JP2009103848A - 偏光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】輝度ムラの無い、直線偏光を得ることができる偏光素子を提供する。
【解決手段】断面が鋸歯状の溝または断面が矩形状の溝で構成されている可視光を波長ごとにわける波長分光機能を有する格子構造と、前記鋸歯状溝の緩斜面または前記矩形状溝の間の台面に形成された細長い凸条の頂または凸条間の溝の底に積層された金属層からなるグリッド線で構成されている可視光を偏波面によってわける偏光分離機能を有する格子構造とが、板状の透明樹脂基材上に形成された偏光素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光素子に関する。さらに詳細には、輝度ムラの無い、直線偏光を得ることができる偏光素子に関する。
無偏光の可視光線を直線偏光に変換する素子として偏光子が知られている。該偏光子として、ヨウ素などの二色性染料によって染色された延伸ポリビニルアルコールフィルムからなるフィルム偏光子、方解石などを用いたプリズム偏光子、透明基材の上にワイヤグリッド(格子)を形成してなるグリッド偏光子などが知られている。
これらのうち、グリッド偏光子は、光通信においてはアイソレーターとして、液晶表示装置においては輝度向上素子として利用することが提案されている。
グリッド偏光子としては、特許文献1に、幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの直線状の突起からなる微細格子形状(1)と、該微細格子形状と交差する幅0.1〜500μm、ピッチ1.0μm〜100mmの第二の格子形状(2)が形成され、これらの二つの格子形状が形作る平行四辺形の短い方の対角線の長さが、遮蔽しようとする電磁波の波長の10-5〜10-1倍であり、微細格子形状(1)の突起の少なくとも一部と、第二の格子形状(2)の少なくとも一部が導電性反射材料により形成され、該導電性反射材料が互いに導通してなることを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子、
幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの直線状の突起からなる微細格子形状(1)と、該微細格子形状と交差する幅0.1〜500μm、ピッチ1.0μm〜100mmの複数組の格子形状(2)とが形成され、複数組の格子形状(2)に区切られた微細格子形状(1)の一部からなる線分のうち、その長さが遮蔽しようとする電磁波の波長の10-5〜10-1倍である線分の長さの合計が、複数組の格子形状(2)に区切られた微細格子形状(1)の一部からなるすべての線分の長さの合計の80%以上であり、微細格子形状(1)の突起の少なくとも一部と、複数組の格子形状(2)の少なくとも一部が導電性反射材料により形成され、該導電性反射材料が互いに導通してなり、シールドボックス法により500MHzの電磁波について測定した電磁波減衰量が20dB以上であることを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子、
および幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの直線状の突起からなる微細格子形状(1)と、該微細格子形状と交差する幅0.1〜500μm、ピッチ1.0μm〜100mmの規則性のある1群以上の幾何学的曲線条群(2)とが形成され、幾何学的曲線条(2)に区切られた微細格子形状(1)の一部からなる線分のうち、その長さが遮蔽しようとする電磁波の波長の10-5〜10-1倍である線分の長さの合計が、幾何学的曲線条(2)に区切られた微細格子形状(1)の一部からなるすべての線分の長さの合計の80%以上であり、微細格子形状(1)の突起の少なくとも一部と、幾何学的曲線条(2)の少なくとも一部が導電性反射材料により形成され、該導電性反射材料が互いに導通してなり、シールドボックス法により500MHzの電磁波について測定した電磁波減衰量が20dB以上であることを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子の3種が提案されている。
しかし、従来のグリッド偏光子を透過型(直視型)液晶表示装置に用いると輝度ムラの低減効果が無いため、バックライトに使用する際には他の光学部材と組み合わせる必要があり、部材を数多く必要であった。
特開2006−78665号公報
そこで、本発明の目的は、輝度ムラの無い、直線偏光を得ることができる偏光素子を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、可視光を波長ごとにわける波長分光機能を有する格子構造と、可視光を偏波面によってわける偏光分離機能を有する格子構造とが、板状の透明樹脂基材上に形成された、偏光素子を使用することによって、輝度ムラの無い直線偏光が容易に得られることを見出した。本発明はこの知見に基づいてさらに検討し、完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) 可視光を波長ごとにわける波長分光機能を有する格子構造と、
可視光を偏波面によってわける偏光分離機能を有する格子構造とが、
板状の透明樹脂基材上に形成された、偏光素子。
(2) 波長分光機能を有する格子構造は、その格子間隔が、可視光線域の波長の長さ以上であり、
偏光分離機能を有する格子構造は、その格子間隔が、紫外線域の波長の値以下の長さである、(1)に記載の偏光素子。
(3) 波長分光機能を有する格子構造の格子間に、偏光分離機能を有する格子構造が形成されている、(1)または(2)に記載の偏光素子。
(4) 波長分光機能を有する格子構造は、断面が鋸歯状の溝または断面が矩形状の溝で構成され、偏光分離機能を有する格子構造は、前記鋸歯状溝の緩斜面または前記矩形状溝の間の台面に形成された金属層からなるグリッド線で構成されている、(1)または(2)に記載の偏光素子。
(5) 波長分光機能を有する格子構造は、断面が鋸歯状の溝または断面が矩形状の溝で構成され、偏光分離機能を有する格子構造は、前記鋸歯状溝の緩斜面または前記矩形状溝の間の台面に形成された細長い凸条の頂または凸条間の溝の底に積層された金属層からなるグリッド線で構成されている、(1)または(2)に記載の偏光素子。
本発明の偏光素子は、偏光分離機能を有する格子構造によって、無偏光の光を直線偏光に変換でき、同時に波長分光機能を有する格子構造によって該直線偏光を広角度で出射するようにできるので、輝度ムラの無い直線偏光を得ることができる。
本発明の偏光素子を、透過型(直視型)液晶表示装置に用いると、高輝度で、ムラの無い高画質の表示を行うことができる。
本発明の偏光素子は、可視光を波長ごとにわける波長分光機能を有する格子構造と、
可視光を偏波面によってわける偏光分離機能を有する格子構造とが、
板状の透明樹脂基材上に形成されたものである。
可視光を波長ごとにわける波長分光機能を有する格子構造としては、多数の平行スリットが等間隔で配列した構造の回折格子、溝の断面形状が鋸歯状である回折格子(ブレーズド回折格子=ブレーズド ホログラフィック グレーティング(BHG))、溝の断面形状が正弦波状である回折格子(ホログラフィック グレーティング(HG))、溝の断面形状が矩形状である回折格子(ラミナー回折格子=ラミナーグレーティング)などが挙げられる。これらのうち、ブレーズド回折格子(図1参照)、ラミナー回折格子が好ましい。
回折格子の格子方向と電場ベクトルの振動方向が垂直であるS偏光(TM波)は回折格子で一次回折、二次回折、および三次回折を起し、光が広く分散する。一方、該格子方向と電場ベクトルの振動方向が平行であるP偏光(TE波)は回折格子でほとんど影響を受けない。
波長分光機能を有する格子構造は、その格子間隔dが、通常、可視光線域の波長の長さ以上であり、好ましくは500nm〜40μm、より好ましくは700nm〜30μmである。なお、該格子間隔dは、平行スリットからなる回折格子ではスリットのピッチを、BHG、HGおよびラミナー回折格子では、溝のピッチを指す。
ブレーズド回折格子は、緩斜面の傾斜角(ブレーズ角)θBが0.5〜5度であることが好ましく、0.5〜3度であることがより好ましい。緩斜面の長さは、格子間隔とブリーズ角とによってほぼ決まる。急斜面の傾斜角度は特に限定されないが、緩斜面と急斜面とが交差する溝の底の角度が90度を超えるような角度が好ましい。
ラミナー回折格子は、矩形状溝の幅が、500nm〜10μmであることが好ましく、700nm〜5μmであることが特に好ましい。また矩形状溝の深さは、50nm〜5μmであることが好ましく、100nm〜3μmであることが特に好ましい。ラミナー回折格子では、矩形状溝の間に台状の部分がある。
可視光を偏波面によってわける偏光分離機能を有する格子構造は、いわゆる、グリッド偏光子の構造である。グリッド偏光子の格子方向と電場ベクトルの振動方向が垂直であるS偏光(TM波)はグリッド偏光子を透過し、グリッド偏光子の格子方向と電場ベクトルの振動方向が平行であるP偏光(TE波)はグリッド偏光子で反射される。
偏光分離機能を有する格子構造は、略平行に伸びた線状の金属層(グリッド線)によって格子が形成されるものである。
金属層(グリッド線)に用いる材料としては、導電性のものが好ましく、具体的には、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、ロジウム、スズ等の金属が挙げられる。
偏光分離機能を有する格子構造は、その格子間隔が、通常、紫外線域の波長の値以下の長さであり、好ましくは60nm〜400nm、より好ましくは120〜250nmである。
なお、該格子間隔は金属層のピッチを指す。また凸条の頂または凸条の間に形成された溝の底に金属層がある場合は、凸条の頂に形成された金属層のピッチと、溝の底に形成された金属層のピッチとのそれぞれを指す。
金属層の幅は、好ましくは25〜300nmであり、より好ましくは50〜200nmである。金属層の厚さは、好ましくは30〜300nmであり、より好ましくは50〜200nmである。
偏光分離機能を有する格子構造は、前記の波長分光機能を有する格子構造の格子間に形成されることが好ましい。
例えば、波長分光機能を有する格子構造が鋸歯状溝で構成されている場合は、偏光分離機能を有する格子構造は、前記鋸歯状溝の緩斜面に形成される。波長分光機能を有する格子構造が矩形状溝で構成されている場合は、偏光分離機能を有する格子構造は、前記矩形状溝の間の台面に形成される。
ブレーズド回折格子の緩斜面(図1参照)及びラミナー回折格子の矩形状溝の間の台面(図2参照)には、偏光分離機能を有する格子構造と同じ間隔で略平行に延びた凸条が形成されていることが好ましい。
この凸条のピッチは、通常、紫外線域の波長の値以下の長さであり、好ましくは60nm〜400nm、より好ましくは120〜250nmである。
凸条の断面形状は、特に限定されないが、矩形、台形、菱形、山形などが挙げられる。
凸条の高さHは、好ましくは5〜300nm、より好ましくは20〜200nm、特に好ましくは50〜100nmである。
凸条間に形成される溝の幅は、好ましくは200nm以下、好ましくは20〜100nmである。
凸条の幅は、好ましくは25〜300nmであり、凸条(稜線)の長さは、好ましくは800nm以上である。
凸条の高さ/凸条の幅の比は、好ましくは0.1〜5.0、より好ましくは0.4〜3.0、特に好ましくは0.8〜2.0である。
ブレーズド回折格子の緩斜面またはラミナー回折格子の矩形状溝の間の台面に凸条が形成されている場合は、凸条の頂または凸条間の溝の底に、金属層が形成され、それがグリッド線となる。
凸条の長手方向に垂直な断面における凸条の頂に形成された金属層Aの形状は特に制限されず、通常は矩形、台形、円形、山形などである。金属層Aの厚さは、特に制限されないが、通常20〜500nm、好ましくは30〜300nm、より好ましくは40〜200nmである。金属層Aの幅および長さは、通常、凸条の頂面の形状にしたがってほぼ決まる。
凸条の長手方向に垂直な断面における凸条間に形成される溝の底に形成された金属層Bの形状は、特に制限されず、通常は矩形、台形、円形、山形などである。金属層Bの厚さは、通常20〜500nm、好ましくは30〜300nmである。金属層Bの幅および長さは、通常、溝の底面の形状にしたがってほぼ決まる。
本発明の偏光素子は、偏光分離機能を有する格子構造の格子方向と、波長分光機能を有する格子構造の格子方向とは、略平行であることが好ましい。
両格子構造の格子方向が略平行になっている偏光素子に可視光線を入射すると、両格子方向と電場ベクトルの振動方向が垂直である偏光が本発明の偏光素子を透過し、広く分散される。両格子方向と電場ベクトルの振動方向が平行である偏光は本発明の偏光素子で反射される。
波長分光機能を有する格子構造および偏光分離機能を有する格子構造が形成される板状透明樹脂基材としては、透明樹脂のフィルムや板が通常用いられる。
透明樹脂基材は、波長550nmで測定したレターデーションReが、50nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。また、面内の任意2点のレターデーションReの差(レターデーションむら)は、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下である。レターデーションReが大きく、またレターデーションむらが大きいと、液晶表示装置に用いた場合に表示面の明るさにバラツキが生じやすくなる。
透明樹脂基材を構成する透明樹脂は、加工性の観点からガラス転移温度が60〜200℃であることが好ましく、100〜180℃であることがより好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
透明樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよいし、硬化性樹脂を硬化させたものであってもよいが、前述した回折格子構造や凸条を容易に形成できると言う点から硬化性樹脂を硬化させたものが好ましい。
透明な熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、脂環式オレフィンポリマーなどが挙げられる。これらのうち、コストの観点から、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリレート樹脂が好適である。
前記硬化性樹脂としては、熱硬化性のものと、エネルギー線硬化性のものとがある。なお、エネルギー線とは、可視光線、紫外線、電子線、X線などのことをいう。
前記熱硬化性樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
前記エネルギー線硬化性樹脂としては、ラジカル重合性不飽和基及び/又はカチオン重合性基を有する低分子量化合物、又は樹脂等が挙げられる。なお、ラジカル重合性不飽和基及び/又はカチオン重合性基は、1分子中に2以上含んでいてもよい。
前記ラジカル重合性不飽和基を有する低分子量化合物としては、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン化合物;スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、ピニルナフタレン、4−ビニルピリジン等のラジカル反応性芳香族化合物;アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、エンド−ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,8−ジカルボン酸(エンディック酸)、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の不飽和カルボン酸;アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド、マイイン酸クロライド等の前記不飽和カルボン酸のハライド;アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド等の、前記不飽和カルボン酸のアミド若しくはイミド誘導体;無水マレイン酸、無水エンディック酸、無水シトラコン酸等の前記不飽和カルボン酸の無水物;マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、(メタ)アクリル酸アミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アリル(メク)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フエノキシエチル(メタ)アクリレート、へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントソ(メタ)アクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールへキサ(メタ)アクリレート等の前記不飽和カルボン酸のエステル誘導体; ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシトリエトキシシラン等のラジカル反応不飽和基を有するシラン化合物;等が挙げられる。
前記カチオン重合性基を有する低分子量化合物としては、ジシクロペンタジエンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アセタール、エチレングリコールのビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、エチレングリコールの3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸ジエステル等の脂環式エポキシ基を含有する化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、スピログリコールジグリシジルエーテル等のグリシジル基を含有するエポキシ化合物;3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−エトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ブトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2’−ヒドロキシエチル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2’−ヒドロキシ−3’−フェノキシプロピル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2’−ヒドロキシ−3’−ブトキシプロピル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−[2’−(2”−エトキシエチル)オキシメチル]オキセタン等のオキセタン環を含有する化合物;等が挙げられる。
前記ラジカル重合性不飽和基又はカチオン重合性基を有する樹脂としては、低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等の側鎖にラジカル重合性不飽和基又はカチオン重合性基を有する樹脂が挙げられる。
エネルギー線として紫外線や可視光線を用いる場合には、硬化性樹脂の中に光重合開始剤、光増感剤などを含ませる。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類等が挙げられる。光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
前記透明樹脂は、顔料や染料のごとき着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤などの配合剤が適宜配合されたものであってもよい。
本発明に用いられる透明樹脂基材は、前記透明樹脂を公知の方法で成形することによって得られる。成形法としては、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などが挙げられる。
透明樹脂基材の平均厚さは、取り扱い性の観点から通常5μm〜10mm、好ましくは20〜500μmである。透明樹脂基材は、波長400〜700nmの可視光線領域の光の透過率が80%以上であるものが好ましい。
本発明の偏光素子を製造するにあたって、透明樹脂基材として長尺状のものが好ましく用いられる。長尺とは、幅に対し少なくとも5倍程度以上の長さを有するものを言い、好ましくは10倍もしくはそれ以上の長さを有するものを言い、具体的にはロール状に巻回されて保管または運搬される程度の長さを有するものを言う。
長尺状の透明樹脂基材の幅は、好ましくは500mm以上、より好ましくは1000mm以上である。透明樹脂基材は、その製造工程の途中において、任意に、その幅方向の両端を切り落とす(トリミング)ことがある。この場合、前記透明樹脂基材の幅は、両端を切り落とした後の寸法とすることができる。
本発明の偏光素子の製法は、板状の透明樹脂基材上に、可視光を波長ごとにわける波長分光機能を有する格子構造を形成する工程と、可視光を偏波面によってわける偏光分離機能を有する格子構造(グリッド偏光子)を形成する工程とを含むものである。
波長分光機能を有する格子構造を形成する方法としては、リソグラフィー法と現像エッチング法との組み合わせによる方法;転写型または転写ロールを用いた転写による方法;が挙げられる。
前者の方法としては、例えば、エネルギー線硬化性樹脂を流延して塗膜を得、該塗膜に回折格子形状および必要に応じてグリッド偏光子を形成するための凸条に対応するパターンでエネルギー線を照射して、該パターンを現像することを含む方法が挙げられる。
また、後者の方法としては、例えば、エネルギー線硬化性樹脂を流延して塗膜を得、該塗膜に波長分光機能を有する格子構造および必要に応じてグリッド偏光子を形成するための凸条に対応した凹凸を有する金型またはロールを押し当て、該押し当てている状態でエネルギー線を照射し、エネルギー線硬化性樹脂を硬化させることを含む方法;熱可塑性樹脂フィルムに波長分光機能を有する格子構造および必要に応じてグリッド偏光子を形成するための凸条に対応した凹凸を有する金型またはロールを押し当て、加熱することを含む方法;が挙げられる。
波長分光機能を有する格子構造に対応した凹凸と、グリッド偏光子を形成するための凸条に対応した凹凸とを併せ有するパターンまたは金型若しくはロールを用いると、波長分光機能を有する格子構造と、偏光分離機能を有する格子(グリッド偏光子)構造のための凸条とを同時に得ることができる。
本発明の偏光素子の製法は、偏光分離機能を有する格子構造の断面形状に対応する凹凸形状をした、波長分光機能を有する格子構造の格子間隔に相当する幅の切削工具を得、該切削工具をブレーズ角に相当する角度で傾けて金型部材またはロール部材に押し当てて切削して、溝の断面形状が鋸歯状である波長分光機能を有する格子構造で、該鋸歯状溝の緩斜面に偏光分離機能を有する格子構造の断面形状に対応する凹凸形状が複数列形成された金型またはロールを作製し、その金型またはロールで上記転写を行う方法(図1);
または前記と同じ切削工具を金型部材またはロール部材に垂直に押し当てて一条切削し、次の一条を切削する際に、切削工具を切削工具の幅よりも大きく移動させ、偏光分離機能を有する格子構造の断面形状に対応する凹凸形状の間に非切削部を残し、図2に示すような断面形状に相当する形状が形成できる金型またはロールを作製し、その金型またはロールで上記転写を行う方法、が特に好ましい。
金属層は、前記材料を物理蒸着(PVD法)することによって形成することができる。PVD法は、蒸着材料を蒸発・イオン化し、被膜を形成させる方法である。具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング(イオンめっき)法、イオンビームデポジション法等の中から適宜選択することができる。これらのうち真空蒸着法が好適である。蒸着材料を蒸発またはイオン化するために、抵抗加熱、電子ビーム、高周波誘導、レーザーなどの方法が用いられる。
グリッド偏光子を形成するための凸条を有する透明樹脂基材にPVD法による金属層を形成させた場合、前記凸条の頂及び/又は前記凸条間に形成される溝の底に金属層が形成される(図3、図4参照)。
前記のような凹凸面に形成された金属層の一部は、湿式エッチングによって除去することが好ましい。除去される金属層の一部とは、凸条の側壁に形成された部分、凸条の頂の幅からはみ出した部分などである。湿式エッチングは、金属層にエッチング液を接触させる工程と、リンス液で洗浄する工程、およびリンス液を除去する工程を少なくとも含む。
金属層にエッチング液を接触させる工程の前に、除去されないようにしたい部分の金属層の上にマスク層を設けてもよい。マスク層には通常無機化合物膜が用いられる。このマスク層によって金属層の厚さの減少を少なくして金属層の幅を狭くすることができる。
マスク層用の無機化合物は、後述の湿式エッチングに耐えるものであれば特に限定されず、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素または窒化酸化ケイ素などの化合物が挙げられる。これらの中では特に酸化ケイ素が好ましい。積層される無機化合物膜の厚さは、特に制限されないが、通常1〜100nm、好ましくは2〜50nm、より好ましくは3〜20nmである。無機化合物膜はPVD法によって形成できる。
金属層にエッチング液を接触させる工程の前に、略平行に並んだ凸条に直交する方向に延伸することができる。この延伸によって凸条の中心間距離が広がり、金属層Aのピッチが広がり、結果として光線透過率が高くなる。また溝の底面に形成されていた金属層Bの端が、延伸によって、凸条の基部から離れ、隙間ができる。後述する湿式エッチング液がこの隙間に入り込み、金属層Bの両端を優先的に除去し、中央よりも両端を薄くすることができる。
延伸方法は特に限定されないが、凸条に直交する方向の延伸倍率を好ましくは1.05〜5倍、より好ましくは1.1〜3倍、凸条に平行な方向の延伸倍率を好ましくは0.9〜1.1倍、より好ましくは0.95〜1.05倍にすると好ましい。このような延伸を行うために、テンター延伸機による連続的な横一軸延伸が好適である。
金属層にエッチング液を接触させる工程の前に、金属層の表面改質処理を行うことが好ましい。表面改質処理としては、プラズマ処理、コロナ放電処理、UV照射処理および有機溶剤処理からなる群から選ばれる少なくとも一つの処理が好適なものとして挙げられる。金属層の表面改質処理を行うことによって、光学性能のバラツキが少なくなる。
湿式エッチングに用いられるエッチング液は、透明樹脂基材を腐食等させずに金属層の一部を除去できる液であれば良く、マスク層(無機化合物膜)、金属層、および透明樹脂フィルムの材質に応じて適宜選択される。エッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物を含有する溶液;硫酸、燐酸、硝酸、酢酸、フッ化水素、塩酸などを含有する溶液;過硫酸アンモニウム、過酸化水素、フッ化アンモニウム等やそれらの混合液からなる溶液などが挙げられる。また、エッチング液には界面活性剤などの添加剤が添加されていても良い。
金属層にエッチング液を接触させる方法は、特に制限されないが、ディップ法、スプレー法およびコーティング法からなる群から選ばれる少なくとも一つの方法が好ましい。
湿式エッチングに用いられるリンス液は、エッチング液を金属層に接触させたときに発生する残渣を取り除く液である。残渣が残ると、該残渣が透明樹脂基材の好ましく無い場所に付着することがあり、また、金属層の表面が荒れ、光学性能に影響を及ぼすことがある。
リンス液としては、水(純水)、界面活性剤を含有する溶液、などが挙げられる。
リンス液で金属層を洗浄する方法は、金属層に接触したエッチング液およびエッチング残渣を取り除くことができる方法であれば、特に制限されない。
リンス液で洗浄した後、リンス液を除去する。リンス液の除去方法は特に制限されないが、エアーブローによる方法が好ましい。
本発明の偏光素子は、金属層を形成した側の面に直接または他の層を介して保護層が積層されていてもよい。
保護層は、その材質によって特に制限されないが、透明材料からなるものが好ましい。透明材料としては、ガラス、無機酸化物、無機窒化物、多孔質物質、透明樹脂などが挙げられる。これらのうち、特に透明樹脂からなるものが好ましい。透明樹脂は、前述の透明樹脂基材を構成するものとして示したものから適宜選択して用いることができる。
保護層の平均厚さは、取り扱い性の観点から通常5μm〜1mm、好ましくは20〜200μmである。保護層は、波長400〜700nmの可視光線領域の光の透過率が80%以上であるものが好ましい。
また、保護層は、波長550nmで測定したレターデーションReが、50nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。また、面内の任意2点のレターデーションReの差(レターデーションむら)は、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下である。レターデーションReが大きく、またレターデーションむらが大きいと、液晶表示装置に用いた場合に表示面の明るさにバラツキが生じやすくなる。
保護層を積層させるために接着剤(粘着剤を含む)を用いることができる。接着剤からなる層(接着層)の平均厚さは、通常0.01μm〜30μm、好ましくは0.1μm〜15μmである。保護層を接着剤で貼り付ける場合には、金属層間の空間に接着剤が入り込まないようにし、金属層間の空間に空気が残るようにすることが偏光分離性能を高める点で好ましい。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(波長分光機能の測定)
内寸の長さ300mm、幅240mm、深さ18mmの乳白色プラスチック製ケースの底に、反射シートを貼着した。反射シート面から4mm離して、直径4mm、長さ360mmの冷陰極管8本を、冷陰極管の中心間の距離25mmで配置した。冷陰極管の電極部近傍をシリコーンシーラントで固定し、インバーターを取り付けてバックライトを得た。
実施例および比較例で得られた偏光素子を、偏光透過軸が冷陰極管の長手方向に直交するように、冷陰極管から500mm離して設置した。
管電流6mA、管電圧330Vrmsを印加して冷陰極管を点灯し、波長分光の有無を目視により観察した。
(輝度向上率の測定)
光拡散シート2枚を重ねたものを前記バックライトの冷陰極管から14mm離して設置し、実施例および比較例で得られた偏光素子を、偏光透過軸が冷陰極管の長手方向に直交するように、前記光拡散シートの上に重ね置いた。
管電流6mA、管電圧330Vrmsを印加して冷陰極管を点灯し、出射光の輝度を輝度計(BM−7、トプコン製)を用いてバックライトの幅方向に輝度分布を測定した。輝度の最大値と最小値との差(輝度ムラ)を求めた。
実施例1
逃げ角5度、0.2mm×0.5mmの逃げ面と、0.5mm×1mmの掬い面とからなる単結晶ダイヤモンド製バイト材の逃げ面側から集束イオンビーム加工装置SMI3050(セイコーインスツルメンツ社製)を用いてアルゴンイオンビームを掬い面に対して93度の角度で照射して、ダイヤモンドバイトの刃の掬い面から逃げ面側につき抜けた長さ5μmの溝が逃げ面に幅500nmに亘って複数列形成された部分を、300nmの間隔を空けて、バイトの全幅(0.5mm)に亘って形成した。該溝の形成部分の掬い面側の形状はピッチ200nm、幅100nm、深さ70nmの矩形状であった。溝形成部分の間には、幅300nmで、掬い面側の形状で高さ100nmの矩形状の凸条が残された。
得られたダイヤモンドバイトを、8mm×8mm×60mmのSUS製シャンクの8mm×60mmの面に、ダイヤモンドバイトの0.5mmの辺がシャンクの60mmの辺に対して直角となるようにろう付けし、切削工具を得た。
直径200mmで長さ150mmのステンレス鋼SUS430製円筒の曲面全面に、厚さ100μmのニッケル−リン無電解メッキを施した。次いで、精密円筒研削盤S30−1(スチューダ社製)を用いて、前記円筒を回転させながらニッケル−リン無電解メッキ面に、先に作製した切削工具を押し当て、ダイヤモンドバイトの刃先を滑らか(曲率半径28nm)にした。
直径200mmで長さ500mmのステンレス鋼SUS430製円筒の曲面全面に、厚さ100μmの銅メッキを施した。次いで、精密円筒研削盤S30−1(スチューダ社製)を用いて、前記円筒を回転させながら銅メッキ面に、前記切削工具を押し当て、幅0.5mmで曲面を一回りする凹凸条を形成した。切削工具を円筒の長さ方向に0.5mm平行移動し、上記同様にして曲面を一回りする幅0.5mmの凹凸条を形成した。この切削操作を繰返し、SUS円筒曲面に幅450mmで凹凸条を形成して、転写ロールを得た。
なお、集束イオンビーム加工による切削工具の作製と、ニッケル−リン無電解メッキ面及び銅メッキ面の切削加工は、振動制御システム(昭和サイエンス社製)により0.5Hz以上の振動の変位が10μm以下に管理された、温度20.0±0.2℃の恒温低振動室内で行った。
直径70mmのゴム製ニップロール(表面温度100℃)及び上記転写ロール(表面温度160℃)の間に100μmのシクロオレフィンポリマーフィルム(ZF−14、オプテス社製)を、搬送テンション0.1kgf/mm2、ニップ圧0.5kgf/mmの条件で挟み、フィルム面に転写ロール面の形状を転写した。形状が転写されたフィルムをロール状に巻き取った。得られた転写フィルム表面に、幅100nm、高さ70nmの断面矩形の凸条が、フィルムの長手方向に平行にピッチ200nmで複数並んで形成されている部分(偏光分離機能を有する格子構造の部分)が幅500nmで300nmの間隔を空けて、平行に形成されていることが、透過電子顕微鏡H−7500(日立製作所製)および電界放出型走査電子顕微鏡S−4700(日立製作所製)の観察によって確認された。なお、観察用の試料は、集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(日立製作所製)のマイクロサンプリング装置にて作成した。
前記の転写フィルムの凹凸面側に、アルゴンガス存在下にてフィルムの法線方向から70度傾斜し且つフィルム長手方向(凸条の長手方向)に直角な方向からSiO2を出力400Wでスパッタリングして斜方成膜した。次いで、前記方向の逆側に70度傾斜し且つ凸条の長手方向に直角な方向からSiO2を出力400Wでスパッタリングして斜方成膜した。最後に該フィルムの法線方向からアルミニウムを真空蒸着し成膜した。
次いで、上記アルミニウム蒸着フィルムを、硝酸5.2重量%、リン酸73.0重量%、酢酸3.4重量%、及び残部が水からなる組成(酸成分相当濃度:81.6重量%)で、温度33℃のエッチング液に30秒間浸漬した。水でリンスし、120℃で5分間乾燥して、長尺の偏光素子を作製した。
この偏光素子を透過電子顕微鏡H−7500(日立製作所社製)によって観察した。前記透過電子顕微鏡による断面観察用試料は、集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(日立製作所社製)のマイクロサンプリング装置を使用して作成した。
この偏光素子は、断面矩形の凸条が形成された部分の、凸条の頂に幅99nm、厚さ75nmのアルミニウム層が積層され、該頂のアルミニウム層によってピッチ200nmのグリッド格子構造を形成していた。また、凸条の間の溝の底に、幅61nm、厚さ52nmのアルミニウム層が積層され、該底のアルミニウム層によってピッチ200nmのグリッド格子構造を形成していた。底部に形成されたアルミニウム層は両端部の膜厚が中心部の膜厚より薄い形状であった。
また、該偏光素子を電界放出型走査電子顕微鏡S−4700(日立製作所製)で観察した。この偏光素子は、幅500nmの断面矩形の凸条が形成された部分が300nmの間隔を空けて平行に形成されていた。
次いで、前記偏光素子のアルミニウム層形成面側に、ウレタン系接着剤を介して、トリアセチルセルロースからなる保護フィルムを、貼り合わせて、保護層付きの偏光素子を得た。保護層付きの偏光素子の偏光透過軸は、フィルムの幅方向と略平行であった。該偏光素子の評価結果を表1に示した。
実施例2〜4
ダイヤモンドバイトの刃の溝形成部分の幅500nmおよび間隔300nmを表1に示す幅および間隔に変更した以外は実施例1と同様にして偏光素子を得た。該偏光素子の評価結果を表1に示した。
実施例5
逃げ角5度、0.2mm×0.005mmの逃げ面と、0.005mm×1mmの掬い面とからなる単結晶ダイヤモンド製バイト材の逃げ面側から集束イオンビーム加工装置SMI3050(セイコーインスツルメンツ社製)を用いてアルゴンイオンビームを掬い面に対して93度の角度で照射して、ダイヤモンドバイトの刃の掬い面から逃げ面側につき抜けた長さ5μmの溝を逃げ面に全幅(0.005mm)に亘って複数形成した。該溝の形成部分の掬い面側の形状はピッチ200nm、幅100nm、深さ70nmの矩形状であった。
得られたダイヤモンドバイトを、8mm×8mm×60mmのSUS製シャンクに、ダイヤモンドバイトの0.005mmの辺がシャンクの60mmの辺に対して89.5度傾いた状態でろう付けし、切削工具を得た。
この切削工具を用いた以外は実施例1と同様にして、転写フィルムを得た。転写フィルム表面の形状を表1に示した。この転写フィルムを用いた以外は実施例1と同様にして保護層付き偏光素子を得た。該偏光素子の評価結果を表1に示した。
実施例6
逃げ角5度、0.2mm×0.04mmの逃げ面と、0.04mm×1mmの掬い面とからなる単結晶ダイヤモンド製バイト材の逃げ面側から集束イオンビーム加工装置SMI3050(セイコーインスツルメンツ社製)を用いてアルゴンイオンビームを掬い面に対して93度の角度で照射して、ダイヤモンドバイトの刃の掬い面から逃げ面側につき抜けた長さ5μmの溝を逃げ面に全幅(0.04mm)に亘って複数形成した。該溝の形成部分の掬い面側の形状はピッチ200nm、幅100nm、深さ70nmの矩形状であった。
得られたダイヤモンドバイトを、8mm×8mm×60mmのSUS製シャンクに、ダイヤモンドバイトの0.04mmの辺がシャンクの60mmの辺に対して85度傾いた状態でろう付けし、切削工具を得た。
この切削工具を用いた以外は実施例1と同様にして、転写フィルムを得た。転写フィルム表面の形状を表1に示した。この転写フィルムを用いた以外は実施例1と同様にして保護層付き偏光素子を得た。該偏光素子の評価結果を表1に示した。
比較例1
実施例6で得られたダイヤモンドバイトを、8mm×8mm×60mmのSUS製シャンクに、ダイヤモンドバイトの0.04mmの辺がシャンクの60mmの辺に対して直角になるようにしてろう付けし、切削工具を得た。
この切削工具を用いた以外は実施例1と同様にして、転写フィルムを得た。転写フィルム表面の形状を表1に示した。この転写フィルムを用いた以外は実施例1と同様にして保護層付き偏光素子を得た。該偏光素子の評価結果を表1に示した。
Figure 2009103848
ブレーズド回折格子構造と偏光分離機能を有する格子構造を備えた偏光素子の一実施態様を示す断面図である。 ラミナー回折格子構造と偏光分離機能を有する格子構造を備えた偏光素子の一実施態様を示す断面図である。 偏光分離機能を有する格子構造の一例を示す斜視図である。 図3に示した偏光分離機能を有する格子構造の断面図である。
符号の説明
310 : 透明樹脂基材
311 : 金属層A
311’: 金属層B
312 : 金属層間の空間
P:偏光分離機能を有する格子構造の部分
d:波長分光機能を有する格子構造の格子間隔
θB:ブレーズ角

Claims (5)

  1. 可視光を波長ごとにわける波長分光機能を有する格子構造と、
    可視光を偏波面によってわける偏光分離機能を有する格子構造とが、
    板状の透明樹脂基材上に形成された、偏光素子。
  2. 波長分光機能を有する格子構造は、その格子間隔が、可視光線域の波長の値以上の長さであり、
    偏光分離機能を有する格子構造は、その格子間隔が、紫外線域の波長の値以下の長さである、請求項1に記載の偏光素子。
  3. 波長分光機能を有する格子構造の格子間に、偏光分離機能を有する格子構造が形成されている、請求項1または2に記載の偏光素子。
  4. 波長分光機能を有する格子構造は、断面が鋸歯状の溝または断面が矩形状の溝で構成され、偏光分離機能を有する格子構造は、前記鋸歯状溝の緩斜面または前記矩形状溝の間の台面に形成された金属層からなるグリッド線で構成されている、請求項1または2に記載の偏光素子。
  5. 波長分光機能を有する格子構造は、断面が鋸歯状の溝または断面が矩形状の溝で構成され、偏光分離機能を有する格子構造は、前記鋸歯状溝の緩斜面または前記矩形状溝の間の台面に形成された細長い凸条の頂または凸条間の溝の底に積層された金属層からなるグリッド線で構成されている、請求項1または2に記載の偏光素子。
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