における最低電圧値)およびチェックサムを書き込む。
<エンジン起動中>
MPは、上述したエンジン始動の肯定判断の後、常時鉛電池20の電圧が上述した所定値a以上(エンジンが起動中の場合は発電機(オルタネータ、レギュレータ)が作動しているため、鉛電池20は充電状態となっており、電圧がOCVより高くなる。)か否かを判断し、肯定判断のときにエンジン起動中と判定する。
<エンジン停止>
(1)エンジン起動中と判断した後に、鉛電池20の電圧がある一定値b以下になった場合:エンジン起動状態からエンジン停止状態になったと判定する。bの電圧値には、例えば、鉛電池20のOCVの103〜108%の電圧値を用いることができる。また、(2)エンジン起動中と判断した後に、鉛電池20の電圧がある一定値c以上の速度で低下し、かつ、電圧の降下幅がある一定値d以上の場合:エンジン起動状態からエンジン停止状態になったと判定する。cの電圧低下速度として1.0〜4.0V/s、また、dの電圧降下幅として0.05〜0.20Vを用いることができる。さらに、(3)エンジン起動中と判断した後に、鉛電池20の電圧がある一定値e以下に低下し、かつ、そのときの電圧の変化幅が、ある一定値fの時間幅で、ある一定値g以下になった場合:エンジン起動状態からエンジン停止状態になったと判定する。eの電圧値として鉛電池20のOCVの102〜109%の電圧値、fの値として0.01〜1.0s、gの電圧の変化幅として0.1〜0.3Vを用いることができる。MPは、(1)〜(3)のいずれかに該当したときに、エンジンが停止したもと判定する。
なお、MPは、エンジン停止後、鉛電池20の分極反応が解消した後(例えば、1秒間に100mV以上の電圧変動を検知しない状態が6時間経過後)に測定した鉛電池20の電圧をOCVとして測定する。その都度、MPは測定されたOCVをEEPROM32に記録する。
また、MPはエンジン始動時の最低電圧値Vstを測定し、その都度、測定されたVstをEEPROM32に記録する。MPは、通常モードにおいて、通常モードに移行した(鉛電池20が自動車に搭載されたものとみなした)ときから、所定時間(例えば、2週間=336時間)毎に、EEPROM32に鉛電池20の使用時間、稼働時間、過放電時間、エンジン始動回数など所定のデータ(後述する表2の項目1〜項目25の算出等に必要なデータ)を電池データとして書き込み、チェックサムを更新する。なお、所定時間経過時に常にエンジン始動がなされているとは限らないので、その場合稼働時間は所定時間経過前のRAMに格納されている直近の稼働時間データを書き込むことになる。
また、MPは、AIユニット30が収容された鉛電池が自動車に搭載された後、常時あるいは随時、SOC、SOHの演算を行う。演算されたSOC、SOHの値は演算の都度、予め設定された判定しきい値との比較を行う。SOC、SOHの値が判定しきい値より低下していた場合は、報知タイミングに合わせて報知するための準備動作を行う。本実施例では、表1に示したように、警報のレベルを原則としてSOHに関しては「良好」、「要注意」、「要交換」(不良)の3段階、SOCに関しては「良好」、「要充電」の2段階にレベル分けしており、これらのレベル分け演算ごとに結果をEEPROM32に記録する。
AIユニット30が鉛電池20の上蓋に収容されているため、AIユニット30は、鉛電池20が設置される場所に配置される。多くはエンジンルーム内であり、または車室等の自動車内であり、ブザーが発する警告音は走行中は車両のノイズにより聞こえにくい。このため、AIユニット30が発する警告音の発生タイミングを以下のように設定して、ユーザが警告音を聞きやすいタイミングで発し、ユーザに警告音が確実に伝達されるようにしている。なお、MPは、エンジンが停止したと判定した後、直ちに、D/Aコンバータを介してLEDを点灯させるトランジスタのゲートにハイレベル信号を継続してまたは断続的に出力してLEDを点灯ないし点滅させるとともに、所定時間経過後、別のD/Aコンバータを介してブザーを作動させるトランジスタのゲートにハイレベル信号を送出して警告音を発生させる。
エンジン起動状態からエンジンを停止するタイミングにおいて、ユーザは、自動車から降り、ドアを閉め、ドアをロックして、自動車から離れる、という一連の動作を行うことが多いと推定される。従って、警告音を発生させる場合(例えば、鉛電池20のSOHが判定しきい値を下回った場合)に、エンジンが停止したと判定したタイミングから一定のタイムラグを設けて報知すれば、警報がユーザに伝達される可能性が高くなる。報知開始タイミングに加えて、ブザーの警告音による報知継続時間もまた重要な要因である。
これらの具体的な時刻、時間としては、報知開始はエンジン停止後0〜60秒までの間に行われることが好ましい。報知継続時間は2秒以上必要であり、最大数分間報知し続けることが必要である。また、これらの時刻、時間の最適値は、車両の使用形態によって異なるので、鉛電池20の用途に応じて、個々のケースにより決定するようにすればよい。なお、本実施例の鉛電池20は一般乗用車用のもので、表1に示すように、ブザーによる警告音の報知継続時間を約30秒に設定している。
本実施例のAIユニット30によればほとんどの場合、警告音をユーザに確実に伝達できるが、実際には数回の聞き逃しが発生することを想定して、警告音を発生させるSOC、SOHの判定しきい値は余裕を持ってやや高めに設定しておくようにしてもよい。
一方、LED4〜7による鉛電池20の電池状態の表示では、エンジン停止後、直ちに、LEDを点灯ないし点滅させて表示する。その時間は、本実施例では、表1に示すように、約5分間である。また、AIユニット30は、操作表示部35にスイッチ3を配置している。ブザーによる警告音を聞いた、または、電池状態を知りたいと希望するユーザが鉛電池20の電池状態(SOC、SOH)を確認できるようにするためである。すなわち、スイッチ3が1回押下された場合、表1に示すように、電池状態をLED5で表示するようにして、ユーザが任意に電池状態を把握できるようにしている。
<履歴読出モード>
MPは、スイッチ3が第2の所定操作で押下されるまで待機し、スイッチ3が第2の所定操作で押下されたときは、履歴読出モードへの移行指令があったものと判断する。第2の所定操作としては、例えば、5秒以内にスイッチ3を7回押下する操作を挙げることができる。
履歴読出モードでは、LED5〜7を高速点滅させること(光通信)で、AIユニット30のIDおよび所定時間毎にEEPROM32に格納された鉛電池20の電池データが送信され、最後にチェックサムが送信される。図3に示すように、検査モードと同様に、LED7はクロック生成用LEDとして用いられ、LED6はデータ送信用LEDとして用いられる。なお、LED5は、検査モードのときはとは反対に、履歴読出モードでは消灯(2値の「0」)する。
検査モードと同様に、AIユニット30のLED5〜7から送信された光信号は、読取装置50で読み取られる。読取装置50は、LED4〜7にそれぞれ近接配置された27個の受光素子19でLED6、7の点滅による送信信号を受光して、AIユニット30のIDおよび鉛電池20の電池データを演算部51のRAMに格納し、チェックサムによる送信データの確認後、LCD15に表示する。また、必要に応じて、プリンタ13で出力する。なお、時系列的な最低電圧値Vstの変化(劣化の推移)はグラフで表した方が把握しやすい。
これにより、鉛電池20の劣化経緯を把握することができる。鉛電池20のエンジン始動時の最低電圧値Vstは、鉛電池20が初めて自動車に搭載されたときの(鉛電池20が無劣化状態のときの)最低電圧値Vst0から、鉛電池20の内部抵抗値の増加により、徐々に低下して劣化していく。従って、例えば、最低電圧値Vstの変化のグラフを参照すれば、どの時点で劣化が進んだか等を把握することができる(図9の「情報提供」参照)。
MPは、履歴読出モードにおいて、検査モードと同様に、5秒以内にスイッチ3が3回押下されたか、および、履歴読出モードへの移行指令から10分が経過したかを判断しており、両者とも否定判断のときは履歴読出モードにおける処理ルーチンを続行し、いずれかが肯定判断のときは、履歴読出モードにおける処理ルーチンを終了する。
読取装置50の演算部51のRAMに格納されたAIユニット30のIDおよび鉛電池20の電池データは、通信部55により、無線LANで店舗PC60に送信される。店舗PC60は、読取装置50から受信したIDおよび電池データを暗号化し、インターネットを介して情報サービス事業者の診断サイトに暗号化されたIDおよび電池データを送信する。図9ではSSLによる暗号化を想定しているが、SSL以外の暗号化技術でもよい。なお、読取装置50は、無線LANで通信相手の店舗PC60が認識できない場合は、内蔵の携帯電話末端からパケット通信回線を使い自動的に情報サービス事業者の診断サイトにIDおよび電池データを送信する機能も有している。
診断サイトの端末PC72は、受信したIDを検索キーとしてデータベースサーバ73に同じIDの電池データが既に格納されているかを検索する。否定判断のときにはIDおよび電池データをデータベースサーバ73に格納し、肯定判断のときには、格納されていた電池データに、今回受信した電池データを加えて格納する。このとき、重複する電池データがあれば、重複部を排除する。なお、AIユニット30は、LED5〜7でIDおよび電池データを送信した後に、IDを除き、EEPROM32から電池データを消去する態様を採ることができる。このような態様では、端末PC72は重複部の排除処理は不要となる。
次いで、端末PC72は、受信したIDを検索キーとして、当該IDに対応する鉛電池の電池データをデータベース73から読み出し、例えば、表2に示すように、鉛電池の診断を行う。表2の項目26〜項目29は、今回受信した電池データのみならず、データベースサーバ73に既に格納された電池データも用いて算出する。表2の項目26〜項目29での記号Δは、異なる2つのタイミングで読出したデータの差を表す。
Figure 2009115738
診断サイトは、ユーザにEメールやFAX、郵送、宅配メール、ホームページ画面などで診断結果を報知する。メールアドレス、FAX番号、住所などの情報は事前にユーザ登録してもらい、情報サービス事業者のサーバで管理する。図9ではユーザ登録に電話、郵送、Eメール、ホームページ画面による報知手段を想定しているが、それ以外の手段であってもよい。個人情報の管理上問題なければ、鉛電池20の点検時にユーザ登録用紙に記入してもらい、協力会社経由でユーザ登録した情報を情報サービス事業者に送ってもよい。ユーザがホームページの入力フォーム画面で、読取装置50での読取時などで事前に知ったAIユニット30のIDを入力して、診断結果を表示することも可能であり、このような場合は上述したユーザ登録は不要である。
なお、図9では捨象したが、診断サイトのLANには、FAXや、郵送、宅配メールを作成するためのプリンタ、ファンフォールド紙等の連続帳票を単票に切断する後処理装置、単票を折りたたみ封筒に挿入するためのインサータ装置等を有して構成され、自動的に封筒に封入されてユーザ毎に送付するためのメール装置、ホームページ更新用端末PC等が配備されている。また、ユーザの便宜のために、診断サイトのホームページには、読取装置50による鉛電池の点検を実施する協力会社名または協力会社の情報を入手するための情報(例えば、協力会社のホームページのアドレス)が記載されている。
(効果等)
次に、本実施例の診断システムの効果等について説明する。
読取装置50は、受光素子19を有する受光部15でAIユニット30のLED5〜7によるAIユニット30のIDおよび鉛電池20の電池データの光信号を受信して、受信したIDおよび電池データを演算部51のRAMに記憶し、LCD14に表示する。従って、読取装置50は、AIユニット30のEEPROM32に格納されたIDと電池データを読み取ることができる。また、AIユニット30のEEPROM32に格納された情報は読取装置50に読み取られるので、既に読み取られた情報をEEPROM32に保存しておく必要はないため、AIユニット30のEEPROM32の容量を小さくすることができる。
また、診断サイトの端末PC72は、IDを検索キーとして、データベースサーバ73に格納されていた過去の電池データと併せて鉛電池の診断を行うことができるので(例えば、表2の項目26〜項目29を演算する場合、電池点検時の1回の電池データに比べ、診断結果が安定するので)、鉛電池20の正確で適切な診断を行うことができる。さらに、IDによる管理を行うことで、AIユニット30、ひいては、AIユニット30を収容した鉛電池20に対するトレイサビリティを高いレベルで確保できるなどの利点も生じる。また、インターネットを介して診断サイトにID、電池データを送信するので、診断サイトを任意の場所に設置可能である。
なお、上記実施形態(および実施例)では、電池状態検知装置(AIユニット30)と読取装置との送受信を発光素子と受光素子との光通信で行う例を示したが、本発明はこれに限らず、音響カプラよる音声通信や電波による無線通信を用いるようにしてもよい。
また、上記実施例では、診断サイトの端末PC72で鉛電池20の診断を行う例を示したが(表2参照)、店舗PC60で行うようにしてもよい。この場合、データ管理手段としてのデータベースサーバ73に代えて、ハードディスクにIDおよび電池データを格納すればよい。
本発明の読取装置は、電池状態検知装置に格納された電池データを読み取ることができ、診断装置は過去の電池データも使用することでより正確で適切な診断を行うことができるものであるため、ともに鉛電池ないし電池状態検知装置の販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
本発明が適用可能な実施例の鉛電池を模式的に示す外観斜視図である。 鉛電池の上蓋に収容されたAIユニットの概略ブロック図である。 AIユニットの操作表示部のLEDがEEPROMに格納されたIDおよび電池データを送信するときのタイミングチャートである。 鉛電池の上蓋に受光部を載置したときの読取装置を模式的に示す外観斜視図である。 読取装置の本体部の正面図である。 読取装置の受光部の受光素子を示す外観斜視図である。 読取装置の概略ブロック図である。 AIユニットのLEDと読取装置の受光素子との関係を示す断面図である。 実施例の診断システムの説明図である。
符号の説明
4、5、6、7 LED(送信手段の一部)
19 受光素子(受信手段の一部)
20 鉛電池
30 AIユニット(電池状態検知装置)
31 演算部(状態判定手段)
32 EEPROM(不揮発性記憶手段)
33 電圧測定部(測定手段の一部)
50 読取装置
51 演算部(記憶手段)
55 通信部(通信手段)
60 店舗PC(端末コンピュータ)
71 Webサーバ(受信手段)
72 端末PC(診断手段)
73 データベースサーバ(データ管理手段)
74 メールサーバ(情報提供手段の一部)

Claims (7)

  1. 鉛電池の電池状態を検知する電池状態検知装置に格納された電池データを読み取る読取装置であって、
    前記電池状態検知装置は、
    少なくとも前記鉛電池の電圧値を含む特性値を測定する測定手段と、
    前記測定手段で測定された特性値に基づいて前記鉛電池の電池状態を判定する状態判定手段と、
    IDを記憶するとともに、前記測定手段で測定された特性値のうち少なくとも一部を電池データとして記憶する不揮発性記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されたIDおよび電池データを前記読取装置に送信する送信手段と、
    を備え、
    前記読取装置は、
    前記送信手段から送信されたIDおよび電池データを受信する受信手段と、
    前記受信手段で受信したIDおよび電池データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されたIDおよび電池データを送信するための通信手段と、
    を備えたことを特徴とする読取装置。
  2. 前記送信手段と前記受信手段との間の送受信が、発光素子の点滅による光通信、音響カプラによる音声通信、または電波による無線通信であることを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
  3. 前記送信手段は発光素子を有し、前記受信手段は前記発光素子の数より多い受光素子が一列または複数列に配設された受光部を有することを特徴とする請求項2に記載の読取装置。
  4. 請求項1に記載の読取装置から受信した電池データに基づいて鉛電池の診断を行う診断装置であって、
    前記通信手段から送信されたIDおよび電池データを受信する受信手段と、
    前記受信手段により前記読取装置から1回もしくは複数回受信したID毎の電池データの履歴を管理するデータ管理手段と、
    前記データ管理手段で管理された電池データの履歴に基づいて鉛電池の状態を診断する診断手段と、
    前記診断手段により診断された診断結果を鉛電池の情報として提供する情報提供手段と、
    を備えた診断装置。
  5. 通信ネットを介して端末コンピュータから受信した電池データに基づいて鉛電池の診断を行う診断装置であって、
    前記端末コンピュータは、請求項1に記載の読取装置の通信手段から前記IDおよび電池データを受信し、該受信したIDおよび電池データを通信ネットを介して前記診断装置に送信し、
    前記診断装置は、
    前記端末コンピュータから送信されたIDおよび電池データを受信する受信手段と、
    前記受信手段により前記端末コンピュータから1回もしくは複数回受信したID毎の電池データの履歴を管理するデータ管理手段と、
    前記データ管理手段で管理された電池データの履歴に基づいて鉛電池の状態を診断する診断手段と、
    前記診断手段により診断された診断結果を鉛電池の情報として提供する情報提供手段と、
    を備えた診断装置。
  6. 前記情報提供手段は、インターネットのホームページ、電子メール、FAX、郵便、宅配便のいずれかにより前記鉛電池の情報を提供することを特徴とする請求項5に記載の診断装置。
  7. 前記読取装置による電池点検を実施する団体名または前記団体名を入手するための情報を通信ネットのホームページで提供する団体名情報提供手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の診断装置。
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