JP2009105748A - Llrを用いたマルチモードブロック符号化変調方式 - Google Patents
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Abstract
【課題】デジタル移動体無線通信において、マルチパスフェージング環境化でも高い誤り率特性を実現する高品質なマルチモードブロック符号化変調方式を提供する。
【解決手段】高い誤り訂正能力を持つマルチモードブロック符号化変調方式と、フェージングによる伝送路条件の変化に対応して変調方式を変え誤り訂正の符号化率を可変とする適応変調方式とを組み合わせ、送信側から受信側への一方向で高品質な伝送を実現するマルチモードブロック符号化変調方式において、2つ以上の異なる変調方式をモードによって変更し、さらに、その方式の受信側での復号にLLRを導入し、SOVA復号を適用することを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】高い誤り訂正能力を持つマルチモードブロック符号化変調方式と、フェージングによる伝送路条件の変化に対応して変調方式を変え誤り訂正の符号化率を可変とする適応変調方式とを組み合わせ、送信側から受信側への一方向で高品質な伝送を実現するマルチモードブロック符号化変調方式において、2つ以上の異なる変調方式をモードによって変更し、さらに、その方式の受信側での復号にLLRを導入し、SOVA復号を適用することを特徴とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、デジタル移動体無線通信において、一方向伝送で異なる変調方式を持つマルチモードブロック符号化変調方式に関しており、その方式の復号に対数尤度比(Log Likelihood Ratio、LLR、以下LLRと称す)を導入し、軟出力ビタビアルゴリズム(Soft Output Viterbi Algorithm、SOVA、以下SOVAと称す)とターボ等化を適用することで、移動体通信におけるマルチパスフェージング環境で高品質な伝送を行なうマルチモードブロック符号化変調方式を提供するものである。
図1に第1の従来の技術の例を示す。図1は変調方式がQPSK(Quadrature PhaseShift Keying)のみの場合のシングルモードでのブロック符号化変調方式である。この場合、LLRの算出は図1(c)の各時刻において受信信号と4つのシンボルとのユークリッド距離からSOVA復号を行うことによって求められる。
また、図2は、第2の従来の技術の例を示す図である。図2は図1でのシングルモードの場合のマルチパス環境におけるターボ等化のブロック図である。この場合、送信信号はバースト誤りをランダム誤りにするため、デジタル信号のビット列を並び替えるインタリーバ技術を用いている。そして、受信側では受信信号をSOVAによる等化、復号を行ないLLRを得る。また得たLLRをターボ等化の特徴である繰り返しによって事前情報として与えることで、等化や復号の性能を向上させている。
また、図3は、第3の従来の技術の例を示す図である。図3はマルチモードブロック符号化変調方式における図で、図3(a)に示すように従来の技術では復号の方法に軟判定ビタビ復号を用いていた。LLRを用いるSOVA復号も軟判定ビタビ復号も単なる雑音環境においてはその特性に違いは無いが、移動体通信などで生じるマルチパスフェージング環境では等化を行なう必要があるため、LLRを媒介としているターボ等化などの適用が出来ないという問題がある。
また、図2は、第2の従来の技術の例を示す図である。図2は図1でのシングルモードの場合のマルチパス環境におけるターボ等化のブロック図である。この場合、送信信号はバースト誤りをランダム誤りにするため、デジタル信号のビット列を並び替えるインタリーバ技術を用いている。そして、受信側では受信信号をSOVAによる等化、復号を行ないLLRを得る。また得たLLRをターボ等化の特徴である繰り返しによって事前情報として与えることで、等化や復号の性能を向上させている。
また、図3は、第3の従来の技術の例を示す図である。図3はマルチモードブロック符号化変調方式における図で、図3(a)に示すように従来の技術では復号の方法に軟判定ビタビ復号を用いていた。LLRを用いるSOVA復号も軟判定ビタビ復号も単なる雑音環境においてはその特性に違いは無いが、移動体通信などで生じるマルチパスフェージング環境では等化を行なう必要があるため、LLRを媒介としているターボ等化などの適用が出来ないという問題がある。
上記の従来技術において、マルチモードブロック符号化変調にLLRを導入する場合、図3(b)に示すように複数の変調方式とモードの情報を含んだブロック符号化変調のトレリス線図を有することになるため、シングルモードで行なわれるようなLLRの適用をどのように行なうかという問題がある。
また、ターボ等化では従来から、信号のバースト誤りをランダム誤りにするためデジタル信号のビット列を並べ替えるインタリーバ技術を用いている。この場合、1つのパケット内に1つの変調方式しか存在しないシングルモードでは事前情報の与え方に問題は生じないが、マルチモードでは1つのパケット内に異なる変調方式やモードの情報を含んでいるためインタリーバによってそれらが分散させられることにより、事前情報の与え方に問題が生じる。
本発明は、デジタル移動体無線通信において、高い誤り訂正能力を持ち、伝送路の情況によって適応的に変調方式を変えられるマルチモードブロック符号化変調方式においてLLRを導入し、ターボ等化を適用することで、マルチパスフェージング環境化でも高い誤り率特性を実現するマルチモードブロック符号化変調方式を提供することを目的とする。
また、ターボ等化では従来から、信号のバースト誤りをランダム誤りにするためデジタル信号のビット列を並べ替えるインタリーバ技術を用いている。この場合、1つのパケット内に1つの変調方式しか存在しないシングルモードでは事前情報の与え方に問題は生じないが、マルチモードでは1つのパケット内に異なる変調方式やモードの情報を含んでいるためインタリーバによってそれらが分散させられることにより、事前情報の与え方に問題が生じる。
本発明は、デジタル移動体無線通信において、高い誤り訂正能力を持ち、伝送路の情況によって適応的に変調方式を変えられるマルチモードブロック符号化変調方式においてLLRを導入し、ターボ等化を適用することで、マルチパスフェージング環境化でも高い誤り率特性を実現するマルチモードブロック符号化変調方式を提供することを目的とする。
第1発明のマルチモードブロック符号化変調方式は、デジタル移動体無線通信方式において、高い誤り訂正能力を持つブロック符号化変調方式とフェージングによる伝送路条件の変化に対応して変調方式を変え誤り訂正の符号化率を可変とする適応変調方式とを組み合わせ、送信側から受信側への一方向で高品質な伝送を実現することを特徴とするマルチモードブロック符号化変調方式において、2つ以上の異なる変調方式をモードによって変更することを特徴とし、さらに、その方式の受信側での復号にLLR(Log Likelihood Ratio)を導入し、SOVA(Soft Output Viterbi Algorithm)復号を適用することを特徴とする。したがって第1発明のマルチモードブロック符号化変調方式は,従来のものに比べ繰り返し復号が可能であるという点で優れている.
また、第2発明のマルチモードブロック符号化変調方式は、第1発明に記載のマルチモードブロック符号化変調方式において、受信側での復号がモードを判定した後そのモードの変調方式の復号を行うことを特徴とし、その際のLLRの用いられ方がモードの部分とモードを判定した後のそのモードの変調方式の復号を行う部分で異なることを特徴とする。したがって、第2発明のマルチモードブロック符号化変調方式は、従来のLLRでは不可能であった,モードとデータに分けて繰り返し計算を行うことができるという点で優れている.
さらにまた、第3発明のマルチモードブロック符号化変調方式は、第1発明に記載のマルチモードブロック符号化変調方式において、マルチパスフェージング環境で用いられる、LLRを媒介とした等化と復号器間での情報のやりとりを行なうターボ等化を適用し、インタリーバによってモード情報部分やデータ情報部分が分散した場合の特有のトレリス線図を描くことを特徴とする。したがって、第3発明のマルチモードブロック符号化変調方式は、従来のターボ等化では実施できなかった,マルチモード伝送にターボ原理を導入することができるという点で優れている.
また、第2発明のマルチモードブロック符号化変調方式は、第1発明に記載のマルチモードブロック符号化変調方式において、受信側での復号がモードを判定した後そのモードの変調方式の復号を行うことを特徴とし、その際のLLRの用いられ方がモードの部分とモードを判定した後のそのモードの変調方式の復号を行う部分で異なることを特徴とする。したがって、第2発明のマルチモードブロック符号化変調方式は、従来のLLRでは不可能であった,モードとデータに分けて繰り返し計算を行うことができるという点で優れている.
さらにまた、第3発明のマルチモードブロック符号化変調方式は、第1発明に記載のマルチモードブロック符号化変調方式において、マルチパスフェージング環境で用いられる、LLRを媒介とした等化と復号器間での情報のやりとりを行なうターボ等化を適用し、インタリーバによってモード情報部分やデータ情報部分が分散した場合の特有のトレリス線図を描くことを特徴とする。したがって、第3発明のマルチモードブロック符号化変調方式は、従来のターボ等化では実施できなかった,マルチモード伝送にターボ原理を導入することができるという点で優れている.
本発明は上記した構成からなるので、以下に示すような効果を奏することができる。
本発明は、LLRの用いられ方を工夫することで、従来のマルチモードブロック符号化変調方式にLLRを導入することを可能にしている。
この発明によって、マルチパス通信路においてマルチモードブロック符号化変調方式にターボ等化を適用することが可能となり、移動体無線通信での高品質適応伝送の実現を従来より容易に実現することを可能にした。
本発明は、LLRの用いられ方を工夫することで、従来のマルチモードブロック符号化変調方式にLLRを導入することを可能にしている。
この発明によって、マルチパス通信路においてマルチモードブロック符号化変調方式にターボ等化を適用することが可能となり、移動体無線通信での高品質適応伝送の実現を従来より容易に実現することを可能にした。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、本発明の構成を説明し、続いて伝送特性を雑音環境やマルチパスフェージング環境における誤り率特性のシミュレーション結果を用いて説明する。
本発明における符号化器の構成を図4に示す。図に示すようにマルチモードの場合は送信するデータをモード情報によって異なる変調方式の符号化変調で送信を行なう。また、そのモードを判別するために、モード情報もデータ情報に付加し一緒に符号化変調し送信する。受信側はそのモード情報から、送信された変調方式の形態を判断する。
本発明の符号化器のマトリクスを図5に示す。本発明においては、マルチモードにおいて使用される変調方式の種類はBPSKとQPSKの2種類を用いることにする。情報のデータビットajを送信する場合、そのデータは2種類の内のどちらかでブロック符号化変調される。BPSK変調で符号化変調される場合は、図5(a)に示すような符号化器マトリクスとなる。図に示すように、データの先頭にモード情報のモードビットDをモード長mだけ付加する。このときのDの値はDi=0(i=1,2,…,m)で表される。そして、モードビットとデータビットを含んだ長さbの1つのブロックを構成しブロック符号化変調される。次にQPSK変調で符号化変調される場合は、図5(b)に示すような符号化器マトリクスとなり、データの先頭にはDi=1(i=1,2,…,m)の値が付加される。QPSKの場合は、モード情報を含むビットとデータビットが一緒にQPSK変調され1つのシンボルとなっている。この場合も長さbの1つのブロックを構成しブロック符号化変調される。
ここで、図5(a)に示すBPSK変調の場合のパリティビットcの値を次式に示す。またそのときの、符号化率rも示す。
本発明における符号化器の構成を図4に示す。図に示すようにマルチモードの場合は送信するデータをモード情報によって異なる変調方式の符号化変調で送信を行なう。また、そのモードを判別するために、モード情報もデータ情報に付加し一緒に符号化変調し送信する。受信側はそのモード情報から、送信された変調方式の形態を判断する。
本発明の符号化器のマトリクスを図5に示す。本発明においては、マルチモードにおいて使用される変調方式の種類はBPSKとQPSKの2種類を用いることにする。情報のデータビットajを送信する場合、そのデータは2種類の内のどちらかでブロック符号化変調される。BPSK変調で符号化変調される場合は、図5(a)に示すような符号化器マトリクスとなる。図に示すように、データの先頭にモード情報のモードビットDをモード長mだけ付加する。このときのDの値はDi=0(i=1,2,…,m)で表される。そして、モードビットとデータビットを含んだ長さbの1つのブロックを構成しブロック符号化変調される。次にQPSK変調で符号化変調される場合は、図5(b)に示すような符号化器マトリクスとなり、データの先頭にはDi=1(i=1,2,…,m)の値が付加される。QPSKの場合は、モード情報を含むビットとデータビットが一緒にQPSK変調され1つのシンボルとなっている。この場合も長さbの1つのブロックを構成しブロック符号化変調される。
ここで、図5(a)に示すBPSK変調の場合のパリティビットcの値を次式に示す。またそのときの、符号化率rも示す。
また、図5(b)に示すQPSK変調の場合のパリティビットと符号化率も次式に示す。
このような符号化器によって構成される本発明におけるトレリス線図は図6のようになる。図に示すように2種類のブロック符号化変調によるトレリス線図が1つのブロック符号のトレリス線図として扱われている。これにより送信側は受信側からの通信路情報を必要とせず、送信するデータによって自由にBPSKとQPSKを選択して送信を行なうことが出来る。
ここで、BPSK変調とQPSK変調における信号点配置のようすを図7に示す。図に示すようにQPSKの場合はセット分割法により信号点を配置している。BPSKはモード情報を含むモードビット、0(BPSKの場合のモードビット)と10、11(QPSKの場合のモードビット)のユークリッド距離を大きく保つため図7(a)のような信号点配置としている。
次は本発明における受信側での復号方法であるが、復号にはSOVAを用いる。SOVAはまず受信信号と図6に示すトレリス線図の各枝(ブランチ)に割り当てられたシンボルとを比較してユークリッド距離を算出し、それをブランチメトリックvc tとして各時刻で求めていく。tは時刻で、cはブランチに割り当てられたシンボルである。このブランチメトリックから、前方演算、後方演算によるパスメトリックμf t、μb tを算出する。従って、受信信号とシンボルのユークリッド距離が小さいときパスメトリックも小さくなる。これらのメトリックからLLRは算出される。
本発明におけるLLRの算出方法は、図6に示すようにモード情報の部分とそれ以外の部分では存在するシンボルが異なる。従って、モードを判別するLLR、Λm(ct)とそれ以外の部分のLLR、Λ(ct)に分けて算出を行なうことにする。
モードを判別するLLRを算出する式は次式で表される。
ここで、BPSK変調とQPSK変調における信号点配置のようすを図7に示す。図に示すようにQPSKの場合はセット分割法により信号点を配置している。BPSKはモード情報を含むモードビット、0(BPSKの場合のモードビット)と10、11(QPSKの場合のモードビット)のユークリッド距離を大きく保つため図7(a)のような信号点配置としている。
次は本発明における受信側での復号方法であるが、復号にはSOVAを用いる。SOVAはまず受信信号と図6に示すトレリス線図の各枝(ブランチ)に割り当てられたシンボルとを比較してユークリッド距離を算出し、それをブランチメトリックvc tとして各時刻で求めていく。tは時刻で、cはブランチに割り当てられたシンボルである。このブランチメトリックから、前方演算、後方演算によるパスメトリックμf t、μb tを算出する。従って、受信信号とシンボルのユークリッド距離が小さいときパスメトリックも小さくなる。これらのメトリックからLLRは算出される。
本発明におけるLLRの算出方法は、図6に示すようにモード情報の部分とそれ以外の部分では存在するシンボルが異なる。従って、モードを判別するLLR、Λm(ct)とそれ以外の部分のLLR、Λ(ct)に分けて算出を行なうことにする。
モードを判別するLLRを算出する式は次式で表される。
ここで、μc tは時刻tにおいて競合する最小のパスメトリックである。上記した式より信号を推定する場合、シンボル0のパスメトリックが他のパスメトリックより小さいと各LLRの値は負の値となる。従って、LLRのΛm1(ct)とΛm2(ct)の値が両方負の場合、0の信号が推定される。もし、両方負ではなく正の値を含む場合は、シンボル10が最小のときそのLLRは他のLLRと比較して最も大きい値となっている。従って、LLRに正の値を含む場合はその値の最大値のLLRから信号が推定されることになる。これらによってモードが判別される。0が推定されるときはBPSK、10または11が推定されるときはQPSKとなる。ここで、QPSKの場合はモード部分においてモード情報だけでなくデータも含んでいる。従って、モードのLLRからデータビットも推定することになる。
次はモード以外の部分のLLRの算出であるが、この場合シンボルは6つあるのでLLRの算出は次式となる。
次はモード以外の部分のLLRの算出であるが、この場合シンボルは6つあるのでLLRの算出は次式となる。
上記した式より信号を推定するが、図7に示したBPSKとQPSKの信号点配置において、重なる点が出てくる。この場合、重なる点のシンボルの判定が難しくなる。従って、モードを判別することによって用いるLLRを変えることにする。
数3によって算出されたLLRからモードが判別されるとき、もしBPSKの場合は数4のΛ1(ct)の値だけを用いる。そして、その値から負の場合は0が、正の場合は1が推定される。もしQPSKの場合は数4のΛ2(ct)、Λ3(ct)、Λ4(ct)、Λ5(ct)の値が用いられ、4つの値の中から最も大きい値をもつLLRからそのシンボルが推定される。
これらによって本発明はマルチモードブロック符号化変調方式にLLRを導入して、SOVA復号を実現している。
次は、マルチパスフェージング環境においてマルチモードブロック符号化変調方式にターボ等化を適用する方法である。
本発明におけるマルチモードブロック符号化変調方式にターボ等化を適用した場合のブロック図を図8に示す。第2の従来の技術同様に符号化した信号にインタリーバを施し、受信側ではSOVAによる等化と復号を繰り返し行なう。図に示すように、マルチパス通信路は遅延波と送信信号との畳み込み符号化器として表現することができる。従って、トレリス線図を描くことができるのでSOVAによる等化を行うことができる。本発明では2つのパスが存在し、その振幅が両者同じ等電力の場合において検討を行なっている。このとき、シングルモードではインタリーバによる影響を考慮する必要はなかったが、マルチモードではモード部分とデータ部分の混在によりインタリーバの影響を考慮する必要が出てくる。
インタリーバは従来の技術同様に送信信号の列を並べ替えてその信号のバースト誤りをランダム誤りに変えることを目的としているのでビット列が短いとその効果が出なくなる。従って、1つ1つのブロックをつなげて1つのパケットを構成する。そのようすを図9に示す。インタリーバの範囲はその1パケットに施されるので、モードの部分とBPSKで変調されたシンボルまたはQPSKで変調されたシンボルが分散させられて、送信されることになる。
上記のような信号が送信されマルチパス通信路によって畳み込み符号が行なわれた場合に描かれるトレリス線図は図10のように示される。Dは図8の遅延器の状態で、各ブランチに割り当てられるシンボルは、遅延器が送信信号によって直接変わるので向かっている状態と同じ値になる。従って、D=0に向かうブランチに割り当てられるシンボルは0となり、他も同様に、D=1、00、01、10、11に向かうブランチのシンボルはそれぞれ1、00、01、10、11となる。図に示すようにBPSKとQPSKのシンボルが混在したトレリス線図を描く。また、モード部分はシンボルが3つしか存在しないため図に示すように状態も3つしか存在しないことになる。これがシングルモードとは異なっており、マルチパス環境におけるマルチモードブロック符号化変調方式の等化の際のトレリス線図となる。
ここで受信側では、上記のトレリス線図を送信側受信側で共有しているモード長とインタリーバの形式から構成することになる。そのトレリス線図に従ってSOVAによる等化を行ない、LLRを算出する。等化の手順もSOVAによる復号の場合と同じように、ブランチメトリックやパスメトリックを算出して、LLRを求めていく。
まず、モード部分のLLRの算出方法は次式となる。
数3によって算出されたLLRからモードが判別されるとき、もしBPSKの場合は数4のΛ1(ct)の値だけを用いる。そして、その値から負の場合は0が、正の場合は1が推定される。もしQPSKの場合は数4のΛ2(ct)、Λ3(ct)、Λ4(ct)、Λ5(ct)の値が用いられ、4つの値の中から最も大きい値をもつLLRからそのシンボルが推定される。
これらによって本発明はマルチモードブロック符号化変調方式にLLRを導入して、SOVA復号を実現している。
次は、マルチパスフェージング環境においてマルチモードブロック符号化変調方式にターボ等化を適用する方法である。
本発明におけるマルチモードブロック符号化変調方式にターボ等化を適用した場合のブロック図を図8に示す。第2の従来の技術同様に符号化した信号にインタリーバを施し、受信側ではSOVAによる等化と復号を繰り返し行なう。図に示すように、マルチパス通信路は遅延波と送信信号との畳み込み符号化器として表現することができる。従って、トレリス線図を描くことができるのでSOVAによる等化を行うことができる。本発明では2つのパスが存在し、その振幅が両者同じ等電力の場合において検討を行なっている。このとき、シングルモードではインタリーバによる影響を考慮する必要はなかったが、マルチモードではモード部分とデータ部分の混在によりインタリーバの影響を考慮する必要が出てくる。
インタリーバは従来の技術同様に送信信号の列を並べ替えてその信号のバースト誤りをランダム誤りに変えることを目的としているのでビット列が短いとその効果が出なくなる。従って、1つ1つのブロックをつなげて1つのパケットを構成する。そのようすを図9に示す。インタリーバの範囲はその1パケットに施されるので、モードの部分とBPSKで変調されたシンボルまたはQPSKで変調されたシンボルが分散させられて、送信されることになる。
上記のような信号が送信されマルチパス通信路によって畳み込み符号が行なわれた場合に描かれるトレリス線図は図10のように示される。Dは図8の遅延器の状態で、各ブランチに割り当てられるシンボルは、遅延器が送信信号によって直接変わるので向かっている状態と同じ値になる。従って、D=0に向かうブランチに割り当てられるシンボルは0となり、他も同様に、D=1、00、01、10、11に向かうブランチのシンボルはそれぞれ1、00、01、10、11となる。図に示すようにBPSKとQPSKのシンボルが混在したトレリス線図を描く。また、モード部分はシンボルが3つしか存在しないため図に示すように状態も3つしか存在しないことになる。これがシングルモードとは異なっており、マルチパス環境におけるマルチモードブロック符号化変調方式の等化の際のトレリス線図となる。
ここで受信側では、上記のトレリス線図を送信側受信側で共有しているモード長とインタリーバの形式から構成することになる。そのトレリス線図に従ってSOVAによる等化を行ない、LLRを算出する。等化の手順もSOVAによる復号の場合と同じように、ブランチメトリックやパスメトリックを算出して、LLRを求めていく。
まず、モード部分のLLRの算出方法は次式となる。
そして、それ以外の部分でのLLRの算出方法は次式となる。
数5、数6に示すように、前述した復号におけるLLRの算出方法とモード部分、それ以外の部分で算出方法が一致することになる。これにより、等化によって復号部分に与えられる情報を直接ブランチメトリックとして使うことが出来る。また、復号によって得られるLLRもターボ等化の繰り返しによって等化部分の事前情報として用いることを可能にする。
これらより本発明は、図10のような特有のトレリス線図を構成することによってLLRの算出を一致させている。そして、等化器と復号器間での情報のやりとりを可能にすることで、マルチパス環境においてマルチモードブロック符号化変調方式にターボ等化を適用することを可能にしている。
これらより本発明は、図10のような特有のトレリス線図を構成することによってLLRの算出を一致させている。そして、等化器と復号器間での情報のやりとりを可能にすることで、マルチパス環境においてマルチモードブロック符号化変調方式にターボ等化を適用することを可能にしている。
次は、本発明のシステムをシミュレーションし、その特性を比較していく。第1の実施例として、まず等化を必要としない雑音環境下で本発明の誤り率(Bit Error Ratio、BER、以降BERと称す)特性を見ていく。各パラメータは、モード長mを4とし、モードビットも含んだ1ブロックのブロック長bをb=6、8、10、20と変化させ、ブロック長によるBER特性の違いを見る。また、モード長mを2にした場合も行ない、モード長による特性の違いも確認する。その時のブロック長はb=10,20とする。結果を図11に示している。また、LLRを導入しない復号方法として、弟3の従来の技術である軟判定ビタビ復号と、そのほかに逐次復号によるBER特性も見ていく。このときのパラメータはブロック長が20、モード長が4である。結果を図12に示す。ここでデータビットの誤り判定は、もしモードを誤っている場合はそのブロックのデータは全て誤りとする。また過不足分も誤りとして計算する。従って、QPSKモードで送った信号がBPSKモードと判断された場合、BPSKのデータ分を誤りとするのではなくQPSKのデータ分誤りとして計算する。図11の結果より、ブロック長が20のとき最も良い特性を示している。また、モード長を短くするとモードの部分が正しく判定できなくなり、特性が劣化している。最も特性が良いb=20、m=4においてはある程度のEb/N0以降で符号化利得も得られ、マルチモードと符号化変調が両立していることが確認できる。また、図12の結果から、従来の軟判定ビタビ復号と同じ特性が得られており、本発明においてマルチモードブロック符号化変調方式にLLRを導入できたことが確認できる。
また、弟2の実施例として、本発明のマルチモードブロック符号化変調方式をマルチパスフェージング環境でターボ等化を適用した図8のシステムのシミュレーションを行なった。パラメータはb=20、m=4でマルチパス通信路は静的2パス通信路とし、2パスの振幅は同じで等電力としている。また、パケット数は100とする。このシミュレーションにおいてはターボ等化の繰り返しを0回、1回、2回、5回とした場合においてBER特性の変化を見る。結果を図13に示す。結果より、ターボ等化の繰り返し回数が0回のときは繰り返しによる効果が得られないので雑音環境のみの特性から大きく劣化する。しかし、繰り返し回数を増やしていくとターボ等化による効果も得られ特性も改善され、繰り返し回数1回でもほぼ雑音環境のみの特性に収束することが確認できる。
本発明のマルチモードブロック符号化変調方式は移動体無線通信等において,受信側を簡易な構成に保ちつつ高品質なマルチモード伝送を行う際に,利用可能である。
1 シリアル/パラレル変換器
2 符号化器
3 セット分割信号点割当器
4 モード選択器
5 モード情報符号化器
2 符号化器
3 セット分割信号点割当器
4 モード選択器
5 モード情報符号化器
Claims (3)
- デジタル移動体無線通信方式において、高い誤り訂正能力を持つブロック符号化変調方式とフェージングによる伝送路条件の変化に対応して変調方式を変え誤り訂正の符号化率を可変とする適応変調方式とを組み合わせ、送信側から受信側への一方向で高品質な伝送を実現することを特徴とするマルチモードブロック符号化変調方式において、2つ以上の異なる変調方式をモードによって変更することを特徴とし、さらに、その方式の受信側での復号にLLR(Log Likelihood Ratio)を導入し、SOVA(Soft Output Viterbi Algorithm)復号を適用することを特徴とするマルチモードブロック符号化変調方式。
- 請求項1に記載のマルチモードブロック符号化変調方式において、受信側での復号がモードを判定した後そのモードの変調方式の復号を行うことを特徴とし、その際のLLRの用いられ方がモードの部分とモードを判定した後のそのモードの変調方式の復号を行う部分で異なることを特徴とするマルチモードブロック符号化変調方式。
- 請求項1に記載のマルチモードブロック符号化変調方式において、マルチパスフェージング環境で用いられる、LLRを媒介とした等化と復号器間での情報のやりとりを行なうターボ等化を適用し、特有のトレリス線図を描くことを特徴とするマルチモードブロック符号化変調方式。
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-
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