JP2009115715A - タイヤトレッドゴムの長さの測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トレッドゴムの前端面を幅方向の全長にわたって撮影する第1撮影手段と、トレッドゴム長さに対応する寸法を離して位置させ後端面を幅方向の全長にわたって撮影する第2撮影手段と、前端面の通過を検知すると第1、第2撮影手段に同期したトリガー信号を送信する検知手段と、前端、後端面に光を照射し、前端、後端面の各傾斜面と上端エッジとを識別化させる第1、第2照明手段と、前端、後端画像とを取り込み、第1撮影手段の基準ラインと前端画像のエッジとの距離と、第2撮影手段の基準ラインと後端画像のエッジとの距離とを、基準ライン間の距離に加えてトレッドゴム長さを求める演算処理手段と、トレッドゴム長さを表示する表示手段とを備えている。
【選択図】図1
Description
例えば、特開平6−323817号公報(特許文献1)では、図7(A)〜(C)に示すように、投光器6からスリット光Sをタイヤトレッドゴム1の下端エッジ2に交差するように投光して撮影された下端エッジ2を挟んだ下面3と傾斜面4の映像を画像処理装置5に取り込み、スリット光Sの傾斜変曲点Saを下端エッジ2と判断して傾斜変曲点Saとシャッターカメラ7の基準位置との距離aを算出し、タイヤトレッドゴム1の長さLを数式:L=a+b+cから求めている(b:予めインプットされた後端検出器からシャッターカメラ7の基準位置までの距離、c:オフセット距離)。
前記コンベアの上方に固定して、前記前端面を幅方向の全長にわたって撮影する第1撮影手段と、該第1撮影手段から搬送方向の上流側で且つ前記タイヤトレッドゴムの長さに対応する寸法を離して位置させ、前記後端面を幅方向の全長にわたって撮影する第2撮影手段と、
前記第1撮影手段と第2撮影手段の間で且つ第1撮影手段に近接した位置に配置し、前記タイヤトレッドゴムの搬送方向の先端側となる前端面の通過を検知すると、前記第1、第2撮影手段にシャッター開始の同期トリガー信号を送信する検知手段と、
前記第1、第2撮影手段で上方からの撮影時に、前記タイヤトレッドゴムの前端面と後端面に対して光を照射し、前端面および後端面の各傾斜面と上端エッジとを幅方向全長にわたって鮮明に識別化させる第1照明手段と第2照明手段と、
前記第1、第2撮影手段で撮影されたタイヤトレッドゴムの前端画像と後端画像とを取り込み、前記第1撮影手段の設置位置の基準ラインと前記前端画像の上端エッジとの距離(L1)と、前記第2撮影手段の設置位置の基準ラインと前記後端画像の上端エッジとの距離(L2)とを、前記第1、第2撮影手段の基準ライン間の距離に加えてタイヤトレッドゴムの長さを求める演算処理手段と、該演算処理手段で求めたタイヤトレッドゴムの長さを表示する表示手段と、
を備えていることを特徴とするタイヤトレッドゴムの長さの測定装置を提供している。
特に、本発明においては、撮影時に、第1照明手段および第2照明手段によって前端面および後端面の各斜面と上端エッジとを幅方向の全長にわたって鮮明に識別化しているため、撮影された前端画像および後端画像において、上端エッジを幅方向の全長にわたるエッジラインとして検出することができる。したがって、エッジをピンポイントで検出していた従来の測定に比べて上端エッジの検出ポイントが大幅に増大する分、例えば平均距離をとるなどして、第1撮影手段設定位置の基準ラインと前端画像の上端エッジとの距離(L1)および第2撮影手段設定位置の基準ラインと後端画像の上端エッジとの距離(L2)を高精度に算出でき、よって、タイヤトレッドゴムの長さも高精度に算出できる。
また、第1撮影手段の基準ラインと前端画像の上端エッジとの距離(L1)と、第2撮影手段の基準ラインと後端画像の上端エッジとの距離(L2)とを、第1、第2撮影手段の基準ライン間の距離に加えてタイヤトレッドゴムの長さを求めるということは、具体的には、前端画像の上端エッジ、後端画像の上端エッジが基準ライン間に位置していない場合のL1、L2を正の値とし、前端画像の上端エッジ、後端画像の上端エッジが基準ライン間に位置している場合のL1、L2を負の値で表す場合に、タイヤトレッドの長さLを数式:L=L3+L1+L2(L3:基準ライン間の距離)により算出できることを意味している。したがって、前端画像の上端エッジ、後端画像の上端エッジが基準ライン間に位置していない場合のL1、L2を負の値とし、前端画像の上端エッジ、後端画像の上端エッジが基準ライン間に位置している場合のL1、L2を正の値で表す場合には、タイヤトレッドの長さLを数式:L=L3−L1−L2で算出できることも同時に意味している。
また、撮影にあたっては、前記のように、タイヤトレッドゴムの前端面の通過を検知すると第1、第2撮影手段に同期したシャッター開始のトリガー信号を送信する検知手段を設けているため、前記トリガー信号を受信した第1撮影手段および第2撮影手段は、タイヤトレッドゴムの前端面および後端面を確実に捉えて同時に撮影することができる。
なお、撮影時にタイヤトレッドゴムの前端面および後端面が第1、第2撮影手段の基準ライン前後50mm程度の範囲内に位置するように、タイミングをとってトリガー信号が送信されることが好ましい。
前記検知手段は透過型の光電管からなり、
前記第1、第2照明手段はLEDバー照明からなり、
前記第2撮影手段は、タイヤトレッドゴムの長さに応じて移動可能に設置していることが好ましい。
さらに、前記のように、第2撮影手段をタイヤトレッドゴムの長さに応じて移動可能に設置することにより、異なる仕様長さのタイヤトレッドゴムの長さ測定に対応させることができる。
前記第1照明手段は前記第1撮影手段の後方の上部にコンベアで搬送されているタイヤトレッドゴムに向けて下向き40〜50度で傾斜させて配置する一方、前記第2照明手段は前記第2撮影手段の後方の上部にコンベアで搬送されているタイヤトレッドゴムに向けて水平方向に配置し、
前記第1撮影手段により、陰となる傾斜面と白く発光する上端エッジとが識別できる前端画像を取得し、
前記第2撮影手段により、白く発光する傾斜面と陰となる上端エッジとが識別できる後端画像を取得していることが好ましい。
前記第1照明手段の照射範囲は、前記第1撮影手段の撮影範囲全体を均一に照射できれば特に限定されず、例えば、第1撮影手段の撮影範囲(コンベア上での視野)が幅350mm×長450mmであれば、第1照明手段の照射範囲は前記撮影範囲をカバーする幅300mm×長さ400mmの範囲とすることが好ましい。
前記第2照明手段の照射範囲も前記第2撮影手段の撮影範囲全体を均一に照射できれば特に限定されず、例えば、第2撮影手段の撮影範囲(コンベア上での視野)が幅350mm×長さ450mmであれば、第2照明手段の照射範囲は前記撮影範囲をカバーする幅300mm×長さ400mmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記各セグメントにおける上端エッジから基準ラインまでの距離(L11、L12、・・・、L1n、L21、L22、・・・、L2n)として、例えば、各セグメントの幅方向中央位置における前記距離を用いることができる。
なお、タイヤトレッドゴムの幅方向に分割するセグメント幅は特に限定されないが、例えば、20mm〜40mm程度とすることができる。
図1乃至図6に本発明の実施形態を示す。
図1に示すタイヤトレッドゴム長さの測定装置10で測定されるタイヤトレッドゴム30は、所定長さ(本実施形態においては仕様長さ1900mm)に切断され、切断された前端面31と後端面32が傾斜面とされた長尺シート状であり、前端面31と上面33が鋭角をなし、後端面32と上面33が鈍角をなしている。このタイヤトレッドゴム30をコンベア11に水平に載置し、図1の矢印方向に搬送する過程で、タイヤトレッドゴム長さの測定装置10を用いて、タイヤトレッドゴム30の長さL(前端面31の上端エッジ34と後端面32の上端エッジ35との距離)を測定している。
タイヤトレッドゴム長さの測定装置10には、コンベア11の上方に固定してタイヤトレッドゴム前端面31を幅方向の全長にわたって撮影する第1撮影手段のカメラ12と、後端面32を幅方向全長にわたって撮影する第2撮影手段のカメラ13を設けている。
第2撮影手段のカメラ13は、第1撮影手段12から搬送方向上流側に、タイヤトレッドゴム30の長さに対応する寸法(本実施形態においては1900mm)を離して位置させており、第2撮影手段のカメラ13は測定するタイヤトレッドゴムの長さに応じて前後方向に移動可能とされている。
なお、本実施形態においては、第1、第2撮影手段のカメラ12、13の撮影範囲(コンベア11上でのカメラ12、13の視野)を幅350mm×長さ450mmとし、カメラ12、13をコンベア11の上方500mmの位置に設置している。
また、第1、第2撮影手段のカメラ12、13の視野中心をそれぞれ第1撮影手段12の基準ラインR1および第2撮影手段13の基準ラインR2としている。
第2撮影手段のカメラ13の後方の上部に、搬送されているタイヤトレッドゴム30に向けて水平方向に第2照明手段のLEDバー照明18を配置している。
前記第1、第2照明手段のLEDバー照明17、18を照明コントローラ19に接続している。
前記第1照明手段のLEDバー照明17を、第1撮影手段12の基準ラインR1の後方100mm、コンベア11の上方100mmの位置に設置している。
第2照明手段のLEDバー照明18を、第2撮影手段12の基準ラインR2の後方150mm、コンベア11の上方60mmの位置に設置している。
前記CPU21はモニタ22に接続し、演算処理部で求めたタイヤトレッドゴム30の長さLをモニタ22で表示している。
前端面31を検知すると、光電管14はタイマ16にON信号を送信し、タイマ16により所定時間遅延させた後、同期したシャッター開始のトリガー信号を第1、第2撮影手段のカメラ12、13に接続されたコントローラ20に送信する。
なお、本実施形態においては、撮影時に、タイヤトレッドゴム30の前端面31および後端面32が第1、第2撮影手段の基準ラインR1、R2の前後50mmの範囲にそれぞれ位置するようにタイミングをとってトリガー信号を送信している。第1、第2撮影手段のカメラ12、13は前記トリガー入力と同時に撮影を行う。
具体的には、第1照明手段のLEDバー照明17が前端に対して斜め下向きに光を照射しているため、図3に示すように、上面33と鋭角をなす前端面31の傾斜面が影とされ、上端エッジ34全長を含む上面33が白くハレーションされる。よって、影となる前端面31の傾斜面と境界をなす上端エッジ34が幅方向全長にわたって鮮明化される。
一方、第2照明手段のLEDバー照明18は後端面32に対して水平方向に光を照射しているため、図4に示すように、上面33と鈍角をなす後端面32の傾斜面が白くハレーションされ、上端エッジ35全長を含む上面33が影とされる。よって、白く発光する後端面32の傾斜面と境界をなす上端エッジ35が幅方向全長にわたって鮮明化される。
さらに、前端画像41の各セグメントS1〜Snにおける上端エッジ44から基準ラインR1までの距離(L11、L12、・・・、L1n)の平均値L1[L1=(L11+L12+・・・+L1n)/n]および後端画像42の各セグメントS1〜Snにおける上端エッジ45から基準ラインR2までの距離(L21、L22、・・・、L2n)の平均値L2[L2=(L21+L22+・・・+L2n)/n]をそれぞれ算出する。
さらに、トレッドゲージの最も厚い部分のセグメントに注目し、該セグメントにおける上端エッジから基準ラインまでの距離をそれぞれL1、L2としてタイヤトレッドゴムの長さLを算出することもできる。
したがって、上端エッジ44、45の検出ポイントが大幅に増大する分、平均距離をとるなどして第1撮影手段12の基準ラインR1と前端画像41の上端エッジ44との距離L1および第2撮影手段13の基準ラインR2と後端画像42の上端エッジ45との距離L2を高精度に算出でき、よって、タイヤトレッドゴム30の長さLも高精度に算出できる。
即ち、測定するタイヤトレッドゴム30の形状等によって、注目するセグメントを適宜変更してタイヤトレッドゴム30の長さLを測定することにより、ばらつきの少ない高精度のタイヤトレッドゴム30の長さLを得ることができる。
実施例1では、トレッド長さ(トレッドセンターの長さ)が1900mmのタイヤトレッドゴムを用いてトレッド長さの測定を100回繰り返して行った。
測定装置および測定方法は前記実施形態と同様とし、L1およびL2として、下記の(1)(2)の2種類に分けてタイヤトレッドゴムの長さ測定を行った。
(1)各セグメント(S1〜S5)における上端エッジから基準ラインまでの距離の平均値(L11+L12+L13+L14+L15)/5および(L21+L22+L23+L24+L25)/5を用いる場合
(2)センターセグメント(S3)における上端エッジから基準ラインまでの距離L13およびL23を用いる場合
測定結果を表1に示す。
・カメラ:200万画素モノクロCCDカメラ、商品名CV−200M(キーエンス製)
・LEDバー照明:白LEDバー照明、商品名CA−DBW13(キーエンス製)
比較例1は、従来技術である特許文献1と同様の測定装置を用いて測定を行った。
即ち、図7(A)〜(C)に示すように、投光器6からスリット光Sをタイヤトレッドゴム1の下端エッジ2に交差するように投光させ、下端エッジ2を挟んだ下面3と傾斜部4の映像を画像処理装置5に取り込み、投光されたスリット光Sの傾斜変曲点Saを下端エッジ2と判断して傾斜変曲点Saとカメラ7の基準位置との距離aを算出し、タイヤトレッドゴム1の長さLを数式L=a+b+cより求めた。
b;予めインプットされた後端検出器からカメラ7の基準位置までの距離、
c;オフセット距離
その他は実施例1と同様とした。測定結果を表1に示す。
一方、比較例1では、平均値が真値(1900mm)から大きく離れ、標準偏差も2.9mmとばらつきも大きかった。
11 コンベア
12 第1撮影手段(カメラ)
13 第2撮影手段(カメラ)
14 光電管
15 光源
16 タイマ
17 第1照明手段(LEDバー照明)
18 第2照明手段(LEDバー照明)
19 照明コントローラ
20 コントローラ
21 CPU
22 モニタ
30 タイヤトレッドゴム
31 前端面
32 後端面
33 上面
34、35 上端エッジ
41 前端画像
42 後端画像
44、45 上端エッジ
Claims (4)
- 所要長さに切断され、切断された前端面と後端面とが傾斜面とされている長尺シート状のタイヤトレッドゴムをコンベアに水平に載置して搬送する過程で、該タイヤトレッドゴムの長さを測定する装置であって、
前記コンベアの上方に固定して、前記前端面を幅方向の全長にわたって撮影する第1撮影手段と、該第1撮影手段から搬送方向の上流側で且つ前記タイヤトレッドゴムの長さに対応する寸法を離して位置させ、前記後端面を幅方向の全長にわたって撮影する第2撮影手段と、
前記第1撮影手段と第2撮影手段の間で且つ第1撮影手段に近接した位置に配置し、前記タイヤトレッドゴムの搬送方向の先端側となる前端面の通過を検知すると、前記第1、第2撮影手段にシャッター開始の同期トリガー信号を送信する検知手段と、
前記第1、第2撮影手段で上方からの撮影時に、前記タイヤトレッドゴムの前端面と後端面に対して光を照射し、前端面および後端面の各傾斜面と上端エッジとを幅方向全長にわたって鮮明に識別化させる第1照明手段と第2照明手段と、
前記第1、第2撮影手段で撮影されたタイヤトレッドゴムの前端画像と後端画像とを取り込み、前記第1撮影手段の設置位置の基準ラインと前記前端画像の上端エッジとの距離(L1)と、前記第2撮影手段の設置位置の基準ラインと前記後端画像の上端エッジとの距離(L2)とを、前記第1、第2撮影手段の基準ライン間の距離に加えてタイヤトレッドゴムの長さを求める演算処理手段と、該演算処理手段で求めたタイヤトレッドゴムの長さを表示する表示手段と、
を備えていることを特徴とするタイヤトレッドゴムの長さの測定装置。 - 前記第1、第2撮影手段はデジタルまたはアナログのカメラからなり、前記第1撮影手段の基準ラインおよび第2撮影手段の基準ラインは、各撮影手段のカメラの視野中心となるラインとし、かつ、
前記検知手段は透過型の光電管からなり、
前記第1、第2照明手段はLEDバー照明からなり、
前記第2撮影手段は、タイヤトレッドゴムの長さに応じて移動可能に設置している請求項1に記載のタイヤトレッドゴムの長さの測定装置。 - 前記タイヤトレッドゴムの前後端面の傾斜は上端から下端にかけて後方に向けて傾斜させた傾斜面とし、
前記第1照明手段は前記第1撮影手段の後方の上部にコンベアで搬送されているタイヤトレッドゴムに向けて下向き40〜50度で傾斜させて配置する一方、前記第2照明手段は前記第2撮影手段の後方の上部にコンベアで搬送されているタイヤトレッドゴムに向けて水平方向に配置し、
前記第1撮影手段により、陰となる傾斜面と白く発光する上端エッジとが識別できる前端画像を取得し、
前記第2撮影手段により、白く発光する傾斜面と陰となる上端エッジとが識別できる後端画像を取得している請求項1または請求項2に記載のタイヤトレッドゴムの長さの測定装置。 - 前記画像処理手段は、前記前端画像および後端画像をタイヤトレッドゴムの幅方向に複数のセグメントに分割し、各セグメントにおける前端画像の上端エッジから第1撮影手段の基準ラインまでの距離の平均値を前記L1とし、各セグメントにおける後端画像の上端エッジから第2撮影手段の基準ラインまでの距離の平均値を前記L2としている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のタイヤトレッドゴムの長さ測定装置。
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