JP2009099197A - 垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録再生装置 - Google Patents
垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録再生装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】良好な熱安定性と記録再生特性をともに有し、高記録密度が可能な垂直磁気記録媒体およびこれを用いた磁気記録装置を提供すること。
【解決手段】非磁性基板上に、少なくとも裏打ち層と下地層と磁気記録層を有する磁気記録媒体である。この垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層は少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層と、その上に少なくとも2層以上の面内磁気記録層が反強磁性結合している磁気記録層が積層された構造をしている。
【選択図】図1
【解決手段】非磁性基板上に、少なくとも裏打ち層と下地層と磁気記録層を有する磁気記録媒体である。この垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層は少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層と、その上に少なくとも2層以上の面内磁気記録層が反強磁性結合している磁気記録層が積層された構造をしている。
【選択図】図1
Description
本発明は、垂直磁気記録媒体およびこの垂直磁気記録媒体を用いた垂直磁気記録再生装置に関するものである。
近年、磁気ディスク装置、可撓性ディスク装置、磁気テープ装置等の磁気記録装置の適用範囲は著しく増大され、その重要性が増すと共に、これらの装置に用いられる磁気記録媒体について、その記録密度の著しい向上が図られつつある。特にHDD(ハードディスクドライブ)では、MRヘッド、およびPRML技術の導入以来、面記録密度の上昇はさらに激しさを増し、近年ではさらにGMRヘッド、TuMRヘッドなども導入され1年に約100%ものペースで増加を続けている。
一方、HDDの磁気記録方式として、いわゆる垂直磁気記録方式が従来の面内磁気記録方式(磁化方向が基板面に平行)に代わる技術として近年急速に利用が広まっている。垂直磁気記録方式とは、情報を記録する記録層の結晶粒子が基板に対して垂直方向に磁化容易軸をもっている。この磁化容易軸とは、磁化の向きやすい方向を意味し、一般的に用いられているCo合金の場合、Coのhcp構造の(0001)面の法線に平行な軸(c軸)である。これにより、高記録密度が進んだ際にも、記録ビット間の反磁界の影響が小さく、静磁気的にも安定という特徴がある。
垂直磁気記録媒体は、非磁性基板上に下地層、中間層(配向制御層)、磁気記録層、保護層の順に成膜されるのが一般的である。また、保護層まで成膜した上で、表面に潤滑層を塗布する場合が多い。また、多くの場合、軟磁性裏打ち層とよばれる磁性膜が下地層の下に設けられる。下地層や中間層は磁気記録層の特性をより高める目的で形成される。具体的には、磁気記録層の結晶配向を整えると同時に磁性結晶の形状を制御する働きがある。
垂直磁気記録媒体の記録密度の高記録密度化には、熱安定性を保ちながら低ノイズ化を実現する必要がある。ノイズ低減としては、一般的に2つの方法が用いられる。1つ目は記録層の磁性結晶粒子を磁気的に分離、孤立化させることで、磁性結晶粒子間の磁気的相互作用を低減する方法。2つ目は磁性結晶粒子の大きさを小さくする方法。具体的には、例えば、記録層にSiO2等を添加し、磁性結晶粒子がSiO2等を多く含む粒界領域に取り囲まれた、いわゆるグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層を形成する方法がある。しかしながらこのような方法で低ノイズ化を実施すると、熱安定性を確保するために、磁性結晶粒子の磁気異方性エネルギー(Ku)を増加させる必要がある。しかしながら、結晶磁気異方性エネルギーを増加させると、HcやHcoが大きくなり、記録ヘッドでの書き込みが不十分になり、その結果、再生特性が悪化するという問題が生じる。
この問題を解決する方法として、上記のグラニュラ構造からなる垂直磁気記録層(記録層)の上または下側に軟磁性粒子からなる磁気記録層を設けた、いわゆるコンポジットメディアが提案されている(例えば、非特許文献1、特許文献1)。この方法によれば少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する磁気記録層である硬磁性膜と面内磁気記録層である軟磁性膜が交換結合しているために、ヘッドからの磁界印加時に面内垂直磁気記録層部分が先に磁化反転を開始することで、従来の垂直磁気記録媒体に比べて低い印加磁界で反転することが可能となる。また、少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する磁気記録層と面内磁気記録層の間に非磁性膜を設けることで、少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する磁気記録層と面内磁気記録層の静磁気結合をコントロールすることで、最適な特性の垂直磁気記録媒体を設計することが可能である。
上記の少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する磁気記録層と面内磁気記録層との間に非磁性膜を設ける方法において、膜の厚さが不十分であると、磁気記録層に用いられる材料のKuが低いことにより、少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する磁気記録層と面内磁気記録層が一体化することで、ヒステリシスループの角型比(RS)が1未満に劣化してしまい、そのため熱揺らぎ耐性の改善が不十分となってしまい好ましくない。一方、非磁性膜の厚さが厚くなると、面内磁気記録層がより小さい磁界で磁化反転をしてしまうために、ヘッドからの微小な漏れ磁界に反応してしまうことで、記録の劣化をもたらすために好ましくない。
また特許文献2には、磁気記録層として、交換結合された少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する磁気記録層と面内磁気記録層とから構成し、少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する磁気記録層を磁性粒子とそれを取り囲む非磁性体とから構成し、且つ、垂直磁気異方性を有する構成とし、面内磁気記録層を負の結晶磁気異方性を有する材料から構成することが記載されている。
これらの文献1、2の方法ではヘッドからの微小な磁界に反応してしまう問題がある。
IEEE Transaction in Magnetics, vol.41, pp.537 特願2005−172601号
特願2006−351058号
また特許文献2には、磁気記録層として、交換結合された少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する磁気記録層と面内磁気記録層とから構成し、少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する磁気記録層を磁性粒子とそれを取り囲む非磁性体とから構成し、且つ、垂直磁気異方性を有する構成とし、面内磁気記録層を負の結晶磁気異方性を有する材料から構成することが記載されている。
これらの文献1、2の方法ではヘッドからの微小な磁界に反応してしまう問題がある。
IEEE Transaction in Magnetics, vol.41, pp.537
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、良好な熱安定性と記録再生特性をともに有し、高記録密度が可能な垂直磁気記録媒体およびこれを用いた磁気記録装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成とした。
(1)非磁性基板上に、少なくとも裏打ち層と下地層と磁気記録層を有する磁気記録媒体において、前記磁気記録層は少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層と、その上に少なくとも2層以上の面内磁気記録層を有し、この2層以上の面内磁気記録層が互いに反強磁性結合していることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
(2)面内磁気記録層が、基板円周方向に磁気異方性を有していることを特徴とする上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体。
(3)面内磁気記録層の層間にRu膜を有する上記(1)または(2)に記載の垂直磁気記録媒体。
(1)非磁性基板上に、少なくとも裏打ち層と下地層と磁気記録層を有する磁気記録媒体において、前記磁気記録層は少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層と、その上に少なくとも2層以上の面内磁気記録層を有し、この2層以上の面内磁気記録層が互いに反強磁性結合していることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
(2)面内磁気記録層が、基板円周方向に磁気異方性を有していることを特徴とする上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体。
(3)面内磁気記録層の層間にRu膜を有する上記(1)または(2)に記載の垂直磁気記録媒体。
(4)垂直磁気記録層と面内磁気記録層の間に非磁性の結合コントロール層を有することを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(5)垂直磁気記録層に含まれるグラニュラ構造を有する磁気記録層が、PtとCoを含む強磁性結晶粒子と粒界構成物質として、Si酸化物、Ti酸化物、W酸化物、Cr酸化物、Co酸化物、Ta酸化物およびRu酸化物のいずれか1種以上を含むことを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(6)面内磁気記録層に含まれる磁性層の総膜厚が、垂直磁気記録層に含まれる磁性層の総膜厚の1/2以下であることを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(5)垂直磁気記録層に含まれるグラニュラ構造を有する磁気記録層が、PtとCoを含む強磁性結晶粒子と粒界構成物質として、Si酸化物、Ti酸化物、W酸化物、Cr酸化物、Co酸化物、Ta酸化物およびRu酸化物のいずれか1種以上を含むことを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(6)面内磁気記録層に含まれる磁性層の総膜厚が、垂直磁気記録層に含まれる磁性層の総膜厚の1/2以下であることを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(7)面内磁気記録層の飽和磁束密度が400memu/cc以上であることを特徴とする上記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(8)面内磁気記録層がグラニュラ構造を有しており、粒界構成物質として、Si酸化物、Ti酸化物、W酸化物、Cr酸化物、Co酸化物、Ta酸化物およびRu酸化物のいずれか1種以上を含むことを特徴とする上記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(9)垂直磁気記録層に含まれる磁性層の総膜厚が5nm〜15nmの範囲内であることを特徴とする上記(1)乃至(8)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(10)結合コントロール層の膜厚が0.3nm以上3nm以下であることを特徴とする上記(4)乃至(9)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(8)面内磁気記録層がグラニュラ構造を有しており、粒界構成物質として、Si酸化物、Ti酸化物、W酸化物、Cr酸化物、Co酸化物、Ta酸化物およびRu酸化物のいずれか1種以上を含むことを特徴とする上記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(9)垂直磁気記録層に含まれる磁性層の総膜厚が5nm〜15nmの範囲内であることを特徴とする上記(1)乃至(8)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(10)結合コントロール層の膜厚が0.3nm以上3nm以下であることを特徴とする上記(4)乃至(9)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(11)垂直磁気記録層に含まれる磁性層の酸化物の総量が3モル%〜15モル%の範囲内であることを特徴とする上記(5)乃至(10)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(12)面内磁気記録層の酸化物の総量が15モル%以下であることを特徴とする上記(8)乃至(11)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(13)磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置であって、磁気記録媒体が、上記(1)乃至(12)の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体であることを特徴とする垂直磁気記録再生装置。
(12)面内磁気記録層の酸化物の総量が15モル%以下であることを特徴とする上記(8)乃至(11)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(13)磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置であって、磁気記録媒体が、上記(1)乃至(12)の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体であることを特徴とする垂直磁気記録再生装置。
本発明によれば、媒体SNRが向上し、OW特性に優れ、良好な熱安定性を有する垂直磁気記録媒体が得られ、高記録密度が可能となる。
以下図面を参照して本発明を詳しく説明する。
図1(a)は本発明に係る磁気記録媒体の一例を表す断面図、(b)はその磁気記録層5の詳細図である。
本発明の垂直磁気記録媒体10は、非磁性基板1上に少なくとも軟磁性裏打ち層2、その直上の膜の配向性を制御する配向制御層3および下地層4、磁気記録層5、保護層6が順に積層された構造を有する。7は潤滑層、8は密着層である。磁気記録層5は、垂直磁気記録層と面内磁気記録層をこの順で積層した構成とし、垂直磁気記録層は、少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する磁気記録層5−1から構成する。面内磁気記録層(符号5−3)は、2層以上の面内磁気記録層(符号5−3−1および符号5−3−3)から構成し、この2層の磁気記録層を反強磁性結合させるため、例えば、Ru等の非磁性層(符号5−3−2)を設けることができる。また、垂直磁気記録層と面内磁気記録層との間に、非磁性材料からなる結合コントロール層5−2を設けるのが好ましい。
図1(a)は本発明に係る磁気記録媒体の一例を表す断面図、(b)はその磁気記録層5の詳細図である。
本発明の垂直磁気記録媒体10は、非磁性基板1上に少なくとも軟磁性裏打ち層2、その直上の膜の配向性を制御する配向制御層3および下地層4、磁気記録層5、保護層6が順に積層された構造を有する。7は潤滑層、8は密着層である。磁気記録層5は、垂直磁気記録層と面内磁気記録層をこの順で積層した構成とし、垂直磁気記録層は、少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する磁気記録層5−1から構成する。面内磁気記録層(符号5−3)は、2層以上の面内磁気記録層(符号5−3−1および符号5−3−3)から構成し、この2層の磁気記録層を反強磁性結合させるため、例えば、Ru等の非磁性層(符号5−3−2)を設けることができる。また、垂直磁気記録層と面内磁気記録層との間に、非磁性材料からなる結合コントロール層5−2を設けるのが好ましい。
本発明の垂直磁気記録媒体に使用される非磁性基板としては、Alを主成分とした例えばAl−Mg合金等のAl合金基板や、通常のソーダガラス、アルミノシリケート系ガラス、アモルファスガラス類、シリコン、チタン、セラミックス、サファイア、石英、各種樹脂からなる基板など、非磁性基板であれば任意のものを用いることができる。中でもAl合金基板や結晶化ガラス、アモルファスガラス等のガラス製基板を用いられることが多い。ガラス基板の場合、鏡面研磨を施した基板やRa<1(Å)のような低Ra基板などが好ましい。軽度であれば、テクスチャが入っていても構わない。
磁気ディスクの製造工程においては、まず基板の洗浄・乾燥が行われるのが通常であり、本発明においても各層の密着性を確保する見地からもその形成前に洗浄、乾燥を行うことが望ましい。洗浄については、水洗浄だけでなく、エッチング(逆スパッタ)による洗浄も含まれる。また、基板サイズも特に限定しない。
磁気ディスクの製造工程においては、まず基板の洗浄・乾燥が行われるのが通常であり、本発明においても各層の密着性を確保する見地からもその形成前に洗浄、乾燥を行うことが望ましい。洗浄については、水洗浄だけでなく、エッチング(逆スパッタ)による洗浄も含まれる。また、基板サイズも特に限定しない。
軟磁性裏打ち層は多くの垂直磁気記録媒体に設けられている。媒体に信号を記録する際、ヘッドからの記録磁界を導き、磁気記録層に対して記録磁界の垂直成分を効率よく印加する働きをする。材料としてはFeCo系合金、CoZrNb系合金、CoTaZr系合金などいわゆる軟磁気特性を有する材料ならば使用することができる。軟磁性裏打ち層は、アモルファス構造であることが特に好ましい。アモルファス構造とすることで、表面粗さ:Raが大きくなることを防ぎ、ヘッドの浮上量を低減することが可能となり、さらなる高記録密度化が可能となるためである。また、これら軟磁性層単層の場合だけでなく、2層の間にRuなどの極薄い非磁性薄膜をはさみ、軟磁性層間に反強磁性結合を持たせた構造が好ましい。裏打ち層の総膜厚は20(nm)〜120(nm)程度であるが、記録再生特性と書き込み特性とのバランスにより適宜決定される
本発明では、裏打ち層の上に、磁気記録層の配向性を制御する配向制御層を設けることが好ましい。配向制御層の材料としては、Taやfcc(111)結晶面配向するNi、Ni−Nb、Ni−Ta、Ni−V、Ni−WなどNi合金が好ましい。
また、軟磁性裏打ち層がアモルファス構造をとる場合でも、材料や成膜条件によって表面粗さ:Raが大きくなることがあるため、裏打ち層と配向制御層の間に非磁性のアモルファス層を成膜することでRaを下げ、磁気記録層の配向を向上させることができる。
裏打ち層または配向制御層の上に下地層が設けられる。下地層の材料は、磁気記録層と同様にhcp構造をとる、RuやRe、またはそれらの合金が好ましい。中間層(配向制御層)の働きは、磁気記録層の配向を制御することにあるので、hcp構造をとらなくても磁気記録層の配向を制御できる材料であれば、用いることができる。下地層の総厚は記録再生特性と書き込み特性とのバランスから5(nm)以上20(nm)以下であることが好ましい。
また、軟磁性裏打ち層がアモルファス構造をとる場合でも、材料や成膜条件によって表面粗さ:Raが大きくなることがあるため、裏打ち層と配向制御層の間に非磁性のアモルファス層を成膜することでRaを下げ、磁気記録層の配向を向上させることができる。
裏打ち層または配向制御層の上に下地層が設けられる。下地層の材料は、磁気記録層と同様にhcp構造をとる、RuやRe、またはそれらの合金が好ましい。中間層(配向制御層)の働きは、磁気記録層の配向を制御することにあるので、hcp構造をとらなくても磁気記録層の配向を制御できる材料であれば、用いることができる。下地層の総厚は記録再生特性と書き込み特性とのバランスから5(nm)以上20(nm)以下であることが好ましい。
本発明における磁気記録媒体は少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層、反強磁性結合した面内配向の磁気記録層から構成される。また、グラニュラ構造を有する垂直磁気記録層と面内配向の磁気記録層間に非磁性の結合コントロール層を設けるのが好ましい。
少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層は実際に信号の記録がなされる層である。この層は、強磁性の結晶粒と非磁性である酸化物の結晶粒界とから構成されるグラニュラ構造をとる。
少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層は実際に信号の記録がなされる層である。この層は、強磁性の結晶粒と非磁性である酸化物の結晶粒界とから構成されるグラニュラ構造をとる。
垂直磁気記録層中の強磁性材料としては、Co、Ptを必須成分とし、これにグラニュラ構造を形成するための酸化物を添加したものを用いることが好ましい。酸化物としてはSi酸化物、Ti酸化物、W酸化物、Cr酸化物、Co酸化物、Ta酸化物およびRu酸化物のいずれか1種以上を含むものが好ましい。これらの酸化物を添加した強磁性材料としては、例えばCoCrPt−Si酸化物、CoCrPt−Ti酸化物、CoCrPt−W酸化物、CoCrPt−Cr酸化物、CoCrPt−Co酸化物、CoCrPt−Ta酸化物、CoCrPt−Ru酸化物、CoRuPt−Si酸化物、CoCrPtRu−Si酸化物などを挙げることができる。これらの酸化物を2種以上添加することも可能である。
少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層を形成する磁性結晶粒子の平均粒径は、3nm以上12nm以下が好ましい。平均粒界幅は0.3nm以上2.0nm以下であることが好ましい。平均結晶粒径および平均粒界幅は平面TEM観察像を用いて算出することができる。
垂直磁気記録層に含まれる磁性層の総膜厚は5nm〜15nmが好ましい。
少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層中に存在する酸化物の総量は3〜15モル%が好ましく、さらに好ましくは5〜15モル%である。酸化物の添加量の総量がこの範囲であると、良好なグラニュラ構造を形成することができる。
垂直磁気記録層に含まれる磁性層の総膜厚は5nm〜15nmが好ましい。
少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層中に存在する酸化物の総量は3〜15モル%が好ましく、さらに好ましくは5〜15モル%である。酸化物の添加量の総量がこの範囲であると、良好なグラニュラ構造を形成することができる。
垂直磁気記録層は2層以上の多層構造としてもよい。その場合、少なくとも一層が、上述のグラニュラ構造を有すればよい。
結合コントロール層としては、非磁性の材料、例えば、Pd、Ru、CoCrやこれらに酸化物を添加した材料などを用いることができる。材料は適宜決定される。結合コントロール層の厚さは、主に少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層と面内磁気記録層の保磁力(Hc)、飽和磁化(Ms)、膜厚などで最適な厚さが決定される。本発明においては0.3〜3nmの範囲であることが好ましい。
結合コントロール層としては、非磁性の材料、例えば、Pd、Ru、CoCrやこれらに酸化物を添加した材料などを用いることができる。材料は適宜決定される。結合コントロール層の厚さは、主に少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層と面内磁気記録層の保磁力(Hc)、飽和磁化(Ms)、膜厚などで最適な厚さが決定される。本発明においては0.3〜3nmの範囲であることが好ましい。
本発明の面内磁気記録層は、例えば面内磁気記録層(A)、Ru膜、面内磁気記録層(B)が積層した構造をとる。面内磁気記録層(A)と面内磁気記録層(B)は反強磁性結合していることが必要である。そのためにRu膜の膜厚は好ましくは0.3nm以上1.3nm以下である
本発明では、反強磁性結合する2層以上の面内磁気記録層について、基板円周方向に磁気異方性を付与するのが好ましい。このような構成とすることで、熱安定性、書き込み特性と記録再生特性のいずれも満たすことができる。この要因としては以下のように推定している。
外部から磁界がかかっていない状態では、面内磁気記録層を構成する面内磁気記録層(A)と面内磁気記録層(B)は反強磁性結合をしているために磁気的に安定な状態である。よって少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層に記録された信号も熱安定性を有することができる。面内磁気記録層が反強磁性結合していない場合は、面内磁気記録層のKuが低いことにより、少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層もその影響を受けて、熱安定性が劣る。一方、記録の際は、ヘッドからの磁界により、面内磁気記録層は従来の軟磁性の働きをすることで、書き込み特性と記録再生特性を持つことができる。また、記録再生時において、反強磁性結合をしていることで、面内磁気記録層からのノイズが漏れないことで、SNRの改善も見込める。
外部から磁界がかかっていない状態では、面内磁気記録層を構成する面内磁気記録層(A)と面内磁気記録層(B)は反強磁性結合をしているために磁気的に安定な状態である。よって少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層に記録された信号も熱安定性を有することができる。面内磁気記録層が反強磁性結合していない場合は、面内磁気記録層のKuが低いことにより、少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層もその影響を受けて、熱安定性が劣る。一方、記録の際は、ヘッドからの磁界により、面内磁気記録層は従来の軟磁性の働きをすることで、書き込み特性と記録再生特性を持つことができる。また、記録再生時において、反強磁性結合をしていることで、面内磁気記録層からのノイズが漏れないことで、SNRの改善も見込める。
しかしながら効果のメカニズムは単純ではなく、現時点では明確になっていない。
本発明の構成とすることで、熱安定性、書き込み特性と記録再生特性が両立できる原因は単純ではなく、現時点では明確になっていない。
面内磁気記録層の材料としては、Co合金、Ni合金、Fe合金などを挙げることができる。例えばCo−Ta−Cr−Ni、Ni−Fe−Ta、Ni−Fe−Moなどである。これらの合金に酸化物を添加して、グラニュラ構造とすることもできる。酸化物としてはSi酸化物、Ti酸化物、W酸化物、Cr酸化物、Co酸化物、Ta酸化物およびRu酸化物のいずれか1種以上を含むものが好ましい。これらの酸化物は面内磁気記録層中で15モル%以下、好ましくは3モル%以上、15モル%以下である。
本発明の構成とすることで、熱安定性、書き込み特性と記録再生特性が両立できる原因は単純ではなく、現時点では明確になっていない。
面内磁気記録層の材料としては、Co合金、Ni合金、Fe合金などを挙げることができる。例えばCo−Ta−Cr−Ni、Ni−Fe−Ta、Ni−Fe−Moなどである。これらの合金に酸化物を添加して、グラニュラ構造とすることもできる。酸化物としてはSi酸化物、Ti酸化物、W酸化物、Cr酸化物、Co酸化物、Ta酸化物およびRu酸化物のいずれか1種以上を含むものが好ましい。これらの酸化物は面内磁気記録層中で15モル%以下、好ましくは3モル%以上、15モル%以下である。
本発明における面内磁気記録層は基板の円周方向に異方性(磁化方向)を有するものが好ましい。
面内磁気記録層の総膜厚(Ruの膜厚は含まず)は1.0nm以上であることが好ましく、さらに好ましくは1.5nm以上である。面内磁気記録層の総膜厚が1.0nm未満であると、面内磁気記録層としての効果が不十分である。また、面内磁気記録層の総膜厚は少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層の半分以下であることが好ましい。面内磁気記録層の総膜厚が少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層の厚さの半分を超えると、面内磁気記録層自体からの低周波帯域のノイズが大きくなり、その結果、記録再生特性が劣化するために好ましくない。面内磁気記録層の飽和磁束密度は400memu/cc以上であることが好ましい。
磁気記録媒体の製造には通常スパッタリング法が用いられる。この場合磁気記録層が垂直磁気記録層となるか面内磁気記録層となるかは主として材料が支配的である。
面内磁気記録層の総膜厚(Ruの膜厚は含まず)は1.0nm以上であることが好ましく、さらに好ましくは1.5nm以上である。面内磁気記録層の総膜厚が1.0nm未満であると、面内磁気記録層としての効果が不十分である。また、面内磁気記録層の総膜厚は少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層の半分以下であることが好ましい。面内磁気記録層の総膜厚が少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層の厚さの半分を超えると、面内磁気記録層自体からの低周波帯域のノイズが大きくなり、その結果、記録再生特性が劣化するために好ましくない。面内磁気記録層の飽和磁束密度は400memu/cc以上であることが好ましい。
磁気記録媒体の製造には通常スパッタリング法が用いられる。この場合磁気記録層が垂直磁気記録層となるか面内磁気記録層となるかは主として材料が支配的である。
保護層はヘッドと媒体との接触によるダメージから媒体を保護するためのものであり、カーボン膜、SiO2膜などが用いられるが、多くの場合はカーボン膜が用いられる。膜の形成にはスパッタリング法、プラズマCVD法などが用いられるが、近年ではプラズマCVD法が用いられることが多い。マグネトロンプラズマCVD法も可能である。膜厚は1(nm)〜10(nm)程度であり、好ましくは2(nm)〜6(nm)程度、さらに好ましくは2(nm)〜4(nm)である。
図2は、上記磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置の一例を示すものである。図2に示す磁気記録再生装置は、図1に示す構成の垂直磁気記録媒体100と、磁気記録媒体100を回転駆動させる媒体駆動部101と、磁気記録媒体100に情報を記録再生する磁気ヘッド102と、この磁気ヘッド102を磁気記録媒体100に対して相対運動させるヘッド駆動部103と、記録再生信号処理系104とを備えて構成されている。
記録再生信号処理系104は、外部から入力されたデ−タを処理して記録信号を磁気ヘッド102に送り、磁気ヘッド102からの再生信号を処理してデ−タを外部に送ることができるようになっている。
本発明の磁気記録再生装置に用いる磁気ヘッド102には、巨大磁気抵抗効果(GMR)を利用したGMR素子、トンネル効果を利用したTuMR素子などを有した、より高記録密度に適した磁気ヘッドを用いることができる。
記録再生信号処理系104は、外部から入力されたデ−タを処理して記録信号を磁気ヘッド102に送り、磁気ヘッド102からの再生信号を処理してデ−タを外部に送ることができるようになっている。
本発明の磁気記録再生装置に用いる磁気ヘッド102には、巨大磁気抵抗効果(GMR)を利用したGMR素子、トンネル効果を利用したTuMR素子などを有した、より高記録密度に適した磁気ヘッドを用いることができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。膜組成の単位はいずれもモル%である。
(実施例1)
2.5インチハードディスク形状のガラス基板(コニカミノルタ製MEL3)をANELVA社製C−3040型スパッタリング装置の真空チャンバー内に導入した。スパッタリング装置の真空度を1×10-5Pa以下に排気した後、密着層として、Cr膜を10nm、裏打ち層として、70Co−20Fe−5Ta−5Zrを30nm、Ru膜を0.8nm、70Co−20Fe−5Ta−5Zrを30nm成膜した。次いで、配向制御膜として90Ni−10Wを5nm、下地膜としてRuを15nm成膜した。スパッタの際には、Arガスを用い、裏打ち層およびNi−10Wはガス圧0.8Pa、Ru下地層は8Paとした。
(実施例1)
2.5インチハードディスク形状のガラス基板(コニカミノルタ製MEL3)をANELVA社製C−3040型スパッタリング装置の真空チャンバー内に導入した。スパッタリング装置の真空度を1×10-5Pa以下に排気した後、密着層として、Cr膜を10nm、裏打ち層として、70Co−20Fe−5Ta−5Zrを30nm、Ru膜を0.8nm、70Co−20Fe−5Ta−5Zrを30nm成膜した。次いで、配向制御膜として90Ni−10Wを5nm、下地膜としてRuを15nm成膜した。スパッタの際には、Arガスを用い、裏打ち層およびNi−10Wはガス圧0.8Pa、Ru下地層は8Paとした。
磁気記録層としては、少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層として92(70Co−10Cr−20Pt)−8(SiO2)を12nm、結合コントロール層としてPdを1.0nmを成膜した。次いで、面内磁気記録層である第1の磁気記録層として66Co−5Ta−5Cr−20Ni−4(SiO2)を1.5nm、Ruを0.8nm、面内第2の磁気記録層として66Co−5Ta−5Cr−20Ni−4(SiO2)を1.5nm成膜した。スパッタの際はArガスを用い、少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層および面内磁気記録層の第1および第2の磁気記録層はガス圧2.0Pa、PdおよびRuは0.8Paとした。次いでカーボン保護膜をCVD法にて4nm成膜して磁気記録媒体を作製した。
得られた磁気記録媒体について、潤滑剤を塗布し、米国Guzik社製リードライトアナライザ1632及びスピンスタンドS1701MPを用いて、記録再生特性の評価を行った。記録再生特性としては、信号対ノイズ比(SNR、ただしSは線記録密度576kFCIでの出力、Nは線記録密度576kFCIでのrms(root mean square)値)とOW値(線記録密度576kFCIの信号を記録した後、線記録密度77kFCIの信号を上書きした前後の576kFCIの信号の再生出力比(減衰率)を評価した。
その後、Kerr測定装置(ネオアーク社製)により静磁気特性の評価をおこなった。また、磁気記録層のCoCrPt磁性結晶の結晶配向性を調べるため、X線回折装置(Philips社製)により磁性層のロッキングカーブの測定をおこなったところ、3.5°という非常に結晶配向分散の小さい膜であることが確認できた。最後に、磁気記録層の少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層の平面TEM観察を実施し、磁性結晶の結晶粒径観察をおこなった。その結果、明瞭なグラニュラ構造を有しており、平均結晶粒径が7.5nm、平均粒界幅が0.8nmであることを確認した。
面内磁気記録層の飽和磁化量(Ms)の評価、反強磁性結合の測定、確認はVSM(理研電子製)を用いた。
実施例1の評価結果を表1に示す。
実施例1の評価結果を表1に示す。
(比較例1)
面内磁気記録層である第1および第2の磁気記録層の間にRu膜を設けず、この2層を反強磁性結合させなかったこと以外は実施例1に準じて磁気記録媒体を作製した。結果を表1に示す。
表1より、実施例1の垂直磁気記録媒体は比較例1の垂直磁気記録媒体に対して、優れたSNRと熱安定性を有することが分かる。書き込み特性に関しては、大きな差は見られないことから、第1および第2の磁気記録層が反強磁性結合することで書き込み特性が悪化することはないことが分かる。
面内磁気記録層である第1および第2の磁気記録層の間にRu膜を設けず、この2層を反強磁性結合させなかったこと以外は実施例1に準じて磁気記録媒体を作製した。結果を表1に示す。
表1より、実施例1の垂直磁気記録媒体は比較例1の垂直磁気記録媒体に対して、優れたSNRと熱安定性を有することが分かる。書き込み特性に関しては、大きな差は見られないことから、第1および第2の磁気記録層が反強磁性結合することで書き込み特性が悪化することはないことが分かる。
(実施例2〜12)
少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する磁気記録層の膜厚と材料を表2に示す条件とした以外は、実施例1に準じて、ガラス基板に軟磁性裏打ち層、配向制御層、下地層、磁気記録層として少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する磁垂直気記録層、結合コントロール層、面内磁気記録層を順次成膜した。結果を表2に示す。
少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する磁気記録層の膜厚と材料を表2に示す条件とした以外は、実施例1に準じて、ガラス基板に軟磁性裏打ち層、配向制御層、下地層、磁気記録層として少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する磁垂直気記録層、結合コントロール層、面内磁気記録層を順次成膜した。結果を表2に示す。
(実施例13〜24)
面内磁気記録層の膜厚と材料を表3に示す条件とした以外は、実施例1に準じて、ガラス基板に軟磁性裏打ち層、配向制御層、下地層、磁気記録層として少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層、結合コントロール層、面内磁気記録層を順次成膜した。結果を表3に示す。
面内磁気記録層の膜厚と材料を表3に示す条件とした以外は、実施例1に準じて、ガラス基板に軟磁性裏打ち層、配向制御層、下地層、磁気記録層として少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層、結合コントロール層、面内磁気記録層を順次成膜した。結果を表3に示す。
(実施例25〜32)
結合コントロール層の膜厚と材料を表4に示す条件とした以外は、実施例1に準じて、ガラス基板に軟磁性裏打ち層、配向制御層、下地層、磁気記録層として少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層、結合コントロール層、面内磁気記録層を順次成膜した。結果を表4に示す。
結合コントロール層の膜厚と材料を表4に示す条件とした以外は、実施例1に準じて、ガラス基板に軟磁性裏打ち層、配向制御層、下地層、磁気記録層として少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層、結合コントロール層、面内磁気記録層を順次成膜した。結果を表4に示す。
(実施例33〜38)
下地層、配向制御層の膜厚と材料を表5に示す条件とした以外は、実施例1に準じて、ガラス基板に軟磁性裏打ち層、配向制御層、下地層、磁気記録層として少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層、結合コントロール層、面内磁気記録層を順次成膜した。結果を表5に示す。
下地層、配向制御層の膜厚と材料を表5に示す条件とした以外は、実施例1に準じて、ガラス基板に軟磁性裏打ち層、配向制御層、下地層、磁気記録層として少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層、結合コントロール層、面内磁気記録層を順次成膜した。結果を表5に示す。
本発明によれば、媒体SNRが向上し、OW特性に優れ、良好な熱安定性を有する磁気記録媒体が得られ、高記録密度が可能となるので、磁気ディスク装置、可撓性ディスク装置、磁気テープ装置等の高記録密度の磁気記録装置として好適である。
1 基板
2 裏打ち層
3 配向制御層
4 下地層
5 垂直磁気記録層
5−1 垂直磁気記録層
502 結合コントロール層
5−3 面内磁気記録層
5−3−1 面内磁気記録層の一方の層
5−3−2 Ru層
5−3−3 面内磁気記録層の他の層
6 保護層
7 潤滑層
8 密着層
100 垂直記録媒体
101 垂直記録媒体の駆動部
102 磁気ヘッド
103 磁気ヘッド駆動部
104 記録再生信号処理系
2 裏打ち層
3 配向制御層
4 下地層
5 垂直磁気記録層
5−1 垂直磁気記録層
502 結合コントロール層
5−3 面内磁気記録層
5−3−1 面内磁気記録層の一方の層
5−3−2 Ru層
5−3−3 面内磁気記録層の他の層
6 保護層
7 潤滑層
8 密着層
100 垂直記録媒体
101 垂直記録媒体の駆動部
102 磁気ヘッド
103 磁気ヘッド駆動部
104 記録再生信号処理系
Claims (13)
- 非磁性基板上に、少なくとも裏打ち層と下地層と磁気記録層を有する磁気記録媒体において、前記磁気記録層は少なくともCoとPtを含むグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層と、その上に少なくとも2層以上の面内磁気記録層を有し、この2層以上の面内磁気記録層が互いに反強磁性結合していることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
- 面内磁気記録層が、基板円周方向に磁気異方性を有していることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
- 面内磁気記録層の層間にRu膜を有する請求項1または2に記載の垂直磁気記録媒体。
- 垂直磁気記録層と面内磁気記録層の間に非磁性の結合コントロール層を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体。
- 垂直磁気記録層に含まれるグラニュラ構造を有する磁気記録層が、PtとCoを含む強磁性結晶粒子と粒界構成物質として、Si酸化物、Ti酸化物、W酸化物、Cr酸化物、Co酸化物、Ta酸化物およびRu酸化物のいずれか1種以上を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
- 面内磁気記録層に含まれる磁性層の総膜厚が、垂直磁気記録層に含まれる磁性層の総膜厚の1/2以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
- 面内磁気記録層の飽和磁束密度が400memu/cc以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
- 面内磁気記録層がグラニュラ構造を有しており、粒界構成物質として、Si酸化物、Ti酸化物、W酸化物、Cr酸化物、Co酸化物、Ta酸化物およびRu酸化物のいずれか1種以上を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
- 垂直磁気記録層に含まれる磁性層の総膜厚が5nm〜15nmの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体
- 結合コントロール層の膜厚が0.3nm以上3nm以下であることを特徴とする請求項4乃至9のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
- 垂直磁気記録層に含まれる磁性層の酸化物の総量が3モル%〜15モル%の範囲内であることを特徴とする請求項5乃至10のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
- 面内磁気記録層の酸化物の総量が15モル%以下であることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
- 磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置であって、磁気記録媒体が、請求項1乃至12の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体であることを特徴とする垂直磁気記録再生装置。
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JP2007269745A JP2009099197A (ja) | 2007-10-17 | 2007-10-17 | 垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録再生装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011248961A (ja) * | 2010-05-26 | 2011-12-08 | Showa Denko Kk | 磁気記録媒体および磁気記録再生装置 |
-
2007
- 2007-10-17 JP JP2007269745A patent/JP2009099197A/ja active Pending
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