JP2009107027A - 切削工具およびそれを用いた切削方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 流体の噴出圧力を容易にかつ精度よく調整する調整機構を有することで、切刃近傍(切削部)の発熱によって生じる切刃の急速な摩耗や突発的な欠損を抑制して工具寿命が長い切削工具を提供する。
【解決手段】 工具本体部と、該工具本体部の先端側に位置するとともに少なくとも1つの切刃が形成された切刃部と、を有した切削工具であって、前記工具本体部は、貫通して設けられた第一のクーラント孔を有し、前記切刃部は、前記第一のクーラント孔と連通するとともに前記切刃部の外方に開口して設けられた第二のクーラント孔を有しており、前記第二のクーラント孔の開口部には、その軸心に沿って一端から他端にまで渡って形成された溝部を有した調整部材が着脱可能に嵌合して取り付けられているとともに、前記調整部材の軸心に略垂直な前記溝部の断面における面積が、一端より他端において大きいことを特徴とする切削工具である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、正面フライス、エンドミル、ドリル等の切削工具に関する。
一般に、正面フライス、エンドミル、ドリル等の回転切削加工においては、切削部の冷却、潤滑、切屑除去等を目的として、切削部に切削油やエアー等の流体を供給している。
このような切削油やエアー等の流体の供給機構には、大きく分けて、外部機器に設けられた切削油供給装置のフレキシブルホースの先端を切削部位に向け、切削工具の外部から流体を供給するものと、外部機器の主軸から切削工具の内部を通して流体を供給するものが提案されている。
前者は、フレキシブルホースに何らかの外力が加わり、流体が噴出される方向がずれ、流体が必要な箇所に十分供給されない等の不具合があり、それに対して、切削工具の内部を通って流体が供給される後者は、このような不具合が軽減されるため、近年、多用されてきている。
後者の一例として、特許文献1には、フライスカッターやエンドミル等の回転工具において、刃具の回転速度・送り速度を変更し、切削油等の流体の噴出方向を変える必要が生じた場合、簡単な操作で短時間に切削油供給箇所を変更することができる工具が開示されている。具体的には、切削工具の内部に第一と第二の流体の通路が設けられ、そのうち切刃側に位置する第二の流体通路の切刃側出口部に第二の流体通路の流れの方向を変更できる部品を着脱可能に取り付けてなる切削工具が開示されている。このような構成により、スパナや六角レンチを用いた簡単な操作で、短時間に流体を供給する狙いの箇所(流体の流れの方向)を変更することができるとされている。
特開2002−46014号公報
しかしながら、加工形態や刃具の回転速度・送り速度などの加工条件の違いによって、切削油等の流体を噴出すべき方向(位置)が変わるだけでなく、加工形態や加工条件によって切削部で発生する切削熱の大きさが異なるため、切削油等の流体を噴出する方向を変えて狙いの箇所を変えるだけでは、切刃温度が局所的に上昇してしまうことを防ぐことができなかった。その結果、切刃が急速に摩耗したり、突発的に欠損したりするなどの問題があった。
また、これまでの切削工具では、加工条件の違いに応じて噴出圧力を調整しようとすると、外部機器から供給される流体の噴出圧力そのものを、随時、外部機器のバルブの開閉調節にて調整しなければならないため、作業効率が低下するという問題があった。さらに、外部機器のバルブの開閉調整の機構は粗いものであるため、加工形態や加工条件によって精度よく流体の噴出圧力を調整することは困難であった。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、外部機器から供給される切削油等の流体の噴出圧力を変更することなく、切刃の各部分において発生する切削熱に応じて、切刃各部分の近傍に供給される流体の噴出圧力を容易にかつ精度よく調整する調整機構を有することで、切刃近傍(切削部)の発熱によって生じる切刃の急速な摩耗や突発的な欠損を抑制して工具寿命が長い切削工具を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の切削工具は、工具本体部と、該工具本体部の先端側に位置するとともに少なくとも1つの切刃が形成された切刃部と、を有した切削工具であって、前記工具本体部は、貫通して設けられた第一のクーラント孔を有し、前記切刃部は、前記第一のクーラント孔と連通するとともに前記切刃が存在しない部位に開口して設けられた第二のクーラント孔と、該第二のクーラント孔の開口部内に取り付けられるとともに、一端から他端にかけて形成された溝部を有した調整部材と、を有しており、前記調整部材の軸心に略垂直な前記溝部の断面における面積が、一端より他端において大きいことを特徴とする。
このような構成により、切刃部に嵌合された構造が単純で加工が容易な調整部材によって、外部機器のバルブを開閉することなく切刃の近傍に供給される噴出圧力を簡単な操作で調整することができるため、冷却効率が高まり切刃の摩耗や突発的な欠損を抑制でき、工具寿命が長い切削工具を低コストで提供することができる。
また、前記第二クーラント孔は、前記切刃に向かって延びて形成されていることが、切刃に流体が効果的に噴出され、冷却効率が高まるため望ましい。
さらに、前記調整部材の軸心に略垂直な前記溝部の断面における面積が、一端から他端に向かうにつれて漸次増加していることが、噴出圧力の調整を精度の良いものにすることができるため望ましい。
また、前記調整部材の溝部の内面は、凹曲面状であることが、流体によって溝部にかかる圧力を分散して、溝部が欠損することを抑制することができるため望ましい。
さらに、前記調整部材の溝部の内面は、前記調整部材の軸心に対して略垂直な断面形状が円弧であることが、ドリル等の工具を用いて溝部を容易に加工でき、調整部材の低コスト化が図れるため望ましい。
前記第二のクーラント孔の開口部は、外方に向かって開口径が大きくなるテーパー形状をなしていることが、流体の噴出方向をガイドする面として溝部の開口部が機能し、流体の噴出方向を安定化させることができるため望ましい。
また、前記調整部材の軸心を含む前記調整部材の断面において、前記第二のクーラント孔の開口部と前記軸心とのなす角度が、前記溝部の内面と前記軸心とのなす角度と略同一であることが、前記第二クーラント孔の開口部と前記溝部の内面とが流体の流れる方向に対して略対称となるよう配置され、流体の排出方向をガイドするといった流体の噴出方向を安定化させる機能が高まり、冷却効率の向上が更に図れるため望ましい。
さらに、前記調整部材は、前記一端が前記切刃部の先端側に、前記他端が前記切刃部の基端側に位置するよう取り付けられていることが、調整部材の両端のうち、溝部の開口面積が小さな方を切刃部の先端側に配置されるため、噴出圧力の調整機能が高まるため望ましい。
また、前記調整部材の溝部が、複数設けられていることが、冷却効率が向上するため望ましい。
さらに、前記第二のクーラント孔は、複数形成されるとともに、該複数の第二のクーラント孔の開口部が前記切刃に対応して配置されていることが、切削時に発生する切削熱によって温度上昇しやすい切刃に効果的に流体を供給でき、冷却効率の向上が図れる。
前記課題を解決するため、本発明の被削材の切削方法は、上記切削工具を用いて被削材を切削する方法であって、前記被削材に前記切削工具を相対的に近づける近接工程と、前記被削材又は前記切削工具を回転させ、該切削工具を前記被削材の表面に接触させて前記被削材を切削する切削工程と、前記被削材と前記切削工具とを相対的に遠ざける離間工程と、を備えることを特徴とする。
このような構成により、冷却効率に優れた切削工具を用いて被削材を加工するため、被削材の加工表面の温度の上昇を抑制でき、仕上げ面精度の高い切削加工が実現できる。
本発明の切削工具によれば、外部機器から供給される切削油等の流体の噴出圧力を変更することなく、切刃の各部分において発生する切削熱に応じて、切刃各部分の近傍に供給される流体の噴出圧力を容易にかつ精度よく調整することができ、切刃の急速な摩耗や突発的な欠損を抑制して工具寿命が長い切削工具を提供することができる。
また、本発明の切削方法によれば、冷却効率に優れた切削工具を用いて被削材を加工するため、被削材の加工表面の温度の上昇を抑制でき、仕上げ面精度の高い切削加工が実現できる。
以下、本発明の実施形態を添付図面により説明する。
図1乃至図4は、本発明の一実施形態を示すものである。図1は、本発明の第一の実施形態による切削工具1の(a)一部断面図を含む全体側面図、(b)下面図であり、図2は、図1の切削工具1を構成する調整部材の(a)全体斜視図、(b)上面図、(c)下面図、(d)軸心Lを含む断面図である。図3は、(a)噴出圧力が大きい構成をなす際の図1の要部拡大図、(b)噴出圧力が小さい構成をなす際の図1の要部拡大図である。
図1乃至図3を用いて、本発明の第一の実施形態による切削工具1について、詳細に説明する。
図1乃至図3に示す本発明の第一の実施形態による切削工具1は、外部機器に把持される工具本体部11と、該工具本体部11の先端側に位置するとともに少なくとも1つの切刃2が形成された切刃部12と、を有している。
工具本体部11は、回転中心部分に貫通して設けられた第一のクーラント孔3を有し、切刃部12は、第一のクーラント孔3と連通するとともに切刃2が存在しない部位に開口して設けられた第二のクーラント孔4と、を有している。そして、第二のクーラント孔4から切刃近傍に供給される流体の噴出圧力を調整する調整部材5が、第二のクーラント孔4の開口部41内に取り付けられている。本実施形態においては、図1に示すように、切刃2が形成された切削インサートが固定部材によって切刃部12に固定された構成をなす。
このような構成により、切削工具1の本体に流体の噴出圧力を調整できる調整部材5が取り付けられるため、噴出圧力の調整が容易となり、作業効率の向上が図れる。
なお、第一のクーラント孔3は、流体が供給される外部機器のノズルと接続されるものであって、少なくとも工具本体部11を貫通するよう形成される。本実施形態においては、図1に示すように、第一クーラント孔3は、切刃部12の後端側にも一部渡って形成されている。
そして、第二のクーラント孔4は、切刃2に向かって延びて形成されている。すなわち、切削時に発生する切削熱によって温度上昇が大きな切刃2の近傍に流体が噴出されるよう、開口部41が切刃2の近傍に位置するよう設けられる。例えば、切削工具1の切刃部12の径にもよるが、具体的には、第二のクーラント孔4の開口部41が切刃2に対して切刃2の先端に流体が供給されるよう、前記調整部材5の軸心Lが切刃2の先端、具体的には、切刃2のうち先端側でかつ外周側のコーナー部分に向かって伸びるよう設けるのが、冷却効率の向上の点で好ましい。つまり、前記第二クーラント孔4に嵌合される調整部材5の軸心Lが切刃2の先端側のコーナーに向かって伸びるよう第二クーラント孔4を切刃部12に設けることによって、切刃2の突発的な欠損や摩耗を抑制でき、加工精度の向上が図れる。
切刃2の近傍に供給される流体としては、冷却媒体として用いられるものであり、気体であっても液体であってもよい。例えば、空気、窒素などの気体や、水、油などの液体が挙げられる。特に、圧縮空気を用いることが望ましい
さらに、調整部材5は、軸心Lに沿って一端から他端にまで渡る溝部51が形成されたねじ部材である。具体的には、外周に雄ねじが形成されたねじ部材であり、図2(b)に示すように、一端A側の面(下面)に六角レンチと嵌合する六角形の凹部52が形成されている。そして、該雄ねじと螺合する雌ねじが、第二のクーラント孔4の内周面に形成されている。ねじ部材である調整部材5は、六角レンチなどで第二のクーラント孔4に軸心L方向に進退自在に装着される。なお、このとき、調整部材5の他端Bが切刃部12の内周側に位置するよう、調整部材5は、第二のクーラント孔4に嵌合して取り付けられる。
このようなねじ部材をなす調整部材5は、図2(b)および(c)に示すように、調整部材5の軸心Lに略垂直な溝部51の断面における面積S51が、一端より他端において大きくなるよう形成される。すなわち、一端Aにおける面積S51A(図2(b)に図示)<他端Bにおける面積S51B(図2(c)に図示)となっている。
これにより調整部材5を操作することによって噴出圧力を容易に調整することができ、作業効率の向上が図れるとともに、調整部材5の加工が容易であるため、切削工具の低コスト化も測れる。すなわち、低コストで作業効率に優れるとともに、冷却効率が高く突発的な切刃の損傷を抑制することができる切削工具となる。
なお、ここでいう調整部材5の軸心Lに略垂直な溝部51の断面における面積S51とは、具体的には、次の通りである。軸心Lに略垂直な溝部51の断面において、調整部材5の外周面の一部は、溝部5によって切り欠かれている。図2(b)で示すように、この切り欠かれた部分の両端部(溝部51の内面の両端部)から他の外周面を仮想に延長してなる仮想外周面(点線部分)と溝部51の内面とで囲まれた部分の面積を、前記面積S51とする。簡易的な測定方法としては、CCDカメラ等によって軸心Lに略垂直な溝部51の断面形状を撮影し、画像解析することで測定することができる。
そして、調整部材5の軸心Lに略垂直な溝部51の断面における面積S51が一端より他端において大きい構成をなすとともに、図2(d)に示すように、調整部材5の軸心Lに略垂直な溝部51の断面における面積S51が、一端から他端に向かうにつれて漸次増加していることが好ましい。このような構成により、噴出圧力を調整する機構の精度が向上する。そのため、異なる加工条件や加工形態のいずれにおいても、切刃2が突発的に欠損したりすることを抑制する効果が高まる。加えて、溝部41の加工が容易であるため、調整部品5の低コスト化がより一層図れる。
さらに、図2(b)および(c)に示すように、調整部材5の溝部51の内面511は、凹曲面状であることが望ましい。これにより、流体によって溝部51にかかる圧力を分散して、溝部51が欠損することを抑制することができる。なおこのとき、図2(b)、(c)に示すように、一端面側および他端面側のいずれにおいても、溝部51の内面と調整部材5の外周面とのなす角度α1、α2(一端面側;図2(b))およびβ1、β2(他端面側;図2(c))が鈍角であることがより望ましい。これにより、溝部51と調整部材5との境界部分に応力が集中して、調整部材が欠損することを抑制することができる。
なお、このとき、溝部51の内面511は、図2(b)および(c)に示すように、調整部材の軸心に対して略垂直な断面形状が円弧であることが望ましい。これにより、一般的な工具、例えば、ボールエンドミルやソリッドエンドミル等を用いて溝部51を調整部材5に形成することができる。そのため、調整部材5の低コストが図れる。
次に、図3を用いて、本実施形態における流体の噴出圧力の調整機構を説明する。
図3(a)は、噴出圧力が大きい構成をなす切削工具の要部拡大図である。図3(a)に示すように、調整部材5のうち溝部5の面積S51が小さい一端側5Aが、第二のクーラント孔4の開口端の一部と略同一面上に位置するよう、第二のクーラント孔4に調整部材5が嵌合して取り付けられている。このような構成により、切削工具1から流体が噴出される孔が、図3(a)のD1部分(平面的に示す)として示すように小さなものとなる。したがって、切削工具1から噴出される流体の噴出圧力が大きくなる。
一方、図3(b)は、噴出圧力が小さい構成をなす切削工具の要部拡大図である。図3(b)に示すように、溝部5の面積S51が一端側5Aより大きい部分が、第二のクーラント孔4の開口端の一部と略同一面上に位置するよう、第二のクーラント孔4に調整部材5が嵌合して取り付けられる。このような構成により、切削工具1から流体が噴出される孔が、図3(b)のD2部分(平面的に示す)として示すように大きなものとなる。したがって、切削工具1から噴出される流体の噴出圧力が小さくなる。
このように、調整部材5を、第二のクーラント孔4に軸心Lに沿って進退させることによって、切削工具1から流体が噴出される孔の面積の大きさを調整することで、切削工具1から噴出される流体の噴出圧力の大きさを調整することができる。
そのため、本実施形態によれば、ねじ部材である調整部材5の操作といった簡単な操作によって、流体の噴出圧力の大きさを調整することができ、作業効率の向上が図れるとともに、異なる加工条件や加工形態に応じた細かい噴出圧力の調整が可能となり、広範な加工条件および加工形態における冷却効率の向上が図れる。
また、本実施形態においては、図1に示すように、切刃2は、切刃部12の周方向に複数設けられている。このような場合、第二のクーラント孔4は、切刃2に対応する数だけ形成することができる。それによって、切削加工時に各切刃2において発生する切削熱を好適に冷却することができるため、突発的な切刃2の欠損を抑制する効果が高まる。
さらに、調整部材5の溝部41が、複数設けられていることが、冷却効率が向上するため望ましい。
次に、図4を用いて、本発明の第二の実施形態による切削工具21について、詳細に説明する。なお、図4において、図1乃至図3と同様の構成部分については、同様の符号を付して、説明を省略する。
図4に示すように、第二の実施形態による切削工具21は、調整部材5が嵌合してとり付けられる第二のクーラント孔4の開口部41が、外方に向かって開口径が大きくなるテーパー形状をなす。すなわち、第二のクーラント孔4の開口部41の一端側Aの開口径は、他端側Bの開口径よりも大きい。
このような構成により、溝部の開口部が、流体の噴出方向をガイドする面として機能し、流体の噴出方向を安定化させることができる。
そして、図4に示すように、調整部材5の軸心Lを含む断面において、第二のクーラント孔4の開口部41と軸心Lとのなす角度θ41が、前記溝部の内面と前記軸心とのなす角度θ51と略同一であることが、前記第二クーラント孔の開口部と前記溝部の内面とが流体の流れる方向に対して略対称となるよう配置され、流体の排出方向をガイドするといった流体の噴出方向を安定化させる機能が高まり、冷却効率の向上が更に図れるため望ましい。
さらに、前記調整部材は、前記一端が前記切刃部の先端側に、前記他端が前記切刃部の基端側に位置するよう取り付けられていることが、調整部材の両端のうち、溝部の開口面積が小さな方を切刃部の先端側に配置されるため、噴出圧力の調整機能が高まるため望ましい。
第二のクーラント孔4の開口部41のテーパー形状は、図4に示すように、調整部材5の軸心Lを通る断面において、調整部材5の軸心Lに対して溝部51の内面と略対称であることが望ましい。これにより、調整部材5の軸心Lに対して放射上に流体を噴出させることができ、冷却効果が安定する。
最後に、本発明の一実施形態による被削材の切削方法について、上記切削工具1を用いた場合を例示して説明する。
本実施形態による被削材の切削方法は、被削材に切削工具1を相対的に近づける近接工程と、被削材又は切削工具1を回転させ、該切削工具1を被削材の表面に接触させて被削材を切削する切削工程と、被削材と前記切削工具1とを相対的に遠ざける離間工程と、を備える切削工具1を回転させ、被削材と切削工具1とを近接させる工程と、切削工具1の切刃4を被削材の表面に接触させ、被削材を切削する工程と、被削材から切削工具1を離間させる工程と、を備えてなる。
このような構成により、冷却効率の高い切削工具1を用いて被削材を切削加工するため、加工面の温度上昇を抑制することができる。その結果、仕上げ面精度の高い切削加工を実現することができる。特に、重切削加工などのように切削時に発生する切削熱が大きな加工形態においても、効果的に切刃温度の上昇を抑制することができるため、加工精度の優れた切削加工が実現できる。
なお、上述した実施形態においては、切刃2が形成された切削インサートを装着してなる切削工具を例示したが、これに限らず、切刃2が切刃部12に一体的に形成された構成、例えば、切刃が切刃部にロウ付けされた構成をなすものであっても良い。
また、上述した実施形態においては、エンドミルを例示したが、これに限らず、正面フライス等の他の転削工具にも好適に用いることができる。
さらに、切削工具の切刃は、上述した実施形態のように切刃部の一端側の周方向に複数設けられる構成に限定されず、加工条件や加工形態に応じて、切刃の数および切刃部における配置は適宜選択することができる。
またさらに、上述した実施形態においては、切刃2に対して、1つの第二のクーラント孔4が形成された形態を例示したが、それに限らず、加工条件や加工形態に応じて、1つの切刃2に対応して設けられる第二のクーラント孔4の数を適宜選択することができる。なお、複数の第二のクーラント孔4が切刃2に対して形成される場合、この複数の第二のクーラント孔4は切刃2に対応して設けられることが望ましい。これにより、切削時に発生する切削熱によって温度上昇しやすい切刃に効果的に流体を供給でき、冷却効率の向上が図れる。
なお、本実施形態の切削工具1の第二のクーラント孔4は、切刃2に対して切刃部12の内周側に配置されているが、これに限らず、切刃2に流体が供給されるように配置すればよい。
また、本実施形態においては、切削インサートが、切刃部12に形成されたインサート装着部にねじ止めされて装着される。しかし、切削インサートの切刃部12への装着方法としては、これに限らず、他のクランプ方式を用いたものであっても構わない。また、本実施形態においては、切削インサートを、直接、切刃部12に形成されたインサート装着部に装着したものを例示したが、シート部材などを介してインサート装着部に装着するものであっても構わない。
さらに、本実施形態で示したように、切削インサートが装着されるインサート装着部に沿った凹状の切屑ポケットを形成してもよい。このような構成により切屑排出性を更に向上させることができる。なお、切屑ポケットを形成した場合には、切刃部12の切屑ポケットの内面に第二のクーラント孔4が開口するよう形成することが、切屑排出性を向上させる点、および、冷却効果を向上させる点でより好ましい。
以上、本発明の実施形態を例示したが、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、発明の目的を逸脱しない限り任意のものとすることができることはいうまでもない。
本発明の第一の実施形態による切削工具1の(a)一部断面図を含む全体側面図、(b)下面図である。 図1の切削工具1を構成する調整部材の(a)全体斜視図、(b)上面図、(c)下面図、(d)軸心Lを含む断面図である。 図1の切削工具1の(a)噴出圧力が大きい構成をなす際の要部拡大図、(b)噴出圧力が小さい構成をなす際の要部拡大図である。 本発明の第二の実施形態による切削工具21の要部拡大図である。
符号の説明
1 第一の実施形態による切削工具
11 工具本体部
12 切刃部
2 切刃
3 第一のクーラント孔
4 第二のクーラント孔
41 開口部
5 調整部材
51 溝部
21 第二の実施形態による切削工具

Claims (11)

  1. 工具本体部と、該工具本体部の先端側に位置するとともに少なくとも1つの切刃が形成された切刃部と、を有した切削工具であって、
    前記工具本体部は、貫通して設けられた第一のクーラント孔を有し、
    前記切刃部は、前記第一のクーラント孔と連通するとともに前記切刃が存在しない部位に開口して設けられた第二のクーラント孔と、該第二のクーラント孔の開口部内に取り付けられるとともに、一端から他端にかけて形成された溝部を有した調整部材と、を有しており、
    前記調整部材の軸心に略垂直な前記溝部の断面における面積が、一端より他端において大きいことを特徴とする切削工具。
  2. 前記第二クーラント孔は、前記切刃に向かって延びて形成されていることを特徴とする請求項1記載の切削工具。
  3. 前記調整部材の軸心に略垂直な前記溝部の断面における面積が、一端から他端に向かうにつれて漸次増加していることを特徴とする請求項1または2記載の切削工具。
  4. 前記調整部材の溝部の内面は、凹曲面状であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の切削工具。
  5. 前記調整部材の溝部の内面は、前記調整部材の軸心に対して略垂直な断面形状が円弧であることを特徴とする請求項4記載の切削工具。
  6. 前記第二のクーラント孔の開口部は、外方に向かって開口径が大きくなるテーパー形状をなしていることを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の切削工具。
  7. 前記調整部材の軸心を含む前記調整部材の断面において、前記第二のクーラント孔の開口部と前記軸心とのなす角度が、前記溝部の内面と前記軸心とのなす角度と略同一であることを特徴とする請求項6記載の切削工具。
  8. 前記調整部材は、前記一端が前記切刃部の先端側に、前記他端が前記切刃部の基端側に位置するよう取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の切削工具。
  9. 前記調整部材の溝部が、複数設けられていることを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載の切削工具。
  10. 前記第二のクーラント孔は、複数形成されるとともに、該複数の第二のクーラント孔の開口部が前記切刃に対応して配置されていることを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の切削工具。
  11. 請求項1乃至10いずれか記載の切削工具を用いて被削材を切削する方法であって、
    前記被削材に前記切削工具を相対的に近づける近接工程と、
    前記被削材又は前記切削工具を回転させ、該切削工具を前記被削材の表面に接触させて前記被削材を切削する切削工程と、
    前記被削材と前記切削工具とを相対的に遠ざける離間工程と、を備えることを特徴とする被削材の切削方法。
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