JP2009105028A - アンモニウム塩、並びにそれを用いた電解質、電解液、添加剤及び蓄電デバイス - Google Patents

アンモニウム塩、並びにそれを用いた電解質、電解液、添加剤及び蓄電デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】優れた性能を有する蓄電デバイスの提供を可能とするアンモニウム塩を提供すること。
【解決手段】下記一般式(I)で示されるアンモニウム塩。
Figure 2009105028

(R〜Rは各々独立に、炭素数1〜10の1価の有機基を示し、nは1〜20の整数であり、Yは1価のアニオンを示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、アンモニウム塩、並びにそれを用いた電解質、電解液、添加剤及び蓄電デバイスに関する。
4級アンモニウムに代表されるような窒素原子を含むオニウムをカチオンとして有する塩は、従来から多数報告されている。しかしながら、これらの塩をリチウム電池などの電解液又は電解液への添加剤として使用した場合、電池性能が十分に満足できるものではないという問題があった(例えば、特許文献1〜3及び非特許文献1〜3参照)。
国際公開第02/076924号パンフレット 特開2003−331918号公報 特表2001−517205号公報 松本一、宮崎義憲、溶融塩及び高温化学、「大気雰囲気で安定な常温溶融塩の新規電解質への応用」、44,7(2001) H.Matsumoto,M.Yanagida,K.Tanimoto,M.Nomura,Y.Kitagawa and Y.Miyazaki,Chem.,"Room Temperature Molten Salts Based on Trialkylsulfonium Cation and Bis(trifluoromethylsulfonyl)imide",Lett,8,922(2000) D.R.MacFarlane,J.Sun,J.Golding,P.Meakin and M.Forsyth,Electrochemica Acta,"High conductivity molten salts based on the imide ion",45,1271(2000)
本発明は、優れた性能を有する蓄電デバイスの提供を可能とするアンモニウム塩を提供することを目的とする。また、本発明は、優れた性能を有する蓄電デバイスの提供を可能とする電解質、電解液、及び添加剤を提供することを目的とする。さらに、本発明は、優れた性能を有する蓄電デバイス、特にリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために4級アンモニウムをカチオンとして含む4級アンモニウム塩について鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有する4級アンモニウム塩がリチウム電池の電池性能を向上させることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(I)で示されるアンモニウム塩に関する。
Figure 2009105028
(R〜Rは各々独立に、炭素数1〜10の1価の有機基を示し、nは1〜20の整数であり、Yは1価のアニオンを示す。)
本発明の一実施態様において、Yとして、例えば、N(SOF) 、N(SOCF 、N(SO 、BF 、PF 、CFSO 、又はCFCO 等を用いることができる。また、本発明の一実施態様として、一般式(I)中のR〜Rが、全て直鎖アルキル基であるアンモニウム塩が挙げられる。
また、本発明は、上記アンモニウム塩を含有してなる電解質、添加剤、又は電解液に関する。
さらに、本発明は、上記アンモニウム塩を含有してなる蓄電デバイス、特に、リチウム二次電池に関する。
本発明のアンモニウム塩は、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ、燃料電池、色素増感型太陽電池等の蓄電デバイス向け電解質、添加剤、反応溶媒、電解液などとして応用することができる。本発明のアンモニウム塩を用いた蓄電デバイスは、優れた特性を有する。
以下、発明を実施するための最良の形態について詳しく説明する。
(アンモニウム塩)
本発明は、下記一般式(I)で示されるアンモニウム塩に関する。
Figure 2009105028
(R〜Rは各々独立に、炭素数1〜10の1価の有機基を示し、nは1〜20の整数であり、Yは1価のアニオンを示す。)
当該有機基としては特に制限はなく、各種官能基を有していたり、又はヘテロ原子、不飽和結合等を含んでいたりしてもよい。
有機基として好ましくは、炭素数1〜10の炭化水素基、又は置換基が有する炭素原子を含めた炭素数が1〜10である、置換基を有する炭化水素基などが挙げられる。
炭化水素基としては、例えば、直鎖、分岐又は環状アルキル基、直鎖、分岐又は環状アルケニル基、直鎖、分岐又は環状アルキニル基、アリール基が挙げられる。
当該炭素数1〜10の炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基等の炭素数1〜10のアルケニル基;アセチレニル基、プロピニル基等の炭素数1〜10のアルキニル基;フェニル基等の炭素数1〜10のアリール基が例示される。
また、炭化水素基が有する置換基としては、例えば、ニトリル基、アルキルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニル基等が挙げられる。
上記炭素数1〜10の有機基のなかでも、イオン伝導率の高さ、粘性の低さから炭素数1〜6の有機基が特に好適である。また、有機基のなかでも、アルキル基が好ましく、さらに、直鎖、分岐又は環状アルキル基のなかでも直鎖のアルキル基であると電解液に用いた場合に電解液の粘度が低くなる傾向があり、さらに好ましい。炭素数が大きくなりすぎると、分子間相互作用が大きくなるために粘度が高くなり、イオン伝導率が低下する傾向がある。
nは1〜20の整数であり、好ましくは2〜12の整数である。nが大きくなりすぎると、粘度が高くなり、イオン伝導率が低下する傾向がある。
前記一般式(I)におけるYは、1価のアニオンであり、例えば、N(SOCF 、N(SOF) 、N(SO 、CFSO 、CFCOO、PF 、BF 、N(CN) 、HSO 、NO 、F、Cl、Br、I等を挙げることができる。電気化学安定性の観点から、好ましくは、N(SOF) 、N(SOCF 、N(SO 、BF 、PF 、CFSO 、又はCFCO である。
上記一般式(I)で示されるアンモニウム塩の一般的な合成法は、次の通りである。
例えば、イミダゾール類と4級アンモニウムハライドとを混合し、必要に応じて加熱を行うことで反応させる。また、例えば、イミダゾール類、モノアミン類及びアルキレンジハライドを混合し、必要に応じて加熱を行うことで反応させる。なお、オートクレーブ等を用いて加圧下で反応させてもよい。
上述のようにして得られた4級アンモニウム塩を、水等の水性媒体中に溶解し、ホウフッ化水素酸、ヘキサフルオロリン酸等の、必要とするアニオン種を発生させる試薬と反応させてアニオン交換反応を行い、所望の4級アンモニウム塩を得ることができる。
本発明のアンモニウム塩は、極性が大きいために、本発明のアンモニウム塩を電解質、添加剤、溶媒などとして含有する電解液を利用した蓄電デバイスは、容量の増大、信頼性の向上などの優れた性能を発揮する。
(電解液)
本発明の電解液は、(1)アンモニウム塩のみからなるもの又は(2)アンモニウム塩を含むものである。アンモニウム塩を含む場合、アンモニウム塩を電解質、溶媒、または添加剤として含むことができる。本発明の電解液は、非水電解液であることが好ましい。
本発明の電解液は、蓄電デバイス用に好ましく用いることができる。ここで、蓄電デバイスとは、化学的、物理的又は物理化学的に電気を蓄えることのできる装置若しくは素子などをいい、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池、電気二重層キャパシタ、電解コンデンサ等の充放電可能なデバイスが挙げられる。
アンモニウム塩のみからなる非水電解液の場合、本発明のアンモニウム塩として、通常、常温で液体である常温溶融塩を用いる。
アンモニウム塩を含む非水電解液としては、(2a)アンモニウム塩及び有機溶媒を含み、イオン導電性塩(本発明のアンモニウム塩以外のイオン導電性塩をいう。)を含まない非水電解液、(2b)アンモニウム塩及びイオン導電性塩を含み、有機溶媒を含まない非水電解液、(2c)アンモニウム塩、有機溶媒及びイオン導電性塩を含む非水電解液が挙げられる。
(2a)の態様においては、例えば、本発明のアンモニウム塩が電解質として作用し、(2b)の態様においては、例えば、本発明のアンモニウム塩が溶媒として作用し、(2c)の態様においては、例えば、本発明のアンモニウム塩が添加剤として作用していると考えることができる。しかしながら、それぞれの態様における本発明のアンモニウム塩の作用は、厳密に特定されるものではなく、例えば、本発明のアンモニウム塩が、(2c)の態様において電解質として作用したり、溶媒として作用したりすることも有り得る。
有機溶媒としては、アンモニウム塩やイオン導電性塩を溶解可能であるとともに、蓄電デバイスの作動電圧範囲で安定なものであれば、特に制限はない。
具体例としては、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、メチルジグライム、メチルトリグライム、メチルテトラグライム、エチルグライム、エチルジグライム、ブチルジグライム、グリコールエーテル類(エチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルセルソルブ、ブチルカルビトール等)等の鎖状エーテル類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキサン等の環状エーテル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メチル−1,3−オキサゾリン−2−オン等のラクトン類;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド類;ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、スチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等のカーボネート類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類又はこれらの各種有機溶媒の水素原子やアルキル基がフルオロアルキル基に置換されたフッ素系溶媒などが挙げられる。
これらの非水系有機溶媒は、1種単独又は2種以上混合して用いることができる。
中でも、誘電率が大きく、電気化学的安定範囲及び使用温度範囲が広く、かつ、安全性に優れるものが好ましく、例えば、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートを主成分として含む溶媒や、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、フッ素化プロピレンカーボネート、及びフッ素化γ−ブチロラクトンから選ばれる少なくとも1種を含む溶媒を用いることが好ましい。
イオン導電性塩としては、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスに一般的に使用されているアルカリ金属塩、第4級溶融塩等の公知の各種イオン導電性塩を使用することができる。
特定のカチオンを必要とする場合、例えば、リチウム二次電池及びリチウムイオン二次電池等でリチウムイオンが必要な場合にはLiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiSbF、LiN(CSO、LiClO等が、燃料電池等の水素イオンが必要な場合はHN(CFSO、HN(CSO、CFSOH等が挙げられる。
イオン導電性塩を用いる場合、その非水電解液中における濃度は、通常、0.1〜3M程度である。
アンモニウム塩と有機溶媒とを含む非水電解液(例えば、上記(2a))の場合、電解液中におけるアンモニウム塩の含有量は、0.5〜3Mが好ましく、1〜2Mがより好ましい。この含有量が、0.5M未満であると、内部抵抗が増大する結果、エネルギー損失が増大するおそれがある。一方、含有量が、3Mを超えると、低溶解性かつ比較的高融点(10〜50℃)のアンモニウム塩を用いた場合、低温下で析出し、デバイスの安定性の低下などの不具合を招くおそれがある。
なお、本発明の電解液においては、本発明のアンモニウム塩として低融点の塩を用いることも可能であり、その場合には、上記(1)や(2b)の態様のように有機溶媒を使用しないか、又は極少量使用するだけとすることができ、そのような電解液は安全性に優れている。
(添加剤)
上述のとおり、本発明のアンモニウム塩を、電解液への添加剤として用いることができる。添加剤として用いる場合、電解液中のアンモニウム塩の濃度は、イオン導電性塩及び溶媒を含む溶液100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましい。0.1重量部未満であると添加剤としての効果が得られにくく、20重量部を超えると高粘度になり電池性能が低下する傾向がある。本発明のアンモニウム塩を添加剤として用いることにより、電解液に含まれる他のイオン導電性塩の結晶化や、金属のデンドライト化を防止することができる。
具体的には、リチウム二次電池や燃料電池などに用いられる特定のカチオンを有するイオン導電性塩と、添加剤としての本発明のアンモニウム塩とを有機溶媒に溶解して使用することができる。
(溶媒)
さらに、本発明のアンモニウム塩が常温溶融塩である場合、本発明のアンモニウム塩を電解液の溶媒として用いることも可能である。溶媒として用いる場合、電解液中のイオン導電性塩の濃度は、0.1〜3Mとなるように用いることが好ましい。本発明のアンモニウム塩は、極性が大きく非常に溶解力が高いため、高濃度で電解質を溶解することが可能となる。
具体的には、リチウム二次電池や燃料電池などに用いられる特定のカチオンを有するイオン導電性塩を、本発明のアンモニウム塩に溶解して使用することができる。
(蓄電デバイス)
蓄電デバイスの基本構造は、セパレーターを介して正極及び負極を対向配置し、これに電解液を含浸させるものであり、本発明においては、この電解液として、上述した本発明の電解液を用いることができる。
リチウム二次電池及びリチウムイオン二次電池の場合、正極に含まれる正極活物質としては、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn等のリチウムと遷移金属との複合酸化物、MnO、V等の遷移金属酸化物、MoS、TiS等の遷移金属硫化物、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物、ポリ(2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール)などのジスルフィド化合物などが用いられる。
負極に含まれる負極活物質としては、リチウム金属、リチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、リチウムを吸蔵・放出できる炭素質材料、黒鉛、フェノール樹脂、フラン樹脂等のコークス類、炭素繊維、ガラス状炭素、熱分解炭素、活性炭等が用いられる。
電気二重層キャパシタの場合、上記正極及び負極として、一対の分極性電極が用いられる。
分極性電極を構成する材料としては、電解液に対して電気化学的に不活性であるとともに、適度の導電性を有する材料が好適であることから、炭素質物質が好適に用いられる。特に、電荷が蓄積する電極界面の面積が大きいという点から、活性炭が最適である。
電解コンデンサの場合、正極には、陽極酸化処理などによって表面に絶縁性のアルミナ層が形成されたアルミニウム箔が、負極には、アルミニウム箔が用いられる。
これらのアルミニウム箔は、表面積を増大させて静電容量を高めるべく、通常は、エッチング処理が施されている。
電極活物質を用いて電極を作製する際に用いられる導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、天然黒鉛、熱膨張黒鉛、炭素繊維、酸化ルテニウム、酸化チタン、アルミニウム、ニッケル等の金属繊維などが用いられる。
これらの中でも、少量の配合で所望の導電性を確保できるアセチレンブラック、ケッチェンブラックが好ましい。
なお、導電助剤は、電極活物質に対して、通常0.5〜50重量%程度配合されるが、1〜10重量%配合されることがより好ましい。
導電助剤と共に用いられるバインダーとしては、公知の各種バインダーを用いることができる。
例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミド、石油ピッチ、石炭ピッチ、フェノール樹脂等が挙げられる。
セパレーターとしても、公知の各種セパレーターを用いることができる。
具体例としては、紙製、ポリプロピレン製、ポリエチレン製、ガラス繊維製セパレーター等が挙げられる。
ただし、電解液が高粘度である場合には、ポリプロピレン製やポリエチレン製のものを用いると濡れ性が悪くなる可能性があるため、ポリプロピレンやポリエチレン多孔体の表面をシランカップリング剤や樹脂などによって処理したセパレーターを用いることでセパレーターへの濡れ性を向上させることができる。
なお、本発明の電解液は、正負極いずれか一方を電気二重層キャパシタで用いられる分極性電極とし、もう一方をリチウムイオン電池で用いられるリチウムイオンを挿入・脱離可能な物質を活物質とする電極としたハイブリッド型の蓄電デバイスにも応用することができる。
下記に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に制限されるものではない。
実施例1
下記式で示されるアンモニウム塩の合成
Figure 2009105028
1−メチルイミダゾール(東京化成工業株式会社)0.12mol及び(5−ブロモペンチル)トリメチルアンモニウムブロミド(東京化成工業株式会社)0.04molをエタノール(和光純薬株式会社)200mlに溶解し、還流下、50℃で撹拌し、24時間反応を行った。
反応後、濃縮して得た結晶を、酢酸エチル(和光純薬株式会社)200mlを用いて3回洗浄した後、60℃で2日間真空乾燥した。得られた結晶4mmolをイオン交換水40mlに溶解し、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(キシダ化学株式会社)8mmolを加え、10時間撹拌した。
これに塩化メチレン(和光純薬株式会社)50mlを加えた後、有機相を抽出し、精製水80mlを用いて3回洗浄した。この有機相を濃縮することによって塩化メチレンを除去した後、80℃で2日間真空乾燥を行い、上記式で示されるアンモニウム塩4mmolを得た。
示差熱分析測定装置(Perkin Elmer社製「Pyris 1」)を用いて測定した融点は−60℃であった。また、電気伝導率計(東亜DKK(株)製「CM−20J」)を用いて25℃でのイオン伝導率を測定したところ、0.04mS/cmであった。
さらに、得られたアンモニウム塩のNMRスペクトルを、BRUKER社製AV400Mを用いて400MHzで測定した。結果は以下の通りである。
H−NMR[ppm](d−アセトン,1.49〜1.57(m,2H),2.08〜2.13(m,4H),3.31(s,9H),3.53〜3.57(m,2H),4.04(s,3H),4.40〜4.44(t,2H),7.71(s,1H),7,74(s,1H),8.99(s,1H))
(リチウム二次電池)
実施例2
(リチウム二次電池用正極の作製)
正極活物質としてマンガン酸リチウム(アルドリッチ製)、導電性カーボン(電気化学工業株式会社製「HS−100」)、バインダー樹脂としてポリフッ化ビニリデン(株式会社クレハ製「PVDF#1120」)、及び塗工溶媒としてN−メチルピロリドン(以下、NMPという)を正極活物質:導電性カーボン:バインダー樹脂:NMP=94:3:3:28(重量比)の割合で混合してペースト状にし、アルミ集電箔(日本蓄電器工業株式会社製「20CB」)に塗布し、80℃で4時間乾燥させた後、圧延してリチウム二次電池用正極電極を得た。
(リチウム二次電池用電解液の作製)
1M LiPF/EC:DMC(1:1体積比)の溶液100重量部に対して実施例1で得たアンモニウム塩を2.5重量部添加して電解液を作製した。
(リチウム二次電池の作製)
対極として厚さ1mmの金属リチウムを用い、また作用極として前記で得られた正極電極を用い、両極をセパレーター(セルガード株式会社製「セルガード#2300」)を介して対向させた。上記電解液を用いて通常の方法によってリチウム二次電池を作製した。
(電極特性の評価)
対極(リチウム極)に対し、0.1Cに相当する電流で4.2Vまで充電した。
放電は、リチウム極に対して0.1Cに相当する電流で2.5Vまで行い、初期(初回)放電容量を測定した。
また、100サイクル後の放電容量を測定し、100サイクル目の放電容量を初期放電容量で除すことによって容量維持率を算出した。その結果を表1に示す。
実施例3
実施例1で得たアンモニウム塩を5重量部添加した以外は実施例2と同様の工程を経てリチウム二次電池を作製した。
実施例4
実施例1で得たアンモニウム塩を10重量部添加した以外は実施例2と同様の工程を経てリチウム二次電池を作製した。
比較例1
1−エチル−メチルイミダゾリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学株式会社製)を実施例1で得たアンモニウム塩の代わりに用いた以外は実施例2と同様の工程を経てリチウム二次電池を作製した。
比較例2
1−エチル−メチルイミダゾリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学株式会社製)を実施例1で得たアンモニウム塩の代わりに用いた以外は実施例3と同様の工程を経てリチウム二次電池を作製した。
比較例3
1−エチル−メチルイミダゾリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学株式会社製)を実施例1で得たアンモニウム塩の代わりに用いた以外は実施例4と同様の工程を経てリチウム二次電池を作製した。
Figure 2009105028
表1に示されるように、従来の塩を用いた比較例1〜3と比べて、実施例2〜4は初期の容量が大きく、かつ、100サイクル後の容量維持率が優れていた。
このように、本発明のアンモニウム塩は極性が大きく、リチウム電池用電解液の添加剤として使用したところ、容量が増大し、信頼性が向上するなど電池性能が向上した。

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)で示されるアンモニウム塩。
    Figure 2009105028
    (R〜Rは各々独立に、炭素数1〜10の1価の有機基を示し、nは1〜20の整数であり、Yは1価のアニオンを示す。)
  2. が、N(SOF) 、N(SOCF 、N(SO 、BF 、PF 、CFSO 、又はCFCO である請求項1記載のアンモニウム塩。
  3. 一般式(I)中のR〜Rが、全て直鎖アルキル基である請求項1又は2記載のアンモニウム塩。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のアンモニウム塩を含有してなる電解質。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のアンモニウム塩を含有してなる添加剤。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載のアンモニウム塩を含有してなる電解液。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載のアンモニウム塩を含有してなる蓄電デバイス。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載のアンモニウム塩を含有してなるリチウム二次電池。
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