JP2009115285A - 動力伝達装置の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの燃焼状態の変化の度合いが相違する際に車両用自動変速機の変速比の変更を最適に行って、燃料消費特性に有利な回転速度で走行することができる動力伝達装置の制御装置を提供する。
【解決手段】通常のガソリン燃料とは異なるバイオエタノールの混入によりタンク内のガソリン燃料中におけるバイオエタノールの含有率の変化に起因して、燃料消費特性が相違するエンジンの燃焼状態に変化が生じた場合、その燃焼状態の変化の度合いに応じて燃料消費特性の最適点にエンジンの動作点が近付けられるように車両用自動変速機の変速比を変更している。
【選択図】図8
【解決手段】通常のガソリン燃料とは異なるバイオエタノールの混入によりタンク内のガソリン燃料中におけるバイオエタノールの含有率の変化に起因して、燃料消費特性が相違するエンジンの燃焼状態に変化が生じた場合、その燃焼状態の変化の度合いに応じて燃料消費特性の最適点にエンジンの動作点が近付けられるように車両用自動変速機の変速比を変更している。
【選択図】図8
Description
本発明は、動力伝達装置の制御装置に関し、詳しくは、燃料消費特性が相違する複数の燃焼状態を有する内燃機関に連結される有段変速機の変速比を最適に変更して燃料消費特性の向上を図る対策に係る。
一般に、車両の内燃機関の燃料としてオクタン価量が異なる燃料が使用されると、そのオクタン価量の低い燃料によってノッキングが検出されることがある。そのため、ノッキングが検出された際に点火時期を遅角側に変化させることによって、ドライバビリティ(加速性能や動力性能)の悪化を防止することが行われている。このとき、点火時期を遅角側に変化させることによって内燃機関のトルクが低下するため、そのトルク低下分を補う必要がある。
そこで、オクタン価量が異なる燃料が使用された際にノッキングの検出により点火時期を遅角側に変化させたことによる内燃機関のトルク低下分を、内燃機関に連結された無段変速機の変速比を変えて内根機関の回転速度を高くすることによって、補うようにしたものが従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。この場合、無段変速機の変速比を変えることによって、内燃機関の燃焼状態が変化した際に、その燃焼状態の変化に応じて燃料消費特性の最適点に内燃機関の動作点が近付けられるようにしている。
特開2002−213592号公報
ところで、このような内燃機関に連結された無段変速機では、その変速比幅の中で自由に変速比が変更されるものの、変速比が固定された有段変速機が連結されている場合には、使用可能な変速比が限られたものとなる。しかも、燃料消費特性が相違する内燃機関の複数の燃焼状態は、オクタン価量が異なる燃料を使用した場合に限らず、通常燃料とは異なる異種燃料の含有率の変化や、空燃比のリーンな燃焼モードとリッチな燃焼モードとの切替え時の変化や、内燃機関の吸気経路の途中に介設した過給機による過給圧の変化などに起因して、その燃焼状態の変化の度合いが相違することになる。このため、有段変速機では、使用可能な変速比に限りがあることから、内燃機関の燃焼状態の変化の度合いが相違する場合に有段変速機の変速比を変更するに当たって工夫を講じる必要があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内燃機関の燃焼状態の変化の度合いが相違する場合における有段変速機の変速比の変更を最適に行って、燃料消費特性に有利な回転速度で走行することができる動力伝達装置の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、動力伝達装置の制御装置として、燃料消費特性が相違する複数の燃焼状態を有する内燃機関と、この内燃機関に連結された有段変速機とを備えたものを対象とする。そして、上記内燃機関の燃焼状態の変化の度合いに応じて上記有段変速機の変速比を変更する変速比変更手段を設けている。
この特定事項により、オクタン価量が異なる燃料の使用、通常燃料とは異なる異種燃料の含有率の変化、内燃機関の吸気経路の途中に介設した過給機による過給圧の変化、または空燃比のリーンな燃焼モードとリッチな燃焼モードとの切替え時の変化などに起因して内燃機関の燃焼状態に変化が生じた場合、その燃焼状態の変化の度合いに応じて燃料消費特性の最適点に内燃機関の動作点が近付けられるように有段変速機の変速比が変更され、燃料消費特性に有利な内燃機関の回転速度で車両を走行させることが可能となる。
また、上記有段変速機に、複数の変速比列を設けるとともに、上記変速比変更手段に、上記内燃機関の複数の燃焼状態の変化に応じて上記変速比列を変更することによって変速比を変更する変速比列変更手段を設けている場合には、有段変速機の変速比の異なる変速段の選択自由度が増す。これにより、内燃機関の燃焼状態に変化が生じた場合、その燃焼状態の変化の度合いに応じて燃料消費特性の最適点に近い内燃機関の動作点が使用されるように有段変速機の変速比を変更する際の有利な変速段への自由度が増し、より燃料消費特性に有利な内燃機関の回転速度で車両を走行させることが可能となる。
また、上記変速比列変更手段の変速比列を変更する際に3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更時に、2つの要素による摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更と2つの要素による摩擦要素の切り換えを伴う変速比列の変更とをそれぞれ別々に複数回に分けて変速比の変更を行うようにしている場合には、変速比列を変更する際に3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更時に変速比の変更と変速比列の変更とがそれぞれ2つの要素による摩擦要素の切り換えによって別々に行われる。このため、3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う飛び変速が禁止され、2つの要素による摩擦要素の切り換えによって連続変速が実行されて、変速ショックを緩和させることが可能となる。しかも、3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更時に変速比の変更と変速比列の変更とがそれぞれ2つの要素による摩擦要素の切り換えによって簡単な制御で行われ、3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更を簡単な制御で行うことが可能となる。
また、上記変速比列変更手段によって、変速比列のなかから燃料消費特性の最適点に近い内燃機関の動作点が使用されるような複数の変速段を有する変速比列を選択している場合には、内燃機関の燃焼状態に変化が生じた場合、その燃焼状態の変化の度合いに応じて燃料消費特性の最適点に近い内燃機関の動作点を使用させるような変速比列が選択されて有段変速機の変速比が変更されることになり、より一層燃料消費特性に有利な内燃機関の回転速度で車両を走行させることが可能となる。
更に、上記内燃機関の燃焼状態の変化が小さいために上記変速比変更手段による変速比の変更および上記変速比列変更手段による変速比列の変更が必要ない場合に、変速パターンを変更している場合には、内燃機関の燃焼状態の変化が小さいために変速比変更手段による変速比の変更および変速比列変更手段による変速比列の変更が必要ない場合においても、複数の変速パターンのなかから燃料消費特性に優れた変速パターンに変更され、より効率よく燃料消費特性に有利な内燃機関の回転速度で車両を走行させることが可能となる。
以上、要するに、内燃機関の燃焼状態の変化の度合いに応じて有段変速機の変速比を変更する変速比変更手段を設けることで、内燃機関の燃焼状態の変化の度合いに応じて有段変速機の変速比を変更させて、燃料消費特性に有利な内燃機関の回転速度で車両を走行させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る動力伝達装置の制御装置に適用される車両用自動変速機1のスケルトン図であって、FR車両などの縦置き用として好適に用いられるものである。この車両用自動変速機1は、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置21を主体として構成されている第1変速部2と、ダブルピニオン型の第2遊星歯車装置31、シングルピニオン型の第3遊星歯車装置32、および第4遊星歯車装置33を主体として構成されている第2変速部3とを有し、入力軸41の回転を変速して出力軸12から出力する。入力軸41は、トルクコンバータ4のタービン軸であり、走行用駆動源としてのエンジンのクランク軸11からトルクコンバータ4を介して回転が入力される一方、出力軸12は、差動歯車装置などを介して左右の駆動輪を回転駆動する。なお、この車両用自動変速機1は中心線に対して略対称的に構成されており、図1では中心線の下半分が省略されている。以下の実施例も同様である。
上記第1変速部2を構成している第1遊星歯車装置21のキャリアCA1は入力軸41に連結されて回転駆動され、サンギヤS1は回転不能にケース13に一体的に固定され、リングギヤR1は入力軸41の回転を減速して第2変速部3へ出力する。このように、入力軸41から第1遊星歯車装置21のキャリアCA1、そのキャリアCA1に配設されたピニオンギヤ、およびリングギヤR1を経て第2変速部3へ伝達する経路が第2入力経路PA2で、第1遊星歯車装置21のギヤ比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)ρ1に応じて定められる一定の変速比1/(1−ρ1)で減速され、本実施例ではρ1=0.500で変速比は2.0となり、入力軸41の回転速度の1/2で伝達する。また、本実施形態では上記第1遊星歯車装置21を経由する第2入力経路PA2とは別に、入力軸41の回転を変速比1.0でそのまま第2変速部3へ伝達する第1入力経路PA1が設けられている。
上記第2遊星歯車装置31は、サンギヤS2と噛み合う第1ピニオンギヤが大径部および小径部を有する段付ピニオン34にて構成されており、その大径部が第1ピニオンギヤとして機能してサンギヤS2と噛み合わされている一方、小径部には第4遊星歯車装置33のサンギヤS4が噛み合わされている。このサンギヤS4は、第2変速部3における第3のサンギヤに相当する。
そして、第2変速部3を構成している第2遊星歯車装置31、第3遊星歯車装置32、および第4遊星歯車装置33は、一部が互いに連結されることによって5つの回転要素RM1〜RM5が構成されており、具体的には、第2遊星歯車装置31のキャリアCA2、第3遊星歯車装置32のサンギヤS3、および第4遊星歯車装置33のキャリアCA4が互いに連結されて第1回転要素RM1が構成され、第2遊星歯車装置31のリングギヤR2および第3遊星歯車装置32のキャリアCA3が互いに連結されて第2回転要素RM2が構成され、第3遊星歯車装置32のリングギヤR3によって第3回転要素が構成され、第4遊星歯車装置33のサンギヤS4によって第4回転要素RM4が構成され、第2遊星歯車装置31のサンギヤS2によって第5回転要素RM5が構成されている。
また、上記第1回転要素RM1(キャリアCA2、サンギヤS3、およびキャリアCA4)は第1ブレーキB1によってケース13に選択的に連結されて回転停止させられ、第2回転要素RM2(リングギヤR2およびキャリアCA3)は第2ブレーキB2によってケース13に選択的に連結されて回転停止させられ、第5回転要素RM5(サンギヤS2)は第1クラッチC1を介して上記第1遊星歯車装置21のリングギヤR1すなわち第2入力経路PA2に選択的に連結され、第1回転要素RM1(キャリアCA2、サンギヤS3、およびキャリアCA4)は第2クラッチC2を介して同じくリングギヤR1すなわち第2入力経路PA2に選択的に連結され、第2回転要素RM2(リングギヤR2およびキャリアCA3)は第3クラッチC3を介して入力軸41すなわち第1入力経路PA1に選択的に連結され、第1回転要素RM1(キャリアCA2、サンギヤS3、およびキャリアCA4)は第4クラッチC4を介して入力軸41すなわち第1入力経路PA1に選択的に連結され、第4回転要素RM4(サンギヤS4)は第5クラッチC5を介してリングギヤR1すなわち第2入力経路PA2に選択的に連結され、第3回転要素RM3(リングギヤR3)は上記出力軸12に一体的に連結されて回転を出力するようになっている。第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第1クラッチC1〜第5クラッチC5は、摩擦要素のことであり、何れも油圧シリンダによって摩擦係合させられる多板式の油圧式摩擦係合装置である。
図2の(a)は、上記第1変速部2および第2変速部3の各回転要素の回転速度を直線で表すことができる共線図であり、下の横線が回転速度「0」で、上の横線が回転速度「1.0」すなわち入力軸41と同じ回転速度である。また、第1変速部2の各縦線は、左側から順番にサンギヤS1、リングギヤR1、キャリアCA1を表しており、それ等の間隔は第1遊星歯車装置21のギヤ比ρ1に応じて定められる。図は、ギヤ比ρ1=0.500の場合である。第2変速部3の5本の縦線は、左側から順番に第1回転要素RM1(キャリアCA2、サンギヤS3、およびキャリアCA4)、第2回転要素RM2(リングギヤR2およびキャリアCA3)、第3回転要素RM3(リングギヤR3)、第4回転要素RM4(サンギヤS4)、第5回転要素RM5(サンギヤS2)を表しており、それ等の間隔は第2遊星歯車装置31のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置32のギヤ比ρ3、および第4遊星歯車装置33のギヤ比ρ4に応じて定められる。図は、ギヤ比ρ2=0.444、ρ3=0.500、ρ4=0.483の場合である。この場合、第1および第2変速比列では、後述する燃料消費特性の最適領域(図7では中心側の円)のできるだけ近くにエンジンの動作点が設定されるように、図2の(a)の共線図における第2変速部3の5番目(図2の(a)では右端)の縦線、つまり第4遊星歯車装置33のギヤ比ρ4を定めている。なお、第2変速部3の丸付きの数字「1」〜「5」はそれぞれ第1回転要素RM1〜第5回転要素RM5を表している。以下の実施例も同様である。
そして、この共線図から明らかなように、第1クラッチC1および第2ブレーキB2が係合させられて、第5回転要素RM5が第1変速部2を介して減速回転させられるとともに第2回転要素RM2が回転停止させられると、出力軸12に連結された第3回転要素RM3は「1st」で示す回転速度で回転させられ、最も大きい変速比(=入力軸41の回転速度/出力軸12の回転速度)の第1変速段「1st」が成立させられる。第1クラッチC1および第1ブレーキB1が係合させられて、第5回転要素RM5が第1変速部2を介して減速回転させられるとともに第1回転要素RM1が回転停止させられると、第3回転要素RM3は「2nd」で示す回転速度で回転させられ、第1変速段「1st」よりも変速比が小さい第2変速段「2nd」が成立させられる。第1クラッチC1および第2クラッチC2が係合させられて、第2変速部3が第1変速部2を介して一体的に減速回転させられると、第3回転要素RM3は「3rd」で示す回転速度すなわち第1変速部2のリングギヤR1と同じ回転速度で回転させられ、第2変速段「2nd」よりも変速比が小さい第3変速段「3rd」が成立させられる。第1クラッチC1および第4クラッチC4が係合させられて、第5回転要素RM5が第1変速部2を介して減速回転させられるとともに第1回転要素RM1が入力軸41と一体回転させられると、第3回転要素RM3は「4th」で示す回転速度で回転させられ、第3変速段「3rd」よりも変速比が小さい第4変速段「4th」が成立させられる。第1クラッチC1および第3クラッチC3が係合させられて、第5回転要素RM5が第1変速部2を介して減速回転させられるとともに第2回転要素RM2が入力軸41と一体回転させられると、第3回転要素RM3は「5th」で示す回転速度で回転させられ、第4変速段「4th」よりも変速比が小さい第5変速段「5th」が成立させられる。
第3クラッチC3および第4クラッチC4が係合させられて、第2変速部3が入力軸41と一体回転させられると、第3回転要素RM3は「6th」で示す回転速度すなわち入力軸41と同じ回転速度で回転させられ、第5変速段「5th」よりも変速比が小さい第6変速段「6th」が成立させられる。この第6変速段「6th」の変速比は1.0である。第2クラッチC2および第3クラッチC3が係合させられて、第1回転要素RM1が第1変速部2を介して減速回転させられるとともに第2回転要素RM2が入力軸41と一体回転させられると、第3回転要素RM3は「7th」で示す回転速度で回転させられ、第6変速段「6th」よりも変速比が小さい第7変速段「7th」が成立させられる。第3クラッチC3および第1ブレーキB1が係合させられて、第2回転要素RM2が入力軸41と一体回転させられるとともに第1回転要素RM1が回転停止させられると、第3回転要素RM3は「8th」で示す回転速度で回転させられ、第7変速段「7th」よりも変速比が小さい第8変速段「8th」が成立させられる。
また、第2クラッチC2および第2ブレーキB2が係合させられると、第1回転要素RM1が第1変速部2を介して減速回転させられるとともに第2回転要素RM2が回転停止させられることにより、第3回転要素RM3は「Rev」で示す回転速度で逆回転させられ、後進変速段「Rev」が成立させられる。
図2の(b)は、上記各変速段とクラッチC1〜C5、ブレーキB1、B2の作動状態との関係をまとめて示す作動表で、「○」は係合、空欄は解放を表しており、クラッチC1〜C4およびブレーキB1、B2の何れか2つを掴み替えるだけで、連続する各変速段の変速を行うことができる。また、各変速段の変速比は、第1遊星歯車装置21、第2遊星歯車装置31、第3遊星歯車装置32の各ギヤ比ρ1〜ρ3によって適宜定められ、例えばρ1=0.500、ρ2=0.444、ρ3=0.500とすれば、図2(b)に示す変速比が得られ、変速比ステップが略一定で適切な値であるとともに、トータルの変速比幅(=5.014/0.667)も7.521程度と大きく、後進変速段「Rev」の変速比も適当で、全体として適切な変速比特性が得られる。
一方、本実施例では、第1クラッチC1を係合させる代わりに第5クラッチC5を係合させ、第4回転要素RM4を第1変速部2を介して減速回転させることにより、第1変速段「1st」〜第5変速段「5th」を成立させることもできる。これらの変速段の変速比は、第1クラッチC1を係合させる場合に比較して変化するが、図2(a)における第4回転要素RM4(サンギヤS4)の位置すなわち第4遊星歯車装置33のギヤ比ρ4に応じて適宜定められ、このギヤ比ρ4を適当に設定することにより、第1クラッチC1の係合によって成立する第1変速段「1st」〜第5変速段「5th」の代わりに用いることができる。
本実施例では、図3に示すように、第1変速段「1st」〜第3変速段「3rd」について、第1クラッチC1を係合させる代わりに第5クラッチC5を係合させることにより、成立させられるようになっている。これらの変速段「1st」〜「3rd」は、第1クラッチC1および第5クラッチC5以外のクラッチおよびブレーキの係合、解放状態は同じで、具体的には第5クラッチC5および第2ブレーキB2が係合させられて、第4回転要素RM4が第1変速部2を介して減速回転させられるとともに第2回転要素RM2が回転停止させられることにより、最も大きい変速比の第1変速段「1st」が成立させられる。また、第5クラッチC5および第1ブレーキB1が係合させられて、第4回転要素RM4が第1変速部2を介して減速回転させられるとともに第1回転要素RM1が回転停止させられることにより、第1変速段「1st」よりも変速比が小さい第2変速段「2nd」が成立させられ、第2クラッチC2および第5クラッチC5が係合させられて、第2変速部3が第1変速部2を介して一体的に減速回転させられることにより、第2変速段「2nd」よりも変速比が小さい第3変速段「3rd」が成立させられる。この第3変速段「3rd」では、同時に第1クラッチC1を係合させることも可能である。
これらの変速段「1st」〜「3rd」を用いた変速制御では、図3(b)から明らかなように、2⇔3変速または3⇔4変速では3つの係合要素(クラッチ、ブレーキ)を切り換える必要があるが、それ以外の変速は2つの係合要素を掴み替えるだけで変速を行うことができる。また、変速段「1st」〜「3rd」の変速比は、第4遊星歯車装置33のギヤ比ρ4に応じて適宜定められ、例えばρ4=0.483とすれば図3(b)に示す変速比が得られる。これを第1クラッチC1を係合させる図2の場合と比較すると、第3変速段「3rd」の変速比は2.000で同じであるが、第1変速段「1st」では5.014が4.286になるとともに、第2変速段「2nd」では3.005が2.762になり、何れも少し小さな値となって駆動トルクが低下する。また、トータルの変速比幅は6.429程度となり、図2の場合に比較してクロスギヤレシオになる。
本実施例では、第1クラッチC1を係合させることによって成立させられる図2の第1変速段「1st」〜第3変速段「3rd」が第1変速比列で、第5クラッチC5を係合させることによって成立させられる図3の第1変速段「1st」〜第3変速段「3rd」が第2変速比列であり、第1変速段「1st」〜第8変速段「8th」全体のギヤレシオは第1変速比列の方が第2変速比列よりもワイドで発進加速性能が優れている。
そして、このような車両用自動変速機1は、例えば図4に示す変速制御装置100によって変速制御が行われる。変速制御装置100は、CPU、RAM、およびROM等を有するマイクロコンピュータを備えて構成されており、機能的に変速パターン切換手段102、変速比列切換手段104、自動変速手段106、マニュアル変速手段108を備えている。また、変速制御装置100は、スロットル開度センサ、吸入空気量センサ、燃料圧力センサ以外にもエンジンの運転状態を検出するセンサ類から信号を入力している。すなわちアクセルペダルの踏み込み量ACCPを検出するアクセルセンサ、クランクシャフトの回転からエンジン回転速度NEを検出するエンジン回転速度センサ等からも信号を入力している。更に、エンジン冷却水温THWを検出する冷却水温センサ、排気通路において排気成分から混合気の空燃比を検出する空燃比センサ、およびエンジンの異常燃焼時に発生するノッキングを検出するノッキングセンサからも信号を入力している。尚、このようなセンサ以外にも各種のセンサが必要に応じて設けられる。
また、変速制御装置100には、パワーモード選択スイッチ110、エコノミーモード選択スイッチ111、マニュアルモード選択スイッチ112、変速スイッチ114、変速比列選択スイッチ116からそれぞれパワーモードを選択する信号、エコノミーモードを選択する信号、マニュアルモードを選択する信号、アップダウン或いは各変速段を直接選択する信号、変速比列を選択する信号が供給されるようになっている。マニュアルモード選択スイッチ112および変速スイッチ114は、例えばシフトレバー操作によって切り換えられるように設けられ、パワーモード選択スイッチ110、エコノミーモード選択スイッチ111および変速比列選択スイッチ116は、例えばインストルメントパネル等に設けられる。また、変速比列の選択は、図2の(b)の作動表による変速と図3の(b)の作動表による変速とを切り換えるためのもので、参考のために例えばギヤレシオの大小、第1変速段「1st」の変速比の大小、或いは発進加速性能の良否などを表す表示が変速比列選択スイッチ116の近傍に設けられている。
上記自動変速手段106は、車速およびアクセル操作量をパラメータとして予め定められた変速マップに従って車両用自動変速機1の変速段「1st」〜「8th」を自動的に切り換えるもので、マニュアル変速手段108は、マニュアルモード選択スイッチ112によってマニュアルモードが選択された場合に、変速スイッチ114から供給されるアップダウン信号や変速段選択信号等に応じて車両用自動変速機1の変速段「1st」〜「8th」を切り換える。変速パターン切換手段102は、自動変速手段106の変速制御で使用する変速パターンをノーマルモード、パワーモードまたはエコノミーモードに切り換えるもので、パワーモード選択スイッチ110によりパワーモードが選択された場合は、図6に示すように、ノーマルモード用の変速パターン(図6に実線で表われる)が高車速側となるパワーモード用の変速線(図6に一点鎖線で表われる)に変更される一方、エコノミーモード選択スイッチ111によりエコノミーモードが選択された場合は、ノーマルモード用の変速パターンが低車速側となるエコノミーモード用の変速線(図6に二点鎖線で表われる)に変更される。
変速比列切換手段104は、図2に示すように第1変速比列を用いた作動表による変速と、図3に示すように第2変速比列を用いた作動表による変速とを切り換えるもので、マニュアルモード選択スイッチ112によってマニュアルモードが選択された場合には、変速比列選択スイッチ116で選択された変速比列の作動表を設定し、マニュアル変速手段108は、この設定された作動表に従って変速制御を行う。マニュアルモードでない場合は、上記変速マップと同様にパワーモードか否かによって作動表を設定し、パワーモード選択スイッチ110によりパワーモードが選択された場合は図2のワイドギヤレシオの第1変速比列を用いた作動表を設定し、そうでない場合は図3の第2変速比列を用いた作動表を設定する。そして、上記自動変速手段106は、この設定された作動表に従って変速制御を行う。この場合、変速比列切換手段104は、エンジンの燃焼状態がリーン燃焼であるときに、ワイドギヤレシオとなる第1変速比列が選択される一方、エンジンの燃焼状態がリッチ燃焼であるときに、クロスギヤレシオとなる第2変速比列が選択される。なお、作動表の設定や切換えは、各作動表に従ってクラッチC1〜C5、ブレーキB1、B2の係合、解放状態が切り換えられて各変速段が成立させられるように、油圧回路を切り換える電磁弁の一連のON、OFFパターン等の設定や切換えを意味する。
図5は複数種類のシフトポジションを人為操作によりマニュアルで切り換えるシフト操作装置5の一例を示す図である。このシフト操作装置5は、運転席の側方に配設され、複数種類のシフトポジションを選択するために操作されるシフトレバー51を備えている。
シフトレバー51は、車両用自動変速機1内つまり第1および第2変速部2,3内の動力伝達経路が遮断されたニュートラル状態(中立状態)としかつ第1および第2変速部2,3の出力軸12をロックするための駐車ポジション「P(パーキング)」、後進走行のための後進走行ポジション「R(リバース)」、第1および第2変速部2,3内の動力伝達経路が遮断された中立状態とするための中立ポジション「N(ニュートラル)」、車両用自動変速機1の変速可能なトータル変速比の変化範囲内で自動変速制御を実行させる前進自動変速ポジション「D(ドライブ)」、または手動変速操作モード(マニュアルモード)を成立させて自動変速制御における高速側の変速段制限する所謂変速レンジを設定するための前進自動変速走行ポジション「M(マニュアル)」へ手動操作されるように設けられている。
図6は3種類の変速パターンを示す変速線図であって、ノーマルモード用の変速パターン(図6では実線で示す)、パワーモード用の変速パターン(図6では一点鎖線で示す)、エコノミーモード用の変速パターン(図6では二点鎖線で示す)を備え、これらの変速パターンは、変速制御装置100のROMに予め記憶されている。パワーモード用の変速パターンは、ノーマルモード用の変速パターンよりも高車速側で変速が行われるように定められ、エコノミーモード用の変速パターンは、ノーマルモード用の変速パターンよりも低車速側で変速が行われるように定められている。
また、図7はエンジンの回転速度に対するトルクの特性を示す燃料消費特性の効率マップであって、この燃料消費特性の効率マップは、エンジンおよび燃料種が決まると求められるものであり、変速制御装置100のROMに予め記憶されている。この図7では、オクタン価量の変化に起因して燃料消費特性が変化する場合の2つの燃料消費特性の効率マップのみを示している。この2つの燃料消費特性の効率マップのうち、上側に位置する燃料消費特性の効率マップは、燃料のオクタン価量が高くエンジンの燃料消費特性がリッチである場合を示し、下側に位置する燃料消費特性の効率マップは、燃料のオクタン価量が低くエンジンの燃料消費特性がリーンである場合を示しているが、そのオクタン価量は連続的に変化するものであるので、上記2例だけではなく、燃料消費特性の効率マップも連続的に変化している。なお、2例の燃料消費特性の効率マップは、それぞれ中心に行くに従い燃料消費特性が高くなっている。
そして、エンジンは、通常のガソリン燃料とは異なる異種燃料としてのバイオエタノールによっても燃焼可能とされ、バイオエタノールの含有率の変化によるオクタン価量の変化に起因して複数の燃焼状態に変化するようになっている。また、図4に示すように、変速制御装置100には変速比変更手段6が設けられており、この変速比変更手段6は、燃料のオクタン価量に起因して変化するエンジンの燃焼状態の変化の度合いに応じて、燃料消費特性の最適点にエンジンの動作点が近付けられるように車両用自動変速機1の変速比を変更している。つまり、図7に示すように、エンジンの燃焼状態が、燃料のオクタン価量が高く燃料消費特性がリッチである場合の燃焼状態から燃料のオクタン価量が低く燃料消費特性がリーンである場合(下側に位置する燃料消費特性の効率マップの場合)の燃焼状態に変化すると、車両用自動変速機1の変速比が変更され、これによって、上側に位置する燃料消費特性の効率マップの最適点に近いエンジンの動作点Aから下側に位置する燃料消費特性の効率マップの最適点に近いエンジンの動作点Bに変更されるようになっている。この場合、エンジンの燃焼状態の変化の度合いは、変速制御装置100において、ノッキングセンサおよび空燃比センサなどのセンサ類から入力された信号により判定されており、その判定に基づいて、燃料消費特性の最適点にエンジンの動作点が近付けられるように車両用自動変速機1の変速比が変速比変更手段6により変更されるようになっている。
また、変速比変更手段6は、変速比列変更手段61および変速パターン変更手段62を備えている。変速比列変更手段61は、エンジンの複数の燃焼状態の変化の度合いに応じて2つの変速比列のいずれか一方の変速比列に変更することによって燃料消費特性の最適点にエンジンの動作点が近付けられるように変速比を変更するものであり、その指令信号が変速比列切換手段104に対し出力されている。また、変速パターン変更手段62は、エンジンの燃焼状態の変化の度合いが小さいために変速比変更手段6または変速比列変更手段61による変速比列の変更によって変速比の変更が必要ない場合に、図6に示す変速パターンをノーマルモード用の変速パターンからパワーモード用の変速パターンまたはエコノミーモード用の変速パターンに変更するものであり、その指令信号が変速パターン切換手段102に対し出力されている。
そして、変速比列変更手段61により変速比列を変更する際に3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更時には、2つの要素による摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更と2つの要素による摩擦要素の切り換えを伴う変速比列の変更とをそれぞれ別々に複数回に分けて変速比の変更を行うようにしている。具体的には、第1変速比列の第1変速段「1st」から第2変速比列の第2変速段「2nd」への変速に際し、第1変速比列の第1変速段「1st」から同じ第1変速比列の第2変速段「2nd」に変速した後、第1変速比列の第2変速段「1nd」から第2変速比列の第2変速段「2nd」への変速比列の変更を行う。この場合、第1クラッチC1および第2ブレーキB2が係合状態にある第1変速比列の第1変速段「1st」から第2ブレーキB2の係合を解除して第1ブレーキB1を係合するといった、2つの係合要素の掴み替えによって、第1変速比列内での第1変速段「1st」から第2変速段「2nd」への変速比の変更を行った後、第1クラッチC1の係合を解除して第5クラッチC5を係合するといった、2つの係合要素の掴み替えによって、第1変速比列の第2変速段「2nd」から第2変速比列の第2変速段「2nd」への変速比列の変更を行う。
次に、燃料消費特性が相違する、バイオエタノールの含有率の変化によるオクタン価量の変化に起因して、エンジンの燃焼状態に変化が生じた場合の変速制御装置100による車両用自動変速機1の変速比を変更する制御の手順を図8のフローチャートに基づいて説明する。
まず、図8のフローチャートのステップST1において、燃料消費特性が相違するエンジンの燃焼状態が変化したか否かをノッキングセンサおよび空燃比センサからの検出値に基づいて判定する。この判定は、通常のガソリン燃料とは異なる異種燃料としてのバイオエタノールが混入されてタンク内のガソリン燃料中におけるバイオエタノールの含有率が所定量(例えば3%以上)を超えたか否かを基準にして判定している。
上記ステップST1の判定が、燃料消費特性が相違するエンジンの燃焼状態が変化したYESの場合には、ステップST2において、上記ステップST1におけるエンジンの燃焼状態の変化の度合いから、車両用自動変速機1の変速比を変更した方が燃費上有利であるか否かを判定する。
上記ステップST2の判定が、車両用自動変速機1の変速比を変更した方が燃費上有利であるYESの場合には、ステップST3において、変速比列変更手段61による変速比列の変更を伴う変速比の変更が必要であるか否かを判定する。このステップST3の判定が、変速比列の変更を伴う変速比の変更が必要であるYESの場合には、ステップST4において、変速比列の変更によって飛び越し変速が発生するか否かを判定する。この場合、飛び越し変速とは、例えば、図2のワイドギヤレシオの第1変速比列の第1変速段「1st」から図3のクロスギヤレシオの第2変速比列の第2変速段「2nd」に変速が発生する場合などを指す。このとき、第1変速比列の第1変速段「1st」から第2変速比列の第2変速段「2nd」への変速に際し、飛び越し変速が発生すると、3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更が行われる。
かかる点から、上記ステップST4の判定が、変速比列の変更によって飛び越し変速が発生するYESの場合には、ステップST5において、飛び越し変速が発生しないように中間変速段(この場合は、ワイドギヤレシオの第1変速比列の第2変速段「1nd」)への変速を介在させた後、ステップST6で、変速比列を変更する。具体的には、第1変速比列の第1変速段「1st」から同じ第1変速比列の第2変速段「2nd」に変速した後、第1変速比列の第2変速段「1nd」から第2変速比列の第2変速段「2nd」への変速比列の変更を行う。この場合、第1クラッチC1および第2ブレーキB2が係合状態にある第1変速比列の第1変速段「1st」から第2ブレーキB2の係合を解除して第1ブレーキB1を係合するといった、2つの係合要素の掴み替えによって、第1変速比列内での第1変速段「1st」から第2変速段「2nd」への変速比の変更を行った後、第1クラッチC1の係合を解除して第5クラッチC5を係合するといった、2つの係合要素の掴み替えによって、第1変速比列の第2変速段「2nd」から第2変速比列の第2変速段「2nd」への変速比列の変更を行う。
一方、上記ステップST4の判定が、変速比列の変更によって飛び越し変速が発生しないNOの場合には、そのまま上記ステップST6に進む。
その後、ステップST7において、上記ステップST1で判定されたエンジンの燃焼状態の変化の度合いに応じて変更された燃料消費特性の最適点(図7に示す効率マップの中心側の円)のできるだけ近くにエンジンの動作点を変更する。
一方、上記ステップST3の判定が、変速比列の変更を伴う変速比の変更が不要であるNOの場合には、ステップST8において、変速比のみを変更する。具体的には、第1変速比列の第1変速段「1st」から同じ第1変速比列の第2変速段「2nd」への変速比の変更を行う。この場合、第1クラッチC1および第2ブレーキB2が係合状態にある第1変速比列の第1変速段「1st」から第2ブレーキB2の係合を解除して第1ブレーキB1を係合するといった、2つの係合要素の掴み替えによって、第1変速比列内での第1変速段「1st」から第2変速段「2nd」への変速比の変更を行う。
その後、上記ステップST7に進む。
一方、上記ステップST2の判定が、車両用自動変速機1の変速比を変更すると燃費上不利となるNOの場合、つまりエンジンの燃焼状態の変化が小さいために変速比の変更や変速比列の変更が必要ない場合には、ステップST9において、変速比を変更せずに、図6に示すように、変速パターンを車速方向またはアクセル開度方向へずらせて、ノーマルモード用の変速パターンからパワーモード用の変速パターンまたはエコノミーモード用の変速パターンに変更する。
このように、上記実施例1では、通常のガソリン燃料とは異なるバイオエタノールが混入されてタンク内のガソリン燃料中におけるバイオエタノールの含有率の変化に起因して燃料消費特性が相違するエンジンの燃焼状態に変化が生じた場合、その燃焼状態の変化の度合いに応じて燃料消費特性の最適点にエンジンの動作点が近付けられるように車両用自動変速機1の変速比が変更される。このとき、エンジンの複数の燃焼状態の変化に応じて変速比列を変更することによって変速比が変更されると、車両用自動変速機1はその変速比の異なる変速段の選択自由度が増す。これにより、エンジンの燃焼状態に変化が生じた場合にその燃焼状態の変化の度合いに応じて燃料消費特性の最適点にエンジンの動作点が近付けられるように変速比を変更する際の有利な変速段への自由度が増し、燃料消費特性に有利なエンジン回転速度で車両を走行させることができる。しかも、2つの変速比列のなかから燃料消費特性の最適点に近いエンジンの動作点を使用させるような変速比列が選択されるので、エンジンの燃焼状態に変化が生じた場合、その燃焼状態の変化の度合いに応じて燃料消費特性の最適点にエンジンの動作点を近付けるような変速比列が選択されて車両用自動変速機1の変速比が変更されることになり、燃料消費特性に有利なエンジン回転速度で車両を走行させる上で非常に有利なものとなる。
また、変速比列を変更する際に3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更時に、2つの要素による摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更と2つの要素による摩擦要素の切り換えを伴う変速比列の変更とがそれぞれ別々に複数回に亘って行われるので、3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う飛び越し変速が禁止されて、2つの要素による摩擦要素の切り換えによって連続変速が実行され、変速ショックを緩和させることができる。しかも、3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更時に変速比の変更と変速比列の変更とがそれぞれ2つの要素による摩擦要素の切り換えによって簡単な制御で行われることになり、3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更を簡単な制御で行うことができる。
更に、エンジンの燃焼状態の変化が小さいために変速比の変更や変速比列の変更が必要ない場合には、変速比を変更せずに、変速パターンを車速方向またはアクセル開度方向へずらせて変更しているので、変速パターンが燃料消費特性に優れた変速パターンに変更され、より効率よく燃料消費特性に有利なエンジン回転速度で車両を走行させることができる。
次に、本発明の実施例2を図9〜図11に基づいて説明する。
この実施例では、第2変速部の構成を変更している。なお、第2変速部を除くその他の構成は、上記実施例1の場合と同じであり、同一部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
すなわち、本実施例2では、図9に示すように、第2変速部7は、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置71、ダブルピニオン型の第3遊星歯車装置72、シングルピニオン型の第4遊星歯車装置73、および第5遊星歯車装置74を主体として構成されている。第2遊星歯車装置71のピニオンギヤは大径部および小径部を有する段付ピニオン75で、その小径部がピニオンギヤとして機能して第2遊星歯車装置71のサンギヤS2およびリングギヤR2と噛み合わされている一方、大径部には第5遊星歯車装置74のリングギヤR5が噛み合わされている。また、第2遊星歯車装置71、第3遊星歯車装置72のキャリアCA2およびCA3は共通の部材にて構成されているとともに、サンギヤS2およびS3は共通の部材にて構成されており、第2遊星歯車装置71のピニオンギヤ(段付ピニオン75の小径部)は第3遊星歯車装置72の第1ピニオンギヤ(サンギヤS3と噛み合うピニオンギヤ)を兼ねている。
そして、第2変速部7を構成している第2遊星歯車装置71、第3遊星歯車装置72、第4遊星歯車装置73、および第5遊星歯車装置74は、一部が互いに連結されることによって6つの回転要素RM1〜RM6が構成されており、具体的には、第2遊星歯車装置71のサンギヤS2および第3遊星歯車装置72のサンギヤS3が互いに連結されて第1回転要素RM1が構成され、第4遊星歯車装置73のリングギヤR4によって第2回転要素RM2が構成され、第3遊星歯車装置72のリングギヤR3および第4遊星歯車装置73のキャリアCA4が互いに連結されて第3回転要素が構成され、第2遊星歯車装置71のキャリアCA2、第3遊星歯車装置72のキャリアCA3、第4遊星歯車装置73のサンギヤS4、および第5遊星歯車装置74のキャリアCA5が互いに連結されて第4回転要素RM4が構成され、第2遊星歯車装置71のリングギヤR2によって第5回転要素RM5が構成され、第5遊星歯車装置74のリングギヤR5によって第6回転要素RM6が構成されている。
また、上記第1回転要素RM1(サンギヤS2、S3)は第1ブレーキB1によってケース13に選択的に連結されて回転停止させられ、第3回転要素RM3(リングギヤR3およびキャリアCA4)は第2ブレーキB2によってケース13に選択的に連結されて回転停止させられ、第5回転要素RM5(リングギヤR2)は第1クラッチC1を介して中間出力部材である第1遊星歯車装置21のリングギヤR1すなわち第2入力経路PA2に選択的に連結され、第1回転要素RM1(サンギヤS2、S3)は第2クラッチC2を介して同じくリングギヤR1すなわち第2入力経路PA2に選択的に連結され、第2回転要素RM2(リングギヤR4)は第3クラッチC3を介して入力軸41すなわち第1入力経路PA1に選択的に連結され、第3回転要素RM3(リングギヤR3およびキャリアCA4)は第4クラッチC4を介して入力軸41すなわち第1入力経路PA1に選択的に連結され、第6回転要素RM6(リングギヤR5)は第5クラッチC5を介して上記リングギヤR1すなわち第2入力経路PA2に選択的に連結され、第4回転要素RM4(キャリアCA2、CA3、サンギヤS4、およびキャリアCA5)は出力部材としての出力歯車76に一体的に連結されて回転を出力するようになっている。この実施例では、第1変速部2の第1遊星歯車装置21のキャリアCA1を経由して第1入力経路PA1が構成されている。
そして、図10に示すように、第1クラッチC1および第2ブレーキB2が係合させられて、第5回転要素RM5が第1変速部2を介して減速回転させられるとともに第3回転要素RM3が回転停止させられると、出力歯車76に連結された第4回転要素RM4は「1st」で示す回転速度で回転させられ、最も大きい変速比の第1変速段「1st」が成立させられる。第1クラッチC1および第1ブレーキB1が係合させられて、第5回転要素RM5が第1変速部2を介して減速回転させられるとともに第1回転要素RM1が回転停止させられると、第4回転要素RM4は「2nd」で示す回転速度で回転させられ、第1変速段「1st」よりも変速比が小さい第2変速段「2nd」が成立させられる。第1クラッチC1および第2クラッチC2が係合させられて、第2変速部7が第1変速部2を介して一体的に減速回転させられると、第4回転要素RM4は「3rd」で示す回転速度すなわち第1変速部2のリングギヤR1と同じ回転速度で回転させられ、第2変速段「2nd」よりも変速比が小さい第3変速段「3rd」が成立させられる。第1クラッチC1および第3クラッチC3が係合させられて、第5回転要素RM5が第1変速部2を介して減速回転させられるとともに第2回転要素RM2が入力軸41と一体回転させられると、第4回転要素RM4は「4th」で示す回転速度で回転させられ、第3変速段「3rd」よりも変速比が小さい第4変速段「4th」が成立させられる。なお、第1クラッチC1および第3クラッチC3が係合させる代わりに、第1クラッチC1および第4クラッチC4を係合させることにより、第5回転要素RM5を第1変速部2を介して減速回転させるとともに第3回転要素RM3を入力軸41と一体回転させて第4変速段「4th」を成立させることもできる。
第3クラッチC3および第4クラッチC4が係合させられて、第2変速部7が入力軸41と一体回転させられると、第4回転要素RM4は「5th」で示す回転速度すなわち入力軸41と同じ回転速度で回転させられ、第4変速段「4th」よりも変速比が小さい第5変速段「5th」が成立させられる。この第5変速段「5th」の変速比は1.0である。第2クラッチC2および第4クラッチC4が係合させられて、第1回転要素RM1が第1変速部2を介して減速回転させられるとともに第3回転要素RM3が入力軸41と一体回転させられると、第4回転要素RM4は「6th」で示す回転速度で回転させられ、第5変速段「5th」よりも変速比が小さい第6変速段「6th」が成立させられる。第4クラッチC4および第1ブレーキB1が係合させられて、第3回転要素RM3が入力軸41と一体回転させられるとともに第1回転要素RM1が回転停止させられると、第4回転要素RM4は「7th」で示す回転速度で回転させられ、第6変速段「6th」よりも変速比が小さい第7変速段「7th」が成立させられる。第3クラッチC3および第1ブレーキB1が係合させられて、第2回転要素RM2が入力軸41と一体回転させられるとともに第1回転要素RM1が回転停止させられると、第4回転要素RM4は「8th」で示す回転速度で回転させられ、第7変速段「7th」よりも変速比が小さい第8変速段「8th」が成立させられる。
また、第2クラッチC2および第2ブレーキB2が係合させられると、第1回転要素RM1が第1変速部2を介して減速回転させられるとともに第3回転要素RM3が回転停止させられることにより、第4回転要素RM4は「Rev」で示す回転速度で逆回転させられ、後進変速段「Rev」が成立させられる。
この場合も、図10の(b)から明らかなように、クラッチC1〜C4およびブレーキB1、B2の何れか2つを掴み替えるだけで、連続する各変速段の変速を行うことができる。また、各変速段の変速比は、第1遊星歯車装置21、第2遊星歯車装置71、第3遊星歯車装置72、第4遊星歯車装置73の各ギヤ比ρ1〜ρ4によって適宜定められ、例えばρ1=0.450、ρ2=0.351、ρ3=0.368、ρ4=0.286とすれば、図10の(b)に示す変速比が得られ、変速比ステップが略一定で適切な値であるとともに、トータルの変速比幅(=3.550/0.526)も6.745程度と大きく、後進変速段「Rev」の変速比も適当で、全体として適切な変速比特性が得られる。
一方、第1クラッチC1を係合させる代わりに第5クラッチC5を係合させ、第6回転要素RM6を第1変速部2を介して減速回転させることにより、第1変速段「1st」〜第4変速段「4th」を成立させることができる。これらの変速段の変速比は、第1クラッチC1を係合させる場合に比較して変化するが、図10の(a)における第6回転要素RM6(リングギヤR5)の位置すなわち第5遊星歯車装置74のギヤ比ρ5に応じて適宜定められ、このギヤ比ρ5を適当に設定することにより、第1クラッチC1の係合によって成立する第1変速段「1st」〜第4変速段「4th」の代わりに用いることができる。
本実施例では、図11に示すように、第1変速段「1st」〜第4変速段「4th」の総てについて、第1クラッチC1を係合させる代わりに第5クラッチC5を係合させることにより、成立させられるようになっている。これらの変速段「1st」〜「4th」は、第1クラッチC1および第5クラッチC5以外のクラッチおよびブレーキの係合、解放状態は同じで、具体的には第5クラッチC5および第2ブレーキB2が係合させられて、第6回転要素RM6が第1変速部2を介して減速回転させられるとともに第3回転要素RM3が回転停止させられることにより、最も大きい変速比の第1変速段「1st」が成立させられる。また、第5クラッチC5および第1ブレーキB1が係合させられて、第6回転要素RM6が第1変速部2を介して減速回転させられるとともに第1回転要素RM1が回転停止させられることにより、第2変速段「2nd」が成立させられ、第2クラッチC2および第5クラッチC5が係合させられて、第2変速部7が第1変速部2を介して一体的に減速回転させられることにより、第3変速段「3rd」が成立させられ、第3クラッチC3および第5クラッチC5が係合させられて、第2回転要素RM2が入力軸41と一体回転させられるとともに第6回転要素RM6が第1変速部2を介して減速回転させられることにより、第4変速段「4th」が成立させられる。この第4変速段「4th」は、第4クラッチC4および第5クラッチC5を係合させて、第3回転要素RM3を入力軸41と一体回転させるとともに第6回転要素RM6を第1変速部2を介して減速回転させることにより成立させることもできる。
これらの変速段「1st」〜「4th」を用いた変速制御でも、図11の(b)から明らかなように、総ての変速で2つの係合要素(クラッチまたはブレーキ)を掴み替えるだけで変速を行うことができる。また、変速段「1st」〜「4th」の変速比は、第5遊星歯車装置74のギヤ比ρ5に応じて適宜定められ、例えばρ5=0.561とすれば図11の(b)に示す変速比が得られる。これを第1クラッチC1を係合させる図10の場合と比較すると、第3変速段「3rd」の変速比は1.818で同じであるが、第1変速段「1st」では3.550が4.589になるとともに、第2変速段「2nd」では2.456が2.839になり、何れも少し大きな値となって駆動トルクが増加する一方、第4変速段「4th」では1.349が1.259になって僅かに小さな値になる。また、トータルの変速比幅は8.719程度となり、図10の場合に比較してワイドギヤレシオになる。
本実施例では、第1クラッチC1を係合させることによって成立させられる図10の第1変速段「1st」〜第4変速段「4th」が第1変速比列で、第5クラッチC5を係合させることによって成立させられる図11の第1変速段「1st」〜第4変速段「4th」が第2変速比列であり、第1変速段「1st」〜第8変速段「8th」全体のギヤレシオは第2変速比列の方が第1変速比列よりもワイドで発進加速性能が優れている。そして、本実施例の車両用自動変速機1′においても、第5回転要素RM5が第1クラッチC1により第2入力経路PA2に連結されることにより図10に示す第1変速比列の連続する第1変速段「1st」〜第4変速段「4th」が成立させられ、第6回転要素RM6が第5クラッチC5により第2入力経路PA2に連結されることにより図11に示す第2変速比列の連続する第1変速段「1st」〜第4変速段「4th」が成立させられるため、例えば上記実施例1と同様にパワーモード選択スイッチ110によるパワーモードの選択や変速比列選択スイッチ116による変速比列そのものの選択に応じてそれ等の変速比列を切り換えて一連の変速が行われることにより、一層適切な変速制御が行われるようになる。また、エンジンの燃焼状態がリーン燃焼であるときに、ワイドギヤレシオとなる第2変速比列が変速比列切換手段104により選択される一方、エンジンの燃焼状態がリッチ燃焼であるときに、クロスギヤレシオとなる第1変速比列が変速比列切換手段104により選択される。
この場合、変速比列変更手段61による変速比列の変更を伴う変速比の変更によって飛び越し変速、例えば、図11のワイドギヤレシオの第2変速比列の第1変速段「1st」から図10のクロスギヤレシオの第1変速比列の第2変速段「2nd」への変速が発生するときには、第2変速比列の第1変速段「1st」から第1変速比列の第2変速段「2nd」への変速に際し、飛び越し変速が発生すると、3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更が行われる。このため、飛び越し変速が発生しないように中間変速段(この場合は、ワイドギヤレシオの第2変速比列の第2変速段「1nd」)への変速を介在させた後、変速比列を変更する。具体的には、第2変速比列の第1変速段「1st」から同じ第2変速比列の第2変速段「2nd」に変速した後、第2変速比列の第2変速段「1nd」から第1変速比列の第2変速段「2nd」への変速比列の変更を行う。このとき、第2クラッチC1および第2ブレーキB2が係合状態にある第2変速比列の第1変速段「1st」から第2ブレーキB2の係合を解除して第1ブレーキB1を係合するといった、2つの係合要素の掴み替えによって、第2変速比列内での第1変速段「1st」から第2変速段「2nd」への変速比の変更を行った後、第5クラッチC5の係合を解除して第1クラッチC1を係合するといった、2つの係合要素の掴み替えによって、第2変速比列の第2変速段「2nd」から第1変速比列の第2変速段「2nd」への変速比列の変更を行う。
このように、上記実施例2においても、ガソリン燃料中におけるバイオエタノールの含有率の変化に起因して燃料消費特性が相違するエンジンの燃焼状態に変化が生じた場合、その燃焼状態の変化の度合いに応じて燃料消費特性の最適点にエンジンの動作点が近づけられるように車両用自動変速機1′の変速比が変更される。このとき、エンジンの複数の燃焼状態の変化に応じて第1または第2変速比列を変更することによって変速比が変更されると、車両用自動変速機1′はその変速比の異なる変速段の選択自由度が増す。これにより、エンジンの燃焼状態に変化が生じた場合にその燃焼状態の変化の度合いに応じて燃料消費特性の最適点にエンジンの動作点が近付けられるように変速比を変更する際の有利な変速段への自由度が増し、燃料消費特性に有利なエンジン回転速度で車両を走行させることができる。しかも、2つの変速比列のなかから燃料消費特性の最適点に近いエンジンの動作点が使用されるような変速比列が選択されるので、エンジンの燃焼状態に変化が生じた場合、その燃焼状態の変化の度合いに応じて燃料消費特性の最適点にエンジンの動作点を近付けるような変速比列が選択されて車両用自動変速機1′の変速比が変更されることになり、燃料消費特性に有利なエンジン回転速度で車両を走行させる上で非常に有利なものとなる。
また、変速比列を変更する際に3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更時に、2つの要素による摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更と2つの要素による摩擦要素の切り換えを伴う変速比列の変更とがそれぞれ別々に複数回に亘って行われるので、3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う飛び越し変速が禁止されて、2つの要素による摩擦要素の切り換えによって連続変速が実行され、変速ショックを緩和させることができる。しかも、3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更時に変速比の変更と変速比列の変更とがそれぞれ2つの要素による摩擦要素の切り換えによって簡単な制御で行われることになり、3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更を簡単な制御で行うことができる。
なお、本発明は、上記各実施例に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、上記各実施例では、第1および第2変速比列共に8段変速の場合について述べたが、各変速比列共に第1変速段「1st」〜第7変速段「7th」、第2変速段「2nd」〜第8変速段「8th」、或いは第1変速段「1st」〜第6変速段「6th」+第8変速段「8th」などの前進7段で変速制御を行うこともできるし、各変速比列共に前進6段以下の変速段で変速制御を行うことも可能である。また、各変速比列の変速段数が互いに異なっていてもよい。更に、変速比列も2つに限られたものではなく、変速比列が3つ以上であってもよい。
また、上記各実施例では、ガソリン燃料中におけるバイオエタノールの含有率の変化に起因してエンジンの燃焼状態に変化が生じる場合にその燃焼状態の変化の度合いに応じて車両用自動変速機1,1′の変速比を変更するようにしたが、エンジンの燃焼状態の変化が、ハイオクガソリンおよびレギュラーガソリンの混合による燃料のオクタン価量の変化に起因したり、過給機による過給圧の変化に起因したり、空燃比のリーンな燃焼モードとリッチな燃焼モードとの切替え時の変化に起因したり、エンジンの暖機後におけるリーンな燃焼モードでの燃焼の変化に起因したりする場合に、それらの燃焼状態の変化の度合いに応じて車両用自動変速機の変速比が変更されるようにしてもよいのはもちろんである。
以上、本発明の各実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これらはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
1,1′ 車両用自動変速機(有段変速機)
A,B エンジンの動作点(内燃機関の動作点)
6 変速比変更手段
61 変速比列変更手段
C1 第1クラッチ(摩擦要素)
C2 第2クラッチ(摩擦要素)
C3 第3クラッチ(摩擦要素)
C4 第4クラッチ(摩擦要素)
C5 第5クラッチ(摩擦要素)
B1 第1ブレーキ(摩擦要素)
B2 第2ブレーキ(摩擦要素)
A,B エンジンの動作点(内燃機関の動作点)
6 変速比変更手段
61 変速比列変更手段
C1 第1クラッチ(摩擦要素)
C2 第2クラッチ(摩擦要素)
C3 第3クラッチ(摩擦要素)
C4 第4クラッチ(摩擦要素)
C5 第5クラッチ(摩擦要素)
B1 第1ブレーキ(摩擦要素)
B2 第2ブレーキ(摩擦要素)
Claims (9)
- 燃料消費特性が相違する複数の燃焼状態を有する内燃機関と、
この内燃機関に連結された有段変速機と、
上記内燃機関の燃焼状態の変化の度合いに応じて上記有段変速機の変速比を変更する変速比変更手段と
を備えていることを特徴とする動力伝達装置の制御装置。 - 請求項1に記載の動力伝達装置の制御装置において、
上記有段変速機は、複数の変速比列を備えており、
上記変速比変更手段は、上記内燃機関の複数の燃焼状態の変化に応じて上記変速比列を変更することによって変速比を変更する変速比列変更手段を備えていることを特徴とする動力伝達装置の制御装置。 - 請求項2に記載の動力伝達装置の制御装置において、
上記変速比列変更手段の変速比列を変更する際に3つの要素以上の摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更時には、2つの要素による摩擦要素の切り換えを伴う変速比の変更と2つの要素による摩擦要素の切り換えを伴う変速比列の変更とをそれぞれ別々に複数回に分けて変速比の変更を行うようにしていることを特徴とする動力伝達装置の制御装置。 - 請求項2に記載の動力伝達装置の制御装置において、
上記変速比列変更手段は、その変速比列のなかから燃料消費特性の最適点に近い内燃機関の動作点が使用されるような複数の変速段を有する変速比列を選択していることを特徴とする動力伝達装置の制御装置。 - 請求項1に記載の動力伝達装置の制御装置において、
上記内燃機関の燃焼状態の変化は、上記異種燃料の含有率の変化に起因するものであることを特徴とする動力伝達装置の制御装置。 - 請求項1に記載の動力伝達装置の制御装置において、
上記内燃機関の燃焼状態の変化は、燃料のオクタン価量の変化に起因するものであることを特徴とする動力伝達装置の制御装置。 - 請求項1に記載の動力伝達装置の制御装置において、
上記内燃機関の吸気経路の途中には、吸気を過給する過給機が介設されており、
上記内燃機関の燃焼状態の変化は、上記過給機による過給圧の変化に起因するものであることを特徴とする動力伝達装置の制御装置。 - 請求項1に記載の動力伝達装置の制御装置において、
上記内燃機関は、空燃比のリーンな燃焼モードとリッチな燃焼モードとに切替えて運転するようになっており、
上記内燃機関の燃焼状態の変化は、上記2つの燃焼モードの切替え時の変化に起因するものであることを特徴とする動力伝達装置の制御装置。 - 請求項1に記載の動力伝達装置の制御装置において、
上記内燃機関の燃焼状態の変化が小さいために上記変速比変更手段による変速比の変更および上記変速比列変更手段による変速比列の変更が必要ないときには、変速パターンのみを変更していることを特徴とする動力伝達装置の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007291955A JP2009115285A (ja) | 2007-11-09 | 2007-11-09 | 動力伝達装置の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007291955A JP2009115285A (ja) | 2007-11-09 | 2007-11-09 | 動力伝達装置の制御装置 |
Publications (1)
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JP2009115285A true JP2009115285A (ja) | 2009-05-28 |
Family
ID=40782633
Family Applications (1)
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JP2007291955A Pending JP2009115285A (ja) | 2007-11-09 | 2007-11-09 | 動力伝達装置の制御装置 |
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JP (1) | JP2009115285A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015067394A (ja) * | 2013-09-27 | 2015-04-13 | 株式会社豊田自動織機 | 産業車両 |
-
2007
- 2007-11-09 JP JP2007291955A patent/JP2009115285A/ja active Pending
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