JP2009102270A - 脂肪代謝抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 中性脂肪は、健康な成人の場合、空腹時、血液中に50〜150 mg/dL存在し、食後3−5時間後に最高値となるが、中性脂肪がこの正常値を超えると、脂肪が皮膚の下や内臓の周りにたまり肥満となったり、肝臓にたまり脂肪肝となる。VLDLは、動脈硬化を起こす要因である。本発明の課題は、安全性が高く、かつ、優れた脂肪代謝抑制作用を有する脂肪代謝抑制剤を提供することである。
【解決手段】 Lactobacillus paracasei KW3110株又は脂肪代謝抑制効果を有するLactobacillus paracasei KW3110株の変異株を有効成分とする脂肪代謝抑制剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、脂肪代謝抑制剤に関するものである。
中性脂肪は、健康な成人の場合、空腹時、血液中に50〜150 mg/dL存在し、食後3−5時間後に最高値となるが、中性脂肪がこの正常値を超えると、脂肪が皮膚の下や内臓の周りにたまり肥満となったり、肝臓にたまり脂肪肝となる。VLDLは、動脈硬化を起こす要因である。
近年、食の欧米化や運動不足等によって生じる肥満、脂肪肝、高脂血症の増加が問題となっている。これらの症状の治療法としては、食事制限療法、医薬品投与等が代表的である。
しかしながら前者の方法は日常生活にマイナスの影響を及ぼすことが多々見られ、また後者の方法は副作用の問題を避けることができない。
これに対して、天然物を由来とする脂質代謝改善剤が提案されている。例えば、メチル化カテキンを含有させた脂肪蓄積抑制剤や(特許文献1)、セサミンを有効成分とする体脂肪低減剤(特許文献2)等、数多くの脂質代謝改善剤が提案されている。
一方、乳酸菌は、整腸作用、コレステロール低下作用、血圧低下作用等を有することが知られ、下記で説明する本発明におけるKW3110株に抗アレルギー活性を有することが知られている(特許文献3)。しかしながら、KW3110株に非常に優れた脂肪代謝抑制効果があることは知られていない。
特開2006−298792号公報 特許第3205315号明細書 特許第3585487号明細書
本発明の目的は、KW3110株を含有するとともに、安全性が高く、かつ、優れた脂肪代謝抑制作用を有する脂肪代謝抑制剤を提供することにある。
本発明は、Lactobacillus paracasei KW3110株又は脂肪代謝抑制効果を有するLactobacillus paracasei KW3110株の変異株を有効成分とする脂肪代謝抑制剤を提供するものである。
本発明によれば、KW3110株を含有するとともに、安全性が高く、かつ、優れた脂肪代謝抑制作用を有する脂肪代謝抑制剤を提供することができる。
本発明の有効成分である乳酸菌は、該乳酸菌を配合して、該乳酸菌を有効成分として含有する組成物として、また、該乳酸菌に、担体、賦形剤及び/又はその他の補助剤を添加して製剤化して利用することも可能である。
本発明の脂肪代謝抑制剤は、飲食品への利用、及び製剤化により、経口的に投与することができる。L.paracasei KW3110株は、消化液に対して耐性であり、腸管への付着性の高い乳酸菌であり、経口的に摂取された場合に特に優れた効果を奏する。
本発明において有効成分として用いるL.paracasei KW3110株は、L.casei L14株として、日本乳業技術協会から入手することができる。またL.paracasei KW3110株は、更に、特許微生物の寄託のためのブダペスト条約に基く、国際寄託当局である独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに、FERM BP−08634として寄託されている。
また、該菌株の変異株は、該菌株を公知の変異処理により変異し、該変異処理を施した菌株の中から、脂肪代謝抑制効果を有する菌株を選抜することにより、容易に取得することができる。
なお、本発明において有効成分として用いるL.paracasei KW3110株と同等の効果を発揮する菌株としては、Lactobacillus plantarum KW4110株、Lactobacillus paracasei KW3925株、Lactobacillus paracasei KW3926株、又はStreptococcus salivarius KW3210を挙げることができる。L.plantarum KW4110株はL.plantarum JCM1149株として、L.paracasei KW3926株はL.paracasei JCM8132株として、JCM(理化学研究所微生物系統保存施設)から入手することができ、更に、L.paracasei KW3925株はL.paracasei NRIC1917株として、NRIC(東京農業大学)から入手することができる。
L.paracasei KW3110株は、M.R.S.(de Man, Rogosa, Sharpe)培地等の当業者に知られた乳酸菌培養用培地にて適宜培養増殖させた後、生菌で或いは殺菌処理し、必要によっては凍結乾燥或いはスプレードライして粉末化し、飲食品の有効成分として使用することができる。
本発明では、L.paracasei KW3110株から生じた形質の異なる菌株を派生株として選抜し、用いることができる。
本発明の脂肪代謝抑制剤は、生理学的に許容されうる担体、賦形剤、結合剤、希釈剤などと混合することにより製剤化して用いることができる。本発明の脂肪代謝抑制剤は、経口的或いは非経口的に投与することができる。経口剤としては、顆粒剤、散剤、錠剤(糖衣錠を含む)、丸剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤が挙げられる。非経口剤としては、注射剤(例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、外用剤(例えば、経鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏剤)、坐剤(例えば、直腸坐剤、膣坐剤)が挙げられる。これらの製剤は、当分野で通常行われている手法により、薬学的に許容される賦形剤、添加剤とともに製剤化することができる。なお、製剤化にあたっては、本発明の脂肪代謝抑制剤がその機能を生体内において適時的且つ効果的に発揮できるよう、即ち溶出開始時間を制御したり、苦味マスキング剤としての機能を付加したり、酸素や湿度に対する安定性を高めたりする形、例えば特許3349677記載の酵母細胞壁を主成分としたコーティング剤でコーティングされたコーティング処理物や定法に従って軟カプセルや硬カプセルによりカプセル化することで得られるかプセル剤として共に医薬製剤や健康食品等の分野で好ましく使用することができる。薬学的に許容される賦形剤や添加剤としては、担体、結合剤、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられる。薬学的に許容される担体としては、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、カカオバター等が挙げられる。
製剤は例えば次のようにして製造できる。すなわち、経口剤は、有効成分として、例えば賦形剤(例えば、乳糖、白糖、デンプン、マンニトール)、崩壊剤(例えば、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム)、結合剤(例えば、α化デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース)または滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000)を添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコーティングすることにより製造することができる。コーティング剤としては、例えばエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびオイドラギット(ローム社製、ドイツ、メタアクリル酸・アクリル酸共重合物)などを用いることができる。
注射剤は、有効成分を分散剤(例えば、ツイーン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米国)、HCO 60(日光ケミカルズ製)、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール、クロロブタノール、フェノール)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、グリセリン、ソルビトール、ブドウ糖、転化糖)などと共に水性溶剤(例えば、蒸留水、生理的食塩水、リンゲル液等)あるいは油性溶剤(例えば、オリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油などの植物油、プロピレングリコール)などに溶解、懸濁あるいは乳化することにより製造することができる。この際、所望により溶解補助剤(例えば、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン)等の添加物を添加してもよい。
外用剤は、有効成分を固状、半固状または液状の組成物とすることにより製造することができる。例えば、上記固状の組成物は、有効成分をそのまま、あるいは賦形剤(例えば、ラクトース、マンニトール、デンプン、微結晶セルロース、白糖)、増粘剤(例えば、天然ガム類、セルロース誘導体、アクリル酸重合体)などを添加、混合して粉状とすることにより製造できる。上記液状の組成物は、注射剤の場合とほとんど同様にして製造できる。半固状の組成物は、水性または油性のゲル剤、あるいは軟骨状のものがよい。また、これらの組成物は、いずれもpH調節剤(例えば、炭酸、リン酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウム)、防腐剤(例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウム)などを含んでいてもよい。坐剤は、有効成分を油性または水性の固状、半固状あるいは液状の組成物とすることにより製造できる。該組成物に用いる油性基剤としては、高級脂肪酸のグリセリド〔例えば、カカオ脂、ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社製)〕、中級脂肪酸〔例えば、ミグリオール類(ダイナマイトノーベル社製)〕、あるいは植物油(例えば、ゴマ油、大豆油、綿実油)が挙げられる。水性基剤としては、ポリエチレングリコール類、プロピレングリコールが挙げられる。また、水性ゲル基剤としては、天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体が挙げられる。
本発明の脂肪代謝抑制剤は、飲食品として用いることができる。本発明の脂肪代謝抑制剤を飲食品に配合して用いるには、その有効成分の有効量を飲食品の製造原料段階或いは製造した製品の段階等で添加、配合する。ここで「有効成分の有効量」とは、個々の飲食品において通常喫食される量を摂取した場合に、下記のような範囲で有効成分が摂取されるような含有量をいう。
すなわち、本発明における有効成分の飲食品への有効量の投与量または摂取量は、受容者、受容者の年齢および体重、症状、投与時間、剤形、投与方法、薬剤の組み合わせ等に依存して決定できる。例えば、本発明による有効成分を医薬として経口投与する場合、成人1人当たり0.1〜100mg/kg体重(好ましくは1〜10mg/kg体重)、非経口的に投与する場合は0.01〜10mg/kg体重(好ましくは0.1〜1mg/kg体重)の範囲で一日1〜3回に分けて投与することができる。本発明による有効成分と組み合わせて用いる他の作用機序を有する薬剤も、それぞれ臨床上用いられる用量を基準として適宜決定できる。本発明における有効成分の飲食品への有効量の投与量または摂取量を、乳酸菌の菌数で表示すると、1日当たりの摂取量が5×109個以上が好ましく、より好ましくは1日あたり1×1010個以上、更に好ましくは5×1010個以上を摂取することが好ましい。したがって、通常1日あたり摂取される飲食品の量に合わせて、各々の食品あたりの含有させる乳酸菌の菌数が決定される。例えば、食品(ヨーグルト)として摂取する場合に、成人1人1日当たり50〜500gの範囲、好ましくは60〜200gの範囲の摂取量となるよう本発明による有効成分を食品に配合することができる。
本発明においては、本発明の脂肪代謝抑制剤の有効成分をそのまま、或いは前記のような製剤の形態で、飲食品に配合することができる。より具体的には、本発明の飲食品は、本発明の有効成分を適宜基材と配合して、そのまま飲食品として調製したもの、或いは、各種タンパク質、糖類、脂肪、微量元素、ビタミン類等を更に配合したもの、液状、半液体状若しくは固体状にしたもの、更には、一般の飲食品へ添加、配合したもの等、種々の利用形態を採ることができる。
従来より、乳酸菌を利用した飲食品の分野としては、その活用の態様分類としては、乳製品類、肉類、パン類、飲料、及び野菜類に大別される。これらの乳酸菌を利用した飲食品の製造における乳酸菌又はその一部として、或いは、製造した該飲食品の添加物として、本発明の脂肪代謝抑制剤における乳酸菌を用いて、該飲食品に脂肪代謝抑制効果を付与することができる。
本発明の他の実施の態様として、有効成分である乳酸菌を飲食品に添加する場合に、乳酸菌自体の発酵を必要とせず、かつ、飲食品自体の香味の保持を図る場合には、乳酸菌を例えば加熱殺菌のような処理により殺菌して用いるのが特に好ましい。また、本発明における飲食品は、他の微生物や異物の混入を防ぎ、内容物の品質を保持するために、密封容器詰飲食品の形態で製造されることが好ましい。
本発明における食品としては、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、或いは病者用食品として調製することができる。また、特に、食品の形態に限定されるものではなく、飲料の形態であってもよい。
本発明における健康食品および機能性食品としては、各種のものをあげることができるが、それらの健康食品および機能性食品の製造に関しては、通常用いられる、食品素材、食品添加物に加え、賦形剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、分散剤、保存剤、湿潤化剤、溶解補助剤、防腐剤、安定化材、カプセル基剤等の補助剤を用いた飲食品製剤形態で利用することができる。該補助剤の具体的な例示をすれば、乳糖、果糖、ブドウ糖、でん粉、ゼラチン、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはその塩、アラビアガム、ポリエチレングルコール、シロップ、ワセリン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウム、プルラン、カラギーナン、デキストリン、還元パラチノース、ソルビトール、キシリトール、ステビア、合成甘味料、クエン酸、アスコルビン酸、酸味料、重曹、ショ糖エステル、植物硬化油脂、塩化カリウム、サフラワー油、ミツロウ、大豆レシチン、香料等が配合できる。このような健康食品、機能性食品の製造に関しては、医薬品製剤の参考書、例えば「日本薬局方解説書(製剤総則)」(廣川書店)等を参考にすることができる。
また、本発明における飲食品として具体的には、プリン、クッキー、クラッカー、ポテトチップス、ビスケット、パン、ケーキ、チョコレート、ドーナツ、ゼリーなどの洋菓子、煎餅、羊羹、大福、おはぎ、その他の饅頭、カステラなどの和菓子、冷菓(飴等)、チューインガム等のパン・菓子類や、うどん、そば、きしめん等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、ハム、ソーセージ、ハンバーグ、コーンビーフ等の畜肉製品や、塩、胡椒、みそ、しょう油、ソース、ドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、甘味料、辛味料等の調味類や、明石焼き、たこ焼き、もんじゃ焼き、お好み焼き、焼きそば、焼きうどん等の鉄板焼き食品や、チーズ、ハードタイプのヨーグルト等の乳製品や、納豆、厚揚げ、豆腐、こんにゃく、団子、漬物、佃煮、餃子、シューマイ、コロッケ、サンドイッチ、ピザ、ハンバーガー、サラダ等の各種総菜や、各種粉末(ビーフ、ポーク、チキン等畜産物、海老、帆立、蜆、昆布等水産物、野菜・果実類、植物、酵母、藻類等)や、油脂類・香料類(バニラ、柑橘類、かつお等)を粉末固形化したものや、粉末飲食品(インスタントコーヒー、インスタント紅茶、インスタントミルク、インスタントスープ、味噌汁等)等の各種食品が挙げることができるが、これらに特に制限されない。
特に本発明による有効成分を乳製品に含有させる場合には、本発明による有効成分を生菌として乳原料に加えて菌増殖/発酵を行い、ヨーグルト等の発酵乳酸菌飲食品とすることもできる。
本発明の脂肪代謝抑制剤は、特に飲料の形で用いて、毎日継続摂取することが可能である。
本発明における乳酸菌を飲料へ配合する場合に、乳酸菌の配合量は適宜決定することができるが、本発明における有効成分の飲食品への有効量の投与量または摂取量を、乳酸菌の菌数で表示すると、1日当たりの摂取量が5×109個以上が好ましく、より好ましくは1日あたり1×1010個以上、更に好ましくは5×1010個以上を摂取することが好ましい。したがって、通常1日あたり摂取される飲料の量に合わせて、上記指標により、各々の飲料あたりに含有させる乳酸菌の菌数が決定される。例えば、1日あたり100gの飲料が摂取されるとすれば、飲料100gあたり109個以上の菌数を添加することが好ましい。一方、乳酸菌の添加で、飲料の香味や外観を損なわない範囲を考えると、1011個以下が好ましい。更に、5×1010個以下がより好ましい。飲料100g当たり、109〜1011個の範囲のものが特に好ましい。なお、乳酸菌の菌体数と乾燥菌体重量の関係については、例えば、L.paracasei KW3110株では、菌体数1012個が乾燥菌体重量1gに相当する。
本発明における飲料としては、各種のものを挙げることができるが、例えば、アルコール飲料(ウイスキー、バーボン、スピリッツ、リキュール、ワイン、果実酒、日本酒、中国酒、焼酎、ビール、アルコール度数1%以下のノンアルコールビール、発泡酒、酎ハイ等)や非アルコール飲料(ドリンクタイプのヨーグルト、リンゴ、ミカン、ブドウ、バナナ、ナシ、ウメ、スイカ等の果汁、トマト、ニンジン、セロリ、キュウリ等の野菜汁、清涼飲料、牛乳、豆乳、コーヒー、ココア、紅茶、緑茶、麦茶、玄米茶、煎茶、玉露茶、ほうじ茶、ウーロン茶、ウコン茶、プーアル茶、ルイボスティー茶、ローズ茶、キク茶、ミント茶、ジャスミン茶等の各種ハーブ茶、スポーツ飲料、ミネラルウオーター、栄養ドリンク等)の各種飲料が挙げられる。
本発明において、飲料を製品化するに際しては、食品衛生法に定められた方法に従って、適宜、飲料の殺菌を行うことができる。該殺菌方法としては、飲料のpHによって、パストル殺菌、ホットパック殺菌、UHT殺菌、レトルト殺菌等を使い分けることができる。
更に、製品形態としては、通常飲料の製品形態に使用されている密封容器入り飲料の形態が特に好ましく、該密封容器としては、缶、ビン、PET、紙容器のいずれの形態でもよい。また、容量についても特に制限はないが、一般的に、消費者が日常的に飲料として摂取している量と、配合する乳酸菌の菌数と1日の必要菌数を考慮して、適宜、決定することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1
Lactobacillus paracasei KW3110株をM.R.S.(de Man, Rogosa, Sharpe)培地(OXOID)で48時間培養したものを、滅菌水で3回洗浄し、滅菌水に懸濁した。
20時間絶食した7週齢の雄性ddY系マウス(一群9匹)から眼窩採血を行い、10mL/kgのサラダ油を経口投与した後、直ちに10mL/kgの水、もしくは前記KW3110株を懸濁した滅菌水をを経口投与した。前記KW3110株の投与量は500μg/kgである。60分、120分、180分後に再度眼窩採血を行い、血漿を分離して中性脂肪濃度を測定した。前記KW3110株の投与により、サラダ油負荷後の血漿中性脂肪値上昇が顕著に抑制され、前記KW3110株に中性脂肪分吸収抑制作用が認められた(表1)。
Figure 2009102270
比較例1
前記KW3110株をラクトバチルス・カゼイに変更したこと以外は実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
Figure 2009102270
実施例2
次に、臨床試験により、前記KW3110株の血清中性脂肪の代謝制御作用を検討した。
血清総中性脂肪が150 mg/dL以下である健康な試験対象者12名(20〜65歳の男)を2群に分け、第1群には下記スポーツドリンク1(対照群)100gを、第2群には下記スポーツドリンク2(試験群)100gを、市販のコーンクリームポタージュスープ(「スジャータたっぷりコーンクリームポタージュ生」(商品名、名古屋製酪(株)製)200gに雪印無塩バター(雪印乳業(株)製)17gと雪印ラード(雪印乳業(株)製)14gを添加し、加温溶解した)とともに摂取させた。試験対象者の血清総中性脂肪値(TG)を測定した。その結果、3時間後の第2群の血清総中性脂肪値(TG)は、第1群の約60%にまで低下した。また、各種血液検査から異常は認められなかった。
(スポーツドリンク1)
グラニュー糖4.5重量%、クエン酸0.2重量%、クエン酸ナトリウム0.05重量%、香料0.1重量%を含む調合液。
(スポーツドリンク2)
グラニュー糖4.5重量%、クエン酸0.2重量%、クエン酸ナトリウム0.05重量%、香料0.1重量%を含む調合液に対し、乳酸菌KW3110株を0.0143重量%(製品100gあたり1.5×1010個)を添加した。
比較例2
前記試験群において、KW3110株をラクトバチルス・カゼイに変更したこと以外は実施例2を繰り返した。その結果、対照群と試験群とでは血清総中性脂肪値(TG)に差異は見られなかった。
実施例3
(茶系飲料の製造)
85℃の熱水で抽出した烏龍茶、紅茶、緑茶、ほうじ茶、ジャスミン茶の抽出液に対して、茶葉使用率が0.8重量%になるように脱イオン水を追加した。その際、アスコルビン酸を0.025重量%になるように添加し、ついで重曹を用いて飲みやすいpHに調整した。さらに当該調合液100gに対して、乳酸菌KW3110株を菌数が1.5×1010個、3×1010個になるように添加した後、常法通りUHT殺菌をおこない、350ml容PETボトルに充填した。
実施例4
(果汁入り飲料の製造)
混濁リンゴ果汁900gと香料1gに対して所定量の乳酸菌菌体を添加し、さらに脱イオン水を加えて合計1kgになるようにした後、常法通り180ml容ガラス瓶でホットパック充填をおこない、リンゴ果汁入り飲料を調製した。なお、乳酸菌KW3110株は、当該調合液100gに対して、菌数が2×1010個、若しくは4×1010個になるように添加した。
実施例5
(ヨーグルトの製造)
乳を含む原材料(牛乳、脱脂粉乳、クリーム、砂糖液糖、安定剤、香料、水)を均一に混合し、128℃、15秒の加熱殺菌を行い、40℃以下まで冷却後、乳酸菌スターターKW3110を添加し、37℃に維持した発酵タンクで発酵を開始した。乳酸菌KW3110が混合液中の乳糖を分解し乳酸が生成して、約18時間でpH4.6となり、乳タンパク質の等電点凝集により、ゲル化が安定した時点で撹拌冷却した。撹拌によりペースト状になったヨーグルトを紙容器に充填、密封し、10℃以下の冷蔵庫で冷却保管した。冷却後、官能検査により、ヨーグルトとして適正な食味と物性を有することを確認した。

Claims (1)

  1. Lactobacillus paracasei KW3110株又は脂肪代謝抑制効果を有するLactobacillus paracasei KW3110株の変異株を有効成分とする脂肪代謝抑制剤。
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