JP2009114400A - 熱可塑性樹脂組成物及び該組成物を用いるエンジニアリングプラスチックの改質方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及び該組成物を用いるエンジニアリングプラスチックの改質方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジニアリングプラスチックの流動性を過度に低下させることなく、その衝撃強度を改良し得る熱可塑性樹脂組成物の提供。
【課題手段】エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂(成分(A))0.6〜24質量%と、エポキシ樹脂(成分(B))3〜20質量%と、エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))60〜96.4質量%とを含有する樹脂成分を溶融混練してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物(成分(A)、(B)及び(C)の合計量を100質量%とする)、及び該組成物を用いたエンジニアリングプラスチックの改質方法。好ましくは、成分(A)が0.8〜23質量%、成分(B)が5〜15質量%、成分(C)が62〜95質量%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物及び該組成物を用いたエンジニアリングプラスチックの改質方法に関する。さらに詳細には、エンジニアリングプラスチックの流動性を過度に低下させずにその衝撃強度を改良し得る改質剤としての熱可塑性樹脂組成物、及び該組成物を用いたエンジニアリングプラスチックの改質方法に関するものである。
従来から、エンジニアリングプラスチックの機械的物性等を改良する方法としては、エンジニアリングプラスチックにグリシジルエステルを含有する共重合体を添加する方法等が知られている。
例えば、特開昭52−32045号公報(特許文献1)には、ポリエステル系樹脂組成物の耐衝撃性、柔軟性、耐摩耗性などの機械的性質の改良を目的とし、テレフタル酸を含有するジカルボン酸成分及びジオール成分からなる飽和ポリエステルに、α−オレフィン、グリシジルメタクリレート及び酢酸からなる共重合体を溶融混合してなる樹脂組成物が記載されている。
特開昭55−137154号公報(特許文献2)には、ポリアルキレンテレフタレートの耐熱水性と機械的性質の改良を目的とし、ポリアルキレンテレフタレートに対し、特定のオレフィン系共重合体と多官能性化合物を配合してなるポリエステル組成物が記載されている。
特開昭58−17148号公報(特許文献3)には、ポリエステル組成物の低温時の耐衝撃性の改善を目的とし、芳香族ポリエステルに対して特定のグリシジル基を含有する共重合体と共に、更に特定のエチレン系共重合体を含有せしめてなるポリエステル組成物が記載されている。
しかし、上記特許文献1〜3に開示されているような、ポリエステルにグリシジルエステルを含有する共重合体を加える方法では、ポリエステル末端の−COOH基とエポキシ基、もしくはエポキシ基同士が過度に反応を起こし、溶融混練によっても均一に分散し難い架橋体を生じるため、製品の外観や物性が損なわれてしまう場合がある。
特開2005−68205号公報(特許文献4)では、そのような過度の反応を起因とする外観不良を生じることなくポリエステルの衝撃強度や耐加水分解性を改良し得る組成物として、エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂10〜99質量%及びエポキシ樹脂1〜90質量%を溶融混練してなる改質用組成物が提案されているが、得られるエンジニアリングプラスチックの流動性についてはさらなる改良が求められている。
特開昭52−32045号公報 特開昭55−137154号公報 特開昭58−17148号公報 特開2005−68205号公報
本発明の目的は、エンジニアリングプラスチックの流動性を過度に低下させることなく、その衝撃強度を改良し得る熱可塑性樹脂組成物、及び該組成物を用いたエンジニアリングプラスチックの改質方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意努力した結果、以下に示す熱可塑性樹脂組成物が前述の課題を解決出来ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下に記載する熱可塑性樹脂組成物、及び該組成物を使用したエンジニアリングプラスチックの改質方法に関する。
[1]エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂(成分(A))0.6〜24質量%と、エポキシ樹脂(成分(B))3〜20質量%と、エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))60〜96.4質量%とを含有する樹脂成分を溶融混練してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物(成分(A)、(B)及び(C)の合計量を100質量%とする)。
[2]成分(A)が、下記単位(a1)及び下記単位(a2−1)を有するエポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂、または下記単位(a1)及び下記単位(a2−2)を有するエポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂である前記1記載の熱可塑性樹脂組成物;
単位(a1)エチレンから誘導される単位、
単位(a2−1)エチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸グリシジルエステルから誘導される単位、
単位(a2−2)エチレンと共重合可能な不飽和基を有するグリシジルエーテルから誘導される単位。
[3]単位(a1)が50〜99.9質量%、単位(a2−1)または単位(a2−2)が0.1〜50質量%である前記2に記載の熱可塑性樹脂組成物(単位(a1)と単位(a2−1)または単位(a2−2)との合計量を100質量%とする。)。
[4]成分(A)が0.8〜23質量%、成分(B)が5〜15質量%、及び成分(C)が62〜95質量%である前記1記載の熱可塑性樹脂組成物。
[5]前記1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物とエンジニアリングプラスチックとを溶融混練することを特徴とするエンジニアリングプラスチックの改質方法。
[6]前記1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物とポリエステル樹脂とを溶融混練することを特徴とするポリエステル樹脂の改質方法。
エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂(成分(A))とエポキシ樹脂(成分(B))とエチレン−α−オレフィン系共重合体(成分(C))とを含有する樹脂成分を溶融混練することにより得られる本発明の熱可塑性樹脂組成物、及び該組成物を使用したエンジニアリングプラスチックの改質方法によれば、エンジニアリングプラスチックの流動性を過度に低下させることなく、衝撃強度、特に常温における衝撃強度を改良することができる。
[1]熱可塑性樹脂組成物
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂(成分(A))、エポキシ樹脂(成分(B))及びエチレン−α−オレフィン系共重合体(成分(C))とを含有する樹脂成分を溶融混練してなる。
成分(A):エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂
本発明で用いるエポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂(成分(A))は、エチレンから誘導される単位(a1)とエポキシ基含有エチレンから誘導される単位(a2)とを含有してなる。エポキシ基含有エチレンから誘導される単位(a2)としては、具体的にはエチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸グリシジルエステルから誘導される単位(a2−1)やエチレンと共重合可能な不飽和基を有するグリシジルエーテルから誘導される単位(a2−2)が挙げられる。
成分(A)中の単位(a1)と単位(a2)との割合、具体的には単位(a1)と単位(a2−1)または単位(a2−2)との割合との割合は、単位(a1)50〜99.9質量%、単位(a2−1)または単位(a2−2)0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは単位(a1)80〜99.5質量%、単位(a2−1)または単位(a2−2)0.5〜20質量%である。ここで、単位(a1)と(a2−1)または(a2−2)との合計は100質量%である。
エポキシ基含有エチレンから誘導される単位(a2)において、エチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸グリシジルエステルから誘導される単位(a2−1)のための単量体としては、例えば下記一般式(X)で示される不飽和グリシジルエステル類が挙げられ、エチレンと共重合可能な不飽和基を有するグリシジルエーテルから誘導される単位(a2−2)のための単量体としては、例えば下記一般式(Y)で示される不飽和グリシジルエーテル類が挙げられる
Figure 2009114400
式中、Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、エチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜8個の炭化水素基を表し、具体的にはビニル基、アリル基等が挙げられる。
一般式(X)で示される化合物としては、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられ、一般式(Y)で示される化合物としては、例えばアリルグリシジルエーテルが挙げられる。
成分(A)は、例えば、以下の(i)または(ii)の方法により製造することができる。
(i)一般式(X)、(Y)等で示されるエポキシ基含有エチレン系単量体をポリオレフィンにグラフト反応させる方法。
(ii)一般式(X)、(Y)等で示されるエポキシ基含有エチレン系単量体とエチレン系単量体(例えば、エチレン、α−オレフィンもしくはエポキシ基を含まないエチレン系単量体)とを共重合する方法。
上記(i)のグラフト反応は、例えば、次の(i-1)〜(i-3)の方法により実施することができる。
(i-1)溶液グラフト:キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素化合物、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素化合物などの溶媒中でポリオレフィンと、エポキシ基を含有するエチレン系単量体と、ラジカル重合開始剤とを加熱混合させて製造する方法、
(i-2)懸濁グラフト:必要に応じて界面活性剤を用い、ポリオレフィンと、エポキシ基を含有するエチレン系単量体と、ラジカル重合開始剤とを水中に懸濁状態で分散させてグラフト重合する方法、
(i-3)溶融グラフト:ポリオレフィンと、エポキシ基を含有するエチレン系単量体とラジカル重合開始剤を、押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどの一般に合成樹脂の分野で使われている混練機を使用し、溶融混合させて製造する方法。
上記(i-3)の溶融グラフト法におけるグラフト条件としては、ポリオレフィンの劣化、エポキシ基含有エチレン系単量体の分解、ラジカル重合開始剤の分解温度などを考慮して適宜選定され、グラフト重合の温度としては一般には80〜350℃であり、好ましくは100〜300℃である。
グラフト反応によって得られるエポキシ基含有ポリオレフィン樹脂(成分(A))に含有されるエポキシ基含有エチレン系単量体単位の含有量は、得られるエンジニアリングプラスチック樹脂の改質効果を高めるという観点や、エポキシ基含有エチレン系単量体の単独重合がグラフト反応より優先的に進行することを抑えるという観点から、通常、0.1〜50質量%であり、好ましくは0.5〜20質量%である。ここで、エポキシ基含有エチレン系単量体単位と、ポリオレフィン単位との合計を100質量%とする。
グラフト反応で使用されるラジカル重合開始剤は、通常、一分半減期温度が80℃以上のものが使用される。
上記(i-1)の溶液グラフト法に用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルヒドローオキシド、ジクミルパーオキシド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
上記(i-2)の懸濁グラフト法に用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルヒドローオキシド、ジクミルパーオキシド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。また必要に応じて用いられる界面活性剤としては、例えばポリビニルアルコール、セルロース化合物、アクリル酸系化合物、無機塩及びアルキレンオキサイド等が挙げられる。
上記(i-3)の溶融グラフト法に用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−第3級−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3級−ブチル−パーオキシ)ヘキサンなどの有機過酸化物が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、グラフト反応を十分に進行させるという観点や、ポリオレフィンの分解反応及び架橋反応の顕著な進行を抑えるという観点から、ポリオレフィン100質量部に対して一般に0.001〜5質量部である。
上記(ii)の共重合反応は、一般式(X)、(Y)等で示されるエポキシ基含有エチレン系単量体とエチレン系単量体(例えば、エチレン、α−オレフィンもしくはエポキシ基を含まないエチレン系単量体)とを共重合する方法である。
また、前記エポキシ基含有エチレン系単量体及び前記エチレン系単量体の他に、他のコモノマーを共重合させてもよく、このような他のコモノマーとしては、不飽和カルボン酸エステルやビニルエステルが挙げられる。
不飽和カルボン酸エステルとしては、アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、通常、炭素数3〜30個のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、好ましくは、炭素数4〜20個のアルキル(メタ)アクリレートである。中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタアクリレート等が好ましい。
アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、通常、炭素数4〜35個のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、好ましくは、炭素数4〜20個のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートである。中でも、メトキシアクリレート、エトキシアクリレート、ブトキシアクリレート、メトキシメタアクリレート等が好ましい。
ビニルエステルとしては、通常、炭素数が20個以下のビニルエステルが挙げられ、好ましくは、炭素数4〜16個のビニルエステルである、中でも酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチレート等が好ましく、特に酢酸ビニルが好ましい。
共重合反応による製造方法は特に制限されず、公知の種々の重合方法が利用できるが、高圧法低密度ポリエチレンの製造設備を使用して共重合反応を行う方法が好ましく、具体的には、次の製造方法(ii-1)及び(ii-2)が挙げられる。
(ii-1):エチレンと、前記式(X)または(Y)で示される化合物とをラジカル発生剤の存在下、50〜400MPaの圧力下で、100〜300℃の温度で、適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に、共重合させる方法。
(ii-2):エチレンと、α−オレフィンと、不飽和カルボン酸エステル、ビニルエステル等のコモノマーと、前記式(X)または(Y)で示される化合物とを、ラジカル発生剤の存在下、50〜400MPaの圧力下で、100〜300℃の温度で、適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に、共重合させる方法。
共重合反応によって得られるエポキシ基含有ポリオレフィン樹脂(成分(A))に含有されるエポキシ基含有エチレン系単量体単位の含有量は、通常、0.1〜50質量%であり、好ましくは0.5〜20質量%である。ここで、エポキシ基含有エチレン系単量体単位と、ポリオレフィン単位との合計を100質量%とする。また、エポキシ基含有エチレン系単量体単位と、ポリオレフィン単位のモル比で言うと、エポキシ基含有単量体単位のモル比は、好ましくは0.2〜20モル%であり、より好ましくは0.5〜15モル%である。なお、共重合体に含有するエポキシ基含有単量体単位と、オレフィン単位との合計を100モル%とし、ここで言う「単位」とは、重合されたモノマーの単位を意味する。
共重合反応で使用されるラジカル発生剤としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−第3級−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3級−ブチル−パーオキシ)ヘキサンなどの有機過酸化物が挙げられる。
本発明で用いられるエポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂(成分(A))は、エンジニアリングプラスチックの改質用に用いられることから、熱安定性に優れるエチレンとグリシジルメタクリレートとの共重合体が特に好ましい。
エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂(成分(A))は、作業性の観点から、常温でペレット状で互着などがないものが好ましい。
成分(B):エポキシ樹脂
本発明で用いられるエポキシ樹脂(成分(B))は、分子中に平均して少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物である。
中でも、本発明の効果を十分に発現させるという観点から、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂が好ましい。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、グリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂であり、フェノール類やアルコールとエピクロルヒドリンを強アルカリ存在下で反応させて合成されるエポキシ樹脂である。
このようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられ、また、ハイドロキノン、レゾルシン等の二価フェノール類を用いて得られるエポキシ樹脂も挙げられる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、エピコート828、825、1001(ジャパンエポキシレジン株式会社製,商品名)、エポミックR−140P、R−304(三井化学株式会社製,商品名)、エピクロン855(大日本インキ化学工業株式会社製,商品名)、DER331(ダウケミカル社製,商品名)等が挙げられる。
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、スミエポキシESCN220HH(住友化学株式会社製,商品名)、スミエポキシESCN195XHH(住友化学株式会社製,商品名)等が挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂は、フタル酸誘導体や合成脂肪族酸のカルボニル基とエピクロルヒドリンを反応させて合成されるエポキシ樹脂である。
このようなグリシジルエステル型エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、p−オキシ安息香酸、m−オキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族カルボン酸から誘導されるグリシジルエステル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂は、1級あるいは2級アミン類と、エピクロルヒドリンを反応させて合成されるエポキシ樹脂である。
このようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン等から誘導される芳香族アミン系エポキシ樹脂等が挙げられる。
環状脂肪族型エポキシ樹脂は、炭素−炭素2重結合を持つ相当する化合物を過酢酸のような過酸化物で酸化する工程と、エポキシ化する工程からなる製造方法によって製造することができる。
このような環状脂肪族型エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、EHPE 3150(ダイセル化学工業株式会社製,商品名)が挙げられる。
エポキシ樹脂を配合することで、樹脂組成物の流動性を向上させる他、エポキシ基含有ポリオレフィン樹脂との溶融混練物がポリエステル樹脂を改質する際の分散性を改善し、分散不良による大粒子の発生を防止しすることで、ポリエステル樹脂の強度や伸び及び衝撃強度の改質効果をより向上することができる。
上述したエポキシ樹脂(成分(B))は、作業性の観点から常温で固体状のものが好ましく用いられる。
成分(C):エチレン−α−オレフィン共重合体
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))のα−オレフィンとしては、炭素数3〜12のα−オレフィンであり、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。好ましいα−オレフィンは炭素数5〜12のものである。
エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))の具体例としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))におけるエチレンから誘導される単量体単位の含有量は、成分(C)に含有される単量体単位の合計量を100質量部としたとき、70〜85質量部であることが好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))は、衝撃強度を改良するという観点から、エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂(成分(A))と同程度のガラス転移温度を持つものが好ましく、エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂(成分(A))よりも低いガラス転移温度を持つものがさらに好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))のメルトフローレート(MFR)は、目的によって適宜決定すればよく、通常、0.5〜30g/10分である。なお、前記MFRはJIS K7210に従い、荷重21.18N、温度190℃の条件で測定した値である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))の製造方法は、例えば、メタロセン系重合触媒やバナジウム化合物を有する重合触媒を用いたスラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))は、作業性の観点から、常温でペレット状で互着のないものが好ましい。
[2]成分(A)〜(C)の配合量
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前述した成分(A)〜(C)を含有する樹脂成分を以下の割合で溶融混練して製造される。
(A)エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂:0.6〜24質量%、好ましくは0.8〜23質量%
(B)エポキシ樹脂:3〜20質量%、好ましくは5〜15質量%
(C)エチレン−α−オレフィン系共重合体:60〜96.4質量%、好ましくは62〜95質量%
(ただし、成分(A)、(B)、(C)の合計量を100質量%とする。)。
エンジニアリングプラスチックの改質効果として、成分(A)が多すぎると(成分(C)が少なすぎると)、メルトフローレート(MFR)の低下が著しく、特に射出成形法で加工する際に成形性を害する場合がある。一方、成分(A)の割合が少なすぎると(成分(C)が多すぎると)、耐衝撃強度が不十分となる。
成分(B)が多すぎると(成分(A)及び/または(C)が少なすぎると)、耐衝撃強度の改質効果が低くなり、成分(B)が少なすぎると(成分(A)及び/または(C)が多くなると)、熱安定性、耐加水分解性の改質効果が低下する場合があり好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、種々の添加剤、例えば難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、耐候剤を、本発明の効果が損なわれない範囲内で配合することもできる。特に、改質のためのエンジニアリングプラスチックの添加剤として知られている添加剤を配合した場合には、得られる熱可塑性樹脂組成物の物性が更に改良されることがある。
[3]エンジニアリングプラスチック
本発明は、成分(A)、(B)及び(C)を含有する樹脂成分を溶融混練してなる熱可塑性樹脂組成物とエンジニアリングプラスチックとを溶融混練することにより、エンジニアリングプラスチックを改質する方法に関する。本発明の熱可塑性樹脂組成物で改質されたエンジニアリングプラスチックは、流動性が過度に低下することなく、耐衝撃性が改良される。
本発明の熱可塑性樹脂組成物が改質し得るエンジニアリングプラスチックには特に制限はなく種々のものが使用できるが、好適に使用できるエンジニアリングプラスチックとしては、例えばポリエステル、ポリカーボネート、ポリ乳酸等が挙げられ、中でも加水分解し易いポリエステルやポリ乳酸が好ましい。
本発明に用いられるポリエステルは、ジカルボン酸(あるいは、そのエステル形成性誘導体)とジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)との重縮合体ないしは共重縮合体である。工業的には、芳香族ポリエステルを用いるのが好ましい。
芳香族ポリエステルとは、重合体の連鎖単位に芳香環を有するポリエステルで、芳香族ジカルボン酸(あるいは、そのエステル形成性誘導体)とジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)との重縮合体ないしは共重縮合体である。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸あるいはそのエステル形成誘導体などが挙げられる。
なお、酸成分として40モル%以下であれば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸及びそれらのエステル形成誘導体などの芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸で置換してもよい。
ジオール成分としては、炭素数2〜10の脂肪族ジオール、すなわちエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレンジグリコール、シクロヘキサンジオールなど、あるいは分子量400〜6000の長鎖グリコール、すなわち、ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど及びそれらの混合物などが挙げられる。
好ましい芳香族ポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。
本発明に用いられるポリカーボネートは、主鎖中に炭酸エステル結合−O−R−OCO−を持つ線状高分子である。工業的には芳香族ポリカーボネートを用いるのが好ましい。芳香族ポリカーボネートは、ジオキシ化合物として4,4’−ジオキシジアリルアルカンを用いたポリカーボネートが好ましく、ジオキシ化合物としては4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2’−プロパン(通称ビスフェノールA)が好ましい。
このようなポリカーボネートは任意の方法によって製造される。例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパンのポリカーボネートを製造する場合、ジオキシ化合物として4,4’−ジヒドロキシフェニル−2,2−プロパンを用いて、苛性アルカリ水溶液及び溶剤存在下にホスゲンを吹き込んで製造するホスゲン法、または4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパンと炭酸ジエステルとを触媒存在下でエステル交換させて製造する方法等が採用できる。
ポリ乳酸樹脂は、L乳酸及び/またはD乳酸を主たる重合成分とするポリマーであり、前記のL乳酸及びD乳酸以外の他の共重合成分を含んでもよい。
他の共重合成分としては、エチレングリコール、ブロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、及びカプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類が挙げられる。
ポリ乳酸樹脂に含有されるL乳酸単位及び/またはD乳酸単位の含有量は、機械的強度や耐熱性の観点から80モル%以上であることが好ましく、より好ましくは90モル%以上である。
ポリ乳酸樹脂の数平均分子量は、実用物性や成形加工性の観点から、50,000〜200,000であることが好ましい。なお、機械的物性を低下させないためには、ポリ乳酸樹脂中の残存モノマーや触媒は少ない方が好ましい。
[4]熱可塑性樹脂組成物の製造方法及びエンジニアリングプラスチックの改質方法
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成分(A)〜(C)を含有する樹脂成分を公知の方法で溶融混練することによって製造される。溶融混練の際の成分の配合順序や溶融混練の順序は任意であり、例えば、全成分を一括して配合し、該配合物を溶融混練する方法、全成分のうちの幾つかの成分とその残りの成分とをそれぞれ別々に配合し、溶融混練した後、得られた該複数の混練物を一括して更に溶融混練する方法、押出機の上流側から下流側に沿ってフィード口を複数個有する一台の押出機において、各フィード口から各成分を順次にフィードして該押出機中で溶融混練する方法などが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いてエンジニアリングプラスチックを改質する方法としては、上記のような方法で得た熱可塑性樹脂組成物の溶融混練物に、エンジニアリングプラスチックを溶融混練等の方法で混ぜることにより実施することができる。
また、場合によっては、2個のフィード口を有する押出機の上流側のフィード口から成分(A)、(B)及び(C)をフィードし、下流側のフィード口からエンジニアリングプラスチックをフィードするひとつの連続した溶融混練方法を用いることも可能である。
本発明の溶融混練の方法は、バッチ式でも連続式でもよいが、連続式が経済的には有利である。
バッチ式混練機としては、バンバリーミキサーやラボプラストミル、連続式混練としては、単軸押出機、二軸混練機等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
混練温度は、用いる各原料成分が溶融する温度以上であれば良く、好ましくは150〜350℃である。350℃以上では、劣化等が起こる場合があり、150℃以下では、溶融が十分ではなく十分な混合ができない。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物とエンジニアリングプラスチックを溶融混練で混ぜる工程は、射出成形や押出成形のプロセスの中で行うことも可能である。
本発明のエンジニアリングプラスチックの改質方法において、熱可塑性樹脂組成物とエンジニアリングプラスチックの配合比率は、熱可塑性樹脂組成物5〜15質量%、エンジニアリングプラスチック95〜85質量%が好ましく、さらに好ましくは熱可塑性樹脂組成物8〜12質量%、エンジニアリングプラスチック92〜88質量%である(両者の合計を100質量%とする)。
熱可塑性樹脂組成物が少な過ぎると、エンジニアリングプラスチックの改質効果が十分に行なわれず、特に耐衝撃強度の改善が十分に行なわれない。一方、熱可塑性樹脂組成物が多過ぎると、流動性の低下し、強度や剛性も低下するため好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物で改質されたエンジニアリングプラスチックは、熱可塑性樹脂や樹脂組成物に一般に適用される成形法、すなわち射出成形法、押出成形法、中空成形法等の成形法により容易に成形することができる。
本発明の組成物は、耐衝撃性、耐加水分解性、成形加工性等が良好であるから、自動車、家電、産業分野で広く用いることができる。
作用
本発明において、成分(A)〜(C)を含む樹脂成分をあらかじめ溶融混練した熱可塑性樹脂組成物を用い、これをエンジニアリングプラスチックに溶融混練することで、流動性の過度の低下がなく衝撃強度の改良されたエンジニアリングプラスチックを得ることができる。
以下に代表的な例を示し本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。本例中で使用した成分は以下の通りである。
・成分(A):BF(住友化学株式会社製 ボンドファーストE)
グリシジルメタクリレート含量が12質量%、エチレン含量が88質量%、メルトフローレート(190℃、21.18N荷重)が10g/10分、ガラス転移温度(Tg)が−26℃である、エチレンとグリシジルメタクリレートとの共重合体。
・成分(B):エポキシ樹脂(住友化学株式会社製 スミエポキシESCN220HH)
エポキシ当量が200〜230(g/eq)、軟化点が84℃以上、粘度が18ポイズ(150℃)であるオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂。
・成分(C):エラストマー(住友化学株式会社製 エクセレンFX CX5015)
エチレン−1−ヘキセン共重合体であって、エチレン含量が76質量%、密度が0.870g/cm3、メルトインデックスが12g/10分(190℃、21.18N荷重)、ガラス転移温度(Tg)が−26℃。
・エンジニアリングプラスチック:ポリエチレンテレフタレート(PET;鐘紡株式会社製 ベルペットEFG6C)
末端酸価が15mg当量/kg、固有粘度(IV)が0.71dl/gのホモポリエチレンテレフタレートを120℃で8時間真空乾燥させ、カールフィッシャー水分計(KF)で測定した水分量を500ppm程度にしたもの。
[実施例1〜2、比較例1〜2、4]
表1に示す配合割合(質量)で成分(A)、(B)及び(C)を一括して二軸混練押出機(東芝機械株式会社製,TEM50)の上流の1stフィード口より投入し、溶融混練した。スクリュー回転数は200rpm、シリンダー温度は表2に示す通りである。続いて下流のシリンダー(C5)に設けられた2ndフィード口より、PETを成分(A)+(B)+(C):PET=10:90(質量比)となるように投入し、溶融混練した。その後、溶融樹脂をダイスより押出し、ストランド状としたものを水槽にて冷却した後、ストランドカッターによりペレット化した。
[比較例3]
成分(A)、(B)、(C)とPETとを一括して2ndフィード口より投入した以外は、実施例1と同様の操作を行い、ペレットを得た。
実施例1と実施例2は、成分(A)、成分(B)の量比が異なるのみで、他は同じである。比較例1は、成分(A)の量比が過大なこと以外は実施例1と同様に行った例である。比較例2は、成分(A)の量比が過大なこと以外は実施例1と同様に行った例である。比較例3は、成分(A)成分(B)、成分(C)とPETを一括して2ndフィード口より投入した以外は実施例1と同様に行った例である。
[実施例1〜2及び比較例1〜4の評価]
得られた各ペレットを120℃で5時間真空乾燥し、カールフィッシャー水分計(KF)で測定した水分量が200〜300ppmの範囲としたものについて、流動性と衝撃強度の評価を行った。
流動性は、JIS K7210に準拠し、温度280℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレート(MFR)により評価した。衝撃強度は、東芝機械株式会社製の射出成形機(IS100E)により、シリンダー温度270℃、金型温度50℃で射出成形して得られた試験片を用い、ASTM D256に準拠し、厚み3.2mmt、ノッチ付き、温度23℃で測定したアイゾッド(IZOD)衝撃強度により評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2009114400
Figure 2009114400
本発明においては、成分(A)〜(C)を予め溶融混練した熱可塑性樹脂組成物をエンジニアリングプラスチックに溶融混練することで、エンジニアリングプラスチックの流動性を過度に低下させることなく衝撃強度の改良されたエンジニアリングプラスチック組成物を得ることが重要である。
一般的に、射出成形加工で中型クラスの成形品を容易に加工し得るのに必要な良好な流動性は、MFR(280℃、21.18N)が50(g/10min)以上であり、実用的な使用に耐え得るための衝撃強度としてはIZOD(3.2mmt、23℃、ノッチ付き)が3KJ/m2以上であり、本発明にかかる実施例の組成物はいずれもこの物性を満足する。

Claims (6)

  1. エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂(成分(A))0.6〜24質量%と、エポキシ樹脂(成分(B))3〜20質量%と、エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))60〜96.4質量%とを含有する樹脂成分を溶融混練してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物(成分(A)、(B)及び(C)の合計量を100質量%とする)。
  2. 成分(A)が、下記単位(a1)及び下記単位(a2−1)を有するエポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂、または下記単位(a1)及び下記単位(a2−2)を有するエポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物;
    単位(a1)エチレンから誘導される単位、
    単位(a2−1)エチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸グリシジルエステルから誘導される単位、
    単位(a2−2)エチレンと共重合可能な不飽和基を有するグリシジルエーテルから誘導される単位。
  3. 単位(a1)が50〜99.9質量%、単位(a2−1)または単位(a2−2)が0.1〜50質量%である請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物(単位(a1)と単位(a2−1)または単位(a2−2)との合計量を100質量%とする。)。
  4. 成分(A)が0.8〜23質量%、成分(B)が5〜15質量%、及び成分(C)が62〜95質量%である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物とエンジニアリングプラスチックとを溶融混練することを特徴とするエンジニアリングプラスチックの改質方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物とポリエステル樹脂とを溶融混練することを特徴とするポリエステル樹脂の改質方法。
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