JP2009103048A - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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章仁 細井
Hideo Kobayashi
日出夫 小林
Katsuhiko Arisawa
克彦 蟻沢
Toshihisa Sugiyama
敏久 杉山
Kenichi Yamada
賢一 山田
Kunihiko Hayashi
邦彦 林
Akira Michikawauchi
亮 道川内
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

【課題】暖機中にウォータジャケット内から冷却水を抜き取るエンジンにおいて、ウォータジャケット内から冷却水を抜き取る際に、冷却装置に設けられたリザーブタンク内からの冷却水の流出を抑制する。
【解決手段】冷却装置1は、ウォータジャケット3内から抜き取った冷却水を貯留する第一タンク5と、第一タンク5内からウォータジャケット3内へ冷却水を移送する電動ポンプ6と、エア及び冷却水を貯留する第二タンク7と、第一タンク5内と第二タンク7内とを接続する第一通路8と、ウォータジャケット3内と第二タンク7内とを接続する第二通路9と、ウォータジャケット3内と第二タンク7内とを接続する第三通路10と、冷却水をウォータジャケット3内へ圧送するウォータポンプ14と、第三通路10内の第二タンク7側の圧力Pがウォータポンプ14側の圧力Pと比較してP以上高い状態となると開弁する一方弁13と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの冷却装置に関し、特に、暖機時にエンジンのウォータジャケットから冷却水を抜き取るエンジンの冷却装置に関する。
従来、エンジンの冷却装置においてウォータポンプによって圧送される冷却水は、シリンダブロック、シリンダヘッドなどの冷却を必要とする部位へ送られ、このような冷却対象部位から熱を奪う。冷却対象部位から熱を奪った冷却水はラジエータへ送られて、ラジエータにおいて熱を大気中に放出する。このように、エンジンは、エンジン内を循環する冷却水の熱交換により冷却されている。このような冷却水を循環させるエンジンでは、暖機の時間を短縮するため、暖機時にエンジン本体への冷却水の流通を抑制する構成のものがある。このような構成のエンジンでは、冷却水による熱の持ち去りが抑制されるため、暖機の促進が見込まれる。
ところが、このようなエンジンの冷却装置のウォータジャケットは常に冷却水で満たされているため、エンジンの暖機時にシリンダブロック、シリンダヘッドとともにウォータジャケット内の冷却水も温めなければならず、暖機に時間を要していた。そこで、このような暖機時間の短縮を図ったエンジンの冷却装置が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたエンジンの冷却装置は、暖機運転時にウォータジャケット内の冷却水をタンクへ抜き取り、ウォータジャケット内へエアを供給する。これにより、ウォータジャケット内の冷却水の液面レベルを下げ、冷却水の熱容量を減らすことで、暖機性能が向上し、暖機が促進される。この冷却装置は、暖機が完了すると、抜き取った冷却水をウォータジャケットへ戻すとともにエアをタンクへ戻す。こうしてウォータジャケット内に戻された冷却水は、エンジン内部を循環し、エンジン内部を適温に冷却する。
実公平3−26255号公報
さらに、このようなエンジンの冷却装置を改良して、リザーブタンクを備えた冷却装置がある。このリザーブタンクは、ウォータジャケット内の冷却水量を調節するとともに、ウォータジャケット内とタンク内との間の冷却水の入替えを円滑にする。また、リザーブタンクは冷却水とともに、ウォータジャケット内とタンク内とを行き来するエアも貯留する。冷却装置がウォータジャケットから冷却水を抜き取る場合、タンク内のエアはリザーブタンク内へ流れ込み、リザーブタンク内の圧力が上昇する。リザーブタンク内の圧力が上昇すると、リザーブタンク内のエアがウォータジャケットへ向けて流れ出る。このように冷却装置内のエアの流れを形成することにより、冷却水の移送が円滑に行われる。
ところが、このとき、リザーブタンク内の圧力が上昇することにより、リザーブタンク内に貯留される冷却水も流れ出てしまう。このように流れ出た冷却水はウォータジャケット内の冷却水と合流してタンク内へ流入する。このため、タンク内に流れ込もうとする水量が増加するため、ウォータジャケット内の冷却水の排出に要する時間が増加する。
また、このようにリザーブタンクから冷却水が流れ出て、リザーブタンク内の冷却水が不足すると、暖機完了後に行われる循環冷却の際にリザーブタンク内のエアがウォータジャケット内に混入してしまうことが考えられる。
そこで、本発明は、ウォータジャケット内からタンク内へ冷却水を移送する際に、冷却装置に設けられたリザーブタンク内からの冷却水の流出を抑制することを課題とする。
かかる課題を解決する本発明のエンジンの冷却装置は、エンジン内部に形成されたウォータジャケット内から抜き取った冷却水を貯留する第一タンクと、前記ウォータジャケットと前記第一タンクとの間で冷却水を移送する第一ポンプと、エア及び冷却水を貯留する第二タンクと、前記第一タンク内に形成される空間と前記第二タンク内に形成される空間とを接続する第一通路と、前記ウォータジャケット内と前記第二タンク内の空気層とを接続する第二通路と、前記ウォータジャケット内と前記第二タンク内の冷却水の貯留層とを接続する第三通路と、当該第三通路内に配置されて、第三通路内の冷却水をウォータジャケット内へ圧送する第二ポンプと、前記第二タンクと前記第二ポンプとの間に配置され、前記ウォータジャケット内から前記第二タンク内へ向かう冷却水の流れを遮断するとともに、前記第三通路内の前記第二タンク側の圧力Pが前記第二ポンプ側の圧力Pと比較してP以上高い状態となると開弁する一方弁と、を備えたことを特徴とする(実施例1)。このような構成とすることにより、第三通路内の圧力状態により一方弁の開閉状態を変更し、第二タンクからの冷却水の流出を抑制することができる。冷却装置は、第二ポンプにより供給される冷却水が第二タンク内の圧を上昇させることにより、第三通路内における一方弁よりも第二タンク側の圧力を上昇させて、一方弁を開弁させる。このような冷却装置は、ウォータジャケットから第一タンクへ冷却水を抜き取る場合、第三通路内における一方弁よりも第二タンク側の圧力の上昇を抑制する。すなわち、第三通路内において、一方弁の第二タンク側と一方弁の第二ポンプ側との圧力差を小さくすることにより、一方弁を閉弁状態とする。これにより、第二タンクからの冷却水の流出を抑制することができる。一方、これ以外の場合では、冷却装置は、第三通路内における一方弁よりも第二タンク側の圧力を上昇させて、第二タンクから冷却水を流出させる。これにより、冷却装置内の冷却水を循環させることができる。
このようなエンジンの冷却装置は、前記ウォータジャケット内から前記第一タンク内へ冷却水を抜き取る際に、前記第二ポンプの流量を変化させる流量可変手段を備えた構成とすることができる(請求項2)。このような構成とすることにより、第三通路内における一方弁よりも第二タンク側の圧力を調整することができる。第二ポンプによる冷却水の圧送量を変化させることにより、一方弁の第二タンク側と第二ポンプ側との圧力関係を調整することができる。これにより、一方弁の開閉状態を変更し、第二タンクからの冷却水の流出を制御することができる。すなわち、ウォータジャケットから第一タンクへ冷却水を抜き取る場合、第三通路内における一方弁よりも第二タンク側の圧力の上昇を抑制し、一方弁を閉弁状態として、第二タンクからの冷却水の流出を抑制することができる。
さらに、このようなエンジンの冷却装置において、当該流量可変手段は、前記ウォータジャケット内から前記第一タンク内へ冷却水を抜き取る際に、前記第二ポンプを停止することができる(請求項3)。このような構成とすることにより、第二タンクへ冷却水が供給されないため、第二タンク内の圧力の上昇が抑制される。これに伴い、第三通路内における一方弁よりも第二タンク側の圧力の上昇が抑制され、一方弁を閉弁状態とすることができる。これにより、第二タンクからの冷却水の流出を抑制することができる。また、前記第一ポンプ及び前記第二ポンプの少なくとも一方は、前記ウォータジャケット内から前記第一タンク内へ冷却水を抜き取る際に、冷却水の流れを逆転させる構成とすることができる(請求項4)。このような構成とすることにより、第二ポンプが冷却水を逆流させ、迅速にウォータジャケット内から冷却水を抜き取ることができる。
本発明のエンジンの冷却装置は、ウォータジャケット内から第一タンク内へ冷却水を抜き取る際に、第二タンク内の冷却水の流出を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施例の冷却装置1の組み込まれたエンジン2の概略構成を示した説明図である。冷却装置1はウォータジャケット3、第一タンク5、本発明の第一ポンプに相当する電動ポンプ6、第二タンク7、第一通路8、第二通路9、第三通路10、一方弁13、本発明の第二ポンプに相当するウォータポンプ14を備えている。ウォータジャケット3は、エンジン本体(図示しない)に形成された冷却水の通路であり、ウォータジャケット3内の冷却水はエンジン本体と熱交換を行う。
第一タンク5は、開口部を下に向けた蓄熱タンクであり、ウォータジャケット3内から抜き出した冷却水を収容できる容積を有している。また、この第一タンク5は、第一タンク5の天板5aがウォータジャケット3の底面3aよりも下側になるように配置されている。要は冷却水がウォータジャケット3から自由落下し、第一タンク5へ流入するように第一タンク5が配置されている。
電動ポンプ6は、ウォータジャケット3内の底部3aと前記第一タンク5内とを接続する第四通路11に配置されている。この電動ポンプ6は、電気で駆動される圧送ポンプで、第一タンク5内の冷却水をウォータジャケット3内へ圧送する。また、電動ポンプ6は、作動していない場合でも冷却水を流通することができるように構成されている。すなわち、電動ポンプ6は第四通路11を遮断しないため、電動ポンプ6が停止している場合に、冷却水は第四通路11内をウォータジャケット3から第一タンク5へ向けて流通することができる。また、第四通路11のウォータジャケット3と電動ポンプ6との間に第一電磁弁4が配置されている。
第二タンク7は、エアと冷却水とを貯留するリザーブタンクであり、ウォータジャケット3よりも上側に配置されている。第一通路8は、第一タンク5内と第二タンク6内とを接続している。第一タンク5側の第一通路8の端部8aは、第一タンク5の底面から第一タンク5の上方に向かって挿入されており、第一タンク5内の空気層に開口するように設置されている。第二通路9は、前記ウォータジャケット3内の上部と前記第二タンク7内とを接続している。第二タンク7における第一通路8の接続口8bは、第二通路9の開口部9aよりも上側で、第二タンク7内の空気層に開口するように接続されている。
さらに、第二タンク7の底部7aには、第三通路10が接続されている。すなわち、第三通路10の一端は、第二タンク7内の冷却水の貯留層に接続している。また、第三通路10の他端は、ウォータジャケット3に接続されている。さらに、第三通路10には、第二タンク7に近い側から順に、一方弁13、ウォータポンプ14、三方弁15が配置されている。
一方弁13は、第三通路10内の第二タンク7へ向かう流れを遮断する逆止弁である。また、一方弁13は、第三通路10内における第二タンク7側の圧力Pがウォータポンプ14側の圧力Pと比較してP以上高い状態となる場合に開弁し、冷却水が第二タンク7側からウォータジャケット3側へ向かって流れる構成となっている。このPは、エンジン2の諸元、運転状態によって予め設定される値である。本発明において、以下に記載する圧力差をPとしている。ウォータポンプ14が作動し、第二タンク7内へ冷却水が供給されることにより、第二タンク7内の圧力が上昇する。これに伴い第二タンク7と接続された第三通路10内における一方弁13の第二タンク7側における圧力が上昇する。これにより生じる一方弁13の第二タンク7側とウォータポンプ14側との圧力差をPとしている。すなわち、ウォータポンプ14が作動すると、一方弁13が開弁する構成となっている。
ウォータポンプ14は、クランク軸(図示しない)から動力を得る機械式のポンプであり、ウォータジャケット3へ冷却水を圧送する。また、このウォータポンプ14をバイパスするように第五通路16が配置されている。この第五通路16の一端はウォータポンプ14の上流側10aに接続し、他端は三方弁15に接続している。三方弁15は、冷却水をウォータジャケット3へ流通させる経路と、冷却水をウォータポンプ14の上流側へ流通させる経路、すなわち、第五通路16へ流通させる経路とを切替える切替弁である。
さらに、冷却装置1はラジエータ17を備えている。ラジエータ17には、第六通路19と第七通路20とが接続されている。第六通路19の他端は第二通路9に接続している。第七通路20の他端は第三通路10に接続している。また、冷却装置1には、ラジエータ17をバイパスし、第六通路19と第七通路20とを接続する第八通路21が備えられている。このような第八通路21内を、冷却水は第六通路19から第七通路20へと流れる。また、第八通路21には、ヒータコア18が配置され、車内を暖気するのに用いられる。
また、第八通路21が第七通路20に接続する箇所にサーモスタット22が備えられている。サーモスタット22は、常時、第八通路21と第七通路20の第三通路10側とを接続する経路を開通している。また、サーモスタット22は、冷却水の温度がエンジン2の暖機完了の温度以下で、ラジエータ17側からの冷却水の通路を遮断する。一方、冷却水の温度がエンジン2の暖機が完了する温度となる場合、サーモスタット22は、ラジエータ17側からの冷却水の経路を開通する。さらに、第七通路20のサーモスタット22の下流側には、第二電磁弁23が配置されている。第二電磁弁23が開弁される場合、第八通路21、ヒータコア18内に冷却水が流通する。
また、エンジン2は、ECU(Electronic Control Unit)24、壁温センサ26、水温センサ27を備えている。壁温センサ26は、エンジン本体に配置され、エンジン本体の温度を測定する。壁温センサ26は、ECU24と電気的に接続されており、壁温センサ26で測定されたエンジン本体の温度情報がECU24へ伝達される。水温センサ27は、ウォータジャケット3内に配置され、ウォータジャケット3内の冷却水の温度を測定する。水温センサ27は、ECU24と電気的に接続されており、水温センサ27で測定された冷却水の温度情報がECU24へ伝達される。また、ECU24は、電動ポンプ6、三方弁15、第一電磁弁4、第二電磁弁23と電気的に接続している。ECU24は、壁温センサ26及び水温センサ27から取得される温度情報に基づいて、電動ポンプ6の作動を決定し、電動ポンプ6へ信号を送信する。また、ECU24は、壁温センサ26及び水温センサ27から取得される温度情報に基づいて、三方弁15、第一電磁弁4、第二電磁弁23の開閉状態を決定し、これらの弁へ信号を送信する。
次に、エンジン2の冷却装置1の暖機開始から運転停止後までの冷却水の移送の概要を説明する。図2は、暖機開始から運転停止後までのウォータジャケット3と第一タンク5との間における冷却水の移送の状態を示した説明図である。図2(a)はエンジン2の始動前の状態(「初期」状態)を示し、図2(b)はエンジン2においてイグニションをONとすることによって第一タンク5からウォータジャケット3へ冷却水を供給している状態(「供給」状態)を示し、図2(c)はクランキングを行い、エンジン2を始動させた状態(「始動」状態)を示している。図2(d)はエンジン2の始動後に、再び、ウォータジャケット3から第一タンク5へ冷却水を抜き取る状態(「排水」状態)を示し、図2(e)は、ウォータジャケット3からの冷却水の抜き取りが完了した状態(「排水完了」状態)を示し、図2(f)はエンジン2の暖機が完了して、第一タンク5からウォータジャケット3へ冷却水を再度供給している状態(「再供給」状態)を示している。図2(g)は、ウォータジャケット3への冷却水の供給が完了し、暖機が完了した状態(「暖機後」状態)を示し、図2(h)は、エンジン2を停止した後に、ウォータジャケット3から第一タンク5へ冷却水を抜き取る状態(「回収」状態)を示している。
図3は、エンジン2の始動前から停止後に亘るシリンダブロックの壁温及び冷却水温度の温度変化を示した説明図である。図3の縦軸は温度、横軸は時間を示し、細線がシリンダブロックの壁温の変化を表し、太線が冷却水温度の変化を表している。図3の横軸上に示した「初期」、「供給」、「始動」、「排水」、「再供給」、「暖機後」、「回収」におけるエンジン2の状態は、それぞれ図2(a)の「初期」状態、図2(b)の「供給」状態、図2(c)の「始動」状態、図2(d)の「排水」状態、図2(e)の「排水完了」状態、図2(f)の「再供給」状態、図2(g)の「暖機後」状態、図2(h)の「回収」状態に対応させて示されている。
次に、時間とともに変化するウォータジャケット3と第一タンク5との間の冷却水の移送の様子をエンジン1の始動前から停止後に亘って詳細に説明する。まず、「初期」状態において、冷却装置1は冷却水を第一タンク5内に貯留している。このような冷却水は、高温の状態で第一タンク5内へ回収されており、第一タンク5内でエンジン2の始動まで保温されている。このとき、ウォータジャケット3内の冷却水はほぼ空の状態となっており、エアで満たされている。このような「初期」状態から、イグニションがONとされると「供給」状態に進む。
「供給」状態では、冷却水が電動ポンプ6によって第一タンク5内からウォータジャケット3内へ移送される。このとき、図2(b)に示すように、第一タンク5内で保温されていた冷却水は、ウォータジャケット3内へ供給されることによって、エンジン本体の温度を上昇させることができる。
ここで、「供給」状態における冷却装置1内の冷却水の流れについて図4を参照しつつ説明する。図4中の太線で示した通路は、冷却水またはエアの流通している通路を示し、白抜きで示した通路は、流体の流れが停止している通路を示している。
「供給」状態では、電動ポンプ6が作動し、また、第一電磁弁4を開弁状態とする。駆動された電動ポンプ6は、第一タンク5内の冷却水を第四通路11へ吸引し、ウォータジャケット3内へ圧送する。このように、ウォータジャケット3内へ冷却水が供給されるとともに、ウォータジャケット3内を占めていたエアが第二通路9へ排出される。また、第一タンク5内は、冷却水が吸引されて内部の圧力が低下する。これにより、第一タンク5内は第二タンク7内より圧力が低下するため、第二タンク7内のエアが第一通路8を通じて第一タンク5へ流れようとする。このため、第二タンク7内のエアが第一通路8を通じて、第一タンク5内へ流入する。そして、第二タンク7内のエアが抜けた空間に第二通路9からエアが流入する。このように、「供給」状態では、冷却装置1内において、ウォータジャケット3、第二タンク7、第一タンク5の順にエアが流れる。
このような「供給」状態では、初期状態で第一タンク5内に貯留されていた冷却水が、ウォータジャケット3内へ供給される。このように供給された冷却水は、エンジン本体よりも温度が高いので、エンジン本体を暖機する。第一タンク5内に貯留されていた冷却水が抜けきって、第一タンク5内が空の状態となると、ECU24は、電動ポンプ6を停止し、第一電磁弁4を閉弁状態とする。また、この「供給」状態では、ウォータポンプ14が停止しているので、第三通路10内における一方弁13よりも第二タンク7側の圧力Pは、ウォータポンプ14側の圧力PよりもP以上高い状態にならない。このため、一方弁13は閉弁状態である。なお、第二電磁弁23も閉弁状態であるため、第三通路10、第六通路19、第七通路20、第八通路21内の冷却水の流れが停止している。
「供給」状態において、冷却水がウォータジャケット3内へ供給され、しばらく経過した後、例えば、30秒後に、冷却装置1はエンジン2の「始動」状態へ進む。このように冷却水の供給とエンジン2の始動との間に時間差を設けることにより、エンジン本体の温度が上昇してからエンジン2を始動することができる。これにより、エンジン2の始動直後の燃焼ガス内に含まれる有害成分の排出量を減少することができる。また、温度の上昇に伴い潤滑性が向上するので、エンジン2の燃費を改善することができる。
「始動」状態では、スタータ(図示しない)を回転させて、エンジン2を始動させる。エンジン2を始動させたときの冷却装置1内の冷却水の流れについて図5を参照しつつ説明する。図5中の太線で示した通路は、冷却水またはエアの流通している通路を示し、白抜きで示した通路は、流体の流れが停止している通路を示している。
図5に示す状態では、ECU24は、第一電磁弁4を閉弁し、電動ポンプ6を停止する。このため、第一通路8のエア、第四通路11の冷却水の流れは停止している。また、エンジン2が始動しているため、クランク軸から動力が伝達されてウォータポンプ14は作動している。このため、ウォータポンプ14によりウォータジャケット3内へ冷却水が供給されると、ウォータジャケット3内の圧力が上昇し、ウォータジャケット3内の冷却水が第二タンク7内へ流れ出る。これにより、第二タンク7内の圧力が上昇する。第二タンク7内の圧力の上昇により、第三通路10内の一方弁13よりも第二タンク7側の圧力Pが上昇する。これにより、一方弁13よりも第二タンク7側の圧力Pが、ウォータポンプ14側の圧力Pと比較してP以上高い状態となり、一方弁13が開弁状態となる。このため、冷却水が第三通路10を第二タンク7側からウォータジャケット3側へ向かって流れる。このように、「始動」の状態では、冷却水は第二タンク7、第三通路10、ウォータジャケット3、第二通路9の順に流れ、再び第二タンク7へ戻るように冷却装置1内を循環する。
エンジン2が始動し、しばらく経過すると、燃焼熱により、エンジン本体は冷却水よりも高温となる。ECU24は、壁温センサ26と水温センサ27から取得する温度情報から、エンジン本体の温度がウォータジャケット3内の冷却水の温度を超えたと判断すると、「排水」状態に進む。
「排水」状態では、再び、ウォータジャケット3から第一タンク5へ冷却水を抜き取る。エンジン2が始動して、エンジン本体の温度が冷却水の温度よりも高温となると、冷却水からエンジン本体への熱の伝達が無くなるだけでなく、却ってエンジン2の燃焼から発生する熱量が冷却水に奪われることになるため、エンジン2の暖機遅延の一因となる。このため、「排水」状態では、冷却水をウォータジャケット3から第一タンク5へ抜き取り、暖機時間を短縮させる。
ここで、「排水」状態における冷却装置1内の冷却水の流れについて図6を参照しつつ説明する。図6は、排水中の冷却装置1内の冷却水の流れの状態を示した説明図である。図6中の太線で示した通路は、冷却水またはエアの流通している通路を示し、白抜きで示した通路は、流体の流れが停止している通路を示している。
「排水」状態では、ECU24が第一電磁弁4を開弁状態とするので、ウォータジャケット3内と第一タンク5内とが連通する。このとき、電動ポンプ6は停止されている。また、第一通路8内は、エアの通路が確保されているので、第一タンク5内のエアが第二タンク7へ向かって流れることができる。これにより、第一タンク5内に冷却水を貯留する空間が形成されるため、ウォータジャケット3内の冷却水はウォータジャケット3よりも下側に配置されている第一タンク5へ自由落下により排出される。
ウォータジャケット3内の冷却水が第一タンク5内に流入するので、第一タンク5内を占めていたエアが第一通路8へ排出される。このとき、第一タンク5内のエアは第二タンク7へ押し出される。また、ウォータジャケット3内は、冷却水が抜け出ることにより内部の圧力が低下する。これにより、ウォータジャケット3内は第二タンク7内より圧力が低下するため、第二タンク7内のエアが第二通路9を通り、ウォータジャケット3内へ流入する。すなわち、冷却装置1内において、第一タンク5、第二タンク7、ウォータジャケット3の順にエアが流れる。
また、ECU24は、ウォータポンプ14から送られる冷却水が第五通路16へ流入するよう三方弁15の経路を変更する。これにより、ウォータポンプ14から送られる冷却水は、ウォータジャケット3内へ流入しなくなる。このため、ウォータジャケット3内から冷却水を排出することができる。また、三方弁15の経路が変更されることにより、ウォータポンプ14から送られる冷却水は、第五通路16を通り、ウォータポンプ14の上流側に送られ、再びウォータポンプ14へ流入する。このように、冷却水がウォータポンプ14を通過する循環経路を流通するので、ウォータポンプ14の摺動部の焼付き及び騒音の発生が抑制される。
さらに、このように冷却水はウォータジャケット3内へ流入しないため、第二通路9内及び第二タンク7内へ冷却水は供給されなくなる。すなわち、第二タンク7内の圧力の上昇が抑制される。このため、第三通路10内における一方弁13より第二タンク7側の圧力Pの上昇が抑制されるため、一方弁13より第二タンク7側の圧力Pは、ウォータポンプ14側の圧力Pと比較してP以上高い状態とならない。このため、一方弁13が閉弁状態となる。これにより、第二タンク7から冷却水の流出が抑制されるので、第二タンク7内に冷却水を残留させることができる。このため、次に一方弁13が開弁状態となる場合に、第三通路10内には冷却水が流れ込むこととなり、ウォータジャケット3内にエアが混入されることが防がれる。なお、「排水」状態では、第二電磁弁23が閉弁状態であるため、第六通路19内、第七通路20内、第八通路21内の冷却水は、流れが停止した状態である。
「排水」状態では、ウォータジャケット3内の冷却水が排出されて、排水が完了すると、「排水完了」状態に進む。「排水完了」状態では、冷却装置1内の冷却水の流れは図7に示すような状態となる。ECU24は、排水が完了したと判断すると、第一電磁弁4を閉弁する。これにより、第一通路8、第二通路9、第四通路11の冷却水とエアの流れは停止する。すなわち、排水完了時では、ウォータポンプ14を循環する冷却水が流れているのみである。このようにウォータジャケット3内の冷却水が排出されることにより、エンジン本体において、第一タンク5へ抜き取った冷却水に相当する熱容量が減少する。これにより、エンジン本体の暖機が促進される。
このような排水完了の状態において、ECU24が、壁温センサ26から取得されるエンジン本体の温度が暖機完了の温度に到達したと判断すると、冷却装置1は、「再供給」の状態へ進む。図8は、「再供給」状態の冷却装置1の冷却水の流れの様子を示した説明図である。「再供給」状態では、冷却装置1は、第一タンク5内の冷却水をウォータジャケット3へ再度供給する。
ここでの冷却水の流れは図5の「供給」状態とほぼ共通する。但し、「再供給」状態では、ウォータポンプ14が作動している点で、「供給」状態と異なっている。「再供給」状態では、ウォータポンプ14が作動しており、さらに、ECU24は、ウォータポンプ14に圧送される冷却水がウォータジャケット3内へ流入するように三方弁15の経路を変更する。これにより、ウォータジャケット3内へ冷却水が供給される。さらに、ウォータジャケット3内に冷却水が十分満たされると、ウォータジャケット3内の冷却水は第二通路9を通じて第二タンク7内へ流入する。これにより、第二タンク7内の圧力が上昇し、これとともに、第三通路10内における一方弁13の第二タンク7側の圧力Pが上昇する。このため、一方弁13よりも第二タンク7側の圧力Pは一方弁13よりもウォータポンプ14側の圧力Pと比較してP以上高い状態となるので、一方弁13が開弁状態となる。これにより、冷却水は、第三通路10を第二タンク内7からウォータジャケット3内へ向かって流通する。
冷却装置1は、この冷却水の再供給が完了すると、「暖機後」状態へ進む。ここで、「暖機後」状態における冷却装置1内の冷却水の流れについて図9、図10を参照して説明する。図9は、「暖機後」の状態でヒータコア18に通水した状態を示している。図10は、図9の状態からさらにラジエータ17に通水した状態を示している。なお、図9、図10中の太線で示した通路は、冷却水またはエアの流通している通路を示し、白抜きで示した通路は、冷却水またはエアの流れが停止している通路を示している。
「暖機後」状態では、ウォータジャケット3内は冷却水で満たされている。この冷却水はエンジン2の燃焼熱を吸収して高温となる。ECU24は、図9に示すように、第二電磁弁23を開弁状態とし、第八通路21、すなわち、ヒータコア18へ高温となった冷却水を流通させる。これにより、冷却水がエンジン本体から吸収した熱がヒータコア18に伝達され、ひいては室内の温度を上昇させる。
また、第八通路21内を冷却水が流通するようになると、サーモスタット22へ冷却水が通過することになる。サーモスタット22を通過する冷却水の温度が暖機完了時の温度以上であれば、サーモスタット22は、ラジエータ17側の経路を開弁し、冷却装置1の冷却水の流れが図10の状態となる。これにより、ラジエータ17内に冷却水が流通することになるので、冷却水が冷却される。このように、ラジエータ17で冷却された冷却水が循環することにより、エンジン2が運転に適した温度に冷却される。このような「暖機後」状態において、ウォータポンプ14は、第二タンク7内へ冷却水を供給するので、第二タンク7内の圧力が上昇する。第二タンク7内の圧力上昇に伴って、第三通路10内における一方弁13より第二タンク7側の圧力Pが上昇する。このため、一方弁13よりも第二タンク7側の圧力Pは一方弁13よりもウォータポンプ14側の圧力Pと比較してP以上高い状態となり、一方弁13が開弁状態となっている。
次に、エンジン2が停止した場合、冷却装置1は「回収」状態へ進む。図11は、「回収」の状態の冷却装置1の冷却水の流れの状態を示した説明図である。なお、図11中の太線で示した通路は、冷却水またはエアの流通している通路を示し、白抜きで示した通路は、流体の流れが停止している通路を示している。
「回収」状態は、「排水」状態とほぼ共通している。但し、このとき、エンジン2は停止しており、ウォータポンプ14が停止しているので、第三通路10を冷却水が流通しない点で「排水」状態と異なっている。「回収」状態において、ECU24は第一電磁弁4を開弁する。これにより、ウォータジャケット3内の加熱された状態の冷却水が自由落下により、第一タンク5へ移送される。移送された冷却水は第一タンク5において次のエンジン2の始動まで保温され、次の始動の際、エンジン本体の暖機に利用される。また、「回収」状態では、ECU24は、第二電磁弁23を閉弁し、第六通路19、第七通路20、第八通路21の冷却水の流れを停止し、ラジエータ17やヒータコア18で冷却された冷却水が第一タンク5に流入することを抑制する。また、ウォータポンプ14が停止するため、、第二タンク7内の圧力上昇が抑制され、第三通路10内における一方弁13より第二タンク7側の圧力Pが上昇しない。このため、一方弁13が閉弁状態となり、第二タンク7内からの冷却水の流出が抑制される。これにより、第二タンク7から冷却水の流出が抑制されるので、第二タンク7内に冷却水を残留させることができる。このため、次に一方弁13が開弁状態となる場合に、第三通路10内には冷却水が流れ込むこととなり、ウォータジャケット3内にエアが混入されることが防がれる
以上のように、冷却装置1は、「排水」状態、及び、「回収」状態において、一方弁13を閉弁状態とすることにより、第二タンク7内の冷却水の流出を抑制し、ウォータジャケット3内の冷却水の排出を円滑にする。また、第二タンク7内に冷却水を残留させ、ウォータジャケット3内にエアが混入することを防止する。
次に、本発明の実施例2について説明する。図12は本実施例の冷却装置51を組み込んだエンジン52の概略構成を示した説明図である。本実施例の冷却装置51は、実施例1の冷却装置1とほぼ同様の構成をしている。但し、本実施例の冷却装置51は、実施例1の機械式のウォータポンプ14に代えて、電動式のウォータポンプ53を備えている点と、冷却装置1が備えていた三方弁15、第五通路16とを備えていない点で実施例1の冷却装置1と相違している。また、ウォータポンプ53は、ECU24と電気的に接続されており、ECU24は、冷却装置51の状態に応じて、ウォータポンプ53の運転状態を決定し、ウォータポンプ53へ運転及び停止の指令信号を送る。このようなECU24は、本発明の流量可変手段に相当する。なお、その他の構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
冷却装置51は、エンジン52の暖機開始から運転停止後に亘って、図2に示したような実施例1のエンジン2の暖機開始から運転停止後に亘って冷却装置1の行う冷却水の移送と同様の冷却水の移送を行う。図13は冷却装置51の各状態における電動ポンプ6、ウォータポンプ53の作動状態、第一電磁弁4、第二電磁弁23、サーモスタット22の開閉状態を示した一覧表である。図13中の「初期」、「供給」、「始動」・・・は、図2に示した「初期」、「供給」、「始動」・・・の各状態である。また、一方弁13は、ウォータポンプ53の作動に応じて開弁状態となる。次に図13に従って、各状態における電動ポンプ6、ウォータポンプ53、第一電磁弁4、第二電磁弁23、サーモスタット22の動作状態を説明する。
「初期」状態では、電動ポンプ6、ウォータポンプ53のどちらも停止している。第一電磁弁4、第二電磁弁23、サーモスタット22はいずれも閉弁状態となっている。
「供給」状態では、電動ポンプ6が作動する。一方、ウォータポンプ53は停止した状態を継続している。第一電磁弁4は開弁状態となり、冷却水が第一タンク5からウォータジャケット3へ流通する。第二電磁弁23及びサーモスタット22は後述する「再供給」状態まで閉弁状態となっている。また、ウォータポンプ53が作動すると、第三通路10をウォータジャケット3へ向かう冷却水の流れが発生する。
「始動」状態では、電動ポンプ6は停止する。ウォータポンプ53は作動し、冷却水がウォータジャケット3と第二タンク7とを循環する。また、第一電磁弁4は閉弁状態となっている。
「排水」状態では、電動ポンプ6、ウォータポンプ53はどちらも停止する。第一電磁弁4は開弁状態となり、冷却水がウォータジャケット3から第一タンク5へ流通する。ここで、ウォータポンプ53を停止するのは、一方弁13を閉弁状態とするためである。第三通路10の一方弁13の第二タンク7側における圧力Pが、ウォータポンプ53側における圧力Pと比較してP以上高い状態とならない程度に限定してウォータポンプ53を作動させることはできる。
排水が完了すると、第一電磁弁4も閉弁状態となる。このとき、冷却装置51内は、冷却水が流通する通路がない状態である。
「再供給」状態では、電動ポンプ6が作動し、ウォータポンプ53が停止している。第一電磁弁4は開弁状態となり、冷却水が第一タンク5からウォータジャケット3へ流通する。
「暖機後」状態では、電動ポンプ6は停止する。ウォータポンプ53は作動する。第一電磁弁4は閉弁状態となるが、第二電磁弁23及びサーモスタット22が開弁状態となり、冷却水がラジエータ17、ヒータコア18へ流通するようになり、これらとウォータジャケット3、第二タンク7を含めた系を冷却水が循環する。
「回収」状態では、電動ポンプ6、ウォータポンプ53はどちらも停止する。このとき、第一電磁弁4を開弁状態とし、第二電磁弁23を閉弁状態とする。これにより、冷却水がウォータジャケット3から第一タンク5へ流通する。また、このとき、エンジン52内を循環する冷却水は温度が高いため、サーモスタット22は開弁状態にある。このように、高温の状態の冷却水が第一タンク5へ回収され、保温された状態で維持されて、次回の運転における暖機に利用される。なお、効果、冷却水の流通経路は実施例1と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、本発明の実施例3について説明する。図14は本実施例の冷却装置61を組み込んだエンジン62の概略構成を示した説明図である。本実施例の冷却装置61は、実施例1の冷却装置1とほぼ同様の構成をしている。但し、本実施例の冷却装置61は、以下の三点で実施例1の冷却装置1と相違している。
一点目は、実施例1の機械式のウォータポンプ14に代えて、電動式のウォータポンプ63を備えている点である。このウォータポンプ63は、本発明の第二ポンプに相当する。ウォータポンプ63は、作動していない場合でも冷却水を流通することができるように構成されている。すなわち、ウォータポンプ63は第三通路10を遮断しないため、ウォータポンプ63が停止している場合に、冷却水は第三通路10内をウォータジャケット3から第一タンク5へ向けて流通することができる。また、ウォータポンプ63は、ECU24と電気的に接続されており、ECU24は、冷却装置61の状態に応じて、ウォータポンプ63の運転状態を決定し、ウォータポンプ63へ運転及び停止の指令信号を送る。このようなECU24は、本発明の流量可変手段に相当する。
二点目は、冷却装置1が備えていた三方弁15、第五通路16とを備えていない点である。三点目は、実施例1の冷却装置1においてウォータジャケット3の底部3aと第一タンク5とを接続していた第四通路11に代えて、第三通路10のウォータポンプ63の上流側、すなわち、一方弁13側と第一タンク5とを接続した第九通路64を備えている点である。また、この第九通路64上には、第四通路11と同様の第一電磁弁4が配置されている。さらに、第一電磁弁4より第一タンク5側に電動ポンプ6に代わって電動ポンプ65が配置されている。電動ポンプ65は、本発明の第一ポンプに相当し、冷却水を逆方向へ圧送することのできるポンプである。すなわち、電動ポンプ65は、第一タンク5側からウォータジャケット3側へ冷却水を供給することのみならず、ウォータジャケット3側から第一タンク側5へ冷却水を流通させることもできる。なお、その他の構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
冷却装置61は、エンジン62の暖機開始から運転停止後に亘って図2に示したような実施例1のエンジン2の暖機開始から運転停止後に亘って冷却装置1の行う冷却水の移送と同様の冷却水の移送を行う。図15は冷却装置61の各状態における電動ポンプ65、ウォータポンプ63の作動状態及び、第一電磁弁4、第二電磁弁23、サーモスタット22の開閉状態を示した一覧表である。図15中の「初期」、「供給」、「始動」・・・は、図2に示した「初期」、「供給」、「始動」・・・の各状態である。また、図15中の電動ポンプ65の欄に記載された「順方向圧送」とは、電動ポンプ65により第一タンク5からウォータジャケット3へ向かう冷却水の流れが発生している状態を示し、「逆方向圧送」とは、電動ポンプ65によりウォータジャケット3から第一タンク5へ向かう冷却水の流れが発生している状態を示している。また、一方弁13は、ウォータポンプ63が作動状態である場合に開弁状態となる。次に、図15に従って、各状態における電動ポンプ65、ウォータポンプ63、第一電磁弁4、第二電磁弁23、サーモスタット22の動作状態を説明する。
「初期」状態では、電動ポンプ65、ウォータポンプ63のどちらも停止している。第一電磁弁4、第二電磁弁23、サーモスタット22はいずれも閉弁状態となっている。
「供給」状態では、電動ポンプ65は順方向圧送の状態として作動する。また、ウォータポンプ63も作動する。第一電磁弁4は開弁状態となり、冷却水が第一タンク5からウォータジャケット3へ流通する。第二電磁弁23及びサーモスタット22は後述する「再供給」状態まで閉弁状態となっている。なお、このとき、ウォータポンプ63は停止状態であっても良い。
「始動」状態では、電動ポンプ65は停止する。ウォータポンプ63は作動し、冷却水がウォータジャケット3と第二タンク7とを循環する。また、第一電磁弁4は閉弁状態となっている。
「排水」状態では、電動ポンプ65は逆方向圧送状態として作動する。ウォータポンプ63は停止する。さらに、第一電磁弁4は開弁状態となる。これにより、冷却水はウォータジャケット3から排出され、ウォータポンプ63を通過して、第一タンク5へ流入する。
排水が完了すると、電動ポンプ65を停止する。また、第一電磁弁4を閉弁状態とする。このとき、冷却装置61内は、冷却水が流通する通路がない状態となる。
「再供給」状態では、電動ポンプ65は順方向圧送状態として作動する。ウォータポンプ63も作動する。第一電磁弁4は開弁状態となり、冷却水が第一タンク5からウォータジャケット3へ流通する。なお、このとき、ウォータポンプ63は停止状態であっても良い。
「暖機後」状態では、電動ポンプ65は停止する。ウォータポンプ63は作動する。第一電磁弁4は閉弁状態となるが、第二電磁弁23及びサーモスタット22が開弁状態となり、冷却水がラジエータ17、ヒータコア18へ流通するようになる。これらとウォータジャケット3、第二タンク7を含めた系を冷却水が循環する。
「回収」状態では、電動ポンプ65は逆方向圧送状態として作動する。ウォータポンプ63は停止する。これにより、ウォータジャケット3から冷却水が排出される。さらに、第一電磁弁4は開弁状態となり、ウォータジャケット3から排出された冷却水が第一タンク5へ流入する。また、サーモスタット22は冷却水温度が高温であるため開弁状態となっているが、第二電磁弁23は閉弁状態とする。このように、高温の状態の冷却水が第一タンク5へ回収され、保温された状態で維持されることにより、次回の運転における暖機に利用される。なお、効果、冷却水の流通経路は実施例1と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。例えば、本発明の流量可変手段は、ポンプのインペラとクランク軸との接続、切断又は逆回転を行い、ポンプの運転、停止を制御する変速装置を組み込んだ機械式ポンプとすることができる。
実施例1の冷却装置の組み込まれたエンジンの概略構成を示した説明図である。 始動前から暖機完了までのウォータジャケット内と第一タンク内との冷却水の供給状態を示した説明図であって、(a)は「初期」状態を示し、(b)は「供給」状態を示し、(c)は「始動」状態を示し、(d)は「排水」状態を示し、(e)は「再供給」状態を示し、(f)は「暖機後」状態を示し、(g)は「回収」状態を示した説明図である。 エンジンの始動前から停止後に亘るシリンダブロックの壁温及び冷却水温度の温度変化を示した説明図である。 「供給」状態における冷却装置内の冷却水の流れを示した説明図である。 「始動」状態における冷却装置内の冷却水の流れを示した説明図である。 「排水」状態における冷却装置内の冷却水の流れを示した説明図である。 「排水完了」状態における冷却装置内の冷却水の流れを示した説明図である。 「再供給」状態における冷却装置内の冷却水の流れを示した説明図である。 「暖機後」状態においてヒータコアに通水した場合の冷却装置内の冷却水の流れを示した説明図である。 「暖機後」状態においてラジエータに通水した場合の冷却装置内の冷却水の流れを示した説明図である。 「回収」状態における冷却装置内の冷却水の流れを示した説明図である。 実施例2の冷却装置を組み込んだエンジンの概略構成を示した説明図である。 実施例2における電動ポンプ、ウォータポンプの作動状態及び、第一電磁弁、第二電磁弁、サーモスタットの開閉状態を示した一覧表を示した説明図である。 実施例3の冷却装置を組み込んだエンジンの概略構成を示した説明図である。 実施例3における電動ポンプ、ウォータポンプの作動状態及び、第一電磁弁、第二電磁弁、サーモスタットの開閉状態を示した一覧表を示した説明図である。
符号の説明
1、51、61 冷却装置
2、52、62 エンジン
3 ウォータジャケット
4 第一電磁弁
5 第一タンク
6、65 電動ポンプ
7 第二タンク
8 第一通路
9 第二通路
10 第三通路
13 一方弁
14、53、63 ウォータポンプ
15 三方弁
24 ECU

Claims (4)

  1. エンジン内部に形成されたウォータジャケット内から抜き取った冷却水を貯留する第一タンクと、
    前記ウォータジャケットと前記第一タンクとの間で冷却水を移送する第一ポンプと、
    エア及び冷却水を貯留する第二タンクと、
    前記第一タンク内に形成される空間と前記第二タンク内に形成される空間とを接続する第一通路と、
    前記ウォータジャケット内と前記第二タンク内の空気層とを接続する第二通路と、
    前記ウォータジャケット内と前記第二タンク内の冷却水の貯留層とを接続する第三通路と、
    当該第三通路内に配置されて、第三通路内の冷却水をウォータジャケット内へ圧送する第二ポンプと、
    前記第二タンクと前記第二ポンプとの間に配置され、前記ウォータジャケット内から前記第二タンク内へ向かう冷却水の流れを遮断するとともに、前記第三通路内の前記第二タンク側の圧力Pが前記ウォータジャケット側の圧力Pと比較してP以上高い状態となると開弁する一方弁と、
    を備えたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの冷却装置において、
    前記第二ポンプの流量を変化させる流量可変手段を備えたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  3. 請求項1記載のエンジンの冷却装置において、
    前記第二ポンプの流量を変化させる流量可変手段を備え、
    当該流量可変手段は、前記ウォータジャケット内から前記第一タンク内へ冷却水を抜き取る際に、前記第二ポンプを停止することを特徴としたエンジンの冷却装置。
  4. 請求項1記載のエンジンの冷却装置において、
    前記第一ポンプ及び前記第二ポンプの少なくとも一方は、前記ウォータジャケット内から前記第一タンク内へ冷却水を抜き取る際に、冷却水の流れを逆転させることを特徴としたエンジンの冷却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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